JP2010235428A - ガラス成形装置及びガラス成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス成形装置及びガラス成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形状に関する精度が高められながら、脈理が低減されたガラスを得ることが可能なガラス成形型及びガラス成形体の製造装置を提供する。
【解決手段】ガラス成形装置1は、溶融ガラスMを流動させて連続成形する成形型11を備えるガラス成形装置1であって、前記成形型11上を流動する溶融ガラスMを上部から押圧して冷却する第一冷却手段と、前記第一冷却手段によって押圧された溶融ガラスMを上部から更に押圧して冷却する追加冷却手段を更に備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス成形装置及びガラス成形体の製造方法に関する。
通常、溶融ガラスを板状或いは棒状に連続して成形する場合、溶融ガラスを成形ロール間に流してその周速度と同じ速度で成形ガラスを送り出す方法(複ロール法)や予め用意された成形型の一端に溶融ガラスを引き出し速度に合わせて成形ガラスを引き出す方法等が行われている。
これらの方法を用いて作製される成形ガラスの厚みを一定にする方法として、特許文献1及び2には、冷却手段として冷却板を用い、冷却板でガラスの上面を押圧して離間する操作を反復してガラスの上面を冷却する方法が記載されている。
特開2004−292274号公報 特開2002−265229号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載された方法を用いてガラスを成形しても、成形されたガラスの表面には依然として歪みが生じ易く、また、成形されたガラスには脈理が発生し易かった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、形状に関する精度が高められながら、脈理が低減されたガラス成形体を得ることが可能なガラス成形型及びガラス成形体の製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、第一冷却手段によって押圧された溶融ガラスを更に押圧して冷却する追加冷却手段を備えることにより、第一冷却手段によって適度に冷却されて粘度が高められたガラスが、追加冷却手段によって更に押圧されて成形され、その結果としてガラスの表面張力による形状の歪みを低減しつつ脈理を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 溶融ガラスを流動させて連続成形する成形型を備えるガラス成形装置であって、前記成形型上を流動する溶融ガラスを上部から押圧して冷却する第一冷却手段と、前記第一冷却手段によって押圧された溶融ガラスを上部から更に押圧して冷却する追加冷却手段を更に備えるガラス成形装置。
(2) 前記成形型に溶融ガラスを供給する流出管の外周と、押圧時における前記第一冷却手段と、の溶融ガラスの流動方向についての間隔が10mm以上100mm以下である(1)に記載のガラス成形装置。
(3) 前記第一冷却手段及び前記追加冷却手段は、ガラスの流動方向に回転可能なローラ状の冷却体及び/又は間欠的に溶融ガラスを押圧する冷却板を備える(1)又は(2)に記載のガラス成形装置。
(4) 溶融ガラスを成形型上で流動させて連続成形するガラス成形体の製造方法であって、前記成形型上を流動する溶融ガラスを上部から押圧して冷却し、押圧された溶融ガラスを上部から更に押圧して冷却するガラス成形体の製造方法。
(5) 溶融ガラスが流入する位置から溶融ガラスを押圧する位置までの間隔を10mm以上100mm以下に調整する(4)に記載のガラス成形体の製造方法。
(6) 前記成形型上を流動する溶融ガラスを第一冷却手段で上部から押圧して冷却し、押圧された溶融ガラスを追加冷却手段で上部から更に押圧して冷却する(4)又は(5)に記載のガラス成形体の製造方法。
(7) 前記第一冷却手段及び前記追加冷却手段は、ガラスの流動方向に回転させながら溶融ガラスを押圧する手段及び/又は間欠的に溶融ガラスを押圧する手段である(6)に記載のガラス成形体の製造方法。
(8) (4)から(7)のいずれかに記載の製造方法により製造されるガラス成形体を用いて形成された光学素子。
