JP4616814B2 - 一組の自転車用クランクアーム - Google Patents

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Description

本発明は、回転自在にペダルが軸着された一組の自転車用クランクアームに関する。
従来、一組の自転車のクランクアームは、回転中心に対して対称となるように設計されている。すなわち、一組の自転車のクランクアームに取り付けられるペダルの回転直径を運転者の体格に依る運動範囲に適合させている。
このような一組の自転車のクランクアームとして、非特許文献1に示すクランクアームについて、図6を参照して説明する。図6は、従来の一組の自転車用クランクアームが回転する様子を説明するための説明図である。
図6に示すように、例えば、一方のクランクアームにおいて、走行中の回転するペダル位置を、垂線を基準として90°間隔で(1)から(4)の4つのブロックに分割して、矢印方向に一方のクランクアームを回転させるとする。このとき、走行に寄与する踏力を計測した場合、(1)ブロック及び(2)ブロックでは駆動力として走行に寄与するが、(3)ブロックおよび(4)ブロックでは、抵抗として働いている。そして、(4)ブロックから(1)ブロックへの過渡状態では、他方のクランクアームは(2)ブロックから(3)ブロックへの過渡状態となり、駆動力が低くなることから、一方のクランクアームを、さらに、自転車を前進させる方向へ回転させるためには、大きな踏力が要求されることとなる。
通常の平坦地や下り坂を走行する場合、自転車の慣性力や走行方向に働く重力の分力のために、上記は特に問題とはならない。しかし、静止状態から自転車を駆動させる際や、登坂などでは、大きな踏力が要求されるため、足に負担がかかり、長乗りをした場合に大きな疲れとなる。
この問題を解決すべく、特許文献1では、偏芯誘導板装置という回転リンク機構を利用して、走行状態によってクランクを伸縮させている。このような構成の駆動伸縮クランクを駆動すると、ペダルは従来と同じ直径で回転したまま、駆動力が必要なときクランク長を伸ばし、トルク量を増加させることができる。
特開平5−155375号公報 朝日新聞(夕刊) 第5頁(2002年9月14日発行)
前述した従来技術は、静止状態から自転車を駆動させる際や、登坂などでは、大きな踏力が要求されるため、足に負担がかかるという問題点を解決しているものの、その機構は複雑であり、部品点数も多く、生産性が劣る。さらに、自転車は天候によらず、屋外に露出される機会が多く、複雑なリンク構造は、故障しやすく、また、劣化を生ずる可能性が高く、その寿命は短くなる。
また、運転者である人の運動能力は、左右対称ではなく、右利き、左利きが存在する。右利き、左利きは、器用さだけでなく、力の差も生じさせている。すなわち、通常、利き脚でない側の踏力は、利き脚である側の踏力よりも小さい。従って、左右対称に設計されている通常の自転車は、運転者一人ひとりの特性を十分に生かしたものではない。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、部品点数が少なく、生産性が高く、自転車を漕ぎやすくするための、一組の自転車用クランクアームを提供することを目的とする。
前記課題を解決した本発明の一組の自転車用クランクアームは、自転車本体を挟んで回転自在に軸着される一組の自転車用クランクアームであって、前記一組の自転車用クランクアームは、回転自在にペダルが軸着された重量の軽い第1クランクアームと、回転自在にペダルが軸着された重量の重い第2クランクアームと、を備え、前記第2クランクアームのペダル取付部に取り付けられるペダルは、前記第1クランクアームのペダル取付部に取り付けられるペダルと180°ずらして配置され、前記第1クランクアームは、当該第1クランクアームの前記ペダル取付部と、回転軸と前記第2クランクアームの前記ペダル取付部の、それぞれの中心を通る仮想線に沿って設けられ、前記第2クランクアームは、当該第2クランクアームの前記ペダルの取付部と自転車本体の回転軸との間で、前記仮想的な直線に対して、自転車を前進させる回転方向と反対側に突出するように屈曲しており、前記第1クランクアームと前記第2クランクアームとは、無負荷で静的な状態において、垂線に対して、自転車を前進させる回転方向にそれぞれ10°から20°傾斜した位置で釣り合っていることを特徴とする。
望ましくは、前記第1クランクアームを利き脚である側に配置し、前記第2クランクアームを利きでない側に配置する。
