JP2010238273A - 垂直磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】よりいっそうの高記録密度化に対応可能な垂直磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】垂直磁気記録方式での情報記録に用いる垂直磁気記録媒体であって、基板上に少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層とを備える垂直磁気記録媒体の製造方法において、前記下地層の成膜を2つのチャンバーを使用して行い、まず1つ目のチャンバーにおいて、連続または非連続の成膜の間に少なくとも1回のガス圧変更を含み、そのうち少なくとも1回は、変更後のガス圧が変更前よりも高くなるようにして成膜を行い、次いで2つ目のチャンバーにおいて、1つ目のチャンバーにおいて最も低い成膜圧力よりも高い圧力に設定して成膜を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気ディスク装置に搭載される垂直磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDD(ハードディスクドライブ)の面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚当り250Gバイトを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような所要に応えるためには1平方インチ当り400Gビットを超える情報記録密度を実現することが求められる。HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するためには、情報信号の記録を担う磁気記録層を構成する磁性結晶粒子を微細化すると共に、その層厚を低減していく必要があった。ところが、従来より商業化されている面内磁気記録方式(長手磁気記録方式、水平磁気記録方式とも呼称される)の磁気ディスクの場合、磁性結晶粒子の微細化が進展した結果、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、熱揺らぎ現象が発生するようになり、磁気ディスクの高記録密度化への阻害要因となっていた。
この阻害要因を解決するために、近年、垂直磁気記録方式用の磁気ディスクが提案されている。垂直磁気記録方式の場合では、面内磁気記録方式の場合とは異なり、磁気記録層の磁化容易軸は基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。例えば、特開2002−92865号公報(特許文献1)では、基板上に軟磁性層、下地層、Co系垂直磁気記録層、保護層等をこの順で形成してなる垂直磁気記録媒体に関する技術が開示されている。また、米国特許第6468670号明細書(特許文献2)には、粒子性の記録層に交換結合した人口格子膜連続層(交換結合層)を付着させた構造からなる垂直磁気記録媒体が開示されている。
そして、現在では、垂直磁気記録媒体での更なる高記録密度化が求められている。
垂直磁気記録媒体は、大きく分けて、硬質磁性材料からなる磁気記録層、軟磁性材料からなる軟磁性(裏打ち)層、これら磁気記録層と軟磁性層の間に存在する非磁性材料からなる中間層等を構成要素として備えている。現状ではいずれの層も多層構造をとっている。
このうち、中間層は、磁気記録層の下部に位置しており、磁気記録層の結晶配向性及びグラニュラー構造における分離性を制御する部分である。云わば、磁気記録層の土台とも言える非常に重要な部分である。したがって、これまでに構造、材料、成膜プロセス等において精力的に研究開発が進められた結果、中間層は、下方のシード層と上方の下地層に分かれ、さらに下地層は、同じ材料を使用しながら低ガス圧プロセスにて成膜される下部下地層と高ガス圧にて成膜される上部下地層との積層構造をとるようになった。特に、高ガス圧で成膜される上部下地層は、グラニュラー磁気記録層の直下に位置するため、磁気特性を制御する上で非常に重要な部分である。
特開2002−92865号公報 米国特許第6468670号明細書
ところが、本発明者が研究を進めるうち、従来の低ガス圧プロセスにて成膜される下部下地層と高ガス圧にて成膜される上部下地層との単なる積層構造では、より高記録密度の磁気記録媒体向けには所望の特性が得られないことが判明した。
