JP2018047873A - 回転伝達機構及びそれを備えた自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来よりも使用性及び経済性に優れた自転車等を実現することが可能な汎用性の高い回転伝達機構を提供する。【解決手段】 回転伝達機構100は、内部回転部材300と、内部回転部材300に回動自在に配設される外部回転部材400と、を備えている。内部回転部材300は、円筒リング状の内部回転部材本体300aと、内部回転部材本体300aに一体形成され内部回転部材本体300aの外周側に突出する4つの外周凸部300dと、を備えている。外部回転部材400は、外筒部400bの内周側に突出するように当該外筒部400bに一体形成され内部回転部材300の外凸部300dと交互に配置される4つの内周凸部400dを備えている。外周凸部300dと当該外周凸部300dの回転方向側の内周凸部400dとの間には、合成ゴム製の弾性変形部600が3個ずつ配設されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、回転伝達機構に関し、特に、自転車のクランク軸等の回転軸に装着して使用される回転伝達機構に関する。
人力で車輪を回転させる自転車の場合、一旦走り出せば、小さな力で走行することができるが、発進時、加速時、登坂等の漕ぎ始めでは、特に大きな反発力を受け、入力したエネルギーの一部が、衝撃として膝、足首、腰などに跳ね返り、人体に大きな負荷を発生させるだけでなく、入力エネルギーを効率的に利用できず、推進力の低下につながっていた。そして、急発進、急加速を行う場合、急な坂道を登る場合、自転車の運転者の体重や積み荷の重量が重い場合などには、特に人体への負荷(抗力)が大きくなり、その分、必要なエネルギーも増大していた。
自転車の場合、足の上下運動をクランクによって回転運動に変換するため、特に上死点及び下死点においてスムーズに脚力を伝達することは困難であり、膝や足首への負担増加を招くと共に、トルクの途切れ、スピードの低下が発生し、低速で走行する場合には、ふらつきが発生し易く、走行の安定性が低下するという問題点があった。
そこで、従来から、自転車において、走行時の衝撃を吸収すること、回転効率の向上を図ること、推進力、加速を滑らかにして運転者の疲労を軽減すること等を目的として、様々な構造が検討されている。
例えば、(特許文献1)には、「巡航運転モードのときはペダルの回転半径が小さく、過重な負荷がかかる運転モードに入ると、抗力に対応してペダルの回転半径が自動的に伸長し、大きな回転モーメントが得られる、自動伸縮変化型クランク機構を備えた自転車」が開示されている。
(特許文献2)には、「第1フレーム部材に固定可能であり、内部に形成された収納空間と収納空間の内周面から内方に突出する少なくとも一つの第1突出部とを有する第1部材と、第2フレーム部材に固定可能であり、第1部材の収納空間内に相対回転自在に配置され、外周面から外方に突出する第2突出部を有する第2部材と、第1部材と第2部材との間に両突出部で区画されて形成される2種の空間のうちの一方に装着され、第1突出部と第2突出部とに保持され、かつ、内周面と外周面の少なくともいずれか一方との間に隙間をあけて配置され、両部材の相対回転によって伸縮する第1弾性部材と、を備えた自転車用緩衝装置」が開示されている。
(特許文献3)には、「外周に多数の歯を備えたギヤ本体と、該ギヤ本体を支持する支持体とから成り、これらギヤ本体と支持体との間に、これらギヤ本体と支持体の一方から他方に動力を伝える動力伝達部を設けて、この動力伝達部に、ギヤ本体と支持体を所定角度相対回転可能とする隙間を設けると共に、動力伝達部と異なる部位に、隙間を保持し、かつ、ギヤ本体と支持体の相対回転時に弾性変形して、隙間を吸収し、動力伝達部からの動力伝達を可能とする弾性体を設けたことを特徴とする自転車用駆動ギヤ」が開示されている。
(特許文献4)には、「前歯車の内側周壁内に、該前歯車の回転方向と逆方向に巻装された巻バネが組み込まれて、該巻バネの作用によりペダルアームの過大踏み圧によるトルクが巻バネに蓄積され、ペダル入力の不足時には蓄積されたトルクが補足されて、ペダルによる回転効率が向上せられる構成を特徴とする自転車の動力伝達装置」が開示されている。
(特許文献5)には、「自転車のギヤ軸に複数個のばね受け片を放射状に突設した金具を嵌着し、ばね受け片の外周縁に内周面が支えられてギヤ軸と同心に回動する環状体を嵌装してクランクの基端部とし、環状体内周面にばね押し片をばね受け片に対応するように突設し、ばね受け片とばね押し片の間にばね体を挿入配置することにより、力を受けてクランクが回転すると基端部の環状体も共にギヤ軸に先行して回転し、突設したばね押し片はばね体を圧縮し、その反力がばね受け片を押してギヤ軸を回転さすことを特徴とする自転車のクランク装置」が開示されている。
しかし、上記従来の技術は、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)の自転車は、抗力に対応してペダルの回転半径が自動的に伸長するものであるため、クランク機構の構造が複雑になり、部品点数が増加し、動作安定性、組立作業性、量産性に欠けるという課題を有していた。
また、抗力が大きな時にペダルの回転半径を大きくすることにより、小さな入力で大きな出力を得ることができ、漕ぎ始めなどにおける負荷を低減することはできるが、ペダルの軌跡が円軌道を描くことができず、無理な漕ぎ方をする必要があるため、膝や足首などに大きな負担がかかるという課題を有していた。
(2)(特許文献2)の自転車用緩衝装置は、第1フレーム部材又は第2フレーム部材に路面から衝撃が作用すると、第1部材と第2部材とが相対回転し、両突出部で区画される空間の一方に装着された第1弾性部材が両突出部に挟まれて圧縮変形して弾性復元力が発生し、衝撃が吸収されるものであるが、サスペンション組立体が外側部材によって主フレーム部材に固定されているため、クランクの初動時の衝撃エネルギーを吸収して蓄積し、蓄積されたエネルギーを弾性体の復元時に回転力に変換して推進力として有効に利用することはできず、回転効率や加速性の向上、回転トルクの均一化などに関しては考慮されていなかった。
(3)(特許文献3)の自転車用駆動ギヤは、踏込み開始時の駆動力による衝撃を緩和することを目的としており、弾性体を動力伝達部と異なる部位でギヤ本体と支持体との間に設け、弾性体を捩るように変形させる構造であるため、弾性体が変形し難く、エネルギーを蓄積し難いので、弾性体の復元を有効に回転力に変換することが困難で、エネルギーの有効利用性に欠けるという課題を有していた。
また、部品点数が多く、構造が複雑で量産性に欠けると共に、ギヤ本体と支持体が弾性体を介して一体化されているため、ギヤ本体や弾性体を交換することが困難であり、メンテナンス性に欠けるという課題を有していた。
(4)(特許文献4)の自転車の動力伝達装置は、ペダルの過大踏み圧によるトルクを蓄積し、蓄積されたトルクをペダル入力の不足時に補足し、踏み圧入力を安定化してペダルによる回転効率の向上を図ること、推進、加速を滑らかにして疲労を軽減することを目的としているが、トルクの蓄積、補足をゼンマイ(板バネ)状バネやコイル状バネなどの巻バネによって行っているため、巻バネを巻き終わってトルクが蓄積されるまでに時間がかかり、その間はペダル軸が前歯車に対して空回りして動力を伝達することができず、著しく使用性に欠けるという課題を有していた。
また、巻バネが破損した場合、ペダル軸から前歯車に動力を伝達することができず、走行不能となるため、動力伝達の確実性、安定性に欠けるという課題を有していた。
(5)(特許文献5)の自転車のクランク装置は、クランクの基端部である環状体の内周面が、ばね受け片の外周縁に支えられているので、環状体の内周面とばね受け片の外周縁との間の摩擦力により、クランクとギヤ軸が共周りし易く、環状体をギヤ軸に先行して回転させることが困難で、ばね体を確実に圧縮することができず、動作安定性に欠け、上死点での蓄力(衝撃エネルギーの吸収)と下死点での復元が十分に行われず、回転効率や加速性の向上、回転トルクの均一化の効果が不十分であるという課題を有していた。
また、ギヤ軸の両端にクランク装置を取り付けなければならないため、部品点数が増加し、装置全体が複雑化、大型化し、省スペース性、量産性に欠けると共に、両端のクランクの位相によってギヤ軸に捩れが発生し、入力されたエネルギーの蓄力や蓄力されたエネルギーの回転力への変換を効率的に行うことができず、耐久性、動作安定性、効率性に欠けるという課題を有していた。
