JP2010235488A - 美爪料 - Google Patents

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博 藤城
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Abstract

【課題】 組成物として分散性及び透明性が優れ、使用性が良く、優れた皮膜を形成することができ、しかも優れた化粧特性を有する美爪料を提供すること。
【解決手段】 次の成分(A)ないし(C):
(A)板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成させることで外観色と干渉色の色調
が異なる二色性顔料
(B)シリコーン系樹脂
(C)ニトロセルロース
を含有することを特徴とする美爪料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二色性顔料、シリコーン系樹脂およびニトロセルロースを配合する美爪料に関し、更に詳細には、分散性および透明性に優れ、鮮やかな二色性を有すると共に、均一な塗布膜を形成することで優れた立体感を有し、なめらかな使用性を有する美爪料に関するものである。
従来、美爪料には、使用したときの化粧効果に加え、その発色の良さや使用性、化粧料自体の安定性など、様々な機能が求められる。このうち、化粧効果や発色は、顔料、パールの配合量や色、分散性によって大きく変化する。そのため、これまで化粧効果や発色の良さを発揮するために、様々な顔料やパールが開発され配合検討がなされてきた。(例えば特許文献1、2参照)。
また、美爪料には、ニトロセルロースをはじめ、アルキッド樹脂やスルホンアミド樹脂、アクリル酸系樹脂、シリコーン系樹脂等が皮膜形成剤として配合、使用されており、塗膜の柔軟性やツヤを改良するために、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル系化合物、クエン酸トリブチル等のクエン酸エステル系化合物やカンファ等の可塑剤も配合されている。例えば、塗りやすさやツヤの持続のため、異なる分子量のニトロセルロースを組み合わせる技術(例えば特許文献3参照)、硬度を上げるため、無機化合物微粒子を配合した技術(例えば特許文献4参照)、化粧持ちや光沢を期待してアルキッド樹脂とシュークローズベンゾエートを配合した技術(例えば特許文献5、6参照)が知られている。
しかしながら、化粧効果を得る為に、化粧料中に顔料に加えて干渉パールを配合すると、干渉パール自体は白色であるため、多量の配合により化粧料の外観や塗膜が白ぼけてしまい、際だった発色や、透明感が失われるという問題があった。また、化粧料中に顔料を多くいれると、粉っぽくなり、使用時の滑らかさが失われ、使用性が悪くなる等の問題があった。
また、酸化鉄で被覆された着色パールを配合する技術もあるが、酸化鉄には磁性があるため、分散性が悪く、着色パール自体が凝集してしまうという問題があった。そして、このように凝集した状態で皮膜を形成してしまうと、化粧膜が不均一となり、きれいな立体感を得られないという問題があった。
一方、前記特許文献3には、低分子量のニトロセルロースと高分子量のニトロセルロースとを特定量配合することで美爪料塗膜の乾燥性、平滑性を改良した美爪料が開示されているが、美爪料中には、ニトロセルロースの溶剤としてイソプロパノール等のアルコールが含まれているため、色調の安定性に劣っているという問題がある。また、特許文献4には、平均粒径1〜100nmの無機化合物微粒子を配合することで塗膜の硬度、ツヤを改良した美爪料が開示されているが、無機化合物微粒子の配合量が多くなるにしたがって塗膜の硬度は増すもののツヤや色彩の鮮やかさが損なわれるという問題がある。
更に、特許文献5には、アルキッド樹脂とシュークローズベンゾエートを配合して、はがれ特性を改良した美爪料が開示されており、また特許文献6には、上記美爪料にさらにシリコーングラフト共重合体を配合することにより、乾燥性や塗膜の平滑性を改良した美爪料が開示されている。しかしながら、これらの技術は、はがれ特性は改良されてはいるものの、塗布時の伸びの軽さや、配合されるパール剤の光沢・質感、安定性は必ずしも満足できるものではなく、更なる改良が求められている。
WO05/028566 特開平6−211521号公報 特開平11−158041号公報 特開平10−218735号公報 特開昭61−246113号公報 特開平5−213719号公報 特開昭60−60163号公報
従って、組成物として分散性および透明性が優れ、使用性が良く、優れた皮膜を形成することができ、しかも優れた化粧特性を有するような美爪料が求められており、このような美爪料を提供することが本発明の課題である。
かかる実情に鑑み、本発明者らはより優れた美爪料を得べく鋭意研究を重ねていたところ、特定の顔料は、優れた二色性を有するものであり、これを美爪料基剤であるシリコーン系樹脂、ニトロセルロースと組み合わせることにより、使用性や安定性、分散性が良好で、均一な化粧膜を形成する美爪料が得られることおよびこれに含まれる二色性顔料により、化粧した際に立体感を得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の成分(A)ないし(C):
(A)板状粒子上に低次酸化チタンの単層が形成させることで外観色と干渉色が異
なる二色性を呈する顔料
(B)シリコーン系樹脂
(C)ニトロセルロース
を含有することを特徴とする美爪料である。
本発明の美爪料は、分散性及び透明性に優れ、鮮やかな二色性を示して均一な塗布膜を形成することで優れた立体感を付与することができ、しかもなめらかな使用性を有する優れたものである。
本発明で用いる二色性顔料において、低次酸化チタンの単層を設けることで外観色と干渉色の異なる二色性を得ることができる理由を模式的に示した図面。 製造例1で用いた前駆体Aおよび得られた二色性顔料についての、XRD測定結果を示す図面である。 製造例7で用いた前駆体Bおよび得られた二色性顔料についての、XRD測定結果を示す図面である。
本発明においては、成分(A)として、板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成させることで外観色と干渉色が異なる二色性を呈する顔料(以下、「二色性顔料」という)が用いられる。
この二色性顔料は板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成して得られるものである。より具体的には、板状粒子の基材に二酸化チタンが被覆されている顔料を還元処理して、二酸化チタン層を低次酸化チタン層にする方法や、低次酸化チタン組成物を板状粒子に被覆する方法により得られるが、板状粒子の基材に二酸化チタンが被覆されている顔料を還元処理して、二酸化チタン層を低次酸化チタン層にする方法で得られたものが好ましい。
二色性顔料の基材となる板状粒子としては、天然又は合成雲母、ガラス末、アルミフレークを挙げることができる。このうち雲母としては、特にこれらの物質に限定されるものではないが、白雲母、金雲母、黒雲母等の有色、無色の基材であってもよい。
