JP2010231939A - 予備電源システム及び予備電源システム保護方法 - Google Patents

予備電源システム及び予備電源システム保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】予備電源として設けられる二次電池に内部短絡が発生した場合にシステムを保護する。
【解決手段】予備電源システム10は、負荷4に電力を供給する交流電源2と並列に接続され、1又は複数の単電池15を直列に接続した組電池30を含み、組電池30の状態値を取得し、取得した状態値に基づいて、組電池30に含まれる単電池15のうち内部短絡が発生した二次電池を検出し、検出された二次電池を放電回路20と接続して放電させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、予備電源システム及び予備電源システム保護方法に関する。
二次電池は携帯機器の電源として広く用いられている。二次電池の内部で短絡が生じると電解液に引火して発火事故に繋がるおそれがあり、例えば下記の特許文献1に記載されているように、二次電池の内部短絡を検出して電池を保護する保護回路を設けているものがある。
特開2008−289296号公報
二次電池を通信装置等のシステムに電力を供給する主電源と並列に接続して、主電源に異常が発生したときの予備電源として使用することがある。こうした予備電源には高い安定性が要求されるため、二次電池の内部で短絡が発生した場合には、短絡の発生を迅速に検出してシステムに影響が及ばないように保護する必要がある。
本発明の目的の一つは、予備電源として設けられる二次電池に内部短絡が発生した場合にシステムを保護することができる予備電源システム及び予備電源システム保護方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る予備電源システムは、負荷に電力を供給する電源と並列に接続され、1又は複数の二次電池を直列に接続した組電池と、前記組電池の状態値を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した状態値に基づいて、前記組電池に含まれる二次電池のうち内部短絡が発生した二次電池を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された二次電池を放電回路と接続して放電させる放電制御手段と、を含むこととする。
また、本発明の一態様では、前記状態値は、前記各二次電池の電圧値を少なくとも含み、前記検出手段は、前記電源から前記組電池が充電されている間に電圧が低下している二次電池を内部短絡が発生した二次電池として検出することとする。
また、本発明の一態様では、前記二次電池毎に、当該二次電池の電圧を調整する電圧調整回路であって、当該二次電池の電圧の測定値と目標値との差に応じて当該二次電池への充電電流の少なくとも一部を迂回させるバイパス回路を含む電圧調整回路と、前記取得手段により取得される状態値に基づいて前記組電池が満充電状態にあるか否かを判断する判断手段と、をさらに含み、前記状態値は、前記各バイパス回路に迂回したバイパス電流値をさらに含み、前記検出手段は、前記判断手段により満充電状態にあると判断される場合において、前記二次電池のうち少なくとも1つの二次電池を除く他の二次電池についてのバイパス電流値が予め定められた電流値以上であり、かつ、前記少なくとも1つの二次電池の電圧値が予め定められた電圧値以下である場合に、前記少なくとも1つの二次電池を内部短絡が発生した二次電池として検出することとする。
また、本発明の一態様では、前記判断手段は、前記組電池が放電後の回復充電状態にあるか否かをさらに判断し、前記検出手段は、前記判断手段により回復充電状態にあると判断された場合において、前記二次電池のうち前記取得手段により取得した電圧値が上昇しない二次電池を内部短絡が発生した二次電池として検出することとする。
また、本発明の一態様に係る予備電源システムの保護方法は、負荷に電力を供給する電源と並列に接続され、1又は複数の二次電池を直列に接続した組電池の状態値を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した状態値に基づいて、前記組電池に含まれる二次電池のうち内部短絡が発生した二次電池を検出する検出ステップと、前記検出ステップで検出された二次電池を放電回路と接続して放電させる放電制御ステップと、を含むこととする。
本発明の一態様によれば、予備電源として設けられる二次電池に内部短絡が発生した場合に当該二次電池の保有する電気を放電回路に放出させることでシステムを保護することができる。
