JP2010234228A - 膜分離装置の洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜エレメント間に堆積した固形分を十分に除去することが可能な膜分離装置の洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置11は、内部に中空部70が備えられ、且つ、先端部に中空部70と連通して洗浄液55を噴射する先端開口部71が備えられるとともに、側面部に中空部70と連通して洗浄液55を噴射する側面開口部72が備えられた挿入部材53と、挿入部材53の中空部70に洗浄液55を供給する供給手段と、挿入部材53の下部先端部を先頭として膜エレメント13間の間隙に挿入部材53を挿入する昇降手段54を有する。
【選択図】図2
【解決手段】洗浄装置11は、内部に中空部70が備えられ、且つ、先端部に中空部70と連通して洗浄液55を噴射する先端開口部71が備えられるとともに、側面部に中空部70と連通して洗浄液55を噴射する側面開口部72が備えられた挿入部材53と、挿入部材53の中空部70に洗浄液55を供給する供給手段と、挿入部材53の下部先端部を先頭として膜エレメント13間の間隙に挿入部材53を挿入する昇降手段54を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば下廃水処理や汚泥濃縮等において固液分離に使用される浸漬型の膜分離装置を洗浄するための洗浄装置および洗浄方法に関する。
従来、浸漬型の膜分離装置としては、例えば図16(a)に示すように、左右一対のフレーム101と、両フレーム101間に平行に配列された複数の分離膜102とを有するものがある。このような膜分離装置103は、反応槽104内に設置され、被処理液107中に浸漬されている。また、反応槽104内には、膜分離装置103を洗浄する洗浄装置105が設けられている。
洗浄装置105は分離膜102の上方を水平方向へ移動可能な噴射ノズル106を有している。反応槽104内の被処理液107を噴射ノズル106から分離膜102の表面に向けて噴射し、この際、噴射ノズル106を分離膜102の間隙に沿って水平方向へ移動させることにより、分離膜102を洗浄する。
尚、上記のように噴射ノズルを用いた洗浄装置については下記特許文献1に記載されている。
しかしながら、図16(a)に示した従来形式の洗浄装置105では、噴射ノズル106を移動しながら、反応槽104内の被処理液107を分離膜102の上方から分離膜102に噴射するため、分離膜102の表面に薄く固形分が堆積した状態であれば、固形分を除去可能であるが、分離膜102同士の間隙を閉塞するほど固形分が堆積した状態では、噴射ノズル106から分離膜102間の固形分までの上下間距離が短い範囲であれば、固形分を除去することができるが、上記上下間距離が次第に長くなってくると、噴射ノズル106から噴射された被処理液107が固形分に達したときの噴射力が減衰し、分離膜102間に堆積した固形分を十分に除去することができないという問題がある。
このような問題の対策として、図16(b)に示すように、散水孔付き配管110を分離膜102間に挿入して昇降させながら、槽内の被処理水を散水孔から分離膜102の膜面に向けて噴射する洗浄装置105がある(上記特許文献2参照)。
しかしながら、図16(b)に示した従来形式の洗浄装置105では、分離膜102の膜面に薄く堆積した固形分は除去できるが、固形分が分離膜102間の間隙108に堆積して分離膜102間の間隙108を閉塞した状態では、散水孔付き配管110を分離膜102間に挿入することが困難となり、分離膜102間の間隙108に堆積した固形分を除去することができないという問題がある。
本発明は、膜エレメント間に堆積した固形分を十分に除去することが可能な膜分離装置の洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、両面に濾過膜を配置した板状の複数の膜エレメントが隣接する膜エレメントの濾過膜面同士を対向して所定間隔の間隙を設けて配置されてなる膜分離装置の洗浄に使用される洗浄装置であって、
内部に中空部が備えられ、且つ、先端部に中空部と連通して洗浄液を噴射する先端開口部が備えられるとともに、側面部に中空部と連通して洗浄液を噴射する側面開口部が備えられた挿入部材と、
挿入部材の中空部に洗浄液を供給する供給手段と、
挿入部材の先端部を先頭として膜エレメント間に挿入部材を挿入する挿入手段を有するものである。