板状粒子の基材に二酸化チタンを被覆した顔料は、既に一般に市販されており、これを用いることができる。例えば、雲母に二酸化チタンを被覆したものの市販品としては、イリオジン(メルク社製)やフラメンコスパークルゴールド(エンゲルハード社製)を挙げることができる。また、例えば、ガラス末に二酸化チタンを被覆したものの市販品としては、メタシャイン(日本板硝子社製)を挙げることができる。
上記二色性顔料は、板状粒子の表面に、二酸化チタンから酸素を一部欠損させた状態の低次酸化チタンからなる単層が形成されたことが特徴である。この低次酸化チタンは、下式
TiOx
(式中、xは1.0を超え、2.0未満の数を意味する)
で表すことができる。なお、本発明の二色性顔料で言うところの低次酸化チタン単層とは、一酸化チタンTiOと二酸化チタンTiOを含まない組成からなり、単層の組成が上記式で表記される低次酸化チタン化合物1種類以上より構成されるものである。なお、この低次酸化チタン単層には、低次酸化チタンの酸素の一部が窒素と置き換わった、酸化窒化チタンが含まれていても良い。
そして、低次酸化チタン層の酸素欠損量が多くなり、上記式のxが1.0に近づくと、光の吸収が強くなり、干渉色が弱くなる。一方、酸素欠損量が少なくなり、xが2.0に近づくと、光の吸収が弱くなり、干渉色が強くなる。また、外観色では、xが1.0に近づくと、光の吸収が強くなり外観色が強くなる。逆にxが2.0に近づくと光の吸収が弱くなり、外観色が弱くなる。
二色性顔料における低次酸化チタンの組成は、上記のようにTiOx(1.0<x<2.0)であるから、板状粒子上の二酸化チタンを低次酸化チタンに代えるためには二酸化チタンと比べた酸素の不足量(酸素欠損量)を適宜調整する必要がある。
低次酸化チタン層の形成は、板状粒子上に二酸化チタン層が被覆された材料を、窒素、水素、アンモニア、一酸化炭素、一酸化一窒素、一酸化二窒素、硫化水素又は二酸化硫黄等のガス又は混合ガス雰囲気下又は真空雰囲気において500〜1500℃で焼成することにより行なうことができる。
また、上記焼成時に板状粒子上に二酸化チタン層が被覆された材料に還元助剤として水素化チタン、金属チタンのチタン化合物、又は水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウムの水素化物を含む化合物を添加して、500〜1500℃で還元焼成することもできる。
一方、板状粒子上への低次酸化チタン層の形成には、低次酸化チタン組成物を板状粒子に被覆することでも可能である。被覆方法としては、低次酸化チタン組成物を塗布又はメカノケミカルを用いることで可能である。その際に、不活性雰囲気または真空雰囲気にて500〜1500℃の熱処理をして低次酸化チタン粒子を焼結させて、被覆された低次酸化チタン層を強固にすることも出来る。
前記低次酸化チタン単層の組成を決定する要素は還元度であるが、この制御は、焼成温度、添加する還元助剤およびその量等で行なうことができる。
このうち、焼成温度は500〜1500℃の範囲にすることで可能であるが、還元度を低くするには焼成温度を500℃付近まで下げ、還元度を高くするには焼成温度を1500℃付近まで上げれば良い。すなわち、焼成温度を調整することで、二酸化チタンからの酸素欠損反応を調整することが可能である。
また、還元度の制御は、還元助剤の添加やその量を調整することでも可能である。還元助剤を添加する場合の焼成温度は、還元助剤の分解温度以上で、500〜1500℃の範囲にすることが好ましい。還元助剤の添加量は、還元助剤に含まれている還元成分ガスとなる物質が、二酸化チタン100gに対して0.001〜30.0molの範囲(好ましくは0.01〜10.0molの範囲)で含まれていることが必要である。ここで還元成分ガスとは、特に限定されるものではないが、水素、窒素、アンモニア、一酸化炭素、一酸化一窒素、一酸化二窒素、硫化水素、二酸化硫黄等である。二酸化チタンに対して還元助剤から生じる還元性物質の量を変化させることで、酸素欠損反応を制御することが可能となる。
例えば、還元助剤の添加量が0.001mol以下であると還元度が低くなり、外観色が白色に近く、干渉色の発色も有意に認識できないことがあり、鮮やかな二色性が得られない。また、還元助剤の添加量が30.0mol以上であると還元度が高くなりすぎ、干渉色が弱くなり、外観色の色調のみとなることで、鮮やかな二色性が失われてしまい好ましくない。
更に還元度の制御は、金属チタンを用いることでも可能である。還元雰囲気にて板状粒子上に二酸化チタン層が被覆された材料と金属チタンとを混合し、500〜1500℃の範囲(好ましくは900〜1300℃)で焼成することで、二酸化チタンの酸素原子の一部が金属チタンによって還元され低次酸化チタンとなる。一方、金属チタンは二酸化チタンの酸素原子と結合して低次酸化チタンとなる。チタン化合物の添加量は、二酸化チタン100gに対してチタン成分で0.01〜2.0molを添加することが必要である。
一方、低次酸化チタン層の膜厚の制御は、特許文献5に記載されている二酸化チタンの膜厚制御方法を利用できる。例えば、低次酸化チタン単層の膜厚が10nm以下では、低次酸化チタン層での光路差が少なくなることから鮮やかな干渉色を得ることが出来なくなる。また、低次酸化チタン層の膜厚が厚くなることに関しては、位相差により循環的に色調が変化するのみであるため特に制限がないが、光が減衰してしまい鮮やかな色調が得られなくなる。従って、低次酸化チタン層の膜厚は1000nm以下が好ましく、より好ましくは、低次酸化チタンの膜厚を10〜1000nm(特に好ましくは10〜600nm)の範囲に制御することにより、外観色と干渉色が異なる鮮やかな二色性を得ることが可能となる。
なお、二色性顔料の低次酸化チタン層は、二酸化チタン層を還元することによって得ることができるが、その二酸化チタン層が、メタチタン酸、水酸化チタン、オキシチタン酸、硫酸チタンを含むチタン化合物層であっても、還元焼成による熱処理で低次酸化チタン組成へと変化するので利用可能である。また、還元処理に用いるガスとして窒素が含まれる化合物や、還元助剤として窒素が含まれる化合物が利用されることで、還元焼成において酸化窒化チタンも形成する。この酸化窒化チタンは、低次酸化チタン単層の低次酸化チタンの酸素の一部が、窒素と置き換わり変性したものであるが、低次酸化チタン単層にこのものが含まれていても光の吸収と反射の関係は変わらず、干渉色と外観色を調整することが可能である。
以上のようにして得られる成分(A)の二色性顔料は、外観色と干渉色の異なる鮮やかな二色性を有する点で従来の真珠光沢顔料とは異なる色調を有するものである。例えば、従来の二酸化チタン系の干渉顔料は、ハンターのLab表色系でL値が70〜80と明度が高く、白色の強い外観のものであった。また、低次酸化チタンからなる黒色系真珠光沢顔料では、L値が25以下と明度が低く黒色に近い外観であった。
しかし、本発明で用いる二色性顔料は、L値25以上の明度において干渉色と外観色の異なる二色性を呈するものである。また、ハンターのLab表色系のb値は、青〜黄色の表色値であり、絶対値が大きい程に彩度は高くなるが、本発明で用いる二色性顔料は、このb値を−3.0以下又は3.0以上の範囲に調整することが可能で、彩度の高い色調を得ることができる。
次に、二色性顔料が二色性を呈する理由を模式的に示した図1を参照しながら、酸素欠損量を調整することで鮮やかな外観色と干渉色を呈することを説明する。
