JP2010234455A - Memsデバイス - Google Patents

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隆太 荒木
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Abstract

【課題】共振周波数が充分に高く、且つ、揺動時に変形し難い揺動部材を備えたMEMSデバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】揺動軸周りに揺動可能な板状の揺動部材11を備えるMEMSデバイス1であって、揺動部材11は、肉抜部22と非肉抜部23とを同一平面上に有し、非肉抜部23は、揺動軸と該揺動軸に直交する直交軸との交点Cを中心とする第1楕円25aが内接可能な内縁部25と、該交点Cを中心とする第2楕円26aが外接可能な外縁部26とを具備する補強部領域27を有し、交点Cから第1楕円25a及び第2楕円26aの径方向に延びる直線Lと揺動軸とが成す角度θ(但し、θは0°≦θ≦90°)が大きくなるにつれて、直線Lに沿った第1楕円25aと第2楕円26aとの距離Dが小さくなることを特徴とするMEMSデバイス1を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、揺動可能な揺動部材を備えるMEMSデバイスに関する。
プリンタ、複写機、プロジェクタ等に使用される光走査装置の部品に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスが用いられる場合がある。MEMSデバイスとは、シリコンなどの半導体製造プロセス等における技術を応用して種々の機械要素の小型化を実現するMEMS技術を用いて製作されるデバイスである。光走査装置の部品に用いられるMEMSデバイスとしては、揺動軸に沿って配置される2つの揺動軸部材と、2つの揺動軸部材の間に配置され、2つの揺動軸部材によって揺動軸周りに揺動可能に支持される板状の揺動部材とを備えるMEMSデバイスが挙げられる。このようなMEMSデバイスは、例えば、光走査装置内において、光源から出射した光が入射するように配置される。このように配置されたMEMSデバイスの揺動部材が揺動軸周りに揺動すると、光源から出射された光の進行方向が変化し、これにより走査が行われる。
近年、走査速度の高速化が要請されている。MEMSデバイスが部品に用いられた上述の光走査装置においては、MEMSデバイスの揺動部材の揺動周波数を高めることで走査速度の高速化を図ることができる。揺動部材の揺動には共振現象が利用される。これは、小さな駆動力でも大きな振れ角(揺動する角度範囲)を得ることが可能となるためである。従って、MEMSデバイスが部品に用いられた上述の光走査装置においては、揺動部材の共振周波数を高めることにより走査速度の高速化を図ることができる。揺動部材の共振周波数は、揺動部材の厚みを薄くして揺動部材の軽量化を図ることによって高めることが可能である。しかし、揺動部材の厚みを薄くすると、揺動部材の剛性が低下し、揺動時において揺動部材が変形し易くなる。揺動部材が変形すると、揺動部材の平面度が低下し、走査する光の形状(光の進行方向に対して直交する断面の光の形状)を走査中において一定に維持できない問題や焦点位置がずれるといった問題が生じる。
このような問題を解決するための揺動部材として、揺動部材の所定の領域に肉抜部が形成された揺動部材が特許文献1に開示されている。揺動部材の所定の領域に肉抜部を形成することで、揺動部材の剛性の低下を抑制しつつ、揺動部材の軽量化を図ることができる。
