JP2010237638A - 立体視光学装置および結像光学装置 - Google Patents

立体視光学装置および結像光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】観察方向に複数の表示面を設けた場合、これらの表示面を観察するために観察者との間に設置されるレンズにより、表示面ごとに異なった収差が発生する。表示面ごとに発生する収差が異なると、その収差の表れ方によっては、観察者は、表示される画像を良好に観察できない。
【解決手段】観察者の観察方向に複数の表示面と、複数の表示面と観察者との間にレンズ群を備える立体視光学装置であって、レンズ群は、観察者側における入射主光線の光軸とのなす角をθ、レンズ群の焦点距離をfとするとき、一つの表示面における像面の高さyが下記の条件式を満足することを特徴とする。
f・θ < y < f・tanθ
【選択図】図10

Description

本発明は、画像の立体的表示を可能とする立体視光学装置、および光学装置に関する。
従来、立体視光学装置として、例えばヘッドマウントディスプレイなど、表示面上に左右の視差画像を表示することにより、観察者が立体感を得るものが知られている。例えば特許文献1では、観察者の観察方向である奥行き方向に複数の表示面を設けて、それぞれ異なる画像を表示する技術が紹介されている。
特開2000−333211号公報
しかしながら、観察方向に複数の表示面を設けた場合、これらの表示面を観察するために観察者との間に設置されるレンズにより、表示面ごとに異なった収差が発生する。表示面ごとに発生する収差が異なると、その収差の表れ方によっては、観察者は、表示される画像を良好に観察できないという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の立体視光学装置は、観察者の観察方向に複数の表示面と、複数の表示面と観察者との間にレンズ群を備える立体視光学装置であって、レンズ群は、観察者側における入射主光線の光軸とのなす角をθ、レンズ群の焦点距離をfとするとき、当該一つの表示面における像面の高さyが下記の条件式を満足することを特徴とする。
Figure 2010237638
そして、本発明においては、複数の表示面のうちの一つの表示面が、レンズ群について無限遠方と共役関係にあることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の光学装置は、異なる物体距離に対する結像を行なうレンズ群を有する光学装置であって、レンズ群は、入射主光線の光軸とのなす角をθ、レンズ群の焦点距離をfとするとき、無限遠物体の像面における高さyが上記の条件式と同じ条件式を満足することにより、異なる物体距離に対応するそれぞれの結像面において像面湾曲の発生を抑えたことを特徴とする。
本実施形態における立体視光学装置の観察状態を表す概略図である。 左右の眼球のそれぞれに対して、図1の光学系を配置した概念図である。 レンズ群10の光学関係を説明する説明図である。 比較例1のレンズ群の構成を示す図である。 比較例1の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図である。 比較例1の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。 比較例1の物体距離が有限距離の収差曲線を示す図である。 比較例1の物体距離が有限距離のスポットダイアグラムを示す図である。 比較例1の物体距離が有限距離のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例1のレンズ群の構成を示す図である。 実施例1の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図である。 実施例1の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例1の物体距離が有限距離の収差曲線を示す図である。 実施例1の物体距離が有限距離のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例1の物体距離が無限遠方のときに平行平面ガラスを入れた時のスポットダイアグラムを示す図である。 比較例2のレンズ群の構成を示す図である。 比較例2の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図である。 比較例2の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。 比較例2の物体距離が有限距離の収差曲線を示す図である。 比較例2の物体距離が有限距離のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例2のレンズ群の構成を示す図である。 実施例2の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図である。 実施例2の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。 実施例2の物体距離が有限距離の収差曲線を示す図である。 実施例2の物体距離が有限距離のスポットダイアグラムを示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態における立体視光学装置の観察状態を表す概略図である。立体光学装置は、観察者1の観察方向と平行である光軸2に沿って観察者1側から、接眼レンズとしてのレンズ群10と、有限距離用の表示板11、および無限距離用の表示板12を備える。なお、図ではレンズ群10を一枚のレンズとして表現しているが、実際には複数のレンズより構成されるレンズ群である。
