JP2010230729A - 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器 - Google Patents

配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2010230729A
JP2010230729A JP2009075204A JP2009075204A JP2010230729A JP 2010230729 A JP2010230729 A JP 2010230729A JP 2009075204 A JP2009075204 A JP 2009075204A JP 2009075204 A JP2009075204 A JP 2009075204A JP 2010230729 A JP2010230729 A JP 2010230729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alignment film
film
polarized light
linearly polarized
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009075204A
Other languages
English (en)
Inventor
広美 ▲斎▼藤
Hiromi Saito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009075204A priority Critical patent/JP2010230729A/ja
Publication of JP2010230729A publication Critical patent/JP2010230729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】マスクを用いることなく微細な形状に分割配向された配向膜を形成することができる配向膜の形成方法、かかる配向膜の形成方法により製造された配向膜を備える液晶パネルおよび電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の配向膜の形成方法は、分割配向された配向膜3Aを形成する方法であり、直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じる第1の配向膜材料を含有する第1の液状材料を領域31Aに塗布し乾燥することにより膜310Aを形成するとともに、直線偏光の照射により異方性が生じる方向が第2の方向を有する第2の配向膜材料を含有する第2の液状材料を領域32Aに塗布し乾燥することにより膜320Aを形成する工程と、直線偏光を膜310Aおよび膜320Aの双方に照射して第1の配向膜材料および第2の配向膜材料にそれぞれ異方性を持たせて、膜310Aを第1の方向に、膜320Aを第2の方向に配向させる工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器に関するものである。
液晶表示装置(LCD)は、一対の基板間に配置された液晶セル内に含まれる液晶分子の配向方向に変化を生じさせ、これにより生じる液晶セル内の光学的屈折率の変化を利用した表示装置である。
かかる構成の表示装置において、その表示特性を向上させるためには、液晶セル内の液晶分子が規則正しく配列されていることが重要である。このように規則正しく液晶セル内において液晶分子を配列させるために、液晶セルを挟む基板の表面状態が液晶分子の相互作用により規制されている必要がある。
この液晶分子を一定方向に配列させる方法として、一対の基板の相対する表面に配向膜材料からなる配向膜を形成し、その配向膜の表面を、液晶分子を配列させる方向に向かってラビングする方法が知られている。
しかしながら、かかる方法では、配向膜をラビングする際に、塵が発生し、さらに配向膜に静電気が発生することに起因して塵が付着するため、液晶分子の配列特性が向上しないという問題があった。
かかる問題点を解決する方法として、配向膜に直線偏光を照射し、配向膜中に含まれる配向膜材料に異方性を持たせて、液晶分子を一定方向に配列させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、近年、液晶表示装置の視野角を改善することを目的に、例えば、1画素を2つの領域に分割し、これら領域毎における配向膜の配向方向を、一方では垂直方向とし、他方では平行方向とした分割配向を行うマルチドメイン方式(配向分割型)の液晶表示装置が知られている。このマルチドメイン方式の液晶表示装置では、液晶セルの1画素内において、液晶分子が倒れる方向が90°ずれることになる。その結果、各角度から液晶表示装置を見た際の1画素あたりの光量が均一化されることとなり、これにより、液晶表示装置の視野角が向上する。なお、マルチドメイン方式の液晶表示装置では、1画素を分割する領域をより細分化することにより、1画素あたりの光量がより均一化される。
かかる構成のマルチドメイン方式の液晶表示装置において、上述したような、配向膜に直線偏光を照射することにより配向膜材料に異方性を持たせる方法を適用した場合、分割する領域毎に対応したマスクを用意し、このマスクを用いて領域毎に直線偏光を照射する必要があり、製造工程の煩雑化を招くという問題がある。
さらに、1画素における分割数を多くした場合には、各領域の形状が微細なものとなり、マスクを用いた方法では、この微細な形状に対応して直線偏光を照射できないという不都合が生じる。
特開平5−232473号公報
本発明の目的は、マスクを用いることなく微細な形状に分割配向された配向膜をも形成することができる配向膜の形成方法、かかる配向膜の形成方法により製造された配向膜を備える液晶パネルおよび電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の配向膜の形成方法は、基材上に分割配向された配向膜を形成する方法であり、
直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じる第1の配向膜材料を含有する第1の液状材料を前記基材上の第1の領域に塗布し乾燥することにより第1の膜を形成するとともに、前記直線偏光の照射により異方性が生じる方向が前記第1の配向膜材料とは異なる第2の方向を有する第2の配向膜材料を含有する第2の液状材料を前記基材上の第2の領域に塗布し乾燥することにより第2の膜を形成する第1の工程と、
前記直線偏光を前記第1の膜および前記第2の膜の双方に照射して前記第1の配向膜材料および前記第2の配向膜材料にそれぞれ異方性を持たせて、前記第1の膜を前記第1の方向に、前記第2の膜を前記第2の方向に配向させる第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、マスクを用いることなく分割配向された配向膜を形成することができる。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第1の工程において、前記第1の液状材料は、液滴吐出法を用いて液滴として前記基材上の第1の領域に塗布されることが好ましい。
