JP4288288B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4288288B2
JP4288288B2 JP2007086525A JP2007086525A JP4288288B2 JP 4288288 B2 JP4288288 B2 JP 4288288B2 JP 2007086525 A JP2007086525 A JP 2007086525A JP 2007086525 A JP2007086525 A JP 2007086525A JP 4288288 B2 JP4288288 B2 JP 4288288B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion beam
band
ion
current density
shaped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007086525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008243765A (ja
Inventor
辻  康之
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Holdings Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd, Mitsui E&S Holdings Co Ltd filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2007086525A priority Critical patent/JP4288288B2/ja
Priority to TW097111420A priority patent/TWI371055B/zh
Priority to CN2008800043315A priority patent/CN101606217B/zh
Priority to PCT/JP2008/056106 priority patent/WO2008123421A1/ja
Priority to KR1020097016138A priority patent/KR101071581B1/ko
Publication of JP2008243765A publication Critical patent/JP2008243765A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4288288B2 publication Critical patent/JP4288288B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/26Bombardment with radiation
    • H01L21/263Bombardment with radiation with high-energy radiation
    • H01L21/265Bombardment with radiation with high-energy radiation producing ion implantation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/317Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation
    • H01J37/3171Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation for ion implantation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/147Arrangements for directing or deflecting the discharge along a desired path
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/304Controlling tubes by information coming from the objects or from the beam, e.g. correction signals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/245Detection characterised by the variable being measured
    • H01J2237/24507Intensity, dose or other characteristics of particle beams or electromagnetic radiation
    • H01J2237/24514Beam diagnostics including control of the parameter or property diagnosed
    • H01J2237/24542Beam profile

Description

本発明は、処理対象基板に帯状イオンビームを照射してイオン注入を行うイオン注入装置に関する。
今日、液晶方式や有機LEDを用いた平面型表示装置に用いるガラス基板や半導体基板に対してイオン注入装置を用いてイオン注入を行う処理が盛んに行われている。特に、大型の基板に対して効率よく正確にイオン注入を行うには、基板の横幅に対して照射するイオンビームの横幅が広く、電流密度分布が所望の分布に制御された帯状イオンビームを用いることが求められている。
イオンビームのビーム幅を基板の幅よりも広くした帯状のイオンビームを用いることにより、基板の幅方向の領域を一度に処理することができ、このとき、基板の幅方向と直交する方向に移動させることにより、基板全体を一度にイオン注入することが可能となり、効率があがる。
一方、帯状イオンビームは、基板の幅方向の同じ位置を、幅方向と直交する方向に処理するので、この帯状イオンビームの電流密度分布が幅方向で均一でない場合、基板上で不均一にイオン注入された部分が線状になって現れ、正確なイオン注入処理が行えない。このため、帯状イオンビームは、所望の電流密度分布になるように、正確に調整することが望まれている。