成分(A)である二色性顔料は、基材となる板状粒子(1)と、これを被覆する低次酸化チタン層(2)から形成されている。低次酸化チタンは、還元度を変えることで酸素欠損量を調整することができる。そして、可視光は電磁波であることから、酸素欠損によるホールに可視光の一部が吸収される。
すなわち、図1の模式図に示すように、顔料表面での反射光(5)は、入射光(3)が低次酸化チタン層により特定の波長を吸収され、外観色としての色調を発色する。干渉色は、反射光(5)と、低次酸化チタン層で吸収され特定波長を失った透過光(4)が基材(1)で反射された反射光(6)が干渉することにより特有の色調を発する。これら(5)および(6)の反射光からなる干渉色と、低次酸化チタン層の吸収光による外観色により、鮮やかな二色性の色調を有する顔料を得ることができる。このように、酸素欠損量を調整することで、吸収する波長域や吸収量を変えることが可能となる。また、同様に反射光の波長も制御することが可能となる。
また、上記のように(5)および(6)の反射光の干渉により干渉色が生じるため、低次酸化チタン層の膜厚を調整することで、低次酸化チタン層表面での反射光(5)と、低次酸化チタン層を通り基材(1)からの反射光(6)の光路差を変えることができる結果、波長の位相を変化させ、干渉色を変えることが可能となる。
このように成分(A)の二色性顔料は、低次酸化チタン層の酸素欠損量、組成をコントロールすることで、反射光、吸収光の調整が可能となり、また低次酸化チタン層の膜厚を制御することでも波長の位相を変化させて干渉色を調整することが可能な、今までにない鮮やかな干渉色、外観色を有する多品種の二色性を有する顔料である。
更にまた、本発明の成分(A)で使用される低次酸化チタンは、非常に安定で、耐酸性・耐アルカリ性にも優れており、しかも熱的にも非常に安定であり、大気中にて350℃の熱にも耐えうる物質である。従って、低次酸化チタンの層を設けた二色性顔料は、耐酸性・アルカリ性且つ熱的にも安定な顔料として使用しうるものである。
本発明の美爪料における、上記成分(A)の配合量は、特に限定されるものではないが、全量中0.1〜20%が好ましく、更に、0.5〜15%が好ましい。成分(A)をこの範囲内で用いると、使用性、使用感、二色性による立体感演出効果の観点から良好なものが得られる。
また、本発明の美爪料の成分(B)であるシリコーン系樹脂は、成分(A)の分散性に優れるものであり、ツヤのある均一な塗布膜を形成し、塗布時になめらかな使用性を与え、塗布膜の肌触りをなめらかにするとともに化粧持ちを良好にするものである。また、このものは、後述の成分(C)との相溶性が良く、塗布膜の仕上がりを良好にし、均一な塗布膜を形成し、優れた二色性を演出し、使用性を優れたものにする成分である。
成分(B)のシリコーン系樹脂としては、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体(例えばINCI名Acrylates/Tris(Trimethylsiloxy)silylpropyl Methacrylate Copolymer)、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー等のシロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、シリコン−ウレタン系樹脂、シリコン−スチレン系樹脂、シリコン−フッ素樹脂等が挙げられる。これらの市販品としては、特に限定されないが、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体としてKS−02(株 伊那貿易商会)、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーとしてシリコンKP−543(50%酢酸ブチル溶液 信越化学工業社製)、トリメチルシロキシケイ酸としてシリコンKF−7312J(50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液 信越化学工業社製)等があげられる。中でもアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、シロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体、トリメチルシロキシケイ酸を使用することが好ましい。これらであると、分散性や二色性による立体感演出効果の観点から良好な美爪料が得られる。
本発明の美爪料における、成分(B)の配合量は、特に限定されるものではないが、全量中0.5〜10%が好ましく、更に、1〜8%が好ましい。成分(B)をこの範囲内で用いると、分散性、二色性による立体感演出効果、使用性の観点から良好なものが得られる。
更に、本発明の美爪料において成分(C)として用いられるニトロセルロースは、従来より美爪料の皮膜形成成分として使用されているものであり、透明性が高く、成分(A)の二色性顔料の色調効果をより高めるものである。また、成分(B)との相溶性も良好であり、化粧膜が均一でツヤに優れ、化粧持続性の高い美爪料が得られる。市販品としては、例えば、硝化綿H1/2、H1/4、L1/2、L1/4(すべて旭化成工業(株)製)等が挙げられる。
本発明における成分(C)の配合量は、特に制約されるものではないが、1〜25%が好ましい。
また、本発明の美爪料には、上記成分(B)および(C)を溶解させる有機系溶剤を含有せしめることが好ましい。この有機系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、n−ブタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘプタン、エチルアルコール等の非芳香族系炭化水素が例として挙げられる。
更に、本発明の美爪料には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記(A)〜(C)成分の他に、通常の美爪料に使用される皮膜形成剤、ゲル化剤、可塑剤、粉体、繊維、希釈剤、粘度調整剤、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、保湿剤、薬剤、香料、水性成分、無機酸、有機酸等を適量配合することができる。
上記のうち、成分(B)および(C)以外の皮膜形成剤としては、通常の美爪料に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、フタル酸系アルキッド樹脂、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)共重合体、トルエンスルホンアミド樹脂、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、安息香酸ショ糖エステル、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、(無水フタル酸/無水トリメリト酸/グリコールズ)コポリマー、トルエンスルホンアミドエポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等、及びこれらのエマルションが挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いることができる。
