JP2010228744A - 自転車の駆動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のクランクアームにより発生する振動を防止することができ、かつ従来の自転車よりも慣性モーメントをさらに高めることが可能な駆動機構を提供することを目的とする。
【解決手段】棒状体からなる回転軸と、該回転軸に対して同軸状に固着された駆動歯車と、前記回転軸に一体的に設けられた2つのはずみ車に、それぞれ固着されたクランクアームとを備え、前記回転軸が自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】棒状体からなる回転軸と、該回転軸に対して同軸状に固着された駆動歯車と、前記回転軸に一体的に設けられた2つのはずみ車に、それぞれ固着されたクランクアームとを備え、前記回転軸が自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、自転車の駆動機構に関する。
従来より、自転車のクランク機構として、自転車の車体に軸受を介して、回転自在に設けられた駆動軸の両端に、互いに点対称の位置になるように棒状のクランクアームが設けられており、それぞれその先端にはクランクピンを介してそのピンに回転可能にペダルが設けられたものが知られている。
近年、オリンピックや、ツール・ド・フランスや、競輪などの競技用の自転車は別として、ユーザーが、より小さな力で高トルクが得られ、より小さな回転トルクで長く走行できるという性能が得られるような自転車が望まれている中で、電動自転車が登場し、自転車のクランク機構近辺の開発が鈍っている。かかる自転車業界の実情に鑑みて、本発明者は、力学上の原理を考えたとき、慣性モーメントを増大させることにより、初期に加えた回転トルクを慣性として機能させれば、慣性により走行できるのではないかという発想に基づいたクランク機構を案出し、提案している(特許文献1参照)。
当該クランク機構は、図14および図15に示すように、板状の菱形を崩した特異な形状のクランクアームC1を備えている。特許文献1のクランクアームC1は、従来の棒状のクランク腕ないしは、クランクアームに比して水平方向(とくに、クランクピンP1付近)に広がりをもたせることにより、クランクアームC1自体の重量を増大させ、かつクランクピンP1付近に質点を存在せしめて、増大した慣性モーメントを生ぜしめている。しかし、本発明者は、図14のクランクアームC1の形状では、従来の棒状のクランクアームより、慣性モーメントを発生させることができるものの、このクランクアームC1は、回転軸に関して非対称であるため、クランクアームC1が棒状体60を中心に回転したときに棒状体60自体が振動する虞があるという知見(課題)を得た。
一方、市場には、図16に示すように、ギヤGにヒトデ形の部材を介してクランクアームC2を取り付けたもの(特許文献2参照)が多数市販されているが、これらの構造は、慣性モーメントの増大に何ら寄与するものではなく、かつ慣性モーメントに対する認識もなされていない。
そこで、本発明はクランクアームの慣性モーメントを増大しても振動の発生が抑制される自転車駆動機構を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、従来のクランクアームをはずみ車を介して回転軸ないしはチェーン伝達用歯車に設けると、自転車の回転軸の破壊につながる回転軸の振動を無くし、かつ慣性モーメントの増加に伴って、自転車の始動時に発生した回転トルクが、自転車の平地走行中に、増大した慣性モーメントによって、安定した走行をすることができ、そのうえ、回転軸に発生する振動が抑制または除去される自転車用の駆動機構を見出した。
また、物体の運動は、支点、力点、作用点とをどのように決めるかが肝要であるが、在来の従来技術ではその認識がない。本発明者は、作用点と支点とを分離させることによって、物体の駆動半径を大きくすることによってトルクの増大、ひいては自転車を漕ぐ力の軽減を実現するという知見を得たのである。
本発明の自転車の駆動機構は、