しかし、本発明者らが特許文献1に開示の揺動部材を製作し、該揺動部材を揺動軸周りに揺動させた結果、図10(a)に示すように、揺動軸(図10(a)に示すX’軸)上の揺動部材100の部位と該揺動軸から最も離れた揺動部材100の部位101との間に位置する中間領域の変形が充分に抑制されていないことが明らかになった。図10(b)は、揺動部材100の揺動の角速度が所定の角加速度で変化しているときの中間領域の断面図(図10(a)のA−A断面)を示す。揺動部材100の揺動の角速度が所定の角加速度で変化しているとき、中間領域の揺動軸方向中央部が、中間領域の揺動軸方向両端部に比べて遅れて揺動し、その結果、揺動時において中間領域が、図10(b)に示すように変形することが明らかになった。
このような中間領域の変形は、肉抜部が形成される領域の面積を小さくすれば抑制することが可能である。しかし、該面積を小さくすると、揺動部材の軽量化が充分に図れず、共振周波数を高めることによって走査速度を高速化することができなくなる。
特開2003−172897号
本発明は、共振周波数が充分に高く、且つ、揺動時における平面度の低下が充分に抑制された揺動部材を備えるMEMSデバイスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、下記の補強部領域を揺動部材が有することにより、揺動部材の共振周波数を高い状態で維持しつつ、揺動時における揺動部材の中間領域の変形を充分に抑制できることを見出した。
本発明は、揺動軸に沿って配置される2つの支持部材と、2つの前記支持部材の間に配置され、2つの前記支持部材によって前記揺動軸周りに揺動可能に支持される板状の揺動部材とを備えるMEMSデバイスであって、前記揺動部材は、前記揺動軸及び前記揺動軸と直交する直交軸について対称であり、前記揺動部材は肉抜きされた肉抜部と、肉抜きされておらず、且つ、2つの前記支持部材に連設された非肉抜部とを同一平面上に有し、前記非肉抜部は、前記揺動軸と前記直交軸との交点を中心とする第1楕円が内接可能な内縁部と、前記交点を中心とする第2楕円が外接可能な外縁部とを具備する補強部領域を有し、前記交点から前記第1楕円及び第2楕円の径方向に延びる直線と前記揺動軸とが成す角度θ(但し、θは0°≦θ≦90°)が大きくなるにつれて、前記直線に沿った前記第1楕円と前記第2楕円との距離が小さくなることを特徴とするMEMSデバイスを提供する。
本発明に係るMEMSデバイスが備える揺動部材は、肉抜きされた肉抜部と、肉抜きされておらず、且つ、2つの支持部材に連設された非肉抜部とを同一平面上に有している。非肉抜部は、補強部領域を有している。補強部領域は、揺動軸と直交軸との交点を中心とする第1楕円が内接可能な内縁部と、揺動軸と直交軸との交点を中心とする第2楕円が外接可能な外縁部とを具備している。第1楕円と第2楕円とは、揺動軸と直交軸との交点から第1楕円及び第2楕円の径方向に延びる直線と揺動軸とが成す角度θ(但し、θは0°≦θ≦90°)が大きくなるにつれて、該直線に沿った第1楕円と第2楕円との距離が小さくなる関係を有する。このような補強部領域を有することで、揺動部材の揺動時における平面度の低下が充分に抑制される。
また、上述のように、揺動軸と直交軸との交点から第1楕円及び第2楕円の径方向に延びる直線と揺動軸とが成す角度θが大きくなるにつれて、該直線に沿った第1楕円と第2楕円との距離(補強部領域の幅)が小さくなる。このため、揺動軸から離れるほど、補強部領域の幅が小さくなる傾向にある。揺動軸から離れた揺動部材の部位ほど、揺動部材の慣性モーメントに大きな影響を与え、揺動軸から大きく離れた揺動部材の部位の重量を抑制すれば、揺動部材の慣性モーメントを大きく抑制することができる。本発明に係るMEMSデバイスでは、非肉抜部の(肉抜部より重い)補強部領域の幅が、揺動軸から離れるほど小さくなる傾向にあるので、揺動軸から大きく離れた揺動部材の部位の重量が小さく抑制されている。このため、補強部領域を有することにより生じる揺動部材の慣性モーメントの増加が大きく抑制されている。揺動部材の共振周波数は、揺動部材の慣性モーメントが小さくなるほど高く、よって、本発明に係るMEMSデバイスにおいては、揺動部材の共振周波数を充分に高めることができる。
以上のことから、本発明によれば、共振周波数が充分に高く、且つ、揺動時における平面度の低下が充分に抑制された揺動部材を備えたMEMSデバイスを提供することができる。
