JP5503430B2 - 出力停止スイッチ付き電池パック - Google Patents

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Description

この発明は、リチウムイオン電池などの二次電池が収納された電池パックに関し、特に、電気機器に装着されていない状態において二次電池からの出力を停止する機能を備えた電池パックに関する。
電池パックは、一般的に、正負極端子間で放電可能な状態で提供される。放電が可能な状態の電池パックでは、インピーダンスが低いものに接続する場合、接続直前のギャップにおいて、空気の絶縁破壊によるスパークが発生することがある。また、電池パックを並列に接続する際にも、接続される電池パックの電位差に少しでも違いがある場合は、同様の現象が発生する。特に、電池パックは複数の電池を直列に接続して出力電圧を高くしている場合が多いので、スパークが発生し易い。これは、人が電池パックを操作する場合には、操作する人が感電する恐れがある。
感電を避けるために、電気機器から取り外した状態では放電不能なようにした電池パックが、例えば特許文献1及び2に開示されている。特許文献1及び2に開示された構成では、電気機器に対する電池パックの着脱に応じてオン/オフする着脱スイッチを設ける。着脱スイッチのオン/オフによって、二次電池と直列に接続され充放電を制御する充放電制御素子が制御される。すなわち、電池パックが電気機器から取り外された状態では、充放電制御素子がオフに制御されて、電池パックからの出力が遮断される。
特許文献1に開示された電池パック20の回路図を図4に示す。この電池パック20は、電池21の負極と充放電端子22との間に挿入されたスイッチング素子23を有する。スイッチング素子23は、互いに直列に接続された二つのFETからなる。スイッチング素子23の制御入力端子には、制御回路24が接続されている。制御回路24は、スイッチング素子23の各FETのゲートに接続された二つのアンド回路25、及び電池21の+側とアンド回路25の一方の入力端子との間に接続された検出スイッチ26から構成されている。アンド回路25の他方の入力端子には、過充電過放電防止回路27が接続されている。
この電池パック20は、電気機器28に装着されたとき、その電源端子29に対して充放電端子22が接続されるとともに、検出スイッチ26のプッシュ片26aが電気機器28に設けられた押圧部30により押し込まれる。それにより、検出スイッチ26は、電池パック20を電気機器28に装着したときにオン、電池パック20を電気機器29から取り外したときにオフとなる。検出スイッチ26がオンのときは、電池21の+側がアンド回路25の一方の入力端子に接続されて、“H”レベルの信号が入力された状態になる。これに対して、検出スイッチ26がオフのときは、アンド回路25の一方の入力端子は、“L”レベルとなる。
過充電過放電防止回路27は、電池パック20の正常な状態においては、アンド回路25の入力端子にHレベルの信号を出力する。一方、電池21に対する過充電または過放電を検出したときには、過充電過放電防止回路27はアンド回路25の入力端子にLレベルの信号を出力する。従って、電池パック20が電気機器28に装着され、過充電または過放電が検出されていなければ、アンド回路25がオンとなり、スイッチング素子23の両FETがオンに制御されて、電池21から電気機器28に電力が供給される。
これに対して、電池パック20が電気機器28に装着された状態で過充電または過放電が検出されると、過充電過放電防止回路27の出力信号がLレベルになるため、アンド回路25がオフとなり、スイッチング素子23はオフに制御される。あるいは、電池パック20が電気機器から取り外された場合も、検出スイッチ26がオフになるため、アンド回路25はオフになり、スイッチング素子23はオフに制御される。従って、いずれの場合にも、電池21から電気機器28への電力供給が遮断される。これにより、電池パック20を電気機器28から外した状態での、スパークの発生が防止される。
この構造の電池パック20のスイッチング素子23は、過充電過放電防止回路27により電池21の過充電・過放電を防止するために設けられていたものが、電気機器から外した状態での電池21からの放電を遮断する機能を追加するために併用される。従って、アンド回路25と検出スイッチ26とを追加するだけで、電池パック20と電気機器28との連結構造を複雑にすることなく、電池パック20を電気機器28から外した状態での安全性を向上させることが可能となる。
特開平7−29554号公報 特開2002−330546号公報
しかし、上記従来例の構成の電池パックでは、アンド回路25を設けることにより、過充電・過放電防止用のスイッチング素子23を併用可能としている。従来、過充電過放電防止回路27の機能は、標準化された保護ICを用いて得るのが一般的である。そのため、アンド回路25を付加することは、保護ICとともに設ける回路素子を増加させることになり、回路の複雑化、コストの増大の原因となる。