内部に中空部が備えられ、且つ、先端部に中空部と連通して洗浄液を噴射する先端開口部が備えられるとともに、側面部に中空部と連通して洗浄液を噴射する側面開口部が備えられた挿入部材と、
挿入部材の中空部に洗浄液を供給する供給手段と、
挿入部材の先端部を先頭として膜エレメント間に挿入部材を挿入する挿入手段を有するものである。
これによると、挿入手段によって、挿入部材を、先端部を先頭にして、膜エレメント間に挿入する。この際、洗浄液を供給手段によって挿入部材の中空部に供給して、洗浄液を先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射するとともに側面開口部から噴射する。
上記先端開口部から噴射される洗浄液によって挿入部材の挿入方向前方の固形分が順次除去されるため、膜エレメント間の間隙が堆積した固形分で閉塞された状態であっても、挿入部材は確実に膜エレメント間に挿入され、上記側面開口部から噴射される洗浄液によって、挿入部材の側方の固形分が除去されるとともに、除去された固形分の排出経路が確保される。
これにより、挿入部材を挿入して、膜エレメント間に堆積した固形分を十分に除去することができる。
本第2発明における膜分離装置の洗浄装置は、洗浄液は、先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射されるとともに、側面開口部から濾過膜面に平行な方向又は濾過膜面に対して斜めに対向する方向へ噴射されるものである。
本第2発明における膜分離装置の洗浄装置は、洗浄液は、先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射されるとともに、側面開口部から濾過膜面に平行な方向又は濾過膜面に対して斜めに対向する方向へ噴射されるものである。
これによると、洗浄液が先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射されるとともに側面開口部から濾過膜面に平行な方向又は濾過膜面に対して斜めに対向する方向へ噴射されるため、挿入部材は確実に膜エレメント間に挿入され、膜エレメント間に堆積した固形分を十分に除去することができる。
本第3発明における膜分離装置の洗浄装置は、各膜エレメント間の間隙の側方端部が閉鎖部材で閉鎖され、
挿入部材は閉鎖部材の内側に沿って膜エレメント間の側方端部に挿入され、
側面開口部が閉鎖部材とは反対側に向いているものである。
挿入部材は閉鎖部材の内側に沿って膜エレメント間の側方端部に挿入され、
側面開口部が閉鎖部材とは反対側に向いているものである。
これによると、側面開口部から噴射される洗浄液の反力によって、挿入部材は、側面開口部からの噴射方向とは反対方向へ変動し、閉鎖部材の内側にぴったりと寄り添った姿勢に保たれながら閉鎖部材に案内されて膜エレメント間の側方端部に挿入される。
本第4発明は、両面に濾過膜を配置した板状の複数の膜エレメントが隣接する膜エレメントの濾過膜面同士を対向して所定間隔の間隙を設けて配置されてなる膜分離装置の膜エレメント間に堆積する固形分を除去する洗浄方法であって、
内部に中空部が備えられ且つ先端部に中空部と連通して洗浄液を噴射する先端開口部が備えられるとともに側面部に中空部と連通して洗浄液を噴射する側面開口部が備えられた挿入部材を、中空部に洗浄液を供給しながら、先端部を先頭として膜エレメント間の間隙に挿入し、
先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射される洗浄液によって挿入方向前方の固形分を除去しながら、側面開口部から噴射される洗浄液によって挿入部材の側方の固形分を除去するものである。
内部に中空部が備えられ且つ先端部に中空部と連通して洗浄液を噴射する先端開口部が備えられるとともに側面部に中空部と連通して洗浄液を噴射する側面開口部が備えられた挿入部材を、中空部に洗浄液を供給しながら、先端部を先頭として膜エレメント間の間隙に挿入し、
先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射される洗浄液によって挿入方向前方の固形分を除去しながら、側面開口部から噴射される洗浄液によって挿入部材の側方の固形分を除去するものである。
以上のように、本発明によると、膜エレメント間を閉塞するほどに堆積した固形分であっても十分に除去することが可能である。
以下、本発明における第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
11は膜分離装置12を洗浄する洗浄装置である。先ず、膜分離装置12について以下に説明する。