自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持された、棒状体からなる回転軸(SP)と、該回転軸(SP)に対して同軸状に固着された駆動歯車(4)と、前記回転軸(SP)に一体的に設けられたはずみ車(2)と、該はずみ車(2)から延設されたクランクアーム(3)と、該クランクアーム(3)の先端の枢支軸(PP)に回転可能に設けられたペダルとを備え、前記クランクアーム(3)が前記はずみ車(2)と一体的または別体として組み付けられ、クランクアーム(3)における前記枢支軸(PP)から前記クランクアーム(3)の最遠位部である、前記クランクアーム(3)と駆動歯車(4)との接合部(AP)までの距離(L1)が、前記枢支軸(31)から前記回転軸(SP)までの距離(L3)よりも長くされてなることを特徴とする。
自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持された、棒状体からなる回転軸(SP)と、該回転軸(SP)に対して同軸状に固着された駆動歯車(4)と、前記回転軸(SP)に一体的に設けられたはずみ車(2)と、該はずみ車(2)から延設されたクランクアーム(3)と、該クランクアーム(3)の先端の枢支軸(PP)に回転可能に設けられたペダルとを備え、前記クランクアーム(3)が前記はずみ車(2)と一体的または別体として組み付けられ、クランクアーム(3)における前記枢支軸(PP)から前記クランクアーム(3)の最遠位部である、前記クランクアーム(3)と駆動歯車(4)との接合部(AP)までの距離(L1)が、前記枢支軸(31)から前記回転軸(SP)までの距離(L3)よりも長くされてなることを特徴とする。
また、前記はずみ車に、外形形状が略正方形のスプライン軸が形成され、前記駆動歯車が、当該スプライン軸に嵌入され、かつ係止される軸受形状を有し、当該はずみ車と駆動歯車とが少なくとも3組のボルトナットによって締結されてなることが好ましい。
また、本発明の自転車の駆動機構は、棒状体からなる回転軸と、該回転軸に対して同軸状に固着された駆動歯車と、前記回転軸に一体的に設けられた2つのはずみ車と、該はずみ車(2)から延設されたクランクアーム(3)と、該クランクアーム(3)の先端の枢支軸(PP)に回転可能に設けられたペダルとを備え、前記クランクアーム(3)が前記はずみ車(2)と一体的または別体として組み付けられ、クランクアーム(3)における前記枢支軸(PP)から前記クランクアーム(3)の最遠位部である、前記クランクアーム(3)と駆動歯車(4)との接合部(AP)までの距離(L1)が、前記枢支軸(31)から前記回転軸(SP)までの距離(L3)よりも長く、前記回転軸に1または2以上のはずみ車が固着されてなることを特徴とする。
また、前記はずみ車に、外形形状が略正方形のスプライン軸が形成され、前記駆動歯車が、当該スプライン軸に嵌入され、かつ係止される軸受形状を有し、当該はずみ車と駆動歯車とが少なくとも3組のボルトナットによって締結されてなることが好ましい。
また、本発明の自転車の駆動機構は、自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持された、棒状体からなる回転軸と、該回転軸に対して同軸状に固着された駆動歯車と、前記回転軸に一体的に設けられた2つのはずみ車と、該はずみ車(2)から延設されたクランクアーム(3)と、該クランクアーム(3)の先端の枢支軸(PP)に回転可能に設けられたペダルとを備え、前記クランクアーム(3)が前記はずみ車(2)と一体的または別体として組み付けられ、クランクアーム(3)における前記枢支軸(PP)から前記クランクアーム(3)の最遠位部である、前記クランクアーム(3)と駆動歯車(4)との接合部(AP)までの距離(L1)が、前記枢支軸(31)から前記回転軸(SP)までの距離(L3)よりも長く、前記回転軸に、さらに1または2以上のはずみ車が一体的に形成されてなることを特徴とする。
また、前記はずみ車に、外形形状が略正方形のスプライン軸が形成され、前記駆動歯車が、当該スプライン軸に嵌入され、かつ係止される軸受形状を有し、当該はずみ車と駆動歯車とが少なくとも3組のボルトナットによって締結されてなることが好ましい。