好ましくは、本発明に係るMEMSデバイスは、前記直交軸上において、前記補強部領域の前記外縁部が、前記揺動部材の外縁部より前記揺動軸側に位置している構成とされる。
上述のように、揺動軸から離れた揺動部材の部位ほど、揺動部材の慣性モーメントに与える影響が大きい。かかる好ましい構成によれば、補強部領域の外縁部の直交軸上の部位が、揺動部材の外縁部より揺動軸側に位置している。このため、揺動部材の慣性モーメントの増加を抑制でき、ひいては、揺動部材の共振周波数をより一層高くすることができる。また、補強部領域の外縁部よりも揺動軸から遠い部分及び補強部領域の内縁部よりも揺動軸に近い部分の何れも、補強部領域によって平面度の低下が抑制される。このため、補強部領域の外縁部が、揺動部材の外縁部より揺動軸側に位置していても、補強部領域の外縁部よりも揺動軸から遠い部分を含め、揺動部材全体の平面度の低下を抑制することが可能である。よって、かかる好ましい構成によれば、揺動時の平面度の低下を充分に抑制しつつ、揺動部材の共振周波数をより一層高くすることができる。
本発明は、共振周波数が充分に高く、且つ、揺動時における平面度の低下が充分に抑制された揺動部材を備えるMEMSデバイスを提供することができる。
図1は、本実施形態のMEMSデバイスの概略構成を示す分解斜視図である。 図2は、揺動部材及び揺動軸部材の底面を示す図である。 図3は、第1楕円及び第2楕円の形状の具体例を示す図である。 図4は、1つの変形例の補強部領域を有する揺動部材の底面を示す図である。 図5は、中央部領域を有する揺動部材の底面を示す図である。 図6は、支持部材が揺動軸部材を備えない場合の一実施形態を構成を示す図である。 図7は、実施例1及び比較例1のMEMSデバイスの揺動部材の底面を示す図である。 図8は、実施例1のMEMSデバイスの揺動部材の変形量の測定結果を示す図である。 図9は、比較例1のMEMSデバイスの揺動部材の変形量の測定結果を示す図である。 図10は、特許文献1の揺動部材の変形状態を示す図である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明に係るMEMSデバイスの一実施形態について説明する。図1は、本実施形態のMEMSデバイス1の概略構成を示す分解斜視図である。図1に示すように、本実施形態のMEMSデバイス1は、シリコン材から形成された上層基板1Aと絶縁材料(例えばガラス材)から形成された下層基板1Bとが上下に積層された構造を有している(図1は、上層基板1Aと下層基板1Bとを分離した状態を示すが、実際には両者は積層されている)。尚、本実施形態のMEMSデバイス1は、エッチングや成膜など公知のMEMS技術を適用することにより当業者であれば容易に製作することが可能であるため、その具体的な製造方法については説明を省略する。
上層基板1Aには、揺動軸(図1〜図6に示すX軸)に沿って配置される2つの支持部材30A、30Bと、2つの支持部材30A、30Bの間に配置され、2つの支持部材30A、30Bによって揺動軸周りに揺動可能に支持される板状の揺動部材11とが形成されている。揺動部材11の底面(下層基板1Bと対向する面)と反対の上面には、鏡面層が形成されている。鏡面層は、上層基板1Aの形成材料となるシリコン材の表面を鏡面研磨することで形成してもよいし、該シリコン材の表面にアルミ膜等の金属膜を貼着することで形成してもよい。
支持部材30Aは、揺動軸部材13Aとヒンジ15A、15Bとを備え、支持部材30Bは、揺動軸部材13Bとヒンジ15C、15Dとを備えている。揺動軸部材13A、13Bの揺動軸方向端部(揺動部材11に接続されている側と反対側の端部)は、ヒンジ15A、15Dを介して、アンカーとなる接着パッド14A、14Bにそれぞれ接続されている。また、揺動軸部材13Aのヒンジ15Bは、接着パッド14Cに接続されている。同様に、揺動軸部材13Bのヒンジ15Cは、接着パッド14Dに接続されている。
