JP2010236000A - 金属表面の腐食防止方法及び光学部材 - Google Patents

金属表面の腐食防止方法及び光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】耐高温高湿性を向上させる金属表面の腐食防止方法を提供する。
【解決手段】金属材料からなる機能部材30を備える基材20を準備する工程と、第1の腐食防止材料で前記金属材料からなる機能部材を被覆する工程と、前記第1の腐食防止材料を硬化させて第1の腐食防止層42を形成する工程と、第2の腐食防止材料で前記第1の腐食防止層を被覆する工程と、前記第2の腐食防止材料を硬化させて、第2の腐食防止層44を形成する工程とを少なくとも含み、前記第1の腐食防止層が、前記第2の腐食防止材料の硬化反応を促進する機能を有する、金属表面の腐食防止方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属表面の腐食防止(防食)方法及び光学部材に関し、特に金属表面が高温及び/又は高湿(高湿度)に曝される場合の耐久性(以下、耐高温高湿性と称する場合がある。)を向上させることができる腐食防止方法及びかかる金属表面の腐食防止方法により耐高温高湿性が高められた光学部材に関する。
ほとんどの金属は、外部環境の種々の要因により様々な程度及びタイプの腐食を受ける。そのような腐食は金属の品質だけでなく、金属により形成された構成要素を備える製品全体の品質にも著しい影響を及ぼす。特に光学部材(光学素子)では、金属表面の腐食によって、反射、回折などの特性が大きく変動し、精密な光学的機能を発揮できなくなる。
金属の腐食防止方法としては、例えばクロム酸、重クロム酸またはその塩類を主成分として含有する処理液により金属表面を不動態化するクロメート処理が知られており、広く用いられてきた。
しかしながら、かかるクロメート処理は、毒性が高いという問題があった。また、着色という問題があるため、特に光学素子には適用することができない。
クロメート処理以外の手法としては、りん酸塩処理を施す方法、シランを用いたケイ酸塩処理を施す方法、および有機樹脂被膜処理を施す方法などが知られている。
しかし、りん酸塩処理は腐食し易い金属、例えばアルミニウムやアルミニウム合金では効果があまり期待できない。また、有機樹脂被膜処理は微細な金属構造体に適用する場合には、かかる微細な金属構造体の構造を埋め込むため、光学特性が大きく変動してしまうおそれがある。
各種シランを材料として用いたケイ酸塩処理を施す方法は、透明な被膜を形成できるという点で光学素子などの金属保護膜に向いている。例えば、特許文献1には、少なくとも2個の3置換シリル基を有する少なくとも1種類の多官能シランから本質的になり、置換基が加水分解性の基及びアセトキシ基からなる群より個々に選択したものであり、多官能性シランは少なくとも一部は加水分解していて、pHが約7以下となっている防食処理溶液を用いて金属基板表面を処理する防食方法が記載されている。特許文献1には、多官能性シランとして、2個の3置換シリル基が2価のアルキル基で結合されてなるものが開示されている。
特許文献2には、1種類あるいは2種類以上の加水分解されたか又は少なくとも部分的に加水分解されたアミノシラン、1種類あるいは2種類以上の加水分解されたか又は部分的に加水分解された多官能シランおよび溶剤を含有する混合溶液を金属基板に塗布し、溶剤をほぼ完全に除去することを含む、金属基板の防食性の向上方法が開示されている。特許文献2には、多官能シランとして、2個のシリル基が2価のアルキル基で結合されてなるものが開示されている。
特表2001−507755号公報 特許第4170593号公報
しかしながら、単に多官能シランを用いるだけでは、高温及び/又は高湿条件下における金属の腐食を十分に防止できず、特に金属材料からなる構造を含む光学素子の場合には、かかる構造の腐食により反射、回折などの光学的特性が変動してしまい、精密な光学的機能を発揮できなくなる。
また、アミノシランと多官能シランとの混合液を用いる場合には、混合液中で反応が開始されてしまうため、金属材料からなる機能部材を表面処理した際に均一な薄膜とならず、機能部材の耐湿熱性に部分的なムラが生じてしまい、高温及び/又は高湿条件に曝された場合に、光学素子の光学的機能を全体として均一に保つことができなくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、金属材料からなる機能部材(金属部材)を備える、例えば光学素子において、耐湿熱性をより高めることができる、金属表面の腐食防止方法を提供し、かかる金属表面の腐食防止方法を適用することにより、光学的特性の均一性を損なうことなく、耐高温高湿性がより高められた光学素子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を進めたところ、例えば基材に設けられた金属材料からなる機能部材に対して、第1の腐食防止層と、この第1の腐食防止層上に形成される第2の腐食防止層とを少なくとも含む金属腐食防止層を形成する処理を行うことにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、下記のものが提供される。
〔1〕 金属材料からなる機能部材を備える基材を準備する工程と、
第1の腐食防止材料で前記金属材料からなる機能部材を被覆する工程と、
第1の腐食防止材料を硬化させて第1の腐食防止層を形成する工程と、
前記第2の腐食防止材料で前記第1の腐食防止層を被覆する工程と、
前記第2の腐食防止材料を硬化させて、第2の腐食防止層を形成する工程とを少なくとも含み、
前記第1の腐食防止層が、前記第2の腐食防止材料の硬化反応を促進する機能を有する、金属表面の腐食防止方法、
〔2〕 前記第1の腐食防止材料を、アミノシラン化合物とする、〔1〕に記載の金属表面の腐食防止方法、
〔3〕 前記第1の腐食防止材料を、熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物とする、〔1〕に記載の金属表面の腐食防止方法、
〔4〕 前記第1の腐食防止層の膜厚を、最大でも5nmとする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の金属表面の腐食防止方法、
