JP2010237733A - 有限要素モデル生成装置、有限要素モデル生成方法および有限要素モデル生成のためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】有限要素法により対象物体の破断を解析する際に、その破断の進展方向をより高精度に予測する。
【解決手段】対象物体の破断を解析するための、該対象物体に関して基礎となる基礎有限要素格子を取得し、その中の破断解析を行うべき範囲に含まれる所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を該所定の基礎有限要素格子に対して、且つ該準備された有限要素格子の格子配列方向が、該所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と一致しないように所定角度回転させて、互いに異なる一又は複数の補助有限要素格子を形成する。そして、該一又は複数の補助有限要素格子を、所定の基礎有限要素格子と接合して一体の有限要素格子とすることで、破断解析用の有限要素格子を形成し、その材料特性を、少なくとも補助格子形成部による補助有限要素格子の形成の形態に基づいて設定する。
【選択図】図3
【解決手段】対象物体の破断を解析するための、該対象物体に関して基礎となる基礎有限要素格子を取得し、その中の破断解析を行うべき範囲に含まれる所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を該所定の基礎有限要素格子に対して、且つ該準備された有限要素格子の格子配列方向が、該所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と一致しないように所定角度回転させて、互いに異なる一又は複数の補助有限要素格子を形成する。そして、該一又は複数の補助有限要素格子を、所定の基礎有限要素格子と接合して一体の有限要素格子とすることで、破断解析用の有限要素格子を形成し、その材料特性を、少なくとも補助格子形成部による補助有限要素格子の形成の形態に基づいて設定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、有限要素法により対象物体の破断を解析するための、該対象物体の有限要素モデルを生成する装置、方法、プログラムに関する。
外力が作用する対象物体において、破断がどのように生じ、それがどのように進行していくのかについて、有限要素法を利用して予測する技術が公開されている。これらの技術においては、対象物体について、それを有限要素格子に分割したモデルを構成し、そのモデルに対して破断のための荷重負荷や曲げモーメント等の境界条件を付与し、有限要素格子ごとに破断の発生の演算を行う。ここで、このような有限要素法による破断演算をより精度よく行うために、当初の有限要素モデルにおいて破断が発生すると判断されると、演算を行うモデルを破断進行状態のためのモデルに更新する技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照。)。
更に、対象物体の破断の予測を試みる技術として、特許文献2には、有限要素法による解析において、破壊条件に達した有限要素格子に隣接する格子の破断に関する判定条件を所定量低減させ、場合によっては該破壊条件に達した有限要素格子を細分化させて再び解析を行う技術が開示されている。また、特許文献3に開示の技術では、同様に有限要素法による解析において、対象物体において破断が生じる点を中心としてデローニー三角分割法で有限要素格子を生成することで、破断の高精度の予測を図ろうとしている。
有限要素法により対象物体の破断を解析する場合、破断が発生した後の該破断の進展方向については、必ず有限要素格子の配列方向に影響を受けるため、実際の対象物体における破断の進展方向と有限要素法による解析結果が一致しない場合がある。これは、有限要素モデルにおいて、破断条件に達した有限要素を脆弱化させて破断の進展方向を解析したり、また有限要素モデルを細分化してその要素数を増加したりした場合でも同様に見られる。その理由は、有限要素法においては、有限要素の歪や応力は接点変位を介して隣接する有限要素へ伝達されるため、ある有限要素での歪や応力が破断条件を満たすと、次の破断は、より多くの節点を共有する有限要素、すなわち辺を共有する隣接有限要素で発生することになるからである。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、有限要素法により対象物体の破断を解析する際に、その破断の進展方向をより高精度に予測することを目的とする。
本発明においては、上記課題を解決するために、対象物体について形成される有限要素モデルにおいて、その有限要素格子の配列方向に着目し、該配列方向を可及的に分散的に設定することとした。これにより、有限要素法による破断解析において、該破断の進展方
向の決定に支配的なファクターである有限要素格子の配列方向の影響を抑制することができ、実際の対象物体に即した破断解析、特に破断進展の解析が可能となる。
向の決定に支配的なファクターである有限要素格子の配列方向の影響を抑制することができ、実際の対象物体に即した破断解析、特に破断進展の解析が可能となる。
そこで、詳細には、本発明は、対象物体の破断を解析するために、該対象物体の有限要素モデルを生成する有限要素モデル生成装置であって、前記対象物体の破断を解析するための、該対象物体に関して基礎となる基礎有限要素格子を取得する基礎格子取得部と、前記基礎格子取得部によって取得された基礎有限要素格子のうち、破断解析を行うべき範囲に含まれる所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を該所定の基礎有限要素格子に対して、且つ該準備された有限要素格子の格子配列方向が、該所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と一致しないように所定角度回転させて、互いに異なる一又は複数の補助有限要素格子を形成する補助格子形成部と、前記補助格子形成部によって形成された前記一又は複数の補助有限要素格子を、前記所定の基礎有限要素格子と接合して一体の有限要素格子とすることで、破断解析用の有限要素格子を形成する解析用格子形成部と、前記解析用格子形成部によって形成された破断解析用格子の材料特性を、少なくとも前記補助格子形成部による前記補助有限要素格子の形成の形態に基づいて設定する材料特性設定部と、を備える。
