JP2010229692A - レールの騒音低減構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造によってレールから発生する騒音を低減することができるレールの騒音低減構造を提供する。
【解決手段】防振部9R,9L,10R,10Lは、レール7の左右方向の振動を抑制する部分であり、防振部9R,9Lはレール7の上首部7dに形成された凹部7mに装着されており、防振部10R,10Lはレール7の下首部7eに形成された凹部7nに装着されている。車両が通過してレール7上を車輪1が転がりながら移動すると、レール7が左右方向に振動する。例えば、防振部9R,9L,10R,10Lが防振ゴムであるときには振動伝達率を低下させるとともに、粘性による振動減衰によってレール7の振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換し、レール7の振動を吸収し減衰させる。その結果、防振部9R,9L,10R,10Lがレール7から放射される放射音を低減し抑制する。
【選択図】図2

Description

この発明は、レールから発生する騒音を低減するレールの騒音低減構造に関する。
従来のレールの防音構造(従来技術1)は、ゴム又は合成樹脂とモルタルとの混合物からなるモルタル系制振材をレール腹部に接着している(例えば、特許文献1参照)。この従来技術1では、レール上を車両が通過するときにこのレールから発生する振動をモルタル系制振材によって抑制し、レールからの騒音を低減している。
従来のレールの防音構造(従来技術2)は、鉛などの制振性を有する一対の防音材と、この一対の防音材をそれぞれ保持する一対の金物と、この一対の金物をそれぞれ締め付ける一対の締め付けねじなどを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術2では、レール腹部の両側面にそれぞれ防音材を配置し、締め付けねじを締め付けることによって金物を防音材に押し付けて、レール腹部の両側面にそれぞれ防音材を固定している。
従来のレールの防音構造(従来技術3)は、ブチルゴムなどの制振部材と、レール腹部の一方の側面にこの制振部材を押し付けるばね鋼などからなる押圧板などを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術2では、曲げ治具などによって押圧板を予め変形させてレールに固定するための折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部をレールに掛け止めして制振部材を固定している。
従来のレールの防音構造(従来技術4)は、磁性粉を含有する高分子粘弾性体層と、この高分子粘弾性体層を拘束する拘束板とが積層された分割構造の磁性複合型制振材によってレールを被覆している(例えば、特許文献3参照)。この従来技術3では、高分子粘弾性体層がレールに密着するように、レールの左右から磁性複合型制振材をそれぞれ装着しており、この磁性複合型制振材によってレールを被覆してレールの振動によって発生する騒音を低減させている。
特開昭52-109206号公報
特開平10-152801号公報
特開2001-342602号公報
特開平10-159896号公報
従来技術1では、モルタル系制振材を接着剤によってレール腹部に固定する必要がある。このため、従来技術1では、施工時にレールを下地処理する工程や、モルタル系制振材をレールに固定するまで保持する工程など多くの作業工程が必要になり、作業時間が長時間になり作業が煩わしいという問題点がある。また、従来技術1では、レールの交換時や点検時などにモルタル系制振材をレールから簡単に取り外すことができず、交換作業や点検作業が困難であるという問題点がある。さらに、従来技術1では、制振効果を高めるためにはモルタル系制振材を厚くする必要があり、厚みが増すと重量も増加するため、モルタル系制振材をレールに接着剤によって強固に固定することができない問題点がある。
従来技術2では、一対の防音材をそれぞれ一対の締め付けねじによって締め付けてレールに固定する構造である。このため、従来技術2では、防音材をレールに装着するときに、レールの所定の装着位置に防音材を位置決めした状態で締め付けねじを締め付ける必要があり、取付作業に手間がかかるという問題点がある。また、従来技術2では、防音効果を高めるために防音材を厚くすると重量が増加するため、防音材をレールに締め付けねじによって強固に固定することができない問題点がある。
