JP2006004676A - 連続イオンビームの電流の均一性を調整し制御する電磁制御体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連続イオンビームに加えられる連続磁場を生成するための電磁制御体が記載される。制御体は、強磁性材からなる支持棒と支持棒上に独立し、かつ隣接して設けられたコイルで構成される直線状の多極アレイと多極アレィと所定距離はなれ平行に設けられた強磁性境界板とからなり、リボン状の移動する連続ビームの均一性を制御するために構築され、電流の均一性を高めるためのパラメータとして磁場の磁場勾配を直接調整することを可能にする。
【選択図】図1A
Description
連続イオンビームを用いるが、均一性を制御する積極的な手段の省かれたイオン注入装置の例を見出すことはできる。これらの多くは不純物の成分を除くためにイオンビームを分析する手段も省いている。例えば、Armini et al.による“Non-Mass-Analyzed Solar Cell Ion Implanter” in Nucl. Instr. And Meth,B6(1985),p.94, ,Elsevier, North Hollandを参照。
(i)US特許5350926号に記載される発明は、イオンビームの分析、形状の形成、及びイオンビームを平行にするための磁石の利用のみならず、ビームの均一性を制御するための多極素子(湾曲した磁石に組み込まれ、あるいは分離された組み立て体として)の利用を教示する。
そのため、結局、これらの以前より知られていた構造及び従前のイオン注入システムの多くは、商業ベースで利用され、技術的にある程度の意義をもって成功し、これらの使用と動作の完全な記載で、技術文献内に報告されてきた。しかし、これらの公知のすべてのシステム内の多極の構成は、流れるイオンビームのx軸/寸法の関数として強度が制御される磁場を供給するように設計されてきたことは注目すべきである。さらには、多極の構成は、しばしば作動させるためのソフトウェアアルゴリズムを伴う必要があり、一般に、十分に理解し又有効に制御するためには、適度に技能を有する操作者の能力を超えるものであった。
このような理由から、副次的な効果を最小とし、単一の領域(残りのビーム中の領域に対して)で自在に電流密度を昇降させるための単一の操作制御の調整をユーザに提供する組立体の開発の必要性は、良く知られており、かつ長い間存在してきた。
加えて、このように連続イオンビームの電流密度の均一性を調整可能とする、改良された組立体は、操作が簡単で直感的であること、単純な設計であり構造であること、さらに電力消費量を削減し、リボン状の荷電粒子の連続ビームを生成するイオン注入装置の熱負荷を顕著に削減すること、が望ましい。
本発明は複数の形態を有する。第1の形態は、荷電粒子を連続イオンビームとして生成する生成源と、連続イオンビームを所望の向きに方向付ける手段と、用意された処理対象品に連続イオンビーム中の荷電粒子を注入するための平面と、連続イオンビーム中の荷電粒子の均一性を調整及び制御する、改良された電磁制御体と、を含むイオン注入装置における前記制御体であって、
(i)強磁性材から成り、所定の長さと周周りの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(ii)この支持棒上の所定の位置に、独立し、かつ隣接して設けられ、それぞれが導電性材で形成され、真っ直ぐに延びた支持棒に直交するように巻き回されて置かれた少なくとも2つのワイヤコイルと、で構成される直線状の多極アレイと、
前記直線上多極アレイに対して平行に配置され、しかも前記直線上多極アレイから所定の間隙距離離れた位置にある平面を呈する境界板であって、所定の寸法及び構成を成し強磁性材から成る境界板と、
前記支持棒に設けられたそれぞれのワイヤコイルに別々に電気エネルギを印加する手段と、
前記アレイの前記支持棒に隣接して設けられたそれぞれのワイヤコイルに独立に可変電流の電気エネルギを流し、これにより、隣接して設けられ、エネルギの与えられたそれぞれのワイヤコイルが、直交する方向に延びそれぞれ調整可能な、横幅の限定された磁場勾配の領域を生成し、さらに、隣接して延びる、横幅の限定された磁場勾配が複数集まって連続磁場を形成し、さらに、前記連続磁場にわたって調整可能で制御可能な磁場勾配とするために、前記連続磁場内で、横幅の限定されたそれぞれの磁場勾配の領域が、別々に自在に変更され得るようにする、オンデマンド手段と、
連続磁場を、横切って移動する連続イオンビームに加えるとともに、横切って移動する連続イオンビームのために、加えられた連続磁場の磁場勾配を調整し制御する、区切られた空間通路であって、この空間通路は、前記直線状の多極アレイのワイヤコイルの配列によってx軸方向における寸法の範囲が定められ、前記境界板の前記平面から前記多極アレイが離間する前記所定の間隙距離によってy軸方向における寸法の範囲が定められ、さらに、この空間通路において、連続イオンビームの荷電粒子の均一性の程度が調整され、制御される、区切られた空間通路と、を備える制御体を提供する。
(i)強磁性材から成り、所定の長さと周周りの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(ii)この支持棒上の所定の位置に、独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた少なくとも2つのワイヤコイルの配列であって、それぞれのワイヤコイルが導電性材で形成され、前記真っ直ぐに延びた支持棒に対して直交するように巻かれたワイヤコイルと、で構成される第1の直線状の多極アレイと、