さらに望ましくは、前記第2クランクアームは、前記第1クランクアームよりもペダル位置における慣性質量を50gから260g重くする。
本発明によれば、第2クランクアームは、第1クランクアームよりも重量が重いため、第2クランクアームが漕ぎ出し位置に到達すると、自重により、釣り合い位置に戻ろうとして、自転車Bを前進させる回転方向に回転していく。このようにして、利き脚でない側の踏力の一部を補填することができる。
なお、「漕ぎ出し位置」とは、ペダルに対して入力(踏力)しやすい位置(垂線に対して10°から20°の位置)をいう。
また、「釣り合い位置」とは、タイヤが接地していない状態において、第1クランクアームと第2クランクアームとが、無負荷で静止した状態で、釣り合う位置をいう。
なお、「釣り合い位置」は、「漕ぎ出し位置」と略同じ位置である。
また、本発明によれば、利き脚側がペダルに対して入力(踏力)しづらい位置に到達したときに、それまでの利き脚側の入力(踏力)によって回転力が得られる。この回転力により、第2クランクアームに慣性力が働き、第2クランクアームが、第1クランクアームに代わって、自転車を前進させる回転方向に回転する回転力を発生させる。この回転力により、相対的に、第1クランクアームを回転させて自転車を前進させる。
また、このとき、第2クランクアームは、自転車を前進させる回転方向に加速しながら回転していくことにより、第2クランクアームの抵抗が最も大きくなる位置を通過して、第2クランクアームの漕ぎ出し位置まで到達する。
このように、利き脚側において、ペダルに対して入力(踏力)しづらい位置をなくすことで、利き脚側で第1クランクアーム11に取り付けられたペダルを漕ぎやすくすることができる。
また、同時に、第2クランクアームが、加速しながら漕ぎ出し位置に到達することにより、第2クランクアームの漕ぎ出し位置における回転速度が速くなることから、その勢いを利用して、利き脚でない側の踏力の一部を補填することができる。
また、本発明によれば、利き脚側で第1クランクアームに取り付けられたペダルを、自転車を前進させる回転方向に漕ぐときに、第1クランクアームのペダルは、自転車を前進させる回転方向に10°から20°前進した位置(漕ぎ出し位置)に到達しているため、その位置からペダルに対して入力(踏力)することができる。このようにして、利き脚側において、ペダルに対して入力(踏力)しづらい位置をなくすことで、利き脚側で第1クランクアーム11に取り付けられたペダルを漕ぎやすくすることができる。
すなわち、図6に示す、従来の通常の自転車における踏力の寄与と比較して、第1クランクアームの漕ぎ出し位置が自転車を前進させる回転方向に10°から20°ずれるため、ずれの分、利き脚側の踏力を伝えにくい領域を減少させることができる。
このため、クランクアームが1回転する間の踏力の減少率を運転者一人ひとりの特性に合わせて低く抑えることができ、さらに、自転車を漕ぎやすくすることができる。
また、本発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された一組の自転車用クランクアームを有する自転車であってもよい。
本発明によれば、前記した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された一組の自転車用クランクアームを有するため、漕ぎやすい自転車を得ることができる。
本発明の一組の自転車用クランクアームによれば、利き脚でない側の第2クランクアームの重量を利き脚である側の第1クランクアームの重量よりも重くしているため、利き脚でない側の踏力を、利き脚側で得られた慣性力によって補填することができ、始動時や登坂低速時などにおいて、自転車を漕ぎやすくすることができる。
また、本発明の一組の自転車用クランクアームによれば、簡易な構成であるため、劣化や損傷が少なくなる。
また、本発明の一組の自転車用クランクアームによれば、部品点数を少なくすることができ、生産性が高くなる。また、安価に製造することができる。
また、本発明の自転車によれば、始動時や登坂低速時などにおいて、自転車が漕ぎやすくなる。
次に、本発明の参考例について説明する。参照する図面において、図1は、本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアームが自転車に軸着された様子を示す図であり、図2は、本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアームが無負荷で静的に釣り合っている様子を示す拡大図であり、図3は、本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアームが回転する様子を説明するための説明図である。