本発明者の考察によれば、その理由としては、高ガス圧プロセスにて成膜される上部下地層はそれ自体グラニュラー構造をとるが、その粒及び磁界の均一性及び分離性が不十分であるために、それが直上の磁気記録層のグラニュラー構造にも影響し、結果的に記録再生時のS/N(シグナル/ノイズ)比の劣化を招いてしまうものと考えられる。
本発明はこのような従来の事情に鑑み、より一層の高記録密度化に対応可能な垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題を解決するべく鋭意検討した結果、現行の装置構成(チャンバー数)を変更することなく、従来の高ガス圧での上部下地層の成膜プロセスを最適化してグラニュラー構造の均一性及び分離性を改善することで、磁気記録層の磁気特性や記録再生特性をさらに改善できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を有するものである。
(構成1)
垂直磁気記録方式での情報記録に用いる垂直磁気記録媒体であって、基板上に、少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層とを備える垂直磁気記録媒体の製造方法において、前記下地層の成膜を2つのチャンバーを使用して行い、まず1つ目のチャンバーにおいて、連続または非連続の成膜の間に少なくとも1回のガス圧変更を含み、そのうち少なくとも1回は、変更後のガス圧が変更前よりも高くなるようにして成膜を行い、次いで2つ目のチャンバーにおいて、1つ目のチャンバーにおいて最も低い成膜圧力よりも高い圧力に設定して成膜を行うことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成2)
前記下地層は、Ru又はその合金を主成分とする材料からなることを特徴とする構成1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成3)
前記下地層の成膜において、最も低いガス圧を2Pa以下に設定し、最も高いガス圧を4Pa以上に設定することを特徴とする構成1又は2に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成4)
前記下地層は、2Pa以下のガス圧にて成膜する膜厚と、4Pa以上のガス圧にて成膜する膜厚とを略同じ膜厚とすることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成5)
前記磁気記録層は、コバルト(Co)を主体とする結晶粒子と、酸化物を主体とする粒界部を有するグラニュラー構造の強磁性層を含むことを特徴とする構成1乃至4のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(構成6)
前記磁気記録層上に炭素系保護層を形成することを特徴とする構成1乃至5のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
本発明によれば、現行の装置構成を変更することなく、従来の高ガス圧での上部下地層の成膜プロセスを最適化し、具体的には下地層の成膜を2つのチャンバーを使用して行い、まず1つ目のチャンバーにおいて、連続または非連続の成膜の間に少なくとも1回のガス圧変更を含み、そのうち少なくとも1回は、変更後のガス圧が変更前よりも高くなるようにして成膜を行い、次いで2つ目のチャンバーにおいて、1つ目のチャンバーにおいて最も低い成膜圧力よりも高い圧力に設定して成膜を行うことにより、磁気記録層の直下の下地層におけるグラニュラー構造の均一性及び分離性を改善することで、磁気記録層の磁気特性や記録再生特性をさらに改善でき、より一層の高記録密度化に対応可能な垂直磁気記録媒体を得ることができる。
実施例の垂直磁気既得媒体の層構成と成膜チャンバーとの関係を示す図である。 比較例(従来例)の垂直磁気既得媒体の層構成と成膜チャンバーとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