更に、ゲル化剤としては、粘土鉱物や無水ケイ酸等が挙げられる。粘土鉱物としては、例えば、市販品としてベントン27、ベントン38(NLインダストリ−社製)等が挙げられ、また、無水ケイ酸としては、例えば、市販品としてアエロジル200、300、380、380S、R972、R974、R976S(日本アエロジル社製)、ニップシールE−220(日本シリカ工業社製)、サイリシア250、310(富士シリシア社製)等が挙げられる。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル系化合物、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸エステル系化合物、カンフル等が利用でき、これらを本発明の効果を損なわない範囲で適宜、配合できる。
粉体としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。なお、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
繊維としてはポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどの繊維が挙げられ、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。
本発明の美爪料は、上記した各成分を公知の方法により配合し、均一とすれば良く、その製造方法は特に限定されないが、例えば、ディスパー等による混合分散等による方法が挙げられる。
かくして得られる本発明の美爪料の用途としては、ネイルエナメル、エナメルトップコート、エナメルベースコート等が挙げられる。また、その性状としては、液状であることが好ましく、溶剤型美爪料とすることが特に好ましい。
本発明の美爪料は、成分(A)として、今までにない鮮やかな干渉色、外観色を有する二色性顔料を利用するため、美爪料の塗布後これが見る角度により異なる色に見える。従って、平面的ではない、優れた立体感を演出することができ、爪が持つ曲面に、より立体感を与えることで、指先を美しく見せることができる。また、成分(A)は鮮やかな色調を有するため、少量の配合で発色の高いものが得られることから、粉体成分の配合量を少量にすることで、なめらかで使用性が良く、化粧膜も均一でツヤに優れ、化粧持続性の高い美爪料が得られる。また、美爪料に使用した際には、従来から問題であった光や分散媒等による劣化が見られないものである。
次に、実施例および製造例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
なお、以下の製造例で製造した二色性顔料の評価は、低次酸化チタン層の膜厚、低次酸化チタンの組成および顔料の色調で行なった。このうち、膜厚測定には、断面SEM(日立:S−4500)を、低次酸化チタンの組成は、粉末X線回折装置(理学:RINT2400)を用いて行った。また、顔料の色調は、測色色差計(東京電色:TC−8600A)を用い、粉末セル法により行なった。すなわち、石英セル(直径35mm、深さ15mm、厚み2mm)に顔料1gを量り取り、サンプル上面に対して面圧25g/cmで顔料に均等に加圧して充填した後、ハンターのLab表色系で色調を測定した。
また、各顔料の外観色と干渉色の評価は、下記手法により行なった。すなわち、顔料と水を1:2の重量比で混ぜ込んで攪拌機にて均一なスラリー状にし、透明ガラス基板(50mm×50mm、厚さ1mm)上に2g滴下する。その上に、ガラス板を合わせて、滴下したスラリーをガラス板間で引き延ばして、顔料を配向させる。顔料を配向させたガラス板サンプルを、目視観察を行なう事で外観色と干渉色を評価する。その際の観察方法は、白色蛍光灯から垂直方向にサンプルを設置し、外観色を観察面から90度の角度より目視観察を行ない、干渉色を観察面から45度の角度より目視観察を行う方法とした。
製 造 例 1
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行った。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体A(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。前駆体Aは、XRD測定を行ない二酸化チタンのアナターゼ構造であることを確認した(図2)。
この前駆体A 100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 3.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が緑色・干渉色が薄青色となり、二色性を有していた。得られた顔料のXRDの解析結果を図2に示す。この図から、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていることが示された。
製 造 例 2
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体A(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
この前駆体A 100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 7.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料を回収して、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていた(図2)。色調は、外観色が濃緑色、干渉色が青色であった。
比較製造例 1
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体A(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
この前駆体A 100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 10.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃で3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料を回収し、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiO・Tiが生成されていた(図2)。色調は、外観色の黒色が際立つ色調となった。
製造例1〜2および比較製造例1では、低次酸化チタン層の膜厚を一定(140nm)とし、低次酸化チタンの組成を変化させた。還元条件を変えることで低次酸化チタンの組成が変化することをXRDの解析結果として図2に示す。このXRD測定は、前駆体および顔料(還元処理品)をそれぞれメノウ乳鉢で粉砕し、粉末エックス線回折装置にて行なった。還元条件を変えることで、二酸化チタンのピークは完全に消失し、低次酸化チタンのみのピークとなった。