上記有限要素モデル生成装置においては、基礎格子取得部によって、まず破断解析のための基礎となる基礎有限要素格子が取得される。この基礎有限要素格子については、対象物体に対して設定される任意の有限要素格子であり、あえて言えばこの基礎有限要素格子に沿ってのみ破断解析を行っても、いまだその格子配列方向の指向性の影響を受けた破断の進展方向しか予測できないものである。そして、この基礎有限要素格子には、従来の様々な有限要素格子の形成方法に基づいた格子が適用可能である。
そして、補助格子形成部によって、上記基礎有限要素格子の一部又は全部として含まれる、破断解析の対象となる範囲の所定の基礎有限要素格子に基づいて、一又は複数の補助有限要素格子が形成される。この補助有限要素格子は、複製や改めて別に入力されること等で準備された所定の基礎有限要素格子と同一の格子を、該所定の基礎有限要素格子と格子配列が一致しないように所定角回転させたものであり、したがって、それは当初の破断解析の基礎となる所定の基礎有限要素格子の格子配列方向とは異なる格子配列方向を有するものであるから、破断の進展方向についても、所定の基礎有限要素格子による指向性と異なる指向性を有する。なお、上記所定角度の回転は、当初の所定の基礎有限要素格子が形成する面上で行われるのが好ましいが、必ずしもその形態に限られるものではなく、肝要である点は、所定の基礎有限要素格子とは異なる格子配列方向を有する補助有限要素格子が得られるように、該所定の基礎有限要素格子を回転させたことである。
そして、解析用格子形成部は、上記所定の基礎有限要素格子と上記補助有限要素格子とを接合して一体の有限要素格子である破断解析用格子を形成する。上述の通り、所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子は、それぞれの格子配列方向が異なるため、これらが一体化された破断解析用格子は、当初の所定の基礎有限要素格子と比べて、その配列格子による指向性が分散的に存在することとなる。すなわち、破断解析用格子においては、その格子配列方向は、所定の基礎有限要素格子による指向性に大きく依存することはなく、該所定の基礎有限要素格子を含めて補助有限要素格子の格子配列方向の指向性にも同様に依存することで格子配列方向による指向性が分散されることとなる。
さらに、材料特性設定部が上記破断解析用格子に対して、実際の対象物体の材料特性を反映するように、少なくとも補助有限要素格子の形成の形態に基づいて該破断解析用格子の材料特性を設定する。ここで、補助有限要素格子の形成の形態とは、所定の基礎有限要素格子から補助有限要素格子が形成されるまでの過程において該補助有限要素格子について示された具体的な形態であり、例えば、形成された補助有限要素格子の数や、上記回転
の所定角度等が挙げられる。この材料特性設定部によって破断解析用格子の材料特性が設定されることで、対象物体の材料特性を破断解析用格子に反映させることになる。
の所定角度等が挙げられる。この材料特性設定部によって破断解析用格子の材料特性が設定されることで、対象物体の材料特性を破断解析用格子に反映させることになる。
このように本発明に係る有限要素モデル生成装置では、破断解析をすべき範囲の有限要素格子による破断進展に関する指向性が分散的に設定された破断解析用格子が得られる。その結果、当該破断解析用格子に基づいて破断解析を行うことで、実際の対象物体での破断の進展をより高精度に予測することが可能となる。また、当該破断解析用格子は、任意の基礎有限要素格子をベースとして容易に形成されるため、上記高精度の予測結果を得るために要する労力を軽減することができる。更には、破断解析用格子が得られるのは、対象物体のうち破断解析を行うべき範囲に限られるため、対象物体に対して最終的に行われる破断解析に要する解析時間の短縮を図ることが可能となる。
ここで、上記有限要素モデル生成装置において、前記補助格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と前記一又は複数の補助有限要素格子とにおいて、二つの有限要素格子の格子配列方向の為す角がそれぞれ均等となるように、該一又は複数の補助有限要素格子に関する前記所定角度の回転を行ってもよい。すなわち、解析用格子形成部によって接合されることになる、所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子のそれぞれの格子配列方向が均等に放射状態となったうえで、当該接合が行われることになるため、基礎有限要素格子の配列方向による指向性の影響を可及的に軽減することが可能となる。特に、このように接合される有限要素格子間の格子配列方向の為す角が均等にする形態は、対象物体が材料による指向性がない、もしくは少ない等方性材料による物体である場合に有用である。
また、上記有限要素モデル生成装置において、前記対象物体は、複数の材料層が積層され、且つ該積層された材料層に含まれる材料の延在方向が隣接する層間で異なる異方性材料物体である場合には、前記補助格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と前記一又は複数の補助有限要素格子とにおいて、それぞれの有限要素格子の格子配列方向が、前記異方性物体における材料の延在方向と対応するように、該一又は複数の補助有限要素格子に関する前記所定角度の回転を行うように構成してもよい。すなわち、解析用格子形成部によって接合されることになる、所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子のそれぞれの格子配列方向を異方性物体である対象物体の材料構造に沿わせることで、実際の対象物体に即した破断進展の予測が可能となる。