下記特許文献1には、上述したように、帯状イオンビームを整形し、被照射体である試料をイオンビームに対して移動することによりイオンビームを試料に対して走査するイオン注入装置が記載されている。当該装置では、縦長の帯状イオンビームをイオン源にて生成し、このイオン源から生成された帯状イオンビームを質量分析磁石の通路を通過させ、この後、所望の範囲の質量数をもつイオン種だけを通過させそれ以外の質量数のイオン種を遮断するスリットを通過したイオンビームを試料に照射させてイオン注入を行う。その際、帯状イオンビームの幅の広い長手方向と直交する方向に試料を移動させて、試料のイオン注入を行う。
又、イオンビームの分布を調べるための位置検出器が設けられている。
同様に、下記特許文献2には、以下のようなイオン注入装置が記載されている。すなわち、当該装置では、磁気シールドしたイオン源において縦長断面の大面積イオンビームを発生させ、ウインドウ・フレーム型のマグネットによりイオンビームを短辺方向に90度近くの大きい中心角をなすように一様に曲げ、縦長開口を持つスリット板を通して不要イオンをのぞき、ビーム短辺方向に並進運動する試料にイオンビームを照射する。
さらに、下記特許文献3には、以下のようなイオン注入装置が記載されている。すなわち、当該装置では、イオン源から、所望のイオン種を含み基板の短辺幅よりも幅の広いシート状のイオンビームを発生させ、質量分離マグネットにより、シート状のイオンビームをそのシート面に直交する方向に曲げて所望のイオン種を選別して導出し、その際、分離スリットを用いて、質量分離マグネットと協働して所望のイオン種を選別して通過させる。この後、分離スリットを通過したイオンビームの照射領域内で、基板を、イオンビームのシート面に実質的に直交する方向に往復駆動させて、イオン注入を行う。
特開平10−302706号公報 特開平11−126576公報 特開2005−327713号公報
しかし、上記特許文献1〜3において、特許文献1に記載される帯状イオンビームの分布を調べる位置検出器を用いてこのイオンビームの電流密度分布を測定し、その結果に応じて帯状イオンビームの電流密度分布を調整しても必ずしも精度の良い調整ができないといった問題があった。
すなわち、上記調整は、帯状イオンビームの一部分を帯状イオンビームの面内で小さく曲げて電流密度の低い部分の電流密度を補うことにより行われる。帯状イオンビームの一部分を帯状イオンビームの面内で曲げるには、上記イオンビームの一部分の領域に、電場又は磁場を用いて行う。このとき、例えば電場の場合、帯状イオンビームの面内の方向で電場は勾配を持ち、磁場の場合帯状イオンビームの面に対して垂直方向の磁場成分を磁場が持つことが必要である。しかし、このときの帯状イオンビームは厚さを持ち、しかも電場及び磁場が3次元的に分布するため、上記曲げに必要でない電場や磁場の成分の影響を受けて帯状イオンビームの厚さは不均一になる。このため、所望のイオン種の選別を分離スリットで行うときの選別性能を低下させ、さらには、曲げようとする帯状イオンビームの前記一部分のみを誤って分離スリットが取り除くことで、処理対象基板である試料に対して不均一な電流密度分布のイオンビームでイオン注入をすることになる。このように、帯状イオンビームの一部分を精度高く所望の方向に小さく曲げることができない。
近年、イオン注入の際、イオンビームの注入角度の制御や温度管理が一層必要となっているが、上記帯状イオンビームの厚さの不均一は、この管理をも一層困難なものとしている。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、帯状イオンビームの一部分を帯状イオンビームの面内で小さく曲げて電流密度分布を精度よく調整する、例えば、電流密度分布を精度良く均一に調整することのできるイオン注入装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、処理対象基板に、この処理対象基板の横幅よりも広いビーム幅を有する帯状イオンビームを照射してイオン注入をするイオン注入装置であって、イオンビームを生成するイオン源を備え、生成したイオンビームを帯状イオンビームに整形するビーム整形部と、前記帯状イオンビームを処理対象基板に照射する処理部と、前記帯状イオンビームの前記ビーム幅の方向と直交する帯状イオンビームの厚さ方向に曲率を持つように前記帯状イオンビームの進行方向を曲げる質量分離マグネットと、前記帯状イオンビームの前記ビームの厚さ方向における電流密度の合計値を前記ビーム幅の方向の分布で表した前記帯状イオンビームの電流密度分布を調整する調整ユニットとを備え、前記帯状イオンビームの前記厚さ方向の厚さを薄くして前記帯状イオンビームを収束させた後、前記帯状イオンビームを前記処理部へ進ませるビーム輸送部と、を有し、
前記帯状イオンビームの前記厚さが、所定の領域で前記帯状イオンビームの電流密度分布を調整するように、前記調整ユニットが配置され、
前記所定の領域は、前記帯状イオンビームの収束位置、あるいは、前記帯状イオンビームの収束位置より、帯状イオンビームの下流側の、前記質量分離マグネットを通過するときの前記帯状イオンビームの前記厚さに比べて薄くなっている領域であることを特徴とするイオン注入装置を提供する。
その際、前記質量分離マグネットは、前記帯状イオンビームを前記厚さ方向において収束させ、この収束する位置に所定のイオン粒子を通過させる分離スリットが設けられ、前記調整ユニットは、前記分離スリットの位置と重なる位置に又は帯状イオンビームの下流側の前記分離スリットの位置と隣接する位置に設けられることが好ましい。
又、前記調整ユニットは、前記帯状イオンビームの前記厚さ方向の両側に対を成して、前記幅方向に沿って複数の対が設けられた磁石で構成され、前記分離スリットは非磁性体で構成されていることが好ましい。
あるいは、前記調整ユニットは、前記帯状イオンビームの前記厚さ方向の両側に対を成して、前記幅方向に沿って複数の対が設けられた電極で構成され、前記分離スリットの位置に隣接して設けられ、前記調整ユニットは、隣接する前記分離スリットの側には、前記電極により形成される電場を遮蔽する電場シールドを備えることも同様に好ましい。
又、前記ビーム整形部は、前記帯状イオンビームを生成するイオン源を複数備え、かつこれらのイオン源から生成される帯状イオンビームを前記イオンビームの厚さ方向において一点で収束するように前記複数のイオン源を配置しており、前記調整ユニットは、前記所定の領域で、前記イオンビームの電流密度分布を調整するように、前記調整ユニットが配置されている形態も好ましい。