(9) (8)に記載の光学素子を用いた光学機器。
本発明によれば、第一冷却手段によって押圧された溶融ガラスを更に押圧して冷却する追加冷却手段を備えることにより、第一冷却手段によって適度に冷却されて粘度が高められたガラスが、追加冷却手段によって更に押圧されて成形される。そのため、ガラスの表面張力による形状の歪みを低減して形状に関する精度を高めつつ、脈理の発生の低減されたガラス成形体を得ることができる。
第1実施形態におけるガラス成形装置のガラスの流動方向に沿った断面図である。 図1のガラス成形装置の一例を表す平面図である。
本発明のガラス成形装置は、溶融ガラスを流動させて連続成形する成形型を備え、前記成形型上を流動する溶融ガラスを上部から押圧して冷却する第一冷却手段と、前記第一冷却手段によって押圧された溶融ガラスを上部から更に押圧して冷却する追加冷却手段を更に備える。
また、本発明のガラス成形体の製造方法は、溶融ガラスを成形型上で引き出して成形するガラス成形体の製造方法であって、前記成形型上を流動する溶融ガラスを上部から押圧して冷却し、押圧された溶融ガラスを上部から更に押圧して冷却する。
以下、本発明のガラス成形型及びガラス成形体の製造装置の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るガラス成形装置1は、溶融ガラスMを連続成形する成形型11と、溶融ガラスMを上部から押圧して冷却する第一冷却手段12及び追加冷却手段13と、を備える。ここで、成形型11に溶融ガラスMを供給する手段は特に限定されないが、例えば流出管21を用いることができる。図1は、ガラス成形装置1のガラスGの流動方向に沿った断面図である。
[冷却手段]
冷却手段は、第一冷却手段12及び追加冷却手段13を備える。第一冷却手段12は、成形型11上を流動する溶融ガラスMを上部(図1の12’の位置)から押圧するものであり、追加冷却手段13は、第一冷却手段12によって押圧された溶融ガラスMを上部から更に押圧するものである。これらにより、第一冷却手段12によって押圧されて適度に冷却された溶融ガラスMが、更に押圧されて冷却される。そのため、溶融ガラスMに作用する表面張力によって起こる形状の歪みを低減し、形状に関する精度の高められたガラスGを得ることができる。また、冷却手段が複数設けられることで、冷却手段1個当たりのガラスGの温度変化が抑えられるため、脈理の低減されたガラスGからなるガラス成形体を得ることができる。ここで、図1のガラス成形装置1は、追加冷却手段13として1個の冷却手段を備えるが、この態様に限定されず、追加冷却手段13として複数の冷却手段を備えてもよい。
このうち、第一冷却手段12は、図1に示すように、成形型11の溶融ガラスMが供給される位置との間で所定の間隔を有する位置に配置されることが好ましい。具体的には、流出管21を用いて成形型11に溶融ガラスMを供給する場合、第一冷却手段12のうち流出管21と相対する面は、押圧時における流出管21の外周との間で、溶融ガラスMの流動方向Dについて10mm以上100mm以下の間隔S1を有することが好ましい。これにより、流出管21から供給された溶融ガラスMが速やかに冷却され、溶融ガラスMの幅方向についての温度差が低減される。そのため、溶融ガラスM及びガラスGの幅方向の温度差によって生じていた、ガラスGへの脈理の発生を低減できる。ここで、第一冷却手段12と流出管21との流動方向Dについての間隔S1は、10mm以上が好ましく、12mm以上がより好ましく、15mm以上が最も好ましい。また、この間隔S1は、100mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましく、30mm以下が最も好ましい。
第一冷却手段12と流出管21との間は、溶融ガラスMの流動方向Dに関する間隔S1が所定の値を有することが好ましいが、流動方向D以外の方向に関しても上述の所定の値を有するようにしてもよい。第一冷却手段12は、上述の所定の値を保ちつつ、流出管21の外周の周りを等距離に取り囲むように設けることが最も好ましい。これにより、第一冷却手段12によって押圧される際に、溶融ガラスMが押圧される位置によって生じていた温度差が小さくなるため、溶融ガラスMの幅方向についての温度差をより効果的に低減でき、ガラスGへの脈理を低減できる。ここで、第一冷却手段12は、図2のように流出管21から流動方向Dに向かう側と流出管21の側方とを取り囲むように設けてもよい。これにより、成形型11に供給されて流動方向D及び側方に流れる溶融ガラスMが効率よく冷やされつつ、溶融ガラスMが流れ難い流動方向Dの反対側への過剰な冷却が抑えられるため、ガラスGへの脈理を低減できる。なお、第一冷却手段12は、流出管21の全周を取り囲むように設けてもよく、直線状に設けてもよい。