前記ワイヤコイルの配列に対応し、かつ前記第1の直線状多極アレイから所定の間隙距離離れて位置する第2の直線状多極アレイであって、
(α)強磁性材から成り、所定の長さと周周りの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(β)この支持棒上の所定の位置に、独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた少なくとも2つのワイヤコイルの配列であって、それぞれのワイヤコイルが導電性材で形成され、前記真っ直ぐに延びた支持棒に対して直交するように巻かれて置かれたワイヤコイルと、で構成される第2の直線状の多極アレイと、
前記第1及び第2の多極アレイの前記支持棒のそれぞれに隣接して設けられたそれぞれのワイヤコイルに可変電流の電気エネルギを、独立にかつ同時に流し、これによって、隣接して設けられ、エネルギの与えられたそれぞれのワイヤコイルが、直交する方向に延びそれぞれ調整可能な、横幅の限定された磁場勾配を、前記第1の直線状の多極アレイと前記第2の直線状の多極アレイとの間に独立にかつ同時に生成し、さらに、隣接して延びる、横幅の限定された磁場が複数集まって第1の直線状の多極アレイと第2の直線状の多極アレイとの間に1つの連続磁場を形成し、さらに、前記連続磁場にわたって調整可能で制御可能な磁場勾配とするために、前記連続磁場内で、横幅の限定されたそれぞれの磁場を、別々にかつ同時に、自在に変更可能とする、オンデマンド手段と、
第1の直線上の多極アレイと第2の直線状の多極アレイの間にあり、横切って移動する連続イオンビームに連続磁場を加えるとともに、加えられた連続磁場の磁場勾配を調整、制御する、区切られた空間通路であって、この空間通路は、前記第1及び第2の直線状の多極アレイの前記支持棒の長さによってx軸方向における寸法の範囲が定められ、前記第1の直線状の多極アレイを前記第2の直線状の多極アレイのコイルから離間する前記所定の間隙距離によってy軸方向における寸法の範囲が定められ、さらに、これによって、連続イオンビームの荷電粒子の均一性の程度が調整、制御される、区切られた空間通路と、を備える制御体を提供する。
本発明は、連続イオンビーム内を通過する荷電粒子の均一性の程度を調整し制御する電磁制御体である。本発明は、このような連続イオンビーム内で運ばれる荷電粒子の濃度を調整する製造品及び方法を含む。それゆえ、本発明は、リボン状の連続ビームの横方向に沿ってイオン電流の均一性を制御する有効な配置と手段を提供する。このリボン状の連続ビームは、注入平面をターゲットとされ、また用意された処理対象品(例えばシリコンウエハ等)内へ荷電イオンを配するための加工物の表面をターゲットとされる。処置対象品の一面全体に注入するために、長手方向に対して直角のビームが、注入平面または用意された処理対象品を通過する。
専門用語の不整合を回避し、外延的意味と内包的意味における不明確さを排除し、把握と理解が明確でかつ完全なものとなるように、詳細に列挙した一組の定義を以下に挙げる。本発明が何であるか、また本発明がどのように構成され、どのように用いられるかを説明するだけでなく、発明の主題とそうでないものとを分類し区別するよう本発明を説明して請求すべく、これらの用語または専門用語をここでは一貫して繰り返して用いる。
イオンビーム:電子、正もしくは負のイオン、分子、クラスタ、または素粒子を含む荷電粒子のビーム、
リボンビーム:長い寸法と短い寸法によって特徴付けられる断面を有するイオンビームであり、長い寸法は、短い寸法の少なくとも2倍であり、通常は短い寸法の少なくとも5倍である。通常、長い寸法は、ビームで処理される処理対象品の表面の寸法よりも大きい。
連続リボンビーム:少なくとも、1つの処理対象品を処理するのに必要な時間、どの時点でも電流がとぎれないリボンビーム。(これに対し、スキャンされるリボンビームは、リボン形状の包絡面内でスキャンされるより小さいビームであり、包絡面内のどのポイントでもビームは各走査において二度遮断される)。
下流:イオンビームの移動経路または目標とする角度と方向。
上流:イオンビームの移動経路の逆方向、すなわち目標とする角度とイオンビームの方向から180度。
イオンビームの調整:所望のプロファイルに一致し動かないように、ビームの長い寸法(目標方向または移動経路軸)に沿って電流密度を変化させること。
イオンビームの制御:所望のプロファイルに一致し動かないように、ビームの長い寸法(目標方向または移動経路軸)に沿って所望の電流密度に維持すること。
均一なイオンビーム:断面プロファイルにおいて、実質的に一定した、均質の、対象の、または整然としたイオンビーム内の荷電粒子の集まり。
不均一なイオンビーム:断面のプロファイルおいて、実質的に一定しない、不均質の、非対象の、または整然としないイオンビーム内の荷電粒子の集まり。
第1に、本発明を構成する制御体を用いることで、磁場の値「By」を直接制御することは不必要となり、または望まれない。しかしその代わり、本発明では、磁場勾配パラメータ「dBy/dx」の効率的な制御が要求される。これは従来から公知の構造とは、著しく異なっておりまた変更されている。
イオンと電子の光学分野では、均一場の領域はビームをまとめて偏向する。したがって、不均一の磁場領域は、ビームの異なる部分を異なる量偏向させ、収束または非収束を引き起こす。焦点強度を決定するのは磁場勾配である。イオンビームの僅かな収束をもたらす場の領域は、下流位置でイオン濃度の増加を引き起こす。反対に、非収束の領域は、下流でイオン濃度の減少を引き起こす。