〔5〕 前記第1の腐食防止材料を、湿度50%RH(Rerative Humidity)以上の環境下で加熱蒸発させて、前記機能部材の表面に付着させることにより、該機能部材を被覆する、〔4〕に記載の金属表面の腐食防止方法、
〔6〕 前記金属材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の金属表面の腐食防止方法、
〔7〕 前記機能部材を光反射性金属層とし、当該光反射性金属層の表面を、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の金属表面の腐食防止方法により処理することにより得られる、光反射板、
〔8〕 前記基材を透明基板とし、前記機能部材を前記基材の上側に設けた金属グリッド層として、当該金属グリッド層の表面を、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の金属表面の腐食防止方法により処理して得られる、グリッド偏光子。
本発明にかかる金属表面の腐食防止方法によれば、簡易な工程で金属材料からなる機能部材の耐高温高湿性を効果的に高めることができる。また、例えば金属材料からなる微細な構造を含む機能部材を備える光学素子に、かかる金属表面の腐食防止方法を適用すれば、面内ムラのない、より均一な膜厚の腐食防止層を形成することができるため、光学的特性の均一性を損なうことなく、耐高温高湿性をより高めることができる。
図1は、反射板の構成例を説明するための概略的な一部断面図である。 図2は、グリッド偏光子の構成例を説明するための概略的な一部断面図である。
以下、図を参照して、本発明の実施形態につき説明する。なお、各図は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさおよび配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の説明によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下の説明に用いる各図において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する場合がある。
本発明の金属表面の腐食防止方法は、金属材料からなる機能部材(金属部材)を覆うように、第1の腐食防止層と、この第1の腐食防止層上に形成される第2の腐食防止層とを少なくとも含む金属腐食防止層を形成する点に特徴を有している。
図1及び図2に示すように、金属腐食防止層40は、少なくとも2層からなる腐食防止層を含んでいる。金属腐食防止層40は、金属の表面と接触して金属表面全面(露出面)を覆う第1の腐食防止層42と第1の腐食防止層42上に設けられている第2の腐食防止層44とを備えている。
<第1の腐食防止層>
第1の腐食防止層42は、金属表面を覆い、硬化されることで金属表面と密着し、さらにこの第1の腐食防止層42を覆うように積層される第2の腐食防止層44の硬化反応を促進するという、2つの機能を有している。具体的な材料は、例えば少なくとも部分的に加水分解された加水分解性シリル基と、例えば活性水素を含有する反応基又は活性水素含有基を形成し得る基とを、併せ持つ化合物である。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、燐酸基、亜燐酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、チオール基等が挙げられる。これらの中でも、腐食防止の観点から、アミノ基、カルボキシル基が好ましい。
第1の腐食防止層42の材料(「第1の腐食防止材料」ともいう)の具体例としては、アミノシラン化合物及びこれらの混合物と、カルボン酸とビニルエーテルとを反応させたブロックカルボン酸基とシリル基とを同一分子内に併せ持つ熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物などが挙げられる。
アミノシラン化合物としては、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ここでいう熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物とは、加熱処理により、遊離のカルボン酸を有するシラン化合物を生成する化合物である。熱剥離型カルボン酸含有シラン化合物としては、例えばヘミアセタールエステル結合を有するシラン化合物が挙げられる。
このようなヘミアセタール結合を有するシラン化合物の合成方法の一例としては、まず(1)ヒドロキシカルボン酸化合物とビニルエステル化合物とを反応させ、(2)得られたヒドロキシ基含有ヘミアセタール化合物とイソシアネートシランとをさらに反応させる方法が挙げられる。
第1の腐食防止層42の膜厚は、薄いほど好ましく、最大でも5nmとするのが好ましい。最も好ましくは第1の腐食防止層42を単分子膜として構成することである。
単分子膜とすれば、第1の腐食防止層42と第2の腐食防止層44との結合性がより向上するため、金属腐食防止層40の膜質をより緻密にすることができる。よって、外部環境に存在する腐食を促進する因子と機能部材32との接触を、より薄い膜厚で効果的に防止することができる。また、単分子膜とすれば、金属腐食防止層40の全体としての膜厚をより薄くすることができるので、光学部材10の光学的特性の向上に大いに寄与する。
<第2の腐食防止層>
第1の腐食防止層42上には第2の腐食防止層44が設けられている。この第2の腐食防止層44は、第1の腐食防止層42により硬化反応が促進される材料(「第2の腐食防止材料」ともいう)により構成される。第2の腐食防止層44は、例えば少なくとも部分的に加水分解された多官能加水分解性シラン化合物を含む材料により構成するのがよい。
第1の腐食防止層42の形成法としては、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の塗布方法にて塗布した後、熱により硬化させる方法や、第1の腐食防止層の材料を、湿度50%RH以上の環境下で加熱蒸発させて、前記金属部材の表面に付着させ、熱により硬化させることにより形成するが挙げられる。単分子膜に形成するためには、加熱蒸発させて金属表面に付着させ、硬化させる方法が好ましい。