そこで、本発明者は、上記従来の課題を解決すべく、人力によって車輪を回転させて走行する自転車の回転軸に配設することにより、発進,加速,登坂等の初動時や走行中に外部から受ける大きな負荷などによって生じる衝撃エネルギーや過大な入力エネルギーを確実に吸収して蓄え、人体への負荷を大幅に低減できると共に、蓄えたエネルギーを入力エネルギーが減少した時或いは途切れた時に回転軸の回転に無駄なく有効に利用することができ、回転伝達の確実性、効率性に優れ、部品点数の少ない簡素な構成で軽量化を図ることができ、分解や組立が容易でメンテナンス性、生産性に優れ、既存の自転車に簡便に組込むことができ、量産性、組立作業性、省スペース性、汎用性に優れる自転車用回転伝達機構を備えることにより、使用者の足腰などにかかる負荷を低減することができ、重い荷物を運搬する際や体重の重い人を乗せた際にも、加速性、回転トルクの均一性、低速運転時の安定性に優れ、複雑な操作が不要で、運転者の膝や足首などにかかる負荷を低減することができ、女性や年配者或いは重い荷物や子供を乗せる主婦等でも手軽に運転することができ、坂道や抵抗の大きな道でも楽に走行することができる日用品としてだけでなく、加速性、回転トルクの均一性、低速運転時の安定性に優れ、リハビリ用や競技用としても使用することができ、動作の安定性、取り扱い性、汎用性に優れた自転車の提供を目的として、以下のような構成の自転車を提案している(特許文献6)。
すなわち、(特許文献6)には、「回転軸を有する内部回転部材と前記内部回転部材の前記回転軸に回動自在に配設される外部回転部材とを有する自転車用回転伝達機構と、前記自転車用回転伝達機構の前記内部回転部材の前記両端部に180度の位相差で配設される左右のクランクアームと、前記クランクアームの端部に回動自在に配設されるペダルと、を備えた自転車であって、
前記内部回転部材が、前記回転軸と一体に形成され又は前記回転軸の外周に固設され前記回転軸の外周側に突出する1以上の外周凸部を有し、
前記外部回転部材が、前記内部回転部材の前記外周凸部の側部位置で前記回転軸に回動自在に挿設される側板部と、前記内部回転部材の前記外周凸部の外側で前記回転軸と同心円状に前記側板部の外周に立設される外筒部と、前記外筒部の内周側に突出するように前記側板部及び/又は前記外筒部と一体に形成され或いは前記側板部及び/又は前記外筒部に固設され前記内部回転部材の前記外周凸部と交互に配置される1以上の内周凸部と、を有し、
前記外部回転部材の前記側板部又は前記外筒部にチェーンリングが形設又は固設され、
前記外周凸部と前進する際の前記外周凸部の回転方向側の前記内周凸部との間に弾性変形部が配設され、前記内部回転部材と前記外部回転部材が相対的に回転する際に、前記弾性変形部が、前記外周凸部と前記内周凸部の間に挟まれて弾性変形することを特徴とする自転車」が開示されている。
特開2003−312581号公報 特開平11−278350号公報 特開昭64−63489号公報 特開平9−076980号公報 特開昭58−036789号公報 特許第4456179号公報
(特許文献6)の自転車は、上記の目的を達成するものであるが、本発明者は、(特許文献6)の自転車の使用性及び経済性をさらに優れたものとすべく鋭意研究を重ね、本発明を完成させるに至った。
本発明は、従来よりも使用性及び経済性に優れた自転車等を実現することが可能な汎用性の高い回転伝達機構、及びそれを備えた自転車を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る回転伝達機構の構成は、
(1)内部回転部材と、前記内部回転部材に回動自在に配設される外部回転部材と、を備え、
前記内部回転部材は、リング状の内部回転部材本体と、当該内部回転部材本体に一体形成され又は前記内部回転部材本体に固設され前記内部回転部材本体の外周側に突出する1つ又は複数の外周凸部と、を備え、
前記外部回転部材は、前記内部回転部材の前記外周凸部の側部位置で前記内部回転部材本体に回動自在に設けられる側板部と、前記内部回転部材の前記外周凸部の外側で前記内部回転部材本体と同心円状に前記側板部の外周に立設される外筒部と、前記外筒部の内周側に突出するように前記側板部及び/又は前記外筒部と一体に形成され或いは前記側板部及び/又は前記外筒部に固設され前記内部回転部材の前記外周凸部と交互に配置される1つ又は複数の内周凸部と、を備え、
前記外周凸部あるいは前記内周凸部と前進する際の前記外周凸部あるいは前記内周凸部の回転方向側の前記内周凸部あるいは前記外周凸部との間に弾性変形部が配設され、前記内部回転部材と前記外部回転部材が相対的に回転する際に、前記弾性変形部が、前記外周凸部と前記内周凸部の間に挟まれて弾性変形することを特徴とする。
本発明の回転伝達機構の上記(1)の構成によれば、中央部分が空洞のリング状に形成されているので、回転伝達機構単体としての軽量化及び低コスト化を図ることができる。また、シンプルな構成となることにより、メンテナンス的にも有利となる。さらに、回転駆動部や被回転体への接続部分をある程度自由に設計することが可能となるので、汎用性の高い回転伝達機構を提供することができる。また、空洞部分に種々の部品や部材等を配置することが可能となるので、応用の幅を広げることもできる。
本発明の回転伝達機構の上記(1)の構成においては、以下の(2)〜(8)のような構成にすることが好ましい。
(2)前記外部回転部材は、前記側板部と対向して前記外筒部の開口部に覆設され前記内部回転部材本体に回動自在に設けられるカバー部をさらに備えている。
上記(2)の好ましい構成によれば、弾性変形部の側方への変形が、外部回転部材の側板部と当該カバー部とにより阻止され、これにより、入力されるエネルギーの一部を弾性変形部に効率的に蓄力することが可能となる。
(3)前記外周凸部あるいは前記内周凸部と前進する際の前記外周凸部あるいは前記内周凸部の回転方向と反対側の前記内周凸部あるいは前記外周凸部との間に弾性緩衝部がさらに配設されている。
上記(3)の好ましい構成によれば、外周凸部が内周凸部と直接、接触することを防止することができ、正転時及び逆転時の騒音の発生を防ぐことができる。
(4)前記内部回転部材と前記外部回転部材との間に、前記内部回転部材と前記外部回転部材の機能を兼ね備えた1つ又は複数の中間回転部材が介在している。
上記(4)の好ましい構成によれば、弾性変形部の量を増やすことが可能となるので、弾性変形部全体に蓄力される圧縮(弾性)エネルギーを大幅に増やすことができる。そして、当該回転伝達機構を、例えば、風力発電装置の、羽根と動力伝達軸との間に組み込むことにより、風が途切れたり弱くなったりした場合であっても、各層に配設された弾性変形部から順次開放される回転エネルギーにより、動力伝達軸を持続的に回転させて発電を行うことが可能となる。すなわち、上記(4)の好ましい構成を備えた回転伝達機構を使用すれば、風の強さに左右されることなく、安定した発電を行うことが可能な風力発電装置を実現することができる。
(5)前記内部回転部材は、前記内部回転部材本体の内周側に設けられ、中央に回転軸挿通孔を有する内部回転部材本体支持体をさらに備えている。
上記(5)の好ましい構成によれば、当該回転伝達機構を、例えば自転車に使用することができる。この場合、内部回転部材本体支持体の厚みを、内部回転部材本体の幅よりも小さくして、回転伝達機構の内部回転部材の少なくとも表面側の面に、円筒状の凹所を形成することが可能となる。そして、当該回転伝達機構を自転車に使用する場合に、内部回転部材の表面側の面に凹所を形成することにより、右側のクランクアームの固定端を凹所内に位置させた状態で、当該クランクアームの固定端をクランク軸に固定することが可能となる。その結果、「従来の回転伝達機構」を使用する場合に比べて、左右のクランクアーム間の間隔を小さくすることが可能となり(回転伝達機構を備えない自転車の場合の、左右のクランクアーム間の間隔と同じくらいにすることが可能となり)、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも使用性に優れた自転車等を実現することができる。また、このように左右のクランクアーム間の間隔を小さくすることができるので、回転伝達機構を備えない自転車に使用される既存のクランク軸を使用することが可能となり、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも経済性に優れた自転車を実現することができる。
また、上記(5)の好ましい構成によれば、内部回転部材本体の厚みや外周凸部の高さ等を調整することにより、回転伝達機構の回転時における遠心力を調整することができるので、回転の慣性力を調整することができる。