本発明の自転車の駆動機構によれば、クランクアームが円盤体からなるはずみ車を介して回転軸に固着されているため、クランクアーム−はずみ車組立体の質点として自転軸に関して実質的に対称な形態が実現されるので、慣性モーメントを高めることができ、そのうえ回転軸に発生する振動を抑制することができ、坂道の走行においては、従来の自転車に比べて倍の力を発揮することができ、平坦な道においては、従来の自転車に比べて、同一の初期入力をかけたときに、より増大された長距離の走行が可能になるという利点がある。
また、自転車の始動時に発生した回転トルクが、はずみ車による増大した慣性モーメントにより低下しにくく、自転車の平地走行中に、安定した走行をすることができる。
また、本発明によれば、回転軸に1または2以上の第二のはずみ車が固着されているため、回転軸の振動を防止しつつ、慣性モーメントをさらに増大させることができ、自転車の始動時に発生した回転トルクが、増大した慣性モーメントにより低下しにくく、所定の回転軸回りの回転トルクが得られた後には回転トルクが落ちにくく、安定した走行をすることができる。
また、本発明によれば、ペダルを枢支する枢支軸が力点となり、クランクアームにおける最遠位部のクランクアームと駆動歯車との接合部が作用点となり、枢支軸から当該接合部までの距離を、枢支軸から回転軸までの距離よりも長くすることにより、駆動トルクを増大させ、ペダルを漕ぐ力を軽減させることができる。
また、本発明によれば、前記はずみ車に、外形形状が略正方形のスプライン軸が形成され、前記駆動歯車が、当該スプライン軸に嵌入され、かつ係止される軸受形状を有し、当該はずみ車と駆動歯車とが少なくとも3組のボルトナットによって締結されてなる構成を備えているので、自転車の高速走行時において、駆動歯車がはずみ車に対してぶれたり、振動したりすることを防止することができる。
以下、添付図面を参照し本発明の自転車の駆動機構を詳細に説明する。図1〜図3を参照すると、本発明の自転車の駆動機構1は、棒状体6からなる回転軸と、該棒状体6に対して同軸状に固着された駆動歯車4と、前記棒状体6に一体的に設けられた円盤体からなる第一のはずみ車2と、当該第一のはずみ車2に、それぞれ固着された腕部であるクランクアーム3とを備えている。第一のはずみ車2は、図1および図2では、左右両方に設けられているが、片方だけに設けてもよい。円盤体からなる第一のはずみ車2とクランクアーム3とは一体的に固着されており、たとえば溶接、鋳物で一体的に鋳造することができるし、ネジ等により固着することもでき、特に固着方法は限定されることはない。
左右の円盤体からなる第一のはずみ車2には、クランクアーム3が一体的に取り付けられクランクアーム3に自転車のペダル(図示せず)が、クランクピンを介して取り付けられる。左右の第一のはずみ車2同士は、棒状体6により固着される。棒状体6と第一のはずみ車2との連結は、図1および図2ではボルトを用いて固着されているが、溶接や鋳物により一体的に鋳造することができる。図2では、棒状体6の回転軸Xの回りに、第二のはずみ車5が設けられているが、第二のはずみ車5を設けなくともよい。前記棒状体6は自転車の車体に回転自在に支持され、一方の第一のはずみ車2の内側には棒状体6に対して同軸上に駆動歯車4が設けられ、駆動歯車4に巻回されたチェーンを介して、自転車の車輪に駆動力を伝達する。駆動歯車4が連結された第一のはずみ車2の反対側の第一のはずみ車2には円板状のプレート7を設けることができ、棒状体6の左右に加わる荷重のバランスをとることができ、棒状体6をスムーズに回転させることができる。駆動歯車4および円板状のプレート7は、第一のはずみ車2にボルトBとナットNにより固定することができるが、特に固定方法は限定されることはない。
図2および図3を参照すると、駆動歯車4とほぼ同径の円盤体からなる第一のはずみ車2から、腕部であるクランクアーム3が突出している。第一のはずみ車2は、図2に示されるように、肉厚な円盤体からなり、クランクアーム3部分と比較して厚さが厚くなっている。また、クランクアーム3は、第一のはずみ車2から細い柄状に延設されている。当該円盤体からなる第一のはずみ車2と、当該第一のはずみ車2に固定された細い柄状のクランクアーム3により、棒状体6を回転させているので、慣性モーメントを高めることができ、そのうえクランクアーム3−第一のはずみ車2組立体の質点として自転軸に対して実質的に対象な形態が実現され、棒状体に発生する振動を抑制することができる。本発明は従来の自転車におけるクランクアームとは技術的思想が異なり、円盤体からなる第一のはずみ車2を用いることにより慣性モーメントを高めつつ棒状体6の振動を抑制することが可能である。