また、揺動軸と直交する直交軸(図1〜図6に示すY軸)方向における揺動軸部材13A、13Bの端部には、電極として直交軸方向に延びる揺動櫛歯18A、18Bが形成されている。この揺動櫛歯18A、18Bは、上層基板1Aの本体19に電極として形成された直交軸方向に延びる固定櫛歯19A、19Bと揺動軸方向に沿って交互に配置されている。
一方、下層基板1Bには、上層基板1Aに形成された揺動部材11と揺動軸部材13A、13Bとを揺動軸周りに揺動可能とするべく、揺動部材11の下方に楕円形の掘り込み領域16が形成され、揺動軸部材13A、13Bに対応する位置に矩形の掘り込み領域16A、16Bが形成されている。また、下層基板1Bには、上層基板1Aと下層基板1Bとが積層された状態で上層基板1Aに形成された接着パッド14C、14Dの裏面がそれぞれ固着される固定用パッド17A、17Bが形成されている。また、接着パッド14A、14Bの裏面は、下層基板1Bの周壁に固着される。
以上に説明した構成を有するMEMSデバイス1において、揺動櫛歯18A、18Bと固定櫛歯19A、19Bとの間に揺動部材11の共振周波数の約2倍の周波数の交流電圧を印加すれば、揺動櫛歯18A、18Bと固定櫛歯19A、19Bとの間に生じる静電力によって、揺動軸部材13A、13Bに揺動軸周りの揺動力が生じる。該揺動力は、揺動軸部材13A、13Bから揺動部材11に伝達され、揺動部材11は、該揺動力によって、接着パッド14A〜14Dを固定端とし、ヒンジ15A〜15Dの弾性力に抗しながら、揺動軸周りに自身の共振周波数で揺動する。
このように揺動部材11が揺動軸周りに揺動すると、揺動部材11の鏡面層に入射した光の反射方向が変化し、光の走査が行われる。尚、以上においては、揺動部材11の揺動が静電力によって行われる場合について説明したが、揺動部材11の揺動は、静電力でなく、電磁力や圧電素子等によって行ってもよい。
図2は、下層基板1Bと対向する揺動部材11及び揺動軸部材13A、13Bの底面を示す図である。図2に示すように、揺動部材11は、底面視において、揺動軸及び直交軸について対称な楕円形の外縁部21を有している。底面視における揺動部材11の外縁部21の形状は、限定されるものでなく、例えば、正多角形などの多角形や円形とすることができる。
揺動部材11は、肉抜きされた肉抜部22(薄墨色で示す部分)と、肉抜きされておらず、且つ、2つの揺動軸部材13A、13Bに連設された非肉抜部23とを同一平面上に有する。肉抜きは、揺動部材11の軽量化を目的として行われるものであり、例えば、揺動部材11の底面から揺動部材11の上面に向けて揺動部材11を掘り込んで凹部を形成することや、揺動部材11の底面に多数の溝(例えば、直交軸方向に延びる溝)を形成することで行うことができる。一方、非肉抜部23の表面は平坦である。
非肉抜部23は、補強部領域27を有している。該補強部領域27は、内縁部25と外縁部26とによって区画される環状の領域である。該補強部領域27は、揺動軸と直交軸との交点Cを中心とする第1楕円25aが内接可能な内縁部25(後述するように、本実施形態では、第1楕円25aと内縁部25とが合致している)と、該交点Cを中心とする第2楕円26aが外接可能な外縁部26(後述するように、本実施形態では、第2楕円26aと外縁部26とが合致している)とを具備する。第1楕円25a及び第2楕円26aの形状は、長軸または短軸が揺動軸上に位置し、中心(「中心」とは、長軸と短軸とが交わる点である。)が交点Cに位置する楕円とすることができる。尚、第1楕円25a及び第2楕円26aの形状は、楕円形に限定されるものでなく、交点Cを中心とする円形であってもよい。交点Cから第1楕円25a及び第2楕円26aの径方向に延びる直線Lと揺動軸とが成す角度θ(但し、θは0°≦θ≦90°)が大きくなるにつれて、直線Lに沿った第1楕円25aと第2楕円26aとの距離Dが小さくなっている。図2に示すように、本実施形態では、第1楕円25aの形状は短軸が揺動軸上に位置し、中心が交点Cに位置する楕円形であり、第2楕円26aの形状は長軸が揺動軸上に位置し、中心が交点Cに位置する楕円形である。従って、角度θが大きくなるにつれて、直線Lに沿った第1楕円25aと第2楕円26aとの距離Dが必然的に小さくなっている。