図1に示すように、本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアーム1Aは、回転自在にペダル7が軸着された重量の軽い第1クランクアーム11と、回転自在にペダル7が軸着された重量の重い第2クランクアーム12と、を有して構成され、自転車Bに軸着されている。
ここで、図1に示すように、第1クランクアーム11と第2クランクアーム12とは、自転車Bを挟んで左右に配置され、それぞれの本体取付部13(図2参照)の略中央に設けられた貫通孔に、駆動軸(図示しない)が挿通されて、自転車Bに一体的に軸着される。
なお、本発明の参考例では、一般的に右利きの人間が多いことから、運転者の利き脚を右脚と想定し、自転車Bからみて、第1クランクアーム11を自転車Bの進行方向右側に配置し、第2クランクアーム12を自転車Bの進行方向左側に配置している。なお、通常の自転車におけるのと同様に、第1クランクアーム11は、自転車Bのギア(図示しない)と一体成形されている。
図2に示すように、第1クランクアーム11および第2クランクアーム12は、駆動軸(図示しない)を軸として回転可能となっている。本発明の参考例では、図2の矢印方向に一組の自転車用クランクアーム1Aを回転させることにより、自転車Bが前進するものとする。
第1クランクアーム11は、運転者の利き脚用のクランクアームであって、略棒軸状であり、一端部に、自転車Bへの取付部である、本体取付部13を有し、他端部にペダル取り付け用のペダル取付部14を有して構成される。第1クランクアーム11としては、公知の自転車用クランクアームを用いることができる。
第2クランクアーム12は、運転者の利き脚でない脚用のクランクアームであって、略棒軸状であり、一端部に、自転車Bへの取付部である、本体取付部13(図示しない)を有し、他端部にペダル取り付け用のペダル取付部14を有して構成される。
第2クランクアーム12は、L字状に形成され、一端部に本体取付部13を有し、L字状に曲折させた部分にペダル取付部14を有している。
なお、第2クランクアーム12の本体取付部13からペダル取付部14までの長さは、第1クランクアーム11と略同一である。
第2クランクアーム12は、ペダル位置における慣性質量が、第1クランクアーム11のペダル位置における慣性質量よりも、50gから260g、さらに好ましくは、100gから160g重くなるように形成されている。
ペダル位置における慣性質量の差が、50g未満であると、踏力を補填する効果が有効に得られないためであり、一方、260gを超えると、利き脚側の負担が過大となるためである。
例えば、第1クランクアーム11をアルミで形成し、第2クランクアーム12をステンレスで形成するなどによりペダル位置における慣性質量の差をつけることが可能である。
また、例えば、第1クランクアーム11と第2クランクアーム12とを同一の材料で形成してもよい。前記したように、第2クランクアーム12と第1クランクアーム11は、形状が異なり、第2クランクアーム12は、第1クランクアーム11よりも体積が大きいため、第1クランクアーム11に比較して材料の使用量が多くなることから、同一の材料で形成した場合も、ペダル位置における慣性質量の差をつけることが可能である。
なお、このように第2クランクアーム12の重量を第1クランクアーム11より重くしたとしても、通常の自転車のクランクアームの重量範囲と大きく異なることにはならない。また、自転車Bの進行方向に対して左右の重量バランスが一方に偏ることになるが、ペダル位置における慣性質量の差が50gから260gの範囲内であれば、通常の自転車Bの走行速度における走行の支障にはならない。
このように構成された第1クランクアーム11および第2クランクアーム12との釣り合い位置は、図2に示すように、タイヤが接地しておらず、無負荷で静的な状態において、それぞれのペダル取付部14を結んだ軸線が、垂線Aに対して、自転車を前進させる回転方向に所定角度(傾斜角θ1)傾斜した位置となる。なお、本発明の参考例では、図2に示す矢印方向が、自転車Bを前進させる回転方向となる。
また、「無負荷で静的な状態」とは、タイヤが接地しておらず、第1クランクアーム11および第2クランクアーム12が静止している状態であって、第1クランクアーム11および第2クランクアーム12に負荷がかかっていない状態をいう。