本発明は、構成1にあるように、垂直磁気記録方式での情報記録に用いる垂直磁気記録媒体であって、基板上に、少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層とを備える垂直磁気記録媒体の製造方法において、前記下地層の成膜を2つのチャンバーを使用して行い、まず1つ目のチャンバーにおいて、連続または非連続の成膜の間に少なくとも1回のガス圧変更を含み、そのうち少なくとも1回は、変更後のガス圧が変更前よりも高くなるようにして成膜を行い、次いで2つ目のチャンバーにおいて、1つ目のチャンバーにおいて最も低い成膜圧力よりも高い圧力に設定して成膜を行うこと特徴とするものである。
上記基板としては、詳しくは後述するが、ガラス基板が好ましく用いられる。
上記垂直磁気記録媒体の層構成の一実施の形態としては、具体的には、基板に近い側から、例えば密着層、軟磁性層、シード層、下地層、磁気記録層(垂直磁気記録層)、保護層、潤滑層などを積層したものである。
上記下地層は、垂直磁気記録層の結晶配向性(結晶配向を基板面に対して垂直方向に配向させる)、結晶粒径、及び粒界偏析を好適に制御するために用いられる。下地層の材料としては、面心立方(fcc)構造あるいは六方最密充填(hcp)構造を有する単体あるいは合金が好ましく、例えばRu、Pd,Pt,Tiやそれらを含む合金が挙げられるが、これらに限定はされない。本発明においては、特にRuまたはその合金が好ましく用いられる。Ruの場合、hcp結晶構造を備えるCoPt系垂直磁気記録層の結晶軸(c軸)を垂直方向に配向するよう制御する作用が高く好適である。なお、低ガス圧プロセスと高ガス圧プロセスによる積層構造の場合、同じ材料の組合わせはもちろん、異種材料を組合わせることもできる。
本発明においては、下地層の成膜工程において、従来、たとえばスパッタリング法により、1つ目のチャンバーにおいて低ガス圧プロセス、2つ目のチャンバーにおいて高ガス圧プロセスによる成膜を行い2層の下地層を形成していたプロセスを、例えば本発明の一実施の形態としては、以下のプロセスに変更した。
すなわち、従来と同様、下地層の成膜を2つのチャンバーを使用して行うが、まず1つ目のチャンバーにおいて、次のプロセスを行う。
a.成膜時のガス圧を最初に低ガス圧に設定して、プロセス時間の略前半を低ガス圧にて成膜する。
b.途中で極く短時間の圧力上昇待ち時間を設け、この間にガス圧を上げて高ガス圧に設定する(この間は成膜は行われない)。
c.引き続き成膜を行い、プロセス時間の略後半を高ガス圧にて成膜する。
次いで2つ目のチャンバーにおいて、成膜時のガス圧を高ガス圧に設定して成膜を行う。
つまり、本実施の形態においては、高ガス圧成膜プロセスの一部を低ガス圧成膜プロセスを実施する1つ目のチャンバーにて行うようにした。
本発明者の検討によると、高ガス圧成膜プロセスでの例えばRu層の成膜レートを遅くすると特性が大きく改善することが判明した。他方、低ガス圧成膜プロセスでのRu層については成膜レートを遅くしても特性は殆ど改善しない。通常、1つのチャンバーでの成膜時間は所定時間に決められている。このことから、1つ目のチャンバーで低ガス圧と高ガス圧の両方の成膜プロセスを実施し、2つ目のチャンバーでは高ガス圧成膜プロセスを実施することで、結果、高ガス圧での例えばRu層の成膜時間を長くすることができる。言い換えれば、高ガス圧での成膜レートを下げられる。つまり、下地層の材料が同じもしくは類似(金属単体とその合金など)のものを用いて、高ガス圧成膜プロセスの一部を低ガス圧成膜プロセスを実施する1つ目のチャンバーで行うことにより、高ガス圧プロセスでの成膜レートを好適に下げることができ、特性改善を図れる。
本発明は、現行の装置構成を変更することなく、従来の高ガス圧での上部下地層の成膜プロセスを上述のように最適化することで、特に磁気記録層の直下の上部下地層のグラニュラー構造の均一性及び分離性を改善することができ、その結果、磁気記録層の磁気特性や記録再生特性をさらに改善することができる。
なお、本発明においては、上記下地層の成膜における、低ガス圧は、例えば2Pa以下、さらに好ましくは1Pa以下に設定し、高ガス圧は例えば4Pa以上、さらに好ましくは4.5Pa以上に設定することが好適である。
また、下地層の膜厚は、特に制約される必要はないが、垂直磁気記録層の構造制御を行うのに必要最小限の膜厚とすることが望ましく、例えば全体で5〜30nm程度の範囲とすることが適当である。また、低ガス圧にて成膜する膜厚と高ガス圧にて成膜する膜厚とを略同じ膜厚とすることが好適である。
