JP2010229102A - 睡眠障害改善用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全に睡眠障害・睡眠異常を緩和し、痩身効果及びスキンケア効果を発揮し難治性皮膚疾患を予防/治療する睡眠障害改善剤を提供すること。
【解決手段】皮膚温上昇作用並びに表皮の免疫系を賦活・正常化するラクトフェリンを有効成分として含有し、入浴剤用並びに化粧料ないし外用剤用に製剤化されている睡眠障害改善剤。更に、蔗糖、マルトース、乳糖、ブドウ糖、果糖、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、キシロース等の糖類を併用することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、睡眠改善、痩身効果及び皮膚疾患の治療/予防に効果があるに睡眠障害改善用剤関する。特に、優れた体温保持作用と痩身効果を有し、感染症および免疫異常に起因する種々の皮膚疾患に対して有意な治療効果及び予防効果を期待できるに睡眠障害改善用剤関する。本発明の有効成分、ラクトフェリンは酸素ラジカルの発生抑制を通じて、遺伝子変異の抑制、エピジェネティックな遺伝子変異を抑制する効果を示すことがわかっている(非特許文献1)。この効果は紫外線暴露や加齢による皮膚等の老化防止に好適である。さらに、ラクトフェリンは皮膚の損傷修復を促進することが報告されている(非特許文献2)。したがって、本発明は紫外線暴露や加齢による皮膚等の老化防止に役立ち、痩身効果のあるラクトフェリンを有効成分とするに睡眠障害改善用剤関するものである。
日本人は風呂好きなので、入浴剤は一般家庭に広く普及している。その大きな理由は、各家庭に浴室が設けられるようになり、入浴剤が誰でも使用できる環境が整ったことと、古来より日本人は入浴好きで温泉浴が心身のストレスを軽減し、医療上の効果を期待できると考えていることに起因する。一方、近年の食生活の変化などに伴い肥満者が激増し、健康上及び美容の観点から大きな問題となっており、入浴剤及び化粧料ないし外用剤用に製剤化されている痩身効果やひきしめ効果のある睡眠障害改善用剤が求められている。
入浴剤の現状に目を向けてみると、すでに市販されている入浴剤としては、(1)硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩を主成分とし、体温保持作用を主たる効能とするもの、(2)重曹などのアルカリ塩類、ホホバ油等の油性成分等を含有し、保湿作用を主たる効能とするもの、(3)ラベンダーやユーカリ等の生薬成分を含有し、これらの生薬の香気成分を利用してストレス緩和を図るもの、(4)炭酸ガスを発生させて、炭酸ガスにより血行を促進させるものなどがある。しかし、三つの効能、すなわち、第一に皮膚温上昇作用による睡眠改善と体脂肪燃焼による体重減少の効能を持ち、第二に表皮の免疫能を賦活して皮膚の感染症治療/予防効果があり、第三の効能として、免疫異常に起因する皮膚疾患を治療/予防する効果がある入浴剤及び化粧料ないし外用剤用に製剤化されている痩身効果やひきしめ効果のある睡眠障害改善用剤はまだ知られていない。
本発明者等はラクトフェリンをマウスに1ヶ月間与え脂質代謝に及ぼす影響を検討した(非特許文献3)。それによると、ラクトフェリンは血清高比重リポたんぱく質のコレステロールを上昇させ、同じく低比重リポたんぱく質コレステロールを低下させ、肝臓の総コレステロールと中性脂肪を有意に低下させることが明らかになった。その発見に基づき木元は女性ボランティアにラクトフェリン腸溶製剤を2ヶ月間経口投与すると、基礎代謝を昂進させることにより早朝起床時および食後1時間の体温を上昇させ、エネルギー消費を増大させて体重を減少させ、腹囲を縮小させることを発見した(非特許文献4)(特許文献1)。しかし、この効果がラクトフェリンを含む入浴剤タイプでも発現するかどうかは不明だった。ラクトフェリンを入浴剤に用いた例はなく、痩身効果やスキンケア効果との関係については知られていなかった。
現代社会は心身両面にわたるストレスが増大し、不眠、寝不足、目覚めの悪さなどの睡眠障害・睡眠異常を訴える人々が増加し、睡眠導入薬やマイナートランキライザー等がその治療に用いられている。しかし、これらの薬物は、睡眠に対する作用のみならず中枢作用があるため、その使用に際しては医師の的確な指示が必要である。そればかりでなく、ハルシオンの様に加齢により排泄が極度に遅延する薬物では、体内蓄積による想定外の副作用にも留意しなければならない。したがって、安全に睡眠障害・睡眠異常を緩和する手段が望まれているが、まだその様な手段は得られていないのが現状である。
アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質に加え、様々な刺激が加わって発症する痒みを伴う慢性の皮膚疾患である。患者の約8割は5歳までの幼児期に発症するので、治療に際しては安全性への配慮が特に重要である。従来、アトピー性皮膚炎は学童期に自然治癒すると考えられていたが、成人まで持ち越す例や、成人してからの発症・再発の例が近年増加している。医療機関で一般的に行われる治療は、根治ではなく寛解を目的とする対症療法である。原因となるアレルゲンを特定することが難しく、また代表的なアレルゲンであるダニやハウスダストなどを環境から完全に閉め出すことも困難なためである。いわゆる「根治」をうたった治療法が流布しているが、それらは現時点で医学的根拠のあるものは皆無である。
厚労省から発表された「平成18年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、日本の糖尿病患者と予備群は1870万人に達したと推計されている。一般に、糖尿病患者の約30%に、なんらかの皮膚病変がみられるので、今後、糖尿病を背景とする難治性皮膚疾患の増加が予想される。糖尿病に特有の皮膚疾患は、頑固な陰部掻痒症に始まり、皮膚の細菌及び真菌の感染症、さらに、足の切断にいたる糖尿病性壊疽がある。現状で医療が対応できるのは、皮膚を清潔に保つよう患者を指導するくらいがせいぜいで、これらの難病に対し積極的に治療/予防する手段がない。
幾つかの自己免疫疾患も深刻な皮膚症状を示す。尋常性乾癬は全身の皮膚が角質化し脱落する難病で、自己免疫が関与していると考えられている。また、難治性の皮膚症状を呈する全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎等は自己免疫疾患である。変わったところでは、円形脱毛症も自己免疫に起因する。免疫が関与するこれらの難病は、副作用が多発するグルココルチコイド、免疫抑制剤などで治療されるが、根治させることは難しい。安全で確実に改善する新しい治療法が待望されている。
WO 03/057245
Tsubota A. et al. Journal of Hepatology 48 (2008) 486-493 Engelmayer J. et al. J Surg Res. 2008; 149: 278-86. Takeuchi T. et al. Br J Nutr. 2004 Apr;91(4):533-8. 木元博史、Progress in Medicine, 2003; 23: 1519-1523 Hayashida K. et al. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2004; 286: R359-65. Ishikado A. et al. Biofactors. 2004; 21: 69-72. Kruzel ML. et al. Immunology. 2006t ;119: 159-66. Hayashida K. et al. J Vet Med Sci. 2004; 66: 149-54. Kamemori N. et al. J Vet Med Sci. 2008; 70: 313-5.
本発明は、(1)安全に睡眠障害・睡眠異常を改善する手段の提供、(2)痩身効果やひきしめ効果がある手段の提供(3)アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬等のように免疫異常に起因する難治性皮膚疾患を安全に治療/予防する手段の提供、(4)糖尿病のように皮膚の免疫能が低下して発症する皮膚疾患を安全に治療/予防する手段の四つの課題の解決を目的とする。
本発明者等は皮膚の温度を可視的に図示できるサーモグラフィーを用い短時間に皮膚の温度を上昇させる物質を探索した。予想もしなかったことに、乳たんぱく質ラクトフェリンに皮膚の温度を上昇させる効果を発見した。ラクトフェリンは、乳汁のほかに成熟好中球の顆粒、涙、唾液、膵液、膣液等の外分泌液に含まれている糖たんぱく質で、皮膚から体内に取り込まれることはあり得ないと考えられてきたのである。ところが、ラクトフェリンの水溶液を掌に噴霧しただけで、対照とした他方の掌を比較すると、5分以内に5℃程度の皮膚温を上昇させるのである。ラクトフェリンが皮膚の温度を上昇させる現象は、ラクトフェリンの水溶液だけでなく、ラクトフェリン軟膏、ラクトフェリンローションでも認められた。