また、第一のはずみ車2は慣性モーメントを高めるため質量の大きい材質、たとえば鋳鉄や鋳鋼を用いることができ、中空の部材の内部に鉛等の比重の重い金属を入れて質量を重くすることもできる。
実施の形態1
実施の形態1は図2に示されるように、第一のはずみ車2の内側かつ棒状体6の回転軸Xの回りに円柱状の第二のはずみ車5が2つ設けられている。図2においては第二のはずみ車5はボルトBを介して第一のはずみ車2に固着されているが、溶接や鋳物により一体的に形成することもできる。また、第一のはずみ車2の慣性モーメントの増加に加え、第二のはずみ車5により、さらに慣性モーメントを増大させることができるので、一度所定の回転トルクが得られた後は、増大した慣性モーメントにより、容易に回転トルクを維持することができ、たとえば平地走行中に、安定した速度での走行が可能である。なお、自転車の始動時等の回転トルクが小さい間は、従来より公知の変速ギヤを併用することによりスムーズに回転トルクをあげることができる。
実施の形態1は図2に示されるように、第一のはずみ車2の内側かつ棒状体6の回転軸Xの回りに円柱状の第二のはずみ車5が2つ設けられている。図2においては第二のはずみ車5はボルトBを介して第一のはずみ車2に固着されているが、溶接や鋳物により一体的に形成することもできる。また、第一のはずみ車2の慣性モーメントの増加に加え、第二のはずみ車5により、さらに慣性モーメントを増大させることができるので、一度所定の回転トルクが得られた後は、増大した慣性モーメントにより、容易に回転トルクを維持することができ、たとえば平地走行中に、安定した速度での走行が可能である。なお、自転車の始動時等の回転トルクが小さい間は、従来より公知の変速ギヤを併用することによりスムーズに回転トルクをあげることができる。
棒状体6は軸受を介して自転車の車体Sに取り付けられるが、図4に示されるように棒状体6の軸回りに設けられた棒状体の両端に設けられた第二のはずみ車5の間に、さらに第二のはずみ車5を形成し、当該第二のはずみ車を介して自転車の車体Sに取り付けることもできる。第二のはずみ車5を介して車体に取り付ける場合は、図5に示されるようにボールベアリング8を用いて棒状体6および第二のはずみ車5を自転車の車体に回転可能に支持することができる。ボールベアリング8は、たとえば焼きばめにより第二のはずみ車5に取り付けることができる。さらにボールベアリング8と第二のはずみ車5とを溶接することにより一層強固に固着することができる。
また、図6に示されるように第一のはずみ車2と第二のはずみ車5との固着は第一のはずみ車2から内側に突出した複数のピンPを、前記ピンPに対応した形状の第二のはずみ車5に設けられた嵌合穴Hに嵌め込むことにより固着することもできる。
実施の形態2
実施の形態2では、図7に示されるように、第一のはずみ車2とクランクアーム3、駆動歯車4、第二のはずみ車5および棒状体6が全て一体となっている。それぞれを一体化する方法としては、たとえば溶接、鋳物等があげられ、これらの方法により一体的に鋳造することができる。駆動機構1を一体的に形成することにより、部材間におけるエネルギーロスをなくすことが可能である。
実施の形態2では、図7に示されるように、第一のはずみ車2とクランクアーム3、駆動歯車4、第二のはずみ車5および棒状体6が全て一体となっている。それぞれを一体化する方法としては、たとえば溶接、鋳物等があげられ、これらの方法により一体的に鋳造することができる。駆動機構1を一体的に形成することにより、部材間におけるエネルギーロスをなくすことが可能である。
実施の形態3
実施の形態3では、図8に示されるように、第二のはずみ車5が、棒状体6の長手方向全てにわたって棒状体6の軸回りに円柱状に設けられ、左右の第一のはずみ車2を連結している。本実施の形態では、第二のはずみ車5が、棒状体6の長手方向全てにわたって設けられているので、長手方向の一部分に第二のはずみ車5を設けた場合よりも、トータルの慣性モーメントを増大させることができる。