なお、第2クランクアーム12は、前記したように、第1クランクアーム11よりも重量が重いため、無負荷の状態では、常に、第1クランクアーム11が本体取付部13の上方に位置し、第2クランクアーム12が本体取付部13の下方に位置して釣り合うこととなる。
無負荷で静的な状態における第2クランクアーム12と垂線Aのなす傾斜角θ1としては、10°から20°とすることが好適である。
傾斜角θ1が、10°未満であると、通常の自転車とほとんど相違がなくなり、踏力を補填する効果が有効に得られない一方、傾斜角θ1が20°を超えると、利き脚側の負担が過大となるためである。
以下、図3を参照して、本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアーム1Aの動作状態について説明する。
なお、図3(a)から図3(h)は、クランクアームの動作を示す図である。
図3においては、説明の便宜上、ペダルの軌道に沿って円を描き、円内を8つのブロックに等分している。
図3(a)に示すように、第1クランクアーム11と第2クランクアーム12とは、垂線A(図1参照)に対して、それぞれ、自転車を前進させる回転方向に、例えば、20°傾斜した位置で、釣り合っている。
なお、本発明の参考例においては、一組の自転車用クランクアーム1Aは、時計回り(図2の矢印方向)に回転して自転車Bを前進させるものとする。
第1クランクアーム11に取り付けられたペダルの漕ぎ出し位置は、自転車Bを前進させる回転方向に、例えば、20°前進した位置となるため、第1クランクアーム11に取り付けられたペダルの漕ぎ出しがスムーズとなる。
この状態で、運転者が第1クランクアーム11に取り付けられたペダルを踏み込むと、踏力により、徐々に回転力が発生する。
一方、第2クランクアーム12は、第1クランクアーム11が時計回りに下方へ回転すると、第1クランクアーム11の回転により、相対的に、円周方向に沿って時計回りに上方へ回転する。
図3(b)に示すように、第1クランクアーム11がブロック(2)間をブロック(3)に向かって回転すると、相対的に、第2クランクアーム12は、ブロック(6)間をブロック(7)に向かって回転する。
ブロック(2)間は、第1クランクアーム11に取り付けられたペダルが、略垂直に踏み込まれるため、踏み込みの力が効率的に伝えられて回転力を増大させることができる。
図3(c)に示すように、運転者が、第1クランクアーム11に取り付けられたペダルを踏み込み、ブロック(3)間をブロック(4)に向かって漕ぎ進めると、第2クランクアーム12は、相対的に、ブロック(7)間をブロック(8)に向かって回転する。
ブロック(3)間は、第1クランクアーム11に取り付けられたペダルが、略垂直に踏み込まれるため、踏み込みの力が効率的に伝えられて回転力を増大させることができる。
図3(d)に示すように、運転者が、さらに第1クランクアーム11に取り付けられたペダルを踏み込み、ブロック(4)間をブロック(5)に向かって漕ぎ進めると、第2クランクアーム12は、相対的に、ブロック(8)間をブロック(1)に向かって回転する。
図3(b)および図3(c)に示すように、第1クランクアーム11に取り付けられたペダルが、ブロック(2)およびブロック(3)間を通過する際に、第1クランクアーム11に取り付けられたペダルの踏力が最も大きくなり、最も回転力が大きくなる。
第1クランクアーム11がさらに回転して、第1クランクアーム11に取り付けられたペダルが図3(e)のa位置付近に到達すると、ペダルをやや後方に向けて蹴りだすようになるため、運転者の利き脚側の入力(踏力)がしづらくなり、回転力が減衰する。
これに代わって、図3(a)から図3(d)の各段階、特に、図3(b)から図3(d)段階で、利き脚側の踏力で得られた回転力により第2クランクアーム12に与えられた慣性力によって、第2クランクアーム12が、図3(e)に示す、a´位置からc´位置付近まで回転し、この回転により、相対的に、第1クランクアーム11を、a位置からc位置付近まで回転させる。このようにして、利き脚側において、ペダルに対して入力(踏力)しづらい位置をなくすことで、利き脚側で第1クランクアーム11に取り付けられたペダルを漕ぎやすくすることができる。
そして、図3(e)のc´位置付近から第2クランクアーム12に取り付けられたペダルを踏み込むと、利き脚でない側の入力(踏力)により、回転力が生じ、図3(f)、図3(g)、図3(h)に示すように、第2クランクアーム12が自転車Bを前進させる回転方向に回転し、相対的に、第1クランクアーム11を、自転車Bを前進させる回転方向に回転させる。