また、上述までの有限要素モデル生成装置において、前記解析用格子形成部は、前記一又は複数の補助有限要素格子を、前記所定の基礎有限要素格子に対応する前記対象物体の厚さに基づいて決定される所定距離だけ、該所定の基礎有限要素格子を基準として該対象物体の厚さ方向にオフセットさせた位置で、該所定の基礎有限要素格子との接合を行ってもよい。このようにオフセットを行って有限要素格子間の接合を行うことで、特に対象物体の厚さ方向において該対象物体により忠実な破断解析が可能となる。特にこのオフセット処理については、対象物体がその厚さ方向において変化する材料特性を有する場合、例えば異なる複数の材料層が積層された物体等の場合には有用である。
また、上述までの有限要素モデル生成装置において、前記解析用格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子と前記一又は複数の補助有限要素格子との間を、仮想的な弾性力によって接合し、これらの有限要素格子を一体化してもよい。これにより、各有限要素格子間の物理的なつながりを設定でき、以て実際の対象物体の材料構造により忠実な破断解析が可能となる。なお、前記対象物体は、同質の材料によって形成される等方性材料物体である場合、前記解析用格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子と前記一又は複数の補助有限要素格子との間の前記仮想的な弾性力を、前記等方性材料物体の縦弾性係数による弾性力よりも高く設定してもよい。すなわち対象物体が等方性材料物体であるときは、そ
の厚さ方向における破断が生じる可能性は、有限要素格子の格子配列方向に生じる破断よりも極めて低いため、このように仮想的な弾性力を比較的高く設定することで、等方性材料物体である対象物体により忠実な破断解析が可能となる。また、別の側面から、対象物体の厚さ方向の構成をより正確に反映させるために、上記仮想的な弾性力を非線形的な弾性力に設定してもよく、このような設定は、異なる複数の材料層が積層された物体等の場合に特に有用である。
の厚さ方向における破断が生じる可能性は、有限要素格子の格子配列方向に生じる破断よりも極めて低いため、このように仮想的な弾性力を比較的高く設定することで、等方性材料物体である対象物体により忠実な破断解析が可能となる。また、別の側面から、対象物体の厚さ方向の構成をより正確に反映させるために、上記仮想的な弾性力を非線形的な弾性力に設定してもよく、このような設定は、異なる複数の材料層が積層された物体等の場合に特に有用である。
ここで、上述までの有限要素モデル生成装置において、前記材料特性設定部は、形成された前記補助有限要素格子の数に基づいて、前記解析用有限要素格子に対応する該対象物体の厚さもしくは該解析用有限要素格子に対応する該対象物体の縦弾性係数のうち少なくとも一方を設定してもよい。また、これら以外の材料特性についても、同様に所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子の形態を反映させて、それらが接合されて形成された破断解析用格子の材料特性を設定するのが好ましい。
ここで、上述までの有限要素モデル生成装置に対して、前記基礎格子取得部によって取得された基礎有限要素格子のうち破断解析を行うべき範囲は、事前に前記対象物体において有限要素法に基づいて行われた、該対象物体の歪又は応力に関する解析結果に基づいて特定されてもよく、または、ユーザにより該基礎有限要素格子の中から任意に特定されてもよい。このように限定された範囲において、判断解析用格子が得られるようにすることで、対象物体の破断解析に要する時間の短縮化が図られ、特に前者の場合は、事前に破断が生じ得る範囲がある程度絞り込まれているため、より効率的な破断解析が見込まれる。
また、上述までの有限要素モデル生成装置に対して、前記補助格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を更に細分化し、該細分化された有限要素格子を前記所定角度回転させて前記一又は複数の補助有限要素格子を形成するようにしてもよい。破断解析の範囲を限定したうえで、更にそこを細分化して上記破断解析用格子を形成することになるため、効率的且つ高精度の破断予測が可能となる。
また、本発明を、対象物体の破断を解析するために、コンピュータが該対象物体の有限要素モデルを生成するための有限要素モデル生成方法の側面から捉えてもよく、また、コンピュータが対象物体の破断を解析するための、該対象物体の有限要素モデルを生成するプログラムの側面から捉えてもよい。これらの場合においても、上述した本発明に関するすべての技術的思想を適用することができる。また、プログラムについては、上記プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体の側面からも、本発明を捉えることができる。
有限要素法により対象物体の破断を解析する際に、その破断の進展方向をより高精度に予測することができる。
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態に係る有限要素モデル生成装置について説明する。なお、以下の実施の形態の構成は例示であり、本発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではない。
ここで、図1および図2に基づいて、従来技術による有限要素法での対象物体の破断解析について言及する。図1(a)に示す有限要素格子は四角形格子であり、同(b)に示すのは三角形格子である。仮に、四角形格子中の有限要素(1)で破断が生じたとすると、該有限要素(1)と辺を共有する4つの有限要素(2)のうち何れかに破断が進展することになる。また、三角形格子においても同様に、破断が生じる有限要素を(1)とすると、それと辺を共有する3つの有限要素(2)のうち何れかに破断が進展することになる。このように有限要素法による破断進展の解析においては、破断が生じた有限要素を中心としてそれぞれの有限要素格子の格子配列方向に依存するように破断が進展することになる。