第一冷却手段12で溶融ガラスMを冷却する際、第一冷却手段12で押圧した後の溶融ガラスMの表面温度は、溶融ガラスMの組成によって適宜選択されるが、押圧前の温度に比べて50℃以上400℃以下低くなるように冷却することが好ましい。溶融ガラスMの表面温度を50℃以上冷却することにより、成形型11の幅方向における溶融ガラスMの温度差が低減されるため、ガラスGへの脈理を低減することができる。一方で、溶融ガラスMの表面温度を400℃以下冷却することにより、溶融ガラスMの粘度が確保されるため、溶融ガラスMを幅方向に広がり易くすることができる。ここで、第一冷却手段12による溶融ガラスMの冷却温度は、好ましくは50℃、より好ましくは100℃、最も好ましくは150℃を下限とし、好ましくは400℃、より好ましくは350℃、最も好ましくは330℃を上限とする。
溶融ガラスMの冷却温度を調節するために、図1及び図2に示すように、第一冷却手段12の内部に流路121を第一冷却手段12の表面と熱伝導可能に設け、流路121の内部に冷媒Cを流通させてもよい。これにより、冷媒Cの流量や温度等を変化させて溶融ガラスMの冷却効率を調節することが可能になるため、より確実に所望の冷却温度に調節できる。ここで、流出管21が成形型11の幅方向Wの中央に設けられている場合、冷媒Cは、例えば供給手段120を用いて、成形型11の幅方向Wについて対称な位置から第一冷却手段12に供給することが好ましく、特に図1に示すように、成形型11の幅方向Wの中央の位置から第一冷却手段12に供給することがより好ましい。これにより、第一冷却手段12による押圧後の溶融ガラスMの幅方向Wに関する温度差が小さくなるため、ガラスGへの脈理の形成をより低減できる。なお、流路121の形状は、溶融ガラスMの組成や断面積等に応じて適宜設定される。また、冷媒Cを流通させる冷却方法についても、溶融ガラスMの組成等に応じて適宜変更することができるが、例えば、空冷、油冷、水冷等の公知の冷却方法が用いられる。
一方で、追加冷却手段13は、図1に示すように、成形型11の幅方向Wについて略均等に冷却するように設けられていることが好ましい。幅方向Wについて略均等に冷却することで、幅方向Wについての溶融ガラスMの温度差が小さくなるため、ガラスGへの脈理の発生を低減できる。成形型11の幅方向Wについて略均等に冷却するには、例えば図2に示すように、追加冷却手段13を成形型11の幅方向Wの全体に設ければよい。なお、本明細書において「略均等」であることは、所望の形状を有するガラスGを成形することができる範囲で、溶融ガラスMの組成によって適宜認められるものであるが、例えば希土類ガラスでは、最高温度と最低温度との温度差が100℃以内であることを指す。
追加冷却手段13の設けられる位置は、溶融ガラスMの組成や第一冷却手段12による冷却温度によって適宜設定される。しかしながら、追加冷却手段13は、例えば図1に示すように、追加冷却手段13と第一冷却手段12との互いに相対する面の流動方向Dに関する間隔S2が5mm以上100mm以下となる間隔に設けられることが好ましい。間隔S2を5mm以上にすることで、第一冷却手段12の押圧によって生じる溶融ガラスMの液面の揺らぎが追加冷却手段13の押圧に影響し難くなるため、追加冷却手段13による押圧後のガラスGの厚さへの影響を低減できる。一方、間隔S2を100mm以下にすることで、溶融ガラスMの粘度が必要以上に高くなり難くなり、追加冷却手段13の押圧により溶融ガラスMが変形し易くなるため、所望の表面形状を有するガラスGを得易くできる。ここで、追加冷却手段13と第一冷却手段12との間隔S2は、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上が最も好ましい。また、この間隔S2は、100mm以下が好ましく、80mm以下がより好ましく、70mm以下が最も好ましい。