また、ここでは表示板を、有限距離用の表示板11と無限距離用の表示板12の2枚で表現しているが、さらに増やしても良い。これら複数の表示板は、それぞれ光軸2上に配置されたディスプレイであって、最奥のディスプレイ以外を半透明のディスプレイを用いて構成することができる。または、光軸2の外側に配置される複数のディスプレイから投射されたそれぞれの画像が、光軸2上に配置された部分反射鏡で反射されて投影される、光軸2上の複数の投影面として構成することでもできる。
立体視光学装置は、有限距離像15を、レンズ群10を介した有限距離用の表示板11の表示像として生成する。同様に無限距離像を、無限距離用の表示板12の表示像として生成する。このように、異なる距離像を、観察方向に対して異なる位置で配置した表示板にそれぞれ表示するので、観察者は、眼球のピント調整を伴った違和感の少ない観察を行うことができる。なお、実施形態の説明としては、図1に示した表示板12を無限距離用としたが、本発明における立体視光学装置としては、複数の表示板が共に有限距離にあってもよく、無限距離用表示板12は、必ずしも無限遠表示用に限られるものではない。
図2は、左右の眼球のそれぞれに対して、図1の光学系を配置した概念図である。観察者の右目3に対して、右目用レンズ群30と、右目有限距離用の表示板31、および右目無限距離用の表示板32を備える。同様に、観察者の左目4に対して、左目用レンズ群40と、左目有限距離用の表示板41、および左目無限距離用の表示板42を備える。
このように構成すると、右目3、左目4でそれぞれ異なる画像を観察することになる。そして、観察方向で対応する表示板、例えば右目有限距離用の表示板31と左目有限距離用の表示板41で視差を考慮した画像を協調表示することにより、観察者は、両眼視、輻輳、眼のピントの関係において違和感の少ない自然な立体視を行うことができる。
次に、レンズ群10の光学関係について説明する。図3は、レンズ群10の光学関係を説明する説明図である。
一般に、物体距離が変わると収差が発生する。すなわち、有限距離用の表示板11の像が無収差であったとしても、無限距離用の表示板12の像は無収差ではなくなる。また、逆に無限距離用の表示板12について無収差であったとしても有限距離用の表示板11の像については収差が発生する。立体視光学装置のための光学系は、一般的にレンズのFナンバーが大きい(暗い)ので、発生する収差は像面湾曲の影響が大きい。したがって、像面湾曲の影響を小さくなるようにすれば良い。また、図1からも明らかなように、レンズの口径があまり大きくならず、かつ観察者の眼球とレンズ群10との距離を十分とるためには、表示板側での主光線が光軸2と平行であるテレセントリックであることが望ましい。特に、表示板側でテレセントリックであれば、像面が前後しても像の大きさが変わらないので、複数の表示板を挿入する場合に、それぞれの表示板に表示する画像の画像処理等の観点からも有利である。
図3は本発明の基本構成であるレンズ群の射影方式を説明するための光路図である。光学設計の通常方式のとおり、左側(設計上の物体側)から右側(設計上の像側)に光が進行するものとして示されている。図3において、レンズ群10の焦点距離をfとすると、主平面100に対して、物体側にfだけ離れた位置に前側焦点面101、像側にfだけ離れた位置に後側焦点面102が存在する。ここでは、テレセントリックである場合を考える。すなわち、左側の焦点面101上に絞りを設けることにより、レンズ群10の右側で結像主光線が光軸に平行になり、いわゆる像側テレセントリックな光学系に構成されている。無限遠方の像は後側焦点面102に作られる。つまり、後側焦点面102は、無限遠方と共役関係にある。そして、図示するように、物体位置が前側焦点からL離れた位置にある場合を考える。実際の立体視光学装置の位置関係では、図1を用いて説明したように、物体は物体距離像としてレンズ群10に対して観察者1と反対側、すなわち図3の右方に存在するが、ここでは説明の簡略化を目的として、等価となるように左方に記して説明する。
物体面103上であって、光軸2外の物点110は、像点111に結像する。また、物体面103上であって、光軸2上の物点120は、光軸2上の像点121に結像する。像点121は、物体像面104上に存在する。すなわち、物体面103と物体像面104は、共役関係である。また、このときの後側焦点面102と物体像面104の距離をx'とする。
ここで、物体が光軸方向に移動してもレンズ群10の固有の値であるペッツバール和は不変であるので、メリジョナル像面湾曲の発生を抑えられれば、サジタル像面湾曲も低減できるはずである。いま、レンズ群10の射影関係を、
Figure 2010237638
(1)
と置く。ここで、yは後側焦点面102における像の高さであり、θは物体側での光軸2に対する主光線のなす角である。また、gは射影関係を表す関数である。
式(1)の両辺を微分すると、
Figure 2010237638
(2)
となる。さらに、図3における幾何関係から、
Figure 2010237638
(3)