本実施形態に係る予備電源システムを含むシステムの一構成例である。 電圧調整回路の一例を示す図である。 放電回路の一例を示す図である。 監視制御装置の機能ブロック図である。 満充電状態にある時に単電池の1つに内部短絡が発生した場合の組電池の電圧と、組電池への充電電流の値との推移を示した図である。 状態Aにおける各単電池の電圧値及び各単電池について測定されるバイパス電流値の一例を示した図である。 状態Bにおける各単電池の電圧値及び各単電池について測定されたバイパス電流値の一例を示した図である。 状態Cにおける各単電池の電圧値及び各単電池について測定されたバイパス電流値の一例を示した図である。 回復充電状態にある場合において、内部短絡の検出処理を説明する図である。 放電状態にある場合において、内部短絡の検出処理を説明する図である。 内部短絡対応処理の全体の流れを示したフローチャートである。 状態判定処理のフローチャートである。 内部短絡検出処理のフローチャートである。 予備電源システムの他の構成例である。
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、本実施形態に係る予備電源システム10を含むシステムの一構成例を示す。図1に示されるように、商用電源等の交流電源2から整流器3を介して直流化された電流が通信システム等の負荷4に供給されており、整流器3と負荷4の間には、交流電源2が停電した等の異常発生時のバックアップ電源として機能する予備電源システム10が接続制御スイッチ5を介して並列に接続されている。通常動作時には接続制御スイッチ5は閉じられ、予備電源システム10は交流電源2からの電力供給により満充電状態(浮動充電状態)に維持されると共に、停電等で交流電源2側の電圧が低下した際には予備電源システム10側から負荷4へと電力が瞬時に供給されるようになっている。以下、予備電源システム10の詳細について説明する。
図1に示されるように、予備電源システム10は、二次電池の電池セル(以下、単電池15)を複数直列に接続して構成される組電池30と、組電池30に含まれる各単電池15の電圧を調整する電圧調整回路32を含む電圧調整部34と、各単電池15に保有される電気を放電させる放電回路20と、組電池30の状態を監視して各単電池15の状態を制御する監視制御装置36を含む。監視制御装置36は、上記制御の他にも、組電池30の異常の発生を判断したり、接続制御スイッチ5の開閉を制御したりするものであるが、詳細については後述する。また、予備電源システム10と整流器とを接続する電気配線には、整流器から予備電源システム10に流入する電流値を測定する電流測定センサ38が設けられており、電流測定センサ38は測定した電流値を監視制御装置36に出力する。なお、整流器3から予備電源システム10側に流れ込む方向の電流を正とすると、充電電流は正の電流値として測定され、放電電流は負の電流値として測定される。
組電池30は、負荷4に供給する電圧に応じた数の単電池15を直列接続して構成することとしてよく、例えば、各単電池15の定格電圧が4.1Vであり、負荷4に−48Vの電圧を供給する場合には、組電池30は12個の単電池15を直列に接続して構成される。単電池15には、例えばリチウムイオン二次電池を用いることとしてよい。
図2には、電圧調整回路32の一例を示す。電圧調整回路32は、組電池30に含まれる単電池15毎に設けられるものである。図2に示されるように、電圧調整回路32は、第1の誤差増幅器40と第2の誤差増幅器42、及びバイパス回路44を含み構成される。第1の誤差増幅器40は、単電池15の正極を+側の入力、負極を−側の入力として、それらの入力の差(電圧測定値)を増幅して出力するものである。第1の誤差増幅器40から出力される電圧測定値は監視制御装置36に入力されると共に、第2の誤差増幅器42の+側にも入力される。第2の誤差増幅器42は、−側には監視制御装置36から基準電圧(例えば4.1V)に応じた値が入力され、電圧の測定値と基準値との差に応じた電圧をバイパス回路44を構成するトランジスタ46(例えば電界効果トランジスタとしてよい)のゲートに印加する。トランジスタ46は、ソースを単電池15の正極側と、ドレインを単電池15の負極側と接続されており、ゲートに印加された電圧に応じて整流器3から流入する充電電流をトランジスタ46を介してバイパス回路44側に迂回させるようにする。バイパス回路44において、トランジスタ46のドレイン側には電流測定素子48が設けられており、電流測定素子48は測定した電流値(バイパス電流値)を監視制御装置36に出力する。