(6)上記(5)の構成において、前記内部回転部材本体支持体の厚みが、前記内部回転部材本体の幅よりも小さい。
上記(6)の好ましい構成によれば、回転伝達機構の内部回転部材の少なくとも表面側の面に、円筒状の凹所が形成される。そして、当該回転伝達機構を自転車に使用した場合に、内部回転部材の表面側の面に凹所が形成されることにより、右側のクランクアームの固定端を凹所内に位置させた状態で、当該クランクアームの固定端をクランク軸に固定することができる。その結果、「従来の回転伝達機構」を使用する場合に比べて、左右のクランクアーム間の間隔を小さくすることができ(回転伝達機構を備えない自転車の場合の、左右のクランクアーム間の間隔と同じくらいにすることができ)、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも使用性に優れた自転車を実現することができる。また、このように左右のクランクアーム間の間隔を小さくすることができるので、回転伝達機構を備えない自転車に使用される既存のクランク軸を使用することができ、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも経済性に優れた自転車を実現することができる。
(7)上記(5)の構成において、前記回転軸挿通孔の少なくとも一部が、スプライン穴となっている。
上記(7)の好ましい構成によれば、電動アシスト自転車のクランク軸に同心状に固着されたスプラインに、当該スプライン穴を挿通することにより、電動アシスト自転車のクランク軸に回転伝達機構を装着することができる。そして、このように本発明の回転伝達機構を電動アシスト自転車のクランク軸に装着して使用することにより、運転者の疲労を格段に軽減することが可能となる。
(8)上記(1)〜(7)の構成において、内部回転部材のリング状とは、中央部分が空洞を形成した形状であって、当該空洞に、他の部材が配置される。
上記(8)の好ましい構成によれば、内部回転部材がリング状の形状によって、空洞を形成した部分に、他の部材、実施例では、クランク保持部、ボールベアリングや、モータ駆動ユニット、トルクセンサ等の、回転中心を貫く軸(クランク軸)近辺に配置される部材の一部または全部を配置することが可能となる。これによって、回転中心を貫く軸の長さを短くすることが可能となるため、仮に、回転伝達機構の厚み(回転中心を貫く軸方向の長さ)が長くなっても、空洞である凹所を活用することで、全体をコンパクト化することができる。
本発明に係る自転車の構成は、
(9)本発明の回転伝達機構の上記(5)〜(8)のいずれかの構成を備えたことを特徴とする。
本発明の自転車の上記(9)の構成によれば、自転車に使用可能な、上記のような作用効果を奏する回転伝達機構を備えているので、従来よりも使用性及び経済性に優れた自転車を提供することができる。
本発明によれば、従来よりも使用性及び経済性に優れた自転車等を実現することが可能な汎用性の高い回転伝達機構、及びそれを備えた自転車を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を示す外観斜視図である。 図2は、図1のII−II線矢視断面図(第一断面図)である。 図3は、図2のIII−III線矢視断面図(第二断面図)である。 図4は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構の外部回転部材の内部を示す透視斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を示す分解表面図である。 図6は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を、回転ブラシに使用した例を示す要部断面分解側面図である。 図7は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を、回転ブラシに使用した例を示す要部断面側面図である。 図8は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図である。 図9は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)された状態を示す表面図である。 図10は、本発明の実施の形態1における、扇風機に使用される回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図である(但し、扇風機の羽根は省略している)。 図11は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を、扇風機に使用した例を示す要部断面分解側面図である。 図12は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を、扇風機に使用した例を示す要部断面側面図である。 図13は、本発明の実施の形態2における回転伝達機構を示す外観斜視図である。 図14は、図13のXIV−XIV線矢視断面図(第一断面図)である。 図15は、図14のXV−XV線矢視断面図(第二断面図)である。 図16は、本発明の実施の形態2における回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部を省略した状態を示す表面図である。 図17は、本発明の実施の形態2における、風力発電装置に使用される回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図である(但し、風力発電装置の羽根は省略している)。 図18は、本発明の実施の形態2における回転伝達機構を、風力発電装置に使用した例を示す要部断面分解側面図である。 図19は、本発明の実施の形態2における回転伝達機構を、風力発電装置に使用した例を示す要部断面側面図である。 図20は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構を示す外観斜視図である。 図21は、図20のXXI−XXI線矢視断面図(第一断面図)である。 図22は、図21のXXII−XXII線矢視断面図(第二断面図)である。 図23は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構の外部回転部材の内部を示す透視斜視図である。 図24は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構を示す分解表面図である。 図25は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構を、自転車に使用した例を示す要部断面平面図である。 図26は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図である。 図27は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)された状態を示す表面図である。 図28は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構の他の構成を示す第二断面図である。 図29は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構のさらに他の構成を示す第一断面図である。 図30は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構のさらに他の構成を示す第二断面図である。 図31は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構のさらに他の構成を示す第二断面図である。 図32は、本発明の実施の形態4における回転伝達機構を示す第一断面図である。 図33は、本発明の実施の形態4における回転伝達機構を示す第二断面図である。 図34は、本発明の実施の形態4における回転伝達機構を、電動アシスト自転車に使用した例を示す要部断面分解平面図である。 図35は、本発明の実施の形態4における回転伝達機構を、電動アシスト自転車に使用した例を示す要部断面平面図である。
以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施の形態1]
(回転伝達機構の構成)