この直交方向(x軸とy軸)の不可避的関連により、2次元すなわちx軸とy軸におけるイオンビームの均一性を制御しようとする試みはうまくいかなかった。そして結局のところ、y軸寸法における対応するビーム(および対応するイオン濃度)の変化が重要な懸案事項でないと考えられる1次元システム構成に落ち着くに至った。というのは、1次元システム構成では、注入される処理対象品をy軸方向にビーム中で移動し、それによってその1次元においてビーム電流を効果的に一本化するからである。また一方、イオン注入プロセス中に、使用可能なパラメータとして磁場の勾配を有効に調整または制御することが可能な従来型の多極構造は、現在に至るまでなお使用されていない。
同様に、1つの軸または1つの次元に沿ってイオン電流の均一性を効果的に維持し制御するためには、dBy/dxが、イオンビームの移動する空間通路の、任意の2つの区域の間でおよび全ての異なる領域の地点間で、滑らかに変化するように構造体を設計し、x軸方向のラインに沿った複数の異なる領域または空間区域でdBy/dxを制御することが望ましい。この目的のために不可欠ではないが、イオンビームの大体のまたはおおよその中心で、BxとBy値の値がそれぞれ零(ゼロ)であることが極めて望ましい。
電磁制御体を含む全体としての主題は、ここで説明するように、従来技術装置に用いられる直交座標システムと本発明の極座標構造との相違点を特に参照することで、最も容易に理解される。読者の便宜のために、z軸は、意図した通路に沿って移動するイオンビームのほぼ中心にあって延びているとし、「下流」という用語は、イオンビームの生成源からターゲットとされる処理対象品に向かって移動する連続イオンビームの移動方向の位置と通路とを示す。
構造の構成要素
本発明の最も簡単な実施形態を、それぞれ、図1Aと1Bの制御体よって例示および説明する。ここに見られるとおり、制御体10は、制御される連続イオンビームのx軸方向よりも若干長いサイズの設定された長さと周周りを有する、真っ直ぐに伸びた強磁性の棒20を含み、棒20は、平面62を有する境界板60に対して平行に配置され、しかも境界板60から所定の間隙距離離れた位置にある。真っ直ぐに伸びた強磁性の棒20は、支持棒としての役割を果たし、その周りに複数の個別ワイヤコイル22が別々にかつ独立に直角に巻かれる。これらの直角に巻かれたワイヤコイル22は、支持棒20のほぼ全長をわたって均等に区切られた所定のかつ異なる複数の位置に、連続して独立にかつ隣接して設けられている。x軸に沿った個別の、別々の、隣接して設けられた1つのワイヤコイル22が集まって多極コイルアレイ30を構成する。
境界板60は、多極コイルアレイ30のx軸方向に平行に取り付けられかつ向きが設定されている。境界板60は、平面を提供し、多極コイルアレイ30に対して平行に配置され、しかも多極コイルアレイ30から所定の間隙距離離れた位置にある。境界板60は、所定の寸法と構成をなし、強磁性材によって構成される。
磁場を生成し、しかも連続イオンビームに加える連続的な磁場の磁場勾配を調節し制御する区切られた区域を提供する、空間通路40である。空間通路40は、多極コイルアレイ30の直線の長さによって、x軸方向におけるその幅寸法42が制限されており、境界板60の平面62から多極アレイ30の支持棒20が離間する所定の間隙距離44によってy軸方向における寸法が制限されている。区切られた空間通路40内で、制御された磁場が生成され加えられる。そして、磁場勾配が個々の区域と場所毎に調整可能とされ、連続イオンビームの荷電粒子の均一性の程度が調整され制御される。
前述したように、図1は、境界板60の平面62が、y=0の平面に平行に配置されていることを示す。多極コイルアレイ30には、個別ワイヤコイル22が、直線状の棒の長さにわたって、強磁性材の棒20の周りに直角に巻かれ、所定の配置で互いに離間するが隣接して設けられている。各ワイヤコイル22に異なる電流が流れると、平面62に近い場の勾配はなだらかに変化するが、コイルにより近い場の勾配では、その変化はなだらかでない。電流密度の変化およびその結果生じる磁場勾配の変化をよりなだらかにするよう、ワイヤコイル22の隣接領域を形作ることは可能であろうが、実際には、この試みは不要であると考えられる。
図1のアレイ化された配列の大きな利点と効果は、隣接しているが個別に制御可能な横幅の限定された磁場勾配の形成であり、この磁場勾配が集まって連続平行磁場を形成することである。各ワイヤコイルは、横幅の限定された磁場勾配の区域を生成するが、これらは集まって累積し、空間通路40の間隙距離42の全体を覆うことができかつ有効となる連続場を形成する。
本発明の方法は、しかしながら、逆の状態から始まり、図2の過程とは反対のことを意図している。図3には、この反対の効果と、より大きな均一性の達成とが示されており、平行であるが不均一のビームが、ターゲットの面でより均一になるように調整され制御される。そこでは、電流密度のより大きい均一性がビームの平行性を犠牲にして達成される。
制御体(先に説明したとおり、1つの多極コイルアレイと、境界板と、平面を含む)の最も単純な実施形態が、シリコンウエハに注入する際にターゲット面から500mmの移動距離の位置で用いられ配置されるとすると、このとき、電流密度内に突出先端や特異点の発生を回避するには、制御体の全ての部分の焦点距離はこの移動距離よりも極めて大きくしなければならない。