本発明のイオン注入装置では、帯状イオンビームの厚さ方向の厚さを薄くして帯状イオンビームを収束させた後、帯状イオンビームを処理対象基板に照射させる。このとき、帯状イオンビームの厚さが、質量分離マグネットを通過する帯状イオンビームの厚さに比べて薄くなっている、イオンビームの収束位置近傍の領域で、調整ユニットは、イオンビームの電流密度分布を調整する。このため、厚さの薄くなった帯状イオンビームに対して作用する磁場成分や電場成分は、イオンビームの厚さ方向で略一定の値を持ち、しかも、その値は、帯状イオンビームのビーム厚さ方向の中心位置における値に近い。このため、帯状イオンビーム中のビーム厚さ方向の各部分は一定の磁場の作用を受けて同じ方向に同じ角度で曲げられる。このため、精度の高いイオンビームの電流密度分布、例えば均一な電流密度分布の調整ができる。又、イオンビームの厚さが薄くなっている領域でイオンビームの電流密度分布の調整を行うので、イオンビームの曲げに必要でない電場や磁場の成分が小さい。このため、帯状イオンビームの厚さの不均一さは、従来に比べて低下する。
以下、本発明のイオン注入装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
図1は、本発明のイオン注入装置の一実施形態であるイオン注入装置10の平面図である。図2は、イオン注入装置10の側面図である。
イオン注入装置10は、イオンビームの上流側から順に、イオン源を備えるビーム整形部20と、質量分離マグネット及び調整ユニットを備えるビーム輸送部30と、処理対象基板(以降、処理基板という)にイオン注入する処理部60と、制御部80と、を有する。ビーム整形部20、ビーム輸送部30及び処理部60は、図示されない真空ハウジングに囲まれて、真空ポンプにより一定の真空度(10-5〜10-3Pa)を維持するようになっている。
本発明では、イオン源から処理基板に向かって進むイオンビームの流れに基づいて、イオン源の側を上流側といい、処理基板の側を下流側という。
ビーム整形部20は、小型のイオン源22を有する。イオン源22は、イオンビームを生成する部分で、バーナス型又はフリーマン型のプラズマ発生機が用いられ、小型のイオン源22からイオンビームが発散するように引き出される。バーナス型イオン源では、金属チャンバー内にフィラメントと反射板を備え、その外側に磁石を備える。このイオン源22の真空中の金属チャンバー内にイオン注入に用いる原子を含んだガスを供給し、フィラメントに電流を流して熱電子を放出して、金属チャンバーの両側に設けられた反射板間を往復させる。この状態で、金属チャンバーに所定のアーク電圧を印加することによりアーク放電を生じさせ、これにより金属チャンバー内に供給されたガスを電離させて、プラズマを生成する。この生成したプラズマを金属チャンバーの側壁に設けられた取り出し孔から、引き出し電極を用いてプラズマを引き出すことにより、金属チャンバーからイオンビーム24が放射される。
本実施形態のイオン源22は、小型のイオン源を用いて発散するイオンビームを生成する。本発明では、小型のイオン源の他に、大型のイオン源から略一定なビーム幅を有する略平行な帯状のイオンビームを生成するように構成してもよい。又、複数のイオン源によりイオンビームを生成してもよい。
生成されたイオンビーム24は、イオンビームの端近傍の電流密度の低い領域からイオンビームの主領域となる電流密度の高い領域まで位置により電流密度は連続的に変化するので、本来その境界は明確ではない。しかし、本発明では、+イオンビームの端近傍の電流密度が所定の値を超えた部分をイオンビームの端として、イオンビーム24のラインを定めている。
イオン源22から生成されるイオンビームは、図2に示すようにイオンビームの端25a,25bで発散する一方、図1に示すようにイオンビームの端25c,25dでも発散するが、イオンビームの端25c,25dでの発散の程度は低い。このようなイオンビームの発散の程度の違いは、イオン源22の取り出し孔の形状及び引き出し電極の構成によって定めることができる。
こうして生成されるイオンビームの断面形状は、イオンビームの端25c,25d間の長さであるビーム厚さが、イオンビームの端25a,25b間の長さであるビーム幅に比べて小さい形状、すなわち帯状を成す。このイオンビームのビーム幅は、処理基板の横幅よりも広いビーム幅を有するように整形される。
なお、イオンビームは、正の電荷を持つ粒子の流れであるため、図1に示すように、処理部70に到達する帯状のイオンビームの端25c,25dはイオンビームの電荷による斥力の作用により発散を示している。しかし、本発明においては、この様な発散するイオンビームであれ、収束するイオンビームであれ、本発明において適用可能である。
イオン源22にて生成されたイオンビーム24は、帯状となってビーム輸送部30に進む。
ビーム輸送部30は、質量分離マグネット32、レンズ要素40及び分離スリット50を有する。ビーム輸送部30は、イオンビーム24のビーム厚さ方向(図1における端25c〜25d間の厚さ方向)の厚さを薄くしてイオンビーム24を収束させた後、イオンビーム24を処理部60の処理基板に照射させるように構成されている。
質量分離マグネット32は、ヨーク34で形成された角型の筒構造の内側に、図2に示すように、一対の磁極36を向かい合わせに設置し、磁極36の周囲にコイル38を巻いて構成される電磁石である。一対の磁極36の作る磁場は同じ方向となるように直列にコイル38は接続され、図示されない電源に接続されて電流が供給される。
イオンビーム24は、図1に示すイオンビームの端25c,25dの軌道からわかるように、僅かに拡散するイオンビーム24となって質量マグネット32に入射される。このイオンビーム24は、一対の磁極36の間を通過し、帯状のイオンビームの厚さ方向に曲率を持つようにイオンビーム24の進行方向は曲げられ、後述する分離スリットの位置で収束するように整形される。
一対の磁極36間の内側に向く面は、部分的に傾斜させ又その傾斜位置を変更して調整することにより、曲率の異なる円柱面の連続する面あるいはトーラス面等の複雑な連続曲面で構成されている。又磁極36の一部を稼動するように構成し、イオンビーム24に対する両側の磁極端面37の成す角度は調整されている。なお、質量分離マグネット32には、ヨーク34からイオンビーム24の側にコイル38を越えて延びるフィールドクランプを設けてもよい。又、コイル38の形状を調整して所望のイオンビーム形状となるように構成してもよい。