硬化温度は、材料の揮発性により好適な温度を選択でき、塗布対象物に樹脂などが含まれる場合には、樹脂の耐熱温度などを考慮して、適宜設定される。
第2の腐食防止層44の材料としては、具体的には、少なくとも2個以上のシリル基を有する多官能シランを含有するのが好ましい。
前述の多官能シランは、シリル基を2個以上、好ましくは2個または3個有するのがよく、より好ましくは2個有するのがよい。
前述の多官能シランのシリル基としては、下記式(1)で表される3置換シリル基が好ましい。
Figure 2010236000
上記式(1)で表される3置換シリル基において、ケイ素原子(Si)に結合する置換基A、B及びCとしては、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アセトキシ基が挙げられる。これらのうち、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基およびエトキシ基が特に好ましい。
多官能シラン化合物としては、1,2−ビス−(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス−(トリメトキシシリル)エタン、1,6−ビス−(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,6−ビス−(トリアルコキシシリル)ヘキサン、1,2−ビス−(トリエトキシシリル)エチレン、1,4−ビス−(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、およびビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミンなどが挙げられる。
また、少なくとも2個のアルコキシシリル基がアミド結合を有する有機基で結合されてなる多官能シランを用いてもよい。
アミド結合を有する有機基は、少なくとも2個のシリル基を結合することができるものであれば、特に限定されない。アミド結合を有する有機基には、尿素結合、チオウレタン結合、ウレタン結合が含まれる。またこの有機基にはアミド結合が1又は2以上あってもよい。
アミド結合を有する有機基としては、具体的には、
−R−[NH−CO]−R10− 、
−R−[NH−CO−O]−R10− 、
−R−[NH−CO−NH]−R10− 、
−R−[NH−CO−S]−R10− 、
−R11−NH−R12−[NH−CO]−R10− 、
−R11−NH−R12−[NH−CO−O]−R10
−R11−NH−R12−[NH−CO−NH]−R10− 、
−R11−NH−R12−[NH−CO−S]−R10
−R−[NH−CO]−R12−NH−R11− 、
−R−[NH−CO−O]−R12−NH−R11− 、
−R−[NH−CO−S]−R12−NH−R11− 、
下記式(2)の有機基、
Figure 2010236000

(式中、D、DおよびDは、それぞれ独立に、
−R−[NH−CO]−R10− 、
−R−[NH−CO−O]−R10− 、
−R−[NH−CO−NH]−R10− 、
−R−[NH−CO−S]−R10− 、
−R11−NH−R12−[NH−CO]−R10− 、
−R11−NH−R12−[NH−CO−O]−R10
−R11−NH−R12−[NH−CO−NH]−R10− 、
−R11−NH−R12−[NH−CO−S]−R10− 、
−R−[NH−CO]−R12−NH−R11− 、
−R−[NH−CO−O]−R12−NH−R11− 、
−R−[NH−CO−S]−R12−NH−R11− である)
などが挙げられる。
多官能シランは、その分子量が、好ましくは3000以下であり、より好ましくは2000以下である。分子量は、成膜方法により任意好適な分子量のものを選択することができるが、粘度が高くなると塗布による成膜が難しくなるため、塗布が可能な程度とするのがよい。
第2の腐食防止材料には、前述の多官能シランが1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
第2の腐食防止材料には、多官能シランの濃度を調整するために溶剤が含まれていてもよい。溶剤の量は特に制限されないが、多官能シランの濃度が0.1〜10.0%となる量であることが好ましく、0.5〜5.0%となる量であることがより好ましい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;メチルアミン、エチルアミン、エーテルアミン、アルカノールアミンなどのアミン類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、シクロオクタンなどの脂環式炭素水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロナフタレンなどの芳香族炭化水素類;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物;脱塩水;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;灯油、ガソリン、スピンドル油、ミネラルターペン、流動パラフィン、シリコンオイルなどの鉱物油、合成油;牛脂、スクワラン、大豆油、やし油などの動植物油などが挙げられる。
第2の腐食防止材料で第1の腐食防止層42を被覆する方法としては、実施が容易であるため塗布法が好ましい。塗布の方法は、特に制限されず、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の塗布方法が挙げられる。
塗布後には、溶剤などの揮発性成分を除去し、かつ硬化反応を促進するため、加熱することが好ましい。加熱温度は溶剤が除去され、硬化反応が促進できる温度であれば特に制限されないが、塗布対象物に樹脂などが含まれる場合には、樹脂の耐熱温度などを考慮して、適宜設定される。乾燥及び/又は硬化温度が低すぎると密着不良によって腐食防止効果が低下傾向になるので、乾燥及び/又は硬化温度は80℃以上が好ましい。乾燥及び/又は硬化温度が高すぎると機能部材を備える基材への影響があるため、乾燥及び/又は硬化温度は200℃以下が好ましい。