これにより、第1の領域が微細な形状を有するものであったとしても、この形状に対応して、基材上の第1の領域に液状材料を供給することができるため、前記第1の領域に第1の膜を位置選択的に形成することができる。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第1の工程において、前記第2の液状材料は、液滴吐出法を用いて液滴として前記基材上の第2の領域に塗布されることが好ましい。
これにより、第2の領域が微細な形状を有するものであったとしても、この形状に対応して、基材上の第2の領域に液状材料を供給することができるため、前記第2の領域に第2の膜を位置選択的に形成することができる。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第2の工程において、前記直線偏光を、前記第1の膜および前記第2の膜の双方に同時に照射することが好ましい。
このように、第1の膜および第2の膜の双方に同時に直線偏光を照射したとしても、第1の膜を第1の方向に、第2の膜を第2の方向に確実に配向させることができる。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第1の方向と前記第2の方向とは、90°ずれていることが好ましい。
本発明によれば、第1の配向膜材料および第2の配向膜材料の種類を適宜選択することにより、第1の方向と第2の方向とが90°ずれた第1の膜と第2の膜とを容易に形成することができる。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第1の配向膜材料は、前記直線偏光の照射により重合する重合型の配向膜材料であることが好ましい。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第1の方向は、前記直線偏光の偏光方向に対して平行であることが好ましい。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第2の配向膜材料は、前記直線偏光の照射により分解する分解型の配向膜材料であることが好ましい。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第2の配向膜材料は、前記直線偏光の照射により異性化する異性化型の配向膜材料であることが好ましい。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第2の方向は、前記直線偏光の偏光方向に対して垂直であることが好ましい。
これにより、第1の方向と第2の方向とが90°ずれた第1の膜と第2の膜とが形成される。
本発明の配向膜の形成方法では、前記第1の領域と前記第2の領域とは、それぞれ、1画素を2分割した領域であることが好ましい。
本発明によれば、このような微細な形状であっても、第1の領域と第2の領域とに、それぞれ、第1の膜と第2の膜とを確実に形成することができる。
本発明の液晶パネルは、本発明の配向膜の形成方法により形成された配向膜を備えることを特徴とする。
これにより、表示性能に優れる液晶パネルが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の液晶パネルを備えることを特徴とする。
これにより、表示性能に優れる電子機器が得られる。
液晶パネルの実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す液晶パネルが備える配向膜の1画素における配向パターンを示す模式図である。 本発明の配向膜の形成方法を説明するための平面図である。 本発明の配向膜の形成方法で液状材料を供給する際に用いられる液滴吐出装置を示す斜視図である。 図4に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
以下、本発明の配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器を説明するのに先立って、本発明の配向膜の形成方法で製造された配向膜を備えるマルチドメイン方式の液晶パネル(本発明の液晶パネル)について説明する。
<液晶パネル>
図1は、本発明の液晶パネルの実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示す液晶パネルが備える配向膜の1画素における配向パターンを示す模式図である。
図1に示すように、液晶パネル1Aは、液晶層2と、配向膜3A、4Aと、透明導電膜5、6と、偏光板7A、8Aと、基板9、10とを有している。
液晶層2は、主として、液晶材料で構成されている。
液晶層2を構成する液晶材料としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶材料を用いても構わないが、本実施形態のようにマルチドメイン方式の液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましく、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられる。さらに、これらネマチック液晶分子にモノフルオロ基、ジフルオロ基、トリフルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入した液晶分子も含まれる。
液晶層2の両面には、配向膜3A、4Aが配置されている。
また、配向膜3Aは、後述するような透明導電膜5と基板9とからなる基材100上に形成されており、配向膜4Aは、後述するような透明導電膜6と基板10とからなる基材101上に形成されている。
配向膜3A、4Aは、液晶層2を構成する液晶材料(液晶分子)の(電圧無印加時における)配向状態を規制する機能を有している。
このような配向膜3A、4Aは、後述する本発明の配向膜の形成方法において、直線偏光を照射することにより異方性が生じる配向膜材料を主材料として構成される。
この配向膜材料としては、例えば、直線偏光の照射により分解する分解型のもの、直線偏光の照射により異性化する異性化型のもの、および、直線偏光の照射により重合する重合型のもの等が挙げられる。
具体的には、分離型の配向膜材料としては、例えば、ポリイミド等が挙げられる。また、異性化型の配向膜材料としては、例えば、アゾベンゼンおよびスチルベン等が挙げられる。さらに、重合型の配向膜材料としては、例えば、桂皮酸、パラメトキシ桂皮酸桂皮酸を側鎖に有するポリビニルエステルおよびクマリン等が挙げられる。
本実施形態において、配向膜3Aは、図2に示すように、1画素が第1の領域31Aと第2の領域32Aとの2つの領域に分割されており、第1の領域31Aでは配向膜3Aの配向方向が平行方向とされ、第2の領域32Aでは配向膜3Aの配向方向が垂直方向とされている。
また、配向膜4Aは、図2に示すように、1画素が第1の領域41Aと第2の領域42Aとの2つの領域に分割されており、第1の領域41Aでは配向膜4Aの配向方向が垂直方向とされ、第2の領域42Aでは配向膜4Aの配向方向が平行方向とされている。
本実施形態では、かかる構成の配向膜3A、4Aにおいて、第1の領域31A、41Aと、第2の領域32A、42Aとに位置する膜の構成材料として、直線偏光の照射により異方性が生じる方向がそれぞれ異なる配向膜材料で構成されているが、かかる点については、後に詳述する。
上記のような配向膜3A、4Aは、その平均厚さが0.01〜10μmであるのが好ましく、0.01〜0.1μmであるのがより好ましく、0.01〜0.05μmであるのがさらに好ましい。平均厚さが前記下限値未満であると、配向膜としての機能が十分に発揮されないおそれがある。一方、平均厚さが前記上限値を超えると、駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなるおそれがある。