なお、本発明は、上記の実施の形態に制約される必要は無く、まず1つ目のチャンバーにおいて、連続または非連続の成膜の間に少なくとも1回のガス圧変更を含み、そのうち少なくとも1回は、変更後のガス圧が変更前よりも高くなるようにして成膜を行い、次いで2つ目のチャンバーにおいて、1つ目のチャンバーにおいて最も低い成膜圧力よりも高い圧力に設定して成膜を行えばよい。
基板上には、垂直磁気記録層の磁気回路を好適に調整するための軟磁性層を設けることが好適である。かかる軟磁性層は、第一軟磁性層と第二軟磁性層の間に非磁性のスペーサ層を介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchangecoupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成することが好適である。これにより第一軟磁性層と第二軟磁性層の磁化方向を高い精度で反並行に整列させることができ、軟磁性層から生じるノイズを低減することができる。具体的には、第一軟磁性層、第二軟磁性層の組成としては、例えばCoTaZr(コバルト−タンタル−ジルコニウム)またはCoFeTaZr(コバルト−鉄−タンタル−ジルコニウム)またはCoFeTaZrAlCr(コバルト−鉄−タンタル−ジルコニウム−アルミニウム−クロム)またはCoFeNiTaZr(コバルト−鉄−ニッケル−タンタル−ジルコニウム)とすることができる。上記スペーサ層の組成は例えばRu(ルテニウム)とすることができる。
軟磁性層の膜厚は、構造及び磁気ヘッドの構造や特性によっても異なるが、全体で15nm〜100nmであることが望ましい。なお、上下各層の膜厚については、記録再生の最適化のために多少差をつけることもあるが、概ね同じ膜厚とするのが望ましい。
また、基板と軟磁性層との間には、密着層を形成することも好ましい。密着層を形成することにより、基板と軟磁性層との間の付着性を向上させることができるので、軟磁性層の剥離を防止することができる。密着層の材料としては、例えばTi含有材料を用いることができる。
また、シード層は、下地層の配向ならびに結晶性を制御するために用いられる。全層を連続成膜する場合には特に必要のない場合もあるが、軟磁性層と下地層の相性如何によっては結晶成長性が劣化することがあるため、シード層を用いることにより、下地層の結晶成長性の劣化を防止することができる。シード層の膜厚は、下地層の結晶成長の制御を行うのに必要最小限の膜厚とすることが望ましい。厚すぎる場合には、信号の書き込み能力を低下させてしまう原因となる。
また、上記基板用ガラスとしては、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダタイムガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。また、アモルファスガラス、結晶化ガラスを用いることができる。なお、化学強化したガラスを用いると、剛性が高く好ましい。本発明において、基板主表面の表面粗さはRmaxで10nm以下、Raで0.3nm以下であることが好ましい。
また、上記垂直磁気記録層は、コバルト(Co)を主体とする結晶粒子と、酸化物またはSi,Ti,Cr,CoまたはSi,Ti,Cr,Co酸化物を主体とする粒界部を有するグラニュラー構造の強磁性層を含むことが好適である。
具体的に上記強磁性層を構成するCo系磁性材料としては、非磁性物質である酸化ケイ素や酸化チタン(TiO)を含有するCoCrPt(コバルト−クロム−白金)からなる硬磁性体のターゲットを用いて、hcp結晶構造を成型する材料が望ましい。また、この強磁性層の膜厚は、例えば20nm以下であることが好ましい。
また、補助記録層は、交換結合制御層を介して垂直磁気記録層の上部に設けることによって、磁気記録層の高密度記録性と低ノイズ性に加えて高熱耐性を付け加えることができる。補助記録層の組成は、例えばCoCrPtBとすることができる。
また、前記垂直磁気記録層と前記補助記録層との間に、交換結合制御層を有することが好適である。交換結合制御層を設けることにより、前記垂直磁気記録層と前記補助記録層との間の交換結合の強さを好適に制御して記録再生特性を最適化することができる。交換結合制御層としては、例えば、Ruなどが好適に用いられる。