また、図2には、従来技術による有限要素法での対象物体の破断解析の他の例を示す。図2(a)は図1(a)と同様に四角形格子であるがその格子が更に細分化されたものを示し、同(b)は四角形四分割格子を示し、同(c)は四角形放射状分割格子を示す。図2(a)に示す形態では、図1(a)に示す形態と比べて破断するか否かに関する予測精度の向上は図られるが、四角形格子の格子配列方向は図1(a)に示す形態と同一であるから、やはり破断進展に関しては同様にその格子配列方向の影響を強く受ける(図2中に破断視点方向を白抜き矢印で示す。以下同じ。)。また、図2(b)に示す形態でも、四角形を四分割して形成された三角形の格子の配列方向の影響を強く受けた破断進展の予測が行われることになり、図2(c)に示す形態でも、四角形を放射状に分割して形成された三角形の格子の配列方向の影響を強く受けた破断進展の予測が行われることになる。このように対象物体について当初に設定された有限要素格子の格子配列方向は、破断進展方向を決定づける支配的なファクターとなり、それがかえって高精度の破断進展予測を妨げる結果となっている。
上述したように、有限要素法による破断進展の予測は、生成された有限要素モデルの格
子配列方向に強く影響されるため、高精度の破断進展予測を行うためには、このような格子配列方向による破断進展の指向性が軽減された有限要素モデルの生成が極めて重要である。そこで、本発明に係る有限要素モデル生成装置は、そのような格子配列方向による判断進展の指向性を軽減するための有限要素モデルの生成を容易に行うものであり、以下にその原理を図3に基づいて説明する。
子配列方向に強く影響されるため、高精度の破断進展予測を行うためには、このような格子配列方向による破断進展の指向性が軽減された有限要素モデルの生成が極めて重要である。そこで、本発明に係る有限要素モデル生成装置は、そのような格子配列方向による判断進展の指向性を軽減するための有限要素モデルの生成を容易に行うものであり、以下にその原理を図3に基づいて説明する。
まず、本発明に係る有限要素モデル生成装置では、図3(a)に示すように、対象物体に対して基礎となる有限要素格子(以下、「基礎有限要素格子」という)10を取得する。この基礎有限要素格子は、従来技術の形成技術等、任意の技術によって取得されればよく、ここで示されている基礎有限要素格子は、図1(a)に示すように四角形格子である。次に、図3(b)に示すように、基礎有限要素格子10と同一の有限要素格子を準備し、それを基礎有限要素格子10で形成される面上で回転させた補助有限要素格子11を形成する。なお、図3(b)に示す補助有限要素格子11は基礎有限要素格子10を45度回転させたものであり、その結果、基礎有限要素格子10の格子配列方向と補助有限要素格子11の格子配列方向との間は45度のずれが生じている。
そして、基礎有限要素格子10に対して補助有限要素格子11を重ね合わせて(図3(c)参照、ここでは補助有限要素格子11を点線で表示している)、更にそれぞれを接合し一体の有限要素格子である破断解析用格子12を生成する(図3(d)参照。)。この破断解析用格子12のための接合においては、接合後の格子の大きさは当初の基礎有限要素格子の大きさを超えないものとし、そのため補助有限要素格子11の末端は適宜切断され、基礎有限要素格子10に対して連結される。
このようにして形成された破断解析用格子は、図3(d)に示すように、当初の基礎有限要素格子と比べて格子の配列方向が分散的に放射状になっていることが明確である。すなわち、破断解析用格子12は、基礎有限要素格子10と補助有限要素格子11のそれぞれの格子配列方向を兼ね備えるものであり、また基礎有限要素格子10と補助有限要素格子11同士は格子構造そのものは同質であるから、何れかの有限要素格子の影響を強く受けるといった破断進展に関する指向性の偏りを解消している。また、この指向性を更に解消するには、それぞれの回転角度が異なる複数の補助有限要素格子を準備し、それらを基礎有限要素格子10と接合すればよい。そして、破断解析用格子12は、基礎有限要素格子10をベースとして形成されるものであるから、その形成に要する労力を軽減することができる。したがって、本発明に係る有限要素モデル生成装置では、破断進展の予測精度を高め得る有限要素モデルを容易に生成することが可能となる。
上述までの原理に従って対象物体の有限要素モデルを生成する、本発明に係る有限要素モデル生成装置を含み、対象物体の破断解析を行う判断解析装置の具体的な構成について、以下に説明する。図4は、上記破断解析装置の構成を示す図である。この破断解析装置は、対象物体の破断解析を行うユーザが、該破断解析に関するデータの入力を行うための入力装置20、その入力装置20から入力されたデータを記憶するデータ記憶部21、上述した本発明に係る破断解析用格子を形成し破断解析のための有限要素モデルを生成する有限要素モデル生成部22、その生成された有限要素モデルに基づいて有限要素法により破断解析を実行する破断解析実行部23、その破断解析の結果をユーザに対して数値やイメージ等を利用して表示する表示部24を有する。
そして、上記破断解析装置はコンピュータによって構成され、さらに、上記データ記憶部21、有限要素モデル生成部22、破断解析実行部23、表示部24は、不図示のCPU、メモリ、ハードディスク等を含む当該コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現される。また、上記入力装置20として、当該コンピュータに設けられたキーボードやマウス等が利用できる。したがって、図4に示す破断解析装置のうち有限
要素モデル生成部22を含む部分が、本発明に係る有限要素モデル生成装置に相当することになる。
要素モデル生成部22を含む部分が、本発明に係る有限要素モデル生成装置に相当することになる。