11は膜分離装置12を洗浄する洗浄装置である。先ず、膜分離装置12について以下に説明する。
図1〜図6に示すように、膜分離装置12は平板状の複数の膜エレメント13を有し、各膜エレメント13は、濾板14と、濾板14の両面に配置され固定された濾過膜15とを備えている。濾板14は、平板状の濾板本体16と、濾板本体16の両側部に形成されて濾板本体16から膜エレメント13の配列方向A(厚さ方向)へ突出する肉厚部17とを有している。肉厚部17には、表裏両面に貫通する連結用孔18(図5,図6参照)が形成されている。
また、濾板14の一側上部には、濾板本体16から配列方向Aへ突出する肉厚のヘッダー形成部19が形成されている。ヘッダー形成部19には、表裏両面に貫通するヘッダー流路孔20と連結用孔21とが形成されている(図4参照)。図2に示すように、濾板14と濾過膜15との間には透過液流路22が形成され、透過液流路22とヘッダー流路孔20とは連通している。
図6に示すように、濾過膜15は周縁部の接合代23で濾板14と接合している。尚、接合方法としては例えば溶着等が採用されている。
図1,図4,図5に示すように、濾過膜15同士を対向して各膜エレメント13を配列し、各膜エレメント13の連結用孔18,21に連結用ロッド24を挿通し、連結用ロッド24の両端に螺合するナット25を締め付けることで、複数の膜エレメント13が結束されて一体化し、膜分離装置12が構成される。
図1,図4,図5に示すように、濾過膜15同士を対向して各膜エレメント13を配列し、各膜エレメント13の連結用孔18,21に連結用ロッド24を挿通し、連結用ロッド24の両端に螺合するナット25を締め付けることで、複数の膜エレメント13が結束されて一体化し、膜分離装置12が構成される。
この際、互いに隣接する膜エレメント13の濾過膜15間には所定間隔Bの間隙27が形成され、隣接する膜エレメント13の相互に当接する肉厚部17とヘッダー形成部19とによって、膜分離装置12の側壁28が形成されるとともにヘッダー29が形成され、ヘッダー流路孔20が連続することでヘッダー29のヘッダー流路30が形成される。尚、間隙27の側方端部は側壁28(閉鎖部材の一例)で閉鎖されている。
図1,図2に示すように、膜分離装置12の外側は外側フレーム体33で囲まれており、外側フレーム体33は、膜分離装置12の上方に架設された左右一対の上部フレーム34を有している。また、膜分離装置12の下方には散気装置(図示省略)が設けられている。尚、膜分離装置12と外側フレーム体33と散気装置とは、処理槽(図示省略)内に設置され、下廃水等の被処理液中に浸漬された状態で使用される。
次に、洗浄装置11について以下に説明する。
図1,図2に示すように、洗浄装置11は、膜分離装置12の上部フレーム34に着脱自在なフレーム51と、フレーム51に対して昇降自在な可動部材52と、可動部材52に設けられた複数の挿入部材53と、可動部材52を昇降させて挿入部材53を上方から膜エレメント13間の間隙27に対して挿脱する昇降手段54(挿入手段の一例)と、各挿入部材53に洗浄液55(水等)を供給する供給手段56とを有している。
図1,図2に示すように、洗浄装置11は、膜分離装置12の上部フレーム34に着脱自在なフレーム51と、フレーム51に対して昇降自在な可動部材52と、可動部材52に設けられた複数の挿入部材53と、可動部材52を昇降させて挿入部材53を上方から膜エレメント13間の間隙27に対して挿脱する昇降手段54(挿入手段の一例)と、各挿入部材53に洗浄液55(水等)を供給する供給手段56とを有している。
フレーム51は、前後左右四本の縦支柱58a〜58dと、各縦支柱58a〜58dの上端部間に設けられた左右一対の上部横材59aおよび前後一対の上部横材59bと、各縦支柱58a〜58dの下部間に設けられた左右一対の下部横材60とを有している。各縦支柱58a〜58dの下端には、下方が開放されたコ形状の嵌込部材61が設けられ、各嵌込部材61は、膜分離装置12の上部フレーム34に対して、上方から嵌脱自在である。
可動部材52は、四角枠状の可動フレーム63と、可動フレーム63に設けられた左右一対の管状のマニホールド64とを有している。
昇降手段54は、左右一対のボールねじ66と、ボールねじ66に螺合する円筒状のナット体67と、ボールねじ66を回転させる電動機等からなる回転駆動装置68とを有している。ボールねじ66は上部横材59aと下部横材60との間に回転自在に保持されている。また、ナット体67は可動フレーム63の左右両側部に設けられ、回転駆動装置68は上部横材59aに設けられている。