追加冷却手段13で溶融ガラスMを冷却する際、追加冷却手段13で押圧した後の溶融ガラスMの表面温度は、溶融ガラスMの組成によって適宜選択されるが、ガラス転移点(Tg)に対して、(Tg−50)℃以上(Tg+130)℃以下になるように冷却することが好ましい。溶融ガラスMの表面温度が(Tg−50)℃以上になるように冷却することにより、追加冷却手段13の押圧によって溶融ガラスMが変形され易くなるため、成形されるガラスGをより平坦にすることができる。一方で、溶融ガラスMの表面温度が(Tg+130)℃以下になるように冷却することにより、追加冷却手段13を押圧した後の溶融ガラスMの弾力性が小さくなり、追加冷却手段13の押圧後に形状変化が起こり難くなるため、形状に関する精度の高められたガラスGを得ることができる。ここで、追加冷却手段13で押圧した後の溶融ガラスMの温度は、好ましくは(Tg−50)℃、より好ましくは(Tg−30)℃、最も好ましくは(Tg−20)℃を下限とし、好ましくは(Tg+130)℃、より好ましくは(Tg+110)℃、最も好ましくは(Tg+100)℃を上限とする。追加冷却手段13で押圧した後の溶融ガラスMの温度を調節するために、図1及び図2に示すように、追加冷却手段13の内部に、流路131を追加冷却手段13の表面と熱伝導可能に設け、流路131の内部に冷媒Cを流通させてもよい。これにより、冷媒Cの流量や温度等を変化させて溶融ガラスMの冷却効率を調節することが可能になるため、溶融ガラスMをより確実に所望の温度に調節できる。なお、流路131の形状は、溶融ガラスMの組成や断面積等に応じて適宜設定される。
第一冷却手段12及び追加冷却手段13の具体的態様は、溶融ガラスMの表面(上面)を冷却できれば特に限定されないが、ガラスGの流動方向に回転可能なローラ状の冷却体及び/又は間欠的に溶融ガラスMを押圧する冷却板であることが好ましい。より具体的には、流出管21を所望の形状に囲み易い点で、図1に示すように、第一冷却手段12として冷却板を用いることがより好ましい。また、粘度の高い溶融ガラスであっても変形させ易い点で、図1に示すように、追加冷却手段13としてローラ状の冷却体を用いることがより好ましい。
特に、ローラ状の冷却体を用いることにより、冷却体が流出管21から所定の位置関係を保ちながら、成形型11の上を流動する溶融ガラスMが断続的に押圧される。そのため、溶融ガラスMの流動方向Dについての温度差を低減でき、ガラスGの脈理やクラックの発生をより低減できる。このとき、ローラ状の冷却体を、例えば図1及び図2の追加冷却手段13で示すように、溶融ガラスMとの接触面が流動方向Dに向かうように駆動手段132を用いて回転させ、より具体的には流動速度と略等しい速度で回転させてもよい。これにより、溶融ガラスMがローラ状の冷却体によって引っ張られ難くなるため、溶融ガラスMの液面をより平らに近い状態にしてガラスGの表面の荒れを抑えることができる。なお、ローラ状の冷却体の具体的な態様は、冷却板で溶融ガラスMの表面を押圧できる限り、特に限定されない。
一方で、間欠的に溶融ガラスMを押圧する冷却板を用いることにより、溶融ガラスMが間欠的に押圧されて冷却される。そのため、大きな押圧力を一時的に溶融ガラスMに作用させつつ、溶融ガラスMの温度を下げて粘度を高めることができる。従って、特に粘性及び弾性の大きな溶融ガラスMを成形する場合であっても、より確実に所望の形状に成形できる。
冷却板の具体的な態様は、冷却板で溶融ガラスMの表面を押圧できる限り特に限定されないが、例えば図1及び図2の第一冷却手段12で示すように、図示しない駆動手段を用いて、垂直方向に設けられた支柱122に沿って冷却板(第一冷却手段12)を下側に駆動する手段が挙げられる。なお、溶融ガラスMを押圧する際、冷却板を流動方向Dに向けて摺動させてもよく、より具体的には、流動速度と略等しい速度で摺動させてもよい。これにより、溶融ガラスMが冷却板によって引っ張られ難くなるため、溶融ガラスMの液面をより平らに近い状態にしてガラスGの表面の荒れを抑えることができる。
第一冷却手段12及び追加冷却手段13の材質は、溶融ガラスMの熱に耐えうる材質から適宜選択される。具体的には、公知の耐熱性合金(例えばステンレス鋼)を用いることができる。また、溶融ガラスMに含まれる成分による腐食等を防ぐために、第一冷却手段12及び追加冷却手段13の少なくとも表面部分にコーティングが施されていてもよい。
[流出管]