実施の形態3では、図8に示されるように、第二のはずみ車5が、棒状体6の長手方向全てにわたって棒状体6の軸回りに円柱状に設けられ、左右の第一のはずみ車2を連結している。本実施の形態では、第二のはずみ車5が、棒状体6の長手方向全てにわたって設けられているので、長手方向の一部分に第二のはずみ車5を設けた場合よりも、トータルの慣性モーメントを増大させることができる。
実施の形態4
実施の形態4は、図9に示されるように、棒状体6の長手方向中央部に、棒状体6の軸心からの半径を長くした第二のはずみ車5を設けたものである。慣性モーメントは、回転中心からの半径の2乗に比例するので、第二のはずみ車5の半径を大きくすることにより、相乗的に大きな慣性モーメントを得ることができる。たとえば、従来の自転車の棒状体6の半径を1とし、本実施の形態の第二のはずみ車5の半径を5とし、質量が同じ場合、慣性モーメントは、25倍になるので、従来の自転車よりもはるかに高い慣性モーメントが得られ、自転車を始動し、所定の回転トルク以上になった場合に、回転トルクが落ちにくく、たとえば平地走行において、安定した速度で走行をすることができる。第二のはずみ車5の半径は、特に限定されることはないが、棒状体6の半径の2倍以上であることが好ましく、駆動歯車4よりも大きい半径であることがさらに好ましい。
実施の形態4は、図9に示されるように、棒状体6の長手方向中央部に、棒状体6の軸心からの半径を長くした第二のはずみ車5を設けたものである。慣性モーメントは、回転中心からの半径の2乗に比例するので、第二のはずみ車5の半径を大きくすることにより、相乗的に大きな慣性モーメントを得ることができる。たとえば、従来の自転車の棒状体6の半径を1とし、本実施の形態の第二のはずみ車5の半径を5とし、質量が同じ場合、慣性モーメントは、25倍になるので、従来の自転車よりもはるかに高い慣性モーメントが得られ、自転車を始動し、所定の回転トルク以上になった場合に、回転トルクが落ちにくく、たとえば平地走行において、安定した速度で走行をすることができる。第二のはずみ車5の半径は、特に限定されることはないが、棒状体6の半径の2倍以上であることが好ましく、駆動歯車4よりも大きい半径であることがさらに好ましい。
以上のように、本発明は円盤体からなる第一のはずみ車2により、棒状体6の回転軸Xの回りでの振動を低減することが可能であり、かつ第二のはずみ車5により回転トルクの維持が容易であるので、競争用の自転車等にも適用が可能である。なお、本発明には、従来より公知の変速ギヤを併用することも可能であり、自転車の始動時に容易に回転トルクをあげることができる。
実施の形態5
実施の形態1〜4では、はずみ車2を設けることにより、慣性モーメントを増大させることができ、自転車の始動時に発生した回転トルクが、増大した慣性モーメントにより低下しにくく、回転軸回りの所定の回転トルクが得られた後には回転トルクが落ちにくく、安定した走行をすることができるという従来技術にはない優れた効果を奏するのであるが、課題を解決するための手段でも既に述べているように、物体の運動は、支点、力点、作用点とをどのようにするかが肝要である。しかしながら、従来技術はもとより、実施の形態1〜4(図1〜9に対応)においても作用点と支点は同一であり、在来の従来技術ではその認識がなく、本発明者は、作用点と支点とを分離させることによって、物体の駆動半径を大きくすることによってトルクの増大、ひいては自転車を漕ぐ力の軽減を実現するという知見を得て、実施の形態1〜4よりもさらに優れた効果を奏する駆動機構を案出したのである。
実施の形態1〜4では、はずみ車2を設けることにより、慣性モーメントを増大させることができ、自転車の始動時に発生した回転トルクが、増大した慣性モーメントにより低下しにくく、回転軸回りの所定の回転トルクが得られた後には回転トルクが落ちにくく、安定した走行をすることができるという従来技術にはない優れた効果を奏するのであるが、課題を解決するための手段でも既に述べているように、物体の運動は、支点、力点、作用点とをどのようにするかが肝要である。しかしながら、従来技術はもとより、実施の形態1〜4(図1〜9に対応)においても作用点と支点は同一であり、在来の従来技術ではその認識がなく、本発明者は、作用点と支点とを分離させることによって、物体の駆動半径を大きくすることによってトルクの増大、ひいては自転車を漕ぐ力の軽減を実現するという知見を得て、実施の形態1〜4よりもさらに優れた効果を奏する駆動機構を案出したのである。
