JP2010232026A - イオン注入装置及びイオンビームの調整方法 - Google Patents

イオン注入装置及びイオンビームの調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電流密度分布の均一性が高いイオンビームを照射するイオン注入装置、及び、イオンビームの調整方法を提供する。
【解決手段】処理対象基板にイオンビームを照射してイオン注入するイオン注入装置であって、断面形状が帯状であるイオンビームの幅方向の電流密度分布を計測する計測部と、幅方向にイオンビームを屈曲するレンズ手段を複数備え、幅方向に沿ったイオンビームの電流密度分布を調整するイオンビーム調整部と、計測部が計測した電流密度分布に応じて、イオンビームを屈曲する大きさを示す制御信号を前記レンズ手段の各々に出力する制御部と、を有し、制御部は、イオンビームのエネルギー、イオンビームを構成するイオンの質量、イオンビームの電流のうち少なくとも一つに応じて制御信号の大きさの上限値を設定する上限値設定部を有し、上限値以下の大きさの制御信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、処理対象基板にイオンビームを照射してイオン注入するイオン注入装置、及びイオンビームの調整方法に関する。
LSI等の半導体プロセス処理では、シリコンウエハに所望のイオンを注入するイオン注入処理が行われている。処理対象基板となるシリコンウエハは高度に標準化されており、種々の半導体を製造するに際し、同じ形状、同じサイズのシリコンウエハを用いて製造する。一方、近年需要の拡大しつつある低温ポリシリコンTFT液晶や有機LED等の平面型表示装置においても、ガラス基板上にアクティブマトリクス素子としてTFT(薄膜トランジスタ)が形成される。そのため、ガラス基板上に形成したポリシリコン層等に一定量のヒ素(As),リン(P),ホウ素(B),アンチモン(Sb)等の不純物を含ませるため、イオン注入処理が行われる。
イオン注入処理では、チャンバー内に供給された原料ガスを電離させてプラズマを生成し、このプラズマから取り出された荷電粒子からなるイオンビームを、処理対象基板に照射する。
LSIの生産性を向上するため、シリコンウエハは年々大型化している。また、平面型表示装置の分野においても、平面型表示装置の大型化が望まれている。大型の基板に対して、効率よく正確にイオン注入を行うため、基板の幅に対して照射するイオンビームの幅が広く、イオンビームの電流密度分布が所望の分布に制御された帯状のイオンビームを用いることが求められている。イオンビームのビーム幅が基板の幅よりも広い、帯状のイオンビームを用いることにより、基板の幅方向の領域を一度にイオン注入処理することができ、基板の幅方向と直交する方向に基板を移動させることで、基板全体に効率よくイオン注入することができる。
その一方、帯状のイオンビームは、基板の幅方向の同じ位置を幅方向と直交する方向に処理するため、幅方向における電流密度分布が均一でない場合、基板上で不均一にイオン注入された部分が線状になって現れる。このため、帯状のイオンビームは、所望の電流密度分布になるように、正確に調整することが望まれている。
帯状のイオンビームの幅方向における電流密度分布の不均一性を修正するために、磁場や電場を用いた多極レンズによりイオンビームを幅方向に部分的に屈曲させ、電流密度分布を調整する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2005−327713号公報
電流密度分布を均一にするため、従来の多極レンズは、多極レンズの装置上の特性、例えば、放電の有無、コイルの発熱量、磁石の重量、電源容量等の制限の中で、電流密度分布を自在に調整していた。しかし、従来の多極レンズを用いた電流密度分布の調整は、必ずしも十分に電流密度分布の不均一性を修正することができるものではなかった。特に、イオンの質量が小さい場合やエネルギーが小さい場合、電流密度分布の不均一性を十分に修正することができなかった。
そこで、本発明は、従来に比べて、電流密度分布の均一性が高いイオンビームを照射するイオン注入装置及びイオンビームの調整方法を提供することを目的とする。
本発明のイオン注入装置は、処理対象基板にイオンビームを照射してイオン注入するイオン注入装置であって、断面形状が帯状であるイオンビームの幅方向の電流密度分布を計測する計測部と、前記幅方向に前記イオンビームを屈曲するレンズ手段を複数備え、該幅方向に沿ったイオンビームの電流密度分布を調整するイオンビーム調整部と、前記計測部が計測した電流密度分布に応じて、前記イオンビームを屈曲する大きさを示す制御信号を、前記レンズ手段の各々に出力する制御部と、を有し、前記制御部は、前記イオンビームのエネルギー、該イオンビームを構成するイオンの質量、該イオンビームの電流のうち少なくとも一つに応じて前記制御信号の大きさの上限値を設定する上限値設定部を有し、該上限値以下の大きさの制御信号を出力することを特徴とする。
