JP2010229386A - 粘着剤及びラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘着剤における耐湿性や耐ワックス性を向上させ、表面に水分やワックス成分が多いリンゴ等の食品に対しても、安定した十分な接着力が得られるようにする。
【解決手段】 グリセリン、乳酸ナトリウム、ジグリセリン、乳酸、グルコン酸、グルコン酸塩から選択される少なくとも一種を含む溶剤に、少なくとも澱粉と、発酵セルロース及び/又はペクチンを添加させた粘着剤を、ラベル基材11の片面に設ける粘着剤層12に使用した。
【選択図】 図1

Description

この発明は粘着剤及びラベルに係り、特に、青果物等の食品に直接貼付させるラベル及びこのラベルの粘着剤層に使用する粘着剤において、表面に水分やワックス成分が多いリンゴ等の食品に対しても、安定した十分な接着力が得られるようにした点に特徴を有するものである。
ラベル基材の片面に粘着剤層が設けられたラベルが様々な分野で使用されており、近年においては、生産者等を表示したラベルを、直接、青果物等の食品に貼付させることが行われている。
ここで、ラベルの粘着剤層に用いる粘着剤としては、一般に、アクリル酸エステル共重合体のエラストマーを用いたアクリル系の粘着剤や、天然ゴム等のエラストマーを用いたゴム系の粘着剤が使用されている。
しかし、上記のような粘着剤は、食品添加物として認可されたものではなく、口に入れて食するには不向きな材料である。そして、このような粘着剤を用いたラベルを青果物等の食品に直接貼付させた場合、このラベルを剥がす際に、粘着剤の一部が青果物等の食品に残る可能性があり、このような食品をそのまま食することは、食の安全・安心の点から問題となるおそれがある。
また、近年においては、特許文献1に示されるように、コラーゲン加水分解物と乳酸ナトリウムとを用いた可食性の粘着剤が提案されている。
しかし、この特許文献1に示される粘着剤の場合、必ずしも十分な接着力を有しているとはいえず、このような粘着剤を用いたラベルを、青果物等の食品に直接貼付した場合、ラベルが簡単に剥がれるという問題があり、特に、表面における水分やワックス成分が多いリンゴ等の食品に対して適切に貼付させることが困難であった。
さらに、青果物等の食品に対する接着力を高めた粘着剤として、特許文献2に示されるように、本出願人は、乳酸ナトリウム及び/又はグリセリンを用いた溶剤に、少なくとも多糖類を溶解させた粘着剤を開発した。
しかし、この特許文献2に示される粘着剤においても、依然として十分な接着力を有しているとはいえず、特に、耐湿性や耐ワックス性が十分ではなく、この粘着剤を用いたラベルを、表面における水分やワックス成分が多いリンゴ等の食品に対して適切に貼付させることが困難であった。
特開2003−238934号公報 特開2006−117724号公報
この発明は、ラベル等を青果物等の食品に直接貼付させる場合における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、粘着剤における耐湿性や耐ワックス性を向上させ、表面における水分やワックス成分が多いリンゴ等の食品に対しても、安定した十分な接着力が得られる粘着剤及びこのような粘着剤を用いたラベルを提供することを課題とするものである。
この発明に係る粘着剤においては、上記のような課題を解決するため、グリセリン、乳酸ナトリウム、ジグリセリン、乳酸、グルコン酸、グルコン酸塩から選択される少なくとも一種を含む溶剤に、少なくとも澱粉と、発酵セルロース及び/又はペクチンを添加させるようにした。
ここで、上記の澱粉として、ワキシ架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉及びワキシエーテル化架橋澱粉から選択される少なくとも1種を用いることが、粘着剤における耐老化性がさらに向上するので好ましく、中でも、ワキシエーテル化架橋澱粉を用いると、粘着剤の耐老化性がさらに一層向上し、青果物等の食品に対してより長期にわたって安定した十分な接着力が得られるようになるので、特に好ましい。
また、この粘着剤において、上記の溶剤に、さらに澱粉架橋剤とpH調整剤とを溶解させてアルカリ性に調整すると、上記の澱粉が適切に架橋して、粘着剤における耐水性が一層向上されるので好ましい。
そして、この発明に係るラベルにおいては、ラベル基材の片面に設ける粘着剤層に、上記のような粘着剤を用いるようにした。
この発明の粘着剤においては、上記のようにグリセリン、乳酸ナトリウム、ジグリセリン、乳酸、グルコン酸、グルコン酸塩から選択される少なくとも一種を含む溶剤に、少なくとも澱粉と、発酵セルロース及び/又はペクチンとを溶解させたため、上記の発酵セルロースやペクチンにより粘着剤の耐湿性及び耐ワックス性が向上し、青果物等の食品、特に表面における水分やワックス成分が多いリンゴ等の食品に対しても、安定した十分な接着力が得られるようになる。