下記の表1は、還元度を変化させた際の色調の変化を示す。前駆体では干渉色の淡い発色のみであるが、酸化チタン層を低次酸化チタンにすることで外観色・干渉色を変化させ、鮮やかな二色性を有する色調を得ることかできた。更に、低次酸化チタンの組成を制御することで、干渉色・外観色のそれぞれの色調を変えることができた。これに対し、TiOが含まれた低次酸化チタン層の場合は、TiOによる光の反射が強くなり、外観色が白色に近くなるため、本発明が示すところの鮮やかな二色性を得ることができない。鮮やかな二色性を有するためには、TiOを含まない低次酸化チタンからなる組成の単層を形成する必要がある。
Figure 2010235488
比較製造例1では、主組成物が還元度の高い低次酸化チタンTiO(x=1)になり、入射光の低次酸化チタンへの吸収が強く、干渉色が認識出来なくなり、外観色の黒色が際立つ色調になった。TiOが含まれる低次酸化チタン層の場合は、光の吸収が強いため、反射光が弱くなり、本発明の示すところの干渉色が得られず、外観色が際立つものとなる。鮮やかな二色性を有するためには、TiOを含まない低次酸化チタン組成からなる単層を形成する必要がある。この板状粒子上の単層を、TiOとTiOを含まない[TiOx(1.0<x<2.0)]からなる低次酸化チタンの組成を制御することで、入射する光の吸収を調整することが可能となり、様々な外観色と干渉色を得ることができる。
特許文献7においては、最内層である雲母と最外層である二酸化チタンとの間に、中間層として低次酸化チタン層又は低次酸化チタンを含むチタン化合物層を存在させることで有色雲母を得ている。そして、中間層が全て低次酸化チタン又は低次酸化チタンと窒化チタンの混合物である場合には外観色・干渉色が黒色のものになると記載されている。しかし、本発明者らの検討の結果、低次酸化チタン単層で、且つ低次酸化チタンの組成をTiOx(1.0<x<2.0)で制御することで、入射する光の反射と吸収をコントロールして、干渉色と外観色の異なる二色性を発色させることが可能であることが見出された。
製 造 例 3
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が銀色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:30nm)を作製した。
この前駆体100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 1.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が銀色、干渉色が薄黄色であった。
製 造 例 4
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が黄色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:70nm)を作製した。
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 1.7gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が黄色、干渉色が深緑色であった。
製 造 例 5
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が赤色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:100nm)を作製した。
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 2.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料品の色調は、外観色が薄赤(ピンク)色、干渉色が濃黄色であった。
製 造 例 6
雲母にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、雲母が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が青色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:130nm)を作製した。
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 2.7gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
上記製造例3〜6では、低次酸化チタン層の組成を一定にして、低次酸化チタン層の膜厚を変化させた。下記表2は、低次酸化チタン層の組成をTiにして、膜厚を30〜140nmにした際の色調の変化を示す。膜厚を変化させることで、干渉色と外観色を大幅に変化させることが出来た。
Figure 2010235488
これら製造例1〜6に示すように、低次酸化チタン層の組成と膜厚を制御することで、今までにない種類の鮮やかな外観色と干渉色の異なる二色性を有する顔料を合成することが可能となった。
製 造 例 7
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、ガラス末が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体B(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。この前駆体Bは、XRD測定により二酸化チタンのアナターゼ構造であることを確認した(図3)。
この前駆体B 100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 3.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分として600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理品を顔料として回収したが、このものの色調は、外観色が緑色、干渉色が薄青色であった。この顔料のXRDの解析結果を図3に示すが、この結果から明らかなように、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていた。
製 造 例 8
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、ガラス末が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体B(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
この前駆体B 100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 7.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、700℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理品を顔料として回収し、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTiが生成されていた(図3)。色調は、外観色が濃緑色、干渉色が青色であった。