流出管21は、溶融ガラスMが収容された図示しない溶融炉から下方に延びて溶融ガラスMを成形型11へ連続的に流出させる。流出管21の形状は、溶融ガラスMが流出できる形状であれば特に限定されないが、先端部に溶融ガラスMが停滞し難い形状であることが好ましい。
[成形型]
成形型11は、流出管21の下方に設けられ、流動方向Dに向かって流動する溶融ガラスMを連続的に成形する部材であり、且つ、第一冷却手段12及び追加冷却手段13によって押圧される溶融ガラスMを下側から保持する部材である。これにより、溶融ガラスMは徐々に冷却されつつ成形されるため、所望の形状を有するガラスGを得ることができる。
ここで、成形型11の形状は、第一冷却手段12及び追加冷却手段13による押圧が行うことができ、且つ流動性を失った溶融ガラスMを取り出せる形状であれば特に限定されないが、例えば成形面111と、成形面111の一端側に設けられる背板112と、成形面111の両側に設けられる互いに平行な側壁113と、を備えたものが好ましく用いられる。これにより、第一冷却手段12及び追加冷却手段13によって溶融ガラスMに押圧力が掛けられたとしても、溶融ガラスMの流動方向D以外への流出を低減できる。
また、成形型11の材質は、溶融ガラスMに溶け込みにくく、且つ溶融ガラスMを保持できる材質であれば特に限定されず、例えば鉄、クロム、ニッケル、コバルト等からなる公知の鋳物が好ましく用いられる。
[引出手段]
引出手段30は、成形型で成形されたガラスGからなるガラス成形体を他端側から引き出す。これにより、ガラスGの引き出された分だけ溶融ガラスM及びガラスGが流動するため、連続的にガラスGを成形できる。引出手段30の具体的態様は、ガラス成形体を引き出せる態様である限り特に限定されないが、例えば駆動手段33に連結された引出ローラ部31、32をガラスGの上側及び下側にそれぞれ隣接させ、駆動手段33を用いて引出ローラ部31を回転させてガラスGを引き出さす手段を用いることができる。ここで、ガラスGの引出速度は、流出管21からの溶融ガラスMの流出速度に応じて適宜設定されるが、溶融ガラスMの流出速度とともに一定の速度であることが好ましい。
[光学素子及び光学機器の作製]
上述のガラス成形装置1によって作製されたガラス成形体に対して、公知の切削及び研磨の手段を用いて、レンズやプリズム等の光学素子を形成することが好ましい。これにより、高い形状精度でガラスGが作製され、所望の厚さの光学素子を得るのに必要なガラスGの厚さが低減されるため、光学素子の原料コストを低減しつつ、切削及び研磨による加工時間を低減できる。また、形成された光学素子を用いて、カメラやプロジェクタ等の光学機器を作製することも好ましい。
[ガラス成形体の製造方法]
本発明のガラス成形体の製造方法は、上述のガラス成形装置1を用いて行うことが好ましいが、成形型11の上を流動する溶融ガラスMを上部から押圧し、押圧された溶融ガラスMを上部から更に押圧できれば、これに限定されない。例えば、冷却板で溶融ガラスMを一旦押圧した後で、溶融ガラスMが流動した長さと略同じ長さだけ冷却板を流動方向Dに沿って移動させた後、溶融ガラスMを再度押圧してもよい。これにより、溶融ガラスMが複数回押圧されるため、冷却板を複数設けなくても、脈理を低減しつつガラスGを所望の形状に成形できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
幅100mm、長さ355mmの成形面の一端側に高さ35mmの背板が設けられ、この成形面の両側に高さ15mmの側壁が設けられた、鋳物製の成形型を作製した。この成形型を溶融ガラスの流出管の下方に設けた。
成形型の上方には、第一冷却手段及び追加冷却手段を設けた。このうち、第一冷却手段として、間欠的にガラスを押圧するステンレス鋼からなる冷却板を用い、冷却板の内周が流出管の外周の周りを水平方向について15mmの間隔を開けて囲むように、流出管の側方及び他端側に設けた。一方で、追加冷却手段として、ステンレス鋼からなる直径20mmのローラ状の冷却体を1個用い、追加冷却手段の一端側の面が第一冷却手段の他端側の面との間で溶融ガラスの流動方向について13mmの間隔をとり、成形型の幅方向の全体に設けた。これら第一冷却手段及び追加冷却手段の内部には、冷媒の流路が冷却手段の表面と熱伝導可能に設けられている。
