JP2010230911A - 光学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】動的貯蔵弾性率の制御された記録材料を用いて、記録済み信号が、80℃の環境下で少なくとも100時間以上安定に保持されるような十分な保存安定性に優れた光学デバイスを提供する。
【解決手段】ホログラム記録媒体10は、ガラス基板14と、そのガラス基板14上に支持された、干渉露光後又はポストキュア後の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上の感光性材料から構成された情報記録層12を有し、情報記録層12は、有機溶剤に溶解又は分散可能とされている。
【選択図】図1

Description

この発明は、十分な保存安定性を有する光学デバイスに関する。
従来、1回のみ記録が可能な、即ち、ライトワンスのホログラム記録材料として、特許文献1乃至4に記載されるような、共有結合を介して3次元架橋されたポリマーマトリクス中に光重合性モノマーを分散させた材料があった。このような材料が用いられるのは、光重合性モノマーの分散媒であるマトリクスを、共有結合を介した3次元架橋によって形成する手法が、高記録感度、高ダイナミックレンジ、低記録収縮を同時に達成するうえで最も効果的だと考えられているためである。
また、信号を記録した後の経時安定性を確保するためにも、マトリクスを共有結合によって3次元架橋することが有効だと考えられている。これは、3次元架橋ポリマーマトリクスの骨格自体が、一般にトレードオフの関係にある、機械的強度と光重合性モノマーの易動度とを両立するのに有利であることに加え、3次元架橋ポリマーマトリクス中で光重合性モノマーが重合することによって、即ち、信号が記録されることによって、いわゆる相互貫入高分子網目(IPN:Interpenetrating Polymer Network)が形成され、記録材料の機械的強度、即ち、記録済み信号の保存安定性がさらに高まると考えられているためである。
また、IPNの形成は、高い屈折率変調度(Δn)と、光重合したモノマー又はその重合物のマトリクスに対する相溶性とを両立するためにも効果的だと考えられている。
なお、相溶性は両成分の溶解性パラメータ(SP値)にある程度支配されるが、SP値は分子の分極率とモル分子容の逆数に比例するので、物質の屈折率とも相関がある。従って、Δnを高めることと相溶性を高めることも、やはりトレードオフの関係になることが多い。
しかし、マトリクスを3次元架橋させれば必ず所期の保存安定性が達成されるわけではない。保存安定性の実用的な目安としては、記録済み信号が、80℃の環境下で少なくとも100時間以上安定に保持されることが必要である。しかし、特に多重記録された状態において、このレベルの保存安定性が達成されたという客観的なデータはこれまで明示されていない(特許文献5乃至8参照)。例えば、多重記録をしない単一の回折ピークの経時安定性については、参考文献5に90℃保存下で7日後における安定性の記載があるが、多重記録時のデータは一切開示されていない。
特許第3737306号 WO2005/78531 WO2005/78532 特開2008−70464号公報 特開平6−202541号公報 特開2007−279585号公報 特開2007−316570号公報 特開2008−139768号公報 特開2008−76674号公報 特開平11−249536号公報 特開2005−309452号公報 WO99/50702
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、十分な保存安定性を有する、即ち、記録済み信号が、80℃の環境下で少なくとも100時間以上安定に保持される光学デバイスを提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、マトリクスを共有結合によって3次元架橋させることは保存安定性確保の必須要件ではなく、例えば、水素結合やファンデルワールス力などの弱い分子間力によってマトリクスが3次元架橋構造を形成しているだけでも十分な保存安定性を確保できることを見出した。
さらに、経時安定性の良否を支配するのは架橋の種類ではなく、記録材料の弾性率であるという結論を得るに至った。即ち、情報記録層として形成された記録材料が、記録露光後もしくはそれに続くポストキュア後の状態において、所定の動的貯蔵弾性率を有していれば、マトリクス中の架橋が共有結合によるか分子間力によるかにかかわらず、必要十分な保存安定性が達成されることを見出した。
また、光記録媒体として必要十分なダイナミックレンジを得られるような適切な濃度のラジカル重合性モノマーが添加された記録材料であれば、それが記録前の状態において有する動的貯蔵弾性率と、記録露光後の動的貯蔵弾性率との間にはかなり明確な相関があること、及び、記録前の動的貯蔵弾性率が所定値以上であれば、記録露光後又はポストキュア後において必要とされる動的貯蔵弾性率が自ずと達成できることが判った。
ここで、動的貯蔵弾性率とは、動的粘弾性測定装置で、試料に所定の正弦波振動を加え測定した弾性率をいう。動的貯蔵弾性率は、測定時に試験片に印加される変形モードの種類によって、動的引張り貯蔵弾性率、動的曲げ貯蔵弾性率、動的せん断貯蔵弾性率、及び動的ねじり貯蔵弾性率等に分類されるが、それらのいずれの弾性率を用いても差し支えない。