配向膜3Aの外表面側(液晶層2と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜5が配置されている。同様に、配向膜4Aの外表面側(液晶層2と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜6が配置されている。
透明導電膜5、6は、これらの間で通電を行うことにより、液晶層2の液晶分子を駆動する(配向を変化させる)機能を有する。
透明導電膜5、6間での通電の制御は、透明導電膜に接続された制御回路(図示せず)から供給する電流を制御することにより行われる。
透明導電膜5、6は、導電性を有しており、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等で構成されている。
透明導電膜5の外表面側(配向膜3Aと対向する面とは反対の面側)には、基板9が配置されている。同様に、透明導電膜6の外表面側(配向膜4Aと対向する面とは反対側の面側)には、基板10が配置されている。
基板9、10は、前述した液晶層2、配向膜3A、4A、透明導電膜5、6、および後述する偏光板7A、8Aを支持する機能を有している。基板9、10の構成材料は、特に限定されず、例えば、石英ガラス等のガラスやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等が挙げられる。この中でも特に、石英ガラス等のガラスで構成されたものであるのが好ましい。これにより、そり、たわみ等の生じにくい、より安定性に優れた液晶パネルを得ることができる。なお、図1では、シール材、配線等の記載は省略した。
基板9の外表面側(透明導電膜5と対向する面とは反対の面側)には、偏光板7Aが配置されている。同様に、基板10の外表面側(透明導電膜6と対向する面とは反対の面側)には、偏光板8Aが配置されている。
偏光板7A、8Aの構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、偏光板としては、前記材料にヨウ素をドープしたもの等を用いてもよい。
偏光板としては、例えば、上記材料で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いることができる。
このような偏光板7A、8Aに配置することにより、通電量の調節による光の透過率の制御をより確実に行うことができる。
偏光板7A、8Aの偏光軸の方向は、通常、配向膜3A、4Aの配向方向に応じて決定される。
<配向膜の形成方法>
次に、上述したような構成の液晶パネル1Aにおいて、基材100、101上に、それぞれ、1画素が第1の領域31A、41Aと第2の領域と32A、42Aの2つの領域に分割配向された配向膜3A、4Aを形成する方法について説明する。
この配向膜3A、4Aの形成に、本発明の配向膜の形成方法が適用される。
なお、配向膜3Aと配向膜4Aは、同様の方法を用いて形成されるので、以下では、配向膜3Aを形成する場合を一例に説明する。
本発明の配向膜の形成方法は、基材100上の第1の領域31Aと第2の領域32Aとで分割配向された配向膜3Aを形成する方法であり、直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じる第1の配向膜材料を含有する第1の液状材料を基材100上の第1の領域31Aに塗布し乾燥することにより第1の膜310Aを形成するとともに、直線偏光の照射により異方性が生じる方向が第1の配向膜材料とは異なる第2の方向を有する第2の配向膜材料を含有する第2の液状材料を基材100上の第2の領域32Aに塗布し乾燥することにより第2の膜320Aを形成する第1の工程と、直線偏光を第1の膜310Aおよび第2の膜320Aの双方に照射して第1の配向膜材料および第2の配向膜材料にそれぞれ異方性を持たせて、第1の膜310Aを第1の方向に、第2の膜320Aを第2の方向に配向させる第2の工程とを有するものである。
かかる方法によれば、マスクを用いることなく、1画素が第1の領域31Aと第2の領域32Aとに分割配向された第1の膜310Aと第2の膜320Aとで構成される配向膜3Aを優れたパターニング精度で形成することができる。
また、第1の配向膜材料と第2の配向膜材料とでは、直線偏光を照射することにより異方性が生じる方向がそれぞれ異なっているので、第1の配向膜材料および第2の配向膜材料の双方に照射する直線偏光の方向を適宜設定することにより、第1の膜310Aを第1の方向に、第2の膜320Aを第1の方向とは異なる第2の方向に配向させることができる。
図3は、本発明の配向膜の形成方法を説明するための平面図、図4は、本発明の配向膜の形成方法で液状材料を供給する際に用いられる液滴吐出装置を示す斜視図、図5は、図4に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。なお、以下の説明では、図3〜図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
次に、本発明の配向膜の形成方法を説明するのに先立って、本発明の配向膜の形成方法で液状材料を基材上に塗布する際に用いられる液滴吐出装置の一例について説明する。
図4に示すように、本実施形態で用いる液滴吐出装置500は、第1の配向膜材料を含有する第1の液状材料351を保持するタンク501と、タンク501に接続されたチューブ510と、第2の配向膜材料を含有する第2の液状材料350を保持するタンク551と、タンク551に接続されたチューブ550と、チューブ510およびチューブ550を介してそれぞれタンク501およびタンク551から第1の液状材料351および第2の液状材料350が供給される吐出走査部502とを備える。
吐出走査部502は、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)514を備える液滴吐出手段503と、液滴吐出手段503の位置を制御する第1位置制御装置504(移動手段)と、配向膜3Aを形成する基材100を保持するステージ506と、ステージ506の位置を制御する第2位置制御装置508(移動手段)と、制御手段512とを備えている。タンク501およびタンク551と、液滴吐出手段503における液滴吐出ヘッド514とは、それぞれ独立して、チューブ510およびチューブ550で連結されており、タンク501およびタンク551から液滴吐出ヘッド514に、第1の液状材料351および第2の液状材料350が圧縮空気によって供給される。
制御手段(制御装置)512は、例えば、演算部やメモリー等を内蔵するマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されており、制御手段512には、図示しない操作部からの信号(入力)が、それぞれ、随時入力される。
また、制御手段512は、操作部からの信号等に基づき、予め設定されたプログラムに従って、液滴吐出装置500の各部の作動(駆動)をそれぞれ制御する。