図3(a)に示すように、第1楕円25a及び第2楕円26aの形状は、共に、長軸が揺動軸上に位置する楕円形とすることができる。この場合、角度θが大きくなるにつれて、直線Lに沿った第1楕円25aと第2楕円26aとの距離Dが小さくなるようにするために、それぞれの長径(長軸の寸法)の差よりもそれぞれの短径(短軸の寸法)の差を小さくする必要がある。また、図3(b)に示すように、第1楕円25a及び第2楕円26aの形状は、共に、短軸が揺動軸上に位置する楕円形とすることができる。この場合、角度θが大きくなるにつれて、直線Lに沿った第1楕円25aと第2楕円26aとの距離Dが小さくなるようにするために、それぞれの長径の差よりもそれぞれの短径の差を大きくする必要がある。
尚、第1楕円25a及び第2楕円26aの形状は、円形であってもよいが、一方が円形である場合には角度θが大きくなるにつれて、直線Lに沿った第1楕円25aと第2楕円26aとの距離Dが小さくなるようにするために、第1楕円25aと第2楕円26aとの少なくとも一方の形状が楕円形である必要がある。例えば、図3(c)に示すように、第1楕円25aの形状が円形である場合、第2楕円26aの形状は揺動軸上に長軸が位置する楕円形とすることができる。また、図3(d)に示すように、第2楕円26aの形状が円形である場合、第1楕円25aの形状が揺動軸上に短軸が位置する楕円形とすることができる。
このような第1楕円25aが内接する内縁部25の形状は、第1楕円25aが内接可能である限りにおいて限定されるものでなく、例えば、揺動軸及び直交軸について対称な正多角形等の多角形とすることができる。同様に、第2楕円26aが外接する外縁部26の形状は、第2楕円26aが外接可能である限りにおいて限定されるものでなく、例えば、揺動軸及び直交軸について対称な正多角形等の多角形とすることができる。また、内縁部25及び外縁部26の形状は、楕円形または円形であってもよい。内縁部25の形状が楕円形または円形の場合、第1楕円25aは内縁部25に合致する楕円または円であり、外縁部26の形状が楕円形または円形の場合、第2楕円26aは外縁部26に合致する楕円または円である。上述のように、本実施形態では、内縁部25の形状は短軸が揺動軸上に位置する楕円形であり、外縁部26の形状は長軸が揺動軸上に位置する楕円形であるため、図2に示すように、内縁部25は第1楕円25aと合致し、外縁部26は第2楕円26aと合致している。
尚、第1楕円25aの長軸が揺動軸上または直交軸上の何れか一方に位置し、且つ、第2楕円26aの長軸が揺動軸上または直交軸上の何れか他方に位置している場合と、第1楕円25a及び第2楕円26aの長軸が共に揺動軸上または共に直交軸上に位置している場合においては、第1楕円25a及び第2楕円26aの揺動軸方向の寸法、及び、直交軸方向の寸法は、以下の通りにすることができる。
第1楕円25aの揺動軸方向寸法:D1×3/10〜D1×8/10
第1楕円25aの直交軸方向寸法:D2×4/10〜D2×8/10
第2楕円26aの揺動軸方向寸法:D1×8/10〜D1×12/10
第2楕円26aの直交軸方向寸法:D2×5/10〜D2×9/10
尚、D1は揺動部材11の揺動軸方向の寸法であり、D2は揺動部材11の直交軸方向の寸法である。
また、補強部領域27は、揺動軸部材13A、13Bに連設していても、していなくてもよい。図2に示すように、本実施形態では、揺動部材11と揺動軸部材13A、13Bの底面上においては、補強部領域27の外縁部26と揺動軸部材13A、13Bとが揺動軸上において点で連接している。
また、図2に示すように、直交軸上において、補強部領域27の外縁部26が、揺動部材11の外縁部21より揺動軸側に位置している。