ビーム内の装置(全てのコイルは同じ励磁電流を受けると仮定すると)の中心部における場の勾配は、
dBy/dx=μ0Js/g
で与えられる。ここで、gは2つの強磁性材の棒(または1つの強磁性材の棒と強磁性材の境界板)間の間隙であり、Jsは、x方向における単位長さあたりのコイルのアンペア・回の数である。コイルの幅がgを超えるという条件では、1つのワイヤコイルのみを励磁すると、この式はこのコイルによって引き起こされるピーク勾配に近づく。コイルがより狭い場合、いくつかの隣接するコイルを励磁しても、この関係は維持される。質量M、電荷q、運動エネルギUのイオンを、半径ρの軌道に偏向するために必要とされる磁場は、
焦点距離は、
これは不等式であり、電流密度の少なくとも+/−25%の変調を実現するには十分な電流密度は、この半分より少ない量で得ることができる。それにもかかわらず、コイルの奥行きを15mmと仮定すると、必要とされる電流密度は3アンペア/mm2であり、この3アンペア/mm2は実際の生産においては少々高すぎる。このように、先に記載した最も簡単な実施形態は、記載された寸法内において100keVのヒ素のイオンビームの均一性を修正するには能力に限界がある。
好適な構造の構成要素
本発明の好ましい実施形態を図7と図8に示す。そこに示されるように、制御体は、2つの強磁性材の棒120と220とを有し、その各々は、制御しようとする移動するイオンビームのxの寸法よりも直線の長さが幾分長く定められており、たがいに、平行に位置しかつ所定の間隙距離144離れるように、配置される。強磁性材の棒120と220のそれぞれは、真っ直ぐに伸びた支持棒としての役割を果たし、その周りに、複数の個別ワイヤコイル122と222が所定数かつ異なる位置に直交して巻かれている。独立して、別々に、かつ隣接して設けられたコイル状の巻き線が集まって、軸方向に一列に並んだ組を作り、それぞれ第1の多極コイルアレイ130と第2の多極コイルアレイ230を形成する。制御体110はこのように、第1の多極アレイ130と第2の多極アレイ230を有し、これらは、共有するx軸方向に沿って向けられ一方、互いに平行になるようにかつ対応して配置される。
したがって、図7及び図8のそれぞれの好適な構成では、構造体は、ビームの両側にビーム幅の端から端まで配置され、かつほぼ平面y=0が中心とされる、2つの強磁性の棒を構成する。隣接して設けられた規則的な一連のワイヤコイルは、2つの鉄の棒のそれぞれの周りに直角に巻かれ、第1の棒に設けられたそれぞれ直角に配置されたワイヤコイルは、第2の棒に直角に巻かれた別の個別ワイヤコイルと反対側にかつ対向して配されるように設置され直線状に並べられる。向かい合った位置にある対になったコイルは、好ましくは正確に一致した直線状の並び(正確な相互対応)で配置される。あるいは、向かい合った位置にある対のコイルは、選択的に、千鳥配列(オフセット相互対応)に配置されてもよい。アレイを形成するワイヤコイルの総数は、イオンビームの予想される外周あるいは周囲長に依存するが、少なくとも4つの巻き線コイルとすべきである。多くの場合、その数は、隣接して強磁性材の棒に設けられるコイルの数は30を超えるであろう。
さらに、強磁性体の棒の端部の最近傍に配置される、反対側に配されたワイヤコイルのそれぞれの組は、イオンビームの横幅の領域をまさに超えて配置されることがあろう。また、それぞれの多極アレイの支持棒の端は、イオンビームに加える磁場の分布に対して与える、それぞれの多極アレイにおける支持棒の端部の影響が大きくならないよう保証するのに十分な長さの延長により、長さについて最後のワイヤコイルを超えて長くするかもしれない。通常、棒の端部の延長の大きさは、第1の多極アレイと第2の多極アレイの所定の間隙距離のサイズの少なくとも2倍はあるであろう。
したがって、制御体の中心部における磁場勾配の均一性は、反対側に配されたワイヤコイルの組のそれぞれに加えられる電流の一致度および電気的同一度によって定まる。各アレイの端部付近では、磁場勾配は零へと下がり、その後反転する。したがって、この理由により、それぞれのアレイのワイヤコイルの配列は、所望の場の特性が維持されなければならない領域を超えて延材しなければならない。このことは、磁気的に飽和しないように、2つの棒の配列長において十分な量の鉄ないしスチールが存在するということになる。そして、このことは、ひいては、最大のx寸法範囲と、制御体を構成する第1のアレイおよび第2のアレイの励起の程度とを定める。
ここに記載した好適実施形態では、最も単純な構造における、強磁性体の境界板と平面は省略され、複数の独立しかつ隣接して設けられたワイヤコイルを有する第2の多極コイルアレイが、第1の多極コイルアレイに平行に位置するように配され、第1の多極コイルアレイに対応するように置かれる。第1および第2の多極コイルアレイは、合計距離2g離間しており、最も単純な構造に関する上述の同じ不等式が適用される。
しかしながら、図7と図8の好適実施形態は、ビームのために同じ移動空間が使用できる場合、間隙距離「g」はより小さくなり、それぞれのワイヤコイルにおけるアンペア電流はより小さくなるという利点を有する。より多くのワイヤコイルが必要であるが、それぞれのアレイの中央平面では、場の成分Bxは零である。このことはビームの形状に望ましくない影響を最少にする。反対側のコイルの電流の向きを逆にするように注意すれば、対応するコイルは直列に接続することができる。