以下、図4に示す破断解析装置に含まれる有限要素モデル生成装置による、対象物体の有限要素モデルの生成について図5に基づいて説明する。図5は、有限要素モデル生成装置によって行われる有限要素モデルの生成のための処理の流れを含む、破断解析装置によって行われる破断解析の処理の流れを示すフローチャートである。先ず、S101では、対象物体について基礎となる有限要素格子(図3(a)に相当する有限要素格子であり、同様に「基礎有限要素格子」という。)が、入力装置20からの直接の入力に基づいて又はデータ記憶部21に記憶されているデータに基づいて取得される。なお、先に述べたようにこの基礎有限要素格子は従来技術による任意の有限要素格子形成技術に従って取得されればよい。次に、S102では、対象物体の基礎有限要素格子のうち実際に破断解析をすべき範囲の指定が行われる。このように破断解析を行う範囲を指定するのは、破断解析に要する時間を短縮するためである。そして、この指定された範囲の基礎有限要素格子を、「所定の基礎有限要素格子」と以降言う。なお、以下に示す一例では、この所定の基礎有限要素格子は全体の基礎有限要素格子の一部となるが、これは本発明において対象物体の全体の基礎有限要素格子を所定の基礎有限要素格子とすることを妨げるものではない。破断解析の必要に応じて、対象物体の全体の基礎有限要素格子を所定の基礎有限要素格子としても構わない。
なお、S102における解析範囲の指定については、本実施の形態では入力装置20を介したユーザからの指示によって当該指定を行ってもよく、また破断解析を行う必要のある個所を予測する、破断解析そのものとは別の解析によって得られた結果に基づいて自動的に当該指定を行ってもよい。具体的な解析範囲の指定については後述する。
S103では積層数Nの読込みが行われる。この積層数Nは、図3(b)で示した補助有限要素格子の準備される数に基礎有限要素格子の数である1を加えた値、すなわち図3(c)で示したように重ねて接合される基礎有限要素格子と補助有限要素格子の総数である。後述するようにこの積層数Nが多くなるほど破断進展の解析を精度よく行うことが可能となるが、それに伴って解析に要する処理量が多くなるため、これらの均衡を踏まえて積層数Nが設定される。また、対象物体が異なる材料による層が積層されて形成された、いわゆる異方性材料物体である場合には、対象物体における材料層の数に積層数Nを対応付けてもよい。なおS103における読込みは、入力装置20を介したユーザからの入力に基づいて、又はデータ記憶部21によって記憶されているデータに基づいて行われる。
次に、S104では、S102で指定された、実際に破断解析の対象となる所定の基礎有限要素格子の複製が行われる。この複製は、図3(b)で示した補助有限要素格子の形成のために行われるものであって、ここで複製される所定の基礎有限要素格子数は、上記積層数N−1の値となる。なお、図3(b)では基礎有限要素格子そのものの複製を前提に説明したが、これは基礎有限要素格子の全体が所定の基礎有限要素格子に相当する場合の一例と考えればよく、したがってS104の処理は図3に示した本発明の原理に沿うものである。
次に、S105では、図3(b)で示した補助有限要素格子の形成のために、S104で複製されたN−1個の所定の基礎有限要素格子の回転角θの設定が行われる。この回転角θの設定において重要なのは、回転されることで形成されるN−1個の補助有限要素格子における格子配列方向が、所定の基礎有限要素格子を含めてすべて互いに異なるように、N−1個の複製された所定の基礎有限要素格子のそれぞれの回転角θの設定が行われなければならない点である。
そして、上述したように、この回転角θによって補助有限要素格子の格子配列方向が決定され、それが所定の基礎有限要素格子と接合され破断用解析格子の形成が行われることを考慮すると、破断解析の対象である対象物体の構造を踏まえた回転角θの設定が好ましい。例えば、対象物体が均一な材料によって形成されている、いわゆる等方性材料物体である場合には、当該対象物体では破断の進展は材料構造に影響されにくいと考えられるので、そのような場合には、所定の有限要素格子と補助用有限要素格子とは、各格子間の回転角の間隔がすべてにおいて均一になるように、各複製された所定の基礎有限要素格子の回転角θを設定するのが好ましい。図6(a)には、積層数Nが3の場合の、所定の基礎有限要素格子とN−1(=2)個の補助有限要素格子が重ねられた状態が示され、図6(b)には、積層数Nが9の場合の、所定の基礎有限要素格子とN−1(=8)個の補助有限要素格子が重ねられた状態が示されている。このように、対象物体が等方性材料物体であるときは、複製された所定の基礎有限要素格子の回転角θは90°/Nの倍数となる。
また、対象物体が異方性材料物体である場合には、対象物体における材料層に含まれる材料の延在方向、例えば、材料層が繊維層である場合にはその繊維の延在する方向に回転によって形成される補助有限要素格子の格子配列方向が一致するように回転角θを設定すればよい。
次にS106では、所定の基礎有限要素格子と回転によって形成される補助有限要素格子との間でのオフセットの設定が為される。このオフセットは、対象物体の厚さ方向における、所定の基礎有限要素格子に対する補助有限要素格子の相対位置を決定するパラメータである。このオフセットを設定することで、対象物体の厚さ方向の材料構造を、最終的に生成させる破断解析用格子による有限要素モデルに的確に反映させることが可能となる。
ここで、このオフセットの詳細について図7Aおよび図7Bに基づいて説明する。図7Aおよび図7Bは、複製元の格子(所定の有限要素格子)と、複製格子(補助有限要素格子)の、対象物体の厚さ方向における相関を示す図である。ここで、図7Aには、対象物体が等方性材料物体であるときの上記相関が示されている。対象物体が等方性材料物体の場合、その厚さ方向においては材料構造は均一であるためオフセットを設ける必要がない。したがって、この場合はS106で設定されるオフセットはゼロとなる。なお、図7Aにおいては、各格子の存在を理解しやすくするために格子間に一定の空間が存在するように記載されているが、実際にはオフセットがゼロであるため各格子は重複された状態となる。