まず、本発明の実施の形態1における回転伝達機構の構成について、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を示す外観斜視図、図2は、図1のII−II線矢視断面図(第一断面図)、図3は、図2のIII−III線矢視断面図(第二断面図)、図4は、当該回転伝達機構の外部回転部材の内部を示す透視斜視図、図5は、当該回転伝達機構を示す分解表面図である。
図1〜図5に示すように、本実施の形態の回転伝達機構100は、内部回転部材300と、内部回転部材300に回動自在に配設される外部回転部材400と、を備えている。
内部回転部材300は、円筒リング状の内部回転部材本体300aと、当該内部回転部材本体300aに一体形成され当該内部回転部材本体300aの外周側に突出する4つの外周凸部300dと、を備えている。
尚、外周凸部300dの厚みは、内部回転部材本体300aの幅よりも小さくなっている。そして、これにより、内部回転部材本体300aの裏面側と表面側の両端に、外部回転部材400の後述する側板部400a及びカバー部400cをそれぞれ挿設するための低背円筒状の凸部300e,300fが形成されている。
外部回転部材400は、内部回転部材300の外周凸部300dの側部位置で内部回転部材本体300aの凸部300eに回動自在に挿設される側板部400aと、内部回転部材300の外周凸部300dの外側で内部回転部材本体300aと同心円状に側板部400aの外周に立設される外筒部400bと、側板部400aと対向して外筒部400bの開口部に覆設され内部回転部材本体300aの凸部300fに回動自在に挿設されるカバー部400cと、を備えている。
また、外部回転部材400は、外筒部400bの内周側に突出するように当該外筒部400bに一体形成され内部回転部材300の外周凸部300dと交互に配置される4つの内周凸部400dを備えている。
以上のように、本実施の形態の回転伝達機構100は、外部回転部材400を含めてリング状の外観形状を有している(特に、図1を参照)。より具体的には、本実施の形態の回転伝達機構100は、中央部分が空洞のリング状に形成されている。
回転伝達機構100は、次のような手順で組み立てられる。ここで、外部回転部材400の外筒部400bは、側板部400aと一体に形成されているものとする(図5(a)を参照)。
まず、図2,図3,図5に示すように、内部回転部材300の裏面側の凸部300eを、外部回転部材400の側板部400aの表面側から当該側板部400aの挿通孔400eに挿通することにより、内部回転部材300を外部回転部材400内に配置する。すなわち、図5(b)の内部回転部材300を、図5(a)の外部回転部材400内に組み込む。次いで、図1,図3,図5に示すように、内部回転部材300の表面側の凸部300fにカバー部400cの挿通孔400fを挿通し、当該カバー部400cを、外部回転部材400の外筒部400bの表面にネジ留め固定する。
図2に示すように、外周凸部300dと当該外周凸部300dの回転方向側の内周凸部400dとの間には、合成ゴム製の楕円球状の弾性変形部600が3個ずつ配設されており、内部回転部材300と外部回転部材400が相対的に回転する際に、弾性変形部600が、外周凸部300dと内周凸部400dの間に挟まれて弾性変形(圧縮変形)するようにされている。ここで、弾性変形部600の側方への変形は、外部回転部材400の側板部400aとカバー部400cとにより阻止され、これにより、入力されるエネルギーの一部を弾性変形部600に効率的に蓄力することが可能となる。
この場合、外周凸部300dと当該外周凸部300dの回転方向と反対側の内周凸部400dとの間に、合成ゴム製等の弾性緩衝部を配設することが望ましい。かかる構成によれば、外周凸部300dが内周凸部400dと直接、接触することを防止することができ、正転時及び逆転時の騒音の発生を防ぐことができる。尚、弾性緩衝部は、外周凸部300dと内周凸部400dとの間に配置してもよく、外周凸部300d又は内周凸部400dに貼り付けるようにしてもよい。
図2の回転伝達機構100によれば、全体がリング状の形態であって、中心部分は空洞となっている。したがって、直径が長い部分だけに弾性体があり、テコの原理で、同じ弾性体でも小半径の位置よりも大きなトルクを発する。したがって、弾性体の量を削減して簡易化・軽量化つつ、最大の効果を奏することができる。
本実施の形態の回転伝達機構100の構成によれば、中央部分が空洞のリング状に形成されているので、回転伝達機構単体としての軽量化及び低コスト化を図ることができる。また、シンプルな構成となることにより、メンテナンス的にも有利となる。さらに、回転駆動部や被回転体への接続部分をある程度自由に設計することが可能となるので、汎用性の高い回転伝達機構を提供することができる(図7,図12,図19,図25,図35等を参照)。また、空洞部分に種々の部品や部材等を配置することが可能となるので、応用の幅を広げることもできる。
(回転伝達機構の使用例)
次に、本実施の形態における回転伝達機構100の使用例について、図6〜図9をも参照しながら説明する。
図6は、本発明の実施の形態1における回転伝達機構を、回転ブラシに使用した例を示す要部断面分解側面図、図7は、当該回転伝達機構を、回転ブラシに使用した例を示す要部断面側面図、図8は、当該回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図、図9は、当該回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)された状態を示す表面図である。
図6に示すように、回転ブラシに使用される回転伝達機構100には、内部回転部材300の表面側の面(凸部300f)にネジ孔300gが設けられ、かつ、外部回転部材400の裏面側の面(側板部400a)にネジ孔400gが設けられている。
図6,図7に示すように、回転ブラシのモータ回転軸200の先端には、円板状の取付部材500が固着されており、当該取付部材500には回転伝達機構100の内部回転部材300の表面側の面(凸部300f)がネジ留め固定されている。
また、回転伝達機構100の外部回転部材400の裏面側の面(側板部400a)には、円盤状のブラシ700がネジ留め固定されている。
このように、本実施の形態の回転伝達機構100は、回転ブラシの、モータ回転軸200とブラシ700との間に組み込まれている。
以上のようにして、回転ブラシの、モータ回転軸200とブラシ700との間に組み込まれた回転伝達機構100の動作について、図7〜図9を参照しながら説明する。
図7において、ユーザが回転ブラシのモータ(図示せず)を駆動させると、内部回転部材本体300aの外周に突設された外周凸部300dが、取付部材500を介してモータ回転軸200と共に図7,図8の矢印aの方向に回転する。
そして、モータ回転軸200が回転して、外周凸部300dが内周凸部400dに近づくと、弾性変形部600が、外周凸部300dと内周凸部400dの間に挟まれることによって圧縮され、入力エネルギーの一部が弾性変形部600に蓄えられる。
モータ回転軸200の回転の初期(図8→図9)では弾性変形部600が弾性変形するが、変形後は、モータ回転軸200の回転力が外周凸部300dから内周凸部400dに伝達され、モータ回転軸200からブラシ700までが略一体となって回転し、当該ブラシ700によって洗浄や研磨が行われる。
弾性変形(圧縮変形)された弾性変形部600は、モータからの入力が途切れたり弱まったりした時に復元し、復元エネルギーとして内周凸部400dを押圧して、外部回転部材400及びブラシ700を回転方向aの方向に回転させる。すなわち、弾性変形部600の圧縮(弾性)エネルギーが、回転エネルギーに変換されて、回転ブラシの回転力として利用される。
通常の回転ブラシにおいては、ブラシを回転させるためにモータ回転軸を回転駆動させる場合、始動初期時に大きなエネルギーを必要とする。
これに対し、モータ回転軸200とブラシ700との間に本実施の形態の回転伝達機構100が組み込まれた回転ブラシにおいては、モータ回転軸200を回転駆動させると(入力)、まず、内部回転部材本体300aの外周に突設された外周凸部300dが回転を始め、次いで、外周凸部300dと当該外周凸部300dの回転方向側の内周凸部400dとの間に配設された弾性変形部600が圧縮変形され、弾性変形部600の圧縮後に外部回転部材400の内周凸部400dにエネルギーが伝達され、そこで外部回転部材400が回転を始める(出力)。モータの始動初期時においての大きな抵抗は大きなエネルギーを必要とする。しかし、本実施の形態の回転ブラシにおいては、入力から出力までにタイムラグがあることにより、このタイムラグがモータを空回りさせ、回転慣性が生じるため、モータの始動初期時に生じる過大なエネルギーの損失を抑えることができる。