第1位置制御装置504は、制御手段512からの信号に応じて、液滴吐出手段503をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って移動させる。さらに、第1位置制御装置504は、Z軸に平行な軸の回りで液滴吐出手段503を回転させる機能も有する。本実施形態では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。第2位置制御装置508は、制御手段512からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ506を移動させる。さらに、第2位置制御装置508は、Z軸に平行な軸の回りでステージ506を回転させる機能も有する。
ステージ506は、X軸方向とY軸方向との双方に平行な平面を有する。また、ステージ506は、第1の液状材料351および第2の液状材料350を各領域31A、32Aに付与して配向膜3Aを形成する基材100をその平面上に固定、または保持できるように構成されている。
上述のように、液滴吐出手段503は、第1位置制御装置504によってX軸方向に移動させられる。一方、ステージ506は、第2位置制御装置508によってY軸方向に移動させられる。つまり、第1位置制御装置504および第2位置制御装置508によって、ステージ506に対する液滴吐出ヘッド514の相対位置が変わる(ステージ506に保持された基材100と、液滴吐出手段503とが相対的に移動する)。
制御手段512は、第1の液状材料351および第2の液状材料350のうちの何れかを吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置から受け取るように構成されている。
第1の液状材料351および第2の液状材料350の何れかを基材100上に供給する際には、液滴吐出ヘッド514と基材100とを相対的に走査しつつ、基材100上に第1の液状材料351および第2の液状材料350の何れかを吐出する。すなわち、第2位置制御装置508の作動により、基材100が保持されているステージ506をY軸方向に移動させ、液滴吐出手段503の下を通過させつつ、液滴吐出手段503が備える液滴吐出ヘッド514のノズル518から第1の液状材料351および第2の液状材料350の何れかの液滴(インク滴)を吐出して、基材100上の第1の領域31Aには第1の液状材料351を、第2の領域32Aには第2の液状材料350をそれぞれ付与する(着弾させる)。以下、この動作を「塗布走査(液滴吐出ヘッド514と基材との主走査)」と言うことがある。
そして、この第1の液状材料351および第2の液状材料350の何れかを基材100上に供給する工程においては、通常は、前記塗布走査(走査)を複数回行うようになっている。なお、前記塗布走査の回数は、1回でもよいことは言うまでもない。
本実施形態では、液滴吐出ヘッド514は、図5(a)および(b)に示すように、インクジェットヘッドで構成されている。すなわち、本実施形態で説明する液滴吐出装置は、インクジェット装置である。
本実施形態で説明する液滴吐出装置500では、液滴吐出ヘッド514は、第1の液状材料351および第2の液状材料350をそれぞれ基材100上の所望の位置に独立して供給し得るようになっている。以下、第1の液状材料351および第2の液状材料350を独立して基材100上に供給するための液滴吐出ヘッド514の構成は同一であるため、第1の液状材料351を基材100上の第1の領域31Aに供給するための液滴吐出ヘッド514の構成について説明する。
液滴吐出ヘッド514は、振動板526と、ノズルプレート528とを備えている。振動板526と、ノズルプレート528との間には、タンク501から、チューブ510および孔531を介して供給される第1の液状材料351が常に充填される液だまり529が位置している。
また、振動板526と、ノズルプレート528との間には、複数の隔壁522が位置している。そして、振動板526と、ノズルプレート528と、1対の隔壁522とによって囲まれた部分がキャビティ(インク室)520である。キャビティ520はノズル518に対応して設けられているため、キャビティ520の数とノズル518の数とは同じである。キャビティ520には、1対の隔壁522間に位置する供給口530を介して、液だまり529から第1の液状材料351が供給される。
振動板526上には、それぞれのキャビティ520に対応して、振動子524が位置する。振動子524は、駆動素子としてのピエゾ素子(圧電素子)524Cと、ピエゾ素子524Cを挟む1対の電極524A、524Bとを含む。この1対の電極524A、524Bとの間に駆動電圧(信号)を印加する(与える)ことで、ピエゾ素子524Cの振動に追従して振動板526が振動することにより、対応するノズル518から第1の液状材料351が液滴として吐出される。
この場合、前記駆動電圧(例えば、駆動電圧の大きさ等)を調整することにより、ノズル518から吐出される第1の液状材料351の吐出動作1回当りの吐出量(液滴量)を調整することができるようになっている。
なお、ノズル518からZ軸方向に第1の液状材料351が吐出されるように、ノズル518の形状が調整されている。
制御手段512は、複数の振動子524のそれぞれに互いに独立に駆動電圧を印加するように構成されていてもよい。つまり、ノズル518から吐出される第1の液状材料351の吐出動作1回当りの吐出量が、制御手段512からの信号、すなわち、駆動電圧に応じてノズル518毎に制御されてもよい。また、制御手段512は、塗布走査の間に吐出動作を行うノズル518と、吐出動作を行わないノズル518とを設定することでもできる。
なお、1つのノズル518と、ノズル518に対応するキャビティ520と、キャビティ520に対応する振動子524とを含んだ部分により吐出部が構成される。この吐出部は、1つの液滴吐出ヘッド514において、ノズル518の数と同じ数だけ存在することとなる。
上記のような液滴吐出装置500を用いて、第1の液状材料351および第2の液状材料350をそれぞれ独立して基材100上に液滴として供給することにより、基材100上の第1の領域31Aには第1の液状材料351を、第2の領域32Aには第2の液状材料350をそれぞれ付与(供給)することができる。これにより、第1の領域31Aおよび第2の領域32Aの形状に対応して、それぞれの領域31A、32Aに、第1の膜310Aおよび第2の膜320Aを確実に形成することができる。
なお、本発明では、液滴吐出ヘッド514は、駆動素子として、ピエゾ素子の代わりに静電アクチュエータを用いるものでもよい。また、液滴吐出ヘッド514は、駆動素子として電気熱変換素子を用い、この電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用して第1の液状材料351および第2の液状材料350の何れかを吐出するバブルジェット方式(「バブルジェット」は登録商標)の構成であってもよい。
本発明の配向膜の形成方法において、以上のような液滴吐出装置500を用いることにより、第1の領域31Aには第1の配向膜材料を含有する第1の膜310Aを、第2の領域32Aには第2の配向膜材料を含有する第2の膜320Aを位置選択的に形成することができる。
以下、本発明の配向膜の形成方法について説明する。
[1]まず、図3(a)に示すように、基板9上に透明導電膜5が形成された基材100を用意し、この基材100上の第1の領域31Aに、直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じる第1の配向膜材料を含有する第1の液状材料351を塗布し乾燥することにより第1の膜310Aを形成する。