また、非肉抜部23は、補強部領域27の他、揺動軸部材13Aと補強部領域27の外縁部26とに連設される接続部領域28と、揺動軸部材13Bと補強部領域27の外縁部26とに連設される接続部領域28とを有する。接続部領域28は、図2に示すように、揺動部材11の揺動軸方向の両端部に設けられている。また、揺動部材11の揺動軸方向の両端部のそれぞれにおいて、揺動軸部材13A、13Bと補強部領域27の外縁部26との接点Eを挟んだ両側(図2において接点Eの上側と下側)に接続部領域28が設けられている。また、各接続部領域28は、揺動部材11と揺動軸部材13A、13Bの底面上においては、補強部領域27及び揺動軸部材13A、13Bと線で連設されている。このような接続部領域28を介して、補強部領域27と揺動軸部材13A、13Bとが連続的に形成されている。
以上のような補強部領域27を有することで、揺動部材11の揺動時における平面度の低下が抑制される。
また、図2に示すように、揺動軸から離れるほど、直線Lに沿った内縁部25と外縁部26との距離(補強部領域27の幅)が小さくなる。揺動軸から離れた部位ほど、揺動部材11の慣性モーメントに大きな影響を与え、揺動軸から大きく離れた部位の重量を抑制すれば、揺動部材11の慣性モーメントを大きく抑制することができる。本実施形態のMEMSデバイス1では、非肉抜部23の補強部領域27の幅は、上述のように、揺動軸から離れるほど小さくなるので、揺動軸から大きく離れた揺動部材11の部位の重量が小さく抑制されている。このため、補強部領域27を有することにより生じる揺動部材11の慣性モーメントの増加が大きく抑制されている。揺動部材11の共振周波数は、揺動部材11の慣性モーメントが小さくなるほど高く、よって、本実施形態のMEMSデバイス1においては、揺動部材11の共振周波数を充分に高めることができる。また、図2に示すように、直交軸上において、補強部領域27の外縁部26が、揺動部材11の外縁部21より揺動軸側に位置している。このため、揺動部材11の慣性モーメントの増加が更に抑制され、これにより、本実施形態のMEMSデバイス1の揺動部材11の共振周波数をより一層高めることができる。
以上のことから、本実施形態によれば充分に高い共振周波数を有し、且つ、揺動時における平面度の低下が充分に抑制された揺動部材11、及び、これを備えたMEMSデバイス1を提供することができる。
また、図2に示すように、非肉抜部23が接続部領域28を有することで、揺動部材11と揺動軸部材13A、13Bとの底面上において、補強部領域27と揺動軸部材13A、13Bとが点で連設されていても、揺動部材11と揺動軸部材13A、13Bとの底面上において、非肉抜部23と揺動軸部材13A、13Bとを線で連接することができる。このように、肉抜きされていない非肉抜部23が揺動軸部材13A、13Bと線で連設されると、揺動軸部材13A、13Bに生じる揺動力を揺動部材11に効率良く伝達することができる。従って、非肉抜部23が接続部領域28を有することで、補強部領域27と揺動軸部材13A、13Bとの連接形態に関わらず、揺動軸部材13A、13Bに生じる揺動力を揺動部材11に効率良く伝達することができる。
図4は、1つの変形例の補強部領域27を有する揺動部材11の底面を示す図である。図4に示すように、かかる変形例における補強部領域27の内縁部25及び外縁部26の形状は何れも六角形である。内縁部25に内接する第1楕円25a及び外縁部26に外接する第2楕円26aは、何れも楕円形である。第1楕円25aの短軸と第2楕円26aの長軸とが揺動軸上に位置している。図4に示す内縁部25及び外縁部26は、揺動軸及び直交軸に対して対称である。