質量分離マグネット32を通過したイオンビーム24は、イオン源22のプラズマ密度及び図示されない引き出し電極及び質量分離マグネット32の磁場の影響下で、電流密度のばらつきが一定以下、例えば5%以下となるように、プラズマ密度及び引き出し電極の電圧及び質量分離マグネット32の磁場が調整されている。このイオンビーム24は、後述するレンズ要素40によって電流密度のばらつきが1%程度にまで低減される。
ここで、イオンビームの電流密度とは、イオンビーム24の厚さ方向、すなわち、イオンビームの端25c,25d間の長さの方向であるビーム厚さ方向に沿って電流密度を積分した積分値、すなわち合計した合計値である。電流密度のばらつきとは、電流密度のビーム幅方向(図2における端25a〜25b間の長さ方向)の分布である電流密度分布が目標とする分布(例えば均一な分布)に対するずれ幅の標準偏差の程度をいい、より具体的には、ばらつき1%以下とは、ずれ幅の標準偏差の、平均電流密度の値に対する比が1%以下であることをいう。
なお、本発明では、電流密度分布は均一な分布の他に、不均一な所望の分布であってもよい。例えば、処理基板62上にCVD法等により形成した薄膜の不均一や熱処理の不均一に合せて、意図的にイオン注入量を場所に応じて変えるために、電流密度分布を目標とする不均一な分布になるように調整する場合もある。
レンズ要素40は、帯状のイオンビーム24の一部分を、この帯状のイオンビーム24の面内でビーム幅の方向に曲げて、イオンビーム24のビーム幅方向における電流密度分布を調整する調整ユニットである。レンズ要素40は、イオンビーム24の厚さが、質量分離マグネット32を通過するイオンビーム24の厚さに比べて薄くなっている、イオンビームの収束位置52近傍の領域に配置されており、この領域でイオンビーム24の電流密度分布を調整する。
レンズ要素40は、イオンビーム24を挟んだ両側のヨーク42に、電磁石44が対を成し、かつ、イオンビーム24のビーム幅方向に列を成して複数設けられている。これらの電磁石44は、帯状イオンビーム24のビーム厚さ方向の中心面を中心として両側の対称な位置に設けられている。電磁石44は、電磁軟鉄で作られた磁極46と磁極46の周りに巻きまわされたコイル48とで構成され、対を成す電磁石44の一方の電磁石44の作る磁場が他方の電磁石44に向くようにコイル48の線は、一対の電磁石44に対して直列に接続されている。このように、対向する対を成す電磁石44がヨーク42の上に、ビーム幅全体を横断するように複数組設けられる。電磁石44の対の個数は10〜20程度である。
なお、図1及び2に示すレンズ要素40は一例であり、これに限定するものではない。イオンビーム24は、イオン源22およびイオン源22の図示されない引き出し電極、さらに質量分離マグネット32により、所定の電流密度分布に近くなるようにある程度調整されているので、レンズ要素40による調整も緩やかな調整でよい。このため、レンズ要素40による磁場の生成も穏やかなものでよい。
又、レンズ要素40は、磁場を用いて調整する他、後述するように電場を用いてイオンビーム24の調整を行うこともできる。しかし、以下の点から、レンズ要素40は磁場を用いたものが好ましい。すなわち、イオンビーム24の周りを雲状に取り囲み低速で不揃いに運動する電子が、イオンビーム24中の正の電荷同士の斥力によってイオンビーム24自体が発散しようとする特性を抑制しているが、この電子に大きな影響を与えないようにするために、レンズ要素40は磁場を用いることが好ましい。
レンズ要素40の対を成す電磁石44の間には、分離スリット50が設けられている。分離スリット50は、図2では示されていないが、イオンビーム24の端25a,25bを横断するように細長い孔(スリット)が設けられた非磁性体部材で構成されている。質量分離マグネット32にて曲げられたイオンビーム24は、質量分離マグネット32の下流側でビーム厚さ方向において収束位置52で収束するが、この収束位置52に分離スリット50は設けられ、所定の質量と電荷を有するイオン粒子のみを通過させるようになっている。すなわち、分離スリット50は、イオンビーム24がビーム厚さ方向において収束する収束位置52に設けられ、レンズ要素40は、分離スリット50と重なる位置に設けられている。
イオンビーム24のうち、所定の質量及び電荷を持たないイオン粒子は、収束位置で収束しないため、分離スリット50の壁面に衝突して下流側への移動が阻止される。このため、分離スリット50は、イオン粒子の衝突による摩耗に対して耐性を有する素材を用いることが必要であり、例えば、グラファイトが好適に用いられる。イオン粒子の衝突は、垂直に対して傾斜角度を持って壁面に衝突すると摩耗が激しいことから、分離スリット50は、イオン粒子が壁面に対して略垂直に衝突するような形状を備えることが好ましい。
分離スリット50では、イオン粒子の衝突の際、分離スリット5の材料の一部分がイオン粒子の衝突エネルギーを受けて粒子として物理的に飛散し、又熱による気化によりガスとなって飛散する。このとき、ビーム輸送部30は低圧の雰囲気となっているので、上記飛散は直線的に拡がる虞がある。このため、飛散した粒子やガス等の材料成分が下流側の処理基板に到達しないように、イオン粒子の衝突する部分が処理基板から見えないように分離スリット50の形状を定める必要がある。例えば図1に示すように、分離スリット50の上流側のイオン粒子が衝突する部分には、面積の広い衝突面を有する鍔54を設け、この鍔54により、飛散する材料成分が処理基板に到達することを阻止している。又、イオンビーム24の通過する分離スリット50の孔の内壁面には、この内壁面でイオン粒子が衝突しても、飛散する材料成分が直接処理基板に到達しないように、イオン粒子が衝突する面が処理基板より見通せない形状となっている。形状は、例えば、上流側に向かうのこぎり状の凹凸形状であることが好ましい。
分離スリット50は、レンズ要素40の作る磁場に影響を与えないように非磁性体であることが必要である。さらに、分離スリット50はレンズ要素40の位置に重なるように配置せず、分離スリット50とレンズ要素40とが隣接するように配置してもよい。
後述するように、レンズ要素40の替わりに電場を用いてイオンビーム24を調整するレンズ要素90を用いる場合、電場に影響を与えない材料の選定が困難であること、及び分離スリット50の表面に導電性の膜が堆積し電場に影響を与えることを考慮して、レンズ要素90は、分離スリット50と隣接するように配置することが好ましい。この場合、分離スリット50は、イオンビーム24の収束位置52に配置する必要があるので、レンズ要素90を分離スリット50に対して隣接するように配置する。