この点について、図10〜13を用いて詳細に説明する。
実施の形態1〜4は、クランクアーム3の自転車のペダルが取り付けられる先端部である枢支軸31が力点となり、はずみ車2を棒状体6に取り付けるための取付孔H1(図10参照)が作用点および支点となっているが、実施の形態5は、図12に示すように作用点APをクランクアーム3の先端部31とはずみ車2の取付孔H1とを結ぶ直線上からずらして配置したものである。クランクアーム3の作用点APをずらずことにより、結果的にクランクアーム3の駆動回転半径を長くして、同じ力を加えた場合、作用点APと支点SPが同じ場所にあるものよりも楽に自転車のペダルをこぐことができる。
実施の形態5にかかわる駆動機構1は、自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持された棒状体6と、棒状体に対して同軸状に固着された駆動歯車4と、棒状体6にはずみ車2が設けられている点は、実施の形態1〜4と同じであり、記載は省略する。なお、棒状体6とはずみ車2とは一体であっても別体であっても構わない。
図10に示すように、はずみ車2には、駆動歯車4が嵌入されるスプライン軸100が形成されている。スプライン軸100の外形形状は、図10に示す正方形以外に多角形状、星型形状などがあるが、そのような形状のものも本考案のスプライン軸に当然に含まれる。この他、当業者に自明な変更、修正、変形は本考案に含まれる。また、スプライン軸100が嵌入される駆動歯車4のスプライン軸受100bは、スプライン軸100の形状に対して、相補的な形状をしたものである。
なお、スプライン軸100は、はずみ車2に対して一体的に鋳造されたものでもよいし、はずみ車2と別体として溶接により固定したものやボルトナットにより接合したものでもよい。
さらに、本実施の形態は、図13の2点鎖線によって仕切られた、はずみ車として機能する扇状の領域21とドッグレッグした略L字状のクランクアーム領域32から構成されている。図12に示すように、クランクアーム3は、力点PPとなるクランクアーム3の先端部であるペダルの枢支軸31から、はずみ車2や歯車4の回転中心となり、回転軸として機能する支点SP(前述の実施の形態1〜4における棒状体6の軸Xが支点SPに相当する)までまっすぐに延びておらず、図12中の紙面やや上側に偏向して延びている。当該扇状の領域21により、慣性モーメントを増大させることができ、自転車の始動時に発生した回転トルクが、増大した慣性モーメントにより低下しにくく、所定の回転軸回りの回転トルクが得られた後には回転トルクが落ちにくく、安定した走行をすることができる。
当該扇状の領域21とクランクアーム領域32とは、一体的に形成されてもよいし、それぞれ別体として設けてもよいが、図11に示すように、スリットSLを介して扇状の領域21とクランクアーム領域32が画定された点に最大の特徴がある。扇状の領域21とクランクアーム領域32とを一体に形成する場合は、たとえば、鋳物で一体的に鋳造することができ、鋳鋼、鋳鉄などにより形成することができる。また、別体とする場合は、特に固定方法は限定されることはないが、たとえば、クランクアーム領域32と扇状の領域21に、駆動歯車4に設けられた孔H2、H3の位置に対応する孔を穿設し、当該クランクアーム領域32と扇状の領域21に孔を穿設し、その孔にボルトを挿通し、ナットで固定することができる。
また、自転車のペダルを漕いだときに加わるトルクの作用点となる位置に設けられた駆動歯車4とクランクアーム領域32とを固定するボルトB1は、他のボルトよりも加わる力が大きくなるので、他の位置で駆動歯車4を固定するボルトB2よりも径の大きいボルトが用いられる。当該ボルトB1の位置が、駆動歯車4とクランクアーム3との接合部となる。
図12に示すように、作用点APとなるクランクアーム3の最遠位部であるボルトB1の固定位置は、作用点APと支点SPを結ぶ直線L2と、力点PPと支点SPとを結ぶ直線L3とのなす角θが鈍角となる位置に設けられている。直線L2とL3とのなす角θが鈍角となっていることにより、従来は、支点SPと作用点APが同一の場所にあり、力点PPから作用点APまでの距離が、図12におけるL3の長さであったものが、本実施の形態によれば、力点PPから作用点APまでの距離がL1であり、力点PPから作用点APまでの距離がL1−L3の分だけ長くなっており、回転トルクを増大させ、ひいては自転車のペダルを漕ぐ力を軽減することができる。