従来技術3は、曲げ治具などによって押圧板に折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部をレールに掛け止めして制振部材をレールに固定している。このため、従来技術3では、レールに制振部材を固定するときに、種々のレールの形状に合わせて折り曲げ部を形成する必要があり、製造コストが高くなるという問題点がある。また、従来技術3では、制振効果を高めるために制振部材を大型にすると制振部材の重量増によって折り曲げ部がレールから脱落するおそれがあり、制振部材をレールに強固に固定することが困難であるという問題点がある。さらに、従来技術3では、曲げ治具を使用して押圧板を加工する手間がかかり、施工性が損なわれてしまうとともに、レールに制振部材が接触するためレールの定期点検の支障となり、点検ごとに取りはずし点検後復旧させるという煩雑な作業が必要になる問題点がある。
従来技術4では、高分子粘弾性体層の磁力によって磁性複合型制振材をレールに固定する構造である。このため、従来技術4では、磁性複合型制振材が大型化して重量が増加すると、磁性複合型制振材をレールに磁力だけでは十分に固定できなくなる可能性がある。その結果、従来技術4では、磁力が不十分であると磁性複合型制振材とレールとの間に隙間部が形成され、この間隙部から発生する振動や騒音を低減することができず、防音制振効果が低減してしまうという問題点がある。また、従来技術4では、高分子粘弾性体層に磁性粉を練り混ぜて混合する必要があるため、製造工程が複雑になり製造に手間がかかりコストが上昇してしまう問題点があった。
この発明の課題は、簡単な構造によってレールから発生する騒音を低減することができるレールの騒音低減構造を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1〜図4に示すように、レール(7)から発生する騒音を低減するレールの騒音低減構造であって、前記レールの左右方向の振動を抑制する防振部(9R,9L,10R,10L)を備え、前記防振部は、前記レールの長さ方向に沿ってこのレールの上首部(7d)及び下首部(7e)に形成された凹部(7m,7n)に装着されていることを特徴とするレールの騒音低減構造(8)である。
請求項2の発明は、図7に示すように、レール(7)から発生する騒音を低減するレールの騒音低減構造であって、前記レールの左右方向の振動を抑制する防振部(9R,9L)を備え、前記防振部は、前記レールの長さ方向に沿ってこのレールの上首部(7d)に形成された凹部(7m)に装着されていることを特徴とするレールの騒音低減構造(8)である。
請求項3の発明は、図8に示すように、レール(7)から発生する騒音を低減するレールの騒音低減構造であって、前記レールの左右方向の振動を抑制する防振部(10R,10L)を備え、前記防振部は、前記レールの長さ方向に沿ってこのレールの下首部(7e)に形成された凹部(7n)に装着されていることを特徴とするレールの騒音低減構造(8)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレールの騒音低減構造において、図3、図5及び図6に示すように、前記防振部は、前記レールの内側及び/又は外側に装着されていることを特徴とするレールの騒音低減構造である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレールの騒音低減構造において、前記防振部は、前記凹部と嵌合する弾性体であることを特徴とするレールの騒音低減構造である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のレールの騒音低減構造において、前記弾性体は、防振ゴムであることを特徴とするレールの騒音低減構造である。
この発明によると、簡単な構造によってレールから発生する騒音を低減することができる。