以下、本工程について詳述する。
[1−1]まず、直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じる第1の配向膜材料を含有する第1の液状材料351を、例えば、前述した液滴吐出装置500による液滴吐出法を用いて、液滴として用意した基材100上の第1の領域31Aに位置選択的に塗布(供給)する。
これにより、液滴を、基材100の第2の領域32A等に供給することなく、基材100の第1の領域31Aに選択的に供給することができる。その結果、基材100上に、第1の領域31Aの形状に対応してパターニングされた液状被膜が形成される。
ここで、本実施形態では、基材100の第1の領域31Aに第1の液状材料351を選択的に塗布(供給)する方法として、液滴吐出装置500を用いて第1の液状材料351を液滴として供給する液滴吐出法が用いられる。
液滴吐出法を用いて、第1の液状材料351を液滴として位置選択的に供給(塗布)することにより、第1の液状材料351に無駄が生じるのを確実に防止することができる。また、例えば、基材上にレジスト層を形成して、これをマスクとして用いて膜をパターニングする場合と比較して、第1の膜(配向膜)310Aを形成するまでの工程数の削減、時間の短縮および製造コストの削減を図ることができる。
さらに、本実施形態では、液滴吐出法は、液滴吐出ヘッド514としてインクジェットヘッドを備えるインクジェット法が用いられる。インクジェット法によれば、目的とする領域(位置)である第1の領域31Aに、第1の液状材料351を液滴として、より優れた位置精度で供給することができる。また、ピエゾ素子524Cの振動数および第1の液状材料351の粘度等を適宜設定することにより、液滴のサイズ(大きさ)を、比較的容易に調整できることから、液滴のサイズを小さくすれば、たとえ第1の領域31Aの形状が微細なものであったとしても、第1の領域31Aの形状に対応した液状被膜を確実に形成することができる。
第1の液状材料351の粘度(25℃)は、通常、1〜60mPa・s程度であるのが好ましく、3〜20mPa・s程度であるのがより好ましい。第1の液状材料351の粘度をかかる範囲とすることにより、液滴の吐出をより安定的に行うことができるとともに、微細な形状の第1の領域31Aを描画し得る大きさの液滴を吐出することができる。さらに、この第1の液状材料351で構成される液状被膜を次工程[1−2]で乾燥させた際に、第1の膜310Aを形成するのに十分な量の第1の配向膜材料を第1の液状材料351中に含有したものとすることができる。
また、第1の液状材料351の粘度をかかる範囲内とすれば、具体的には、液滴の量(液状材料の1滴の量)を、平均で、0.1〜40pL程度に、より現実的には1〜20pL程度に設定し得る。これにより、基材100に供給された際の液滴の着弾径が小さなものとなることから、基材100上の微細な形状の第1の領域31Aに対しても位置選択的に液状被膜を形成することができる。
さらに、基材100上の第1の領域31Aに供給する液滴の供給量を適宜設定することにより、形成される第1の膜310Aの厚さの制御を比較的容易に行うことができる。
なお、かかる構成の第1の液状材料351は、第1の配向膜材料を溶媒または分散媒中に溶解または分散することにより調製することができる。
溶媒または分散媒としては、例えば、アンモニア、水、過酸化水素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等を用いることができる。
ところで、前述したように、配向膜3Aの構成材料である配向膜材料としては、例えば、直線偏光の照射により重合する重合型のもの、直線偏光の照射により異性化する異性化型のもの、および、直線偏光の照射により分解する分解型のもの等が挙げられる。
これらは、いずれも、直線偏光を照射することにより異方性が生じるものであるが、その異方性が生じる方向が配向膜材料の種類によってそれぞれ異なる。
具体的には、例えば、直線偏光の照射により重合する重合型の配向膜材料の場合、パラメトキシ桂皮酸を側鎖に有するポリビニルエステルを一例にすると、このような配向膜材料に光照射、特に紫外線照射をしたとき、側鎖のパラメトキシ桂皮酸が光2量化反応を起こす。そのため、配向膜材料に照射する光を直線偏光とすると、重合型の配向膜材料では、直線偏光の電気ベクトルの振動方向(偏光方向)に平行な方向に光飯能(重合反応)が促進される。これにより、直線偏光に平行な方向と垂直な方向とで、光反応の度合いに異方性が生じるため、光反応により生じる化学結合の方向が制御される。したがって、かかる構成の配向膜材料を含有する配向膜は、この化学結合の方向すなわち直線偏光を照射した方向に沿って配向機能が付与される。
また、直線偏光の照射により異性化する異性化型の配向膜材料の場合、アゾベンゼンを一例にすると、このような配向膜材料に直線偏光を照射したとき、直線偏光に対して垂直な方向の棒状成分が生成される。これにより、直線偏光に平行な方向と垂直な方向とで、化学結合の分解の度合いに異方性が生じるため、化学結合が維持されている方向が制御される。したがって、かかる構成の配向材料を含有する配向膜は、この化学結合が維持されている方向すなわち直線偏光を照射した方向と直交する方向に沿って配向機能が付与される。
さらに、直線偏光の照射により分解する分解型の配向膜材料の場合、ポリイミドを一例にすると、このような配向膜材料に直線偏光を照射したとき、直線偏光に平行な方向で分子結合の分解反応が促進され、直線偏光に垂直な方向の化学結合が維持される。これにより、直線偏光に平行な方向と垂直な方向とで、化学結合の分解の度合いに異方性が生じるため、化学結合が維持されている方向が制御される。したがって、かかる構成配向膜材料を含有する配向膜は、この化学結合が維持されている方向すなわち直線偏光を照射した方向と直交する方向に沿って配向機能が付与される。
そこで、本発明の配向膜の形成方法では、本工程[1]で形成する第1の膜310Aに含まれる第1の配向膜材料と、次工程[2]で形成する第2の膜320Aに含まれる第2の配向膜材料とでは、これらに直線偏光を照射することにより異方性が生じる方向がそれぞれ異なるものを選択する。すなわち、第1の配向膜材料としては、直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じるものを選択し、第2の配向膜材料としては、直線偏光を照射することにより異方性が第2の方向に生じるものを選択する。
具体的には、上記のように、重合型の配向膜材料は、直線偏光を照射した方向に沿って配向機能が付与され、異性化型および分離型の配向膜材料は、直線偏光を照射した方向と直交する方向に沿って配向機能が付与されるので、第1の配向膜材料として重合型の配向膜材料を選択した場合には、異性化型の配向膜材料または分離型の配向膜材料を第2の配向膜材料として選択する。
[1−2]次いで、基材100上に供給された第1の液状材料351、すなわち、基材100の第1の領域31Aに選択的に形成された液状被膜を乾燥する。これにより、第1の領域31Aの形状(所定形状)に対応してパターニングされた第1の配向膜材料を含有する第1の膜310Aが形成される。
液状被膜を乾燥させる際の温度は、液状被膜中に含まれる第1の配向材料の種類によっても異なるが、50〜200℃程度であるのが好ましく、100〜180℃程度であるのがより好ましい。