さらに、分離スリット50のイオンビーム24の厚さ方向のスリットの開口幅は、固定されたものでもよいが、可変調整できるものが好ましい。処理基板に注入すべきイオンの量に応じて、又純度の高いイオンの注入の必要性の有無に応じてスリットの開口幅を調整することができ、これによりイオン粒子の分離性能を適切に調整できる。又、収束位置52におけるイオンビーム24の厚さを10数mm程度に薄くする場合がある一方、イオンビーム24の軌道は、イオンの種類、イオンビームのエネルギー及びイオン粒子の電荷により影響されて常に一定ではない。このため、スリットの開口幅は、情況に応じて調整できることが好ましい。
分離スリット50にて不要なイオン粒子と分離され所定のイオン粒子のみで構成され、かつレンズ要素40にて電流密度分布の調整されたイオンビーム24は、ビーム厚さを拡げつつ、処理部60へ進む。
処理部60は、処理基板62を図1中の下側から上側に搬送しつつイオン注入を行う図示されない移動機構と、イオンビーム24の電流密度分布を計測するファラディカップ64とを有する。
処理基板62は、半導体ウエハあるいはガラス基板が例示される。イオンビーム24のビーム幅は、質量分離マグネット32による調整により、図2に示すように処理基板62の横幅に比べて広くなっている。
又、処理基板62に照射されるイオンビーム24は、図2に示すように下流側の処理基板62に進むに従って位置が低下するように図中下側に傾斜している。これは、処理基板62が図示されない基台によって、処理基板62の背面から重力を生かして保持され、かつ、イオンビーム24が処理基板62に対して垂直に入射させるためである。処理基板62を背面から保持するのは、イオンビームに曝される処理基板62の前面にクランプ治具等の保持機構を設けることはできないからである。
処理基板62がガラス板の場合、一辺が1m四方の正方形形状で厚さが0.5mmの板が多く、容易に撓み易い。さらに、ガラス板の前面には微細な回路素子等のための加工が施されているので、微細な塵や粒子が付着することを避けるために、クランプ等によって処理面の側から接触することもできない。したがって、図2に示すように、処理基板62を傾斜させ重力を利用して背面から保持することが好ましい。
処理基板62の配置位置の下流側には、ファラディカップ64が設けられている。ファラディカップ64は、ビーム幅の方向にイオンビーム24のビーム幅よりも広い範囲に複数個設けられている。各ファラディカップ64のイオンビーム24を受ける面のビーム厚さ方向の長さがイオンビーム24のビーム厚さに比べて長くなっており、イオンビーム24のビーム厚さ方向に沿った電流密度分布の合計値が一度に計測されるように構成されている。ビーム幅方向には、ファラディカップ64が隣接して複数並んでおり、したがって、ビーム幅方向では、電流密度の合計値がファラディカップ64の各位置毎に離散的に計測される。
ファラディカップ64は、イオン粒子を受けるカップ部分と、図示されない2次電子捕捉機構とを有する。2次電子捕捉機構は、ファラディカップ64内面にイオン粒子が衝突することにより発生した2次電子がファラディカップ64の外へ漏れるのを防止する捕捉機構である。2次電子がファラディカップ64の外に漏れると電流密度の計測に誤差を与えるからである。2次電子捕捉機構は、磁場を用いた捕捉機能のほか電場を用いた捕捉機能のいずれを用いてもよい。
ファラディカップ64の個数は必要に応じて増やせばよく、計測精度を上げる場合、個数を増やせばよく、レンズ要素40の電磁極44の設置個数と無関係である。電流密度の数%のばらつきを精度良く計測するには、ファラディカップ64の設置個数は100個程度であることが好ましいが、20〜40個程度でも電流密度分布からイオンビーム24の調整を精度良く行うことができる。
ファラディカップ64は、図1,2に示されるように複数個並べる形態の他に、単一のファラディカップをイオンビーム24のビーム幅方向に、端から端まで横断するように移動させて位置と電流密度を対として計測してもよい。この方法では、ファラディカップを1つ用いるだけで精度良く計測することができる。
本実施形態の処理部60は、処理基板62を上下方向に移動させてイオン注入を行うものであるが、本発明では、この他、処理基板を円弧状に運動させて、あるいは円盤上に載置して回転運動させてイオンビームを照射させる方式でもよい。円弧状の運動や回転運動の場合、回転半径が場所で異なるため、処理基板の各位置はイオンビームに対して移動する。したがって、均一なイオン注入を行うためには、処理基板の各位置の移動を考慮して、イオンビームの電流密度分布を調整する必要がある。
なお、図1,2に示すファラディカップ64のそれぞれは、制御部80中の計測器82と接続され、各ファラディカップ64で計測された電流密度の合計値は計測器82に送られる。
制御部80は、計測器82と、制御器84と、電源86とを有する。
計測器82は、各ファラディカップ64から送られたデータを用いて、電流密度分布を算出する部分である。得られた電流密度分布の結果は制御器84にて、どのレンズ要素40の電磁石44のコイル48に電流を流すか、電流値とともに決定する部分である。電流を流すべき電磁石44の位置とその電流値は、制御器84にて自動設定されるように構成してもよいし、操作者が手動で入力するようにしてもよい。又、電流密度分布のパターン毎に電流を流すべき電磁石44の位置とその電流値を定めた情報を、図示されないメモリに記憶しておき、この情報を逐次呼び出して設定するように構成してもよい。
電源部86は、制御器84で決定された電磁石44の位置と電流値に基づいて、対応する電磁石44に電流を供給する部分である。
これにより、電流を流すべき電磁石44の位置と電流値を決定し、その電磁石44に電流を流すことによって、イオンビーム24中の電磁石44に対応する位置において、イオン粒子の移動方向を磁場によって曲げ電流密度分布を調整することができる。
このようなイオン注入装置10では、イオン源22で生成されたイオンビーム24は、質量分離マグネット32においてビーム幅の拡がった帯状のイオンビーム24が整形され、この後、分離スリット50にて所定の質量及び電荷を有するイオン粒子からなるイオンビーム24のみが通過して処理部60に供給される。処理部60では、処理基板62にてイオン注入が行われるが、イオン注入前にファラディカップ64にてイオンビーム24の電流密度が計測され、計測器82にて電流密度分布が求められる。この電流密度分布が所望の分布でない場合、制御器84は、レンズ要素40のどの電磁石44に電流をどの程度流すか決定し、この決定に基づいて、電源86は電流を決定した電磁石44に供給する。