比較製造例 2
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し、余分なチタン化合物を除去し、ガラス末が二酸化チタンで被覆された外観色が白色で干渉色が薄緑色の前駆体B(酸化チタン層の膜厚:140nm)を作製した。
この前駆体B 100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 10.0gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、800℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理品を顔料として回収し、XRD回折を測定したところ、二酸化チタンのピークは消失し、低次酸化チタンTi・TiO・Tiが生成されていた(図3)。色調は、外観色の黒色が際立つ色調であった。
製造例7〜8のガラス末に二酸化チタンを被覆した顔料においても、製造例1〜2と同様に還元処理を行なうことで同じ色調が得られた。また、図3に示すように低次酸化チタンの組成も、製造例1〜2と同様の傾向を示した。
Figure 2010235488
製 造 例 9
市販の、二酸化チタンで被覆されており、外観色が白色・干渉色が青色であるガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元処理を行なった。上記ガラス末100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gを加え、混合原料を作製した。この混合材料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
製 造 例 10
市販の、外観色が白色・干渉色が青色の雲母チタン(メルク社製:Iridion225)を原料として用い、還元焼成を行なった。上記雲母チタン100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gを加え、混合原料を作製した。この混合原料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
製 造 例 11
アルミフレークにチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、アルミフレークが二酸化チタンで被覆された外観色が白色で、干渉色が青色の前駆体(酸化チタン層の膜厚:130nm)を作製した。
この前駆体100gに還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム 2.7gを加え、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
製造例9〜10から、市販の材料を用い、これを還元処理とすることでも鮮やかな二色性顔料が得られることがわかった。また、製造例11では、原料基材がアルミフレークにおいても同様に鮮やかな二色性を有する顔料が得られることが分かった。
Figure 2010235488
製 造 例 12
市販の、二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用いて還元処理を行なった。まず、水素化チタン粉末をメノウ乳鉢にて粉砕し、目開き25μmの篩を通過した粉末を回収して還元助剤とした。上記ガラス末100gに、還元助剤である水素化チタンを4.3g加え、ミキサーで均一に混合した。混合した原料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理処理物は、水で撹拌した後、目開き25μmの湿式篩を行ない、還元助剤である水素化チタンから形成された低次酸化チタンを除去した。回収物として得られた顔料は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
製 造 例 13
市販の、ガラス末に二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用いて還元処理を行なった。まず、チタン粉末をメノウ乳鉢にて粉砕し、目開き25μmの篩を通過した粉末を回収して還元助剤とした。上記ガラス末100gに、還元助剤であるチタンを3.8g加え、ミキサーで均一に混合した。混合した原料を、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:2)の流量を100ml/分とし、700℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元処理物は、水で撹拌した後、目開き25μmの湿式篩を行ない、還元助剤である水素化チタンから形成された低次酸化チタンを除去した。回収物として得られた顔料は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
製 造 例 14
市販の、二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元助剤として水素化アルミニウムリチウムを用いて還元処理を行なった。まず、上記ガラス粉末100gに、還元助剤として水素化アルミニウムリチウム2.7gを加え、混合原料を作製する。この混合原料を窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が青色、干渉色が紫色であった。
製 造 例 15
市販のガラス末に二酸化チタンが被覆されている(日本板硝子社製:メタシャイン)を用い、水素と窒素の混合ガスで還元焼成を行なう。メタシャイン(MC1080RB)20gを雰囲気炉内に入れ、窒素と水素の混合ガス(窒素:水素=1:3)の流量を100ml/分とし、1000℃、8時間の条件で還元焼成を行なった。得られた還元焼成品の色調は、外観色が青色・干渉色が紫色となった。
製造例12〜13は、還元助剤に水素化チタンと金属チタンをそれぞれ用いることでも、鮮やかな二色性顔料を得ることができることを示すものである。また、製造例14は、還元助剤に水素化アルミニウムリチウムを用いたものでも、鮮やかな二色性顔料を得ることができることを示すものであり、製造例15は、窒素と水素の混合ガスの混合比を代えてで還元処理を行なうことでも、鮮やかな二色性顔料を得ることができることを示すものである。
Figure 2010235488
製 造 例 16
市販の、二酸化チタンで被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元処理を行なった。まず、上記ガラス末100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gおよびグアニジン0.2gを加え、混合原料を作製した。この混合原料を、窒素と水素の混合ガス(アンモニア:水素=1:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が赤紫色、干渉色が青色であった。
製 造 例 17