一方で、図7Bには、対象物体が異方性材料物体であるときの上記相関が示されている。対象物体が異方性材料物体の場合、その厚さ方向において材料構造が均一とはならないためオフセットを設ける意義がある。たとえば、積層数Nが3である場合、図7B(a)に示すように元の格子を挟むように、対象物体の表側と裏側のそれぞれに、その厚さ方向における材料構造に応じたオフセット量を設定することができる。また、複製格子(補助有限要素格子)のオフセットされる位置は、必ずしも図7B(a)に示すように元の格子(所定の基礎有限要素格子)を挟む位置である必要がなく、図7B(b)や図7B(c)に示すように元の格子に対して表側もしくは裏側に複製格子を偏らせてオフセットさせてもよい。このような場合、複製格子がオフセットされていない側においては、破断解析のために指定された元の格子(所定の基礎有限要素格子)と指定されていない範囲の元の格子(基礎有限要素格子)とでは、厚さ方向における位置を同じ位置とすることができる。このような図7B(b)、(c)に示すオフセットの形態は、対象物体の破断解析を行うに際して、基礎有限要素格子で表わされる該対象物体の表側もしくは裏側が変形することによる、外部の構造体への接触等も有限要素法で解析する場合に、指定範囲と非指定範囲とでその接触し得る面の位置を揃えることになるため、より適切な解析結果を得ることが
でき有用である。
でき有用である。
S106の処理が終了すると、S107へ進む。S107では、S105で設定された回転角とS106で設定されたオフセットに従って、実際に複製された所定の有限要素格子の回転およびオフセットが実行され、補助有限要素格子が形成されることになる(例えば、図3(c)を参照)。この時点では、所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子との間には、両者を結び付ける相関は設定されていない。そこで、次にS108で、両者の間に相関を設けるため、図3(d)に基づいて説明された有限要素格子間の接合が行われ、これにより一体化された有限要素格子である破断解析用格子が形成されることになる。
ここで、破断解析用格子の形成において対象物体の材料構造を正確に反映させるべく、所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子との間に仮想的な弾性力による結合力が生じるように、両者の間に仮想バネを定義する。図8は、当該仮想バネの定義を説明するためのモデル図である。この仮想バネの定義は、対象物体の材料構造に即して行われるのが好ましく、図8(a)に示す例では、所定の基礎有限要素格子10の四角形格子に含まれる補助有限要素格子(点線で表示されている格子)11の節点が、当該所定の基礎有限要素格子10の四角形格子の一つの節点に対して仮想バネで接続されている。なお、所定の基礎有限要素格子10と補助有限要素格子11との格子間隔が十分に小さい場合は、図8(a)に示すように補助有限要素格子11の一つの節点に対して仮想バネを一つ定義することで、対象物体の材料構造を十分に反映できるが、当該格子間隔が比較的大きい場合には、例えば、図8(b)に示すように、補助有限要素格子11の一つの節点に対して複数の仮想バネを定義するのが好ましい。
また、図8に示す仮想バネのバネ定数については、対象物体の材料構造を十分に反映させる値であるべきである。例えば、対象物体が等方性材料物体である場合には、仮想バネのバネ定数は、対象物体そのものの縦弾性係数、すなわち基礎有限要素格子に設定されている縦弾性係数の値よりも大きい値とするのが好ましい。これは、対象物体が等方性材料物体である場合には、その厚さ方向においては破断が生じる可能性は、その有限要素格子の格子配列方向に破断が生じるよりも極めて低いと考えられるからである。一方で、対象物体が異方性材料物体である場合には、その厚さ方向において材料層間での剥離が生じる可能性があると考えられるため、その状態を反映させるべく仮想バネのバネ定数に非線形性を持たせてもよい。たとえば、伸びがある閾値を超えると発生する弾性力の伸びが鈍化するような非線形性を有するバネ定数の採用が可能である。
S108の処理が終了すると、S109へ進む。S109では、S108で形成された破断解析用格子の材料特性を、S101で取得された基礎有限要素格子の材料特性、すなわち対象物体そのものの材料特性と等価なものにさせるために、該破断解析用格子の材料特性の設定が行われる。設定が行われる材料特性について具体的には、板厚と、縦弾性係数や降伏応力等の材料物性が挙げられる。対象物体が等方性材料である場合には、基礎有限要素格子の材料特性を積層数Nで均等に除した値を、破断解析用格子に含まれる所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子のそれぞれに割り振ればよい。また、対象物体が異方性材料物体である場合には、それに含まれる材料層のそれぞれの厚さや材料物性に応じて、もしくはその他の適切な手法で、基礎有限要素格子の材料特性を比例的に按分した値を、所定の基礎有限要素格子と補助有限要素格子のそれぞれに適宜割り振ればよい。
このようにS101からS109までの処理によって、本発明に係る有限要素モデル生成装置による有限要素モデルが生成されることになり、その後S110において、有限要素法による破断解析が実行され、その実行結果がユーザに対して表示される。この表示結果は、上記破断解析用格子を利用した破断進展の解析結果であることから、S101で取得された基礎有限要素格子の格子配列方向に起因した指向性の影響は可及的に抑制されて
おり、したがって極めて高精度な破断進展が示されていると考えられる。
おり、したがって極めて高精度な破断進展が示されていると考えられる。