また、乾燥させる時間は、5分〜3時間程度であるのが好ましく、10分〜1時間程度であるのがより好ましい。
かかる条件で液状被膜を乾燥させて第1の膜310Aを形成することにより、次工程[2]において、第1の膜310Aに直線偏光を照射することにより、膜中に含まれる第1の配向膜材料に、第1の方向に異方性を確実に付与することができる。
[2]次に、図3(b)に示すように、基材100上の第2の領域32Aに、第2の配向膜材料を含有する第2の液状材料350を塗布し乾燥することにより、第2の膜320Aを形成する。
本発明では、第2の配向膜材料としては、前記工程[1−1]で説明したように、直線偏光の照射により異方性が生じる方向が第1の配向膜材料の第1の方向とは異なる第2の方向となるものが選択される。
具体的には、第1の配向膜材料として重合型の配向膜材料が選択された場合には、これとは異方性が生じる方向が異なる、異性化型の配向膜材料または分解型の配向膜材料が第2の配向膜材料として選択される。
基材100上の第2の領域32Aに、第2の液状材料350を位置選択的に塗布する方法としては、前記工程[1]で説明したのと同様の方法を用いることができる。
また、第2の液状材料350を乾燥する方法としても、前記工程[1]で説明したのと同様の方法を用いることができる。
なお、基材100上の第1の領域31Aに第1の膜310Aを形成する前記工程[1]と、基材100上の第2の領域32Aに第2の膜320Aを形成する本工程[2]との順序は、ここで説明した順序に限らず、本工程[2]の後に前記工程[1]を行ってもよいし、前記工程[1]と本工程[2]とをほぼ同時に行ってもよい。
[3]次に、直線偏光を第1の膜310Aおよび第2の膜320Aの双方に照射して第1の配向膜材料および第2の配向膜材料にそれぞれ異方性を持たせて、図3(c)に示すように、第1の膜310Aを水平方向(第1の方向)に、第2の膜320Aを垂直方向(第2の方向)に配向させる。
第1の膜310Aは、前述したように、直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じる第1の配向膜材料を含有するため、直線偏光を照射する方向を適宜設定して、第1の膜310Aに対して直線偏光を照射することにより、第1の膜310Aが第1の方向(本実施形態では、水平方向)に配向する。
これに対して、第2の膜320Aは、直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向とは異なる第2の方向に生じる第2の配向膜材料を含有するため、第1の膜310Aに照射した直線偏光と同様の方向から直線偏光を照射した場合でも、第2の膜320Aが第2の方向(本実施形態では、垂直方向)に配向する。
すなわち、第1の膜310Aおよび第2の膜320Aの双方に、直線偏光を同時に照射したとしても、第1の膜310Aを水平方向に、第2の膜320Aを水平方向とは90°ずれている垂直方向に確実に配向させることができる。
なお、前述したように、配向膜材料としては、直線偏光の照射により分解する分解型のもの、直線偏光の照射により異性化する異性化型のもの、および、直線偏光の照射により重合する重合型のもの等が挙げられるが、これらは、いずれも、直線偏光の照射により異方性が生じる波長がその種類によってそれぞれ異なる。
具体的には、直線偏光の照射により分解する分解型の配向膜材料は、一般的に、200〜300nm程度の波長を有する直線偏光が照射されることにより異方性が生じ、特に、254nm程度の波長を有する直線偏光が照射されることにより確実に異方性が生じる。
また、直線偏光の照射により異性化する異性化型の配向膜材料は、一般的に、330〜380nm程度の波長を有する直線偏光が照射されることにより異方性が生じ、特に、365nm(i線)近辺の波長を有する直線偏光が照射されることにより確実に異方性が生じる。
さらに、直線偏光の照射により重合する重合型の配向膜材料は、一般的に、275〜330nm程度の波長を有する直線偏光が照射されることにより異方性が生じ、特に、313nm近辺の波長を有する直線偏光が照射されることにより確実に異方性が生じる。
したがって、本工程[3]では、第1の膜310Aおよび第2の膜320Aの双方に照射する直線偏光の波長を、第1の膜310Aおよび第2の膜320Aにそれぞれ含まれる第1の配向膜材料および第2の配向膜材料の双方に異方性が生じる波長が含まれるように設定する。
直線偏光の光源としては、上述した波長が含まれるもの選択され、例えば、超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプおよびメタルハライドランプ等が挙げられる。
さらに、直線偏光の照射光量は、例えば、1〜100000mJ/cm程度であるのが好ましく、10〜3000mJ/cm程度であるのがより好ましい。
また、第1の膜310Aおよび第2の膜320の双方に直線偏光を照射している際には、基材100を加熱するのが好ましい。これにより、第1の配向膜材料および第2の配向膜材料の上述した反応をより促進させることができる。この基材100の加熱の程度は、第1の配向膜材料および第2の配向膜材料によっても若干異なるが、好ましくは25〜250℃程度に設定され、より好ましくは50〜150℃程度に設定される。
以上のようにして、基材100上の第1の領域31Aに第1の方向に配向した第1の膜310Aを形成することができ、基材100上の第2の領域32Aに第2の方向に配向した第2の膜320Aを形成することができ、その結果、これら第1の膜310Aと第2の膜320Aとで構成される分割配向された配向膜3Aが形成される。
なお、上記では、第1の膜310Aと第2の膜320Aとの双方に直線偏光を同時に照射することとしたが、この場合に限らず、第1の膜310Aに選択的に直線偏光を照射した後、第2の膜320Aに選択的に直線偏光を照射してもよいし、第2の膜320Aに選択的に直線偏光を照射した後、第1の膜310Aに選択的に直線偏光を照射してもよい。かかる構成とすれば、上述したように第1の方向と第2の方向とが水平方向と垂直方向とのように90°ずれている場合に限らず、第1の膜310Aおよび第2の膜320Aに照射する直線偏光の方向をそれぞれ設定することにより、第1の方向と第2の方向とを所望の角度でずれているものとし得る。
以上のように、本発明の配向膜の形成方法によれば、マスクを用いることなく、基材100上の第1の領域31Aと第2の領域32Aとに分割配向された第1の膜310Aと第2の膜320Aとで構成される配向膜3Aを所望の形状で形成することができる。
また、第1の配向膜材料と第2の配向膜材料とでは、直線偏光を照射することにより異方性が生じる方向がそれぞれ異なっているので、第1の配向膜材料および第2の配向膜材料の双方に照射する直線偏光の方向を適宜設定することにより、第1の膜310Aを第1の方向に、第2の膜320Aを第1の方向とは異なる第2の方向に配向させることができる。
なお、本実施形態では、液滴吐出装置500を用いた液滴吐出法により、第1の液状材料351および第2の液状材料350を液滴として吐出することにより、第1の膜310Aおよび第2の膜320Aを形成する場合について説明したが、第1の液状材料351および第2の液状材料350を所望形状に塗布し得る方法であれば、かかる方法に限定されるものではない。具体的には、第1の液状材料351および第2の液状材料350を塗布する方法として、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等を用いることができる。