1 駆動機構
2 第一のはずみ車
3 クランクアーム
4 駆動歯車
5 第二のはずみ車
6、60 棒状体
7 プレート
8 ボールベアリング
B ボルト
N ナット
H 嵌合穴
S 車体
P ピン
C1、C2 クランクアーム
X 回転軸
2 第一のはずみ車
3 クランクアーム
4 駆動歯車
5 第二のはずみ車
6、60 棒状体
7 プレート
8 ボールベアリング
B ボルト
N ナット
H 嵌合穴
S 車体
P ピン
C1、C2 クランクアーム
X 回転軸
Claims (6)
- 自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持された、棒状体からなる回転軸(SP)と、
該回転軸(SP)に対して同軸状に固着された駆動歯車(4)と、
前記回転軸(SP)に一体的に設けられたはずみ車(2)と、
該はずみ車(2)から延設されたクランクアーム(3)と、
該クランクアーム(3)の先端の枢支軸(PP)に回転可能に設けられたペダルとを備え、
前記クランクアーム(3)が前記はずみ車(2)と一体的または別体として組み付けられ、
クランクアーム(3)における前記枢支軸(PP)から前記クランクアーム(3)の最遠位部である、前記クランクアーム(3)と駆動歯車(4)との接合部(AP)までの距離(L1)が、前記枢支軸(31)から前記回転軸(SP)までの距離(L3)よりも長くされてなることを特徴とする自転車の駆動機構。 - 前記はずみ車に、外形形状が略正方形のスプライン軸が形成され、
前記駆動歯車が、当該スプライン軸に嵌入され、かつ係止される軸受形状を有し、
当該はずみ車と駆動歯車とが少なくとも3組のボルトナットによって締結されてなることを特徴とする請求項1記載の自転車の駆動機構。 - 棒状体からなる回転軸と、
該回転軸に対して同軸状に固着された駆動歯車と、
前記回転軸に一体的に設けられた2つのはずみ車と、
該はずみ車(2)から延設されたクランクアーム(3)と、
該クランクアーム(3)の先端の枢支軸(PP)に回転可能に設けられたペダルとを備え、
前記クランクアーム(3)が前記はずみ車(2)と一体的または別体として組み付けられ、
クランクアーム(3)における前記枢支軸(PP)から前記クランクアーム(3)の最遠位部である、前記クランクアーム(3)と駆動歯車(4)との接合部(AP)までの距離(L1)が、前記枢支軸(31)から前記回転軸(SP)までの距離(L3)よりも長く、
前記回転軸に1または2以上のはずみ車が固着されてなることを特徴とする自転車の駆動機構。 - 前記はずみ車に、外形形状が略正方形のスプライン軸が形成され、
前記駆動歯車が、当該スプライン軸に嵌入され、かつ係止される軸受形状を有し、
当該はずみ車と駆動歯車とが少なくとも3組のボルトナットによって締結されてなることを特徴とする請求項3記載の自転車の駆動機構。 - 自転車の車体に設けられた軸受に回転自在に支持された、棒状体からなる回転軸と、
該回転軸に対して同軸状に固着された駆動歯車と、
前記回転軸に一体的に設けられた2つのはずみ車と、
該はずみ車(2)から延設されたクランクアーム(3)と、
該クランクアーム(3)の先端の枢支軸(PP)に回転可能に設けられたペダルとを備え、
前記クランクアーム(3)が前記はずみ車(2)と一体的または別体として組み付けられ、
クランクアーム(3)における前記枢支軸(PP)から前記クランクアーム(3)の最遠位部である、前記クランクアーム(3)と駆動歯車(4)との接合部(AP)までの距離(L1)が、前記枢支軸(31)から前記回転軸(SP)までの距離(L3)よりも長く、
前記回転軸に、さらに1または2以上のはずみ車が一体的に形成されてなることを特徴とする自転車の駆動機構。 - 前記はずみ車に、外形形状が略正方形のスプライン軸が形成され、
前記駆動歯車が、当該スプライン軸に嵌入され、かつ係止される軸受形状を有し、
当該はずみ車と駆動歯車とが少なくとも3組のボルトナットによって締結されてなることを特徴とする請求項5記載の自転車の駆動機構。
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