JP2010235474A - 抗菌剤及びそれを配合してなる製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】現在汎用されている皮膚外用抗菌剤には、アレルギー、皮膚刺激性などの問題があり、抗菌力を保持しつつ安全性を高めた薬剤を提供する。
【解決手段】α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルからなる安全性の高い抗菌剤およびそれを配合することを特徴とする化粧料及び液状医薬品、医薬部外品や食品の保存剤として配合する。
【効果】安全性に優れかつ十分な抗菌作用を有することによって、従来汎用されているパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)を使用せずして、微生物の汚染に強く安全性に優れた製品、例えば化粧料、医薬品、医薬部外品や食品の提供が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗菌剤に関するものであり、新規な化合物であるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルに高い抗菌作用が認められ、一般的な防腐剤であるパラオキシ安息香酸に代わり皮膚外用剤に配合が期待できる。またα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルの抗菌作用を活かして、医薬品、医薬部外品や液状ドリンク剤の防腐剤としても適用可能である。
皮膚外用剤特に化粧品等は開封後、継続して繰り返し使用する製品等では外部から混入してくる微生物の増殖を抑制し、経時とともに死滅させ製品の劣化を防止する目的で抗菌剤が使用される。代表的なものとして、パラオキシ安息香酸エステルが汎用されている。特にパラオキシ安息香酸エステルは、食品にも汎用されているが、過去アレルギーが認められた経緯があり、皮膚刺激性の問題が指摘されたことから、化粧料への配合に関しては配合量の上限が規定されている。その他、安息香酸塩、サリチル酸塩やデヒドロ酢酸塩もよく使用されるがパラオキシ安息香酸エステルと同様に皮膚刺激の問題が指摘されている。
とりわけ化粧品では近年、フェノキシエタノールによって抗菌性をもたせる動きがあるが、皮膚刺激の問題は回避できているとは言えない。また、天然系の抗菌性を有する物質としては、ヒノキチオール、モノカプリル酸グリセリド、カチオン系アミノ酸誘導体、ビサボロール、グリコール類、及び植物抽出液としてのローズマリー抽出液やグレープフルーツ種子抽出液等が知られており、それらを併用して微生物の増殖を抑えることも試されている。しかしながら、ヒノキチオールは、鉄イオンの存在下で褐変を起こすことが知られている。モノカプリル酸グリセリルは、加水分解により水存在下でエステル結合が分解し遊離したカプリル酸が発生する。その結果変臭の原因となる。また、植物抽出物系抗菌剤においては、活性成分が十分に確定されているわけではないために、ロットによる抗菌力のバラツキが生じ一定の抗菌性を保持することが難しい状況にある。このような観点から、これら種々の問題点をクリアする新たな抗菌剤の開発が求められている。そのような中、グリコール構造を有する1,2−オクタンジオール(特許文献1、非特許文献1)、α−2エチルヘキシルグリセリルエーテル(特許文献2、特許文献3、非特許文献2)やチロソール誘導体(特許文献4)が開発されている。
特許第3615218号 特開2004−43336号 特開2007−291049号 特開2007−39340号
フレグランス ジャーナルVol.34、No.4、34−38(2006) フレグランス ジャーナルVol.34、No.4、39−46(2006)
パラオシキシ安息香酸と同様幅広い抗菌性を有しながら、安全性の高い抗菌剤を提供し、それを防腐力を必要とする製品に配合することによって安全性に優れた製品を提供することが本発明の課題である。
そこで、本発明者は、かかる実情に鑑み鋭意検討した結果、グリコール構造と疎水基構造を有する化合物の中でα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルが低濃度、かつ幅広い抗菌スペクトルを有することを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、一般式1で示されるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルからなる抗菌剤及びそれを配合してなる皮膚外用剤、医薬品、医薬部外品、食品および液状飲料である。
以下、本発明の構成について詳しく記述する。
本発明のα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルは、オリーブ中の抗炎症成分として知られるチロソールとグリセリンのα位でエーテル結合を有する化合物で、構造中に保湿剤としての機能を有する親水基であるグリコール構造を持っている。
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルの合成は、α−モノアルキルグリセリルエーテルの一般的な製造法によって得ることが可能である。それは、チロソールのヒドロキシ基を保護し、グリシドールと反応させ、α−位に選択的にエーテル結合を形成させる。その後、保護基をはずして目的物を得ることができる。
本発明のα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルは、単独でも十分な抗菌性を示すが、少量のフェノキシエタノール、ヒノキチオール、モノカプリル酸グリセリド、カチオン系アミノ酸誘導体、ビサボロールや1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等の抗菌剤や抗菌作用を有する植物抽出物などの併用やEDTAのようなキレート剤を併用することによって、抗菌作用の向上が期待できる。