金属腐食防止層40は、第2の腐食防止層44上に積層されるさらなる層を備えていてもよい。例えば、更に第3の腐食防止層を形成してもよいし、物理的応力による構造破壊や金属の耐擦傷性向上のための保護層や、光拡散機能などの機能層を形成してもよい。第2の腐食防止層44上に積層される層としては、光学部材の光学的な機能を損なわないことを条件として、従来公知の保護層を適用することができる。
保護層を形成する場合、例えば透明材料からなるフィルム状またはシート状の層とすることができる。この透明材料(透明樹脂)は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース樹脂、脂環式構造含有重合体樹脂などが挙げられる。
これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式構造含有重合体樹脂が好適である。
こうした脂環式構造含有重合体樹脂としては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(米国特許第6,511,756号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物などが挙げられる。
保護層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。保護層としては、波長400〜700nmの可視領域の光(可視光線)の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また保護層は、波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nx及びnyは保護層の面内主屈折率(nx≧ny);dは保護層の平均厚みである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
保護層を光学部材に積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。光学部材の表面(第2の腐食防止層44)と保護層との間に介在する接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。この保護層の接着に用いる接着剤としては例えば樹脂を用いることができ、この樹脂の種類は、光学部材の用途に応じて適宜選択できる。
保護層は、樹脂及び粒子からなる塗布液を、第2の腐食防止層44上に塗布する塗布工程によって、形成してもよい。
この塗布工程としては、まず樹脂及び粒子からなる塗布液を調製し、塗布液を樹脂フィルム表面に塗布し、乾燥することにより保護層を作製する手法が例示される。
保護層を形成する材料としては、光学特性の劣化防止という観点から、屈折率が低い物質であることが好ましい。
<適用例>
まず図1を参照して、本発明の金属表面の腐食防止方法を適用した光学部材の構成例につき説明する。ここでは光学部材として金属反射板を例にとって説明する。
<1.金属反射板の構成例>
図1は、金属反射板の構成を説明するための概略的な部分断面図である。
図1に示されるように、金属反射板である光学部材10は、基材20を備えている。
基材20は、目的に応じた任意好適な所望の従来公知の基材を用いることができる。
基材20上には、光学的な機能を担う機能部30が設けられている。この例では機能部30は機能部材32である。この例の機能部材32は、入射した入射光を反射する機能を有する光反射性金属層である。機能部材32は、基材20の上面を一体的に覆っている。
機能部材32の材料としては、鋼、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、金など、所望の機能に応じた任意好適な材料を用いることができる。
機能部材32の形成方法は、所望の機能や、その形状等を考慮して適宜選択できる。機能部材32の具体的な形成方法としては、公知の方法を用いることができる。たとえば、金属材料を基材20の上面に物理蒸着させるPVD法やめっき法、金属微粒子を溶剤中に分散し塗布し乾燥する方法などを挙げることができる。
PVD法は、材料を蒸発および/またはイオン化させ、対向する露出面に層(膜)を好適に形成する方法である。PVD法として、より具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法などが挙げられる。
機能部材32上には、金属腐食防止層40が設けられている。金属腐食防止層40は、機能部材32の表面を覆って、外部環境に由来する特に水分、酸素、高温といった機能部材32の腐食を促進する因子との直接的な接触を防止して、機能部材32の腐食を防止する。
本発明の金属腐食防止層40は、薄く形成しても金属の腐食を効果的に防ぐことができるので、金属腐食防止層の厚さに起因する好ましくない光の干渉を生じにくくすることができる。
<2.グリッド偏光子の構成例>
図2を参照して、本発明の金属表面の腐食防止法を適用した光学部材の構成例であるグリッド偏光子について説明する。
図2は、グリッド偏光子の構成を説明するための概略的な部分断面図である。なお、図中のグリッド偏光子の形状は一例であり、これに限定されるものではない。
図2に示されるように、グリッド偏光子は、透明な基板20の上に機能部材である金属グリッド層32が積層されて構成されている。金属グリッド層32は、光の波長よりも細い線状金属が光の波長よりも短い間隔で略平行に複数並んで格子をなしているものである。格子の長手方向に平行な振動面を有する直線偏光は、この金属グリッド層32で反射され、他の直線偏光はこの金属グリッド層32を透過する。
グリッド偏光子には、上述のような平らな透明基板上に金属層を格子状に積層させたものに加え、例えば格子の太さおよび間隔に対応する大きさの畝を有する透明基板の該畝の頂面および該畝間にある溝の底面に金属層を積層させ格子状にしたものなどがある。いずれの構造のグリッド偏光子であっても、本発明の金属表面の腐食防止方法を適用することができる。