ラクトフェリンは1939年に牛乳から赤いたんぱく質として単離された分子量約8万ダルトンの糖たんぱく質である。乳汁、特に初乳に多量に含まれ、ヒトの新生児は一日当たり5〜7グラムも摂取している。また、ラクトフェリン顆粒として成熟好中球に含まれるほか、涙、唾液、膵液、膣の分泌液等の外分泌液に含まれている。本発明の発明者の一人は、肥満者が一日当たりラクトフェリン300〜450mgを含有する腸溶製剤を2ヶ月摂取すると、基礎体温及び食後1時間の体温を有意に上昇させ、体重の減少と腹囲の縮小させることを発見した(特許文献1)。また、ラクトフェリンは内因性オピオイドの作用を増強するので(非特許文献5)、経口投与されたラクトフェリンは血液脳関門を越えて脳脊髄液に取り込まれ、頑固な偏頭痛に対し鎮痛効果を示すこともわかっている。さらにラクトフェリンは、リポソーム製剤として経口的に摂取すると、単核球を(5‘)シトシン・リン酸・グアニン(3’)を含むオリゴヌクレオタイドで刺激した際に産生される1型インターフェロンを2倍以上増加させるので、ウイルス感染症、例えば、インフルエンザの感染症を抑制する効果が期待されている(非特許文献6)。また、ラクトフェリンは経口投与すると、アレルギー性鼻炎(非特許文献7)及び関節リウマチ(非特許文献8)に対して改善効果があることが知られている。しかし、経皮的に適用したラクトフェリンが、経皮吸収され皮膚の温度を上昇させる作用があることはまったく知られていなかったのである。
この発見は広範囲にわたるラクトフェリンの応用を可能にするものであった。まず最初に考えられたのは、入浴剤として短時間で皮膚温度を上昇させるメリットである。前述するように、皮膚温度を上昇させて就寝すると、不眠、寝不足、目覚めの悪さなどの睡眠障害・睡眠異常を改善できるからである。さらに、皮膚の温度上昇は、ラクトフェリンが皮膚角層のバリアを越えて表皮に取り込まれたことを意味するので、表皮を構成するケラチン細胞、ランゲルハンス細胞、メラニン細胞等にラクトフェリンが影響を及ぼし、表皮ケラチン細胞の分裂増殖を促すことによる皮膚創傷の修復促進、ランゲルハンス細胞を刺激することによる皮膚免疫能の正常化、メラニン細胞を刺激することによる皮膚の美白・美肌効果が期待できるのである。
実験例をあげると、睡眠障害を訴えるボランティアが、ラクトフェリンを0.001%溶解した42℃の浴槽に入浴したところ、不眠、寝不足、目覚めの悪さ等の睡眠障害・睡眠異常が解消され、熟睡できるようになった。そこで、ラクトフェリンを経口投与したラットを使って、脳波を記録して睡眠に及ぼす影響を調べてみた。その結果、ラクトフェリンはレム睡眠(夢を見ている睡眠で、寝ていても目玉が動いて夢を見ている状態)の時間を短縮し、ノンレム睡眠(熟睡)の時間を延長することが明らかになった。体内に取り込まれたラクトフェリンは、血液脳関門を迅速に越えて脳脊髄液に取り込まれることがわかっているので(非特許文献9)、皮膚から取り込まれたラクトフェリンは、脳内で睡眠に影響を与えていたのである。
ラクトフェリンの入浴療法が、睡眠障害・睡眠異常を改善することは、それが皮膚の角質層を通過して表皮に取り込まれることを意味する。そこで、アレルギー性及び自己免疫性の皮膚疾患患者をラクトフェリン含有の浴槽に入浴させ、入浴が皮膚疾患を改善するかどうかについて検討した。被験者はアトピー性皮膚炎の乳幼児、ニッケルに対する接触性皮膚炎に悩む男性、尋常性乾癬が発症して15年経過した中年男性である。ラクトフェリンの入浴療法はいずれの症例にも有効で、皮膚症状が明らかに改善された。
2型糖尿病は免疫能が低下するため、皮膚の感染症が頻発する。表皮損傷の修復能が損なわれているので、足裏に生じた血豆の治癒が遷延し、重篤な感染症を起こして足を切断する事態も起こりうる。例えば、罹患して10年目で外陰部の掻痒症と湿疹に悩む女性がラクトフェリンを0.002%含有する浴槽に一日一回、連続30日間入浴したところ、長年にわたり悩まされた掻痒症と湿疹が完全に治癒した例を経験した。
この様な状況に鑑みて、ラクトフェリンを有効成分とする入浴剤は、安全に睡眠障害・睡眠異常を緩和できること、更には長時間体温保持ができるので、就寝中にエネルギー消費を増大させることによる痩身効果、表皮の免疫能を修復するので種々の免疫異常に起因する疾患、例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、さらに、皮膚の免疫能低下に起因する皮膚感染症に対する治療/予防効果を期待出来ることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