また、本発明の、最も単純な実施形態および/または好ましい実施形態では、ある特徴及び特性が非常に望ましく考えられる。これらは以下のことを含む。多極コイルアレイのワイヤコイルに印加される電流は、約50アンペア・回から約10,000アンペア・回までの範囲とする。空間通路の所定の間隙距離は、約25mmから約250mmまでの範囲の寸法とする。空間通路の横幅寸法は、サイズが約200mmから約2,000mmまでのサイズの範囲とする。
より高い磁気剛性を有する連続イオンビームのためにより高磁場を提供する本発明の代替構造と実施形態も作製可能である。そのような代替構造は以下に基づくものである。
単位長さ毎に必要とされる電流密度は、制御体における第1の多極コイルアレイと第2の多極コイルアレイを支持する、反対側に配された強磁性材の棒の2組(最も単純な実施形態の場合では、1つの強磁性材の棒と、平面を有する強磁性の境界板)の間隙距離に比例する。必要とされる電流密度が高すぎると、このアレイの棒に配置されるそれぞれのワイヤコイルがより厚く巻かれることを余儀なくされる。このことは、ひいては強磁性材間の適切な間隙距離を大きくさせる。各ワイヤコイルの巻き線が、空間通路の間隙距離よりもきわめて薄い場合は、場内でゲインはあるが、ワイヤコイルがより厚く巻かれるとゲインの漸減(a diminishing return)がある。以下の技術を用いることにより、磁場勾配の滑らかさを代償にして、この問題を部分的に解決することができる。
図9に示される代替の実施形態のタイプは、最も高い磁気剛性を有する連続イオンビームに有効であるとも考えられる。これらの例では、スペーサ(通常スチール)として用いられる強磁性材は、強磁性材が飽和することがない十分な厚さがなければならない。また、有限の厚さの、真っ直ぐに伸びた支持棒とスペーサによって生成される磁場の不均一性が過度にならないように、スペーサのピッチは十分短くかつ小さくなければならない。例えば、磁場の不均一性は、ワイヤコイルのピッチの2乗および介在するスペーサの厚さの2乗に比例する。
連続リボンビームの均一性を改善する以下の方法が、先に引用したWhiteの米国物理学会(AIP)に記載された方法に比べてきわめて簡潔に説明される。これらのステップは、イオンビームが処理対象品を通過する前に行われる。この方法は、明確にするため、好ましい実施形態についてだけを述べるが、他の実施形態にも容易に適合され得る。
ビームの電流密度特性を測定する方法が論じられている。理解容易のために、ここでは理想的なファラデーカップの配列がターゲットの面に配置されているとする。誤差を無くすためには、それぞれのファラデーカップの前には、接地された矩形形状の入口開口部が設けられるべきであり、それぞれの開口部の横幅を正確に同じにし、かつ、多極アレイのそれぞれのコイルの横幅の一部の幅を有するようにする。それぞれの開口部とファラデーカップの高さは、イオンビームの高さを超えていなければならず、超えない場合は測定は無効である。多極コイル制御体におけるコイルまたはコイルの組の中心である各x座標上に1つのファラデーカップの中心が置かれる。x座標の電流密度は、測定されたイオンビーム電流を開口部の横幅で割ることによって得られるが、全ての開口部が同一の場合は、このステップを省略することができ、測定した電流を直接用いることができる。
測定が終わった後は、ファラデーカップ内の計測電流の平均値を算出する。所望のビーム特性が均一である場合は、それぞれの計測地点での誤差は、計測値と平均値の差分である。所望のビーム特性が不均一である場合は、この誤差値は所望の関数に合わせるように、コンピュータで計算しなければならない。
(i) 所望の、種類、エネルギ、概算電流の安定したイオンビームが、イオン注入機からターゲットの面までの意図した経路に導かれる。
(ii) イオンビームのプロファイルを計測する。
(iii) 最初のファラデーカップから開始し、所望の電流(プロファイルが均一の場合は平均値)に一致するまで、最初のファラデーカップで計測される電流を変化させるよう、第1のコイルを通過する電流を調整する。必要とされる変化の適切な方向と大きさを判断するためには、制御パラメータ(コイル内の電流)を小さく変化させる標準的な実験手法により、調整してもよい。しかしながら、一旦システムがテストされ、較正されるとこれらの量は両方とも既知となり、イオンの種類とエネルギとの関係も十分に既知となる。最初のコイルを調整した後は、2番目のコイル内の電流を用いて、第2のファラデーカップ内のイオンビーム電流を調整し、続ける。
(iv)必要ならば、ステップiiとiiiが繰り返される。
この手順は、線形でありかつスカラー量的で計量的であるため、簡単に自動化される。隣接するコイル間には多少のクロストークがあろう。このクロストークにより、この手順を繰り返すことが必要となり、また、手順を調整して、各手順を繰り返すことで観測される誤差の修正を小さくするかもしれない。したがって自動的に行えば非常に速くなろう。
1.100keV以下のエネルギーで、シリコンウエハ内にイオン種(ヒ素およびそれより軽い種)を注入することを意図した装置では、イオンビームはx軸寸法が300mmよりも僅かに大きく(今日使用されている商用シリコンウエハの最大標準直径は300mmなので)、y軸寸法が約30mmになるであろう。ウエハは、y軸寸法においてビームのを横断しなければならない。y軸寸法が小さすぎると、ビーム内の電流及び電力密度を望ましくないレベルまで上げてしまう。一方、y軸寸法が大きすぎると、ビームの周辺端部を取り除くためにウエハが移動しなければならない所望の距離が大きくなり、システムの生産性を低減させる。これらの理由により、最適なビームの高さはビームの横幅の10%から20%の間であると概算される。