また、本発明のイオンビームの調整方法は、処理対象基板にイオン注入するために照射するイオンビームの調整方法であって、断面形状が帯状であるイオンビームを照射する工程と、前記イオンビームの幅方向の電流密度分布を計測する工程と、前記幅方向に沿ったイオンビームの電流密度分布を調整する工程と、前記計測部が計測した電流密度分布に応じて、前記イオンビームを屈曲する大きさを示す制御信号を出力する工程と、前記イオンビームのエネルギー、該イオンビームを構成するイオンの質量、該イオンビームの電流のうち少なくとも一つに応じて前記制御信号の上限値を設定する工程と、前記上限値以下の大きさの制御信号を出力する工程と、を有することを特徴とする。
一般に、イオン注入装置では、真空容器内部の残留ガスや真空容器内面へイオンが衝突すると、真空容器内部に電子が供給される。この電子は、イオンビームの電荷により発生する電場により、イオンビームが通過する位置に拘束されて滞留している。以下、このイオンビームの電荷により発生する電場によって拘束される電子を「低速電子」と呼ぶ。
低速電子の電荷は、イオンビームの電荷により発生する電場を中和する。一般には、低速電子が多くなると平衡状態に達するので、低速電子を引き寄せる電場の勾配はなくなる。したがって、例えば、1×10−5Pa程度の低圧等の条件により低速電子の供給が不足するという場合を除いて、イオンビームにより発生する電場は、低速電子により発生する電場により中和されている。
一方、低速電子は、イオンビーム内の正電荷のイオン同士に作用する斥力を中和し、イオンビームが拡がろうとする特性を抑制する。このように、イオンビームの拡散が抑制される効果を、以下、中和効果と呼ぶ。
イオンビームに対し、多極レンズによる調整を行ったとき、多極レンズの電場や磁場による影響を受けることにより、低速電子の密度は、空間的に不均一になる。これは、負の電位を用いる電場による多極レンズが、大きな負の電位を印加することにより、電子は斥力を受け、低速電子の密度が低下するためである。また、磁場による多極レンズが磁場を印加することにより、電子はローレンツ力に捕捉され、低速電子の密度が上昇するためである。
このように、多極レンズを用いることにより、低速電子の密度が空間的に不均一になると、中和効果も空間的に不均一になる。そのため、フィードバック制御により多極レンズを用いて電流密度分布を調整しても、不均一な電流密度分布を十分に修正することが困難となる。
上記イオン注入装置及びイオンビームの調整方法は、このような低速電子に起因する困難を解消する。
本発明のイオン注入装置及びイオンビームの調整方法によれば、電流密度分布の均一性が高いイオンビームを照射することができる。
本発明のイオン注入装置の実施形態を示すイオン注入装置の平面図である。 図1に示すイオン注入装置の側面図である。 本発明のイオン注入装置の他の実施形態を示すイオン注入装置の平面図である。
以下、本発明のイオン注入装置及びイオンビームの調整方法を、実施形態に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
(イオン注入装置の全体構成)
まず、本実施形態のイオン注入装置の全体構成を、図1、図2を参照して説明する。図1は、イオン注入装置の実施形態を示す平面図である。図2は、図1に示すイオン注入装置の側面図である。
図1に示すように、イオン注入装置は、イオン源10と、質量分離マグネット30と、イオンビーム調整部40と、分離スリット50と、計測部80と、制御部90と、を備える。これらは、不図示の真空容器に囲まれており、真空ポンプにより一定の真空度(10−5〜10−2Pa)に維持されている。イオン源10にて生成されたイオンビーム20は、帯状となって質量分離マグネット30、イオンビーム調整部40、分離スリット50へと進み、処理対象基板70に照射される。
処理対象基板70にイオン注入を行う前に、計測部80はイオンビーム20の電流密度を計測する。そして、制御部90は、イオンビーム20の電流密度分布を求める。制御部90は、イオンビーム20を調整するための制御信号を、イオンビーム調整部40に出力する。イオンビーム20の電流密度分布が所望の分布でない場合、電流密度分布が所望の分布となるように、イオンビーム調整部40はイオンビーム20を調整する。
以下の説明では、イオン源10から処理対象基板70に向かって進むイオンビームの流れに基づき、イオン源10の側を上流側といい、処理対象基板70の側を下流側という。
(イオン源)