異なる変形モードによって測定された動的貯蔵弾性率は必ずしも一致しないが、被測定材料が等方的であれば、歪み量と応力とが比例関係にある範囲内で弾性率はおおむね一致する。ただし、光記録媒体をはじめとする一般的な光学デバイスの測定に適しているという理由から、本発明では、動的せん断貯蔵弾性率又は動的引張り貯蔵弾性率を用いることが好ましく、動的せん断貯蔵弾性率を用いることがより好ましい。
動的せん断貯蔵弾性率(または単に、せん断貯蔵弾性率ともいう)の測定は、JIS K7244−10:2005 (ISO6721−10:1999)に基づいて行われることが好ましいが、測定試料の形状が必ず同規格の推奨する範囲内である必要はない。また、動的引張り貯蔵弾性率(または単に、引張り貯蔵弾性率ともいう)の測定は、JIS K7244−4:1999 (ISO6721−4:1994)に基づいて行われることが好ましい。
但し、本発明において、動的貯蔵引張り弾性率を適用できるのは、前記光学デバイスから、記録材料の自立フィルムを測定に適した形状で採取できる場合に限られる。一方、動的せん断貯蔵弾性率を適用する場合は、必ずしも記録材料のみからなる試料を用意する必要はない。例えば、光学デバイスが、記録材料を樹脂基材に挟んだ態様である場合、一方の樹脂基材を剥離し、記録材料層の少なくとも一部が露出した測定試料を作製できれば、他方の樹脂基材を記録材料層から剥離しなくてもよい。この場合、他方の樹脂基材ごと測定装置の試料台に固定し、測定を行えばよい。
さらに、樹脂基材と記録材料層との間に他の材料からなる層、例えば反射膜、接着層などが存在していてもよい。但し、その場合、樹脂基材や他の材料からなる層の動的貯蔵弾性率が予めわかっていることが必要である。さらに、樹脂基材の動的貯蔵弾性率が、記録材料のそれと比べ十分に大きいことがより好ましいが、必須の要件ではない。
本発明において、記録材料の正確な動的貯蔵弾性率を知ることは必ずしも重要ではなく、前記弾性率が所定の値を上回っているかどうかが判断できればよい。従って、干渉露光後又はポストキュア後の樹脂基材の動的貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上、干渉露光前の材料の測定の場合1.0×10Pa以上であれば、本発明における記録材料の良否の判定には影響しない。
なお、光学デバイス、特に光記録媒体に用いられる樹脂基材として一般的なポリカーボネートやアクリル樹脂の場合、それらの動的貯蔵弾性率は、変形モードの種類によらずいずれも1.0×10Pa以上である。また、通常、記録材料層と樹脂基材との間、もしくは他の材料からなる層との間のせん断剥離強度は十分高いため、測定に影響を与えることはない。
即ち、以下の実施例により上記課題を解決することができる。
(1)支持基材と、この支持基材上に支持された、光照射によってホログラムが記録可能な感光性材料からなる情報記録層と、を有する光学デバイスであって、前記情報記録層は、干渉露光後又はポストキュア後の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上の材料から構成されていることを特徴とする光学デバイス。
(2)前記情報記録層は、干渉露光前の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上の材料から構成されていることを特徴とする(1)に記載の光学デバイス。
(3)前記情報記録層は、5乃至50質量%のラジカル重合性モノマーを含む材料から構成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光学デバイス。
(4)前記情報記録層は有機溶媒に溶解又は分散可能とされていることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の光学デバイス。
本発明によれば、動的貯蔵弾性率の制御された記録材料を用いて、保存安定性に優れた光学デバイスを提供することができる。
さらに、従来のような共有結合を介した3次元架橋からなるマトリクスと異なり、一旦3次元架橋を形成した後も適当な有機溶剤に分散または溶解可能であるため、量産に適した種々の成膜プロセスを用いることができる。
本発明の実施例に係るホログラム記録媒体を模式的に示す断面図 本発明の実施例及び比較例に係るホログラム記録媒体の評価に用いるホログラム記録光学系の構造を模式的に示すブロック図 本発明の実施例1に係るホログラム記録媒体の動的貯蔵弾性率の温度依存性プロファイルを示すグラフ 本発明の実施例1に係るホログラム記録媒体の回折プロファイルを示すグラフ 本発明の実施例1に係るホログラム記録媒体の回折プロファイルを示すグラフ 本発明の実施例2に係るホログラム記録媒体の動的貯蔵弾性率の温度依存性プロファイルを示すグラフ 本発明の実施例2に係るホログラム記録媒体の回折プロファイルを示すグラフ 本発明の実施例2に係るホログラム記録媒体の回折プロファイルを示すグラフ 本発明の比較例に係るホログラム記録媒体の動的貯蔵弾性率の温度依存性プロファイルを示すグラフ 本発明の比較例に係るホログラム記録媒体の回折プロファイルを示すグラフ 本発明の比較例に係るホログラム記録媒体の回折プロファイルを示すグラフ