一方、レンズ要素40は、イオンビーム24の収束位置近傍に設けられているので、レンズ要素40を通過するイオンビーム24のビーム厚さは、質量分離マグネット32を通過するときのイオンビーム32のビーム厚さに比べて薄くなっている。このビーム厚さの薄くなっている収束位置52の近傍領域でレンズ要素40は磁場を作るので、厚さの薄くなったイオンビーム24に対して作用する磁場成分は、イオンビームの厚さ方向で略一定の値を持ち、しかも、その値は、イオンビーム24のビーム厚さ方向の中心位置における値に近い。このため、イオンビーム24中のビーム厚さ方向の各部分は一定の磁場の作用を受けて同じ方向に同じ角度で曲げられる。このため、精度の高いイオンビームの電流密度分布の調整ができる。
このように、本発明では、レンズ要素40が作る磁場に作用するイオンビーム24の厚さが薄くなっているので、ビーム幅方向に曲げる磁場の成分は、イオンビーム24中の厚さ方向の位置に関わらず一定に近く、イオンビーム24中のビーム幅方向の所望の位置のイオンビームを目標どおりに曲げることができる。したがって、イオンビーム24の電流密度分布を精度良く調整することができる。
なお、上記実施形態では、レンズ要素40は、電磁石44による磁場を用いたイオンビーム24の調整であるが、図3(a),(b)に示すように電場を用いたイオンビーム24の調整であってもよい。
図3(a)は、レンズ要素40の替わりに用いるレンズ要素90の平面図であり、図3(b)は、レンズ要素90の内部を説明する図である。
レンズ要素90は、イオンビーム24の収束位置52の下流側に設けられている。
本発明では、レンズ要素90は、上流側に位置する質量分離マグネット32を通過するイオンビーム24のビーム厚さに比べて薄くなっている、イオンビームの収束位置52の近傍の領域で、イオンビームの電流密度分布が調整されるように設けられていればよく、図3(a),(b)に示すように、分離スリット50の位置に隣接する位置に設けられている。
レンズ要素90は、絶縁導入端子93を介して真空ハウジング110の外側の端子92と内側のサポート94とが接続され、サポート94の先端側に電極91が設けられている。端子92は、図1に示す制御部80の電源86と接続されている。図3(b)に示すように、電極91、端子92、絶縁端子93、サポート94の組が、イオンビーム24の端25aから端25bまで、ビーム幅方向に複数個並んでいる。この電極91に対応するように、同一構造をした電極91がイオンビーム24を挟んだ反対側の対称な位置に、ビーム幅方向に複数個並んでいる。電極91の個数は、上述のレンズ要素40における電磁石44の対の個数と同様に10〜20程度である。
レンズ要素90の電極91には、DC電圧の同極の同電圧が印加され、電極91の間でイオンビーム24のビーム厚さ方向の中心面に対して線対称な電場が作られる。例えば、電極91に正の電圧が印加されることで、イオンビーム24は、電場を避けるように電場の両側に曲がることを利用してイオンビームの電流密度を調整する。
図3(a),(b)に示すように、レンズ要素90の上流側及び下流側には、真空ハウジング110からシールド電極95a,95bが立設している。シールド電極95a,95bは、電極91を中心として対称な位置に設けられており、レンズ要素90の作る電場が、レンズ要素90の領域以外でイオンビーム24に影響を与えないように、電場をシールドするものである。
分離スリット50の下流側の端面56の形状をシールド電極95aと同様の形状に加工して、真空ハウジング110の内面まで延ばすことにより、シールド電極95aと同様の機能を持たせることもできる。このとき、電極91を中心として分離スリット50の端面56の位置と対称な位置にシールド電極95bを設けることが好ましい。
さらに、本発明は、図4に示すイオン注入装置を構成してもよい。
図4に示すイオン注入装置100は、図1に示すイオン注入装置10と同様に、ビーム整形部20と、質量分離マグネット及び調整ユニットを備えるビーム輸送部30と、処理基板にイオン注入する処理部60と、制御部80と、を有する。ビーム整形部20、ビーム輸送部30及び処理部60は、図示されない真空ハウジングに囲まれて、真空ポンプにより一定の真空度(10-5〜10-3Pa)を維持するようになっている。
ビーム輸送部30は、質量分離マグネット32と、レンズ要素40と、分離スリット50と、を有し、処理部60は、処理基板62を図4中の下側から上側に搬送しつつイオン注入を行う図示されない移動機構と、イオンビーム24の電流密度分布を計測するファラディカップ74とを有する。レンズ要素40は、質量分離マグネット32の上流側に設けられている点のみが異なり、これ以外の各部分の構成は同じであるので、説明は省略する。
なお、レンズ要素40は、磁場を用いたイオンビーム24の調整を行ってもよいし、図3(a),(b)に示すように電場を用いた調整を行ってもよい。
一方、ビーム整形部20は、複数の同じ性能を有するイオン源22a,22b,22cを有し、これらのイオン源22a〜cから生成されるイオンビーム24a〜24cは位置49にて収束するように、各イオン源22a〜22cが配置されている。レンズ要素90は、位置49の近傍領域でイオンビームを調整する。すなわち、イオン注入装置100では、質量分離マグネット32の上流側でイオンビーム24は収束するように構成されているので、位置49の近傍領域でイオンビームの調整を精度良くすることができる。
この場合、レンズ要素40と分離スリット50とが離れているので、レンズ要素40で作られる磁場又は電場が分離スリット50に影響を与えず、分離スリット50の形状や材質等の制限がない点で有利である。さらに、レンズ要素40を用いてビーム幅方向の所定の位置のイオンビームを曲げようとするとき、レンズ要素40から処理基板62までの距離が長いので、レンズ要素40による電流密度分布の調整の程度も小さく、イオンビーム24に余分な影響を与えない。しかも、レンズ要素40に供給する電流も低いので、レンズ要素40自体の他、電源86の容量も小さくて済むので、製作コストも低減する。