イオン源10は、バーナス型のプラズマ発生機である。バーナス型イオン源は、金属チャンバー内にフィラメントと反射板を備え、その外側に磁石を備える。金属チャンバー内に、イオン注入に用いる原子を含んだガスを供給する。フィラメントに電流を流して熱電子を放出し、金属チャンバーの両側に設けられた反射板間を往復させる。この状態で、金属チャンバーに所定のアーク電圧を印加し、アーク放電を生じさせると、金属チャンバー内に供給されたガスが電離し、プラズマが発生する。金属チャンバーの側壁に設けた取り出し孔から、引き出し電極を用いてプラズマを引き出すことにより、金属チャンバーからイオンビーム20が放射される。
イオンビーム20の端近傍の電流密度は低く、中心付近の電流密度は高い。イオンビーム20の電流密度は連続的に変化するため、本来、イオンビーム20の端を明確に定めることはできない。そこで、本実施形態では、イオンビーム20の端近傍の電流密度が所定の値を超えた部分をイオンビームの端として、イオンビーム20のラインを定める。
イオン源10で生成されるイオンビームは、図2に示すように、鉛直方向(図2の上下方向)にイオンビームの端24,25が発散する。また、図1に示すように、水平方向(図1の面内方向)にもイオンビームの端22,23が発散する。しかし、水平方向のイオンビームの端22,23の発散の程度は、鉛直方向のイオンビームの端24,25が発散の程度より低い。このようなイオンビーム20の発散の程度の違いは、イオン源10の取り出し孔の形状及び引き出し電極の構成によって定まる。
イオンビーム20の断面形状は、水平方向のイオンビームの端22,23間の長さであるビーム厚さが、鉛直方向のイオンビームの端24,25間の長さであるビーム幅に比べて小さい形状となる。このような形状のイオンビームを、断面形状が帯状であるイオンビームと呼ぶ。イオンビーム20は、処理対象基板が四角形状である場合、その短辺よりも広いビーム幅を有するように整形される。また、処理対象基板が円形状である場合は、その直径よりも広いビーム幅を有するように整形される。
イオンビーム20は、ビーム厚さが厚くなりながら質量分離マグネット30に入射する。そして、質量分離マグネット30の作用により、イオンビーム20のビーム厚さを薄くしてイオンビーム20を収束させた後、イオンビーム20は処理対象基板70に照射される。
なお、本実施形態では、イオン源10としてバーナス型のプラズマ発生機を用いたが、他のイオン源を用いてもよい。例えば、略一定なビーム幅を有する略平行な帯状のイオンビームを生成する大型のイオン源を用いてもよい。また、複数のイオン源を用いて、イオンビームを生成してもよい。
(質量分離マグネット)
質量分離マグネット30は、コイル31と、磁極32と、ヨーク部33と、を備える。図2に示すように、質量分離マグネット30は、ヨーク部33で形成された角型の筒構造の内側に、一対の磁極32を向かい合わせに設置し、磁極32の周囲にコイル31を巻いて構成される。一対の磁極32の作る磁場が同じ方向となるように、コイル31は直列に接続され、不図示の電源から電流が供給される。一対の磁極32間の内側に向く面は、部分的に傾斜させたり傾斜位置を変更したりすることで、曲率の異なる円柱面の連続する面やトーラス面等の複雑な連続曲面で構成されている。
イオンビーム20は、図1に示すように、水平方向に僅かに拡散するイオンビーム20となって、質量マグネット30に入射する。このイオンビーム20は、一対の磁極32の間を通過し、帯状のイオンビームの厚さ方向に曲率を持つように進行方向が曲げられ、分離スリット50の位置に収束する。
イオン源10のプラズマ密度及び不図示の引き出し電極及び質量分離マグネット30の磁場の影響で、イオンビーム20の電流密度には、ばらつきが存在する。質量分離マグネット30を通過したイオンビーム20の電流密度のばらつきが一定以下(例えば、5%以下)となるように、プラズマ密度、引き出し電極の電圧、質量分離マグネット30の磁場は調整される。このイオンビーム20は、後述するイオンビーム調整部40によって、電流密度のばらつきが1%程度にまで低減される。
ここで、イオンビーム20の電流密度とは、イオンビーム20の厚さ方向に沿って電流密度を積分した積分値である。電流密度のばらつきとは、目標とする分布(例えば、均一な分布)に対する、ビーム幅の方向(ビーム幅方向)の電流密度分布のずれ幅の標準偏差の程度をいう。より具体的には、ばらつき1%以下とは、平均電流密度の値に対する、ずれ幅の標準偏差の比が1%以下であることをいう。
なお、目標とする電流密度分布は、均一な分布に限られるものではない。例えば、CVD法等により処理対象基板70上に形成した薄膜の不均一や熱処理の不均一に合せて、意図的にイオン注入量を場所に応じて変えるために、目標とする電流密度分布を不均一な分布としてもよい。
また、以下の説明では、ビーム幅の方向をビーム幅方向と呼ぶ。
(イオンビーム調整部)
質量分離マグネット30を通過したイオンビーム20は、焦点60に向かって次第に収束する。イオンビーム調整部40は、イオンビーム20の厚さが薄くなる焦点60の近傍に配置される。