ここで、対象物体が等方性材料物体である場合、すなわち図7Aに示す場合の、基礎有限要素格子、補助有限要素格子、および両有限要素格子の間に設定される仮想バネの具体的なデータ構造を、基礎有限要素格子の構造とともに、図9A〜図9Dに示す。図9Aに示すように、当該基礎有限要素格子は、節点101〜116で構成される3×3の四角形格子である。なお、各四角形格子には101〜109の格子番号が付与されており、図9Aにおいては該格子番号は矩形で囲まれた状態で表示されている。図9Bが基礎有限要素格子に関するデータであり、そこに含まれる節点に関する点座標データ(X座標、Y座標、Z座標で構成される)と、四角形格子に関する格子データ(格子の材料、板厚、格子を形成する節点1〜4で構成される)と、材料に関する材料データ(密度、ヤング率(縦弾性係数)、ポアソン比で構成される)と板厚に関する板厚データ(板厚で構成される)とを含む。図9Cは補助有限要素格子に関するデータであり、そのデータ構造は、図9Bに示す基礎有限要素格子のものと同じである。図9Dは、仮想バネに関するデータであり、仮想バネが定義される場所およびその材料、断面に関するバネ定義データ(仮想バネが定義される有限要素格子上の節点と補助有限要素格子上の節点、仮想バネによる弾性力を決めるその材料および断面で構成される)と、仮想バネの材料に関する材料データ(密度、ヤング率(縦弾性係数)、ポアソン比で構成される)と断面に関する断面データ(直径で構成される)とを含む。ここで、図9Dに示す仮想バネに関して設定されているヤング率(縦弾性係数)の値は、図9Bおよび図9Cに示す各有限要素格子に関して設定されているヤング率(縦弾性係数)の値よりも高くなっている。これは、上述の通り、対象物体が等方性材料物体であることを考慮したものである。
また、図5で示したS102による解析範囲の手法について、図10Aおよび図10Bに基づいて説明する。図10Aには、図9Aに示す基礎有限要素格子において、破断解析とは別に行われた各四角形格子の歪を有限要素法により解析した結果が示されている。この歪に関する解析方法は従来技術によるものであるので、その詳細は割愛する。そして、その結果を、図10Bの上図に楕円形で囲まれた値で表示している。ここで、S102の処理において、閾値を0.2として当該閾値を超えた四角形格子が自動的に抽出され、その結果が点線で囲まれた四角形格子102、104、108、105、106となる。そして、これらの抽出された四角形格子を含み、且つその大きさが最も小さくなる矩形の格子群が所定の基礎有限要素格子として自動的に指定される。したがって、図10Bに示される場合では、上記5つの四角形格子に四角形格子109を加えた四角形格子群が所定の基礎有限要素格子となる。このように事前の解析結果に基づいた破断が生じやすい個所を含んだ有限要素格子をベースにして所定の基礎有限要素格子を自動的に指定することで、極めて効率的な破断解析が実現できる。
また、この所定の基礎有限要素格子の指定に際して、図10Bの下図のように、指定された基礎有限要素格子の格子間隔を、当初の基礎有限要素格子の格子間隔よりも細分化してもよい。これにより破断進展の高精度な解析に加えて、破断の発生に関する高精度な解析も可能となる。
10・・・・基礎有限要素格子
11・・・・補助有限要素格子
12・・・・破断解析用格子
20・・・・入力装置
21・・・・データ記憶部
22・・・・有限要素モデル生成部
23・・・・破断解析実行部
24・・・・表示部
11・・・・補助有限要素格子
12・・・・破断解析用格子
20・・・・入力装置
21・・・・データ記憶部
22・・・・有限要素モデル生成部
23・・・・破断解析実行部
24・・・・表示部
Claims (12)
- 対象物体の破断を解析するために、該対象物体の有限要素モデルを生成する有限要素モデル生成装置であって、
前記対象物体の破断を解析するための、該対象物体に関して基礎となる基礎有限要素格子を取得する基礎格子取得部と、
前記基礎格子取得部によって取得された基礎有限要素格子のうち、破断解析を行うべき範囲に含まれる所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を該所定の基礎有限要素格子に対して、且つ該準備された有限要素格子の格子配列方向が、該所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と一致しないように所定角度回転させて、互いに異なる一又は複数の補助有限要素格子を形成する補助格子形成部と、
前記補助格子形成部によって形成された前記一又は複数の補助有限要素格子を、前記所定の基礎有限要素格子と接合して一体の有限要素格子とすることで、破断解析用の有限要素格子を形成する解析用格子形成部と、
前記解析用格子形成部によって形成された破断解析用格子の材料特性を、少なくとも前記補助格子形成部による前記補助有限要素格子の形成の形態に基づいて設定する材料特性設定部と、
を備える有限要素モデル生成装置。 - 前記補助格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と前記一又は複数の補助有限要素格子とにおいて、二つの有限要素格子の格子配列方向の為す角がそれぞれ均等となるように、該一又は複数の補助有限要素格子に関する前記所定角度の回転を行う、
請求項1に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記対象物体は、複数の材料層が積層され、且つ該積層された材料層に含まれる材料の延在方向が隣接する層間で異なる異方性材料物体であり、
前記補助格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と前記一又は複数の補助有限要素格子とにおいて、それぞれの有限要素格子の格子配列方向が、前記異方性物体における材料の延在方向と対応するように、該一又は複数の補助有限要素格子に関する前記所定角度の回転を行う、