上記強磁性層を含む垂直磁気記録層の形成方法としては、スパッタリング法で成膜することが好ましい。特にDCマグネトロンスパッタリング法で形成すると均一な成膜が可能となるので好ましい。
また、前記垂直磁気記録層の上に、保護層を設けることが好適である。保護層を設けることにより、磁気記録媒体上を浮上飛行する磁気ヘッドから磁気ディスク表面を保護することができる。保護層の材料としては、たとえば炭素系保護層が好適である。また、保護層の膜厚は3〜7nm程度が好適である。
また、前記保護層上に、更に潤滑層を設けることも好ましい。潤滑層を設けることにより、磁気ヘッドと磁気ディスク間の磨耗を抑止でき、磁気ディスクの耐久性を向上させることができる。潤滑層の材料としては、たとえばPFPE(パーフロロポリエーテル)系化合物が好ましい。潤滑層は、例えばディップコート法で形成することができる。
以下実施例、比較例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ガラス基板を得た。ディスク直径は65mmである。このガラス基板の主表面の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、Rmaxが2.18nm、Raが0.18nmという平滑な表面形状であった。なお、Rmax及びRaは、日本工業規格(JIS)に従う。
次に、枚葉式静止対向スパッタ装置を用いて、上記ガラス基板上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて、順次、密着層、軟磁性層、シード層、下地第一層、下地第二層、垂直磁気記録層、交換結合制御層、補助記録層、保護層の各成膜を行った。これら各層と成膜チャンバーとの関係を図1に示した。なお、1層分の成膜時間を3.7秒とした。
以下の各材料の記述における数値は組成を示すものとする。
まず、密着層として、10nmのCr-50Ti層を成膜した。
次に、軟磁性層として、非磁性層を挟んで反強磁性交換結合する2層の軟磁性層の積層膜を成膜した。すなわち、最初に1層目の軟磁性層として、25nmの (30Fe-70Co)-3Ta5Zr層を成膜し、次に非磁性層として、0.7nmのRu層を成膜し、さらに2層目の軟磁性層として、1層目の軟磁性層と同じ、(30Fe-70Co)-3Ta5Zr層を25nm成膜した。
次に、上記軟磁性層上に、シード層として、5nmのNi-7W層を成膜した。
次に,下地層として2層のRu層を成膜した。すなわち、下地第一層として、Arガス圧0.7PaにてRuを12nm成膜し、下地第二層として、Arガス圧4.5PaにてRuを12nm成膜した。この下地層の成膜プロセスを詳しく説明すると、下地第一層及び第二層(の一部)成膜用のRuターゲットの取り付けられたチャンバー(図1の成膜チャンバー4)において、まずArガス圧を0.7Paに調整して、Ruを0.8秒かけて12nm成膜し(下地第一層)、次いで0.4秒成膜を止めてArガス圧を4.5Paに上昇させた後、再びRuを2.0秒かけて6nm成膜した(下地第二層)。次の下地第二層成膜用のRuターゲットの取り付けられたチャンバー(図1の成膜チャンバー5)においては、Arガス圧を4.5Paに固定して、Ruを3.2秒かけて6nm成膜した(下地第二層)。
次に、下地層の上に、磁気記録層を成膜した。まず、垂直磁気記録層として、10nmの90(Co-10Cr-16Pt)-5SiO2-5TiO2を成膜した。次に、交換結合制御層として、0.3nmのRu層を成膜し、更にその上に補助記録層として、7nmのCo-15Cr-15Pt-5Bを成膜した。
そして次に、上記磁気記録層の上に、水素化ダイヤモンドライクカーボンからなる炭素系保護層を形成した。炭素系保護層の膜厚は5nmとした。
そして、スパッタ装置から取り出し、この後、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層をディップコート法により形成した。潤滑層の膜厚は1nmとした。
以上の製造工程により、実施例1の垂直磁気記録媒体が得られた。
(実施例2〜4)
実施例1における下地層の成膜工程において、下地第二層成膜用の成膜チャンバー5のターゲット材料を、Ru-O(O:2000wtppm)(実施例2)、Ru-1.0SiO2(実施例3)、Ru-1.0TiO2(実施例4)としたこと以外は、実施例1と同様にして下地層を成膜し、実施例2〜4の垂直磁気記録媒体を得た。