イオンビーム調整部40は、電磁石41と、ヨーク部44と、を備える。電磁石41(レンズ手段)は、電磁軟鉄で作られた磁極42と、磁極42の周りに巻きまわされたコイル43と、で構成されている。電磁石41は、イオンビーム20の厚さ方向の中心面を中心として、両側の対称な位置に対を成して設けられる。対を成す電磁石41の一方の電磁石41の作る磁場が他方の電磁石41に向くように、コイル43の線は、一対の電磁石41に対して直列に接続される。
この対を成す電磁石41は、ヨーク部44の上に複数設けられる。イオンビーム20を幅方向に屈曲するため、ビーム幅全体を横断するように電磁石41は設けられる。電磁石41の対の個数は、例えば、10〜20個程度である。
このように、電磁石41の対を複数設けることにより、イオンビーム調整部40は、イオンビーム20の一部分をビーム幅の方向(図2の上下方向)に曲げて、ビーム幅の方向におけるイオンビーム20の電流密度分布を調整することができる。
なお、図1及び図2に示すイオンビーム調整部40は一例であり、これに限定されるものではない。イオンビーム調整部40は、磁場を用いて調整する他、電場を用いて調整を行うものであってもよい。
(分離スリット)
分離スリット50は、非磁性体部材で構成されており、イオンビーム20が通過する細長い孔(スリット)が設けられている。このスリットの鉛直方向の長さは、イオンビーム20のビーム幅よりも長くなっている。質量分離マグネット30にて曲げられたイオンビーム20は、質量分離マグネット30の下流側でビーム厚さ方向において焦点60で収束する。この焦点60に分離スリット50が設けられ、所定の質量と電荷を有するイオン粒子のみを通過させるようになっている。本実施形態では、分離スリット50はイオンビーム調整部40と重なる位置に設けられている。
イオンビーム20のうち、所定の質量及び電荷を持たないイオン粒子は、焦点60で収束しないため、分離スリット50の壁面に衝突し、下流側への移動が阻止される。このため、分離スリット50は、イオン粒子の衝突による摩耗に対して耐性を有する素材を用いる必要があり、例えば、グラファイトが好適に用いられる。また、分離スリット50は、イオンビーム調整部40の作る磁場に影響を与えないように、非磁性体とする必要がある。
なお、本実施形態では、分離スリット50をイオンビーム調整部40の位置に重なるように配置したが、分離スリット50とイオンビーム調整部40とが隣接するように配置してもよい。特に、イオンビーム調整部40として、磁場の代わりに電場を用いてイオンビーム20を調整する場合、電場に影響を与えない材料の選定が困難である。また、分離スリット50の表面に導電性の膜が堆積し、電場に影響を与えることがある。
そのため、イオンビーム調整部40として電場を用いた場合は、分離スリット50とイオンビーム調整部40とが隣接するように配置することが好ましい。すなわち、分離スリット50は、イオンビーム20の焦点60に配置する必要があるので、イオンビーム調整部40を分離スリット50に対して隣接するように配置することが好ましい。
さらに、分離スリット50のイオンビーム20の厚さ方向のスリットの開口幅は固定されたものでもよいが、可変調整できるものが好ましい。処理対象基板70に注入すべきイオンの量に応じて、また、純度の高いイオンの注入の必要性の有無に応じて、スリットの開口幅を調整することができ、これによりイオン粒子の分離性能を適切に調整できる。また、焦点60におけるイオンビーム20の厚さを10数mm程度に薄くする場合がある一方、イオンビーム20の軌道は、イオンの種類、イオンビームのエネルギー及びイオン粒子の電荷により影響されて常に一定ではない。このため、スリットの開口幅は、状況に応じて調整できることが好ましい。
イオンビーム20は、分離スリット50にて不要なイオン粒子と分離され、所定のイオン粒子のみで構成される。そして、イオンビーム20は、イオンビーム調整部40で電流密度分布が調整され、ビーム厚さを拡げながら処理対象基板70に照射される。
(処理対象基板)
処理対象基板70は、不図示の移動機構により、図1の下側から上側へ直線状に搬送され、イオン注入が行われる。処理対象基板70としては、例えば、半導体ウエハやガラス基板が用いられる。イオンビーム20のビーム幅は、処理対象基板70の幅よりも広くなっている。
本実施形態は、処理対象基板70を直線状に移動させてイオン注入を行うものであるが、かかる構成に限られるものではない。例えば、処理対象基板を円弧状に運動させて、あるいは円盤上に載置して回転運動させてイオンビームを照射させる方式でもよい。円弧状の運動や回転運動の場合、回転半径が場所で異なるため、処理基板の各位置はイオンビームに対して移動する。したがって、均一なイオン注入を行うためには、処理基板の各位置の移動を考慮して、イオンビームの電流密度分布を調整する必要がある。