図3には、放電回路20の一例を示す。図3に示されるように、放電回路20は、放電制御スイッチ22と放電ユニット24とを含み構成される。放電制御スイッチ22は、単電池15と放電ユニット24との間に設けられ、両者の導通を制御する半導体スイッチであり、監視制御装置36から入力される制御信号に応じて開閉するものである。通常動作時には放電制御スイッチ22は開いており、後述する監視制御装置36により単電池15に内部短絡が検出された場合に、監視制御装置36から出力される制御信号に応じて放電制御スイッチ22は閉じられて、単電池15と放電ユニット24とを接続する。放電ユニット24は、例えば抵抗素子26とコンデンサ28とを含み構成されることとしてよく、二次電池に保有される電気エネルギーを吸収する機能を果たしている。また、図3に示したように放電ユニット24を、抵抗素子26とコンデンサ28とを並列に接続して構成することにより、放電制御スイッチ22を閉じた際に抵抗素子26に突入電流が流れ込むのを防止している。
図4には、監視制御装置36の機能ブロック図を示す。図4に示されるように、監視制御装置36は、電源部50、電源情報取得部52、電圧調整回路制御部54、電池状態情報取得部56、制御部58(組電池状態判定部60、及び内部短絡検出部62を含む)、放電回路制御部64、及び回路制御信号出力部66を含む。以下、各部の詳細について説明する。
電源部50は、電源に接続し、監視制御装置36の各部を駆動させる駆動電力を供給するものである。電源は例えば組電池30としてよく、こうすることで停電時等にも監視制御装置36を動作させることができる。
電源情報取得部52は、交流電源2の状態情報(正常状態、停電状態等)を取得するものである。電源情報取得部52は、整流器3から交流電源2の状態情報を取得することとしてもよいし、整流器3から供給される電力(電流及び電圧)に基づいて交流電源2の状態を判断して、交流電源2の状態情報を取得することとしてもよい。
電圧調整回路制御部54は、各電圧調整回路32と接続し、各単電池15に基準電圧を設定するものである。例えば、電圧調整回路制御部54は、通常動作時には各単電池15に予め定められた基準電圧値を設定し、内部短絡を検出した時には内部短絡した単電池15に対しては基準電圧値を例えば0Vに設定して充電を停止するように制御してよい。
電池状態情報取得部56は、組電池に流入又は組電池から放出される電流値、組電池30に含まれる各単電池15について測定された電圧値、組電池30の温度等の状態情報を取得するものである。例えば、電池状態情報取得部56は、後述する電圧調整回路制御部54から各単電池15の電圧値を、電圧調整回路32から各単電池15のバイパス電流値を、電流測定センサ38から組電池に流入する充電電流値を、そして組電池30内に設けられた温度センサ55から組電池30の温度の計測値を取得することとしてよい。
制御部58は、中央処理装置(CPU)を含み構成され、監視制御装置36を構成する各部を制御すると共に、各部の状態を監視して組電池30に内部短絡等の検出や、過充電や過放電等の異常が発生しているか否かの判定等を行うものである。本実施形態では、制御部58には以下の組電池状態判定部60、及び内部短絡検出部62が含まれる。
組電池状態判定部60は、電池状態情報取得部56により取得された組電池30の状態値に基づいて、組電池30が満充電状態、回復充電状態、放電状態のいずれの状態にあるかを判定するものである。満充電状態とは、各単電池15が設定された基準電圧値に充電されている状態であり、回復充電状態とは、組電池30が放電して各単電池15の電圧が基準電圧値以下に下がった後に充電されている状態であり、放電状態とは、組電池30が放電している状態である。
本実施形態では、組電池状態判定部60は、組電池30への充電電流の値を取得し、当該充電電流の値が正又は0であれば組電池30が充電状態(満充電状態、又は回復充電状態)にあると判定し、負であれば放電状態にあると判定する。さらに、組電池状態判定部60は、充電電流の値が所定の閾値(正又は0)よりも小さく、かつ、各単電池15の電圧値の合計(組電池30の電圧)が所定の電圧値(例えば基準電圧値に基づく値としてよい)よりも大きければ、組電池30は満充電状態(浮動充電状態)にあると判定し、そうでなければ回復充電状態にあると判定する。
内部短絡検出部62は、組電池30に含まれる単電池15のうち内部短絡が発生した単電池15を検出するものである。本実施形態では、内部短絡検出部62は、組電池30の状態毎に予め定められた判定基準に従って組電池30において内部短絡が発生した単電池15を検出するものである。以下、組電池30の状態毎の判定基準を図面に従って具体的に説明する。
