第1の発明は、
人体局部に洗浄水を噴出する少なくとも一つの洗浄水噴出口と、前記人体局部の周辺に加圧空気を噴出する少なくとも一つの空気噴出口とを有するノズルと、
前記ノズルを含む機能部が内蔵された本体と、
前記ノズルを前記本体の収納位置から使用位置まで進退駆動するとともに、前記進退駆動に左右回転駆動を加え、前記洗浄水および加圧空気を人体局部周辺の所定の位置に移動して噴出可能とする駆動手段とを備え、
前記洗浄水噴出口と、空気噴出口とを前記ノズルの先端部外周面に異なる角度に配置し、前記噴出口を切換える際は前記駆動手段により使用する噴出口を所定位置の噴出方向にノズル角度を変更するものである。
これは1本のノズルで洗浄水の噴出と空気の噴出を簡単に素早く切換えることができる。
また使用する噴出口以外の噴出口は噴出方向とは異なる方向に設定されるので、洗浄水や空気の噴出で飛び散る汚水や汚物などが付着しにくくなり衛生的である。
第2の発明は、特に、第1の発明のノズルの洗浄水噴出口を、第1の洗浄用と第2の洗浄用の二つの洗浄水噴出口により構成し、前記空気噴出口と前記第1および第2の洗浄用の洗浄水噴出口のそれぞれの噴出口を前記ノズルの先端部外周面に異なる角度に配置するとともに、前記空気噴出口を前記第1および第2の洗浄用の洗浄水噴出口との間に配置するものである。
これは、空気噴出口より加圧空気を噴出させて人体局部周辺に付着する水滴を吹き飛ばすためには、加圧空気を吹き出しながらノズルを前後方向に進退駆動するとともに左右に回転駆動させ、人体局部周辺に広く加圧空気を吹付ける必要がある。
したがって、ノズルの空気噴出に必要な回転角度は、空気噴出口を中心に左右に噴出する角度によって決まる。
そこで、空気噴出口を中心に左右に第1の洗浄用の洗浄水噴出口と第2の洗浄用の洗浄水噴出口を配置すれば、噴出口切換に必要な回転角度は、空気噴出に必要な回転角度との差分となるので、必要な回転駆動範囲を最小限にできる。
第3の発明は、特に、第1の発明に、
前記ノズルの外周面を覆い、回動自在に設けたノズルカバーと、
前記ノズルカバーの回転を抑制する回転抑制手段と、をさらに備え、
前記ノズルカバーは、前記ノズルの洗浄水噴出口と空気噴出口とに対向する一つの開口部を有し、
前記噴出口を切換える際は、前記回転抑制手段によりノズルカバーの回転を止めた状態で前記駆動手段により使用する噴出口とノズルカバーの開口部が略一致するようにノズル角度を変更するものである。
これは回転抑制手段によってノズルカバーの回転を止めることができるので、駆動手段によってノズルを左右回転駆動させるだけで、ノズルとノズルカバーとの相対角度が変わり、容易に使用する噴出口とノズルカバーの開口部の位置合わせができる。
また、複数の噴出口の内、使用する噴出口だけがノズルカバーの開口部より望む構成となるので、使用する噴出口からの噴流が人体局部で跳ね返っても、使用していない噴出口はノズルカバーに覆われており、噴流によって汚水や汚物が飛び散っても付着することがなく衛生的である。
第4の発明は、特に、第3の発明に、
前記ノズルと前記ノズルカバーとの相対角度を所定角度に保持する角度保持手段を更に備え、
前記ノズルの使用する洗浄水噴出口および空気噴出口と前記ノズルカバーの開口部が一致する角度で前記角度保持手段が作用するものである。
これは、ノズルの噴出口とノズルカバーの開口部が一致した状態で相対角度を保持できるので、例えば空気噴出口から加圧空気を噴出中にノズル角度を左右に素早く回転させても、ノズルカバーの開口部は空気噴出口の位置に保持され、ずれることがない。
第5の発明は、第3の発明の回転抑制手段を、
前記ノズルを前記本体の収納位置に移動した状態で、前記ノズルカバーの回転を制限する構成としたものである。
これはノズルの収納位置でノズルカバーの回転を制限して噴出口の切換え動作をするので、切換え動作が噴出口使用状態に影響しない。したがって、噴出口から洗浄水や加圧空気を噴出している状況で、誤ってノズルカバーの回転に制限が加わって噴出口とノズルカバーの開口部が、ずれたりすることがない。
第6の発明は、特に、第1から第5のいずれかひとつの発明の駆動手段を
前記空気噴出手段口から噴出される噴流の当接範囲をが、前記人体局部周辺の被乾燥面の略全面に亘って順次移動掃引されるように、前記ノズルを駆動するものである。
これは少ない空気噴流でも順次掃引するように駆動することで、広範囲な被乾燥面に付着する水滴を順次吹飛ばし、最終的に被乾燥面全面の付着水を吹飛ばすことができるものである。
第7の発明は、特に、第6の発明の駆動手段を
前記被乾燥面に付着する水滴を、前記空気噴出手段口から噴出出射される噴流により、被乾燥面の中心部に集めながら吹き飛ばすように、前記空気噴出口からの噴流を掃引掃印移動するものである。
これは少ない空気噴流でも、広範囲の被乾燥面に付着する水滴を拡散することなく吹き飛ばすことができるので、乾燥装置を大型化することなく、短時間で効率よく被乾燥面を乾燥できる。