この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造を備えるレールの斜視図である。 この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。 この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール継目部分の縦断面図である。 この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造の作用を説明するための模式図であり、(A)はレール頭部及びレール腹部が振動によって左側に変位したときの模式図であり、(B)はレール頭部及びレール腹部が振動によって右側に変位したときの模式図である。 この発明の第2実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。 この発明の第3実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。 この発明の第4実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。 この発明の第5実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造を備えるレールの斜視図である。図2は、この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール継目部分の縦断面図である。なお、図1〜図3では、左右一対のレールのうち一方のレールのみを図示し、他方のレールについては図示を省略している。
図2及び図3に示す車輪1は、レール7と回転接触する部材である。車輪1は、レール頭部7aの頭頂面7fと接触して摩擦抵抗を受ける踏面1aと、脱輪を防止するために車輪1の外周部に連続して形成されたフランジ面1bとを備えている。
支持体(支承体)2は、レール7を支持する部材である。支持体2は、左右のレール7を固定して軌間を正確に保持し、レール7から伝達される列車荷重をこの支持体2を支持する道床に分散させるために、レール7と道床との間に設置されている。支持体2は、例えば、レール7に対して直角に並べて敷設されるプレストレスコンクリート製まくらぎ(PCまくらぎ)などの横まくらぎ、矩形平板状のプレキャストのコンクリート版からなる軌道スラブなどのスラブ版、又は左右のレール7をそれぞれ支持するプレストレスコンクリート構造(PRC構造)の縦梁を鋼管製の継材によって連結する梯子状のラダーまくらぎなどの縦まくらぎである。
図2に示すレール締結装置3は、レール7を支持体2に締結する装置である。レール締結装置3は、タイプレート3aと、締結ばね3bと、締結ボルト3c,3eと、締結ナット3d,3fと、軌道パッド3gと、調節パッキン3hと、調整鋼板3iと、絶縁板3jと、座金3kと、ばね座金3mと、平座金3n,3pと、絶縁カラー3qと、カバープレート3rなどを備えている。タイプレート3aは、レール7と支持体2との間に挿入されてレール7の横方向の移動を規制する部材であり、締結ばね3bはレール7のレール底部7bの底部上面7hを押さえ付けて締結する部材である。締結ボルト3cは、締結ばね3bを締め付ける部材であり、締結ナット3dはこの締結ボルト3cに締結される部材である。締結ボルト3eは、支持体2に埋め込まれた埋込栓の雌ねじ部と噛み合ってタイプレート3aを支持体2に固定する部材であり、締結ナット3fはこの締結ボルト3eに締結される部材である。軌道パッド3gは、レール7と支持体2との間に挿入する絶縁性の弾性体であり、調節パッキン3hはレール7と支持体2との間に挿入してレール7の上下位置を調節する部材である。調整鋼板3iは、支持体2とタイプレート3aとの間に挿入されてレール7の上下位置を調整する部材であり、絶縁板3jは支持体2と調整鋼板3iとの間に挿入されてこれらの間を電気的に絶縁する部材であり、座金3kは締結ばね3bと締結ナット3dとの間に挟み込まれる部材である。ばね座金3mは、締結ナット3fの緩みを防止する部材であり、平座金3nは締結ナット3fとばね座金3mとの間に挟み込まれる部材であり、平座金3pはばね座金3mと絶縁カラー3qとの間に挟み込まれる部材である。絶縁カラー3qは、レール7と支持体2とを電気的に絶縁する部材であり、平座金3pとカバープレート3rとの間に挿入されており、カバープレート3rはタイプレート3aと絶縁カラー3qとの間に挿入される部材である。レール締結装置3は、レール底部7bとタイプレール3aとの間に軌道パッド3gを挟み込み、締結ばね3bによってレール7を支持体2に締結して、鉄道車両が通過する際に発生する振動を吸収する。
図3に示す継目構造4は、レール7の継目部分の両側に継目板5R,5Lを固定して、この継目部分を継目板5R,5Lによって連結する構造である。図3に示す継目構造4は、例えば、一対の継目板5R,5Lをレール腹部7cに当てて継目板ボルト6a及びナット6bによって組み立て、レール端部を突き合せて接続した普通継目である。継目構造4には、レール7の温度伸縮をある程度吸収するために、レール7の継目部分の接続部に所定の適正値で隙間(継目遊間)が設定されている。継目構造4は、継目板5R,5Lと、締結部材6などを備えている。