従って、本発明は、電気機器に装着されていない状態において二次電池からの出力を停止する機能を、回路構成を複雑にすることなく実現させた電池パックを提供することを目的とする。
本発明の電池パックは、単数または複数の二次電池が接続された電池セルと、前記電池セルから外部端子に至る充放電経路に挿入されたスイッチ回路と、前記電池セルあるいはその周辺の状態の異常を検出する少なくとも一種の異常検出部を有し、前記異常検出部に入力される信号に応じて前記スイッチ回路を制御する保護回路とを備え、前記保護回路は、前記異常検出部に入力される信号が正常状態を示しているときは前記スイッチ回路を通電状態に制御し、異常状態を示しているときは前記スイッチ回路を非通電状態に制御する。
上記課題を解決するために、本発明の電池パックは、部からオン/オフの操作が可能な外部スイッチと、温度センサを備え、前記異常検出部は、前記スイッチ回路を介することなく前記電池セルの電圧が供給される温度検出部を備え、前記温度検出部は、前記電池セルから供給される電圧に基づいて一定の電圧を前記温度センサの両端に印加することによって、前記温度センサの検出信号に基づいて温度異常を検出し、前記外部スイッチがオン状態とされた場合には、前記温度検出部が温度異常を検出した状態になるように、前記温度センサの検出信号が設定され、前記温度検出部が温度異常を検出したとき、前記異常検出部に異常状態を示す信号が入力され、前記保護回路は、前記スイッチ回路を非通電状態に制御する。
上記構成によれば、電池パックの機器への接続時、または並列に使用する場合の接続時に、外部スイッチによりスイッチ回路を非導通状態にして操作を行い、操作完了後にスイッチ回路を導通状態にすることで、スパークの発生を回避することができる。しかも、スイッチ回路のオン/オフを、電池パックが通常持っている温度検出機能などの異常検出に対する保護機能を使って制御するように構成されるので、回路構成が複雑化することを回避できる。
本発明の実施の形態1における電池パックの構成を示すブロック図 同電池パックの要部の構成を詳細に示す回路図 本発明の実施の形態2における電池パックの構成を示すブロック図 従来例の電池パックの回路図
本発明の電池パックは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記温度センサとして負特性サーミスタが用いられ、前記負特性サーミスタは一端が接地電位に接続され、他端には電圧分割用抵抗を介して所定の電圧が印加され、前記負特性サーミスタと並列に前記外部スイッチが接続された構成とすることができる。
また、前記外部スイッチがオン状態とされた場合には、前記負特性サーミスタの他端が接地電位となるように設定することができる。
また、前記保護回路及びその動作に関連する要素の少なくとも一部について、低消費電力モードで動作するように制御することが可能であり、前記外部スイッチの操作により前記スイッチ回路が非通電状態に制御されたときに、前記低消費電力モードに移行する構成とすることができる。
また、前記低消費電力モードでは、前記異常検出部の少なくとも一種の異常検出動作が停止される構成とすることができる。
また、前記異常検出部の一種として温度検出部を備え、前記外部スイッチのオン/オフ状態により、前記温度検出部が異常を検出した状態に設定され、前記低消費電力モードでは、前記温度検出部から出力される異常検出信号に基づき、他の前記異常検出部の異常検出動作が停止する構成とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電池パック1の構成を示す基本ブロック図である。電池パック1は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池を単数もしくは複数個直列に接続して構成された電池セル2を内蔵する。電池セル2の両電極端子には充放電端子T1、T2が接続され、充放電端子T1、T2を介して外部の負荷に対する電力の供給、あるいは外部からの電池セル2に対する充電が行われる。
また、一般的な構成と同様、正極側の充放電経路にスイッチ回路3が挿入され、保護回路4によりスイッチ回路3が開閉されて、電池セル2の出力が制御される。保護回路4は、スイッチ回路制御部5、過充電・過放電電圧検出部6、過電流検出部7、及び温度検出部8からなる。保護回路4としては通常、保護ICとして標準化されたものが用いられる。