以下、図1を参照して、本発明の実施例1に係るホログラム記録媒体10について詳細に説明する。
ホログラム記録媒体10は、光学デバイスの一種である透過型ホログラム記録媒体であり、情報記録層(ホログラム記録材料層)12及びスペーサ18を2枚の支持基材としてのガラス基板14、16で挟んで構成されている。ガラス基板14の図1において下側面、ガラス基板16の図1において上側面には、それぞれ反射防止膜22、24が形成されている。
ガラス基板14、16は、情報記録層12を保持する支持基材であり、光が透過するようにされている。
スペーサ18は、情報記録層12のために、ガラス基板14及び16の間隔を空けるようにされている。
情報記録層12は、例えば、有機金属マトリックス材料を含むゾル溶液と光重合性化合物とを混合して加水分解及び縮合反応を完結させたホログラム記録材料溶液を透明基板14及び/又は16に塗布して得られたものである。
なお、ガラス基板14のみによって情報記録層12が支持可能な場合は、ガラス基板16は必須ではない。
情報記録層12を構成する感光性材料(ホログラム記録材料)は、金属アルコキシドの加水分解および脱水縮合(いわゆるゾルゲル法)によって得られるゾル(コロイド溶液)に、ラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を添加し、成膜後に分散媒を除去することによって得られる。
本法によって得られるマトリクスは、主要な骨格構造として金属−酸素−金属(M−O−M)結合を含んでおり、高温下でも安定に存在することができる。したがって、ゾルの粒径を適切に制御すれば、有機溶剤に分散可能であって、且つ保存安定性に優れた記録材料を得ることができる。
より詳細には、金属アルコキシド、ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤を必須成分とし、必要に応じ、増感剤や可塑剤などの添加剤を含む。これらの成分から感光性材料(ホログラム記録材料)を得るには、例えば以下のようなプロセスを経るとよい。
まず、金属アルコキシドと分散媒とを混合し、微量の水と加水分解触媒を添加する。これを適当な条件下で撹拌し、加水分解および脱水縮合を進行させる。分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールや、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類などが好ましく用いられる。また、加水分解触媒としては、酸または塩基を用いることができ、塩酸、硫酸、酢酸、およびトリエチルアミン等を用いることができる。加水分解および脱水縮合を行う条件としては、例えば室温〜150℃の温度範囲で、30分〜数日間撹拌するとよい。このようにして得られた有機金属ゾルに、ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤、および必要に応じ添加剤を混合する。これを、バーコータ、グラビアコータ、ダイコータ、スピンコータ、ディップコータ等の一般的な塗布方法を用いて、基材上に成膜する。その後、乾燥することによって前記分散媒を留去するとともに未反応の金属アルコキシドの縮合反応を完了させることで目的の記録膜が得られる。
一方、金属アルコキシドから得られたゾルのみを一旦アニールした後に、又はアニールと同時に粉体化し、その後ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤、および添加剤、さらに分散媒を加え、不揮発分濃度や粘度を制御した組成物を調製し、これを塗布することで記録膜を得ることもできる。本プロセスを用いる場合、上記した各種分散媒(アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、エーテル類)に加え、ケトン類、エステル類等の分散媒も好適に用いることができる。また、最初のゾルのアニール時にすべての縮合反応が完了しているため、塗布後の乾燥工程が短縮できる。
金属アルコキシドとして、具体的には、金属−炭素結合を介して有機基を直接金属に結合させた金属アルコキシドや、金属原子に有機配位子を配位させた金属アルコキシドを用いることができる。前者は実質的にケイ素化合物に限られる。後者としては、Ti、Zr、Snなどの遷移金属アルコキシドにキレート配位子を配位させた化合物が好適に用いられる。
前者の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン等が挙げられる。
ゾルの粒径を適切に制御するためには、トリメチルメトキシシラン等の、加水分解性基を1つ有する金属アルコキシドを用いるか、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の、加水分解性基を2つ有するが、2つ目の加水分解性基の加水分解及び/又は脱水縮合の活性が低い金属アルコキシドを併用することが好ましい。これらを併用する際の適切な使用量は、他の構成成分の種類にもよるため一概にはいえないが、一般的には全金属アルコキシドに対し、5mol%〜90mol%の範囲で用いることが好ましい。