第2クランクアーム12が漕ぎ出し位置に到達すると、第2クランクアーム12が第1クランクアーム11の抵抗となる状態は解消される。第2クランクアーム12は、自重により、釣り合い位置(図3(a)参照)に戻ろうとするため、自転車Bを前進させる回転方向(図3(g)に示す方向)に回転していく。この回転力により、利き脚でない側の踏力の一部を補填することができる。
そして、第2クランクアーム12が釣り合い位置に戻るとともに、第1クランクアーム11が釣り合い位置に戻る、すなわち、漕ぎ出し位置に到達することとなるので、運転者は、再び、利き脚側でスムーズに漕ぎ出すことができる。このように、第1クランクアーム11が釣り合い位置まで戻ることが、漕ぎ出し位置に到達することとなるので、漕ぎ出し位置までは踏力を加える必要がなくなり、自転車Bを漕ぎやすくすることができる。また、利き脚でない側および利き脚側がペダルに対して入力(踏力)を伝えづらい位置は、慣性力で通過させることができるため、ペダルを1回転させるときの駆動力の低下を抑えることができる。
第1クランクアーム11および第2クランクアーム12の動作は、次のように説明することもできる。ここで、ω:回転角速度、R:第1クランクアーム11および第2クランクアーム12のアーム長さ(放射方向)、r:第1クランクアーム11および第2クランクアーム12のアーム放射方向長さ(半径)、dr:第1クランクアーム11および第2クランクアーム12のアーム微小長さ(半径)、γ:第1クランクアーム11および第2クランクアーム12のアーム密度としたときに、第1クランクアーム11および第2クランクアーム12のdr部分での回転方向の力dF、dFは、式(1)、式(2)であらわすことができる。なお、ここでは、簡単化のため、アームの断面積A、Aが放射方向に変化しないものとしている。
Figure 0004616814
式(1)、式(2)をそれぞれ積分すれば、第1クランクアーム11および第2クランクアーム12の回転方向の力Fが得られる。そして、式(3)に示すこの力の差ΔFが、必要な踏力の差となる。
Figure 0004616814
回転方向の力Fは、式(1)及び式(2)から明らかなように、回転角速度ωの2乗に比例するため、ΔFの値は一定とはならず、回転が低いときはその値は小さく、回転が速いときはその値は大きくなる。
このように、本発明の参考例で規定する一組の自転車用クランクアーム1Aの静的な釣り合いと自転車B走行中の必要な踏力の差とは、線形で表すことが可能な比例関係には無い。
しかしながら、本発明の課題としているように、始動時や登坂低速時などにおいては、回転角速度ωは小さく、非特許文献1に示すように踏力が必要となる。本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアーム1Aによれば、静的に釣り合う位置をペダルに対して入力(踏力)しやすい位置とすることにより、運転者固有の左右両脚間の踏力差を利用して、踏力の一部を補填することができる。
以上、本発明の参考例の内容について詳細に説明した。次に、本発明の実施形態について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る一組の自転車用クランクアームが無負荷で静的に釣り合っている様子を示す図である。
図4に示すように、一組の自転車用クランクアーム1Bは、第1クランクアーム21と、第2クランクアーム22と、を有して構成される。第1クランクアーム21は、公知の自転車用クランクアームである。
第2クランクアーム22は、垂線A上に位置し、本体取付部13を有する短軸部22aと、短軸部22aから延び、短軸部22aに対して、自転車Bを前進させる回転方向に所定角度傾斜する、ペダル取付部14を有する長軸部22bと、を有して構成されている。なお、長軸部22bは、円周方向に向かうにつれて、幅広となるように形成されている。第1クランクアーム21と第2クランクアーム22との釣り合い位置は、それぞれのペダル取付部14を結んだ軸線が、垂線Aに対して、それぞれ、自転車Bを前進させる回転方向に、例えば、傾斜角θ2=20°傾斜した位置となる。
その他の構成は、本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアーム1Aと同様である。
なお、第1クランクアーム11および第2クランクアーム12は、無負荷で静的な状態において、それぞれのペダル取付部14を結んだ軸線が垂線Aに対して、自転車Bを前進させる回転方向に10°から20°傾斜した位置で釣り合うように形成されれば足り、前記実施形態の形状に限定されるものではない。