請求項1に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記解析用格子形成部は、前記一又は複数の補助有限要素格子を、前記所定の基礎有限要素格子に対応する前記対象物体の厚さに基づいて決定される所定距離だけ、該所定の基礎有限要素格子を基準として該対象物体の厚さ方向にオフセットさせた位置で、該所定の基礎有限要素格子との接合を行う、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記解析用格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子と前記一又は複数の補助有限要素格子との間を、仮想的な弾性力によって接合し、これらの有限要素格子の一体化する、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記対象物体は、同質の材料によって形成される等方性材料物体であり、
前記解析用格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子と前記一又は複数の補助有限要素格子との間の前記仮想的な弾性力を、前記等方性材料物体の縦弾性係数による弾性力よりも高く設定する、
請求項5に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記材料特性設定部は、形成された前記補助有限要素格子の数に基づいて、前記解析用有限要素格子に対応する該対象物体の厚さもしくは該解析用有限要素格子に対応する該対象物体の縦弾性係数のうち少なくとも一方を設定する、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記基礎格子取得部によって取得された基礎有限要素格子のうち破断解析を行うべき範囲は、事前に前記対象物体において有限要素法に基づいて行われた、該対象物体の歪又は応力に関する解析結果に基づいて特定される、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記基礎格子取得部によって取得された基礎有限要素格子のうち破断解析を行うべき範囲は、ユーザにより該基礎有限要素格子の中から任意に特定される、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の有限要素モデル生成装置。 - 前記補助格子形成部は、前記所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を更に細分化し、該細分化された有限要素格子を前記所定角度回転させて前記一又は複数の補助有限要素格子を形成する、
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の有限要素モデル生成装置。 - 対象物体の破断を解析するために、コンピュータが該対象物体の有限要素モデルを生成する有限要素モデル生成方法であって、
前記コンピュータが、
前記対象物体の破断を解析するための、該対象物体に関して基礎となる基礎有限要素格子を取得する基礎格子取得ステップと、
前記基礎格子取得ステップにおいて取得された基礎有限要素格子のうち、破断解析を行うべき範囲に含まれる所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を該所定の基礎有限要素格子に対して、且つ該準備された有限要素格子の格子配列方向が、該所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と一致しないように所定角度回転させて、互いに異なる一又は複数の補助有限要素格子を形成する補助格子形成ステップと、
前記補助格子形成ステップにおいて形成された前記一又は複数の補助有限要素格子を、前記所定の基礎有限要素格子と接合して一体の有限要素格子とすることで、破断解析用の有限要素格子を形成する解析用格子形成ステップと、
前記解析用格子形成ステップにおいて形成された破断解析用格子の材料特性を、少なくとも前記補助格子形成部による前記補助有限要素格子の形成の形態に基づいて設定する材料特性設定ステップと、
を実行する有限要素モデル生成方法。 - コンピュータが対象物体の破断を解析するための、該対象物体の有限要素モデルを生成するプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記対象物体の破断を解析するための、該対象物体に関して基礎となる基礎有限要素格子を取得する基礎格子取得ステップと、
前記基礎格子取得ステップにおいて取得された基礎有限要素格子のうち、破断解析を行うべき範囲に含まれる所定の基礎有限要素格子と同一の有限要素格子を、該所定の基礎有限要素格子とは別に準備し、該準備された有限要素格子を該所定の基礎有限要素格子に対して、且つ該準備された有限要素格子の格子配列方向が、該所定の基礎有限要素格子の格子配列方向と一致しないように所定角度回転させて、互いに異なる一又は複数の補助有限要素格子を形成する補助格子形成ステップと、
前記補助格子形成ステップにおいて形成された前記一又は複数の補助有限要素格子を、前記所定の基礎有限要素格子と接合して一体の有限要素格子とすることで、破断解析用の有限要素格子を形成する解析用格子形成ステップと、
前記解析用格子形成ステップにおいて形成された破断解析用格子の材料特性を、少なくとも前記補助格子形成部による前記補助有限要素格子の形成の形態に基づいて設定する材料特性設定ステップと、
を実行させる有限要素モデル生成のためのプログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009081809A JP2010237733A (ja) | 2009-03-30 | 2009-03-30 | 有限要素モデル生成装置、有限要素モデル生成方法および有限要素モデル生成のためのプログラム |
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-
2009
- 2009-03-30 JP JP2009081809A patent/JP2010237733A/ja not_active Withdrawn
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