また、この発明に係るラベルにおいては、ラベル基材の片面に設ける粘着剤層に上記のような粘着剤を用いるようにしたため、このラベルを水分やワックス成分が多いリンゴ等の青果物からなる食品に直接貼付させた場合にも、十分な接着力が得られて、このラベルが簡単に剥がれるのが防止される。
以下、この発明の実施形態に係る粘着剤及びラベルについて具体的に説明する。なお、この発明に係る粘着剤及びラベルは、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この発明の粘着剤においては、上記のようにグリセリン、乳酸ナトリウム、ジグリセリン、乳酸、グルコン酸、グルコン酸塩から選択される少なくとも一種を含む溶剤に、少なくとも澱粉と、発酵セルロース及び/又はペクチンを添加させた。
ここで、この粘着剤においては、グリセリン、乳酸ナトリウム、ジグリセリン、乳酸、グルコン酸、グルコン酸塩から選択される少なくとも一種を含む溶剤を用いるようにしたが、溶剤に含有させる成分としては、食の安全・安心の点から、食品への添加が認められているグリセリン、乳酸ナトリウム、乳酸、グルコン酸、グルコン酸塩から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。さらに、上記の溶剤が優れた保水能力を有し、澱粉を可塑化すると同時に、粘着性を発揮させることができるようにする点からは、特にグリセリンと乳酸ナトリウムから選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
また、この粘着剤において、上記の溶剤に添加させる澱粉としては、例えば、ワキシスターチ,馬鈴薯系澱粉,米系澱粉,タピオカ系澱粉などの各種澱粉を用いることができるが、前記のようにワキシ架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉及びワキシエーテル化架橋澱粉から選択される少なくとも1種を用いると、粘着剤の耐老化性がさらに向上するので好ましい。
そして、この粘着剤において、上記の溶剤に澱粉を添加させるにあたり、添加させる澱粉の量が少ないと、十分な接着力が得られなくなる一方、添加させる澱粉の量が多くなりすぎると、この粘着剤の粘度が高くなり過ぎて、ラベル基材等への塗工が困難になるため、上記の溶剤と澱粉との重量比が、好ましくは90:10〜60:40の範囲、より好ましくは85:15〜65:35の範囲になるようにする。
また、この粘着剤において、溶剤に添加させる上記の発酵セルロースとしては、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンアーティストPG,サンアーティストPX(商品名)等を用いることができる。
また、この粘着剤において、上記の発酵セルロースやペクチンを溶剤に添加させるにあたり、発酵セルロースやペクチンの添加量が少ないと、粘着剤の耐湿性及び耐ワックス性を十分に向上させることが困難になる一方、その添加量が多くなりすぎると、粘着剤の粘度が上昇し、タック力(接着力)が低下するようになる。このため、発酵セルロースやペクチンの添加量を、澱粉に対して2.5〜60重量%の範囲にすることが好ましく、より好ましくは2.9〜40重量%の範囲になるようにする。
また、この発明の粘着剤において、上記の溶剤に、さらに澱粉架橋剤とpH調整剤とを溶解させてアルカリ性に調整すると、前記のように澱粉を適切に架橋し、粘着剤における耐水性を向上するようになるので好ましい。
ここで、上記の澱粉架橋剤としては、例えば、トリメタリン酸塩、テトラポリリン酸塩、ホルムアルデヒド、グリオキザール、メラミン、尿素樹脂、ホウ砂、無水リン酸、オキシ塩化リン、アクロレイン、エピクロルヒドリン等を用いることができるが、特に、食の安全・安心の点から、食品への添加が認められているトリメタリン酸塩やテトラポリリン酸塩を用いることが好ましい。
また、このように溶剤に澱粉と一緒に澱粉架橋剤を溶解させるにあたり、澱粉架橋剤の割合が少ないと、澱粉を十分に架橋させることが困難になって、粘着剤の耐湿性を一層に高めることが困難になる一方、澱粉架橋剤の割合が多くなりすぎると、澱粉の架橋が進みすぎて粘着剤の粘度が上昇し、十分な接着力が得られなくなる。このため、澱粉に対する澱粉架橋剤の添加量を、好ましくは0.1〜20重量%の範囲、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲になるようにする。
また、上記のように溶剤に澱粉と一緒に澱粉架橋剤を溶解させるにあたり、澱粉を糊化させる前に、全ての澱粉架橋剤を一度に加えると、澱粉を糊化させる際に、粘着剤が硬くなって十分な接着力が得られなくなるおそれがあるため、澱粉を糊化させる前に少量の澱粉架橋剤を加え、澱粉を糊化させた後に、残りの澱粉架橋剤を加えるようにすることが好ましい。
また、上記の粘着剤において、上記のように溶剤に、上記の澱粉架橋剤と一緒にpH調整剤を溶解させてアルカリ性に調整すると、澱粉架橋剤による澱粉の架橋が促進されて、粘着剤における耐湿性が一層向上されるようになる。
ここで、溶剤に添加させる上記のpH調整剤としては、食の安全・安心の点から、食品への添加が認められている水酸化ナトリウムNaOH、リン酸三ナトリウムNa3PO4、リン酸三カリウムK3PO4、炭酸ナトリウムNa2CO3、リン酸水素二ナトリウムNa2HPO4、リン酸水素二カリウムK2HPO4、ピロリン酸四ナトリウムNa427、ピロリン酸四カリウムK427、トリポリリン酸ナトリウムNa5310、炭酸水素ナトリウムNaHCO3などを用いることが好ましい。より好ましくは、食品への添加が認められているが、使用制限がある水酸化ナトリウムNaOHを除く、上記のpH調整剤を用いるようにする。
さらに、上記のpH調整剤の中でも、リン酸三ナトリウムNa3PO4又はリン酸三カリウムK3PO4を用いることが好ましく、特に、溶解性が高く、粘着剤のpHの調整が容易に行える点からリン酸三カリウムK3PO4を用いることがより好ましい。また、添加するpH調整剤の量は、pH調整剤の種類によって異なるが、例えば、リン酸三カリウムK3PO4の場合、一般に上記の澱粉に対して5.3〜44重量%の範囲、好ましくは8〜28重量%の範囲になるようにする。
さらに、澱粉架橋剤による澱粉の架橋をより促進させるためには、上記の粘着剤に対してエージング処理を行うことが好ましい。
また、上記の粘着剤において、粘着剤の粘度を調整したり、接着力を向上させたりするために、上記の溶剤に単糖類及び/又は少糖類を溶解させることができる。そして、上記の単糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等を用いることができる。また、上記の少糖類としては、例えば、トレハロース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、マルトトリオース、ラフィノース、澱粉を分解させた各種のデキストリン等のオリゴ糖を用いることができる。
また、上記の粘着剤においては、必要に応じて、モルノンなどの防腐剤、ソルビン酸カリウム,ソルビン酸などの保存剤、キトサンなどの抗菌剤を添加させることもできる。
そして、この発明の実施形態に係るラベル10においては、図1に示すように、ラベル基材11の片面に上記のような粘着剤を用いた粘着剤層12を設けるようにしている。
そして、この実施形態のラベル10において、粘着剤層12に上記の粘着剤を使用した場合には、粘着剤の粘度が高くなってラベル基材11への塗工が困難になるということがなく、上記の発酵セルロースやペクチンにより、粘着剤の耐湿性及び耐ワックス性が向上し、青果物等の食品、特に表面におけるワックス成分が多いリンゴ等の食品に対しても、安定した十分な接着力が得られるようになる。
この発明の一実施形態に係るラベルの概略側面図である。
次に、この発明の実施例に係る具体的な粘着剤について説明し、実施例の粘着剤が優れた特性を示すことを、比較例を挙げて明らかにする。
(実施例A1)
実施例A1においては、溶剤の水と発酵セルロースであるサンアーティストPG(商品名:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)とをホモジナイザーにより攪拌させて、上記の発酵セルロースを十分に水中に分散させた。
そして、このように発酵セルロースを十分に水中に分散させたものに、馬鈴薯系のワキシ架橋エーテル化澱粉であるエリアンVE540(商品名:松谷化学工業株式会社)を溶剤の水に溶解させたものと、澱粉架橋剤である0.1%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液と、pH調整剤であるリン酸三カリウムK3PO4溶液と、50%の乳酸ナトリウム水溶液とを加えて攪拌させた後、これを沸騰浴中において攪拌し、上記のワキシ架橋エーテル化澱粉を糊化させた。なお、上記の工程においては、水の合計量が80重量部、上記の発酵セルロースが1.9重量部、50%の乳酸ナトリウム水溶液が70重量部、上記の馬鈴薯系のワキシ架橋エーテル化澱粉が17.5重量部、澱粉架橋剤の0.1%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液が1.94重量部(澱粉に対しては0.011重量%)、pH調整剤のリン酸三カリウムK3PO4が2.45重量部の割合になるようにした。但し、上記の水の合計量80重量部の中には、上記の乳酸ナトリウム水溶液とトリメタリン酸ナトリウム水溶液に含まれる水は含まれていない。