尚、本実施の形態においては、内部回転部材本体が円筒リング状の内部回転部材本体300aである場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。内部回転部材本体は、例えば、断面円形あるいは断面楕円形のリング状に形成されていてもよい。また、外周凸部や内周凸部も、丸みを帯びたものにすることができる。
また、本実施の形態においては、外周凸部300dと内周凸部400dを4つずつ設けた場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外周凸部300dと内周凸部400dの数は、それぞれ1つ又は複数であればよいが、弾性変形部600が蓄えた力を円周方向に伝えるためには、外周凸部300dと内周凸部400dの数は、4つ以上であることが望ましく、また、弾性変形部600の体積を十分に確保するためには、外周凸部300dと内周凸部400dの数は、8つ以下であることが望ましい。
また、本実施の形態においては、外周凸部300dが内部回転部材本体300aに一体形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外周凸部は、内部回転部材本体に固設されていてもよい。
また、本実施の形態においては、内周凸部400dが外筒部400bに一体形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。内周凸部は、側板部に一体形成されていてもよく、側板部及び/又は外筒部に固設されていてもよい。
また、本実施の形態においては、外周凸部300dの厚みを内部回転部材本体300aの幅よりも小さくすることにより、内部回転部材本体300aの両端に、外部回転部材400の側板部400a及びカバー部400cをそれぞれ挿設するための低背円筒状の凸部300e,300fが形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外部回転部材400の側板部400a及びカバー部400cをそれぞれ挿設するための低背円筒状の凸部300e,300fを形成することは任意である。
また、本実施の形態においては、外周凸部300dと当該外周凸部300dの回転方向側の内周凸部400dとの間に、3個の弾性変形部600が配設されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。弾性変形部の個数は、1個であっても2個であっても4個以上であってもよい。また、弾性変形部の形状も楕円球状に限定されるものではなく、あらゆる形状の弾性変形部を用いることができる。
また、本実施の形態においては、弾性変形部が合成ゴム製の弾性変形部600である場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。弾性変形部は、内部回転部材300と外部回転部材400が相対的に回転する際に弾性変形(圧縮変形)し、変形後は内部回転部材300と外部回転部材400の間で回転を伝達できるものであればよく、弾性変形部の変形量、弾性率などは、使用者の好みに応じて、適宜、選択することができる。弾性変形部としては、合成ゴムの他に、例えば、外周凸部300dと内周凸部400dの間に封入される気体などを用いることもできる。
また、本実施の形態においては、回転ブラシに使用される回転伝達機構100を例に挙げて説明したが、本発明の回転伝達機構は必ずしもかかる用途に限定されるものではない。本発明の回転伝達機構は、被回転体を回転駆動するための回転駆動部を有する装置、例えば、扇風機や丸鋸盤等に使用することもでき、同様の作用効果を得ることができる。
ここで、一例として、扇風機に使用される回転伝達機構、及び、扇風機について、図10〜図12を参照しながら説明する。
図10は、本発明の実施の形態1における、扇風機に使用される回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図である(但し、扇風機の羽根は省略している)、図11は、当該回転伝達機構を、扇風機に使用した例を示す要部断面分解側面図、図12は、当該回転伝達機構を、扇風機に使用した例を示す要部断面側面図である。
図10に示すように、扇風機に使用される回転伝達機構100においては、内部回転部材300の円筒リング状の内部回転部材本体300aの内周面に、軸方向に沿って複数の凸条300hが等間隔で形成されている(図11を参照)。また、回転伝達機構100の外部回転部材400の外筒部400bの外周面には、扇風機の羽根800が固着されている(図11,図12を参照)。一方、図11に示すように、扇風機のモータ回転軸900の先端部分の外周面には、軸方向に沿って、上記凸条300hが嵌る複数の凹溝900aが等間隔で形成されている。また、扇風機のモータ回転軸900の先端には、後述するスピンナー950が螺着される雄ネジ部900bが設けられている。
そして、図11,図12に示すように、回転伝達機構100における内部回転部材300の円筒リング状の内部回転部材本体300aを、扇風機のモータ回転軸900の先端部分に相対回転不能に挿通嵌合し(図11の矢印Aを参照)、かつ、回転伝達機構100の裏面側からスピンナー950を、モータ回転軸900の先端の雄ネジ部900bに螺着する(図11の矢印Bを参照)。
これにより、回転伝達機構100が、扇風機の、モータ回転軸900と羽根800との間に組み込まれた状態となる。
以上のようにして、扇風機の、モータ回転軸900と羽根800との間に組み込まれた回転伝達機構100の動作は、上記回転ブラシの場合とほぼ同じである。
また、本実施の形態においては、内部回転部材300側が入力側、外部回転部材400側が出力側である場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外部回転部材側を入力側、内部回転部材側を出力側とする構成であってもよい。
[実施の形態2]
(回転伝達機構の構成)
次に、本発明の実施の形態2における回転伝達機構の構成について、図13〜図16を参照しながら説明する。
図13は、本発明の実施の形態2における回転伝達機構を示す外観斜視図、図14は、図13のXIV−XIV線矢視断面図(第一断面図)、図15は、図14のXV−XV線矢視断面図(第二断面図)、図16は、当該回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部を省略した状態を示す表面図である。
図13〜図16に示すように、本実施の形態の回転伝達機構1000は、内部回転部材3000と、外部回転部材4000と、内部回転部材3000と外部回転部材4000との間に介在し、内部回転部材3000と外部回転部材4000の機能を兼ね備えた第1及び第2中間回転部材5000,6000と,を備えている。
内部回転部材3000は、円筒リング状の内部回転部材本体3000aと、当該内部回転部材本体3000aに一体形成され当該内部回転部材本体3000aの外周側に突出する4つの外周凸部3000dと、を備えている。
尚、外周凸部3000dの厚みは、内部回転部材本体3000aの幅よりも小さくなっている。そして、これにより、内部回転部材本体3000aの裏面側と表面側の両端に、第1中間回転部材5000の後述する側板部5000a及びカバー部5000cをそれぞれ挿設するための低背円筒状の凸部3000e,3000fが形成されている。これに関しては、第1及び第2中間回転部材5000,6000もほぼ同様の構成となっている。
第1中間回転部材5000は、内部回転部材3000の外周凸部3000dの側部位置で内部回転部材本体3000aの凸部3000eに回動自在に挿設される側板部5000aと、内部回転部材3000の外周凸部3000dの外側で内部回転部材本体3000aと同心円状に側板部5000aの外周に立設される第1中間回転部材本体5000bと、側板部5000aと対向して第1中間回転部材本体5000bの開口部に覆設され内部回転部材本体3000aの凸部3000fに回動自在に挿設されるカバー部5000cと、を備えている。
また、第1中間回転部材5000は、第1中間回転部材本体5000bの内周側に突出するように当該第1中間回転部材本体5000bに一体形成され内部回転部材3000の外周凸部3000dと交互に配置される4つの内周凸部5000dを備えている。
また、第1中間回転部材5000は、第1中間回転部材本体5000bに一体形成され当該第1中間回転部材本体5000bの外周側に突出する4つの外周凸部5000eを備えている。