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置およびそれを備えるトイレ装置を示す外観斜視図である。トイレ装置1000はトイレットルーム内に設置される。
トイレ装置1000において、便器600には衛生洗浄装置100が取り付けられる。衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。本体部200には、便座部400および蓋部500が開閉可能に取り付けられている。また、本体部200には、空気噴出手段であるノズル20を含む乾燥装置50と、洗浄水を噴出するための洗浄水噴出手段30と、加熱手段40とが設けられるとともに、制御部が内蔵されている。
図1では、本体部200の正面上部に設けられる着座センサ610が示されている。この着座センサ610は、例えば反射型の赤外線センサである。この場合、着座センサ610は、人体から反射された赤外線を検出することにより便座部400上に使用者が存在す
ることを検知する。
入室検知センサ700は、トイレットルームの入口等に取り付けられる。入室検知センサ700は、例えば反射型の赤外線センサである。この場合、入室検知センサ700は、人体から反射された赤外線を検出した場合にトイレットルーム内に使用者が入室したことを検知する。
本体部200の制御部は、遠隔操作装置300、入室検知センサ700および着座センサ610から送信される信号に基づいて、衛生洗浄装置100の各部の動作を制御する。
空気噴出手段50は、加圧空気を供給するエアポンプ51と、この加圧空気を噴出する空気噴出口21を備えたノズル20と、空気噴出口21から噴出される加圧空気の噴流を前後左右に移動するために、ノズル20を駆動する駆動手段52とにより構成されており、空気噴出手段50から噴出する加圧空気は被乾燥面に到達する風速が秒速20〜50mの能力を備えており、被乾燥面における噴流の当接範囲は直径約1cm程度の大きさとなっている。
ノズル20には、洗浄水を噴出する洗浄水噴出口22を含む洗浄水噴出手段30の洗浄ノズル部33が一体で構成されている。
洗浄水噴出手段30は、ノズル20に設けられた第1の洗浄水噴出口22と第2の洗浄水噴出口23以外に水道水の供給を開閉する開閉弁と、水道水を加熱する温水加熱手段31と、温水加熱手段31からの温水をノズル20の方向とノズル洗浄部方向とに流路を切換える切換弁32とで構成されている。なお、第1の洗浄水噴出口22はおしり洗浄用洗浄水を噴出し、第2の洗浄水噴出口23はビデ用洗浄水を噴出する。
加熱手段40は、内蔵のヒータに送風して温風を供給する送風手段であるエアファン41と、この温風を温風噴出口42に導くダクト43により構成されており、温風噴出口42より噴出する温風は前記空気噴出手段50から噴出する加圧空気の流速より遅く、秒速10m以下であり、被乾燥面に対する当接面積は広く被乾燥面の略全面に拡散する構成となっている。
図2は、図1の遠隔操作装置300の正面図である。遠隔操作装置300は、使用者のスイッチ操作信号を本体部200に送信し、衛生洗浄装置を駆動制御する操作手段であり、コントローラ本体部301の下部にコントローラ蓋部302が開閉自在に設けられた構造を有する。
図2(a)に示すように、コントローラ蓋部302が閉じられた状態で、コントローラ本体部301の上部には乾燥モード選択スイッチ320a,320b,320c、洗浄の強さ調整スイッチ322,323が設けられ、コントローラ蓋部302には停止スイッチ311、乾燥スイッチ314、おしりスイッチ312およびビデスイッチ313が設けられている。
使用者により、上記各スイッチが操作される。これにより、遠隔操作装置300から図1の本体部200に各スイッチに応じた所定の信号が無線送信される。本体部200の制御部150(図3、図4)は、受信した信号に基づいて本体部200(図1)および便座部400(図1)の各構成部の動作を制御する。
例えば、使用者がおしりスイッチ312またはビデスイッチ313を操作することにより、後述するノズル部20(図3)から使用者の局部に洗浄水が噴出される。また、使用
者が停止スイッチ311を操作することにより、ノズル部20から使用者の局部への洗浄水の噴出が停止される。
使用者が乾燥スイッチ314を操作することにより、使用者の局部の被乾燥面に後述する空気噴出手段50(図4)から加圧空気が噴出されると同時に加熱手段40(図4)から温風が吹き出される。また、使用者が乾燥モードスイッチ320a,320b,320cを選択操作することにより、前述の使用者の局部に噴出される乾燥空気の噴出条件が変更され、使用状況や使用者の好みにより任意に選択することが可能となっている。
乾燥モードスイッチ320aは短時間で乾燥を終了したい場合の「急速乾燥運転」、乾燥モードスイッチ320bは局部を確実に乾燥させてさらっと仕上げる「しっかり乾燥運転」、乾燥モードスイッチ320cは加圧空気を当てたくない場合に温風だけを吹き出す「温風乾燥運転」、をそれぞれ選択できるようになっている。