である。ここで、aは絞りの半径である。物体が光軸方向に移動しても像面湾曲が発生しないということは、物体移動による近軸像点位置の移動と軸外でのメリジョナル像点の移動が一致すれば良い。より具体的には、物体面103の光軸2外の物点110に対する像点111が、物体面103の光軸2上の物点120に対する像点121が存在する平面である物体像面104上に存在すれば良い。
一般に、光軸2上での像面移動x'は、ニュートンの公式から
Figure 2010237638
(4)
が成立する。一方、像点111が物体像面104上に存在すると仮定すれば、像面での光線の開き角をα、主光線がΔθ傾いたときの像高の変化をΔyとして、
Figure 2010237638
(5)
が成り立つ。ここで、メリジョナル像点は非常に細い光束を考えているのでtanα≒sinαとし、式(5)を変形して、
Figure 2010237638
(6)
となる。また、ヘルムホルツ・ラグランジュに対応する関係から、より厳密にはストローベルの定理をメリジョナル面内に適用して、
Figure 2010237638
(7)
の関係があるので、式(2)から式(7)を用いて関数gを求めることができる。
まず、式(7)より、
Figure 2010237638
(8)
となる。式(8)を式(6)に代入して、
Figure 2010237638
(9)
となり、さらに式(2)(4)を式(9)に代入して、
Figure 2010237638
(10)
となる。さらに式(3)を式(10)に代入して、
Figure 2010237638
(11)
となり、式(11)を積分して
Figure 2010237638
(12)
となる。ここで、Fは第一種楕円積分である。
式(12)の解をわかりやすく理解するために、式(11)に近似式を当てはめて解くと、
Figure 2010237638
(13)
よって、
Figure 2010237638
(14)
となる。
以上より、関数gは式(12)として求められ、近似的には式(14)で表される結果が得られた。つまり、このような関数gを式(1)に代入して求められる射影関係を有するようにレンズ群10を設計すれば、像側のいずれの平面においても像面湾曲の無い光学系を実現することができる。
次に、このような射影関係を有する光学系が、具体的にどのような関係にあるかを考察する。一般的なftanθレンズでは、関数gは、
Figure 2010237638
(15)
となる。同様に、一般的なフーリエ変換レンズ(fsinθレンズ)では、関数gは、
Figure 2010237638
(16)
となる。さらに、一般的なfθレンズでは、関数gは、
Figure 2010237638
(17)
となる。式(15)から式(16)と式(14)を比較すると、本実施形態におけるレンズ群10の射影関係は、ftanθレンズの射影関係と、fθレンズの射影関係の間の射影関係であると言える。およそこの範囲であれば、像側のいずれの平面においても像面湾曲の極めて少ない光学系を実現することができる。
ここで、本実施形態における立体視光学装置との関係について説明する。
立体視光学装置は、観察者1の眼球が前側焦点面101と光軸2の交点である前側焦点に存在するように、使用されるものとして設計される。このとき、無限距離用の表示板12は、後側焦点面102に一致するように配置される。そして、有限距離である物体面103が図1に示すように、レンズ群10の右側に存在するとき、すなわち実際の立体視光学装置の構成と同様であるときには、物体像面104は、主平面100と後側焦点面102の間に存在することになる。したがって、有限距離用の表示板11は、レンズ群10と無限距離用の表示板12の間に配置される。
このようにして構成された立体視光学装置においては、像面湾曲が極めて少ないので、有限距離用の表示板11に表示される画像も、無限距離用の表示板12に表示される画像も、光軸中心から離れた周辺部に至るまでピントの合った画像として観察される。また、テレセントリックである場合、画像の倍率、焦点調整等を気にすることなく、有限距離用の表示板11をさらに挿入することもできる。
なお、像面湾曲を極力少なくする本実施形態における光学設計では、歪曲収差の補正が難しくなることがある。つまり、比較的大きな歪曲収差が残ることがある。しかしながら、観察者の観察対象は表示画像であるので、歪曲収差を打ち消すように表示させる表示画像を予め画像処理によって修正すればよい。具体的には、表示させる画像をタル型に画像処理すると良い。タル型に画像処理とは、本来の画像に対して、周辺部の画像データを中心寄りに収縮するように置き換える処理である。このように処理すると処理後の画像は矩形ではなくなるが、必要に応じて矩形にトリミングして表示板に表示すれば良い。
次に、具体的なレンズ群10の光学設計について、比較例と実施例を説明する。
(比較例1)
まず、後述する実施例の効果を示すための比較例として、像面湾曲ではなく歪曲収差を取り除いた場合の例を示す。図4は、比較例1のレンズ群の構成を示す図である。この例では、おおよそftanθの射影関係となっている。また、射出側でほぼテレセントリックとなっている。
レンズ群は物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凹形状の負レンズL42と両凸形状の正レンズL43との接合レンズと、両凸形状の正レンズL44と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL45と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL46との接合レンズと、物体側に凹面を向けた平凹レンズL47とからなる。