図5には、組電池30(12個の単電池15を直列接続)が満充電状態にある時に単電池15(4.1Vに充電)の1つに内部短絡が発生した場合の組電池30の電圧と、組電池30への充電電流の値との推移を示した。図5(a)に示されるように、単電池15の1つに内部短絡が発生すると、単電池15の電圧が減少することにより、組電池30の電圧が49.2V(12×4.1V)から45.1V(49.2V−4.1V)まで減少する。また、図5(b)に示されるように、組電池30の電圧が減少することに伴って、組電池30への充電電流が次第に増加していく。ここで、内部短絡が発生する前の正常状態にある段階を状態A、内部短絡が発生し充電電流が次第に増加している状態を状態B、充電電流が増加し平衡状態に達した状態を状態Cとする。
図6Aには、状態Aにおける各単電池15の電圧値及び各単電池15について測定されるバイパス電流値の一例を示したものである。図6Aに示されるように、各単電池15の電圧は基準電圧値を維持しており、いずれの単電池15に関するバイパス電流値も0又は微小である。
図6Bには、状態Bにおける各単電池15の電圧値及び各単電池15について測定されたバイパス電流値の一例を示したものである。図6Bに示されるように、短絡が発生した単電池15(単電池15Xとする)の電圧値は低下し、バイパス電流は単電池15X以外の単電池15については状態Aと比べて大きな値となる。これは、短絡が発生した単電池15Xは電圧が基準電圧値(4.1V)よりも小さいために充電電流が単電池15に流れ込むが、それ以外の単電池15については電圧が基準電圧値に達しているため、ほぼ全ての充電電流がバイパス回路側に迂回して流れ込むためである。
図6Cには、状態Cにおける各単電池15の電圧値及び各単電池15について測定されたバイパス電流値の一例を示したものである。図6Cに示されるように、短絡が発生した単電池15Xの電圧値は0にまで低下し、バイパス電流は単電池15X以外の単電池15については状態Bと同様に大きな値となる。
本実施形態に係る予備電源システム10では、組電池30が状態Cに達する前の状態Bの段階で単電池15に内部短絡が発生していることを検出して、内部短絡した単電池15に蓄えられている電気を放電回路20に放出するものである。ここで、満充電状態において内部短絡を検出する具体的な検出処理について説明する。
内部短絡検出部62は、組電池30が満充電状態にある場合において、単電池15のうち電圧値が所定の値(例えば、基準電圧値4.1V又はそれ以下の値としてもよい)を下回っており、かつ、電圧が維持されている他の単電池15に関して測定されるバイパス電流が所定の値(例えば、通常動作時のバイパス電流の最大値や平均値等としてよい)を上回る場合に、上記電圧の低下が検知された単電池15に内部短絡が発生したとして検出することとしてよい。満充電状態においては、特にバイパス電流値が1又は複数の単電池15を除いて急激に立ち上がったことを検知した場合に、内部短絡の発生を検出するように処理を行うこととしてよい。
次に、図7を参照しながら、組電池30が回復充電状態にある場合において、内部短絡検出部62により行われる内部短絡が発生した単電池15の検出処理について説明する。図7には、回復充電状態における各単電池15の電圧値及び各単電池15について測定されたバイパス電流値の一例を示したものである。図7に示される矢印の方向及び長さは、電圧の変化の方向及び変化量を示している。すなわち、組電池30が回復充電状態にある場合において内部短絡した単電池15は、他の単電池15と電圧変化の方向が異なるため、内部短絡検出部62は各単電池15の電圧値の変化率を算出してその変化率が0又は負の単電池15を内部短絡が発生した単電池15として検出することとする。
最後に、図8を参照しながら、組電池30が放電状態にある場合において、内部短絡検出部62により行われる内部短絡が発生した単電池15の検出処理について説明する。図8には、放電状態における各単電池15の電圧値及び各単電池15について測定されたバイパス電流値の一例を示したものである。図8に示される矢印の方向及び長さは、電圧の変化の方向及び変化量を示している。すなわち、組電池30が放電状態にある場合において内部短絡した単電池15は、他の単電池15と比べて電圧低下率が大きいため、内部短絡検出部62は各単電池15の電圧値の変化率を算出してその変化率(絶対値)が所定の値よりも大きい単電池15を内部短絡が発生した単電池15として検出することとする。
放電回路制御部64は、各単電池15と接続する放電制御スイッチ22の開閉を制御するものである。具体的には、放電回路制御部64は、内部短絡検出部62により内部短絡が検出された単電池15と接続する放電制御スイッチ22に「オン(閉)」の制御信号を出力するものである。
回路制御信号出力部66は、接続制御スイッチ5(例えば半導体スイッチ)に開閉を制御する制御信号を出力するものである。例えば回路制御信号出力部66は、制御部58により異常(内部短絡、過充電、過放電、温度上昇等)が検出された場合に、接続制御スイッチ5を開く制御信号を出力して、組電池30を充電系統及び放電系統から分離することとする。このようにして、組電池30を内部短絡、過充電、過放電、温度上昇等の異常動作による故障、事故から回避させることとしている。