一方、後者の具体例としては、例えば、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムブトキシビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。これらの金属アルコキシドにおいては、各金属原子の配位座に有機基がキレート配位しているため、その部分の加水分解が抑えられる。例えば、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)の場合、少なくとも100℃以下の条件では、オクチレングリコール配位子は脱離せずにTi原子上に残存する。このため、これらの化合物を適宜併用することにより、ゾルの粒径を制御することが可能になる。
さらに、本発明で要求される動的貯蔵弾性率を達成するために、複核金属アルコキシドを適宜併用することが好ましい。例えば、下式(1)〜(3)に示されるような構造を有する金属アルコキシドを用いることが好ましい。
Figure 2010230911
ここで、Rは炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基であり、Rは非加水分解性の有機基、あるいは、加水分解性または非加水分解性の結合と非加水分解性の配位結合とで金属原子にキレート配位しうる有機配位子である。さらに、Rは、隣接する金属原子Mに対し非加水分解性結合を介して結合する有機基である。また、RおよびRはヘテロ原子を含んでいてもよい有機基であって、その構造は特に限定されない。
但し、RまたはRの主鎖長がゾルゲル反応後の架橋密度や弾性率に大きく影響するため、著しく鎖長の長いユニットは適切ではない。
具体的には、その主鎖が1〜30個の原子からなっていることが好ましく、2〜20個の原子からなっていることがより好ましい。また、RまたはRに環状構造を導入することにより、弾性率を上げることも好ましい。一方、jおよびkは、(j+k+1)が金属原子Mの価数zに一致し、上式の繰返しユニット中に含まれる金属元素Mのうち、少なくとも2箇所以上のMについて、j≧1である。また、kは0以上(z−j−1)以下の整数である。さらに、nは数平均分子量から決定される繰返し単位数であって、2以上100以下であることが好ましく、2以上50以下であることがより好ましい。
このような複核金属アルコキシドのうち、ケイ素化合物として、具体的には、1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,3−ジクロロ−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,3−ジクロロテトラフェニルジシロキサン、1,5−ジエトキシヘキサメチルトリシロキサン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N´−ビス(ヒドロキシエチル)−N,N´−ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス[3−トリエトキシシリルプロポキシ−2−ヒドロキシプロポキシ]ポリエチレンオキサイド、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、複核金属アルコキシドのうち、チタン化合物として、具体的には、テトラアルコキシチタンの部分加水分解によって得られるオリゴマーが挙げられる。例えば、日本曹達(株)より有機チタンポリマーA−10、B−2、B−4、B−7、およびB−10の品番で市販されているものがこれに該当する。
また、低分子量ポリビニルアルコールおよびその共重合体を多座配位子として用い、これをチタンアルコキシドに配位した化合物も用いることができる。その他の遷移金属についても同様である。
ゾルゲル反応の出発原料として上記に例示したような複核金属アルコキシドを併用することにより、適切なゾル粒径を維持しながら、部分的な架橋密度の向上と、それに伴う弾性率の向上が達成される。
なお、複核金属アルコキシドは、上式(1)〜(3)で示されるものに限定されるわけではなく、例えば上式(1)〜(3)の複数の構造が混在する化合物であってもよいし、それ以外の構造が存在してもよい。
また、上記した非加水分解性有機基を有する金属アルコキシドとともに、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシチタン等の、全ての結合手に加水分解性基が結合した金属アルコキシドを併用しても差し支えない。
一方、ラジカル重合性モノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステルモノマーやビニルモノマーなどを用いることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、具体的には、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ビニルモノマーとしては、スチレン、エチレングリコールモノビニルエーテル等の単官能ビニル化合物、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等の多官能ビニル化合物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