継目板5R,5Lは、レール7の継目部分におけるレール腹部7cの両側面に継目板ボルト6aによって固定されてレール7を接続する部材である。継目板5R,5Lは、レール頭部7aの上首部7dと対向する頭部5aと、レール底部7bの上部と対向する底部5bと、頭部5aと底部5bとを繋ぐ腹部5cなどを備えている。
締結部材6は、レール7の継目部分の両側に継目板5R,5Lを締結する部材である。締結部材6は、継目板ボルト6aとナット6bなどを備えている。継目板ボルト6aは、レール7と継目板5R,5Lとを締結するためのボルトであり、レール7及び継目板5R,5Lの長さ方向に所定の間隔をあけて形成された貫通孔に挿入される。ナット6bは、継目板ボルト6aに装着される部材であり、継目板ボルト6aの雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部が形成されている。
図1〜図3に示すレール7は、鉄道車両の車輪1を支持し案内してこの鉄道車両を走行させる部材である。レール7は、左右いずれも同一構造であり端部が直角に切断された状態で間隔をあけて突き合わされている。レール7は、レール頭部7aと、レール底部(フランジ部)7bと、レール腹部(ウェブ部)7cと、上首部(顎下部)7dと、下首部7eなどを備えている。レール頭部7aは、鉄道車両の車輪1と接触する部分であり、車輪1を直接支持する頭頂面(頭部上面)7fと、車輪1のフランジ面1bと対向する頭部側面7gなどを備えている。レール底部7bは、支持体2上に設置されて取り付けられる部分であり、レール締結装置3の締結ばね3bによって押さえ付けられる底部上面7hと、支持体2上に設置される底部下面7iと、レール底部7bの左右の側面部分を構成する底部側面7jなどを備えている。レール腹部7cは、レール頭部7aとレール底部7bとを繋ぐ部分であり、レール頭部7aに作用する輪重及び押圧をレール底部7bに伝達する。レール腹部7cは、継目板5R,5Lを取り付ける腹部側面7kなどを備えている。
上首部7dは、レール頭部7aの下側の側面部分であり、頭部側面7gの下部と腹部側面7kの上部とを繋ぐ部分である。上首部7dは、レール7の長さ方向に沿って形成された凹部7mを備えており、この凹部7mはレール7の製造時にこのレール7と同時に圧延加工又はレール圧延加工後の切削加工によって形成される。凹部7mは、図2及び図3に示すように、レール7の強度を維持可能な程度の深さで形成された略半円状又は略U字状の溝であり、底部が所定半径の円弧状の湾曲面に形成されている。凹部7mは、図1〜図3に示すように、レール7の内側及び外側(左右)に形成されている。
下首部7eは、レール低部の上側側面部分であり、腹部側面7kの下部と底部上面7hの上部とを繋ぐ部分である。下首部7eは、レール7の長さ方向に沿って形成された凹部7nを備えており、この凹部7nは凹部7mと同様に圧延加工又は切削加工によって形成される。凹部7nは、図2及び図3に示すように、レール7の強度を維持可能な程度の深さで形成された略半円状又は略U字状の溝であり、底部が所定半径の円弧状の湾曲面に形成されている。凹部7nは、図1〜図3に示すように、レール7の内側及び外側(左右)に形成されている。
騒音低減構造8は、レール7から発生する騒音を低減する構造である。騒音低減構造8は、例えば、急曲線区間を車両が通過するときに車輪1とレール7との摩擦によって発生するきしみ音や、直線区間及び曲線区間を車両が走行するときに車輪1とレール7とが振動することによって放射される転動騒音などを低減する。騒音低減構造8は、レール7上を車輪1が転がり接触するときに発生するレール頭部7a及びレール腹部7cの左右方向の振動を減衰させて、レール7から外部に放射される騒音を低減する。騒音低減構造8は、防振部9R,9Lと防振部10R,10Lなどを備えている。