本発明の抗菌剤には、上記した必須成分の他に、その抗菌作用を妨げない範囲で通常の化粧品や医薬品、医薬部外品等に用いられる他の成分、例えば、ビタミンB2類、ビタミンB6類、ビタミンC類、ビタミンD類、ニコチン酸類、ビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類、アミノ酸及びアミノ酸誘導体、ホホバ油、スクワラン等の油分、グリセリン、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類、コラーゲン、ヒアルロン酸等の高分子保湿剤、酸化防止剤、界面活性剤、グリチルリチン酸誘導体等の消炎剤、各種植物抽出物、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、香料、水、アルコール、色剤、ポリエチレン等の樹脂粉末等を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明にかかるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルの製品に対する配合量であるが、例えば化粧料に配合する場合を例にすると、化粧料の実施態様、化粧料の使用形態などに応じて変動させることが可能で特に限定されないが、原則的には、化粧料中に有効量存在すれば良いが、一般的な配合量は、化粧料組成物中0.0001〜5質量%であり、好ましくは0.01〜2質量%、更に好ましくは0.05〜0.5質量%であるが、化粧料の剤型や処方内容により適正量は特に限定することはできないための目安である。
本発明にかかる化粧料への適用範囲は、剤型等による制限はなく、全ての化粧料に適用が可能である。同様に液状の医薬品、医薬部外品や食品のドリンク剤にも同様である。
例えば、本発明にかかるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルは、各種の内用・外用製剤類(動物用に使用する製剤も含む)全般において利用でき、具体的には、アンプル状、カプセル状、丸剤、錠剤状、粉末状、顆粒状、固形状、液状、ゲル状又は気泡状の1)医薬品類、2)医薬部外品類、3)食品類、4)局所用又は全身用の皮膚化粧品類、5)頭皮・頭髪に適用する薬用又は/及び化粧用の製剤類(例えば、シャンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、パーマネント液、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料など)、6)浴湯に投じて使用する浴用剤、7)その他、液臭・防臭防止剤や衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュなどが上げられる。
更に液状飲料類としては、医薬品や医薬部外品の栄養ドリンク、一般食品の果実ジュース、野菜ジュース、乳清飲料、清涼飲料、酒類などの飲料、その他、健康食品など一般的な飲料類への使用が上げられる。
本発明によれば、α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルからなる抗菌剤によっ抗菌作用が幅広くかつ安全性に優れた抗菌剤を提供することができる。また、本発明の抗菌剤を使用することで、パラオキシ安息香酸エステルを使用せず十分な抗菌作用を有し、更に安全性に優れた製品をも提供することができる。
実施例1と汎用抗菌剤との細胞毒性の比較
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されることはない。
[α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルの製造]
まず、本発明にかかる皮膚外用剤において特徴的なα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルの製造例について説明する。
「α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル」3-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-1,2-プロパンジオール
P−ヒドロキシフェニルエチルアルコール,塩化ベンジルとK2CO3の混合物をアセトン中,6時間加熱還流した.溶媒を除去し,酢酸エチル,水を加えて分液し,有機層を10 %NaOH,次いで水で洗浄,脱水,濃縮した.残留物を,酢酸エチルから再結晶して2-(4-フェノキシフェニルエタノール)を得た.
400 MHz 1H
NMR (CDCl3, 30 ℃) 2.81 (t, 2H, J = 6.6 Hz, -CH2CH2OH),
3.83 (t, 2H, J = 6.6 Hz, -CH2CH2OH),
5.05 (s, 2H, -OCH2Ar-), 6.91 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.14 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH),
7.30-7.44 (m, 5H, ArH).
2-(4-フェノキシフェニルエタノール) ( 2.8 mmol, 638 mg)、グリシドール ( 14.0 mmol, 1034 mg )、 K2CO3 (0.14 mmol, 19 mg ) の混合物をを130 ℃,6 h撹拌した。酢酸エチル,水を加えて分液し,有機層を脱水,濃縮,減圧乾燥し粗生成物 (583 mg)を得た.この粗生成物 (300 mg)をGPC 分取をおこない3-(2-(4-フェノキシフェニル))-1,2-プロパンジオール (55 mg)を得た.