溶融炉の中にガラス原料を投入し、Laを主成分とする溶融ガラスを作製して1120℃で保持した。そして、溶融炉から流出管を通じて1.38×10−6/sec(=119l/day)の一定の流速で溶融ガラスを流下し、成形型上で溶融ガラスを受け止めた。それとともに、溶融ガラスが冷却して形成されるガラスを、成形型の他端側から引出手段を用いて0.92mm/sの一定速度で引き出し、溶融ガラスが成形型上を一定に近い速度で流動するようにした。
このとき、第一冷却手段で溶融ガラスを押圧し、押圧の1秒後に第一冷却手段と溶融ガラスとを離間する動作を11秒ごとに繰り返すとともに、第一冷却手段によって押圧されたガラスを、10rpmで回転させた追加冷却手段で更に押圧した。このとき、第一冷却手段及び追加冷却手段の内部には冷媒として水を流し、この水の流量を適宜調節して、第一冷却手段及び追加冷却手段で押圧した後の溶融ガラスの温度を調整した。ここで、第一冷却手段で押圧した後の溶融ガラスの温度は、押圧前の温度に比べて300℃低くなるようにし、追加冷却手段で押圧した後の溶融ガラスの温度は、ガラス転移点(Tg)に対して(Tg+10)℃になるようにした。
比較例として、第一冷却手段を設けずに1個の追加冷却手段のみを設けた場合、及び、追加冷却手段を設けずに1個の第一冷却手段のみを設けた場合について、実施例と同様の試験を行った。
その結果、第一冷却手段及び追加冷却手段を設けた場合は、形成されたガラスには脈理が生じておらず、且つガラスの厚さのばらつきは、所定の厚さ(15mm)に対して最大でも0.4mmに抑えられた。一方、第一冷却手段を設けずに追加冷却手段のみを設けた場合は、形成されたガラスのうち90%には脈理が発生した。また、追加冷却手段を設けずに第一冷却手段のみを設けた場合は、形成されたガラスのうち5%には脈理が発生した上、形成されたガラスには所定の厚さ(15mm)に対して最大で0.9mmのばらつきがあった。実施例と比較例で形成されたガラスを比較すると、第一冷却手段及び追加冷却手段を設けた場合に、ガラスの形状の歪みを低減して形状に関する精度を高めつつ、脈理の発生の低減されたガラスが得られることがわかる。
1 ガラス成形装置
11 成形型
12 第1冷却手段
13 追加冷却手段
21 流出管
31、32 引出手段
111 成形面
112 背板
113 側壁
121、131 流路
C 冷媒
D 流動方向
G ガラス
M 溶融ガラス
S1、S2 間隔
W 幅方向

Claims (9)

  1. 溶融ガラスを流動させて連続成形する成形型を備えるガラス成形装置であって、
    前記成形型上を流動する溶融ガラスを上部から押圧して冷却する第一冷却手段と、前記第一冷却手段によって押圧された溶融ガラスを上部から更に押圧して冷却する追加冷却手段を更に備えるガラス成形装置。
  2. 前記成形型に溶融ガラスを供給する流出管の外周と、押圧時における前記第一冷却手段と、の溶融ガラスの流動方向についての間隔が10mm以上100mm以下である請求項1に記載のガラス成形装置。
  3. 前記第一冷却手段及び前記追加冷却手段は、ガラスの流動方向に回転可能なローラ状の冷却体及び/又は間欠的に溶融ガラスを押圧する冷却板を備える請求項1又は2に記載のガラス成形装置。
  4. 溶融ガラスを成形型上で流動させて連続成形するガラス成形体の製造方法であって、
    前記成形型上を流動する溶融ガラスを上部から押圧して冷却し、押圧された溶融ガラスを上部から更に押圧して冷却するガラス成形体の製造方法。
  5. 溶融ガラスが流入する位置から溶融ガラスを押圧する位置までの間隔を10mm以上100mm以下に調整する請求項4に記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記成形型上を流動する溶融ガラスを第一冷却手段で上部から押圧して冷却し、押圧された溶融ガラスを追加冷却手段で上部から更に押圧して冷却する請求項4又は5に記載のガラス成形体の製造方法。
  7. 前記第一冷却手段及び前記追加冷却手段は、ガラスの流動方向に回転させながら溶融ガラスを押圧する手段及び/又は間欠的に溶融ガラスを押圧する手段である請求項6に記載のガラス成形体の製造方法。
  8. 請求項4から7のいずれかに記載の製造方法により製造されるガラス成形体を用いて形成された光学素子。
  9. 請求項8に記載の光学素子を用いた光学機器。
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