以下の表1に、比較例1に係るレンズ群の諸元の値を掲げる。[全体諸元]において、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位は「°」)をそれぞれ示す。
[レンズデータ]において、面は物体側からのレンズ面の順序、rはレンズ面の曲率半径、dはレンズ面の間隔をそれぞれ示す。また、ndはd線(λ=587.6nm)に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。また、曲率半径r=0.0000は平面を示し、空気の屈折率nd=1.0000はその記載を省略している。
ここで、以下の全ての諸元表において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、その他長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかし光学系は、比例拡大又は縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
なお、以下の全比較例、実施例の諸元値においても、本比較例1と同様の符号を用いる。
Figure 2010237638
図3によると、無限遠方の物体が像側焦点面上に作られる。立体視光学装置では、像側焦点面上に置かれた無限距離用の表示板12の像が無限遠方に作られ、観察者1はそれを観察することになる。
図5は、比較例1の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図であり、図6は、比較例1の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。図5において左図は像面湾曲図であり、実線はサジタル像面、点線はメリジョナル像面をそれぞれ示す。縦軸は光軸からの画角を表し、横軸はフォーカスを表す。単位はそれぞれ°(度)と、mmである。図5において右図は歪曲収差図であり、縦軸は光軸からの画角であり、横軸はディストーションである。単位はそれぞれ°(度)と、%である。図6においては、縦軸にフィールドポジションを表し、横軸にデフォーカスを表す。単位はそれぞれ°(度)と、mmである。図6には、各フィールドポジションおよびデフォーカスにおけるエアリーディスク(半径が1.22λF=0.007625mm)を円で示してある。なお、以下の全比較例、実施例においても、同様の図については同様に表すものとする。
図6のエアリーディスクとの関係から、ベストフォーカスでは十分に小さいことが分かる。ここで、物体を前側焦点から有限距離である250mm右方に置くと、収差曲線は図7のようになり、スポットダイアグラムは図8と図9に示すようになる。収差曲線の像面湾曲あるいはスポットダイアグラムからわかるように、像面湾曲が大きく発生していることが分かる。つまり、図4に示す比較例のレンズ群を立体視光学装置に適用した場合、有限距離用の表示板11の像については、像面湾曲が大きく発生し、周辺部で焦点の合っていない画像を観察することを意味する。
(実施例1)
実施例1の結像光学系では、比較例1に係る結像光学系を参照して、歪曲収差を発生させ、射影関係が(12)、あるいは近似式の(14)式を満足するようにした。図10は、実施例1のレンズ群の構成を示す図である。レンズ群は物体側(図中、左側)から順に、両凸形状の正レンズL11と、両凹形状の負レンズL12と両凸形状の正レンズL13との接合レンズと、両凸形状の正レンズL14と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16との接合レンズと、物体側に凹面を向けた平凹レンズL17とからなる。
以下の表2に、実施例1に係るレンズ群の諸元の値を掲げる。
Figure 2010237638
図11は、実施例1の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図であり、図12は、実施例1の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。ここで、物体を前側焦点から250mm右方に置くと、収差曲線は図13のようになり、スポットダイアグラムは図14に示すようになる。これらの図に示されるように、上記の条件を満足させることにより、物体位置が変わっても収差変化が非常に小さいことがわかる。特に像面湾曲の発生が極めて抑制されていることがわかる。
さらに、有限距離用の表示板11の厚さを2mmと想定して、平行平面ガラスを入れた時の無限遠方物体のスポットダイアグラムを図15に示す。このスポットダイアグラムから、平行平面板の挿入に起因する収差の発生についても問題がないことも分かる。
(比較例2)
比較例1と実施例1では色収差を考慮していなかったので、色収差を考慮した設計を行った。図16は、比較例2のレンズ群の構成を示す図である。レンズ群は物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL61と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL62と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL63との接合レンズと、両凸形状の正レンズL64と、両凸形状の正レンズL65と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL66との接合レンズと、物体側に凹面を向けた平凹レンズL67とからなる。以下の表3に、比較例2に係るレンズ群の諸元の値を掲げる。