また、使用者が強さ調整スイッチ322,323を操作することにより、使用者の局部に噴出される洗浄水の流量および圧力等が調整される。
図2(b)に、コントローラ蓋部302が開かれた状態の遠隔操作装置300の正面図が示されている。図2(b)に示すように、コントローラ蓋部302により覆われるコントローラ本体部301の下部には、上述の停止スイッチ311、乾燥スイッチ314、おしりスイッチ312およびビデスイッチ313に加えて、自動開閉の入り切りスイッチ311k、温風温度調整スイッチ340、水温調整スイッチ333、便座温度調整スイッチ334、除菌スイッチ335および便器洗浄スイッチ336が設けられている。
これらのスイッチが操作される場合にも、遠隔操作装置300から本体部200に各スイッチに応じた所定の信号が無線送信される。これにより、本体部200の制御部90は、受信した信号に基づいて本体部200および便座部400の各構成部の動作を制御する。
自動開閉の入り切りスイッチ311kはつまみにより構成されている。使用者が自動開閉の入り切りスイッチ311kのつまみを操作することにより、蓋部500(図1)の開閉動作が設定される。すなわち、自動開閉の入り切りスイッチ311kのつまみがオンの位置にある場合、使用者のトイレットルームへの入室に応じて蓋部500が開閉される。
使用者が温風温度調整スイッチ340を操作することにより、加熱手段40から使用者の局部に吹き出される温風の温度が調整される。この温風温度調整スイッチ340は、一回押す毎に設定が、「高」、「中」、「低」、「切」と切り替わる。この「切」の設定で運転した場合は、ヒータ43(図4)がオフとなり送風だけとなる。
また、使用者が水温調整スイッチ333を操作することにより、ノズル部20から使用者の局部に噴出される洗浄水の温度が調整される。使用者が便座温度調整スイッチ333を操作することにより、便座部400の温度が調整される。
次に、本体部200内に設けられた洗浄水噴出手段30について説明を行う。図3は洗浄水噴出手段30および制御部150の構成を示すブロック図である。
図3に示す洗浄水噴出手段30は、開閉弁34、温水加熱手段31、切換弁32、ノズル20、駆動手段52、前後駆動モータ53 、左右駆動モータ54および制御部150を含む。切換弁32は温水加熱手段31からの温水をノズル20の第1の洗浄水噴出口22方向と第2の洗浄水噴出口23方向と、ノズル洗浄方向に切換駆動する。洗浄水噴出手
段30の制御部150は、開閉弁34、温水加熱手段31、切換弁32、前後駆動モータ53および左右駆動モータ54の動作を制御する。
続いて本体部200内に設けられた乾燥機能について説明を行う。図4は乾燥機能における空気噴出手段50、加熱手段40および制御部150の構成を示すブロック図である。
図4に示す空気噴出手段50は、ノズル20、エアポンプ51、駆動手段52、前後駆動モータ53 、左右駆動モータ54を含む。また、加熱手段40は、エアファン41、ヒータ43および温風噴出口42を含む。
また前述の洗浄水噴出手段30のノズル20とは一体に構成し、前記の駆動手段52、前後駆動モータ53 、左右駆動モータ54、制御部150は、前述する洗浄水噴出手段30と共用している。
乾燥機能の制御部150は、室温検出手段151の検出信号を入力し、エアポンプ51、前後駆動モータ53 、左右駆動モータ54、エアファン41およびヒータ43の動作を制御する。室温検出手段151は、衛生洗浄装置の雰囲気温度が検出できるように本体部200(図1)に内蔵されたサーミスタにより室温を検出する。
そして、この乾燥機能は、加熱手段40と空気噴出手段50を同時に駆動させて、加熱手段40により送風される温風を、空気噴出手段50により噴出される加圧空気により誘引しながら混合して被乾燥面に噴出する第1の乾燥運転と、空気噴出手段50だけを駆動して加圧空気だけ被乾燥面に噴出する第2の乾燥運転と、加熱手段40だけを駆動して温風だけ被乾燥面に吹き出す第3の乾燥運転の3通りの運転パターンを有している。
図5は洗浄水噴出手段30および空気噴出手段50における駆動手段52の構成を示す斜視図である。(a)はノズル20が収納された状態を示し、(b)はノズル20が突出された状態を示す。
図5に示す駆動手段52は、ノズル20と、ノズル20からの空気噴流を左右方向に揺動する揺動手段と、空気噴流を前後方向に往復動させる進退駆動手段と、ベース55により構成しており、ノズル20から噴出する加圧空気の被乾燥面に対する当接範囲を被乾燥面の全面に亘り任意に移動させることができる。
ベース55は上面に前傾して構成したレール部56に沿ってノズル20を傾斜させて配置し、ベース先端に開孔して配置したガイド部57にノズル20を通して保持する。このガイド部57は摺動性のよい材質で構成し、ノズル20がスムーズに回転および摺動するように適度にクリアランスを設けている。また、ベース55上面にはレール部56に沿ってスライドするノズルホルダ58を備え、ノズル20の終端を回転自在に保持する。そしてノズルホルダ58の動作に合わせてノズル20はレール部56に沿って駆動する。