以上、本発明のイオン注入装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のイオン注入装置の一実施形態であるイオン注入装置の平面図である。 図1に示すイオン注入装置の側面図である。 (a)は、図1に示すイオン注入装置に用いるレンズ要素の替わりに用いる別の形態のレンズ要素の平面図であり、(b)は、(a)に示すレンズ要素の内部を説明する図である。 図1に示す本発明のイオン注入装置とは別の形態のイオン注入装置の平面図である。
符号の説明
10 イオン注入装置
20 ビーム整形部
22,22a,22b,22c イオン源
24,24a,24b,24c イオンビーム
25a,25b,25c,25d 端
30 ビーム輸送部
32 質量分離マグネット
34 ヨーク
36 磁極
37 磁極端面
38 コイル
40,90 レンズ要素
42 ヨーク
44 電磁石
46 磁極
48 コイル
49,52 収束位置
50 分離スリット
54 鍔
60 処理部
62 処理基板
64 ファラディカップ
80 制御部
82 計測器
84 制御器
86 電源
91 電極
92 端子
93 絶縁端子
94 サポート
95a,95b シールド電極
110 真空ハウジング

Claims (5)

  1. 処理対象基板に、この処理対象基板の横幅よりも広いビーム幅を有する帯状イオンビームを照射してイオン注入をするイオン注入装置であって、
    イオンビームを生成するイオン源を備え、生成したイオンビームを帯状イオンビームに整形するビーム整形部と、
    前記帯状イオンビームを処理対象基板に照射する処理部と、
    前記帯状イオンビームの前記ビーム幅の方向と直交する帯状イオンビームの厚さ方向に曲率を持つように前記帯状イオンビームの進行方向を曲げる質量分離マグネットと、前記帯状イオンビームの前記ビームの厚さ方向における電流密度の合計値を前記ビーム幅の方向の分布で表した前記帯状イオンビームの電流密度分布を調整する調整ユニットとを備え、前記帯状イオンビームの前記厚さ方向の厚さを薄くして前記帯状イオンビームを収束させた後、前記帯状イオンビームを前記処理部へ進ませるビーム輸送部と、を有し、
    前記帯状イオンビームの前記厚さが、所定の領域で前記帯状イオンビームの電流密度分布を調整するように、前記調整ユニットが配置され、
    前記所定の領域は、前記帯状イオンビームの収束位置、あるいは、前記帯状イオンビームの収束位置より、帯状イオンビームの下流側の、前記質量分離マグネットを通過するときの前記帯状イオンビームの前記厚さに比べて薄くなっている領域であることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 前記質量分離マグネットは、前記帯状イオンビームを前記厚さ方向において収束させ、この収束する位置に所定のイオン粒子を通過させる分離スリットが設けられ、
    前記調整ユニットは、前記分離スリットの位置と重なる位置に又は帯状イオンビームの下流側の前記分離スリットの位置と隣接する位置に設けられる請求項1に記載のイオン注入装置
  3. 前記調整ユニットは、前記帯状イオンビームの前記厚さ方向の両側に対を成して、前記幅方向に沿って複数の対が設けられた磁石で構成され、
    前記分離スリットは非磁性体で構成されている請求項2に記載のイオン注入装置。
  4. 前記調整ユニットは、前記帯状イオンビームの前記厚さ方向の両側に対を成して、前記幅方向に沿って複数の対が設けられた電極で構成され、前記分離スリットの位置に隣接して設けられ、
    前記調整ユニットは、隣接する前記分離スリットの側には、前記電極により形成される電場を遮蔽する電場シールドを備える請求項2に記載のイオン注入装置。
  5. 前記ビーム整形部は、前記帯状イオンビームを生成するイオン源を複数備え、かつこれらのイオン源から生成される帯状イオンビームを前記イオンビームの厚さ方向において一点で収束するように前記複数のイオン源を配置しており、
    前記調整ユニットは、前記所定の領域で、前記イオンビームの電流密度分布を調整するように、前記調整ユニットが配置されている請求項1に記載のイオン注入装置。
JP2007086525A 2007-03-29 2007-03-29 イオン注入装置 Active JP4288288B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007086525A JP4288288B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 イオン注入装置
TW097111420A TWI371055B (en) 2007-03-29 2008-03-28 Ion implanter
CN2008800043315A CN101606217B (zh) 2007-03-29 2008-03-28 离子注入装置
PCT/JP2008/056106 WO2008123421A1 (ja) 2007-03-29 2008-03-28 イオン注入装置
KR1020097016138A KR101071581B1 (ko) 2007-03-29 2008-03-28 이온 주입 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007086525A JP4288288B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 イオン注入装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008243765A JP2008243765A (ja) 2008-10-09
JP4288288B2 true JP4288288B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=39830906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007086525A Active JP4288288B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 イオン注入装置

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP4288288B2 (ja)
KR (1) KR101071581B1 (ja)
CN (1) CN101606217B (ja)
TW (1) TWI371055B (ja)
WO (1) WO2008123421A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5226577B2 (ja) * 2009-03-27 2013-07-03 三井造船株式会社 イオン注入装置及びイオンビームの調整方法