2.ワイヤコイルのx寸法ピッチよりも小さい距離の間の磁場勾配が制御できないことをはっきりと理解すべきである。ビームy寸法は、場の勾配が確実に制御され得る、制御体の最少間隙距離とほぼ同じ大きさであるということも認識されるべきである。特に具体例として、POISSON(LAACG FTP サーバで利用できるLos Alamos、Poisson Superfish Version 7)等の自由に利用可能なコードを用いたモデル化を利用することで、これらの記述に対してより高い正確さを提供するであろう。
4.以前においては、装置はイオンビームの周囲に完全な磁場の経路を形成した。コイル状の巻き線のアレイを支持する強磁性材の棒の端部が、スチール等の強磁性材の金属によって接続されないということが、本発明の基本的特徴である。この特徴は、非ゼロの場の成分をそれぞれの多極アレイの端部に存在させることができる。結果として、この制御体からの漂遊磁界は従来技術の装置よりも大きいことがあるかもしれないが、多重極の端部付近で、それぞれの端部までgよりも近くないところに、スチールの分路を配置することによって、漂遊磁界をかなり減らすことができるであろう。
6.イオンビームの均一性は、移動するファラデーカップまたは個別のファラデーカップのアレイによって測定することが可能である。しかしながら、簡単にするため、コイル数の半分とし、かつコイルと一直線に揃えたファラデーカップのアレイを、ターゲットの内にまたはその背後近くに配置できるであろう。それぞれのカップの開口部は正確に等しくなっているので、カップの測定結果が等しいことはイオンビームが均一であることを表す。y方向において測定装置の受け入れ(acceptance)が、全部のビームを受けることは重要である。範囲の限定された開口部がターゲットの面内になければ、精度は落ちる。ターゲットの面にプロファイラのハードウェアを直接配置し、その場合、処理対象品と観測記録装置のハードウェアとの衝突を防止するために結合機構が必要とされるか、あるいは、プロファイラのハードウェアをターゲットの面のちょうど背後に配置して均一性のわずかな低落を受け入れるかを、選択できる。誤差は、多重極調節器によって生成される最も強い四重極場の成分に比例する。
しかしながら、個別ワイヤコイル(最も単純な構造)または多極コイルアレイの反対側に位置する対応した組(好適な構造)における電気的エネルギと、ターゲットの面でのビームのイオン密度との間に今度は直接関係があるので、本発明は、電流の均一性の調整処理を簡素にする。対応するファラデーカップにおける電流が所望の値になるまで、特に調整前のプロファイルの平均値になるまで、第1の多極アレイと第2の対局アレイの全長に亘って設けられた、それぞれのワイヤコイルの対応した組を順番に、整することによって、ビーム電流の均一性の調整は達成され得るであろう。制御体におけるそれぞれの多極アレイは、限定された領域に影響を及ぼすため、若干の調整の繰り返しが要求されるかもしれない。プロファイル全体が所望のプロファイルよりも広いまたは狭い場合、目標値は、比例した量によってそれぞれ上げ下げされよう。
本発明は、ここに添付された請求項以外によって、範囲が限定されるものでなく、また形式上制限されるものでもない。
Claims (11)
- 荷電粒子を連続イオンビームとして生成する生成源と、連続イオンビームを所望の向きに方向付ける手段と、用意された処理対象品に連続イオンビーム中の荷電粒子を注入するための平面と、連続イオンビーム中の荷電粒子の均一性を調整及び制御する、改良された電磁制御体と、を含むイオン注入装置における前記制御体であって、
(i)強磁性材から成り、所定の長さと周まわりの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(ii)この支持棒上の所定の位置に、別々に、直交して、かつ隣接して設けられ、それぞれが導電性材で形成された少なくとも2つのワイヤコイルと、で構成される多極コイルアレイと、
前記多極コイルアレイに対して平行に配置され、しかも前記多極コイルアレイから所定の間隙距離離れた位置にある平面を呈する境界板であって、所定の寸法及び構成を成し強磁性材から成る境界板と、
前記支持棒に設けられたそれぞれのワイヤコイルに別々に電気エネルギを印加する手段と、
前記アレイの前記支持棒に設けられたそれぞれのワイヤコイルに個別に印加される電気エネルギを独立して調整、制御する電流コントローラであって、この電流コントローラによって、エネルギの印加されたそれぞれのワイヤコイルは、直交する方向に延び電流調整された、横幅の限定された磁場勾配を生成し、さらにこの直交する方向に延び電流調整された、横幅の限定された磁場勾配は複数集まって、カスタマイズされた磁場勾配を有する1つの連続磁場を形成し、これによってこの連続磁場のカスタマイズされた磁場勾配が連続イオンビーム中の荷電粒子の均一性を向上させる、該電流コントローラと、
横切って移動する連続イオンビームに、カスタマイズされた磁場勾配を有する連続磁場を加える区切られた空間通路であって、この空間通路は、前記多極コイルアレイの長さによってx軸方向における寸法の範囲が定められ、前記境界板の前記平面から前記多極コイルアレイが離間する前記所定の間隙距離によってy軸方向における寸法の範囲が定められ、さらに、この空間通路において、連続イオンビームの荷電粒子の均一性の程度が増大する、区切られた空間通路と、を備える制御体。 - 荷電粒子を連続イオンビームとして生成する生成源と、連続イオンビームを所望の向きに方向付ける手段と、用意された処理対象品に連続イオンビーム中の荷電粒子を注入するための平面と、連続イオンビーム中の荷電粒子の均一性を調整及び制御する、改良された電磁制御体と、を含むイオン注入装置における前記制御体であって、