進退駆動手段は、前後駆動モータ53と、原動プーリ60と従動プーリ59a、59bとテンションプーリ59cとの間に配置されたタイミングベルト61により構成され、タイミングベルト61の従動プーリ59a、59b間はレール部56と平行に配置される。
また、ノズルホルダ58とタイミングベルト61は、ノズルホルダ58のアーム部58aにより連結し、タイミングベルと61の動きに応じてノズル20がレール部56に沿って駆動する。
前後駆動モータ53は、ベース55の下部後端に配置し、原動プーリ57を正逆回転するよう接続されている。タイミングベルト61は、この原動プーリ57の動作に応じて動く。したがって、前後駆動モータ53の回転に合わせてノズルホルダ58に保持されたノズル20が前後に進退駆動する。ここでの前方向とは図5のA方向を表し、後方向とはB方向を表しており、前方向は便座400に着座した用便者の前面方向に対応し、後方向は用便者の背面方向に対応する。
揺動手段は、ベース上部後端に配置した左右駆動モータ54と、歯車A62、歯車B63、歯車C64、歯車D65および角シャフト66より成り、左右駆動モータ54の回転を歯車A62、歯車B63により角シャフト66に伝える。歯車C64はノズルホルダ58に保持され、角シャフトからの回転を摺動自在に伝達されるように構成している。歯車D65はノズル20に直結して歯車C64からの回転をノズル20に伝える。したがって、左右駆動モータ54の正逆回転に応じてノズル20が回転し、空気噴出口21から噴出する空気噴流は図5のCおよびDの右左方向に揺動する。
次に図6を用いてノズル20を中心としたノズルユニットの構成について説明する。図6(a)はノズルユニットの外観を示す平面図、図6(b)はノズルユニットの縦断面図(断面図AA)、図6(c)から(e)はノズルユニットの横断面図(断面図BB)である。
図6に示すノズル20は円柱形状を成し、先端近傍の外周方向に空気噴出口21と第1の洗浄水噴出口22と第2の洗浄水噴出口23とが設けられ、内部に加圧空気を空気噴出口21に導くエア流路24と、おしり洗浄用の洗浄水を第1の洗浄水噴出口22に導く水用流路a25と水用流路b26と、ビデ用洗浄水を第2の洗浄水噴出口23に導く水用流路c27が設けられている。
ノズル20外周部には、ノズル20の外周面を覆い、回動自在に設けたノズルカバー28が配置され、ノズル20の洗浄水噴出口22,23と空気噴出口21とに対向する一つの開口部29を備えている。したがって、ノズル20とノズルカバー28の相対角度を変えることで、開口部29に望む噴出口を切換えることができる。
図6(c)は開口部29と空気噴出口21を一致させた場合を示し、図6(d)は開口部29と第1の洗浄水噴出口22を一致させた場合、図6(e)は開口部29と第2の洗浄水噴出口23を一致させた場合を示す。このように運転モードに応じて噴出口を簡単に切換えることができる。
第1の洗浄水噴出口22は、水用流路b26からの平行流に、水用流路a25からの旋回流を合成して噴出するので、平行流と旋回流の割合を調整することにより噴流の広がりと強さを変更することができる。
ノズルカバー28はパイプ状のステンレス金属により構成することにより、細菌の繁殖が抑制されより衛生性を向上できる。
エアポンプ51からの加圧空気は、エアチューブ(図示せず)からエア流路24に供給されるようにエア入口70に接続され、切換弁32からの洗浄水は、水チューブ(図示せず)から水用流路b26に供給されるように水入口72に接続されている。同様に水用流路a25と水用流路c27にも水入口(図示せず)があり水チューブ(図示せず)が接続される。これらエアチューブと水チューブは、ノズル20が回転や前後駆動する際に、ねじれや屈曲の力が働くためゴムやエラストマなどの軟質素材で構成する。
次にノズルカバー28とノズル20の角度設定の構成について図7を含めて説明する。図7(a)は駆動手段52の構成を示す正面図、図7(b)はその一部断面図(断面図AA)、図7(c)は別の一部断面図(断面図BB)である。
図7(a)、(b)に示すベース55とノズルホルダ58にはノズルカバー28の回転を抑制する回転抑制手段であるストッパa71、ストッパb72sを設けている。
ストッパa71は、ベース55の後部に配置され、ノズルが前後駆動の最終端に移動し収納状態になった場合に、ノズルカバー28のアーム73が収まり、ノズルカバー28の回転が制限される。この状態で、ノズル20を回転駆動すれば、ノズル20とノズルカバー28の相対角度を変更することができる。このストッパa71はノズル20の左右両側に設けられ、何れの方向からでも角度変更を可能としている。
ストッパb72sはノズルホルダ58の左右2箇所に配置されており、ノズルカバー28の回転範囲を制限するだけでなく、ノズル20の回転角度も制限している。これはノズル20とノズルカバー28の回転範囲を同じ範囲となるように設定している。また、アーム73がストッパb72sに当たっている状態で更にノズル20を回転させることによってもノズル20とノズルカバー28の相対角度を変更することができる。