(比較例1)
下地層の成膜工程において、成膜チャンバー4(図2)において、Arガス圧を0.7Paに固定して、Ruを12nm成膜し(下地第一層)、次の成膜チャンバー5(図2)においては、Arガス圧を4.5Paに固定して、Ruを12nm成膜した(下地第二層)。この下地層の成膜工程以外は、実施例1と同様にして、比較例1の垂直磁気記録媒体を得た。なお、比較例1の垂直磁気記録媒体の層構成と成膜チャンバーとの関係を図2に示した。
(比較例2〜4)
比較例1における下地層の成膜工程において、下地第二層成膜用の成膜チャンバー5のターゲット材料を、Ru-O(O:2000wtppm)(比較例2)、Ru-1.0SiO2(比較例3)、Ru-1.0TiO2(比較例4)としたこと以外は、比較例1と同様にして下地層を成膜し、比較例2〜4の垂直磁気記録媒体を得た。
(評価)
上記実施例、比較例の垂直磁気記録媒体を用いて、以下の評価を行った。
すなわち、上記実施例1〜4、比較例1〜4の各垂直磁気記録媒体に対し、磁気特性、記録再生特性の評価を行った。静磁気特性の評価は、Kerr効果測定器を用いて、保磁力(Hc)、逆磁区核形成磁界(−Hn)、および飽和磁界(Hs)を測定した。また、記録再生特性の評価は、SPT/TMRヘッドを備えたスピンスタンドテスターを用いて、線記録密度1500kFCI(Kilo Flux Change per inch)にて、MWW(トラック幅)、およびエラーレートを測定した。
得られた結果を纏めて下記表1に示した。
Figure 2010238273
表1の結果から、実施例1〜4の垂直磁気記録媒体は、いずれも比較例に比べて良好な静磁気特性を備えていることが分かる。また、いずれも狭いトラック幅MWWを維持しつつ良好なエラーレート(−(マイナス)6乗台)が得られており、良好な静磁気特性とともに良好な記録再生特性を備えており、より一層の高記録密度化に対応可能な特性が得られることが確認できた。
一方、比較例1〜4(従来例)の垂直磁気記録媒体に関しては、いずれも静磁気特性が実施例よりも劣っており、またいずれもエラーレートが悪く(−(マイナス)5乗台)、実施例と比べると静磁気特性、記録再生特性がともに劣っており、より高記録密度の磁気記録媒体向けの所望の特性が得られないことが分かる。

Claims (6)

  1. 垂直磁気記録方式での情報記録に用いる垂直磁気記録媒体であって、
    基板上に、少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層とを備える垂直磁気記録媒体の製造方法において、
    前記下地層の成膜を2つのチャンバーを使用して行い、
    まず1つ目のチャンバーにおいて、連続または非連続の成膜の間に少なくとも1回のガス圧変更を含み、そのうち少なくとも1回は、変更後のガス圧が変更前よりも高くなるようにして成膜を行い、次いで2つ目のチャンバーにおいて、1つ目のチャンバーにおいて最も低い成膜圧力よりも高い圧力に設定して成膜を行うことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記下地層は、Ru又はその合金を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記下地層の成膜において、最も低いガス圧を2Pa以下に設定し、最も高いガス圧を4Pa以上に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記下地層は、2Pa以下のガス圧にて成膜する膜厚と、4Pa以上のガス圧にて成膜する膜厚とを略同じ膜厚とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記磁気記録層は、コバルト(Co)を主体とする結晶粒子と、酸化物を主体とする粒界部を有するグラニュラー構造の強磁性層を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記磁気記録層上に炭素系保護層を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
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