JP5316899B2 (ja) 2010-04-13 2013-10-16 日新イオン機器株式会社 イオン注入方法およびイオン注入装置
CN102800550B (zh) * 2011-05-27 2015-08-26 日新离子机器株式会社 离子注入装置
JP5585788B2 (ja) * 2011-05-27 2014-09-10 日新イオン機器株式会社 イオン注入装置
JP5648919B2 (ja) * 2011-08-17 2015-01-07 日新イオン機器株式会社 イオン注入装置
JP5941377B2 (ja) * 2012-08-31 2016-06-29 住友重機械イオンテクノロジー株式会社 イオン注入方法およびイオン注入装置
JP2015050382A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 富士通セミコンダクター株式会社 半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置
TWI501286B (zh) * 2014-06-27 2015-09-21 Advanced Ion Beam Tech Inc 離子佈植機
JP7132828B2 (ja) * 2018-11-13 2022-09-07 住友重機械イオンテクノロジー株式会社 イオン注入装置およびビームパーク装置
CN111261477B (zh) * 2018-12-03 2022-08-02 北京中科信电子装备有限公司 一种双出口平行透镜
CN110643954B (zh) * 2019-10-21 2024-03-01 上海新柯隆真空设备制造有限公司 镀膜设备、离子源、以及栅极结构
CN114724910A (zh) * 2022-06-10 2022-07-08 浙江中科尚弘离子装备工程有限公司 一种带状离子束注入系统

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7078714B2 (en) * 2004-05-14 2006-07-18 Nissin Ion Equipment Co., Ltd. Ion implanting apparatus
JP4882456B2 (ja) * 2006-03-31 2012-02-22 株式会社Ihi イオン注入装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008243765A (ja) 2008-10-09
CN101606217A (zh) 2009-12-16
WO2008123421A1 (ja) 2008-10-16
TW200903555A (en) 2009-01-16
KR20090108059A (ko) 2009-10-14
CN101606217B (zh) 2011-11-02
KR101071581B1 (ko) 2011-10-10
TWI371055B (en) 2012-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4288288B2 (ja) イオン注入装置
JP4365441B2 (ja) イオン注入装置、イオン注入方法及びプログラム
US7326941B2 (en) Apparatus and methods for ion beam implantation using ribbon and spot beams
US7902527B2 (en) Apparatus and methods for ion beam implantation using ribbon and spot beams
KR101828633B1 (ko) 리본 이온빔의 에너지 변경 시스템 및 이온 주입 시스템
US7462843B2 (en) Apparatus and methods for ion beam implantation
US7675050B2 (en) Apparatus and method for ion beam implantation using ribbon and spot beams
JP2007525811A (ja) イオンビーム電流の調整
JP7474255B2 (ja) イオン注入システムおよび方法
US8803110B2 (en) Methods for beam current modulation by ion source parameter modulation
TW201635326A (zh) 在具有射束減速的離子植入器中用於射束角度調整的系統及方法
US10714296B2 (en) Ion source with tailored extraction shape
JP4468336B2 (ja) イオンビーム注入装置および方法
KR101398729B1 (ko) 이온 주입 장치
KR101248126B1 (ko) 이온원
CN108346551B (zh) 质量分析电磁铁及离子注入装置
JP5226577B2 (ja) イオン注入装置及びイオンビームの調整方法
JP2006139996A (ja) イオン注入装置及びイオンビーム生成方法
JP5585788B2 (ja) イオン注入装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081006

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20081006

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080916

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20081106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20081112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090330

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4288288

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350