昇降手段54は、左右一対のボールねじ66と、ボールねじ66に螺合する円筒状のナット体67と、ボールねじ66を回転させる電動機等からなる回転駆動装置68とを有している。ボールねじ66は上部横材59aと下部横材60との間に回転自在に保持されている。また、ナット体67は可動フレーム63の左右両側部に設けられ、回転駆動装置68は上部横材59aに設けられている。
各挿入部材53は、上下方向に長いパイプ状の部材であり、上端がマニホールド64に取り付けられている。図6に示すように、挿入部材53は、内部に中空部70を有しており、下部先端部に、中空部70と連通して洗浄液55を下向きC(挿入部材53の挿入方向の一例)に噴射する先端開口部71を有しており、下部側面部に、中空部70と連通して洗浄液55を膜エレメント13の幅方向Dに噴射する側面開口部72とを有している。図7に示すように、先端開口部71と側面開口部72とはそれぞれ円形状に形成されている。
尚、図2に示すように、中空部70の上端はマニホールド64の内部に連通している。また、図5に示すように、側面開口部72の中心軸72aは膜エレメント13の濾過膜15の膜面に平行であり、左右一方の挿入部材53の側面開口部72と左右他方の挿入部材53の側面開口部72とは膜エレメント13の幅方向Dにおいて相対向している。また、図3に示すように、挿入部材53の下端は下方ほど尖った円錐形状に形成されている。
側面開口部72は挿入部材53から側方へ僅かに突出した円筒状のノズル部73に形成されている。図6に示すように、側面開口部72の開口端は、膜エレメント13の幅方向Dにおいて、濾過膜15の縦方向(上下方向)の端縁部の接合代23よりも内側に位置している。
また、図5に示すように、各挿入部材53の前後間の配置ピッチGは膜分離装置12の各間隙27のピッチと一致しており、各挿入部材53の左右端間隔Hは各間隙27の左右幅に対応している。
図1に示すように、供給手段56は、洗浄液55を貯留する貯留タンク74と、貯留タンク74内と両マニホールド64との間に連通する供給配管75と、台車76に据え付けられて供給配管75に接続されたポンプ77とを有している。
以下、上記構成における作用を説明する。
濾過運転時において、各膜エレメント13の内側が減圧され、被処理液中の汚泥等の固形分が濾過膜15で捕捉され、濾過膜15を透過して膜エレメント13の透過液流路22に流入した透過水は、処理水として、透過液流路22からヘッダー流路30へ流れ込み、ヘッダー流路30から透過水取出し用配管(図示省略)へ流れて処理槽の外部へ取り出される。
濾過運転時において、各膜エレメント13の内側が減圧され、被処理液中の汚泥等の固形分が濾過膜15で捕捉され、濾過膜15を透過して膜エレメント13の透過液流路22に流入した透過水は、処理水として、透過液流路22からヘッダー流路30へ流れ込み、ヘッダー流路30から透過水取出し用配管(図示省略)へ流れて処理槽の外部へ取り出される。
上記のような濾過運転を長期間行なっていると、被処理液中の汚泥や夾雑物等の固形分(ケーキ)が濾過膜15の表面に次第に付着し、通常このような付着した固形分は膜分離装置12の下方に配置された散気装置の散気によって除去される。しかしながら、散気装置のトラブルや被処理液の性状の変化或いは過剰な吸引圧での濾過運転の継続等の原因により、固形分が膜エレメント13間に堆積して間隙27を閉塞してしまうことがある。この場合、濾過運転を一時中止し、洗浄装置11を用いて以下のように膜分離装置12を洗浄する。
処理槽内の被処理液を抜き取った後(或いは、膜分離装置12を処理槽の外部へ取り出した後)、図1,図2に示すように、洗浄装置11を、ホイスト等で吊り上げて、膜分離装置12の上部フレーム34上に設置する。この際、洗浄装置11の各嵌込部材61が上部フレーム34に上方から外嵌されて、洗浄装置11が上部フレーム34に装着される。
ポンプ77を駆動することにより、貯留タンク74内の洗浄液55が、供給配管75を通って両マニホールド64内へ供給され、両マニホールド64内から各挿入部材53内の中空部70を流れて、図3に示すように、先端開口部71から下向き(すなわち挿入部材53の挿入方向)に高圧で噴出されるとともに側面開口部72から膜エレメント13の幅方向D(濾過膜15の膜面に平行な方向)に高圧で噴射される。
上記のように洗浄液55を先端開口部71と側面開口部72から二方向へ噴射しながら、回転駆動装置68を駆動して両ボールねじ66を一方向に回転させる。これにより、可動部材52が下降し、各挿入部材53が下部先端部を先頭として膜エレメント13間の間隙27に挿入される。