また、図5に示すように、非肉抜部23は、補強部領域27及び接続部領域28の他、中央部領域29を有してもよい。中央部領域29は、揺動部材11の直交軸方向の中央部において、内縁部25で囲まれた肉抜部22を2分するように、帯状に揺動軸方向に延び、揺動軸方向両端部が補強部領域27の内縁部25に連設されている。中央部領域29は、揺動軸上または揺動軸から近い部位に設けられるため、中央部領域29を有することにより生じる揺動部材11の慣性モーメントの増加は小さい。また、揺動部材11において、肉抜きされていない非肉抜部23が設けられる領域が増加すると、その分だけ、揺動部材11の変形を抑制することができる。従って、図5に示すように、非肉抜部23が中央部領域29を有することで、揺動部材11の共振周波数を高く維持しつつ、揺動部材11の変形量をより一層抑制することができる。
尚、以上においては、支持部材30A、30Bが揺動軸部材13A、13Bを備えている構成について説明したが、支持部材30A、30Bは、揺動軸部材13A、13Bを備えていない構成であってもよい。
図6は、支持部材30A、30Bが揺動軸部材13A、13Bを備えない場合の一実施形態の構成を示す図である。図6に示すように、支持部材30Aはヒンジ15Eで構成され、支持部材30Bはヒンジ15Fで構成されている。ヒンジ15E、15Fの一端は、揺動部材11に接続され、他端は接着パッド14E、14Fにそれぞれ接続されている。揺動部材11の底面には、揺動部材11の外縁部に沿って電線31が配置されている。また、揺動部材11を挟んで、直交軸方向に揺動部材11から離間した位置には磁石32が配置され、揺動部材11に直交軸方向の磁界が及んでいる。
図6に示す構成における揺動部材11の揺動は、次のようにして行なわれる。電線31に電流が発生すると、該電流と磁界とによって、図6の紙面に直交する方向の電磁力が生じ、該電磁力によって、接着パッド14E、14Fを固定端とし、ヒンジ15E、15Fの弾性力に抗しながら、揺動軸周りに揺動部材11が揺動する。
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
<実施例1>
図7に示すように、実施例1のMEMSデバイス1の揺動部材11の形状は、直径1.5mmの平面視円形である。揺動部材11及び揺動軸部材13A、13Bの厚みは0.15mmである。揺動部材11及び揺動軸部材13A、13Bの材質はシリコンである。肉抜部22は、揺動部材11の底面に、直交軸方向に延びる幅0.02mmの直線状の溝を0.03mm毎に多数設けることで形成されている。該溝の深さは0.12mmである。非肉抜部23は、補強部領域27と接続部領域28と中央部領域29とを有する。補強部領域27の内縁部25の形状は、交点Cを中心とする第1楕円25aと合致する楕円形である。該第1楕円25aは、短軸が揺動軸上に位置し、長径が1mm、短径が0.8mmである。補強部領域27の外縁部26の形状は、交点Cを中心とする第2楕円26aと合致する楕円形である。該第2楕円26aは、長軸が揺動軸上に位置し、長径が1.5mm、短径が1.1mmである。接続部領域28は、図7に示すように、揺動部材11の揺動軸方向の端部に設けられている。中央部領域29は、直交軸方向の寸法が0.11mmである。
<比較例1>
比較例1のMEMSデバイス1は、図7(b)に示すように、揺動部材11が肉抜部22を有しない点、即ち、揺動部材11の全体が非肉抜部23である点を除いて、実施例1のMEMSデバイス1と同様の構成である。
<平面度について>
実施例1及び比較例1の各MEMSデバイス1の揺動部材11を25KHzの揺動周波数で揺動軸周りに揺動させ、該揺動の角加速度が6.49E9rad/sのときの、実施例1及び比較例1の各MEMSデバイス1の揺動部材11における図7(a)に示す直交軸上の各部位の相対的な変位量を測定した。各部位の相対的な変位量とは、図8(a)に示すように、直交軸上の各部位の変位量を示す曲線(破線F)と、該曲線を最小二乗法で近似した直線(破線G)との各部位における変位量の差をいう。尚、図8(a)において、横軸は直交軸上の位置を示し、縦軸の変位量は、交点C上の部位を基準(「0」)としたときの揺動部材11の法線方向(揺動部材11が変形しないと仮定したときの揺動部材11の法線方向)における各部位の位置を示す。直交軸上における各部位間における相対的な変位量の差は、直交軸に沿った揺動部材11の断面形状がどれだけ直線状に近い形状であるかを示すものであると言える。実施例1における直交軸上の各部位の相対的な変位量を図8(a)に、比較例1における直交軸上の各部位の相対的な変位量を図9(a)に示す。