光重合開始剤としては、光ラジカル発生剤を用いればよい。光ラジカル発生剤としては、例えば、ダロキュア1173、イルガキュア784、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア907(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
添加剤としては、光重合開始剤の、記録光波長に対する反応性を向上させるための光増感剤や、マトリクスの骨格形成に関与せず、且つラジカル重合にも寄与しない可塑剤などが挙げられる。
光増感剤としては、例えば、チオキサンテン−9−オン、2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン等のチオキサントン類、キサンテン類、シアニン類、メロシアニン類、チアジン類、アクリジン類、アントラキノン類、及びスクアリリウム類等が挙げられる。光増感剤の使用量は、前記光重合開始剤に対して5〜50質量%程度、例えば10質量%程度とするとよい。
一方、可塑剤は、記録時のラジカル重合性モノマーの移動度を向上させる目的で使用する。マトリクスの微視的な剛性が高くなりすぎると、記録時にラジカル重合性モノマーが移動しにくくなる。一方、マトリクスの剛性が低くなりすぎると、記録済み信号の経時安定性が低下する。従って、記録材料の弾性率を所期の値に維持しながらラジカル重合性モノマーの移動度を確保するために、少なくとも室温で流動性を有する可塑剤を使用する。また、マトリクスとラジカル重合性モノマーとの相溶性を向上する効果も期待できる。
金属アルコキシドの構成成分の選択や比率の調整によって所期の弾性率が達成される場合は、可塑剤を加える必要はないが、それが困難な場合、適宜可塑剤を用いることが効果的である。
可塑剤成分としては、例えば、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、長鎖アルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールのアルキルエーテル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体(ランダムまたはブロック共重合体)等が挙げられる。
金属アルコキシドの比率は、加水分解反応や脱水縮合反応、および乾燥工程などのすべての調製プロセスが完了した後の記録材料組成物全体に占める割合として、50質量%以上95質量%以下とすることが好ましく、60質量%以上90質量%以下とすることがより好ましい。
また、ラジカル重合性モノマーの比率は、上記同様の割合として、5質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上40質量%以下とすることがより好ましい。
光重合開始剤の比率は、上記同様の割合として、1質量%以上10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%とすることがより好ましい。
一方、添加剤のうち、可塑剤の比率は、他の構成成分の構造や比率にもよるので一概にはいえないが、一般的に、3質量%以上30質量%以下とすることが好ましく、5質量%以上20質量%以下とすることがより好ましい。
なお、感光性材料として、上記以外の他の材料を用いることも可能である。例えば、特許文献9に例示される、アイオノマー樹脂または結晶構造を有するポリマーをマトリクスとする感光性材料も、適用できる。但し、本発明の実施例では、80℃における動的貯蔵弾性率が所定値以上であることが必要なため、軟化点の低いアイオノマー樹脂/結晶性ポリマーは適当ではない。
即ち、特許文献9に例示されているアイオノマー樹脂のうち、高温領域でも高弾性率を維持しうる、スチレン系アイオノマー樹脂またはフッ素系アイオノマー樹脂を用いることが好ましい。市販のスチレン系アイオノマー樹脂としては、米ローム・アンド・ハース社製のアンバーライト、三菱化学(株)製のダイヤイオン等が挙げられる。また、市販のフッ素系アイオノマー樹脂としては、米デュポン社製のナフィオン、旭硝子(株)製のフレミオン等が挙げられる。
一方、結晶構造を有するポリマーとしては、特許文献9に例示されているもののうち、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。市販の同ポリマーとしては、住友化学(株)製のエバテート、スミテート等が挙げられる。
このホログラム記録媒体10は、以下の方法により作製した。
(有機金属ゾル溶液の合成)
テトラ−n−ブトキシチタン(日本曹達(株)製、B−1)2.72gに、n−ブチルアルコール0.49gと2−メチル−2,4−ヒドロキシペンタン0.95gとを加えて室温で撹拌し、テトラ−n−ブトキシチタン1分子当り2分子の2−メチル−2,4−ヒドロキシペンタンが配位したチタン化合物溶液4.16gを調製した。
このチタン化合物溶液に、ジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS−5300)2.05gと、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン(アヅマックス(株)製、SIB1831.0)0.79g、および3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS−2827)0.28gとを加え、金属アルコキシド溶液とした。Ti/Siのモル比は3/5であった。