400 MHz 1H
NMR (CDCl3, 30 ℃) 2.83 (t, 2H, J = 6.8 Hz, -Ar-CH2CH2-), 3.48-3.83 (m, 7H)
5.04 (s, 2H, -OCH2-Ar), 6.90 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH), 7.12 (d, 2H, J = 8.4 Hz, ArH),
7.31-7.44 (m, 5H, Ar-H).
3-(2-(4-フェノキシフェニル))-1,2-プロパンジオール (0.4 mmol, 126 mg) とPd-C (50mg) にEtOH (5 ml)を加え, 水素雰囲気下50℃, 7 h撹拌した.Pd-C をろ過し,熱EtOH で洗浄し,濃縮, 減圧乾燥し,α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル[3-(2-(4-ヒドロキシフェニル)-1,2-プロパンジオール ) (76 mg, 86 %)を得た.
400 MHz 1H
NMR (CDCl3, 30 ℃) 2.82 (t, 2H, J = 7.0 Hz, -Ar-CH2-),
3.49-3.82 (m, 7H), 6.76 (d, 2H, J =
8.4 Hz, Ar-H), 7.07 (d, 2H, J = 8.4 Hz, Ar-H).
(比較例1)
p-フェネチルアルコール (100 mmol, 12.5 g), グリシドール (20 mmol, 1.48 g), K2CO3 (1.0 mmol, 139 mg)を130 ℃,6
h撹拌した.温ヘキサンを加え可溶部を取り除き,不溶部をクーゲル蒸留し減圧蒸留して,α−モノp−フェニルエチルグリセリルエーテル[3-(2-(4-フェニル)-1,2-プロパンジオール ) (1.00 g, 25 %)を得た.
400 MHz 1H
NMR (CDCl3, 30 ℃) 2.07 (t, 1H, J = 5.1 Hz, -OH),
2.52 (d, 1H, J = 5.1 Hz, -OH), 2.90 (t, 2H, J = 6.8 Hz, -Ar-CH2-),
3.49~3.85 (m, 7H), 7.20~7.32 (m, 5H, Ar-H)
125 MHz 13C
NMR (CDCl3, 30 ℃) 36.1 (ArCH2), 64.0 (-CH2OH)
70.5 (-CHOH-), 72.3 (-OCH2-), 72.4 (-OCH2-), 126.3,
128.4, 128.8, 138.6.
(比較例2)
p-メトキシフェニルエタノール (40 mmol, 6.01 g), グリシドール (20
mmol,
1.48
g), K2CO3 (0.5 mmol, 0.14 g)を130 ℃,6 h撹拌した.温ヘキサンを加え可溶部として未反応物を取り除き,不溶部を減圧蒸留して,α−モノp−メトキシフェニルエチルグリセリルエーテル3-(2-(4-メトキシフェニル)-1,2-プロパンジオール(1.10 g) を得た.
400 MHz 1H
NMR (CDCl3, 30 ℃) 2.14 (t, 1H, J = 5.1 Hz, -OH),
2.56 (d, 1H, J=5.1 Hz, -OH), 2.83 (t, 2H, J = 6.6 Hz, -Ar-CH2-),
3.49~3.82 (m, 7H) 3.79 (s, 3H, -OCH3), 6.84 (d, 2H, J = 8.6 Hz, Ar-H), 7.12 (d, 2H, J = 8.6 Hz, Ar-H).
125 MHz 13C
NMR (CDCl3, 30 ℃) 5.20 (ArCH2), 55.2
(-OCH3), 64.0 (-CH2OH) 70.5 (-CHOH), 72.4 (-OCH2-),
72.6 (-OCH2-), 113.8, 129.7, 130.6, 158.1.
(比較例3)
p-エトキシフェネチルアルコール (10 mmol, 1.7 g ), グリシドール (5 mmol, 380 mg ), K2CO3 (0.5 mmol, 70 mg )を130 ℃,6 h撹拌した.温ヘキサンを加え原料を取り除き,クーゲル蒸留 (200 ℃)による留出物としてα−モノp-エトキシフェニルエチルグリセリルエーテル[3-(2-(4-エトキシフェニル)-1,2-プロパンジオール)(19 %) を得た.