また、図5は、本発明の他の参考例に係る一組の自転車用クランクアームが無負荷で静的に釣り合っている様子を示す図である。
図5に示すように、一組の自転車用クランクアーム1Cは、第1クランクアーム31と、第2クランクアーム32と、を有して構成される。第1クランクアーム31は、公知の自転車クランクアームである。
第2クランクアーム32は、垂線A上に位置し、本体取付部13を有する軸部32aと、軸部32aから延び、軸部32aに対して、自転車Bを前進させる回転方向にたとえば90°傾斜した軸部32bと、軸部32bから軸部32aと平行に延びる、ペダル取付部14を有する軸部32cと、を有して構成されている。
第1クランクアーム31と第2クランクアーム32との釣り合い位置は、それぞれのペダル取付部14を結んだ軸線が、垂線Aに対して、それぞれ、自転車Bを前進させる回転方向に、例えば、傾斜角θ3=20°傾斜した位置となる。
その他の構成は、本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアーム1Aと同様である。
なお、第1クランクアーム31と第2クランクアーム32とのペダル位置における慣性質量の差をつけるために、例えば、第2クランクアーム32に、錘をつけてもよい。
本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアームが自転車に軸着された様子を示す図である。 本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアームの拡大図であって、無負荷で静的に釣り合っている様子を示す図である。 本発明の参考例に係る一組の自転車用クランクアームが回転する様子を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る一組の自転車用クランクアームが無負荷で静的に釣り合っている様子を示す図である。 本発明の他の参考例に係る一組の自転車用クランクアームが無負荷で静的に釣り合っている様子を示す図である。 従来の一組の自転車用クランクアームが回転する様子を説明するための説明図である。
符号の説明
1A、1B、1C 一組の自転車用クランクアーム
11、21、31 第1クランクアーム
12、22、32 第2クランクアーム
13 本体取付部
14 ペダル取付部
A 垂線
B 自転車

Claims (4)

  1. 自転車本体を挟んで回転自在に軸着される一組の自転車用クランクアームであって、
    前記一組の自転車用クランクアームは、
    回転自在にペダルが軸着された重量の軽い第1クランクアームと、
    回転自在にペダルが軸着された重量の重い第2クランクアームと、
    を備え
    前記第2クランクアームに取り付けられるペダルは、前記第1クランクアームに取り付けられるペダルと180°ずらして配置され、
    前記第1クランクアームは、当該第1クランクアームの前記ペダルの取付部と、自転車本体の回転軸と、前記第2クランクアームの前記ペダルの取付部の、それぞれの中心を通る仮想的な直線に沿って設けられ、
    前記第2クランクアームは、当該第2クランクアームの前記ペダルの取付部と自転車本体の回転軸との間で、前記仮想的な直線に対して、自転車を前進させる回転方向と反対側に突出するように屈曲しており、
    前記第1クランクアームと前記第2クランクアームとは、無負荷で静的な状態において、垂線に対して、前記回転方向にそれぞれ10°から20°傾斜した位置で釣り合っていることを特徴とする一組の自転車用クランクアーム。
  2. 前記第1クランクアームを利き脚である側に配置し、前記第2クランクアームを利きでない側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の一組の自転車用クランクアーム。
  3. 前記第2クランクアームは、前記第1クランクアームよりもペダル位置における慣性質量が50gから260g重いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の一組の自転車用クランクアーム。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の一組の自転車用クランクアームを有する自転車。
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