この際、先端開口部71から噴射される洗浄液55によって下方(すなわち挿入部材53の挿入方向前方)の固形分が除去されるため、各挿入部材53は確実に膜エレメント13間の間隙27に挿入され、側面開口部72から噴射される洗浄液55によって左右両方の挿入部材53間の固形分が除去されるとともに、除去された固形分の排出経路が確保される。これにより、膜エレメント13間の間隙27が固形分で閉塞されても、洗浄装置11を用いて固形分を十分に除去することができる。
また、各挿入部材53は、膜分離装置12の側壁28(膜エレメント13の肉厚部17)の内側面に沿って、膜エレメント13間の間隙27の側方端部に挿入される。この際、側面開口部72は側壁28とは反対側に向いており、側面開口部72から噴射される洗浄液55の反力によって、挿入部材53は、側面開口部72からの噴射方向とは反対方向へ変動し、側壁28の内側面に寄り添った鉛直姿勢に保たれながら側壁28に案内されて下向きに挿入される。
図8に示すように、膜エレメント13間の間隙27ごとの閉塞状態のばらつきにより、膜エレメント13の幅方向Dの中央部分が撓んで、間隙27の中央部分が所定間隔Bよりも狭くなった状態で固形分が間隙27を閉塞することがある。このような場合、図9の仮想線で示すように、挿入部材53が斜めに傾いて挿入されると、膜エレメント13間の間隙27が狭くなった中央部分の領域78(図9のハッチング部分)で、挿入部材53が両膜エレメント13間に挟まって動かなくなるといった懸念があるが、図9の実線で示すように、側面開口部72から噴射される洗浄液55の反力Fによって、挿入部材53が、側壁28の内側面に寄り添った鉛直姿勢に保たれるので、間隙27の中央部分で両膜エレメント13間に挟まって動かなくなるといった不具合を防止することができる。
また、図6に示すように、側面開口部72の開口端は膜エレメント13の濾過膜15の縦方向の端縁部の接合代23よりも内側に位置しているため、側面開口部72から噴射された洗浄液55が濾過膜15の端縁部に直接当たることは無く、したがって、濾過膜15の端縁部の接合部分が噴射された洗浄液55によって剥離するのを防止することができる。
また、洗浄中において、洗浄液55を先端開口部71と側面開口部72から噴射しながら、両ボールねじ66を一方向に回転して各挿入部材53の先端開口部71を膜エレメント13の下端まで下降させた後に、両ボールねじ66を他方向に回転して各挿入部材53を上昇させれば、膜エレメント13間の間隙27の側方端部が上下方向に開通しているため、先端開口部71と側面開口部72から噴射される洗浄液55が速やかに下方に排水される。これにより、側面開口部72から噴射される洗浄液55がより直接的に間隙27の固形分に作用するため、より一層十分な洗浄が行なえる。
尚、洗浄完了後、ポンプ77を停止して洗浄液55の噴射を止め、両ボールねじ66を他方向に回転して、各挿入部材53を膜エレメント13間の間隙27から上方へ脱抜し、洗浄装置11をホイスト等で吊り上げて、各嵌込部材61を上部フレーム34から上方へ離脱させる。これにより、洗浄装置11を膜分離装置12から取り外すことができる。
上記第1の実施の形態では、側面開口部72を、挿入部材53の一箇所に形成したが、第2の実施の形態として、図10(a)に示すように、上下方向における複数箇所(例えば上下二箇所)に形成してもよい。
上記第1の実施の形態では、側面開口部72を、挿入部材53の一箇所に形成したが、第3の実施の形態として、図11(a)に示すように、周方向における複数箇所(例えば周方向の二箇所)に形成してもよい。
また、上記第1の実施の形態では、図5に示すように、側面開口部72の中心軸72aを膜エレメント13の濾過膜15の膜面に対して平行にしたが、第4の実施の形態として、図11(a)に示すように、上記中心軸72aが濾過膜15の膜面に対して斜めに入射するようにしてもよい。この場合、濾過膜15の膜面に対する上記中心軸72aの入射角度Eを0°よりも大きく且つ45°以下に設定するのが望ましい。
上記第1の実施の形態では、図7に示すように、先端開口部71と側面開口部72とをそれぞれ円形状に形成したが、円形状以外の形状であってもよく、例えば、第5および第6の実施の形態として、図12(a)(b)に示すように、四つの三角形に分断された四角形状や、星型形状等であってもよい。