次いで、上記のようにワキシ架橋エーテル化澱粉を糊化させたものに、水30重量部と澱粉架橋剤の2%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液を4.85重量部(澱粉に対しては0.56重量%)とを加えて希釈させ、pHが10.8になった実施例A1の粘着剤を調製した。
(実施例A2)
実施例A2においては、溶剤の水とペクチンとをホモジナイザーにより攪拌させて、ペクチンを十分に水中に分散させた。
そして、このようにペクチンを十分に水中に分散させたものに、馬鈴薯系のワキシ架橋エーテル化澱粉であるエリアンVE540(商品名:松谷化学工業株式会社)を溶剤の水に溶解させたものと、澱粉架橋剤である0.1%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液と、pH調整剤であるリン酸三カリウムK3PO4と、50%の乳酸ナトリウム水溶液とを加えて攪拌させた後、これを沸騰浴中において攪拌し、上記のワキシ架橋エーテル化澱粉を糊化させた。なお、上記の工程においては、水の合計量が80重量部、ペクチンが3.68重量部、50%の乳酸ナトリウム水溶液が70重量部、上記の馬鈴薯系のワキシ架橋エーテル化澱粉が17.5重量部、澱粉架橋剤の0.1%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液が2.118重量部(澱粉に対しては0.012重量%)、pH調整剤のリン酸三カリウムK3PO4が2.45重量部の割合になるようにした。但し、上記の水の合計量80重量部の中には、上記の乳酸ナトリウム水溶液とトリメタリン酸ナトリウム水溶液に含まれる水は含まれていない。
次いで、上記のようにワキシ架橋エーテル化澱粉を糊化させたものに、水30重量部と澱粉架橋剤の2%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液を5.295重量部(澱粉に対しては0.6重量%)とを加えて希釈させ、pHが10.8になった実施例A2の粘着剤を調製した。
(実施例B1)
実施例B1においては、溶剤の水と発酵セルロースであるサンアーティストPG(商品名:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)とをホモジナイザーにより攪拌させて、上記の発酵セルロースを十分に水中に分散させた。
そして、このように発酵セルロースを十分に水中に分散させたものに、タピオカ系のエーテル化度が高い架橋エーテル化澱粉であるBETAF117E(商品名:ジー・エス・エル ジャパン株式会社)を溶剤の水に溶解させたものと、澱粉架橋剤である0.1%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液と、pH調整剤であるリン酸三カリウムK3PO4溶液と、50%の乳酸ナトリウム水溶液とを加えて攪拌させた後、これを沸騰浴中において攪拌し、上記のタピオカ系のエーテル化度が高い架橋エーテル化澱粉を糊化させた。なお、上記の工程においては、水の合計量が80重量部、上記の発酵セルロースが1.9重量部、50%の乳酸ナトリウム水溶液が70重量部、上記のタピオカ系のエーテル化度が高い架橋エーテル化澱粉が17.5重量部、澱粉架橋剤の0.1%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液が1.94重量部(澱粉に対しては0.011重量%)、pH調整剤のリン酸三カリウムK3PO4が2.45重量部の割合になるようにした。但し、上記の水の合計量80重量部の中には、上記の乳酸ナトリウム水溶液とトリメタリン酸ナトリウム水溶液に含まれる水は含まれていない。
次いで、上記のようにタピオカ系の架橋エーテル化澱粉を糊化させたものに、水30重量部と澱粉架橋剤の2%のトリメタリン酸ナトリウム水溶液を4.85重量部(澱粉に対しては0.56重量%)とを加えて希釈させ、pHが10.8になった実施例B1の粘着剤を調製した。
(比較例a1)
比較例a1においては、グリセリン17.5重量部と乳酸ナトリウム35重量部と水35重量部とからなる溶剤に、馬鈴薯系のワキシ架橋エーテル化澱粉であるエリアンVE540(商品名:松谷化学工業株式会社)を20重量部、乳化性材料のジェランガム0.23重量部、さらに水を40重量部と、pH調整剤のリン酸三カリウムK3PO4を3.2重量部加えて攪拌し、pHが11になった比較例a1の粘着剤を調製した。
そして、上記のように調製した実施例A1,A2,B1及び比較例a1の各粘着剤をそれぞれラベル基材に塗布して粘着剤層を形成し、その後、40℃で1日間エージング処理した。