図7(c)にノズル20とノズルカバー28との相対角度を所定角度に保持する角度保持手段74示す。この角度保持手段74は、ノズルカバー28に構成したバネ性のある凸部75と、ノズル20外周面に設けた3箇所の凹部76a、76b、76cによって成り、凸部75と凹部の一箇所が嵌合されて角度を保持する。
以下に制御部150における制御動作について図8、図9および図10を加えて説明する。図8は制御部150による「おしり洗浄」、「ビデ」および「乾燥」運転におけるノズル角度設定のタイムチャート、図9は制御部150による「おしり洗浄」および「乾燥」運転における制御動作のタイムチャート、図10は「おしり洗浄」および「乾燥」の運転状態の模式的断面図である。図11および図12は「乾燥」運転状態の被乾燥面における噴流の当接範囲Eの移動パターンを示す模式図である。
図8に示すようにまだ操作がされていない状態のT0の時点では、ノズル20の前後方向は後端の収納位置に配置されている。ノズル20の左右方向は、揺動手段70に設けた中心部位置を検出する位置センサ(図示せず)の検出位置に角度設定されている。この角度は中心角度となりノズル20の空気噴出口21とノズルカバー28の開口部29が一致して上方に設定されている。すなわち、ノズル20は「乾燥」に設定されている。
使用者が遠隔操作装置300のおしりスイッチ312を押下操作するT1において、前後駆動モータ53を運転させてアーム73とストッパa71が干渉しない位置(約10mm前方)まで移動する。
次にT2において、左右駆動モータ54を回転させて、ノズル20がストッパb72sに当たる左端角度(−90°)まで角度変更する。T3では前後駆動モータ53を収納位置(約10mm後方)まで運転させて、アーム73をストッパa71に嵌め込むように移動する。この動作によりノズルカバー28はストッパa71により角度が保持される。
次にT4で左右駆動モータ54を回転させて、ノズル20の第1の洗浄水噴出口22とノズルカバー28の開口部29が一致するように、ノズル20を右方向に回転させる(約+90°)。ここではノズル20を回転させると、角度が保持されたノズルカバー28との相対角度が変わり、ノズルカバー28に対してノズル20の回転角度を変えることがで
きる。
T5では再び前後駆動モータ53を運転させてアーム73とストッパa71が干渉しない位置(約10mm前方)まで移動する。そして、T6で左右駆動モータ54を回転させて、ノズル20の第1の洗浄水噴出口22およびノズルカバー28の開口部29が上方を向くように、ノズル20を右方向に回転させる(約+90°)。T7で前後駆動モータ53を運転してノズルを収納位置(約10mm後方)まで移動する。そしてT8で動作を完了する。
以上のT1からT8までの動作によって、ノズルカバー28の開口部29におしり洗浄用の第1の洗浄水噴出口22の角度を一致させて、噴出方向を上方に設定することができる。
次に使用者が遠隔操作装置300のビデスイッチ313を押下操作する場合の動作について説明する。なお、この場合もまだ操作がされていない状態では、ノズル20の前後方向は後端の収納位置に配置されており、ノズル20の左右方向は、揺動手段70に設けた中心部位置に角度設定されているものとする。
T11において、前後駆動モータ53を運転させてアーム73とストッパa71が干渉しない位置(約10mm前方)まで移動して、T12において、左右駆動モータ54を回転させて、ノズル20がストッパb72sに当たる右端角度(+90°)まで角度変更する。T13では前後駆動モータ53を収納位置(約10mm後方)まで運転させて、アーム73をストッパa71に嵌め込むように移動し、ノズルカバー28をストッパa71により保持する。
次にT14で左右駆動モータ54を回転させて、ノズル20の第2の洗浄水噴出口23とノズルカバー28の開口部29が一致するように、ノズル20を左方向に回転させる(約−90°)。T15では再び前後駆動モータ53を運転させてアーム73とストッパa71が干渉しない位置(約10mm前方)まで移動して、T16で左右駆動モータ54を回転させて、ノズル20の第2の洗浄水噴出口23およびノズルカバー28の開口部29が上方を向くように、ノズル20を左方向に回転させる(約−90°)。T17で前後駆動モータ53を運転してノズルを収納位置(約10mm後方)まで移動する。そしてT18で動作を完了する。
以上のT11からT18までの動作によって、ノズルカバー28の開口部29にビデ用の第2の洗浄水噴出口23の角度を一致させて、噴出方向を上方に設定することができる。
次に使用者が遠隔操作装置300の乾燥スイッチ314を押下操作する場合の動作について説明する。この場合もまだ操作がされていない状態では、ノズル20の前後方向は後端の収納位置に配置されており、ノズル20の左右方向は、揺動手段70に設けた中心部位置に角度設定されているものとする。ただしノズルカバー28の開口部29の方向は未定とする。