防振部9R,9L,10R,10Lは、レール7の左右方向の振動を抑制する部分であり、防振部9R,9Lはレール7の上首部7dに形成された凹部7mに装着されており、防振部10R,10Lはレール7の下首部7eに形成された凹部7nに装着されている。防振部9R,9L,10R,10Lは、レール頭部7a及びレール腹部7cの左右方向の振動を減衰させる制振機能を有し、この左右方向の振動を減衰させてレール7から放射される騒音を抑制する。防振部9R,9L,10R,10Lとしては、例えば、ばねと減衰器(ダッシュポット)とを構成する柔軟な粘弾性機能を有する弾性体が好ましい。防振部9R,9Lは、レール7の内側及び外側に装着されており,防振部10R,10Lもレール7の内側及び外側に装着されている。防振部9R,9Lは、凹部7mに嵌合する弾性体であり、防振部10R,10Lは凹部7nに嵌合する弾性体である。防振部9R,9L,10R,10Lは、図1に示すように、外観が紐状でありレール7の長さと略同じ長さに形成されており、レール7の一方の端部から他方の端部まで装着されている。防振部9R,9L,10R,10Lは、図2及び図3に示すように、凹部7m,7nの形状に合わせて断面が略U字状に形成されており、凹部7m,7nに装着されたときに凹部7m,7nと密着するように凹部7m,7nよりも僅かに大きく形成されている。防振部9R,9L,10R,10Lは、図3に示すように、継目板5R,5Lをレール7に取り付けたときに継目板5R,5Lとレール7との間に隙間が形成されないように、レール7の表面から突出しないようにレール7の表面と同一面になるような厚さで形成されている。防振部9R,9L,10R,10Lは、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、イソブレンゴム、ポリノルボルネンゴム又はアクリルゴムなどの加硫ゴムからなる防振ゴムである。防振部9R,9L,10R,10Lは、凹部7m,7nに嵌め込み装着可能であるが、エポキシ樹脂系、シアノアクリレート系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系などの反応型、酢酸ビニル樹脂系、変性アクリル樹脂系などのエマルジョン型、クロロプレン、シリコンなどの合成ゴム型、又はエラストマー系、EVA系などのホットメルト型の接着剤を使用して凹部7m,7nに装着することも可能である。
次に、この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造の作用を説明する。
図4は、この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造の作用を説明するための模式図であり、図4(A)はレール頭部及びレール腹部が振動によって左側に変位したときの模式図であり、図4(B)はレール頭部及びレール腹部が振動によって右側に変位したときの模式図である。
図2及び図3に示すように、車両が通過してレール7上を車輪1が転がりながら移動すると、図4に示すようにレール7が左右方向に振動する。図2に示すように、レール締結装置3の締結ばね3bがレール7の底部上面7hを押さえ付けているため、図4に示すように車両が通過すると下首部7e付近を基部として左右方向にレール7が撓み、レール頭部7a及びレール腹部7cがレール底部7bに対して左右方向に変位する。図4(A)に示すように、レール頭部7a及びレール腹部7cがA1方向に微小変位すると、図中左側の凹部7m,7nの幅ΔLが僅かに狭まり、図中右側の凹部7m,7nの幅ΔRが僅かに広がる。その結果、凹部7m,7n内の防振部9R,10Rが圧縮されて、レール頭部7a及びレール腹部7cの振動を抑える方向に作用する弾性力(反発力)Fを防振部9R,10Rが発生する。一方、図4(B)に示すように、レール頭部7a及びレール腹部7cがA2方向に微小変位すると、図中右側の凹部7m,7nの幅ΔLが僅かに狭まり、図中左側の凹部7m,7nの幅ΔRが僅かに広がる。その結果、凹部7m,7n内の防振部9L,10Lが圧縮されて、レール頭部7a及びレール腹部7cの振動を抑える方向に作用する弾性力(反発力)Fを防振部9L,10Lが発生する。例えば、防振部9R,9L,10R,10Lが柔軟なばねと減衰器とを構成する防振ゴムであるときには、防振部9R,9L,10R,10Lが振動伝達率を低下させるとともに、粘性による振動減衰によってレール7の振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換し、レール7の振動を吸収し減衰させる。その結果、防振部9R,9L,10R,10Lがレール7から放射される放射音を低減し抑制する。