(計測部)
計測部80は、処理対象基板70の配置位置の下流側に設けられる。計測部80は、ビーム幅の方向に、イオンビーム20のビーム幅よりも広い範囲に設けられた複数のファラデーカップ81を備える。イオンビーム20を受ける面のビーム厚さ方向の各ファラデーカップ81の長さは、イオンビーム20のビーム厚さに比べて長くなっている。そして、イオンビーム20のビーム厚さ方向に沿った電流密度の積分値を計測する。
また、ビーム幅方向には、ファラデーカップ81が隣接して複数並んでいる。したがって、ビーム幅方向では、電流密度のビーム厚さ方向の積分値がファラデーカップ81の位置毎に離散的に計測される。
ファラデーカップ81は、イオン粒子を受けるカップ部分と、不図示の2次電子捕捉機構とを有する。2次電子捕捉機構は、ファラデーカップ81の内面にイオン粒子が衝突することにより発生した2次電子が、ファラデーカップ81の外へ漏れるのを防止する捕捉機構である。2次電子がファラデーカップ81の外に漏れると、電流密度の計測に誤差を与えるためである。2次電子捕捉機構は、磁場を用いた捕捉機能の他、電場を用いた捕捉機能を用いてもよい。
ファラデーカップ81の個数は、必要に応じて増やすことができる。計測精度を上げる場合、個数を増やすことが好ましい。なお、イオンビーム調整部40の電磁極41の設置個数とファラデーカップ81の設置個数とは無関係である。
電流密度の数%のばらつきを精度良く計測するには、ファラデーカップ81の設置個数は100個程度であることが好ましいが、20〜40個程度でも電流密度分布からイオンビーム20の調整を精度良く行うことができる。ファラデーカップ81のそれぞれは、制御部90の計測器91と接続され、各ファラデーカップ81で計測された電流密度の積分値は計測器91に送られる。
なお、ファラデーカップ81は、図2に示されるように、複数個並べる形態に限られるものではない。例えば、単一のファラデーカップをイオンビーム20のビーム幅方向に、イオンビームの端24から端25まで横断するように移動させ、位置と電流密度を対として計測する構成としてもよい。この方法では、ファラデーカップを1つ用いるだけで精度良く計測することができる。
(制御部)
制御部90は、計測器91と、制御器92と、上限値設定部93と、電源94と、を備える。計測器91は、各ファラデーカップ81から送られた計測データを用いて、電流密度分布を算出する。制御器92は、得られた電流密度分布に応じて、イオンビーム20を屈曲する大きさを示す制御信号を出力する。具体的には、制御器92は、得られた電流密度分布に応じて、どの電磁石41のコイル43に電流を流すか、電流値とともに決定する。
上限値設定部93は、予め設定されている関数を用いて、制御器92が出力する制御信号の上限値を設定する。制御信号の上限値を設定するための関数は、イオンビームのエネルギー、イオン種、イオンの質量、イオンビームの電流、イオンビーム調整部40から処理対象基板70までの距離のうち、少なくとも一つを変数に持つ。そのため、制御信号の上限値は、不図示の入力装置により入力されるイオンビーム20のエネルギー、イオン種、イオンの質量、イオンビームの電流、イオンビーム調整部40から処理対象基板70までの距離などにより設定される。制御信号の上限値を設定するための関数の詳細は、後述する。
ここで、制御器92が制御信号を求める方法の一例を説明する。まず、全ての電磁石41の電流を0とした状態で、イオンビーム20の電流密度分布を計測部80により計測する。次に、イオンビームの端24,25から離れ、単一又は相互に十分に離れた複数の電磁石41(例えば、イオンビーム21と端24との中間、イオンビーム21と端25との中間に位置する電磁石)に電流を流し、計測部80により電流密度分布を計測する。そして、電磁石41に電流を流した場合と流さなかった場合との電流密度分布の差から、電磁石41とイオンビーム20の電流密度分布の関係を定量的に求め、制御部90内に設けられた不図示の記憶部に記憶する。
制御器92は、最急降下法、アニール法、遺伝的探索法など、多入力一出力系の最適化問題の解法を用いたシミュレータを備え、このシミュレータを用いて、各電磁石41に流すべき電流の大きさを算出する。そのシミュレーションの過程において、制御器92は上限値設定部93により設定された上限値を参照し、各々の電磁石41に流れる電流値が上限値を超えないように、各電磁石41に流すべき電流の大きさを算出する。
そして、制御器92は、シミュレーションにより求めた制御信号を、電源94に出力する。
電源94は、上限値設定部93から出力された信号に基づいて、電磁石41の各々に電流を供給する。これにより、イオンビーム20中の電磁石41に対応する位置において、イオンビーム20を磁場によって局所的に屈曲し、電流密度分布を調整することができる。