400 MHz 1H NMR (CDCl3,
30 ℃) 1.40 (t, 3H, J = 7.0 Hz, -CH3), 2.05 (t,
1H, J = 5.1 Hz, -OH), 2.49 (d, 1H, J = 5.1 Hz, -OH), 2.82 (t, 2H, J
= 7.0 Hz, -Ar-CH2-), 3.48~3.83 (m, 7H), 4.01 (q, 2H, J = 7.0 Hz, -CH2CH3),
6.83 (d, 2H, J = 8.1 Hz, Ar-H), 7.10 (d, 2H, J
= 8.1 Hz, Ar-H)
(実験例)
〔抗菌力(チャレンジテスト)の確認〕
合成にて得たα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル、α−モノp−フェニルエチルグリセリルエーテル、α−モノp−メトキシフェニルエチルグリセリルエーテル及びα−モノp−エトキシフェニルエチルグリセリルエーテルにおいて、日本薬局方保存効力試験の5菌種(S.aureus、E.coli.、Ps.aerginosa、C.arbicans、A.niger)に対する抗菌性の確認試験を行った。試料は、α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル、α−モノp−フェニルエチルグリセリルエーテル、α−モノp−メトキシフェニルエチルグリセリルエーテル及びα−モノp−エトキシフェニルエチルグリセリルエーテル、α−モノ2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(SENSIVA SC-50:Schuke & Mayr社製)、モノカプリン酸グリセリル(MGK:日光ケミカルズ社製)、パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)、パラオキシ安息香酸エチル及びフェノキシエタノール(エチルパラベン)1,2−オクタンジオール(東京化成工業製)を7.0%の1,3−ブチレングリコール水溶液にそれぞれの試料配合量が0.10質量%になるように取り、試験に供した。試験菌の初期濃度はS.aureus、E.coli.、Ps.aerginosaが1×105、C.arbicans、A.nigerが10×104で行った。
〔判定基準〕
1日、3日、7日、14日、28日後に各種試料より、1mLを取り出し、培養培地に加えた後、それぞれの微生物の培養条件に従い培養を行い、生菌数を確認した。表中の数値は対象菌が死滅した日を示し、菌数の表記があるものは4週間後の菌数を示している。
表1は、α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルの類縁体の抗菌作用比較である。
表1の結果から、P位の官能基の違いによる抗菌力の違いを確認した。その結果、p−ヒドロキシ体が極めて抗菌力が優れていることを確認した。
表2は、汎用抗菌剤との比較である。
表2の結果から、α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルは、細菌に関しては、パラオキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)やモノカプリン酸グリセリル(C8エステル)よりも抗菌作用は強く、エチルパラベンや2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(C8エーテル)、1,2−オクタンタンジオール(C8ジオール)と同程度かやや強いことが分かった。また、真菌に関しては、モノカプリン酸グリセリン、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルや1,2−オクタンジオールは増加傾向にあり効力はほとんど示さない。それに対して、死滅こそ見られないが実施例1はパラベン類と同様に初期の植菌数と比べて菌数が95.2%減少し元の4.8%と大きく減少しており、その効力は同程度であることを確認した。ここにあげたジオール構造を有する化合物は抗菌性を有することが知られているがカビに対する抗菌性が弱い。本発明のα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルはパラベンと置き換えることが可能であることを確認した。
「エマルジョン系における抗菌作用」
日本薬局方保存効力試験の5菌種(S.aureus、E.coli.、Ps.aerginosa 、C.arbicans、A.niger)に対する抗菌性の確認を行った。試料は、表5記載の組成乳液、実施例及び比較例をそれぞれ常法に従って調製し、試験を実施した。
表3の結果から、同濃度のモノカプリン酸グリセリル(C8エステル)、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(C8エーテル)や1,2−オクタンタンジオール(C8ジオール)と比較すると細菌に対して抗菌作用は強く、パラベン類とは同程度の抗菌作用を示すことを確認した。
(実験例3)〔細胞毒性の確認〕
96Well Plateに1WellあたりHela細胞を播種し、24時間、CO2インキュベータの中で育成する。播種24時間後、試料を培地で段階的に希釈(1/2)して添加する。次いで、48時間、CO2インキュベータの中で育成し、96Well
Plateの培地を捨て、PBS(-)で洗浄し、その後、培地に10%濃度になるように新品のWST試薬(Cell
Counting Kit)を加えたものを、100μLずつ加える。それを2時間CO2インキュベータの中で反応させ、2時間後にマイクロプレートリーダーで415nmでの吸光度を測定する。
図1に示したようにメチルパラベンや2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(C8エーテル)と比較して、細胞毒性は弱く、刺激性が低いことが期待される。