この発明の第1実施形態に係るレールの騒音低減構造には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、レール7の左右方向の振動を防振部9R,9L,10R,10Lが抑制し、レール7の長さ方向に沿ってこのレール7の上首部7d及び下首部7eに形成された凹部7m,7nに防振部9R,9L,10R,10Lが装着されている。このため、レール7が左右方向に振動したときに、防振部9R,9L,10R,10Lによってこの振動を吸収し減衰させてレール7から放射する騒音を低減することができる。また、防振部9R,9L,10R,10Lが上首部7d及び下首部7eのみに装着されている。このため、定期点検時にレール7の状態を容易に確認することができるとともに、レール締結装置3や継目板5R,5Lに防振部9R,9L,10R,10Lが干渉せずこれらのレール締結装置3や継目板5R,5Lの構造を変更することなく使用することができる。さらに、従来技術1〜4のような点検毎に制振材などを取りはずし点検後復旧させるという煩雑な作業を省略することができ、メンテナンス性を向上させることができる。
(2) この第1実施形態では、防振部9R,9L,10R,10Lがレール7の内側及び外側に装着されている。このため、レール7が左右方向に振動したときに左右の防振部9R,9L,10R,10Lによって振動を短時間で減衰させることができる。
(3) この第1実施形態では、凹部7m,7nと嵌合する防振部9R,9L,10R,10Lが弾性体である。このため、制振機能を有する弾性体を凹部7m,7nに嵌め込むだけでレール7から放射される騒音を簡単に低減することができる。また、凹部7m,7nと防振部9R,9L,10R,10Lとを嵌合させて装着する構造であるため製造が容易であり、防振部9R,9L,10R,10Lを正確に位置決めして装着することができるとともに、断面形状の異なる複数種類のレール7に対して簡単に適用することができる。
(4) この第1実施形態では、弾性体が防振ゴムである。このため、安価で加工が簡単な防振ゴムを利用してレール7の振動を抑え騒音を低減することができる。また、従来技術1〜4のような厚みがあり重量のある制振材などとは異なり、軽量で装着が容易であり接着剤や締め付けねじなども不要になるとともに、レール7の製造段階で防振ゴムを予め装着することが可能になり現場に設置して直ちに使用を開始することができる。
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。以下では、図1〜図4に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示す騒音低減構造8は、レール7の内側に防振部9R,10Rを装着しているが、図1〜図4に示す騒音低減構造8とは異なり、レール7の外側に防振部9L,10Lを装着していない。この第2実施形態では、例えば、レール7の外側(図中左側)に比べてレール7の内側(図中右側)のほうが振動の振幅が大きく、レール7の内側から放射される騒音が大きいようなときに、このレール7の内側から放射される騒音を重点的に低減することができる。
(第3実施形態)
図6は、この発明の第3実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。
図6に示す騒音低減構造8は、レール7の外側に防振部9L,10Lを装着しているが、図1〜図5に示す騒音低減構造8とは異なり、レール7の内側に防振部9R,10Rを装着していない。この第3実施形態では、例えば、第2実施形態とは逆に、レール7の内側(図中右側)に比べてレール7の外側(図中左側)のほうが振動の振幅が大きく、レール7の外側から放射される騒音が大きいようなときに、このレール7の外側から放射される騒音を重点的に低減することができる。
(第4実施形態)
図7は、この発明の第4実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。
図7に示す騒音低減構造8は、レール7の長さ方向に沿ってこのレール7の上首部7dに形成された凹部7mに防振部9R,9Lが装着されているが、図1〜図6に示す騒音低減構造8とは異なり、レール7の下首部7eに凹部7nが形成されておらず防振部10R,10Lが装着されていない。この第4実施形態では、例えば、レール底部7bに対するレール腹部7cの左右方向の振動よりも、レール腹部7cに対するレール頭部7aの左右方向の振動のほうが大きいようなときに、このレール頭部7aから放射される騒音を低減することができる。
(第5実施形態)
図8は、この発明の第5実施形態に係るレールの騒音低減構造のレール締結部分の縦断面図である。