第2中間回転部材6000は、第1中間回転部材5000の外周凸部5000eの側部位置で第1中間回転部材本体5000bの凸部5000fに回動自在に挿設される側板部6000aと、第1中間回転部材5000の外周凸部5000eの外側で第1中間回転部材本体5000bと同心円状に側板部6000aの外周に立設される第2中間回転部材本体6000bと、側板部6000aと対向して第2中間回転部材本体6000bの開口部に覆設され第1中間回転部材本体5000bの凸部5000gに回動自在に挿設されるカバー部6000cと、を備えている。
また、第2中間回転部材6000は、第2中間回転部材本体6000bの内周側に突出するように当該第2中間回転部材本体6000bに一体形成され第1中間回転部材5000の外周凸部5000eと交互に配置される4つの内周凸部6000dを備えている。
また、第2中間回転部材6000は、第2中間回転部材本体6000bに一体形成され当該第2中間回転部材本体6000bの外周側に突出する4つの外周凸部6000eを備えている。
外部回転部材4000は、第2中間回転部材6000の外周凸部6000eの側部位置で第2中間回転部材本体6000bの凸部6000fに回動自在に挿設される側板部4000aと、第2中間回転部材6000の外周凸部6000eの外側で第2中間回転部材本体6000bと同心円状に側板部4000aの外周に立設される外筒部4000bと、側板部4000aと対向して外筒部4000bの開口部に覆設され第2中間回転部材本体6000bの凸部6000gに回動自在に挿設されるカバー部4000cと、を備えている。
また、外部回転部材4000は、外筒部4000bの内周側に突出するように当該外筒部4000bに一体形成され第2中間回転部材6000の外周凸部6000eと交互に配置される4つの内周凸部4000dを備えている。
図14に示すように、外部回転部材4000の内周凸部4000dと当該内周凸部4000dの回転方向側の第2中間回転部材6000の外周凸部6000eとの間には、合成ゴム製の楕円球状の弾性変形部7000が3個ずつ配設されており、外部回転部材4000と第2中間回転部材6000が相対的に回転する際に、弾性変形部7000が、内周凸部4000dと外周凸部6000eの間に挟まれて弾性変形(圧縮変形)するようにされている。ここで、弾性変形部7000の側方への変形は、外部回転部材4000の側板部4000aとカバー部4000cとにより阻止され、これにより、入力されるエネルギーの一部を弾性変形部7000に効率的に蓄力することが可能となる。
この場合、内周凸部4000dと当該内周凸部4000dの回転方向と反対側の外周凸部6000eとの間に、合成ゴム製等の弾性緩衝部を配設することが望ましい。かかる構成によれば、内周凸部4000dが外周凸部6000eと直接、接触することを防止することができ、正転時及び逆転時の騒音の発生を防ぐことができる。尚、弾性緩衝部は、内周凸部4000dと外周凸部6000eとの間に配置してもよく、内周凸部4000d又は外周凸部6000eに貼り付けるようにしてもよい。
第2中間回転部材6000の内周凸部6000dと当該内周凸部6000dの回転方向側の第1中間回転部材5000の外周凸部5000eとの間には、合成ゴム製の楕円球状の弾性変形部8000が3個ずつ配設されており、第2中間回転部材6000と第1中間回転部材5000が相対的に回転する際に、弾性変形部8000が、内周凸部6000dと外周凸部5000eの間に挟まれて弾性変形(圧縮変形)するようにされている。ここで、弾性変形部8000の側方への変形は、第2中間回転部材6000の側板部6000aとカバー部6000cとにより阻止され、これにより、入力されるエネルギーの一部を弾性変形部8000に効率的に蓄力することが可能となる。
この場合、内周凸部6000dと当該内周凸部6000dの回転方向と反対側の外周凸部5000eとの間に、合成ゴム製等の弾性緩衝部を配設することが望ましい。かかる構成によれば、内周凸部6000dが外周凸部5000eと直接、接触することを防止することができ、正転時及び逆転時の騒音の発生を防ぐことができる。尚、弾性緩衝部は、内周凸部6000dと外周凸部5000eとの間に配置してもよく、内周凸部6000d又は外周凸部5000eに貼り付けるようにしてもよい。
第1中間回転部材5000の内周凸部5000dと当該内周凸部5000dの回転方向側の内部回転部材3000の外周凸部3000dとの間には、合成ゴム製の楕円球状の弾性変形部9000が3個ずつ配設されており、第1中間回転部材5000と内部回転部材3000が相対的に回転する際に、弾性変形部9000が、内周凸部5000dと外周凸部3000dの間に挟まれて弾性変形(圧縮変形)するようにされている。ここで、弾性変形部9000の側方への変形は、第1中間回転部材5000の側板部5000aとカバー部5000cとにより阻止され、これにより、入力されるエネルギーの一部を弾性変形部9000に効率的に蓄力することが可能となる。
この場合、内周凸部5000dと当該内周凸部5000dの回転方向と反対側の外周凸部3000dとの間に、合成ゴム製等の弾性緩衝部を配設することが望ましい。かかる構成によれば、内周凸部5000dが外周凸部3000dと直接、接触することを防止することができ、正転時及び逆転時の騒音の発生を防ぐことができる。尚、弾性緩衝部は、内周凸部5000dと外周凸部3000dとの間に配置してもよく、内周凸部5000d又は外周凸部3000dに貼り付けるようにしてもよい。
本実施の形態の回転伝達機構1000の構成によれば、内部回転部材3000と、外部回転部材4000と、内部回転部材3000と外部回転部材4000との間に介在し、内部回転部材3000と外部回転部材4000の機能を兼ね備えた第1及び第2中間回転部材5000,6000と、を備えており、弾性変形部の量を増やすことが可能となるので、弾性変形部全体に蓄力される圧縮(弾性)エネルギーを大幅に増やすことができる。
この回転伝達機構1000は、図2の回転伝達機構100と比べると、中心付近にも弾性体を詰め込んでいるので、重量やコストは増大するが、総合的なトルクは大きくなる。特許文献6と比べると、各径の弾性体の弾性係数が同じである場合、縮める際に、まず外側が縮み、順次、内側が縮むので、より大きな回転角でエネルギーを蓄えることができる。実施例では内側ほど弾性体を小さくしており、弾性体が配置されるギアの径と各弾性体の径とが比例関係にあるので、各位置の弾性体がほぼ同時に縮む。このように、図2の回転伝達機構100と図14の回転伝達機構1000は、構成・効果が異なる。
なお、弾性変形部9000、弾性変形部8000、弾性変形部7000の弾性力は、それぞれ異なっていてもよい。例えば、回転軸の中心に近づくにしたがって、弾性力が小さくなる、すなわち、弾性変形部9000の弾性力は、弾性変形部8000の弾性力よりも小さく、弾性変形部8000の弾性力は、弾性変形部7000よりも小さい。この場合、例えば、内部回転部材3000が回転するための入力エネルギーが小さくても、弾性変形部9000の弾力が小さいため、内部回転部材3000が回転し、弾性変形部9000が圧縮変形することでエネルギーをためて、第1中間回転部材5000を回転させるエネルギーに変換できる。
(回転伝達機構の使用例)
次に、本実施の形態における回転伝達機構1000の使用例について、図17〜図19をも参照しながら説明する。
図17は、本発明の実施の形態2における、風力発電装置に使用される回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図である(但し、風力発電装置の羽根は省略している)、図18は、当該回転伝達機構を、風力発電装置に使用した例を示す要部断面分解側面図、図19は、当該回転伝達機構を、風力発電装置に使用した例を示す要部断面側面図である。
図17に示すように、風力発電装置に使用される回転伝達機構1000においては、内部回転部材3000の円筒リング状の内部回転部材本体3000aの内周面に、軸方向に沿って複数の凸条3000gが等間隔で形成されている(図18を参照)。また、回転伝達機構1000の外部回転部材4000の外筒部4000bの外周面には、風力発電装置の羽根10000が固着されている(図18,図19を参照)。一方、図18に示すように、風力発電装置の動力伝達軸20000の先端部分の外周面には、軸方向に沿って、上記凸条3000gが嵌る複数の凹溝20000aが等間隔で形成されている。また、風力発電装置の動力伝達軸20000の先端には、後述するスピンナー30000が螺着される雄ネジ部20000bが設けられている。