ここで、制御信号の上限値を設定するための関数について、以下に説明する。
計測器91が算出した電流密度分布に基づいてイオンビーム20を屈曲するためには、電磁石41による磁場が大きい方が好ましい。しかし、前述したように、電磁石41による磁場が大きくなると、低速電子の密度が空間的に不均一になる。
一般に、イオンビーム20の質量が軽い場合は、質量が重い場合に比べて、中和効果が場所によって変化し、すなわち不均一となり、この中和効果の不均一性がイオンビーム20の電流密度分布に与える影響が大きくなる。これは、イオンビーム20の質量が軽い場合、低速電子により発生する電場の勾配により、イオンビームは屈曲されやすくなるためである。
そこで、制御信号の上限値を設定するための関数は、イオンビーム20の質量が軽くなる程、制御信号の上限値が低くなるような関数とする。そのため、上限値設定部93は、イオンビーム20の質量が軽くなる程、制御信号の上限値が低くなるように、制御信号の上限値を設定する。
また、イオンビーム20のイオン電流が同一の条件において、イオンビーム20のエネルギーが低い場合は、エネルギーが高い場合に比べて、中和効果の不均一性が電流密度分布に与える影響が大きくなる。これは、イオン電流が同一の条件では、イオンビーム20のエネルギーが低いほど単位体積当たりのイオン数が多いため、中和効果の不均一性がわずかなものであっても、多くのイオンがその影響を受けるためである。
そこで、制御信号の上限値を設定するための関数は、イオンビーム20のエネルギーが低くなる程、制御信号の上限値が低くなるような関数とする。そのため、上限値設定部93は、イオンビーム20のエネルギーが低くなる程、制御信号の上限値が低くなるように、制御信号の上限値を設定する。
また、同様の理由により、イオンビーム20のエネルギーが同一の条件では、イオンビーム20のイオン電流が大きい場合は、イオン電流が小さい場合に比べて、中和効果の不均一性が電流密度分布に与える影響が大きくなる。
そこで、制御信号の上限値を設定するための関数は、イオンビーム20のイオン電流が大きくなる程、制御信号の上限値が低くなるような関数とする。そのため、上限値設定部93は、イオンビーム20のイオン電流が大きくなる程、制御信号の上限値が低くなるように、制御信号の上限値を設定する。
また、イオンビーム20のイオン種、エネルギー、イオン電流が同一の条件では、イオンビーム調整部40から処理対象基板70までの距離が長い場合は、距離が短い場合に比べて、中和効果の不均一性が電流密度分布に与える影響が大きくなる。これは、イオンビーム調整部40から処理対象基板70までの距離が長い場合は、中和効果の不均一性により、所望の方向とわずかに異なる方向にイオンビーム20が屈曲された場合であっても、処理対象基板70の到達位置のずれが大きくなるためである。
そこで、制御信号の上限値を設定するための関数は、イオンビーム調整部40から処理対象基板70までの距離が長くなる程、制御信号の上限値が低くなるような関数とする。そのため、上限値設定部93は、イオンビーム調整部40から処理対象基板70までの距離が長くなる程、制御信号の上限値が低くなるように、制御信号の上限値を設定する。
このようにして、中和効果の不均一性が電流密度分布に大きな影響を与えやすい条件である場合、上限値設定部93は、イオンビーム20のエネルギー、イオン種、イオンの質量、イオンビームの電流、イオンビーム調整部40から処理対象基板70までの距離のうち、少なくとも一つの情報を用いて、中和効果の不均一性が電流密度分布に与える影響が小さくなるように、制御信号の上限値を設定する。
イオンビーム20を局所的に屈曲して電流密度分布を調整する場合、経験的に、イオンビーム20を屈曲する角度は3度以下であることが好ましい。そのため、上限値設定部93は、イオンビーム20を屈曲する角度が3度以下となるように、制御信号の上限値を設定することが好ましい。
さらに、イオンビーム20を屈曲する角度が1度以下であることがより好ましい。そのため、上限値設定部93は、イオンビーム20を屈曲する角度が1度以下となるように、制御信号の上限値を設定することが好ましい。
そこで、制御信号の上限値を設定するための関数は、イオンビーム20を屈曲する角度の上限値を変数として持つものでもよい。
また、制御信号の上限値を設定するための関数は、数式であってもよいし、予め設けられた参照テーブルであってもよい。
本実施形態では、イオンビーム20の幅(端24〜25間の長さ)を500mm、イオンビーム20の幅の中に設けられる電磁石41を15個とする。この場合、1つの電磁石41の影響を受けるイオンビームの幅は33mm程度である。また、磁極42の大きさを10mm×300mmとする。このように、イオンビーム調整部40の設計値や屈曲角度の上限(例えば、3度)などが決まれば、電磁石41の各々に供給し得る電流の最大値を求めることが可能となる。