(i)強磁性材から成り、所定の長さと周まわりの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(ii)この支持棒上の所定の位置に、独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた少なくとも2つのワイヤコイルであって、それぞれのワイヤコイルが導電性材で形成され、前記真っ直ぐに延びた支持棒に対して直交するように巻かれたワイヤコイルと、で構成される第1の多極コイルアレイと、
前記第1の多極コイルアレイに平行に位置し、前記第1の多極コイルアレイのワイヤコイルに対応し、かつ前記第1の多極コイルアレイから所定の間隙距離離れて位置する第2の多極コイルアレイであって、
(α)強磁性材から成り、所定の長さと周まわりの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(β)この支持棒上の所定の位置に、独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた少なくとも2つのワイヤコイルであって、それぞれのワイヤコイルが導電性材で形成され、前記真っ直ぐに延びた支持棒に対して直交するように巻かれたワイヤコイルと、で構成される第2の多極コイルアレイと、
前記第1及び第2の多極コイルアレイの前記支持棒のそれぞれに隣接して設けられたそれぞれのワイヤコイルに可変電流の電気エネルギを、独立にかつ同時に流し、これによって、隣接して設けられ、エネルギの与えられたそれぞれのワイヤコイルが、直交する方向に延びそれぞれ調整可能な、横幅の限定された磁場勾配を、前記第1の多極コイルアレイと前記第2の多極コイルアレイとの間に独立にかつ同時に生成し、さらに、隣接して延びる、横幅の限定された磁場勾配が複数集まって第1の多極コイルアレイと第2の多極コイルアレイとの間に1つの連続磁場を形成し、さらに、これによって前記連続磁場にわたって調整可能で制御可能な磁場勾配とするために、前記連続磁場内で、横幅の限定されたそれぞれの磁場勾配を、別々にかつ同時に、自在に変更可能とする、オンデマンド手段と、
第1の多極コイルアレイと第2の多極コイルアレイの間にあり、横切って移動する連続イオンビームに連続磁場を加えるとともに、加えられた連続磁場の磁場勾配を調整、制御する、区切られた空間通路であって、この空間通路は、前記第1及び第2の多極コイルアレイの長さによってx軸方向における寸法の範囲が定められ、前記第1の多極コイルアレイを前記第2の多極コイルアレイから離間する前記所定の間隙距離によってy軸方向における寸法の範囲が定められ、さらに、この空間通路において、連続イオンビームの荷電粒子の均一性の程度が増大する、区切られた空間通路と、を備える制御体。 - 前記連続イオンビームはリボン状のビームである請求項1又は2に記載の制御装置。
- 支持棒上の所定の位置に独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた前記ワイヤコイルの数は、4と30の間である請求項1又は2に記載の制御装置。
- さらに、多極アレイのコイルのそれぞれと同じx座標値を有する位置を含む複数の位置において電流を計測することにより、注入しようとする処理対象品の面の、長手寸法における前記イオンビームの電流密度のプロファイルを計測する手段を有し、この計測手段は、ビームの幅の狭い寸法では、ビーム端を超えて延在するが、幅の広い寸法の方向では、多極コイルアレイのコイルの1つの厚さよりも小さくなるように制限されている請求項1又は2に記載の制御体。
- 可変電流を流す前記手段は、前記電流密度のプロファイルの計測に応じて調整され、電流密度が所望のプロファイルに一致するまで、ターゲットの面の対応する位置における、測定されるイオンビーム電流密度のプロファイルを修正する請求項5に記載の制御体。
- 前記多極コイルアレイの前記ワイヤコイルに印加される電流は、50から10000(アンペア・回)の範囲である請求項1又は2に記載の制御装置。
- 前記空間通路の前記所定の間隙距離は、25mmから250mmの間の範囲にある寸法である請求項1又は2に記載の制御装置。
- 前記空間通路の前記横幅の寸法は、200mmから2000mmの間の範囲にある請求項1又は2に記載の制御装置。
- 連続イオンビーム中の荷電粒子の均一性を調整、制御する方法であって、
(i)強磁性材から成り、所定の長さと周まわりの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(ii)この支持棒上の所定の位置に、独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた少なくとも2つのワイヤコイルであって、それぞれのワイヤコイルが導電性材で形成され、前記真っ直ぐに延びた支持棒に対して直交するように巻かれたワイヤコイルと、で構成される多極コイルアレイと、
前記多極コイルアレイに対して平行に配置され、しかも前記多極コイルアレイから所定の間隙距離離れた位置にある平面を呈する境界板であって、所定の寸法及び構成を成し強磁性材から成る境界板と、