そして、図18,図19に示すように、回転伝達機構1000における内部回転部材3000の円筒リング状の内部回転部材本体3000aを、風力発電装置の動力伝達軸20000の先端部分に相対回転不能に挿通嵌合し(図18の矢印Cを参照)、かつ、回転伝達機構1000の裏面側からスピンナー30000を、動力伝達軸20000の先端の雄ネジ部20000bに螺着する。なお、スピンナー30000の直径は、回転伝達機構1000の直径と同じ長さであることが、空力を得るため、すなわち、空気を効率的に集めるために望ましい。
これにより、回転伝達機構1000が、風力発電装置の、羽根10000と動力伝達軸20000との間に組み込まれた状態となる。
以上のようにして、風力発電装置の、羽根10000と動力伝達軸20000との間に組み込まれた回転伝達機構1000の動作について説明する。
図19において、風力発電装置に向けて風が吹くと、羽根10000が回転し、それに伴い、回転伝達機構1000における外部回転部材4000の内周凸部4000dが、図17の矢印bの方向に回転する。
そして、羽根10000が回転して、外部回転部材4000の内周凸部4000dが第2中間回転部材6000の外周凸部6000eに近づくと、弾性変形部7000が、外部回転部材4000の内周凸部4000dと第2中間回転部材6000の外周凸部6000eの間に挟まれることによって圧縮され、入力エネルギーの一部が弾性変形部7000に蓄えられる。
羽根10000の回転の初期では弾性変形部7000が弾性変形するが、変形後は、羽根10000の回転力が外部回転部材4000の内周凸部4000dから第2中間回転部材6000の外周凸部6000eに伝達され、羽根10000から第2中間回転部材6000までが略一体となって回転する。
次いで、第2中間回転部材6000が回転して、当該第2中間回転部材6000の内周凸部6000dが第1中間回転部材5000の外周凸部5000eに近づくと、弾性変形部8000が、第2中間回転部材6000の内周凸部6000dと第1中間回転部材5000の外周凸部5000eの間に挟まれることによって圧縮され、入力エネルギーの一部が弾性変形部8000に蓄えられる。
第2中間回転部材6000の回転の初期では弾性変形部8000が弾性変形するが、変形後は、第2中間回転部材6000の回転力が当該第2中間回転部材6000の内周凸部6000dから第1中間回転部材5000の外周凸部5000eに伝達され、第2中間回転部材6000から第1中間回転部材5000までが略一体となって回転する。
次いで、第1中間回転部材5000が回転して、当該第1中間回転部材5000の内周凸部5000dが内部回転部材3000の外周凸部3000dに近づくと、弾性変形部9000が、第1中間回転部材5000の内周凸部5000dと内部回転部材3000の外周凸部3000dの間に挟まれることによって圧縮され、入力エネルギーの一部が弾性変形部9000に蓄えられる。
第1中間回転部材5000の回転の初期では弾性変形部9000が弾性変形するが、変形後は、第1中間回転部材5000の回転力が当該第1中間回転部材5000の内周凸部5000dから内部回転部材3000の外周凸部3000dに伝達され、第1中間回転部材5000から内部回転部材3000までが略一体となって回転する。
そして、最終的には、羽根10000から動力伝達軸20000までが略一体となって回転し、この回転エネルギーが発電機によって電気エネルギーに変換される。
本実施の形態においては、風力発電装置の、羽根10000と動力伝達軸20000との間に組み込まれる回転伝達機構1000が、内部回転部材3000と、外部回転部材4000と、内部回転部材3000と外部回転部材4000との間に介在し、内部回転部材3000と外部回転部材4000の機能を兼ね備えた第1及び第2中間回転部材5000,6000と,を備えており、弾性変形部の量を増やすことが可能となるので、弾性変形部全体に蓄力される圧縮(弾性)エネルギーを大幅に増やすことができる。その結果、風が途切れたり弱くなったりした場合であっても、各層に配設された弾性変形部から順次開放される回転エネルギーにより、動力伝達軸20000を持続的に回転させて発電を行うことが可能となる。すなわち、本実施の形態の回転伝達機構1000を使用すれば、風の強さに大きく左右されることなく、安定した発電を行うことが可能な風力発電装置を実現することができる。
すなわち、風力発電は、一般的には、風がやめば発電機が止まる。一度、発電機のローターが止まると、静止摩擦が発生するので、再び回転させるためには、回り続けるよりも強い風が吹く必要がある。本実施例では、吹いていた風がやんでも、弾性体のエネルギーが解放されることで、その分だけ回転が継続される。したがって、風車が完全に止まる前に再び風が吹き始める確率が高くなる。また、本実施例では、発電機のローターと風車との間に弾性体が介在しているため、風車が止まった状態から、止まったローターが再び回り始めるには足りない程度の弱い風でも、風車だけが回り始めることができる。これによってローターに先立って風車だけが静止摩擦ではなく動摩擦となる。そして、回り始めた風車の弱い力でも、まず弾性体が縮み、エネルギーを蓄積しておくことができる。その後に、風が強くなることで、ローターの静止摩擦に打ち勝てば、発電を開始することができる。いわば、弾性体が風車とローターの間の「遊び」を作ることで、風車の回転開始と発電機の回転開始タイミングをずらし、回り始めた風車が、いわば助走をつけて発電機のローターを回し始めることができるのである。よって、従来よりも弱い風で発電を開始することができる。このように、より弱い風で回転し始め、より停止しにくい風力発電機とすることができ、風が弱い環境でも発電を継続しやすい風力発電装置を実現することができる。
尚、本実施の形態においては、内部回転部材3000と、外部回転部材4000と、内部回転部材3000と外部回転部材4000との間に介在し、内部回転部材3000と外部回転部材4000の機能を兼ね備えた第1及び第2中間回転部材5000,6000と,を備える回転伝達機構1000を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。中間回転部材の数は1つ又は複数であればよい。
また、本実施の形態においては、外部回転部材4000側が入力側、内部回転部材3000側が出力側である場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。内部回転部材側を入力側、外部回転部材側を出力側とする構成であってもよい。そして、この場合には、当該回転伝達機構を、例えば、扇風機や丸鋸盤等に使用することもでき、同様の作用効果を得ることができる。
[実施の形態3]
(回転伝達機構の構成)
次に、本発明の実施の形態3における回転伝達機構の構成について、図20〜図24を参照しながら説明する。
図20は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構を示す外観斜視図、図21は、図20のXXI−XXI線矢視断面図(第一断面図)、図22は、図21のXXII−XXII線矢視断面図(第二断面図)、図23は、当該回転伝達機構の外部回転部材の内部を示す透視斜視図、図24は、当該回転伝達機構を示す分解表面図である。
図20〜図24に示すように、本実施の形態の回転伝達機構1は、例えば自転車のクランク軸等の回転軸に挿通される内部回転部材3と、内部回転部材3に回動自在に配設される外部回転部材4と、を備えている。
内部回転部材3は、円筒リング状の内部回転部材本体3aと、内部回転部材本体3aの内周側に一体的に設けられ、当該内部回転部材本体3aを支持する円板状の内部回転部材本体支持体3bと、内部回転部材本体支持体3bの中央に形成され、自転車のクランク軸2(図25〜図27を参照)が挿通される四角筒状のクランク軸挿通孔3cと、を備えている。ここで、内部回転部材本体支持体3bは、内部回転部材本体3aの軸方向の中心に位置している。
また、内部回転部材3は、内部回転部材本体3aに一体形成され当該内部回転部材本体3aの外周側に突出する4つの外周凸部3dを備えている。
尚、外周凸部3dの厚みは、内部回転部材本体3aの幅よりも小さくなっている。そして、これにより、内部回転部材本体3aの裏面側と表面側の両端に、外部回転部材4の後述する側板部4a及びカバー部4cをそれぞれ挿設するための低背円筒状の凸部3e,3fが形成されている。
外部回転部材4は、内部回転部材3の外周凸部3dの側部位置で内部回転部材本体3aの凸部3eに回動自在に挿設される側板部4aと、内部回転部材3の外周凸部3dの外側で内部回転部材本体3aと同心円状に側板部4aの外周に立設される外筒部4bと、側板部4aと対向して外筒部4bの開口部に覆設され内部回転部材本体3aの凸部3fに回動自在に挿設されるカバー部4cと、を備えている。