ただし、本実施形態のように、液滴吐出法(特に、インクジェット法)を用いることにより、極めて微細な形状の第1の膜310Aおよび第2の膜320Aを高い精度で形成することができる。
また、本実施形態では、第1の配向膜材料として重合型の配向膜材料を選択した際には、第2の配向膜材料として異性化型または分解型の配向膜材料が選択される場合について説明したが、第1の配向膜材料と第2の配向膜材料との組み合わせは、かかる場合に限定されるものではなく、例えば、第1の配向膜材料として異性化型の配向膜材料を選択した際には、第2の配向膜材料として重合型の配向膜材料が選択される。
<電子機器>
次に、前述したような液晶パネル1Aを備える電子機器(液晶表示装置)について、図6〜図8に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。
図6は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が、前述の液晶パネル1Aと、図示しないバックライトとを備えている。バックライトからの光を液晶パネル1Aに透過させることにより画像(情報)を表示し得るものである。
図7は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、前述の液晶パネル1Aと、図示しないバックライトとを備えている。
図8は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、前述の液晶パネル1Aと、図示しないバックライトとが設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、液晶パネル1Aは、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が液晶パネル1Aに表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、液晶パネル1Aが適用される電子機器は、図6のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図7の携帯電話機、図8のディジタルスチルカメラ、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、投射型表示装置、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータなどが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部、モニタ部として、前述した液晶パネル1Aが適用可能なことは言うまでもない。
以上、本発明を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の配向膜の形成方法では、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。
また、前記実施形態では、本発明の配向膜の形成方法を、1画素を2つの領域に分割し、これら領域に分割配向された配向膜を形成するのに適用する場合について説明したが、かかる場合に限定されるものではない。例えば、1つの基材上に複数の液晶パネルに対応する配向膜を形成した後、この基材を切断することにより複数の配向膜付き基材を一括して得る際に、本発明の配向膜の形成方法を適用すれば、配向膜の配向方向を任意の方向に設定できるので、各配向膜付き基材に求められる方向に配向膜を配向させることができるため、本発明の配向膜の形成方法が好適に適用される。
また、例えば、本発明の液晶パネルおよび電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
1A…液晶パネル 2…液晶層 3A、4A…配向膜 31A、41A…第1の領域 32A、42A…第2の領域 310A…第1の膜 320A…第2の膜 5…透明導電膜 6…透明導電膜 7A…偏光板 8A…偏光板 9…基板 10…基板 100…基材 101…基材 350…第2の液状材料 351…第1の液状材料 500…液滴吐出装置 501、551…タンク 502…吐出走査部 503…液滴吐出手段 504…第1位置制御装置 506…ステージ 508…第2位置制御装置 510、550…チューブ 512…制御手段 514…液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド) 518…ノズル 520…キャビティ 522…隔壁 524…振動子 524A、524B…電極 524C…ピエゾ素子 526…振動板 528…ノズルプレート 529…液だまり 530…供給口 531…孔 1100…パーソナルコンピュータ 1102…キーボード 1104…本体部 1106…表示ユニット 1200…携帯電話機 1202…操作ボタン 1204…受話口 1206…送話口 1300…ディジタルスチルカメラ 1302…ケース(ボディー) 1304…受光ユニット 1306…シャッタボタン 1308…回路基板 1312…ビデオ信号出力端子 1314…データ通信用の入出力端子 1430…テレビモニタ 1440…パーソナルコンピュータ

Claims (13)

  1. 基材上に分割配向された配向膜を形成する方法であり、
    直線偏光を照射することにより異方性が第1の方向に生じる第1の配向膜材料を含有する第1の液状材料を前記基材上の第1の領域に塗布し乾燥することにより第1の膜を形成するとともに、前記直線偏光の照射により異方性が生じる方向が前記第1の配向膜材料とは異なる第2の方向を有する第2の配向膜材料を含有する第2の液状材料を前記基材上の第2の領域に塗布し乾燥することにより第2の膜を形成する第1の工程と、
    前記直線偏光を前記第1の膜および前記第2の膜の双方に照射して前記第1の配向膜材料および前記第2の配向膜材料にそれぞれ異方性を持たせて、前記第1の膜を前記第1の方向に、前記第2の膜を前記第2の方向に配向させる第2の工程とを有することを特徴とする配向膜の形成方法。
  2. 前記第1の工程において、前記第1の液状材料は、液滴吐出法を用いて液滴として前記基材上の第1の領域に塗布される請求項1に記載の配向膜の形成方法。
  3. 前記第1の工程において、前記第2の液状材料は、液滴吐出法を用いて液滴として前記基材上の第2の領域に塗布される請求項1または2に記載の配向膜の形成方法。
  4. 前記第2の工程において、前記直線偏光を、前記第1の膜および前記第2の膜の双方に同時に照射する請求項1ないし3のいずれかに記載の配向膜の形成方法。
  5. 前記第1の方向と前記第2の方向とは、90°ずれている請求項1ないし5のいずれかに記載の配向膜の形成方法。
  6. 前記第1の配向膜材料は、前記直線偏光の照射により重合する重合型の配向膜材料である請求項5に記載の配向膜の形成方法。
  7. 前記第1の方向は、前記直線偏光の偏光方向に対して平行である請求項6に記載の配向膜の形成方法。
  8. 前記第2の配向膜材料は、前記直線偏光の照射により分解する分解型の配向膜材料である請求項6または7に記載の配向膜の形成方法。
  9. 前記第2の配向膜材料は、前記直線偏光の照射により異性化する異性化型の配向膜材料である請求項6または7に記載の配向膜の形成方法。