図8に示す騒音低減構造8は、レール7の長さ方向に沿ってこのレール7の下首部7eに形成された凹部7nに防振部10R,10Lが装着されているが、図1〜図7に示す騒音低減構造8とは異なり、レール7の上首部7dに凹部7mが形成されておらず防振部9R,9Lが装着されていない。この第5実施形態では、例えば、第4実施形態とは逆に、レール腹部7cに対するレール頭部7aの左右方向の振動よりも、レール底部7bに対するレール腹部7cの左右方向の振動のほうが大きいようなときに、このレール腹部7cから放射される騒音を低減することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、レール締結装置3がタイプレート式のレール締結装置である場合を例に挙げて説明したが、タイプレート3aを使用せずに支持体2にレール7を締結する直結式のレール締結装置についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、継目構造4が普通継目である場合を例に挙げて説明したが普通継目以外の継目構造についてもこの発明を適用することができる。例えば、継目部分の両側と継目板との間に絶縁材を挟み込みこの継目部分を電気的に絶縁して接続する絶縁継目、継目部分の両側に継目板を絶縁性の接着材によって接着してこの継目部分を電気的に絶縁して接続する接着絶縁継目、又は継目部分を伸縮自在に接続する伸縮継目などについてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、防振部9R,9L,10R,10Lが防振ゴムである場合を例に挙げて説明したが、制振機能を有する金属などを使用することもできる。また、この実施形態では、凹部7m,7n及び防振部9R,9L,10R,10Lが略U字状に形成されている場合を例に挙げて説明したが、円形、楕円形、四角形又は三角形などに形成することもできる。さらに、この実施形態では、防振部9R,9L,10R,10Lの厚さをレール7の表面と同一面になるように形成する場合を例に挙げて説明したが、レール7の表面から僅かに突出する程度の厚さに形成することもできる。この場合には、継目板5R,5Lをレール7に取り付けたときの押圧力によって防振部9R,9L,10R,10Lを弾性変形させて、継目板5R,5Lをレール7に密着させることができる。
1 車輪
2 支持体
3 レール締結装置
3b 締結ばね
4 継目構造
5R,5L 継目板
6 締結部材
7 レール
7a レール頭部
7b レール底部
7c レール腹部
7d 上首部
7e 下首部
7m,7n 凹部
8 騒音低減構造
9R,9L,10R,10L 防振部

Claims (6)

  1. レールから発生する騒音を低減するレールの騒音低減構造であって、
    前記レールの左右方向の振動を抑制する防振部を備え、
    前記防振部は、前記レールの長さ方向に沿ってこのレールの上首部及び下首部に形成された凹部に装着されていること、
    を特徴とするレールの騒音低減構造。
  2. レールから発生する騒音を低減するレールの騒音低減構造であって、
    前記レールの左右方向の振動を抑制する防振部を備え、
    前記防振部は、前記レールの長さ方向に沿ってこのレールの上首部に形成された凹部に装着されていること、
    を特徴とするレールの騒音低減構造。
  3. レールから発生する騒音を低減するレールの騒音低減構造であって、
    前記レールの左右方向の振動を抑制する防振部を備え、
    前記防振部は、前記レールの長さ方向に沿ってこのレールの下首部に形成された凹部に装着されていること、
    を特徴とするレールの騒音低減構造。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレールの騒音低減構造において、
    前記防振部は、前記レールの内側及び/又は外側に装着されていること、
    を特徴とするレールの騒音低減構造。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレールの騒音低減構造において、
    前記防振部は、前記凹部と嵌合する弾性体であること、
    を特徴とするレールの騒音低減構造。
  6. 請求項5に記載のレールの騒音低減構造において、
    前記弾性体は、防振ゴムであること、
    を特徴とするレールの騒音低減構造。
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