T21において、前後駆動モータ53を運転させてアーム73とストッパa71が干渉しない位置(約10mm前方)まで移動して、T22において、左右駆動モータ54を回転させて、ノズル20がストッパb72sに当たる右端角度(+90°)まで角度変更する。もしT22時点でノズルカバー28の開口部29と第1の洗浄水噴出口22が一致していた場合は、アーム73がストッパb72sに当たり、ノズルカバー28はノズル20との相対角度が変わり、空気噴出口21とノズルカバー28の開口部29が一致するまで
角度が変わる。
次にT23で左右駆動モータ54を反転させて、ノズル20が反対側のストッパb72sに当たる左端角度(−180°)まで角度変更する。もしT23時点でノズルカバー28の開口部29と第2の洗浄水噴出口23が一致していた場合は、アーム73が反対側のストッパb72sに当たり、ノズルカバー28はノズル20との相対角度が変わり、空気噴出口21とノズルカバー28の開口部29が一致するまで角度が変わる。
このように、ノズルカバー28の開口部29に対してノズルがどの方向を向いていても上記動作によって開口部29と空気噴出口21とが一致する。
そしてT24で左右駆動モータ54を再び反転させて、空気噴出口21およびノズルカバー28の開口部29が上方を向くように回転させる(約+90°)。T25で前後駆動モータ53を運転してノズルを収納位置(約10mm後方)まで移動する。そしてT26で動作を完了する。
以上のT21からT26までの動作によって、ノズルカバー28の開口部29に空気噴出口21の角度を一致させて、噴出方向を上方に設定することができる。
次におしり洗浄から乾燥運転の制御動作について説明する。
図9に示す「乾燥」の運転モードは図2の乾燥モードスイッチ320aが選択された状態の「急速乾燥運転」であり、温風温度調整スイッチ340は「中」設定とした状態のタイムチャートである。この「急速乾燥運転」は、乾燥機能における温風を加圧空気により誘引しながら被乾燥面に噴出する第1の乾燥運転で行う。
図9に示すように、まだ操作がされていない状態のT0の時点では、ノズル20前後方向は後端の収納位置に配置されている。ノズル20の左右方向は、揺動手段70に設けた中心部位置を検出する位置センサ(図示せず)の検出位置に角度設定されている。
使用者が遠隔操作装置300のおしりスイッチ312を押下操作するT1において、図8で説明したようにノズルカバー28の開口部29におしり洗浄用の第1の洗浄水噴出口22の角度を一致させて、噴出方向を上方に設定する。ここではこの動作について省略する。そして同時に、開閉弁34が開き、水道水が温水加熱手段31に流れ込む、内蔵の流量センサ(図示せず)が水流を検出すると、温水加熱手段31への通電が開始され、加熱された温水が供給し始める。この時ノズル20は収納位置にあるので、第1の洗浄水噴出口21から噴出される充分に温まっていない温水はガイド部57の内面に当たり便器600内に排出される。
温水加熱手段31からの出湯温度が所定の温度(例えば36℃)に達した時点T2において、温水加熱手段31および開閉弁34を停止し、前後駆動モータ53を運転させてノズル20を中心部位置(例えば前方100mm)まで前進させる。そしてT3において温水加熱手段31および開閉弁34の運転を再開して、使用者の被洗浄面に洗浄水を噴出する。
温水加熱手段31への電力制御は、出湯温度を検出する温度センサ(図示せず)の検出温度が設定温度(例えば40℃)になるように公知PIDやFF制御を用いて行う。また、洗浄水の流量は切換弁32の弁開度を調整することにより使用者の好みの量に設定されている。このおしり洗浄における被洗浄面の濡れ状態は図10(a)に示すように洗浄水が直接当たる中心部だけでなく、水滴が流れて周辺部を濡らしてしまう。
おしり洗浄が終了し、使用者が遠隔操作装置300の停止スイッチ311を押下操作する図6のT4において、温水加熱手段31および開閉弁34を停止し、洗浄ノズル部33からの洗浄水噴出を停止すると同時に、前後駆動モータ53を逆転させて洗浄ノズル部33を収納位置まで後退させて、洗浄動作を終了する。
なお本実施の形態では、おしり洗浄における動作を説明したが、遠隔操作装置300のビデスイッチ313押下操作するビデ洗浄を押下操作する場合においても、基本となるシーケースは同様である。ただ、ビデ洗浄の場合は、ビデに対応する洗浄ノズル位置と流量設定に変更される。
次にT6において使用者が遠隔操作装置300の乾燥スイッチ314を押下操作すると、図8で説明したようにノズルカバー28の開口部29に空気噴出口21の角度を一致させて、噴出方向を上方に設定する。ここではこの動作について省略する。そしてヒータ43が通電されヒータ自身の温度上昇が開始される。このようにエアファン41運転する前にヒータ43に通電することにより、放熱が少ない状態でヒータが加熱されるので高速にヒータ温度を上昇させることができる。