前記支持棒に隣接して設けられたそれぞれのワイヤコイルに可変電流の電気エネルギを、独立に流し、その結果、隣接して設けられエネルギの与えられたワイヤコイルが、直交する方向に延びそれぞれ調整可能な、横幅の限定された磁場勾配を独立して生成することができ、隣接して延びる、横幅の限定された磁場勾配が複数集まって連続磁場を形成し、さらに、前記連続磁場にわたって調整可能で制御可能な磁場勾配とするために、前記連続磁場内で、横幅の限定されたそれぞれの磁場勾配が、別々に自在に変更され得る、オンデマンド手段と、
横切って移動する連続イオンビームに連続磁場を加え、さらに横切って移動する連続イオンビームのために加えられた連続磁場の磁場勾配を調整、制御する、区切られた空間通路であって、この空間通路は、前記多極コイルアレイの前記支持棒の長さによってx軸方向における寸法の範囲が定められ、前記境界板の前記平面から前記多極コイルアレイが離間する前記所定の間隙距離によってy軸方向における寸法の範囲が定められた、区切られた空間通路と、を備える制御体を取得するステップと、
前記電磁制御体の前記空間通路を通して連続イオンビームの向きを方向付けるステップと、
前記支持棒上に隣接して設けられたそれぞれのワイヤコイルに可変電流の電気エネルギを独立に流し、これによって、隣接して設けられ、エネルギの与えられたそれぞれのワイヤコイルが、直交する方向に延びそれぞれ調整可能な、横幅の限定された磁場を独立に生成し、さらに、隣接して延びる、横幅の限定された磁場が複数集まって1つの連続磁場を形成し、さらに、前記連続磁場内で調整可能で制御可能な磁場勾配とするために、横幅の限定された磁場のそれぞれが前記連続磁場内で、別々に自在に変更され得るようにするステップと、
前記電磁制御体を通過する連続イオンビームの荷電粒子の均一性の程度を調整し制御するステップと、を有する方法。 - 連続イオンビーム中の荷電粒子の均一性を調整、制御する方法であって、
(i)強磁性材から成り、所定の長さと周周りの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(ii)この支持棒上の所定の位置に、独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた少なくとも2つのワイヤコイルであって、それぞれのワイヤコイルが導電性材で形成され、前記真っ直ぐに延びた支持棒に対して直交するように巻かれたワイヤコイルと、で構成される第1の多極コイルアレイと、
前記第1の多極コイルアレイに平行に位置し、前記第1の多極コイルアレイのワイヤコイルに対応し、かつ前記第1の多極コイルアレイから所定の間隙距離離れて位置する第2の多極コイルアレイであって、
(α)強磁性材から成り、所定の長さと周まわりの長さを有する真っ直ぐに延びた支持棒と、
(β)この支持棒上の所定の位置に、独立して巻かれ、かつ隣接して設けられた少なくとも2つのワイヤコイルであって、それぞれのワイヤコイルが導電性材で形成され、前記真っ直ぐに延びた支持棒に対して直交するように巻かれたワイヤコイルと、で構成される第2の多極コイルアレイと、
前記第1及び第2の多極コイルアレイの前記支持棒のそれぞれに隣接して設けられたそれぞれのワイヤコイルに可変電流の電気エネルギを、独立にかつ同時に流し、この結果、隣接して設けられ、エネルギの与えられたそれぞれのワイヤコイルが、直交する方向に延びそれぞれ調整可能な、横幅の限定された磁場勾配を、前記第1の多極コイルアレイと前記第2の多極コイルアレイとの間に独立にかつ同時に生成することができ、さらに、隣接して延びる、横幅の限定された磁場勾配が複数集まって第1の多極コイルアレイと第2の多極コイルアレイとの間に連続磁場を形成し、さらに、前記連続磁場わたって調整可能で制御可能な磁場勾配とするために、前記連続磁場内で、横幅の限定されたそれぞれの磁場勾配が、別々にかつ同時に、自在に変更され得るようにする、オンデマンド手段と、
第1の多極コイルアレイと第2の多極コイルアレイの間にあり、横切って移動する連続イオンビームに連続磁場を加えるとともに、加えられた連続磁場の磁場勾配を調整、制御する区切られた空間通路であって、この空間通路は、前記第1及び第2の多極コイルアレイの支持棒の所定の長さによってx軸方向における寸法の範囲が定められ、前記第1の多極コイルアレイを前記第2の多極コイルアレイから離間する前記所定の間隙距離によってy軸方向における寸法の範囲が定められた、区切られた空間通路と、を備える制御体を取得するステップと、
前記電磁制御体の前記空間通路を通して連続イオンビームの向きを方向付けるステップと、
前記第1及び第2の多極アレイの前記支持棒上に隣接して設けられたそれぞれのワイヤコイルに可変電流の電気エネルギを独立かつ同時に流し、これによって、隣接して設けられ、エネルギの与えられたそれぞれのワイヤコイルが、直交する方向に延びそれぞれ調整可能な、横幅の限定された磁場を独立かつ同時に生成し、さらに、隣接して延びる、横幅の限定された磁場が複数集まって前記第1の多極アレイと前記第2の多極アレイとの間で1つの連続磁場を形成し、さらに、前記連続磁場にわたって調整可能で制御可能な磁場勾配とするために、横幅の限定された磁場のそれぞれが前記連続磁場内で別々にかつ同時に自在に変更され得るようにするステップと、
前記電磁制御体を通過する連続イオンビームの荷電粒子の均一性の程度を調整し制御するステップと、を有する方法。
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