また、直交軸上の各部位の相対的な変位量の測定の際と同一の条件で実施例1及び比較例1の各MEMSデバイス1の揺動部材11を揺動させ、そのときの実施例1及び比較例1の各MEMSデバイス1の揺動部材11における図7(b)に示すB−B線上の各部位の変位量を測定した。B−B線は、揺動軸から0.35mm離れた中間領域において揺動軸と平行に引かれた線分である。B−B線上の各部位の変位量は、B−B線と直交軸とが交わる部位の位置を基準(「0」)としたときの、揺動部材11の法線方向(揺動部材11が変形しないと仮定したときの揺動部材11の法線方向)の位置を示すものである。実施例1におけるB−B線上の各部位の変位量を図8(b)に、比較例1におけるB−B線上の各部位の変位量を図9(b)に示す。図8(b)及び図9(b)に示すように、揺動部材11は、B―B線に沿った部位が直交軸について対称となるように変形するため、B―B線上における各部位間の変位量の差は、B―B線上に沿った揺動部材11の断面形状がどれだけ直線状に近い形状であるかを示すものであると言える。
図8及び図9に示すように、実施例1のMEMSデバイス1の揺動部材11及び比較例1のMEMSデバイス1の揺動部材11における直交軸上の相対的な各部位の変位量、及び、B―B線上の各部位の変位量は略同じであった。このことから、実施例1のMEMSデバイス1の揺動部材11の揺動時における平面度は、肉抜部22を有しない比較例1のMEMSデバイス1の揺動部材11の揺動時における平面度と同等であると言える。
<慣性モーメントについて>
実施例1のMEMSデバイス1の揺動部材11の慣性モーメントは、比較例1のMEMSデバイス1の揺動部材11の慣性モーメントの60%であった。従って、実施例1のMEMSデバイス1の揺動部材11の共振周波数は、比較例1のMEMSデバイス1の揺動部材11の共振周波数よりも高い。
以上のことから、実施例1のMEMSデバイス1の揺動部材11は、共振周波数が充分に高く、且つ、揺動時における平面度の低下が充分に抑制されていることが分かった。
1…MEMSデバイス、11…揺動部材、13A、13B…揺動軸部材、22…肉抜部、23…非肉抜部、25…内縁部、25a…第1楕円、26…外縁部、26a…第2楕円、27…補強部領域、28…接続部領域、29…中央部領域

Claims (2)

  1. 揺動軸に沿って配置される2つの支持部材と、2つの前記支持部材の間に配置され、2つの前記支持部材によって前記揺動軸周りに揺動可能に支持される板状の揺動部材とを備えるMEMSデバイスであって、
    前記揺動部材は、前記揺動軸及び前記揺動軸と直交する直交軸について対称であり、
    前記揺動部材は肉抜きされた肉抜部と、肉抜きされておらず、且つ、2つの前記支持部材に連設された非肉抜部とを同一平面上に有し、
    前記非肉抜部は、前記揺動軸と前記直交軸との交点を中心とする第1楕円が内接可能な内縁部と、前記交点を中心とする第2楕円が外接可能な外縁部とを具備する補強部領域を有し、
    前記交点から前記第1楕円及び前記第2楕円の径方向に延びる直線と前記揺動軸とが成す角度θ(但し、θは0°≦θ≦90°)が大きくなるにつれて、前記直線に沿った前記第1楕円と前記第2楕円との距離が小さくなることを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 前記直交軸上において、前記補強部領域の前記外縁部が、前記揺動部材の外縁部より前記揺動軸側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
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