グリッド偏光子は、少なくとも、基板20と、この基板20の表面に形成された金属からなる金属グリッド層32と、金属グリッド層上に形成された少なくとも2層の腐食防止層(42)及び(44)からなる金属腐食防止層40とを備えている。グリッド偏光子10は、基板10と金属グリッド層32との間に、密着性付与層や、微細な凹凸を有する層などをさらに形成した構成としてもよい。
基板20としては、例えばガラスや石英などの透明なリジッド基板や、透明樹脂からなるフィルム状またはシート状の基板を用いることができる。
透明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース樹脂、三酢酸セルロース樹脂、脂環式構造含有重合体樹脂などが挙げられる。
金属グリッド層32は、金属からなり、基板を厚み方向から見た平面視で縞状パターンを形成しており、略平行に並ぶ複数の微細な凸状細線構造を有するものである。凸状細線の周期は、可視光線の波長よりも短いことが好ましい。該凸状細線は、稜線が略直線状に延びるものである。凸状細線の垂直断面形状は特に限定されないが、矩形、台形、菱形、山形などが挙げられる。
凸状細線の高さは、好ましくは5〜3000nm、より好ましくは20〜1000nm、特に好ましくは50〜300nmである。
互いに隣接する凸状細線間に形成される空間の幅は、好ましくは200nm以下、好ましくは20〜100nmである。
凸状細線の幅は、好ましくは25〜300nmであり、長さは、好ましくは800nm以上である。
また、凸状細線の中心間距離(ピッチ)即ち凸状細線の周期は、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。
偏光分離性能などの光学特性を考慮すると、複数の凸状細線が互いに略平行に周期的に(同一ピッチで)並んだものが好ましい。なお、本発明において、略平行とは、平行方向から±5°の範囲内にあることをいう。
金属グリッド層32に用いる材料としては、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等の金属が挙げられる。なかでもアルミニウムが光学特性や製造コスト面から好ましい。
金属グリッド層32は、前記材料を物理蒸着(PVD法)することによって形成することができる。
PVD法は、蒸着材料を蒸発させてイオン化し、被膜を形成する方法である。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法等が挙げられる。これらのうち表面粗さを小さくすることが容易という観点から真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法は、真空にした容器の中で、蒸着材料を加熱して気化もしくは昇華して、蒸着材料から離れた位置に置かれた基材の表面に、蒸着材料を付着させ、薄膜を形成する方法である。加熱手段としては、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどが挙げられる。物理蒸着を行う装置内の雰囲気は、好ましくは絶対圧1×10−2Pa以下、より好ましくは絶対圧8×10−3Pa以下である。
物理蒸着による成膜速度は、好ましくは1.0nm/秒以上、より好ましくは2.5nm/秒以上、特に好ましくは4.0nm/秒以上である。なお、成膜速度の上限は、成膜装置の性能による限界があるのみで、表面粗さを小さくするという観点においては特に制限されない。成膜速度をこの範囲に調整することによって、表面粗さを小さくすることができる。
凸状細線すなわち金属グリッド層32上には、金属腐食防止層40が設けられている。金属腐食防止層40は、金属グリッド層32に接触してその表面全面(露出面)を覆う第1の腐食防止層42と、第1の腐食防止層42上に設けられていて、その表面全面を覆う第2の腐食防止層44とを備えている。
金属腐食防止層40は、金属グリッド層32の表面を覆って、外部環境に由来する特に水分、酸素、高温といった凸状細線の腐食を促進する因子との直接的な接触を防止して、凸状細線すなわち金属グリッド層32を腐食から保護する。
金属腐食防止層40の厚さは、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは5nm〜50nmであり、特に好ましくは5nm〜30nmである。金属腐食防止層40が薄すぎると腐食防止効果が低くなり、厚すぎると光学特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
金属腐食防止層40は、薄く形成しても金属の腐食を効果的に防ぐことができるので、本発明の方法を適応すれば、凸状細線同士間の凹部の埋没による光学特性への影響がほとんどなく、金属グリッド層32の腐食防止を効果的に行うことができる。
<3.金属腐食防止層の形成方法>
次に、上述した構成を有する金属腐食防止層40の形成方法について説明する。
金属グリッド層32の形成が完了した状態の製造途中の光学部材を準備して、第1の腐食防止層42を形成(成膜)する。
第1の腐食防止層42の成膜工程は、既に説明したアミノシラン化合物及びこれらの混合物、並びに熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物といった材料を、例えば塗布法又は加熱蒸発法といった、選択された材料に対応した任意好適な成膜方法により金属グリッド層32を含む露出面全面を覆った後、熱硬化させることにより形成する。
第1の腐食防止層42は、既に説明したように膜厚を可能な限り薄く成膜するのが好ましい。よって、第1の腐食防止層42の成膜工程は、好ましくは湿度50%RH以上に設定された環境下で材料を加熱蒸発させることにより、金属グリッド層32の表面に付着させ、熱硬化して形成する工程とするのが好ましい。
このように加熱蒸発法により、第1の腐食防止層42を可能な限り薄く形成する工程とすれば、引き続き成膜される第2の腐食防止材料と第1の腐食防止層42との反応性をより高めることができるため、第2の腐食防止層44をより緻密な膜とすることができる。よって、金属腐食防止層40全体として、水分、酸素といった金属の腐食を促進する因子をより透過させにくくすることができ、より薄い膜厚での耐高温高湿性を実現することができ、ひいては完成した光学部材の光学的特性を向上させることができる。