次に、図9乃至図11に示されたフローチャートを参照しながら、予備電源システム10において行われる内部短絡対応処理の流れについて説明する。
図9は、内部短絡対応処理の全体の流れを示したフローチャートである。図9に示されるように、予備電源システム10は、組電池30の状態値(各単電池15の電圧値、充電電流値、バイパス電流値)を取得し(S101)、取得した状態値に基づいて組電池30の状態を判定する(S102)。組電池30の状態の判定処理については、図10に示したフローチャートを参照しながら説明する。
図10は、組電池30の状態判定処理のフローチャートである。図10に示されるように、予備電源システム10は、組電池30への充電電流の値が負か否かを判定し(S201)、「負」であると判定する場合には(S201:Y)、組電池30が「放電状態」にあると判断する(S202)。予備電源システム10は、「負」でないと判定する場合には(S201:N)、充電電流の値が所定値以下で、組電池30の電圧(単電池15の合計電圧)が所定値以上であるか否かの条件(満充電判定条件)を満たすか否かを判定し(S203)、上記満充電判定条件を満たすと判定する場合には(S203:Y)、組電池30は「満充電状態」にあると判断し(S204)、上記満充電判定条件を満たさないと判定する場合には(S203:N)、組電池30は「回復充電状態」にあると判断する(S205)。予備電源システム10は以上の処理を終えるとS102に戻り、次の処理に進む。
予備電源システム10は、組電池30の状態判定処理を終えると、判定した組電池30の状態と、組電池30について取得された状態値に基づいて、組電池30に内部短絡が発生したこと及びその内部短絡が発生した単電池15を検出する内部短絡検出処理を行う(S103)。内部短絡検出処理の詳細については、図11を参照しながら説明する。
図11は内部短絡検出処理のフローチャートである。図11に示されるように、予備電源システム10は、組電池30の状態が「満充電状態」か、「回復充電状態」か、「放電状態」かを取得する(S301)。取得された組電池30の状態が「満充電状態」である場合には、予備電源システム10は、組電池30に含まれる単電池15のうち電圧値が所定値を下回り、かつ、当該単電池15以外の単電池15のバイパス電流値が所定値を上回っているという内部短絡判定条件を満足するか否かを判断し(S302)、当該内部短絡判定条件を満足すると判断する場合には(S302:Y)、上記所定値を下回った電圧値を有する単電池15に内部短絡が発生したと判断する(S303)。一方で、予備電源システム10は、内部短絡判定条件を満足しないと判断する場合には(S302:N)、内部短絡は発生していないと判断する(S304)。
S301で取得された組電池30の状態が「回復充電状態」である場合には、予備電源システム10は、組電池30に含まれる単電池15のうち電圧値が上昇していない単電池15が有るか否かを判定し(S305)、「有る」と判定する場合には(S305:Y)、当該電圧値が上昇していない単電池15に内部短絡が発生したと判断し(S306)、「無い」と判定する場合には(S305:N)、内部短絡は発生していないと判断する(S307)。
S301で取得された組電池30の状態が「放電状態」である場合に、予備電源システム10は組電池30に含まれる単電池15の電圧降下率が他の単電池15と比べて所定の割合以上大きい単電池15が有るか否かを判定し(S308)、「有る」と判定する場合には(S308:Y)、当該電圧降下率が大きい単電池15に内部短絡が発生したと判断し(S309)、「無い」と判定された場合には(S308:N)、内部短絡は発生していないと判断する(S310)。予備電源システム10は以上の処理を終えるとS103に戻り、次の処理に進む。
予備電源システム10は、内部短絡検出処理により内部短絡が検出された場合には(S104:Y)、接続制御スイッチを開放し(S105)、組電池30の充電又は放電を停止させると共に、電圧調整回路32の設定基準値を変更して組電池30に充電電流が流入するのを停止させる(S106)。