次に本発明にかかるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルを用いた具体的な製品例について説明する。
(処方例)以下に本発明の処方例を挙げる。
<処方例1>化粧水(質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.1
グリセリン・・・5.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0)・・・0.5
1,3−ブチレングリコール・・・5.0
1,2−ペンタンジオール・・・2.0
酸化防止剤・・・適量
香料・・・適量
精製水・・・残部
<処方例2>化粧用クリーム (質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.1
N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルキ゛ンエチル−DL−ヒ゜ロリト゛ンカルホ゛ン酸塩・・0.05
ミツロウ・・・2.0
ステアリルアルコール・・・5.0
ステアリン酸・・・8.0
スクワラン・・・10.0
自己乳化型グリセリルモノステアレート・・・3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0)・・・1.0
1,3−ブチレングリコール・・・5.0
グルコン酸亜鉛・・・0.1
水酸化カリウム・・・0.3
香料・・・適量
酸化防止剤・・・適量
精製水・・・残部
<処方例3>乳液(質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.1
N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルキ゛ンエチル−DL−ヒ゜ロリト゛ンカルホ゛ン酸塩・・0.05
スクワラン・・・8.0
ワセリン・・・2.0
ミツロウ・・・0.5
ソルビタンセスキオレエート・・・0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0)・・・1.2
カルボキシビニルポリマー・・・0.2
水酸化カリウム・・・0.1
1.3−ブチレングリコール・・・7.0
香料・・・適量
酸化防止剤・・・適量
精製水・・・残部
<処方例4>パック剤(質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.5
酢酸ビニル樹脂エマルジョン・・・15.0
ポリビニルアルコール・・・10.0
ホホバ油・・・3.0
グリセリン・・・5.0
酸化チタン・・・8.0
カオリン・・・7.0
エタノール・・・5.0
香料・・・適量
酸化防止剤・・・適量
精製水・・・残部
<処方例5>軟膏(質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.2
酢酸トコフェロール・・・0.5
パラジメチルアミノ安息香酸オクチル・・・4.0
ブチルメトキシベンゾイルメタン・・・4.0
ステアリルアルコール・・・18.0
モクロウ・・・20.0
グリセリンモノステアリン酸エステル・・・0.3
ワセリン・・・33.0
香料・・・適量
酸化防止剤・・・適量
精製水・・・残部
<処方例6>アイシャドウ(質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.2
ビサボロール・・・0.2
流動パラフィン・・・6.0
メチルポリシロキサン・・・2.0
セスキオレイン酸ソルビタン・・・2.0
タルク・・・残部
マイカ・・・15.0
セリサイト・・・5.0
顔料・・・14.5
パール顔料・・・10.0
香料・・・適量
酸化防止剤・・・適量
<処方例7>ドリンク剤(質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.2
タウリン・・・3.0
ピリドキシン塩酸塩・・・0.02
チアミン硫化物・・・0.01
リボフラビン・・・0.003
無水カフェイン・・・0.05
精製白糖・・・5.0
D−ソルビトール液・・・2.0
クエン酸無水物・・・0.2
香料・・・適量
精製水・・・残部
果汁入りゼリー(質量%)
α−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル・・・0.1
ブドウ果汁・・・6.0
水飴・・・3.5
グラニュー糖・・・13.0
りんご酸・・・0.2
ゲル化剤 ・・・1.0
クエン酸ナトリウム・・・0.05
カラメル色素・・・0.1
香料0.2
精製水・・・残部
上記した処方例1にて作成した化粧料を各化粧料について健常女性パネラー20名に2週間使用してもらい使用感触及び皮膚刺激について確認した。その結果、1名の皮膚刺激も見られず使用感触も十分に満足する回答を得た。
本発明は、抗菌剤に関し、詳しくは、パラオキシ安息香酸エステルと同等以上の優れた抗菌性を有するα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテル及びこれを配合する化粧料、医薬品、医薬部外品や食品に関する

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)

    で表されるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルからなる抗菌剤。
  2. 請求項1で示されるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルを配合することを特徴とする皮膚外用剤。
  3. 請求項1で示されるα−モノp−ヒドロキシフェニルエチルグリセリルエーテルを配合することを特徴とする医薬品、医薬部外品及び食品。
JP2009083380A 2009-03-30 2009-03-30 抗菌剤及びそれを配合してなる製剤 Active JP5372573B2 (ja)

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