市販の、二酸化チタンが被覆されているガラス末(日本板硝子社製:メタシャイン(MC1080RB))を用い、還元処理を行なった。上記ガラス末100gに、還元助剤として水素化ホウ素ナトリウム2.7gを加え、混合原料を作製した。アンモニアと水素の混合ガス(アンモニア:水素=2:1)の流量を100ml/分とし、600℃、3時間の条件で還元焼成を行なった。この還元処理により得られた顔料の色調は、外観色が茶色、干渉色が紫色であった。
製造例16は、還元助剤中に窒素を含む化合物を用いた例である。また、製造例17は、還元処理にアンモニアと水素の混合ガスを用いた例である。これらの例では、それぞれの低次酸化チタン層の一部が、窒素と置き換わり変性するが、その場合においても、鮮やかな二色性顔料を得ることができた。
Figure 2010235488
製 造 例 18
低次酸化チタンの組成がTi、粒子径が10〜30nmである粒子で、雲母を被覆する。この被覆は、低次酸化チタン粒子を水溶媒に均一に分散させ、雲母を加えて懸濁させ、その後、低次酸化チタン粒子が被覆された雲母粒子を回収し、105℃で乾燥し、水分を除去することにより行なった。
この低次酸化チタンが被覆された雲母を、真空雰囲気下、800℃で3時間の熱処理を行なった。得られた還元処理品の色調は、外観色が緑色、干渉色が薄青色となり二色性を有していた。
Figure 2010235488
比較製造例 3
ガラス末にチタニアゾルを塗布し、空気雰囲気にて600℃の熱処理を行なった。熱処理後、水洗し余分なチタン化合物を除去し、二酸化チタンで被覆されたガラス末を得た、このものは外観色が白色で干渉色が緑色(二酸化チタン層の膜厚:140nm)であった。
比較製造例 4
特開昭60−060163号公報(特許文献6)の実施例1に基づき、雲母50部に対してイオン交換水500部を加え、十分撹拌することで得られたスラリーに、硫酸チタニル水溶液(40wt%)を208.5部加え、加熱撹拌を6時間行なった。放冷後、濾過水洗を行ない、900℃で焼成し、二酸化チタンで被覆された雲母を得た。この二酸化チタンで被覆された雲母を、アンモニアガス3L/分の流量で、800℃、4時間の還元処理を行なった。得られた生成物のXRD解析を行なったところ、TiOとTiOの混合物であり、その外観色と干渉色が青色のものであった。
以下の表8に、比較製造例1ないし4で得られたものの外観に関するデータを示す。前記比較製造例1〜2では、還元度の高い低次酸化チタンTiO(x=1)になると、入射光の低次酸化チタンへの吸収が強くなり、干渉色が見られなって外観色の黒色のみのものとなった。これに対し比較製造例3では、組成がTiO(x=2)となり、外観色が白色のため、干渉色の発色が有意に認識できないものとなった。
また、上記比較製造例4で得られたものは、被覆組成物がTiOとTiOの混合物であるが、このような被覆組成物である低次酸化チタンがTiOとTiOの混合物であると、TiOが光を強く吸収し、反射光は微弱となる。よって、反射される光はTiOから発せられる青色のみとなり、TiOはそれを際立たせる効果(下地色としての効果)のみを与え単調な色調となってしまう。
本発明では、実施例で示したように、光を反射させることができる還元度合TiOx(1.0<x<2.0)の低次酸化チタンの単層を設けることで、図1に見られる光の反射・吸収が生じさせ、外観色と干渉色の異なる二色性を得ることができるのである。
Figure 2010235488
実 施 例 1
ネイルエナメル:
下記表9に示す組成および下記製造方法により、本発明の実施品1〜9および比較品1〜7のネイルエナメルを調製した。得られた各ネイルエナメルについて、その「色材の分散性」、「塗布時のなめらかな使用性」、「化粧膜の透明性」、「化粧膜の立体感」および「化粧膜の均一性」および「なめらかな使用性」の各項目について、以下に示す評価方法により評価した。
( 組 成 )
Figure 2010235488
※1 KS−02(株 伊那貿易商会)
※2 シリコンKP−543(信越化学工業社製 50%酢酸ブチル溶液)
※3 硝化綿H1/4(旭化成工業社製)
※4 ベッコゾールDB−174K(大日本インキ社製)
※5 チミロンスーパーグリーン(メルク社製)
※6 DUOCROME BG 826C(エンゲルハード社製)
※7 ベントン27(NLインダストリ−社製)
※8 アエロジル300(日本アエロジル社製)
( 製造方法 )
成分1ないし21を均一に混合溶解し、ネイルエナメルを得た。
( 評 価 )
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
<評価項目>
イ、色材の分散性
ロ、塗布時のなめらかな使用性
ハ、化粧膜の透明感
ニ、化粧膜の立体感
ホ、化粧膜の均一性
<評価方法>
各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記(1)評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記(2)判定基準により判定し、表9に判定および( )内に評点の平均値を記載した。
評価に際しては、イ:色材の分散性については凝集物やムラの有無を、ハ:化粧膜の透明感については、化粧膜中にある(A)の二色性顔料の干渉光が鮮やかに見えるかどうかを、ニ:化粧膜の立体感については、塗布面を正面と正面に対し、上、下、右、左の角度から見たとき、立体感が得られているかどうか、および角度によって色の変化が感じられるかどうかを評価のポイントとした。
(1)評価基準
(評 価):(評 点)
非常に良好: 6
良 好 : 5
やや良好 : 4
普 通 : 3
やや不良 : 2
不 良 : 1
非常に不良: 0
(2)判定基準:
評点の平均点 : 判 定
5点以上 : ◎
3.5点以上5点未満 : ○
1.5点以上3.5点未満: △
1.5点未満 : ×
上記表9に示された結果から明らかな如く、本発明の実施品1〜9のネイルエナメルは、比較品1〜7に比べ、分散性、透明性、均一な塗布膜、立体感、なめらかな使用性の全てにおいて優れたものであった。それに比べ、成分(B)のシリコーン系樹脂を配合しない比較品1や、成分(C)のニトロセルロースを配合しない比較品2は、本発明品に比べて化粧膜の均一性が劣り、ツヤや立体感に満足のゆくものではなかった。また、塗膜のなめらかさや化粧持ちの点においても劣るものであった。成分(A)の二色性顔料を配合しない比較品3は二色性が得られず、立体感が劣っているものであった。成分(A)の二色性顔の代わりに無着色雲母チタンと顔料を配合した比較品4や、成分(A)の二色性顔料の代わりにコンジョウで被覆した二色性顔料であるコンジョウ被覆雲母チタンを配合した比較品5は発色性が十分でなく、二色性に劣り、立体感に乏しいものであった。また、比較品6及び比較品7でそれぞれ雲母チタンの配合量を増加させた比較例4及び比較例5は、発色は得られるものの、膜の隠蔽性が上がってしまって透明感に劣り、また、立体感は満足のいくものでなく、更になめらかな使用性が低下するものであった。
なお、実施品1〜7は、ガラス板上にドクターブレードを用いて4milの一定の厚みの薄膜をひき、十分に乾燥させた後、白地に黒で6ポイントの文字を印刷した紙の上に置き、文字が判読できるかを見たところ、いずれも良好な透明性を有していた。
実 施 例 2
ネイルエナメル:
下記表10の組成および下記製法により、本発明品10ないし22のネイルエナメルを得た。
( 組 成 )