そして、予備電源システム10は、内部短絡が検出された組電池30と接続する放電制御スイッチ22を閉じて(S107)、単電池15に保有される電気を放電回路20に放出させて、処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係る予備電源システム10によれば、交流電源2に並列接続されて常時充電状態にある組電池30について測定される状態値に基づいて、組電池に含まれ単電池15において発生した内部短絡を当該内部短絡が発生した単電池15に電気が保有されている段階で検出すると共に、当該単電池15に保有される電気を放電回路20に放出させることで、二次電池の発熱・発火等の事故を未然に防止することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば図12に示されるように、予備電源システム10の放電回路20を全単電池15について共有させることにして、回路を小型化することとしてもよい。このように放電回路20を共有させる場合においても、各単電池15と放電回路20とを接続する放電制御スイッチ22は単電池15毎に設けることとしてよい。また、上記の実施形態は単電池15にリチウムイオン二次電池を用いた例を挙げて説明したが、本発明は他の多様な種類の二次電池にも適用できるのはもちろんである。
2 交流電源、3 整流器、4 負荷、5 接続制御スイッチ、10 予備電源システム、15 単電池、20 放電回路、22 放電制御スイッチ、24 放電ユニット、26 抵抗素子、28 コンデンサ、30 組電池、32 電圧調整回路、34 電圧調整部、36 監視制御装置、38 電流測定センサ、40 第1の誤差増幅器、42 第2の誤差増幅器、44 バイパス回路、46 トランジスタ、48 電流測定素子、50 電源部、52 電源情報取得部、54 電圧調整回路制御部、56 電池状態情報取得部、58 制御部、60 組電池状態判定部、62 内部短絡検出部、64 放電回路制御部、66 回路制御信号出力部。

Claims (5)

  1. 負荷に電力を供給する電源と並列に接続され、1又は複数の二次電池を直列に接続した組電池と、
    前記組電池の状態値を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得した状態値に基づいて、前記組電池に含まれる二次電池のうち内部短絡が発生した二次電池を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された二次電池を放電回路と接続して放電させる放電制御手段と、
    を含むことを特徴とする予備電源システム。
  2. 前記状態値は、前記各二次電池の電圧値を少なくとも含み、
    前記検出手段は、前記電源から前記組電池が充電されている間に電圧が低下している二次電池を内部短絡が発生した二次電池として検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の予備電源システム。
  3. 前記二次電池毎に、当該二次電池の電圧を調整する電圧調整回路であって、当該二次電池の電圧の測定値と目標値との差に応じて当該二次電池への充電電流の少なくとも一部を迂回させるバイパス回路を含む電圧調整回路と、
    前記取得手段により取得される状態値に基づいて前記組電池が満充電状態にあるか否かを判断する判断手段と、をさらに含み、
    前記状態値は、前記各バイパス回路に迂回したバイパス電流値をさらに含み、
    前記検出手段は、前記判断手段により満充電状態にあると判断される場合において、前記二次電池のうち少なくとも1つの二次電池を除く他の二次電池についてのバイパス電流値が予め定められた電流値以上であり、かつ、前記少なくとも1つの二次電池の電圧値が予め定められた電圧値以下である場合に、前記少なくとも1つの二次電池を内部短絡が発生した二次電池として検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の予備電源システム。
  4. 前記判断手段は、前記組電池が放電後の回復充電状態にあるか否かをさらに判断し、
    前記検出手段は、前記判断手段により回復充電状態にあると判断された場合において、前記二次電池のうち前記取得手段により取得した電圧値が上昇しない二次電池を内部短絡が発生した二次電池として検出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の予備電源システム。
  5. 負荷に電力を供給する電源と並列に接続され、1又は複数の二次電池を直列に接続した組電池の状態値を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した状態値に基づいて、前記組電池に含まれる二次電池のうち内部短絡が発生した二次電池を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップで検出された二次電池を放電回路と接続して放電させる放電制御ステップと、を含むことを特徴とする予備電源システムの保護方法。
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