この時同時にエアポンプ51が短時間(たとえば1秒間)だけ運転され、加圧空気がノズル20の空気噴出口21より一瞬噴出される。この動作は、ノズル20が収納位置にある状態で、ノズル20表面に付着した水滴を吹き飛ばして、使用者に対して水滴の再付着を防止する。
T7でエアファン41の運転を開始して、温風噴出口42から温風を吹出す。吹出される温風温度は加熱されたヒータ43を通過するため、始めから高温の温風温度となる。そして、前述のヒータ加熱量に制御されて高温(例えば60℃)の温風が吹き出されるように設定される。そして温風噴出口42から使用者の洗浄面である被乾燥面の略全面に対して送風される。
その後、前後駆動モータ53を運転させてノズル20を最前進位置(例えば前方150mm)まで前進させながら、左右駆動モータ54を運転させてノズル20の左右角度を右端角度(例えば+50°)まで角度変更する。
T8において、エアポンプ51の運転を開始して、被乾燥面に対して空気噴出口21から加圧空気の噴出を開始する。
そしてT8からT9の第1のステップにおいて、駆動手段52の左右駆動モータ54と前後駆動モータ53の運転方向および運転速度を制御して、ノズル20の前後駆動を所定範囲(例えば前方50mmから150mm)で高速に往復運転し、同時にノズル20の左右角度を右端角度から右側所定角度(例えば+50°から+20°)まで中心角度に向けてゆっくりと駆動させる。この第1のステップの動作は、ノズル20からの空気噴流が、使用者の被乾燥面の右側所定位置から前後方向に高速に移動しながら徐々に中心部に接近してくる。
したがって、図11の動作パターンP1に示すように、空気噴流当接範囲Eは被乾燥面Fの右端の接線方向に高速に往復移動する周期移動しながら中心部Gに向けて徐々に漸進移動するので、図のようにジグザグの移動軌跡が描かれる。この結果、図10(b)に示すように、洗浄水の噴出範囲よりも充分に外側から加圧空気の噴出を開始するので、被乾燥面の右側に広がって付着した水滴を、中心部方向に集めながら吹き飛ばすことができる。
図9のT9では一旦エアポンプ51を停止して、ノズル20の左右角度を左端角度(例えば−50°)まで角度変更する。そしてT10において、エアポンプ51の運転を再開して、加圧空気の噴出を開始する。
そしてT10からT11の第2のステップにおいて、ノズル20の前後駆動を第1のステップと同様に所定範囲(例えば前方50mmから150mm)で高速に往復運転し、同時にノズル20の左右角度を左端角度から左側所定角度(例えば−50°から−20°)まで中心角度に向けてゆっくりと駆動させる。この第2のステップの動作は、ノズル20からの空気噴流が、使用者の被乾燥面の左側所定距離から前後方向に高速に移動する周期移動しながら徐々に中心部に漸進移動して接近してくる。
したがって、図11の動作パターンP2に示すように、空気噴流の当接範囲Eは被乾燥面Fの左端の接線方向に高速に往復移動する周期移動しながら中心部Gに向けて徐々に漸進移動するので、図のようにジグザグの移動軌跡が描かれる。この結果、図10(C)に示すように、被乾燥面の左側に広がって付着した水滴を、中心部方向に集めながら吹き飛ばすことができる。
以上の第1のステップと第2のステップによって被洗浄面に付着して残る水滴は中心部を中心に前後残るのみとなる。
人体の臀部は肛門や陰茎の洗浄中心部に対して左右両サイドに凸部が形成されているため、便座に座った場合に洗浄中心部より左右両サイドが低くなる。
したがって、洗浄水が左右に濡れ広がりやすく、乾燥時に最初に中心部に空気噴流を当ててしまうと、付着した水滴が左右に大きく広がり、濡れ面積が拡大してしまう。上述のように第1のステップと第2のステップによって被洗浄面の水滴が左右に広がるのを防止しながら吹き飛ばすので、効率の良い乾燥ができる。
第2のステップの終了時点T11では、ノズル20を最前進位置まで前進させる。そして、T11からT12の第3のステップにおいて、ノズル20の前後駆動を最先進位置から中心部方向にゆっくり後退させながら、同時にノズル20の左右角度を右端角度から左端角度まで高速に往復駆動させる。この第3のステップの動作は、ノズル20からの空気噴流が、被乾燥面上を左右方向に高速に移動に移動しながら前方の所定位置から後方に向かって徐々に中心部に接近してくる。
したがって、図12の動作パターンP3に示すように、空気噴流の当接範囲Eは被乾燥面Fの先端の接線方向に高速に往復移動する周期移動をしながら中心部Gに向けて徐々に斬新移動するので、図のようにジグザグの移動軌跡が描かれる。この結果、被乾燥面の中心部Gより前方に残る水滴を、中心部G方向に集めながら吹き飛ばすことができる。
T12では一旦エアポンプ51を停止して、ノズル20の前後方向位置を後部所定位置(例えば前方50mm)まで移動させる。そしてT13において、エアポンプ51の運転を再開して、加圧空気の噴出を開始する。