上記第1の実施の形態では、図2に示すように、左右二本のマニホールド64にそれぞれ直線状の複数の挿入部材53を設けたが、第7の実施の形態として、図13(a)に示すように、一本のマニホールド64に複数の門型形状の挿入部材53を設けてもよい。この場合、各挿入部材53は、左右一対の縦杆部81と、両縦杆部81の上端間に設けられた横杆部82とを有している。縦杆部81の下端部には先端開口部71と側面開口部72とが形成され、横杆部82がマニホールド64に設けられている。挿入部材53内には、マニホールド64内と先端および側面開口部71,72とに連通する中空部70が形成されている。
或いは、第8の実施の形態として、図13(b)に示すように、挿入部材53を、複数の門型形状の挿入フレーム83と、挿入フレーム83の左右両縦フレーム材84の下端部に設けられた短管状の噴射部材85と、噴射部材85とマニホールド64との間に接続されたチューブ86とで構成してもよい。この場合、噴射部材85に、中空部70と先端開口部71と側面開口部72とが形成されている。チューブ86の一端が噴射部材85の中空部70に連通し、他端がマニホールド64内に連通している。
上記第1の実施の形態では、左右一対(左右二本)の挿入部材53を前後複数組設けて、一つの膜エレメント13間の間隙27あたり二本の挿入部材53を対応させたが、第9の実施の形態として、図14,図15に示すように、左右一本の挿入部材53を前後複数本設けて、一つの膜エレメント13間の間隙27あたり一本の挿入部材53を対応させてもよい。また、可動フレーム63には一本のマニホールド64が設けられ、各挿入部材53の上端はマニホールド64に取り付けられている。
挿入部材53は、内部に中空部70を有し、下部先端部に先端開口部71を有し、下部両側面部にそれぞれ、洗浄液55を膜エレメント13の幅方向Dに噴射する側面開口部72とを有している。尚、側面開口部72は、上下二箇所設けられているが、上下一箇所又は二箇所以外の複数箇所に設けられていてもよい。
これによると、各挿入部材53は、膜エレメント13間の間隙27の幅方向Dにおける中央部に挿入される。この際、先端開口部71から噴射される洗浄液55によって下方の固形分が除去されるため、各挿入部材53は確実に膜エレメント13間の間隙27に挿入され、側面開口部72から噴射される洗浄液55によって挿入部材53の左右両側方の固形分が除去される。これにより、膜エレメント13間の間隙27が固形分で閉塞されても、洗浄装置11を用いて固形分を十分に除去することができる。
上記第9の実施の形態では、図15に示すように、側面開口部72を、挿入部材53の周方向において、180°隔てた二箇所に形成したが、第10の実施の形態として、図11(b)に示すように、90°隔てた四箇所に放射状に形成してもよく、或いは、二箇所および四箇所以外の複数箇所に放射状に形成してもよい。
上記各実施の形態では、側面開口部72を真横(水平方向)に向けているが、第11の実施の形態として、図10(b)〜図10(d)に示すように、斜め下または斜め上に向けてもよい。
上記第1の実施の形態では図5に示すように膜エレメント13間の間隙27に左右二本の挿入部材53を挿入し、上記第9の実施の形態では図15に示すように一本の挿入部材53を挿入したが、三本以上の複数本挿入してもよい。
上記各実施の形態では、図1に示すように、回転駆動装置68でボールねじ66を回転して挿入部材53を昇降させているが、シリンダー或いはチェーン・スプロケット等を用いて昇降させてもよい。
上記各実施の形態では、膜エレメント13は濾板14に肉厚部17とヘッダー形成部19とを備えているが、肉厚部17とヘッダー形成部19とを備えていない膜エレメント13であってもよい。この場合、膜分離装置12は側壁28とヘッダー29とを備えておらず、膜エレメント13は上下が開放された箱状のケーシング内に収納されている。ケーシングは前後一対のパネル体と左右一対のサイドパネル体とを有し、サイドパネル体は膜エレメント13間の間隙27の側方端部を閉鎖する閉鎖部材の一例である。
これによると、各挿入部材53は、左右一対のサイドパネル体の内側面に沿って、膜エレメント13間の間隙27の側方端部に挿入される。この際、側面開口部72はサイドパネル体とは反対側に向いており、側面開口部72から噴射される洗浄液55の反力Fによって、挿入部材53は、サイドパネル体の内側面に寄り添った鉛直姿勢に保たれながらサイドパネル体に案内されて下向きに挿入される。
上記各実施の形態では、洗浄装置11の挿入部材53を膜分離装置12の上方から下向きCに挿入しているが、挿入部材53を膜分離装置12の下方から上向きに挿入してもよく、また、洗浄装置11を横倒した状態で、挿入部材53を膜分離装置12の側方から水平方向に挿入してもよい。