純水0.19g、2N塩酸0.09g、エタノール2.00gからなる溶液を、前記金属アルコキシド溶液に撹拌しながら室温で滴下し、2時間撹拌を続け加水分解及び縮合反応を行った。反応溶液全体に占める金属アルコキシド出発原料の割合は、65質量%であった。このようにして、有機金属ゾル溶液を得た。
(光重合性化合物)
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレート130A)80重量部とプロピレングリコールアクリレート(日油(株)製、ブレンマーAP−550)20重量部とを混合し、さらに、光重合開始剤としてイルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3重量部及び光増感剤としてチオキサンテン−9−オン0.3重量部を加え、光重合性化合物を含む溶液とした。
(ホログラム記録材料溶液)
マトリックス材料の割合が85重量部(出発原料の不揮発分として)、光重合性化合物の割合が15重量部となるように、前記ゾル溶液と前記光重合性化合物溶液とを室温にて混合し、ほぼ無色透明なホログラム記録材料溶液を得た。得られたホログラム記録材料組成物溶液を、次に説明するようにガラス基板14上に塗布し、乾燥して記録媒体サンプルとした。
片面に反射防止膜22が設けられた1mm厚のガラス基板14を準備した。ガラス基板14の反射防止膜22が設けられていない面上に、所定厚みのスペーサ18を置き、得られたホログラム記録材料溶液を塗布し、室温で2時間乾燥し、次いで80℃で72時間乾燥し、溶媒を揮発させた。この乾燥工程により、有機金属化合物と光重合性化合物とが均一に分散した乾燥膜厚300μmのホログラム記録材料を得た。
なお、得られた記録膜は、アセトン、メチルエチルケトンなどの汎用的な有機溶剤に易溶であり、均一透明な溶液を与えた。従って、本記録材料中のマトリクスが共有結合によらない分子間力によって3次元架橋を形成していることは明らかである。
(ホログラム記録媒体)
ガラス基板14上に形成されたホログラム記録材料上に、片面に反射防止膜24が設けられた、別の1mm厚のガラス基板16を被覆した。この際、ガラス基板16の反射防止膜24が設けられていない面がホログラム記録材料層との界面に気泡を内包しないように、ゆっくりと注意深く被覆した。このようにして、ホログラム記録材料層を2枚のガラス基板で挟んだ構造をもつホログラム記録媒体10を得た。
(動的粘弾性の測定)
記録材料の動的貯蔵弾性率(動的せん断貯蔵弾性率)の測定は、JIS K7244−10:2005 (ISO6721−10:1999)に基づき、以下の手順で行った。測定には、粘弾性測定装置レオストレスRS6000(独サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いた。
同装置に付属の金属製サンプルステージに、ホログラム記録媒体を作る際に用いたものと同じスペーサを置き、同様にホログラム記録材料の膜を作製した。なお、このとき、カバーガラスは被覆していない。このようにして、サンプルステージ上に形成された膜の動的粘弾性を、以下の条件にて測定した。なお、測定は、露光前のサンプルと、後述するポストキュアと同じ操作を行ってモノマーを重合させたサンプルのそれぞれについて行った。
測定温度:30〜105℃
昇温速度:2℃/min
測定周波数:1Hz
応力:30Pa
このようにして測定された動的貯蔵弾性率の温度依存性プロファイルを図3に示す。また、60℃、80℃、100℃における動的貯蔵弾性率の値を表1に示す。
Figure 2010230911
(特性評価)
得られたホログラム記録媒体10について、図2に示すようなホログラム記録光学系100を用いて特性評価を行った。図2の紙面の方向を便宜的に水平方向とする。図2において、ホログラム記録媒体10は、記録材料層が水平方向と垂直となるようにセットされている。
図2のホログラム記録光学系100において、シングルモード発振の半導体レーザ(波長405nm)の光源101を用い、この光源から出射した光を、ビーム整形器102、光アイソレータ103、シャッター104、凸レンズ105、ピンホール106、及び凸レンズ107によって空間的にフィルタ処理してコリメートし、直径約10mmのビーム径に拡大した。
拡大されたビームを、ミラー108及び1/2波長板109を介して45°偏光の光を取り出し、偏光ビームスプリッタ110でS波/P波=1/1に分割した。分割されたS波をミラー115、偏光フィルタ116、虹彩絞り117を介して、及び、分割されたP波を1/2波長板111を用いてS波に変換し、ミラー112、偏光フィルタ114、虹彩絞り114を介して、ホログラム記録媒体10に対する2光束の入射角合計θが43°となるようにし、2光束の干渉縞を記録した。なお、ホログラム記録光学系100において、ホログラム記録媒体10を固定するサンプルホルダは、後述する保存試験のために、正確に位置を制御しながら取り外し及び再取り付けが可能なリセッタブルプレートに固定されている。