そしてT13からT14の第4のステップにおいて、ノズル20の前後駆動を後部所定位置から中心部方向にゆっくり前進させながら、同時にノズル20の左右角度を右端角度から左端角度まで高速に往復駆動させる。この第4のステップの動作は、ノズル20からの空気噴流が、被乾燥面上を左右方向に高速に移動に移動しながら後方の所定距離から前方に向かって徐々に中心部に接近してくる。
したがって、図12の動作パターンP4に示すように、空気噴流の当接範囲Eは被乾燥面Fの後端の接線方向に高速に往復移動する周期移動をしながら中心部Gに向けて徐々に漸進移動するので、図のようにジグザグの移動軌跡が描かれる。この結果、被乾燥面の中心部Gより後方に残る水滴を、中心部G方向に集めながら吹き飛ばすことができる。
以上の第1から第4のステップによって被乾燥面に付着して残る水滴は中心部のみとなる。
前記の第1から第4のステップでの被乾燥面に付着する水滴への作用を説明する。各ステップの動作中の被乾燥面への空気噴流の駆動方向が、中心部に向けて移動する速度より、中心部に対して略接線方向の移動速度の方を充分に速くしているので、被乾燥面に衝突して広がる空気流れ方向が、前記の略接線方向に対して垂直方向の流れ成分が多くなる。
したがって、この略接線方向に駆動する空気噴流と中心部の間に付着する水滴は、略接線方向に対して垂直方向の空気流に押されて中心部方向に移動するように作用する。そして徐々に空気噴流を中心部に接近させるので、中心部方向に集まってくる。この動きを第1から第4のステップにおいて右、左、前、後の4方向から行うことによって、水滴は中心部に集まる。このように第1から第4のステップが被乾燥面に付着する水滴を被乾燥面の中心部に集める工程となる。
T14では再びエアポンプ51を停止して、ノズル20の前後方向位置を前方の所定位置(例えば前方130mm)まで移動させる。そしてT15において、エアポンプ51の運転を再開して、加圧空気の噴出を開始する。
そして、T15からT16の第5のステップにおいて、ノズル20の前後駆動を前方の所定位置から後退を開始し、中心部を通過して、中心部より後方の所定距離(例えば前方50mm)までをゆっくりと後退する。同時にノズル20の左右角度を右端角度から左端角度まで高速に往復駆動させる。この第5のステップの動作は、ノズル20からの空気噴流が、被乾燥面上を左右方向に高速に移動する周期移動をしながら前方の所定位置から後方に向かって徐々に漸進移動をして中心部に接近し、さらに中心部を通過して後方の所定位置まで漸進移動する。
したがって被乾燥面に対して空気噴流の当たる位置が前方から中心部を通って後方に徐々に移動するので、被乾燥面の中央部に残る水滴を、完全に吹き飛ばすことができる。すなわち、この第5のステップが集めた水滴を吹き飛ばす工程となる。
T16でエアポンプ51を停止して、ノズル20の前後方向は後端の収納位置に移動させる。ノズル20の左右方向は、中心角度に戻す。
乾燥が終了し、使用者が遠隔操作装置300の停止スイッチ311を押下操作するT17でヒータ43の運転を停止する。
そしてT18でエアファン41を停止することによって、ヒータ43の余熱を減少させて乾燥運転が終了する。
以上のように、おしり洗浄とビデと乾燥を1本のノズルで構成し、駆動手段も共用したので、ノズルの設置面積を小さくでき、さらに部品点数が少なくできるため、省スペース化や低コスト化が実現できる。
さらに、乾燥のための加圧空気を単一のノズル孔から噴出するように構成しているので
、低流量でも空気噴流の流速が大きくでき、小容量のエアポンプでも高い乾燥性能が得られる。すなわち、噴流の流速が大きいので被乾燥面に付着した水滴に噴流が当たる際の水滴を引き剥がすエネルギーが大きくなるため、水滴を効率よく吹き飛ばすことができる。なお、本実施の形態においては、操作手段の前後左右の操作スイッチによる洗浄水の噴出位置を調節する構成を説明したが、加圧空気の噴出時に同様の位置調節をすれば加圧空気の位置調整をすることもできる。
また、本実施の形態では洗浄と乾燥を一本の円筒で構成して、駆動手段を共用したが、これをそれぞれ独立したノズルと駆動手段で構成してもよい。
さらに、本実施の形態においては加圧空気の流速を秒速20〜50mとしたが、水滴を吹き飛ばす効果を得るためには秒速10m以上が最低必要であり、噴流の当接範囲の大きさの設定要素であるノズル孔の大きさやノズル孔の数はエアポンプの能力と加圧空気の流速を考慮して選択する必要がある。
また、本実施の形態では第1のステップから第5のステップを順次実行したが、各ステップは繰り返し実行してもよいし、各ステップの順番を入れ替えてもよい。また、第1と第2のステップを省略しても良いし、第3と第4のステップを省略しても良い。
また、本実施の形態では乾燥運転開始時にエアファンを運転する前にヒータを通電してヒータ温度上昇を高速化したが、エアファンとヒータを同時に起動して、そのときエアファンの起動時に送風量を徐々に上げるソフトスタート機能を持たせることによりヒータ温度上昇の高速化してもよい。