11 洗浄装置
12 膜分離装置
13 膜エレメント
15 濾過膜
27 間隙
28 側壁(閉鎖部材)
53 挿入部材
54 昇降手段(挿入手段)
55 洗浄液
56 供給手段
70 中空部
71 先端開口部
72 側面開口部
B 所定間隔
C 下向き(挿入部材の挿入方向)
12 膜分離装置
13 膜エレメント
15 濾過膜
27 間隙
28 側壁(閉鎖部材)
53 挿入部材
54 昇降手段(挿入手段)
55 洗浄液
56 供給手段
70 中空部
71 先端開口部
72 側面開口部
B 所定間隔
C 下向き(挿入部材の挿入方向)
Claims (4)
- 両面に濾過膜を配置した板状の複数の膜エレメントが隣接する膜エレメントの濾過膜面同士を対向して所定間隔の間隙を設けて配置されてなる膜分離装置の洗浄に使用される洗浄装置であって、
内部に中空部が備えられ、且つ、先端部に中空部と連通して洗浄液を噴射する先端開口部が備えられるとともに、側面部に中空部と連通して洗浄液を噴射する側面開口部が備えられた挿入部材と、
挿入部材の中空部に洗浄液を供給する供給手段と、
挿入部材の先端部を先頭として膜エレメント間に挿入部材を挿入する挿入手段を有することを特徴とする膜分離装置の洗浄装置。 - 洗浄液は、先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射されるとともに、側面開口部から濾過膜面に平行な方向又は濾過膜面に対して斜めに対向する方向へ噴射されることを特徴とする請求項1記載の膜分離装置の洗浄装置。
- 各膜エレメント間の間隙の側方端部が閉鎖部材で閉鎖され、
挿入部材は閉鎖部材の内側に沿って膜エレメント間の側方端部に挿入され、
側面開口部が閉鎖部材とは反対側に向いていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の膜分離装置の洗浄装置。 - 両面に濾過膜を配置した板状の複数の膜エレメントが隣接する膜エレメントの濾過膜面同士を対向して所定間隔の間隙を設けて配置されてなる膜分離装置の膜エレメント間に堆積する固形分を除去する洗浄方法であって、
内部に中空部が備えられ且つ先端部に中空部と連通して洗浄液を噴射する先端開口部が備えられるとともに側面部に中空部と連通して洗浄液を噴射する側面開口部が備えられた挿入部材を、中空部に洗浄液を供給しながら、先端部を先頭として膜エレメント間の間隙に挿入し、
先端開口部から挿入部材の挿入方向へ噴射される洗浄液によって挿入方向前方の固形分を除去しながら、側面開口部から噴射される洗浄液によって挿入部材の側方の固形分を除去することを特徴とする膜分離装置の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009083846A JP2010234228A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 膜分離装置の洗浄装置および洗浄方法 |
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JP2009083846A JP2010234228A (ja) | 2009-03-31 | 2009-03-31 | 膜分離装置の洗浄装置および洗浄方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010234228A true JP2010234228A (ja) | 2010-10-21 |
Family
ID=43089105
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JP (1) | JP2010234228A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104138862A (zh) * | 2014-06-26 | 2014-11-12 | 江西金达莱环保股份有限公司 | 一种清洗枪及清洗膜的方法 |
CN111977829A (zh) * | 2020-08-28 | 2020-11-24 | 湖南盛世创纯环保科技有限公司 | 一种含有金属的污水处理装置 |
-
2009
- 2009-03-31 JP JP2009083846A patent/JP2010234228A/ja active Pending
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