(1)安全に睡眠障害・睡眠異常を改善する手段の提供、(2)痩身効果やひきしめ効果がある手段の提供(3)アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬等のように免疫異常に起因する難治性皮膚疾患を安全に治療/予防する手段の提供、(4)糖尿病のように皮膚の免疫能が低下して発症する皮膚疾患を安全に治療/予防する手段の四つの課題の解決を解決することが出来た。
以下、本発明について実施の形態を中心に詳細に説明する。
本発明で用いる皮膚温上昇作用を有する物質は、ラクトフェリンである。本特許のラクトフェリンは、新鮮な牛乳から抽出したウシラクトフェリンに限定せず、ヒツジ、ヤギ、馬、ラクダなどの乳から抽出されるラクトフェリン、ラクトフェリン遺伝子を組み換えた微生物がつくるラクトフェリン及びトランスジェニック哺乳動物が産生するラクトフェリンを包含している。
ラクトフェリンの皮膚温上昇効果は、次のように検定することが出来る。即ち、人体の顔、手のひらなどにラクトフェリンの希薄溶液を塗布し、塗布の前後で表面温度の変化をサーモグラフィーの等温線のパターン変化等で比較すればよい。以下に、乳たんぱく質の皮膚温上昇作用のスクリーニング例を示す。皮膚温上昇はサーモグラフィーの等温線のパターン変化を目視により、++:著しい上昇、+:明確な上昇、±:僅かな上昇、−:無変化若しくは低下の基準で判定した。
Figure 2010229102
牛乳から単離した種々の乳たんぱく質について、掌にスプレイして温度上昇効果の有無をしらべたが、有意に皮膚温を上昇させたのはラクトフェリンのみで、そのほかにラクトパーオキシダーゼに軽度の皮膚温上昇効果を認めた。ラクトフェリンの溶媒としては、水のみを用いても良いし、二種以上を組み合わせて用いても良い。特に好ましい溶媒は水−エタノール混合溶媒であり、微量のエタノールを加えた混合溶媒は皮膚温を上昇させるのに適している。
皮膚温を上昇させる物質は、(1)硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類、(2)重曹などの弱アルカリ性塩類、(3)炭酸ガスを発生させて血行を促進するものなどが知られている。ラクトフェリンは上記のような皮膚温上昇作用を有する物質と混合して使用することは可能である。この様な任意成分としては、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、燐酸ナトリウム等の無機塩類、クエン酸、酒石酸、マロン酸等の有機酸類、糖類、グリセリン、1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類、ホホバ油、オリーブ油、スクワラン等の油性成分、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化蓖麻子油等の界面活性剤、香料、着色剤、ローズマリー、タイム、ユーカリ、菩提樹、銀杏等の生薬エキス等が好ましく例示できる。
糖類のなかでは、蔗糖が特に好ましい。又、本発明の入浴剤用睡眠障害改善剤は、従来の入浴剤と作用や効果が異なるため、従来使用されている入浴剤と併用することも可能であり、この場合の作用や効果は相加的である。本発明のラクトフェリン入浴剤用睡眠障害改善剤における、ラクトフェリン含有量は、1〜100重量%であり、より好ましくは、20〜100重量%であり、更に好ましくは30〜100重量%である。本発明の入浴剤用睡眠障害改善剤としては、ラクトフェリンの含有量が多い方が好ましい。又、本発明の入浴剤用睡眠障害改善剤と従来の入浴剤とを併用する場合には、本発明の入浴剤用睡眠障害改善剤100重量部に対して従来の入浴剤を10〜300重量部、より好ましくは30〜200重量部、更に好ましくは50〜100重量部の割合で用いるのが好ましい。更に本発明の入浴剤用睡眠障害改善剤の適用量は、200Lの36〜45℃のお湯に20〜80g,より好ましくは30〜70g,更に好ましくは40〜60gを溶かして用いる。一日当たりの入浴回数は1回程度が好ましく、一回の入浴時間は7〜45分が好ましい。本発明の入浴剤用睡眠障害改善剤は毎日続けて1週間以上適用するのが好ましい。本発明の入浴剤用睡眠障害改善剤は、通常の入浴剤の有する皮膚保湿作用を有することはもとより、長時間に亘る体温保持作用と睡眠障害・睡眠異常の改善という優れた作用を有する。更には、長時間に亘る体温保持作用を有するので、例えばアトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、糖尿病性の皮膚掻痒症、皮膚乾燥症、円形脱毛症等の諸疾患に対する治療効果及び表皮の保水性を高めるので美容・美肌効果が期待できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