このように、本実施形態では、イオンビーム20のエネルギーやイオンの質量、イオンビームの電流の大きさのうち少なくとも一つに応じて、イオンビーム20を屈曲する大きさを表す制御信号に上限値を設定するので、低速電子の中和効果の均一性も保たれる。
なお、従来の多極レンズの装置上の特性による制限に対して、更に上限値を設定し、制御信号に制限を加えるが、電磁石41に与える電流の分布を調整することで、イオンビーム20の電流密度分布の調整を十分に行うことができる。
以下、イオンビーム20のエネルギー、イオン種、イオンの質量、イオンビームの電流などの条件と、制御信号の上限値との例を説明する。
(例1)
上記イオン注入装置において、イオンビーム20としてホウ素(元素記号B,質量数11)を用い、イオン電流を5mAとする。イオンビームのエネルギーが20keVよりも高ければ、電流密度分布の不均一性は小さいため、制御信号の上限値を設ける必要はない。しかし、イオンビームのエネルギーが20keV以下になると、電流密度分布の不均一性が次第に大きくなる。そのため、イオンビームのエネルギーが20keV以下のとき、上限値設定部93により制御信号の上限値を設定する。
このように、イオンビームを構成するイオンの質量数が11、イオンビームのエネルギーが20keV以下であるときに、上限値設定部93が制御信号の上限値を設定することで、電流密度分布の不均一性を小さくすることができる。
(例2)
上記イオン注入装置において、イオンビーム20としてリン(元素記号P、質量数31)を用い、イオン電流を5mAとする。イオンビームのエネルギーが10keVよりも高ければ、電流密度分布の不均一性は小さいため、制御信号の上限値を設ける必要はない。しかし、イオンビームのエネルギーが10keV以下になると、電流密度分布の不均一性が次第に大きくなる。そのため、イオンビームのエネルギーが10keV以下のとき、上限値設定部93により制御信号の上限値を設定する。
このように、イオンビームを構成するイオンの質量数が31、イオンビームのエネルギーが10keV以下であるときに、上限値設定部93が制御信号の上限値を設定することで、電流密度分布の不均一性を小さくすることができる。
なお、リン(P)を用いた例2の方が、ホウ素(B)を用いた例1よりも低いエネルギーにおいて、電流密度分布の不均一性が大きくなるのは、リン(P)の質量数がホウ素(B)の質量数よりも大きいためである。
以上説明したように、制御部90が、上限値以下の大きさの制御信号を出力する構成とすることにより、電流密度分布の均一性が高いイオンビームを照射することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態のイオン注入装置について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のイオン注入装置を示す平面図である。
本実施形態のイオン注入装置は、イオンビーム調整部40を複数有している。すなわち、図3に示すように、質量分離マグネット30の下流側に2つのイオンビーム調整部40を有している。また、制御部90は、2つのイオンビーム調整部40の電磁石41に電流を流すために電源94を2つ有している。その他の構成については、第1の実施形態と同様である。
このように、イオンビーム調整部40を複数有する構成とすることで、1つのイオンビーム調整部40における電流密度分布の調整強度が不足する場合であっても、十分に電流密度分布を調整することができる。
この場合、複数のイオンビーム調整部40の磁場が互いに重複しないように、複数のイオンビーム調整部40を離して設置することが好ましい。また、一方のイオンビーム調整部40により影響を受けた低速電子の密度分布が十分に緩和される程度に、複数のイオンビーム調整部40を離して設置することが好ましい。さらに、本実施形態のイオン注入装置は、必要に応じて3つ以上のイオンビーム調整部40を有するものであってもよい。
また、複数のイオンビーム調整部40は質量分離マグネット30の下流側に必ずしも設置される必要はなく、イオンビーム調整部40が質量分離マグネット30の上流側に設けられてもよい。
図3に示した例では、2つのイオンビーム調整部40の一方は、分離スリット50の上流側に設けられており、イオンビーム調整部40の他方は、分離スリット50の下流側に設けられている。このため、イオンビームのビーム厚さが小さい領域でイオンビームを調整することができ、電流密度のばらつきを低減することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、制御器92は、上限値設定部93が設定する制御信号の上限値と無関係にシミュレーションを行い、各電磁石41に流すべき電流の大きさを算出する。制御器92が算出した制御信号が上限値を超えている場合、上限値設定部93は、上限値を超えた制御信号を上限値に置き換える。上限値を超えた制御信号を上限値に置き換えられた信号は、制御器92から電源94に出力される。