ホログラムはホログラム記録媒体10を水平方向に回転させて多重化(角度多重、サンプル角度−21°〜+21°、角度間隔0.6°)して記録した。多重度は71であった。記録時には虹彩絞りを直径4mmにして露光した。なお、2光束が成す角θの2等分線に対して、サンプル面が90°となる位置を、上記サンプル角度±0°とした。
ホログラム記録後、残留する未反応成分を反応させるため、ホログラム記録媒体10の面全体に、波長400nmの青色LEDで十分な光を照射した。この際、参照光がコヒーレント性をもたないよう、透過率80%のアクリル樹脂製拡散板を介して露光した(これを、ポストキュアと呼ぶ)。
再生の際には、シャッター121により遮光し、虹彩絞り117を直径1mmにして1光束のみ照射して、ホログラム記録媒体10を水平方向に−23°〜+23°まで連続的に回転させ、それぞれの角度位置において回折効率をパワーメータで測定した。
記録前後において記録材料層の体積変化(記録収縮)や平均屈折率の変化がない場合には、水平方向の回折ピーク角度は記録時と再生時とで一致する。しかしながら、実際には、記録収縮や平均屈折率の変化が起こるため、再生時の水平方向の回折ピーク角度は、記録時の水平方向の回折ピーク角度から僅かにずれる。
このため、再生時においては、水平方向の角度を連続的に変化させ、回折ピークが出現した時のピーク強度から回折効率を求めた。得られた回折プロファイルを図4に示した。
このとき、ダイナミックレンジ:M/#(各回折ピークにおける回折効率の平方根の総和)は22.8(ホログラム記録材料層の厚みを1mmとした時に換算した値)であった。
(保存試験)
上記の特性評価方法によって角度多重記録された干渉縞の経時安定性を、以下の方法によって測定した。
角度多重記録されたホログラム記録媒体10をサンプルホルダに固定した状態で、サンプルホルダごとリセッタブルプレートから取り外した。これを熱風循環オーブンに投入し、80℃で14日間(336時間)加熱した。その後室温まで徐々に冷却し、記録された干渉縞の再生を行った。
得られたM/#は21.8で、初期からほとんど低下がみられなかった。また、その際の回折プロファイルを図5に示した。回折プロファイルはほとんど歪んでいないことが判る。
下記の手順で有機金属ゾル溶液を合成したほかは、実施例1と同様にして、ホログラム記録媒体サンプルを得た。このサンプルを用い、実施例1と同様に動的粘弾性の測定を行った。結果を図6および表2に示す。また、記録特性および保存試験についても実施例1と同様の手順で行った(図7、8及び表3)。
なお、得られた記録材料膜は実施例1と同様、アセトン、メチルエチルケトンなどの汎用的な有機溶剤に易溶であり、透明な溶液を与えた。従って、本記録材料中のマトリクスが共有結合によらない分子間力によって3次元架橋を形成していることは明らかである。
(有機金属ゾル溶液の合成)
テトラ−n−ブトキシチタン(日本曹達(株)製、B−1)2.72gに、n−ブチルアルコール0.49gと2−メチル−2,4−ヒドロキシペンタン0.95gとを加えて室温で撹拌し、テトラ−n−ブトキシチタン1分子当り2分子の2−メチル−2,4−ヒドロキシペンタンが配位したチタン化合物溶液4.16gを調製した。
このチタン化合物溶液に、ジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS−5300)1.54gと、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン(アヅマックス(株)製、SIB1831.0)0.39g、および3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS−2827)0.19gとを加え、金属アルコキシド溶液とした。Ti/Siのモル比は9/10であった。
純水0.15g、2N塩酸0.06g、エタノール1.50gからなる溶液を、前記金属アルコキシド溶液に撹拌しながら室温で滴下し、2時間撹拌を続け加水分解及び縮合反応を行った。即ち、反応溶液全体に占める金属アルコキシド出発原料の割合は、65質量%であった。このようにして、有機金属ゾル溶液を得た。
Figure 2010230911
Figure 2010230911
これらの結果より、実施例1及び2のホログラム記録媒体の情報記録層は、干渉露光後又はポストキュア後の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上の材料から構成されていることが分かった。また、干渉露光前の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上の材料から構成されていることが分かった。
[比較例1]
(有機金属ゾル溶液の合成)
テトラn−ブトキシチタン(日本曹達(株)製、B−1)2.72gに、n−ブチルアルコール0.49gと2−メチル−2,4−ヒドロキシペンタン0.95gとを加えて室温で撹拌し、テトラ−n−ブトキシチタン1分子当り2分子の2−メチル−2,4−ヒドロキシペンタンが配位したチタン化合物溶液4.16gを調製した。
このチタン化合物溶液に、ジフェニルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS−5300)1.62gを加え、金属アルコキシド溶液とした。Ti/Siのモル比は1/1であった。