次いで、形成された第1の腐食防止層42上に第2の腐食防止層44を成膜する。この成膜工程は、第1の腐食防止層42の表面に、既に説明した第2の腐食防止層44の材料を塗布し、硬化することにより行う工程とするのがよい。
具体的には、まず第2の腐食防止材料である多官能性シランを、選択された材料に対応した任意好適な溶剤に溶解して塗布液を調製する。
次いで第1の腐食防止層42の表面に、調製された塗布液を塗布し、選択された材料及び溶剤、金属グリッド層32並びに基板20の材料に対応した任意好適な温度で加熱処理して塗布液を硬化(及び乾燥)することにより第2の腐食防止層44、すなわち金属腐食防止層40を形成することができる。加熱温度は溶剤が除去され、硬化反応が促進できる温度であれば特に制限されないが、塗布対象物に樹脂などが含まれる場合には、樹脂の耐熱温度などを考慮して、適宜設定される。乾燥及び/又は硬化温度が低すぎると密着不良によって腐食防止効果が低下傾向になるので、乾燥及び/又は硬化温度は80℃以上が好ましい。乾燥及び/又は硬化温度が高すぎると機能部材を備える基材への影響があるため、乾燥及び/又は硬化温度は200℃以下とするのが好ましい。
第1の腐食防止材料として、熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物を用いた場合には、この加熱処理により、ブロック化されていたカルボキシル基が遊離のカルボキシル基となって、第2の腐食防止材料における硬化反応を促進する。結果としてより緻密な金属腐食防止層40とすることができる。
第2の腐食防止層44の成膜工程に適用される塗布法は、特に制限されず、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の塗布方法により行うことができる。
第2の腐食防止層44の厚みは、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは5nm〜50nmであり、特に好ましくは5nm〜30nmである。
なお、機能部材、すなわち金属グリッド層32を形成するに先立って、金属グリッド層32が形成される表面(形成表面)に対して、表面改質処理を行うことが好ましい。表面改質処理としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、UV照射処理、有機溶剤処理、シリコン酸化膜といった補助的な層の形成といった処理が好適なものとして挙げられる。こうした表面改質処理を行うことによって、金属グリッド層32の形成表面に対する接着強度を増大させることができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例における評価系について説明する。なお、評価は優、良、可、不可の4段階評価で行った。
(光反射率)
波長550nmにおける反射材の光反射率を、分光光度計V−570(日本分光製)を用いて、入射角5°における反射率を測定した。
(偏光透過率、偏光反射率)
波長550nmにおけるグリッド偏光子の偏光透過率および偏光反射率を、分光光度計V−570(日本分光製)を用いてそれぞれ測定した。
なお、偏光透過率および偏光反射率の測定には直線偏光を使用し、偏光透過率は光学部材の透過軸と入射する光の偏光方向を平行にして透過率を測定することによって、偏光反射率は光学部材の透過軸と入射する光の偏光方向を直交させ入射角5°における反射率を測定した。なお、偏光透過率および偏光反射率が大きいほど、偏光分離性能に優れていることを示す。
(耐高温高湿性試験)
65℃および95%RHの環境下に、作製された反射板またはグリッド偏光子を1000時間静置後、常温常湿環境下に24時間放置した。放置後の反射率または偏光反射率を計測し、耐高温高湿性試験前の偏光反射率からの変化を調べた。好ましい結果は、耐高温高湿性試験前後で反射率または偏光反射率が変化しないことである。
(膜厚測定)
集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製した。電界放出型透過電子顕微鏡JEM−2100F(日本電子製)にて断面を観察して各層の厚みを計測し、適宜抽出した10地点の平均を取り平均膜厚とした。
<実施例1>
(1−1:反射板の作製)
25mm(縦)×25mm(横)×0.5mm(厚み)の平板状のガラス基板(基材)の一方の主表面に対して、アルゴンガス存在下、出力400Wの条件で、ガラス基板の主表面に対して鉛直方向からスパッタリングを行い、シリコン酸化膜(SiO膜)を、厚さ2nmで成膜した後、ガラス基板の主表面(シリコン酸化膜の表面)に対して鉛直方向から真空蒸着を行って、膜厚300nmのアルミニウム膜(機能部材)を成膜し、反射板(1)を得た。
(1−2:腐食防止処理1)
200mm×200mm×200mmの1つの面が開放された立方体状の容器の内部底面に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−903)を2g入れたアルミ皿と純水を入れたアルミ皿とを静置した。内部底面から約200mm上側に反射板(1)を、アルミニウム膜を下方に向け、すなわちアルミニウム膜を内部底面に対向させて固定し、容器を120℃のオーブンに入れて10分間静置して第1の腐食防止層を形成した。反射板(1)を取り出す際に、容器内の湿度を確認したところ、87%RHであった。
(1−3:腐食防止処理2−光学部材(1)の作製)
1,2−ビス−(トリエトキシシリル)エタン(Gelest社製)を固形分濃度1重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させ、反射板(1)に塗布後、120℃にて10分硬化させて第2の腐食防止層を形成し、光学部材(1)を得た。
(1−4:光学部材(1)の評価)
電界放出型透過電子顕微鏡を用いた膜厚測定結果によれば、1層目の第1の腐食防止層は膜厚1.5nmであり、2層目の第2の腐食防止層の膜厚は12nmであった。さらに作製した光学部材(1)の波長550nmにおける光反射率を測定したところ、92.0%であった(評価:優)。また面内ムラは見られなかった。
光学部材(1)を65℃及び95%RHの環境下に1000時間静置後、常温常湿環境下に24時間放置した後、再度光反射率を測定したところ、91.8%であり、光学特性に変化は見られなかった(評価:優)。構成及び結果を表1に示す。