また、本実施形態では、上限値設定部93を電源94とイオンビーム調整部40との間に設けてもよい。この場合、上限値設定部93は、可変抵抗などにより、電源94から出力された電流が一定値以上流れないような構成とすることで、上限値を超えた制御信号は上限値に置き換えられる。
このように、上限値設定部93が、上限値を超えた制御信号を上限値に置き換えて出力する構成とすることにより、簡易な構成で、中和効果の不均一性を抑制することができる。
10 イオン源
20,21 イオンビーム
22,23,24,25 イオンビームの端
30 質量分離マグネット
31 コイル
32 磁極
33 ヨーク部
40 イオンビーム調整部
41 電磁石
42 磁極
43 コイル
44 ヨーク部
50 分離スリット
60 焦点
70 処理対象基板
80 計測部
81 ファラデーカップ
90 制御部
91 計測器
92 制御器
93 上限値設定部
94 電源

Claims (12)

  1. 処理対象基板にイオンビームを照射してイオン注入するイオン注入装置であって、
    断面形状が帯状であるイオンビームの幅方向の電流密度分布を計測する計測部と、
    前記幅方向に前記イオンビームを屈曲するレンズ手段を複数備え、該幅方向に沿ったイオンビームの電流密度分布を調整するイオンビーム調整部と、
    前記計測部が計測した電流密度分布に応じて、前記イオンビームを屈曲する大きさを示す制御信号を、前記レンズ手段の各々に出力する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記イオンビームのエネルギー、該イオンビームを構成するイオンの質量、該イオンビームの電流のうち少なくとも一つに応じて前記制御信号の大きさの上限値を設定する上限値設定部を有し、該上限値以下の大きさの制御信号を出力することを特徴とするイオン注入装置。
  2. 前記イオンビームのエネルギーが予め設定された値以下のとき、前記上限値設定部が前記制御信号の大きさの上限値を設定する、請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 前記イオンビームのエネルギーが20keV以下である、請求項1又は2に記載のイオン注入装置。
  4. 前記上限値設定部は、前記レンズ手段が前記イオンビームを屈曲する角度が3度以下となるように、前記制御信号の上限値を設定する、請求項1乃至3のいずれかに記載のイオン注入装置。
  5. 前記イオンビーム調整部を複数有する、請求項1乃至4のいずれかに記載のイオン注入装置。
  6. 所定の質量と電荷を有するイオンビームのみが通過する分離スリットを備え、
    前記分離スリットの上流側と下流側に、前記イオンビーム調整部が設けられる、前記請求項5に記載のイオン注入装置。
  7. 処理対象基板にイオン注入するために照射するイオンビームの調整方法であって、
    断面形状が帯状であるイオンビームを照射する工程と、
    前記イオンビームの幅方向の電流密度分布を計測する工程と、
    前記幅方向に沿ったイオンビームの電流密度分布を調整する工程と、
    前記計測部が計測した電流密度分布に応じて、前記イオンビームを屈曲する大きさを示す制御信号を出力する工程と、
    前記イオンビームのエネルギー、該イオンビームを構成するイオンの質量、該イオンビームの電流のうち少なくとも一つに応じて前記制御信号の上限値を設定する工程と、
    前記上限値以下の大きさの制御信号を出力する工程と、
    を有することを特徴とするイオンビームの調整方法。
  8. 前記イオンビームのエネルギーが予め設定された値以下のとき、前記上限値以下の大きさの制御信号を出力する、請求項7に記載のイオンビームの調整方法。
  9. 前記イオンビームを照射する工程は、エネルギーが20keV以下のイオンビームを照射する、請求項7又は8に記載のイオンビームの調整方法。
  10. 前記制御信号の上限値を設定する工程は、前記イオンビームを屈曲する角度が3度以下となるように該上限値を設定する、請求項7乃至9のいずれかに記載のイオンビームの調整方法。
  11. 前記電流密度分布を調整する工程を複数有する、請求項7乃至10のいずれかに記載のイオンビームの調整方法。
  12. 前記電流密度分布を調整する工程の後に、所定の質量と電荷を有するイオンビームのみを分離する分離工程を有し、
    前記分離工程の後に、前記電流密度分布を調整する工程を有する、請求項11に記載のイオンビームの調整方法。
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