Figure 2010235488
( 製造方法 )
成分1〜12および26〜29と、成分13から25の一種を均一に混合溶解し、ネイルエナメルを得た。
得られた本発明品10ないし22のネイルエナメルについて、実施例1と同様に評価を行ったところ、いずれも分散性、透明性に優れ、均一な塗布膜、優れた立体感を有し、使用性がなめらかなものであった。
実 施 例 3
ネイルエナメル:
下記組成および製法により、ネイルエナメルを調製した。
( 組 成 ) (%)
1.シロキサン基含有(メタ)アクリル酸系共重合物(※2) 5
2.製造例18の二色性顔料 3
3.製造例17の二色性顔料 3
4.ニトロセルロース(※3) 10
5.フタル酸系アルキッド樹脂(※4) 5
6.(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー(※9) 5
7.クエン酸アセチルトリブチル 3
8.酢酸エチル 20
9.酢酸ブチル 適 量
10.イソプロピルアルコール 5
11.dl−カンフル 3
12.赤色201号 0.05
13.赤色202号 0.1
14.酸化チタン 0.3
15.赤色酸化鉄 0.1
16.パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 0.5
17.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル 0.2
安息香酸へキシル(※10)
18.有機変性ベントナイト(※7) 1
19.無水ケイ酸(※8) 0.5
20.雲母チタン 3
21.ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層樹脂 0.5
22.リンゴ酸 0.01
23.ジメチコン 0.1
※9 シリコンKP−541(信越化学工業社製 60%イソプロピルアルコール
溶液)
※10 UVINUL A PLUS(BASF社製)
( 製造方法 )
成分1〜23を均一に混合溶解しネイルエナメルを得た。
本発明のネイルエナメルは、実施例1と同様に評価を行ったところ、使用した二色性顔料の分散性、透明性に優れ、均一な塗布膜、優れた立体感を有し、使用性がなめらかなものであった。
実 施 例 4
ネイルエナメルトップコート:
下記組成および製法により、ネイルエナメルトップコートを調製した。
( 組 成 ) (%)
1.トリメチルシロキシケイ酸 0.5
2.酢酸エチル 20
3.酢酸ブチル 適 量
4.ヘプタン 15
5.ニトロセルロース(※3) 20
6.アクリル/スチレン共重合体(※11) 5
7.イソプロピルアルコール 5
8.クエン酸アセチルトリブチル 5
9.オキシベンゾン−3 0.2
10.製造例6の二色性顔料 2
※11 アクリベースMH7057(藤倉化成社製)
( 製造方法 )
成分1〜10を均一に混合溶解し、ネイルエナメルトップコートを得た。
こうして得られたネイルエナメルトップコートは、実施例1と同様に評価を行ったところ、分散性、透明性に優れ、均一な塗布膜、優れた立体感を有し、使用性がなめらかなものであった。
実 施 例 5
ネイルエナメルベースコート:
下記組成および製法により、ネイルエナメルベースコートを調製した。
( 組 成 ) (%)
1.アクリル−シリコーン系グラフト共重合体(※1) 7
2.酢酸エチル 20
3.酢酸ブチル 適 量
4.ヘプタン 15
5.ニトロセルロース(※3) 15
6.アクリル/スチレン共重合体(※11) 10
7.イソプロピルアルコール 5
8.クエン酸アセチルトリブチル 5
9.オキシベンゾン−3 0.2
10.製造例7の二色性顔料 1
( 製造方法 )
成分1〜10を均一に混合溶解し、ネイルエナメルベースコートを得た。
こうして得られたネイルエナメルベースコートは、実施例1と同様に評価を行ったところ、分散性、透明性に優れ、均一な塗布膜、優れた立体感を有し、使用性がなめらかなものであった。
本発明で使用される成分(A)の二色性顔料は、今までにない鮮やかな干渉色、外観色を有するものであり、見る角度により異なる色に見えることから、平面的ではない、優れた立体感を演出することができるものである。また、鮮やかな色調を有するため、少量の配合で発色の高いものが得られることから、粉体成分の配合量を少量にすることで、なめらかで使用性が良く、化粧膜も均一でツヤに優れ、化粧持続性の高い美爪料とすることができ、また従来から問題であった光や分散媒等による劣化が見られない。
そして、本発明の美爪料は、上記した耐水性が高い、鮮やかな二色性を有する顔料と、均一な化粧被膜を形成する高分子化合物とを組み合わせ使用するため、物性面では安定性、分散性が高く、また、化粧効果面では、鮮やかな二色性による立体感を付与することができるものである。
従って、本発明の美爪料は、マニキュア、ネイルエナメル、エナメルトップコート、エナメルベースコート等の溶剤系美爪料として、広く利用しうるものである。
1 … … 板状粒子基材(雲母、ガラス末、アルミフレーク)
2 … … 低次酸化チタン層
3 … … 入射光 (可視光)
4 … … 透過光 (特定の波長を失った光)
5 … … 反射光 (低次酸化チタン層表面からの反射光)
6 … … 反射光 (透過光4が基材1で反射された光)
7 … … 吸収光 (低次酸化チタン層で吸収された光)

Claims (8)

  1. 次の成分(A)ないし(C):
    (A)板状粒子上に低次酸化チタンの単層を形成させることで外観色と干渉色の色調が
    異なる二色性を呈する顔料
    (B)シリコーン系樹脂
    (C)ニトロセルロース
    を含有することを特徴とする美爪料。
  2. 前記成分(A)の低次酸化チタン単層が次の組成式
    TiO
    (ここで、Xは1.0を越え2.0未満の数を意味する)
    で示される低次酸化チタンである請求項1記載の美爪料。
  3. 前記成分(A)の低次酸化チタン単層が酸化窒化チタンを含む単層である請求項1または2記載の美爪料。
  4. 前記成分(A)の板状粒子が、天然または合成の金雲母、アルミフレークまたはガラス粉末である請求項1ないし3の何れかの項記載の美爪料。
  5. 前記成分(A)の二色性顔料が、ハンターのL、a、b表色系において、L値が25以上である請求項1ないし4の何れかの項記載の美爪料。
  6. 前記成分(A)の二色性顔料が、ハンターのL、a、b表色系において、b値が−3.0以下または3.0以上である請求項1ないし5の何れかの項記載の美爪料。
  7. 前記成分(A)の配合量が0.1〜20質量%であり、前記成分(B)の配合量が0.5〜10質量%である請求項1ないし6の何れかの項記載の美爪料。
  8. 前記成分(B)がアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、シロキシ基含有(メタ)アクリル酸系共重合体またはトリメチルシロキシケイ酸から選ばれる1種又は2種以上のシリコーン含有樹脂である請求項1ないし7の何れかの項記載の美爪料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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