純水0.09g、2N塩酸0.04g、エタノール0.75gからなる溶液を、金属アルコキシド溶液に撹拌しながら室温で滴下し、2時間撹拌を続け加水分解及び縮合反応を行った。反応溶液全体に占める金属アルコキシド出発原料の割合は、65質量%であった。このようにして、有機金属ゾル溶液を得た。
(光重合性化合物)
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレート130A)80重量部とプロピレングリコールアクリレート(日油(株)製、ブレンマーAP−550)20重量部とを混合し、さらに、光重合開始剤としてイルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3重量部及び光増感剤としてチオキサンテン−9−オン0.3重量部を加え、光重合性化合物を含む溶液とした。
(ホログラム記録材料溶液)
出発原料基準の不揮発分としてのマトリックス材料の割合が90重量部、光重合性化合物の割合が10重量部となるように、前記ゾル溶液と前記光重合性化合物溶液とを室温にて混合し、ほぼ無色透明なホログラム記録材料溶液を得た。
上記のホログラム記録材料溶液を用いて実施例1と同様にホログラム記録媒体を作製し、得られたホログラム記録媒体の動的粘弾性を実施例1と同様に評価した(図9および表4)。また、80℃保存前後の特性を実施例1と同様に評価した(図10、11および表5)。
これらの図表から分かるように、比較例においては、温度の上昇とともに動的貯蔵弾性率が急激に低下している。さらに、その結果として、80℃保存後の再生試験において、M/#が大幅に低下するとともに、回折プロファイルも大きく歪んでしまった。
Figure 2010230911
Figure 2010230911
本実施例1及び2のホログラム記録材料を用いることにより、分子間力によって3次元架橋されたマトリクスを用いて、十分な保存安定性を有するホログラム記録媒体を得ることができる。かかるホログラム記録材料は、従来の共有結合によって3次元架橋されたマトリクスからなるホログラム記録材料とは異なり、マトリクス形成後であっても適切な有機溶剤に溶解または分散可能である。従って、該有機溶剤に分散させた組成物を用い、スピンコートやディップコートおよびグラビアコートなどの従来公知の塗布方法を適用することによって、簡便に記録媒体を製造することが可能となる。
さらに、これらの塗布方法を用いることによって、可撓性を有する大面積基材へ連続的に塗布することも容易になる。従って、ホログラム記録媒体以外の光学デバイス、例えば意匠用・偽造防止用のホログラムシートや、立体画像表示用のホログラムスクリーンなどの種々の光学デバイスを安価に大量生産することも容易になる。また、これらの光学デバイスに求められる保存安定性も、上述した光記録媒体のそれとおおむね同じであるから、実施例1及び2のホログラム記録材料のような感光材料は、これらの光学デバイスにも好適に用いられる。
なお、意匠用ホログラムシートの具体例としては、特許文献10および11に記載のものが挙げられる。また、立体画像表示用のホログラムスクリーンの具体例としては、特許文献12が挙げられる。
実施例1及び2のホログラム情報記録層の、干渉露光後又はポストキュア後の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、目安としては、1.0×10Paとされることが望ましい。また、干渉露光前の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、目安としては、1.0×10Paとされることが望ましい。
なお、実施例1及び2のホログラム記録媒体のガラス基板は、樹脂からなる透明基板であってもよい。
本発明は、例えば、ホログラム光記録媒体、意匠用・偽造防止用のホログラムシート、立体画像表示用のホログラムスクリーンなどの種々の光学デバイスに利用することができる。
10…ホログラム記録媒体
12…情報記録層(ホログラム記録材料層)
14、16…ガラス基板(支持基材)
18…スペーサ
22、24…反射防止膜
100…ホログラム記録光学系

Claims (4)

  1. 支持基材と、この支持基材上に支持された、光照射によってホログラムが記録可能な感光性材料からなる情報記録層と、を有する光学デバイスであって、
    前記情報記録層は、干渉露光後又はポストキュア後の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上の材料から構成されていることを特徴とする光学デバイス。
  2. 請求項1において、
    前記情報記録層は、干渉露光前の測定周波数1Hzにおける80℃での動的貯蔵弾性率が、1.0×10Pa以上の材料から構成されていることを特徴とする光学デバイス。
  3. 請求項1又は2において、
    前記情報記録層は、5乃至50質量%のラジカル重合性モノマーを含む材料から構成されていることを特徴とする光学デバイス。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記情報記録層は有機溶媒に溶解又は分散可能とされていることを特徴とする光学デバイス。
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