  10. 前記第2の方向は、前記直線偏光の偏光方向に対して垂直である請求項8または9に記載の配向膜の形成方法。
  11. 前記第1の領域と前記第2の領域とは、それぞれ、1画素を2分割した領域である請求項1ないし10のいずれかに記載の配向膜の形成方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の配向膜の形成方法により形成された配向膜を備えることを特徴とする液晶パネル。
  13. 請求項12に記載の液晶パネルを備えることを特徴とする電子機器。
JP2009075204A 2009-03-25 2009-03-25 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器 Pending JP2010230729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009075204A JP2010230729A (ja) 2009-03-25 2009-03-25 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009075204A JP2010230729A (ja) 2009-03-25 2009-03-25 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010230729A true JP2010230729A (ja) 2010-10-14

Family

ID=43046657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009075204A Pending JP2010230729A (ja) 2009-03-25 2009-03-25 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010230729A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105572973A (zh) * 2015-12-23 2016-05-11 南京中电熊猫液晶显示科技有限公司 一种掩膜板及光配向方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105572973A (zh) * 2015-12-23 2016-05-11 南京中电熊猫液晶显示科技有限公司 一种掩膜板及光配向方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090009865A1 (en) Polarizer and display device including polarizer
US20060158589A1 (en) Liquid crystal display device
US20070182900A1 (en) Transflective liquid crystal display devices and fabrication methods thereof
US7084946B2 (en) Method of forming inorganic alignment film, inorganic alignment film, substrate for electronic device, liquid crystal panel and electronic apparatus
KR100857519B1 (ko) 전기 광학 장치의 제조 방법 및 전기 광학 장치
TWI238983B (en) Deposition method for inorganic alignment layer, inorganic alignment layer, substrate for electronic device, liquid crystal display panel, and electronic equipment
TWI276477B (en) Film forming method, film forming machine, device manufacturing method, apparatus and electronic equipment
US20050053725A1 (en) Method and apparatus for discharging liquid crystal, liquid crystal device, manufacturing method thereof and electronic equipment
JP2011081227A (ja) 液晶表示装置の製造方法、液晶表示装置、電子機器
JP2010230729A (ja) 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器
JP2006234885A (ja) 液晶光変調器の製造方法、液晶光変調器および液晶表示装置
JP2010230728A (ja) 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器
JP2010230727A (ja) 配向膜の形成方法、液晶パネルおよび電子機器
TWI298414B (ja)
US7262897B2 (en) Method of forming inorganic alignment film, inorganic alignment film, substrate for electronic device, liquid crystal panel and electronic apparatus
KR100880079B1 (ko) 전자 디바이스용 기판, 액정패널 및 전자기기
JP2004344704A (ja) 液滴吐出方法及び装置、デバイス及びその製造方法、電気光学装置並びに電子機器
US8066853B2 (en) Method of forming inorganic alignment film, inorganic alignment film, substrate for electronic device, liquid crystal panel and electronic apparatus
JP2005118750A (ja) 液滴吐出装置、電気光学装置、および電子機器
JP2005125143A (ja) 液滴吐出装置及び電気光学装置の製造方法
JP2006251701A (ja) 液晶パネルおよび電子機器
US20050078244A1 (en) Color filter substrate and manufacturing method therefor, electro-optical apparatus, and electronic equipment
JP2006058710A (ja) カラーフィルタ基板、カラーフィルタ基板の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
JP2009128833A (ja) 液滴吐出装置、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、画像表示装置および電子機器
JP3823962B2 (ja) 無機配向膜の形成方法、無機配向膜、電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器