過充電・過放電電圧検出部6は、電池セル2の充放電電圧を監視し、過放電あるいは過充電電圧を検出した場合に、所定の制御信号を生成する。過電流検出部7は、負極側の充放電経路に挿入された抵抗を介して、電池セル2に流れる電流を監視し、過電流を検出した場合に、所定の制御信号を生成する。温度検出部8は、電池パック1内の温度を監視し、温度異常を検出した場合に、所定の制御信号を生成する。過充電・過放電電圧検出部6、過電流検出部7、及び温度検出部8は、電池セル2あるいはその周辺の状態の異常を検出するための異常検出部の例であり、これらに限られるものではない。
過充電・過放電電圧検出部6、過電流検出部7、及び温度検出部8が生成する制御信号はスイッチ回路制御部5に供給され、スイッチ回路制御部5はその制御信号に基づいてスイッチ回路3の通電または非通電(遮断)を制御する。これにより、過充電あるいは過放電等の異常発生時に充放電経路を遮断して、電池セル2の保護、あるいは事故発生が防止される。
温度検出部8には、温度センサとして通常、保護回路4の外に配置されたサーミスタ9が接続される。サーミスタ9により電池パック1内部の温度を監視し、温度検出情報として電圧値が温度検出部8に供給される。温度検出部8は、サーミスタ9から得られる電圧値を設定された基準電圧と比較し、その結果、温度異常と判断したとき、スイッチ回路制御部5に制御信号が供給され、スイッチ回路3を非通電状態にして電池パック1の充放電が禁止される。
本実施の形態では、この温度検出部8に、外部からオン/オフの操作が可能な外部スイッチ10が接続される。この外部スイッチ10のオン/オフを操作することで、サーミスタ9により出力される検出信号は、温度検出部8が異常を検出した状態に設定される。それにより、スイッチ回路制御部5は、スイッチ回路3を非通電状態に制御する。外部スイッチ10のオン/オフは、ユーザーが手動で操作するように構成することができる。
このように、外部スイッチ10の操作により充放電経路を遮断して、電池パック1を電気機器から外した状態でのスパークの発生を防止することができる。この機能は、過充電・過放電等に対して電池パックが通常備えている保護機能のための回路を最大限に利用することで実現されている。上記構成では、異常検出部の一つである温度検出部8の本来の機能がそのまま利用されている。従って、外部スイッチ10を出力停止スイッチとして付加しただけで、図4に示した従来例におけるアンド回路25の付加と比べると、極めて簡素な変更で十分な効果を得ることができる。
なお、外部スイッチ10の操作により異常を検出した状態に設定される異常検出部としては、温度検出部8に限らず、他の異常検出部についてそのように構成することも可能である。
図2は、保護回路4の温度検出部8、サーミスタ9、及び外部スイッチ10間の接続状態の具体例を示す。但し、図2では説明を簡略化するために、ESD保護回路、対ノイズ回路、チャタリング防止回路などの、コンデンサ、ダイオード、抵抗等を省略した構成が示されている。
温度検出部8は、電圧を出力する温度検出用出力端子11と、電圧を入力する温度検出用入力端子12とを備えている。温度検出用出力端子11と接地電位の間に電圧分割用抵抗13とサーミスタ9が直列に接続され、電圧分割用抵抗13とサーミスタ9の接続点に温度検出用入力端子12が接続されている。外部スイッチ10は、サーミスタと並列に接続、すなわち、電圧分割用抵抗13とサーミスタ9の接続点と接地電位の間に挿入されている。
この回路では、温度検出部8は、温度検出用入力端子12への入力電圧が基準電圧を下回った場合に温度異常と検出するように設定されている。そのため、サーミスタ9としては、抵抗値が負の温度特性を有するものが用いられる。温度検出用出力端子11から印加される電圧は、電圧分割用抵抗13とサーミスタ9により抵抗分割され、サーミスタ9と接地間の電圧が温度検出信号として温度検出用出力端子11に入力される。サーミスタ9の特性により温度検出用入力端子12に入力される電圧が、検出したい温度で基準電圧になるように、電圧分割用抵抗13の抵抗値が適宜調整される。
この構成により、外部スイッチ10が導通状態のときには、サーミスタ9による温度検出信号が接地電位に設定される。従って、温度検出信号が基準電圧より低いことになり、温度検出部8により、温度異常であることが検出される。その結果、スイッチ回路制御部5によりスイッチ回路3が非導通状態に制御される。
外部スイッチ10の導通状態をOFF、外部スイッチ10の非導通状態ををONとすることで、電池パック1は、外部スイッチ10がONのときに、通常動作つまり、電池セル2から出力可能な状態になる。一方、外部スイッチ10がOFFの時は、電池セル2の出力が停止される。つまり、電池パック1を機器に接続する場合や、スイッチ回路を並列に接続する場合に、外部スイッチ10をOFFにすることで、安全に作業をすることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における電池パック14の構成を示すブロック図である。この電池パック14の構成は概ね、上述の実施の形態1における電池パック1と同様である。従って、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを避ける。