<実施例2>
(2−1:グリッド偏光子の作製)
25mm×25mm×0.5mmのガラス平板上に、レジスト材料である電子線レジストZEP520(日本ゼオン社製、ポジ型電子線レジスト)をスピンコーターにて塗布し、塗膜を得た。電子線描画装置にて、前記塗膜面中央部の12mm×12mmの領域全面に、幅150nmの直線をピッチ300nmで平行に描画した。現像液(日本ゼオン社製)に約3分間接触させた。これを水で洗浄し、窒素ブロアーにて乾燥した。ガラス平板上に前記レジスト材料(フォトレジスト)からなる格子パターンが形成された。
格子パターン形成面にCr(クロム)を電子線蒸着装置にて蒸着した。アセトンに浸して超音波を掛けて洗浄し、フォトレジストを除去した。フォトレジストの除去と同時にフォトレジスト上のCr膜が除去され、フォトレジストが非形成であった部分のCr膜がガラス平板上に残った。
残されたCr膜を含むガラス平板の露出面全面をドライエッチングした。Cr膜が非形成であるガラス平板の部分が削られ、ガラス平板に溝が格子状に形成された。酸で洗浄してCr膜を除去し、前記溝による格子パターンを有するガラス平板を得た。
該ガラス平板の格子パターンは、370nmの高さを有する断面矩形の畝が、ピッチ300nmおよび畝の間に形成される溝の開口部幅150nmで、平行に並ぶものであった。なお、格子パターンの観察は、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)を使用して観察用試料を作製し、電界放出型走査電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)にて行った。
該ガラス平板の格子パターン形成面に、アルミニウムを真空蒸着装置にて蒸着した。それを、硝酸5.2重量%、リン酸73.0重量%、酢酸3.4重量%、および残部が水からなる(酸成分相当濃度:81.6重量%)温度33℃のエッチング液に30秒間漬けた。純水で洗浄し、乾燥空気を吹き付けて液を除去して、グリッド偏光子を得た。
得られたグリッド偏光子の波長550nmにおける偏光透過率および偏光反射率を、分光光度計V−570(日本分光製)を用いてそれぞれ測定した。なお、偏光透過率および偏光反射率の測定には直線偏光を使用し、偏光透過率はフィルム透過軸と入射する光の偏光方向を平行にして透過率を測定することによって、偏光反射率はグリッド偏光子の透過軸と入射する光の偏光方向を直交させ入射角5°における反射率を測定した。このグリッド偏光子の偏光透過率および偏光反射率を測定した。その結果、偏光透過率は82%であり(評価:優)、偏光反射率は83%であった。
(2−2:腐食防止剤−熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物の合成)
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、それぞれ2−ヒドロキシプロピオン酸90.0重量部、n-プロピルビニルエーテル100.0重量部、リン酸エステル(大八化学工業(株)商品名AP−8)0.05重量部を仕込み、温度を80℃から100℃に保ちながら撹拌した。混合物の酸価が5以下になった時点で反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成物は、分液ロートを用いて10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下になるまで200重量部の脱イオン水で水洗を繰り返した。次いで、硫酸マグネシウムで有機層中を乾燥した後、浴温度35℃で減圧濃縮した。さらに残渣を真空ポンプで乾燥した。
次いで反応容器に得られた溶液40.0重量部を入れ撹拌しながら、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、KBE−9007)を添加して、FT−IRの測定において2250cm−1のピーク(イソシアネート基のシグナル)の高さに変化が無くなるまで反応させ、熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物(1)を得た。
(2−3;腐食防止剤−アミノ基含有多官能シランの合成)
反応容器に、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、KBE−9007)50重量部を入れ撹拌しながら、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、KBE−603)50重量部を添加して、FT−IRの測定において2250cm−1のピーク(イソシアネート基のシグナル)の高さに変化が無くなるまで反応させた。
得られた反応生成物について赤外分光分析を行ったところ、3500〜3000cm−1付近と、1727cm−1付近とにピークが現れた。このことから、反応生成物は尿素結合を有する2官能性シラン化合物を含んでいるものと推定された。(アミノ基含有多官能性シラン(1))
(2−4:腐食防止処理)
上記(2−1)で作製されたグリッド偏光子に、リモート式大気圧プラズマ処理装置(イー・スクエア(株)製)を用いて、出力0.8kW、窒素流量200L/min、搬送速度1m/minの条件で表面処理を実施した後、既に説明した実施例1の上記(1−2)と同様の方法で、熱剥離型カルボン酸含有シラン化合物の層(第1の腐食防止層)を形成し、次いで上記(1−3)と同様の方法で、(2−2)で作製したアミノ基含有多官能シランの層(第2の腐食防止層)を形成して、ワイヤグリッド偏光子である光学部材(2)を得た。
(2−5:光学部材(2)の評価)
電界放出型透過電子顕微鏡を用いた膜厚測定結果によれば、第1の腐食防止層の膜厚は2.0nmであり、第2の腐食防止層の膜厚は10nmであった。さらに作製された光学部材(2)の波長550nmにおける偏光透過率は81.8%であり、偏光反射率82.0%であり、上述の処理による光学特性に変化は見られなかった(評価:優)。また面内ムラは見られなかった(評価:優)。
光学部材(2)を65℃および95%RHの環境下に1000時間静置後、常温常湿環境下に24時間放置した後、再度偏光反射率を測定したところ、81.8%であり、光学特性に変化は見られなかった(評価:優)。構成及び結果を表2に示す。