実施例1
ラクトフェリン原末2重量部を8重量部の蔗糖微粉末と混合し、10gずつ分封して実験用の入浴剤とした。
実施例2
フードプロセッサーで細切した唐辛子の実を、これを1mmヘリングボーンスクリーン装着のパルベライザーで粉砕した粉末1重量部、ラクトフェリン原末2重量部、粉末ブドウ糖7重量部を混合して、5gづつ小分け包装し入浴剤を得た。このもの1袋(5g)を200lの湯に加え入浴したところ、4時間後保温感があり、すぐに入眠する事が出来た。
実施例3
ラクトフェリン 1g、1,3−ブチレングリコール 5g、蔗糖 2g、エタノール 5ml、精製水 適量上記の成分をそれぞれ均一に混合し、ローション剤500gを得た。
実施例4
アトピー性皮膚炎患者4名の保護者と同意書を交わし、治療実験への参加承諾を得た。被験者には、実施例1の入浴剤2袋を温度42℃の湯200lに溶かし、毎日10分間入浴するよう指示した。ラクトフェリン30重量部と硫酸ナトリウム微粉末30重量部とを混合した後、60gづつ小分け包装し入浴剤を得た。このもの1袋(60g)を200lの42℃の湯に溶かし入浴したところ、4時間後まで保温感があり、すぐに入眠する事が出来た。
実施例5
眠りが浅いと訴える人に、実施例1の入浴剤を渡し、1袋(50g)を1000lのお湯で溶いて入浴して貰ったところ、容易に入眠し、夜中に起きることなく熟睡できたとの報告を得た。
実施例6
ボディ・マス・インデックスが25前後の軽度に肥満した女性ボランティア5名に依頼し、就寝直前と起床直後の体重差に及ぼすラクトフェリン含有入浴剤の影響を検討した。被験者に実施例1の入浴剤1袋と外見上は実施例1の入浴剤と識別できないラクトフェリン抜きの粉末(偽薬)を渡し、21:00〜22:00に42℃の浴槽に約10分間入浴するよう指示した。体重は就寝直前の22:30と翌朝起床直後6:00の2回測定し、就寝中における発汗による体重減少を算出した。結果は表2に示すように、ラクトフェリン入浴剤は体重差±標準誤差=2.26±0.236(kg)であったのに対し、偽薬入浴剤は体重差±標準誤差=0.282±0.091(kg)であって、ラクトフェリン入浴剤と偽薬入浴剤の間には危険率0.1%以下で高度の有意差がある結果を得た。つまり、ラクトフェリン入浴剤は就寝中に高い体温が維持されるのに伴って発汗し、身体から汗として水分が失われ体重が減少するのに対し、対照とした偽薬入浴剤は就寝中の発汗が少なく、体重減少がほとんどないことがわかる。ラクトフェリンは就寝中でも熱産生のためエネルギー消費を増大させ痩身効果を示す。
Figure 2010229102
実施例7〔ラクトフェリンによる末梢皮膚温の上昇効果〕
実施例3のローション剤の皮膚温に及ぼす効果を検討した。被験者は男性3名、女性1名の合計4名である。被験者は、専用実験室( 温度2 5℃ 、湿度5 0% ) に入室後、被験者を室内環境に慣れさせたのち、左右いずれかの掌に約5mlのローションをスプレイし、ラクトフェリンローションをスプレイしなかった掌は、対照として約5mlの精製水をスプレイした。スプレイ直後から掌をサーモグラフィーにかざして5分後に皮膚温を測定した。
ラクトフェリン添加ローションをスプレイした掌は、無添加ローションをスプレイした側と比べ、各人とも例外なしに3.5〜5.1℃皮膚温が上昇した。ラクトフェリンによる皮膚温上昇効果は、血行を促進する作用に基づく化粧料として好ましい基本的な作用である。したがって、ラクトフェリンは基礎化粧料として最適な属性を持っていると言うことができる。
Figure 2010229102

Claims (5)

  1. ラクトフェリンを含有することを特徴とする皮膚温上昇作用により安全に睡眠障害・睡眠異常を緩和すること並びに痩身効果及びスキンケア効果を発揮する睡眠障害改善用剤。
  2. 入浴剤用に製剤化されている請求項1の睡眠障害改善用剤。
  3. 化粧料ないし外用剤ように製剤化されている請求項1の睡眠障害改善用剤。
  4. 糖類を含有することを特徴とする請求項1〜3何れか一項に記載の睡眠障害改善用剤。
  5. 糖類が蔗糖、マルトース、乳糖、ブドウ糖、果糖、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、キシロース等の糖類から選ばれた1種乃至は2種以上である請求項4記載の睡眠障害改善用剤。
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