本実施の形態の電池パック14は実施の形態1と相違する点は、外部スイッチ10の操作によりスイッチ回路3が非通電状態に制御されたときに、電池パック14が低消費電力モードで動作するように制御されることである。
すなわち、この電池パック14では、具体的な構成については図示しないが、保護回路4及びその動作に関連する要素の少なくとも一部について、低消費電力モードで動作させることが可能である。そのような低消費電力モードで動作させるためには、周知の構成を採用することができる。本実施の形態の特徴は、低消費電力モードに移行する条件の一つとして、外部スイッチ10の操作によりスイッチ回路3が非通電状態になった状態が用いられていることである。
低消費電力モードに制御するために、温度検出部8からの異常検出信号は、スイッチ回路制御部5に供給されるだけでなく、検出信号線15を通じて過充電・過放電電圧検出部6、及び過電流検出部7にも供給される。その異常検出信号に応じて、過充電・過放電電圧検出部6及び過電流検出部7は電源の供給が遮断されて、低消費電力モードになるように構成されている(不図示)。それにより、電池セル2から外部に対する出力が停止された状態での電力消費を低減させることができる。
このように、低消費電力モードでの動作としては、一例として、過充電・過放電電圧検出部6、過電流検出部7等の異常検出部の少なくとも一種の異常検出動作を停止させることができるが、他の消費電力の低減方法を採用することもできる。
本発明の電池パックは、本来ある機能を使用することで、簡単にかつ安全に使用することが可能となったものであり、電動バイク等の産業用に用いられる電池パックとして有用である。
1、14 電池パック
2 電池セル
3 スイッチ回路
4 保護回路
5 スイッチ回路制御部
6 過充電・過放電電圧検出部
7 過電流検出部
8 温度検出部
9 サーミスタ
10 外部スイッチ
11 温度検出用出力端子
12 温度検出用入力端子
13 電圧分割抵抗
15 検出信号線

Claims (6)

  1. 単数または複数の二次電池が接続された電池セルと、
    前記電池セルから外部端子に至る充放電経路に挿入されたスイッチ回路と、
    前記電池セルあるいはその周辺の状態の異常を検出する少なくとも一種の異常検出部を有し、前記異常検出部に入力される信号に応じて前記スイッチ回路を制御する保護回路とを備え、
    前記保護回路は、前記異常検出部に入力される信号が正常状態を示しているときは前記スイッチ回路を通電状態に制御し、異常状態を示しているときは前記スイッチ回路を非通電状態に制御する電池パックにおいて、
    部からオン/オフの操作が可能な外部スイッチと、温度センサを備え、
    前記異常検出部は、前記スイッチ回路を介することなく前記電池セルの電圧が供給される温度検出部を備え、
    前記温度検出部は、前記電池セルから供給される電圧に基づいて一定の電圧を前記温度センサの両端に印加することによって、前記温度センサの検出信号に基づいて温度異常を検出し、
    前記外部スイッチがオン状態とされた場合には、前記温度検出部が温度異常を検出した状態になるように、前記温度センサの検出信号が設定され、
    前記温度検出部が温度異常であることを検出したとき、前記異常検出部に異常状態を示す信号が入力され、前記保護回路は、前記スイッチ回路を非通電状態に制御することを特徴とする電池パック。
  2. 前記温度センサとして負特性サーミスタが用いられ、
    前記負特性サーミスタは一端が接地電位に接続され、他端には電圧分割用抵抗を介して所定の電圧が印加され、
    前記負特性サーミスタと並列に前記外部スイッチが接続された請求項に記載の電池パック。
  3. 前記外部スイッチがオン状態とされた場合には、前記負特性サーミスタの他端が接地電位となるように設定された請求項2に記載の電池パック。
  4. 前記保護回路及びその動作に関連する要素の少なくとも一部について、低消費電力モードで動作するように制御することが可能であり、
    前記外部スイッチの操作により前記スイッチ回路が非通電状態に制御されたときに、前記低消費電力モードに移行する請求項1に記載の電池パック。
  5. 前記低消費電力モードでは、前記異常検出部の少なくとも一種の異常検出動作が停止される請求項に記載の電池パック。
  6. 前記異常検出部の一種として温度検出部を備え、
    前記外部スイッチのオン/オフ状態により、前記温度検出部が異常を検出した状態に設定され、
    前記低消費電力モードでは、前記温度検出部から出力される異常検出信号に基づき、他の前記異常検出部の異常検出動作が停止する請求項に記載の電池パック。
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