そして、このように実施例A1,A2,B1及び比較例a1の各粘着剤からなる粘着剤層が形成された各ラベルを、それぞれ水分やワックス成分が多いリンゴの表面に貼付させて、各ラベルのリンゴの表面に対する接着性を評価し、その結果を下記の表1に示した。なお、接着性の評価については、リンゴに上記の各ラベルを貼付させた状態で、5℃で24時間保存した後、リンゴに対する各ラベルの接着状態を観察し、ラベルのリンゴ表面からの浮き(剥れ)のない場合を○、浮き(剥れ)が生じた場合を×で示した。
Figure 2010229386
この結果、乳酸ナトリウム等を含む溶剤に、澱粉と一緒に発酵セルロースやペクチンを添加させた実施例A1,A2,B1の各粘着剤を使用したラベルの場合、水分やワックス成分が多いリンゴの表面に対しても十分な接着力が得られた。これに対して、上記の発酵セルロースやペクチンに代えて乳化性材料のジェランガムを添加させた比較例a1の粘着剤を使用したラベルの場合には、水分やワックス成分が多いリンゴの表面からラベルが簡単に剥がれてしまい、ラベルをワックス成分が多いリンゴの表面に接着させることができなかった。
次に、上記の実施例A1,B1の粘着剤からなる粘着剤層が形成された各ラベルを、それぞれ表面における水分が多い食品であるマンゴーの表面に貼付させ、5℃に設定した冷蔵庫内で24時間冷却した後、これらを常温で30分間放置させて結露させた。
そして、このように結露させた場合における各ラベルのマンゴーに対する接着状態を観察し、また前記のように貼付された各ラベルをマンゴーの表面から剥離させた場合における剥離時の状態を観察し、各ラベルにおける接着状態及び剥離状態に関する耐湿性の評価を行った。なお、接着状態については、ラベルの浮き(剥れ)がなかった場合を○、ラベルの浮き(剥れ)が生じた場合を×で、また剥離状態については、糸引きの発生がなかった場合を○、糸引きが発生した場合を×で評価するようにした。
さらに、耐湿性の評価として、上記の実施例A1,B1の粘着剤からなる粘着剤層を、それぞれ幅35mmの長尺状の合成紙の片面に形成して、各粘着剤層の上に紙製の剥離紙を仮着し、これらを温度23℃、湿度80%の環境条件で2時間放置させた各サンプルを用い、JIS Z 0237に準拠して、それぞれ剥離力を測定した。なお、剥離力の測定にあたっては、上記の各サンプルから剥離紙を剥離された各試験片の一端部を、それぞれ試験板の一端に35mm×35mmの面積で接するように貼り付ける一方、各試験片の他端に500gの重りを付け、温度23℃、湿度80%の環境条件において、各試験片が試験板から落下するまでの時間を測定した。
ここで、試験板から試験片が落下するまでの時間が長くなるほど、耐湿性としての接着力が良好であり、上記の時間が10〜30分の場合を○、30分を超える場合を◎で評価した。なお、上記の実施例A1の粘着剤の場合には、上記の時間が15.3分であり、上記の実施例B1の粘着剤の場合には、上記の時間が90分であった。
Figure 2010229386
この結果、上記の実施例A1,B1の各粘着剤は、表面における水分が多い食品であるマンゴーの表面に対しても、浮き(剥れ)が発生するということがなく適切に接着され、剥離時に糸引きが発生するということもなかった。
また、実施例A1,B1の各粘着剤を比較した場合、澱粉として、タピオカ系のエーテル化度が高い架橋エーテル化澱粉を用いた実施例B1の粘着剤は、馬鈴薯系のワキシ架橋エーテル化澱粉を用いた実施例A1の粘着剤よりも接着力の低下が少なくなって、耐湿性がさらに向上していた。
10 ラベル
11 ラベル基材
12 粘着剤層

Claims (4)

  1. グリセリン、乳酸ナトリウム、ジグリセリン、乳酸、グルコン酸、グルコン酸塩から選択される少なくとも一種を含む溶剤に、少なくとも澱粉と、発酵セルロース及び/又はペクチンを添加させたことを特徴とする粘着剤。
  2. 請求項1に記載の粘着剤において、上記の澱粉が、ワキシ架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉及びワキシエーテル化架橋澱粉から選択される少なくとも1種からなることを特徴とする粘着剤。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の粘着剤において、上記の溶剤に、さらに澱粉架橋剤とpH調整剤とを溶解させてアルカリ性に調整したことを特徴とする粘着剤。
  4. ラベル基材の片面に粘着剤層が設けられたラベルにおいて、上記の粘着剤層に請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の粘着剤を用いたことを特徴とするラベル。
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