<比較例1>
実施例1の上記(1−2)の第1の腐食防止層の成膜工程を行わず、上記(1−3)の第2の腐食防止層の成膜工程のみ実施して、実施例1の第2の腐食防止層に相当する層(以下、比較腐食防止層と称する。)のみを腐食防止層として備えた光学部材(3)を得た。
電界放出型透過電子顕微鏡を用いた膜厚測定結果によれば、比較腐食防止層の膜厚は11nmであった。さらに作製した光学部材(3)の波長550nmにおける光反射率を測定したところ、92.3%であった(評価:優)。また面内ムラは見られなかった(評価:優)。
光学部材(3)を65℃および95%RHの環境下に1000時間静置後、常温常湿環境下に24時間放置した後、再度光反射率を測定したところ、76.5%であり、光学特性が大きく低下していた(評価:不可)。構成及び結果を表1に示す。
<比較例2>
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−903)20.0重量部と、ビス−1,2−(トリエトキシシリル)エタン10.0重量部とを混合し、固形分濃度1重量%になるようにイソプロピルアルコールに溶解させ、防食剤(1)を得た。
実施例2の上記(2−1)で作製したグリッド偏光子を、リモート式大気圧プラズマ処理装置(イー・スクエア(株)製)を用いて、出力0.8kW、窒素流量200L/min、搬送速度1m/minの条件で表面処理を実施した後、上記防食剤(1)を塗布し、120℃にて10分硬化させ、防食剤(1)の層が成膜された光学部材(4)を得た。
電界放出型透過電子顕微鏡を用いた膜厚測定結果によれば、防食剤(1)の層の膜厚は16nmであった。さらに作製された光学部材(4)の波長550nmにおける偏光透過率は79.5%であり(評価:良)、偏光反射率77.2%であり(評価:可)、防食剤(1)の層の成膜による光学特性変化が大きいことがわかった。また面内ムラが数箇所見られた(評価:不可)。
光学部材(4)を65℃および95%RHの環境下に1000時間静置後、常温常湿環境下に24時間放置した後、再度偏光反射率を測定したところ、75.6%であり(評価:不可)、光学特性の悪化が見られ、面内ムラが見られる箇所は増加していた。構成及び結果を表2に示す。
Figure 2010236000
Figure 2010236000
表1から明らかなように、本発明の金属の腐食防止方法により処理された実施例1では、高温高湿処理後の光学特性、すなわち光反射率の低下がほぼなかったが、第2の腐食防止層に相当する比較腐食防止層のみを設けた比較例1の構成では、光反射率の大幅な低下がみられた。
表2から明らかなように、本発明の金属の腐食防止方法により処理された実施例2では、当初から偏光透過率及び偏光反射率といった光学特性に優れていたばかりか、高温高湿処理後の光学特性、すなわち偏光反射率の低下がほぼなかったが、既に説明した従来技術に相当する層が形成された比較例2では、当初から偏光透過率及び偏光反射率において実施例2の構成に劣っており、また高温高湿処理後に偏光反射率の大幅な低下がみられたことに加え、面内ムラの発生がみられた。
上述から明らかなように、本発明の金属の腐食防止方法を金属反射板及びグリッド偏光子といった光学素子に適用すれば、面内ムラのない光学素子とすることができるため光学素子の光学特性を良好なものとできるばかりでなく、光学素子が高温高湿条件に曝されたとしても光学特性の劣化を効果的に抑制できることが明らかとなった。腐食防止層の膜厚を均一にでき、面内ムラの発生を抑制できるため、本発明の腐食防止方法は、特に凹凸構造を有するグリッド偏光子に適用して好適である。
以上のように、本発明にかかる金属の腐食防止方法は、金属反射板、グリッド偏光子といった金属材料からなる機能部材を備える光学素子に好適に適用することができる。
10 光学部材(金属反射板)
20 基材(基板)
30 機能部
32 機能部材(金属グリッド層)
40 金属腐食防止層
42 第1の腐食防止層
44 第2の腐食防止層

Claims (8)

  1. 金属材料からなる機能部材を備える基材を準備する工程と、
    第1の腐食防止材料で前記金属材料からなる機能部材を被覆する工程と、
    第1の腐食防止材料を硬化させて第1の腐食防止層を形成する工程と、
    前記第2の腐食防止材料で前記第1の腐食防止層を被覆する工程と、
    前記第2の腐食防止材料を硬化させて、第2の腐食防止層を形成する工程とを少なくとも含み、
    前記第1の腐食防止層が、前記第2の腐食防止材料の硬化反応を促進する機能を有する、金属表面の腐食防止方法。
  2. 前記第1の腐食防止材料を、アミノシラン化合物とする、請求項1に記載の金属表面の腐食防止方法。
  3. 前記第1の腐食防止材料を、熱乖離型カルボン酸含有シラン化合物とする、請求項1に記載の金属表面の腐食防止方法。
  4. 前記第1の腐食防止層の膜厚を、最大でも5nmとする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属表面の腐食防止方法。
  5. 前記第1の腐食防止材料を、湿度50%RH以上の環境下で加熱蒸発させて、前記機能部材の表面に付着させることにより、該機能部材を被覆する、請求項4に記載の金属表面の腐食防止方法。
  6. 前記金属材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属表面の腐食防止方法。
  7. 前記機能部材を光反射性金属層とし、当該光反射性金属層の表面を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属表面の腐食防止方法により処理することにより得られる、光反射板。
  8. 前記基材を透明基板とし、前記機能部材を前記基材の上側に設けた金属グリッド層として、当該金属グリッド層の表面を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属表面の腐食防止方法により処理して得られる、グリッド偏光子。
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