Figure 2010237638
図17は、比較例2の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図であり、図18は、比較例2の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。スポットダイアグラムの色収差は、波長0.4861327μm、0.5875618μm、0.6562725μmの3波長について、それぞれ、+、□、△で示す。
ここで、物体を有限距離である前側焦点から250mm右方に置くと、収差曲線は図19のようになり、スポットダイアグラムは図20に示すようになる。図に示されるように、比較例1と同じく有限距離である物体によって像面湾曲が発生している。
(実施例2)
次に、色収差を考慮した実施例2について説明する。図21は、実施例2のレンズ群の構成を示す図である。レンズ群は物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL26との接合レンズと、物体側に凹面を向けた平凹レンズL27とからなる。以下の表4に、実施例2に係るレンズ群の諸元の値を掲げる。
Figure 2010237638
図22は、実施例2の物体距離が無限遠方の収差曲線を示す図であり、図23は、実施例2の物体距離が無限遠方のスポットダイアグラムを示す図である。 ここで、物体を有限距離である前側焦点から250mm右方に置くと、収差曲線は図24のようになり、スポットダイアグラムは図25に示すようになる。この例では若干の倍率色収差が発生しているが、物体位置が変わっても像面湾曲の発生が極めて抑制されていることがわかる。
以上のように、本実施形態によれば物体移動による像面湾曲発生を抑えることができる。つまり、無限距離に存在する物体に対して結像する結像面においても、有限距離に存在する物体に対して結像する結像面においても、更に、異なる有限距離に存在する物体に対して結像するそれぞれの結像面においても、それぞれ像面湾曲の発生が抑えることができる。したがって、このような光学系を立体視光学装置に適用すると、近景と遠景の双方について、もしくはそれ以上の表示板を奥行き方向に配置して、対応する物体距離の像を表示するように構成すれば、いずれの表示像も像面湾曲の抑えられた状態で観察することが可能となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 観察者、2 光軸、3 右目、4 左目、10 レンズ群、11 有限距離用の表示板、12 無限距離用の表示板、15 有限距離像、30 右目用レンズ群、31 右目有限距離用の表示板、32 右目無限距離用の表示板、40 左目用レンズ群、41 左目有限距離用の表示板、42 左目無限距離用の表示板、100 主平面、101 前側焦点面、102 後側焦点面、103 物体面、104 物体像面、110、120 物点、111、121 像点

Claims (9)

  1. 観察者の観察方向に複数の表示面と、前記複数の表示面と前記観察者との間にレンズ群とを備える立体視光学装置であって、
    前記レンズ群は、前記観察者側における入射主光線の光軸とのなす角をθ、前記レンズ群の焦点距離をfとするとき、前記一つの表示面における像面の高さyが下記の条件式を満足することを特徴とする立体視光学装置。
    Figure 2010237638
  2. 前記複数の表示面のうちの一つの表示面が、前記レンズ群について無限遠方と共役関係にあることを特徴とする請求項1記載の立体視光学装置。
  3. 前記レンズ群は、特に下記の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の立体視光学装置。
    Figure 2010237638
  4. 前記レンズ群は、前記複数の表示面側でテレセントリックとなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体視光学装置。
  5. 前記複数の表示面には、タル型に画像処理した画像を表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の立体視光学装置。
  6. 異なる物体距離に対する結像を行なうレンズ群を有する光学装置であって、
    前記レンズ群は、入射主光線の光軸とのなす角をθ、前記レンズ群の焦点距離をfとするとき、無限遠物体の像面における高さyが下記の条件式を満足することにより、前記異なる物体距離に対応するそれぞれの結像面において像面湾曲の発生を抑えたことを特徴とする光学装置。
    Figure 2010237638
  7. 前記異なる物体距離のうちの一つは無限遠であることを特徴とする請求項6記載の光学装置。
  8. 前記レンズ群は、特に下記の条件式を満足することを特徴とする請求項6または7に記載の光学装置。
    Figure 2010237638
  9. 前記レンズ群は、像側でテレセントリックとなることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の光学装置。
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