また、外部回転部材4は、外筒部4bの内周側に突出するように当該外筒部4bに一体形成され内部回転部材3の外周凸部3dと交互に配置される4つの内周凸部4dを備えている。
さらに、外部回転部材4の側板部4aの外面には、チェーンリング5が固設されている。
回転伝達機構1は、次のような手順で組み立てられる。ここで、外部回転部材4の外筒部4bは、側板部4aと一体に形成されており、チェーンリング5は、外部回転部材4の側板部4aの外面に最初から固設されているものとする(図24(a)を参照)。
まず、図21,図22,図24に示すように、内部回転部材3の裏面側の凸部3eを、外部回転部材4の側板部4aの表面側から当該側板部4aの挿通孔4eに挿通することにより、内部回転部材3を外部回転部材4内に配置する。すなわち、図24(b)の内部回転部材3を、図24(a)の外部回転部材4内に組み込む。次いで、図20,図22,図24に示すように、内部回転部材3の表面側の凸部3fにカバー部4cの挿通孔4fを挿通し、当該カバー部4cを、外部回転部材4の外筒部4bの表面にネジ留め固定する。
図21に示すように、外周凸部3dと前進する際の当該外周凸部3dの回転方向側の内周凸部4dとの間には、合成ゴム製の楕円球状の弾性変形部6が3個ずつ配設されており、内部回転部材3と外部回転部材4が相対的に回転する際に、弾性変形部6が、外周凸部3dと内周凸部4dの間に挟まれて弾性変形(圧縮変形)するようにされている。ここで、弾性変形部6の側方への変形は、外部回転部材4の側板部4aとカバー部4cとにより阻止され、これにより、入力されるエネルギーの一部を弾性変形部6に効率的に蓄力することが可能となる。
この場合、外周凸部3dと前進する際の当該外周凸部3dの回転方向と反対側の内周凸部4dとの間に、合成ゴム製等の弾性緩衝部を配設することが望ましい。かかる構成によれば、外周凸部3dが内周凸部4dと直接、接触することを防止することができ、正転時及び逆転時の騒音の発生を防ぐことができる。尚、弾性緩衝部は、外周凸部3dと内周凸部4dとの間に配置してもよく、外周凸部3d又は内周凸部4dに貼り付けるようにしてもよい。
図20,図22に示すように、本実施の形態の回転伝達機構1において、内部回転部材本体支持体3bの厚みは、内部回転部材本体3aの幅よりも小さくなっている。これにより、回転伝達機構1の内部回転部材3の表面側と裏面側の両面に、円筒状の凹所3i,3jがそれぞれ形成されている。
そして、特に内部回転部材3の表面側の面に凹所3iを形成することにより、後述する図25に示すように、右側のクランクアーム9bの固定端を凹所3i内に位置させた状態で、当該クランクアーム9bの固定端をクランク軸2に固定することが可能となる。その結果、「従来の回転伝達機構」を使用する場合に比べて、左右のクランクアーム9a,9b間の間隔を小さくすることが可能となり(回転伝達機構を備えない自転車の場合の、左右のクランクアーム間の間隔と同じくらいにすることが可能となり)、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも使用性に優れた自転車等を実現することができる。また、このように左右のクランクアーム9a,9b間の間隔を小さくすることができるので、回転伝達機構を備えない自転車に使用される既存のクランク軸2を使用することが可能となり、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも経済性に優れた自転車等を実現することができる。
また、内部回転部材本体3aの厚みや外周凸部3dの高さ等を調整することにより、回転伝達機構1の回転時における遠心力を調整することができるので、回転の慣性力を調整することができる。
(回転伝達機構の使用例)
次に、本実施の形態における回転伝達機構1の使用例について、図25〜図27をも参照しながら説明する。
図25は、本発明の実施の形態3における回転伝達機構を、自転車に使用した例を示す要部断面平面図、図26は、当該回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)される前の状態を示す表面図、図27は、当該回転伝達機構の、カバー部を取り外した状態で、かつ、弾性変形部が弾性変形(圧縮変形)された状態を示す表面図である。
図25に示すように、回転軸としての自転車のクランク軸2は、自転車のフレームと一体のクランク軸保持部7に左右のボールベアリング8a,8bを介して回動自在に保持されている。クランク軸2の右側端部には、内部回転部材3のクランク軸挿通孔3c(図22を参照)を挿通して固定することにより、回転伝達機構1が装着されている。また、クランク軸2の左右両端には、クランクアーム9a,9bが互いに180度の位相差をもって固定されている。図25中、参照符号10は、クランク軸2にクランクアーム9a,9bの固定端を固定するためのクランクアーム固定部材である。クランク軸2は、内部回転部材3のクランク軸挿通孔3cの四角筒と嵌合しており、両者は一体的に回転する。
クランクアーム9a,9bの自由端には、回動自在なペダル(図示せず)が配設されている。
ここで、右側のクランクアーム9bの固定端は、凹所3i内に位置させた状態でクランク軸2に固定されている。その結果、「従来の回転伝達機構」を使用する場合に比べて、左右のクランクアーム9a,9b間の間隔が小さくなり(回転伝達機構を備えない自転車の場合の、左右のクランクアーム間の間隔と同じくらいになり)、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも使用性に優れた自転車が実現される。また、このように左右のクランクアーム9a,9b間の間隔が小さくなるので、回転伝達機構を備えない自転車に使用される既存のクランク軸2を使用することが可能となり、「従来の回転伝達機構」を備えた自転車の場合よりも経済性に優れた自転車が実現される。
クランクアーム9bの固定端を、凹所3i内に位置させる関係上、リング状の内部回転部材本体3aの内径(半径)は、クランクアーム9bの固定端と自由端のネジ孔間の長さの約0.3〜約0.6倍であることが望ましい。通常、クランクアーム9bの固定端と自由端のネジ孔間の長さは、16.5cmであり、従って、リング状の内部回転部材本体3aの内径(半径)は、約5〜約10cmであることが望ましい。
以上のようにして自転車のクランク軸2に装着された回転伝達機構1の動作について、図25〜図27を参照しながら説明する。
図25において、運転者がクランクアーム9a,9bの自由端に配設されたペダル(図示せず)を踏むと、内部回転部材本体3aの外周に突設された外周凸部3dが、内部回転部材本体支持体3bを介してクランク軸2と共に図26,図27の矢印cの方向に回転する。
そして、クランク軸2が回転して、外周凸部3dが内周凸部4dに近づくと、弾性変形部6が、外周凸部3dと内周凸部4dの間に挟まれることによって圧縮され、入力エネルギーの一部が弾性変形部6に蓄えられる。
クランク軸2の回転の初期(図26→図27)では弾性変形部6が弾性変形するが、変形後は、クランク軸2の回転力が外周凸部3dから内周凸部4dに伝達され、クランク軸2からチェーンリング5までが略一体となって回転し、チェーンリング5に張設されたチェーン(図示せず)によって後輪側のスプロケットへと確実に回転が伝達される。
弾性変形(圧縮変形)された弾性変形部6は、ペダルからの入力が途切れたり弱まったりした時に復元し、復元エネルギーとして内周凸部4dを押圧して、外部回転部材4及びチェーンリング5を進行方向に回転させる。すなわち、弾性変形部6の圧縮(弾性)エネルギーが、回転エネルギーに変換されて、自転車の推進力として利用される。
従来の特許文献6では、回転伝達機構の厚さにより、クランク軸の長さを長くする必要が生じることがあり、標準的なクランク軸を使用することができなかった。さらに、クランクアームの形状を左右非対称とする、すなわち、回転伝達機構を有する側のクランクアームと、有しない側のクランクアームの形状を変えて、結果的に、左右のペダル位置を左右対称にしていた。しかし、この回転伝達機構1では、図25に示すように、右側のクランクアーム9bの固定端を凹所3i内に位置させているため、クランク軸を特別に長くする必要がなく、標準的なクランク軸2を使用することが可能となる。さらに、クランクアーム9a、9bも、左右同一で使用することができる。
ここで、左側のクランクアーム9aは、クランクアーム固定部材10がクランク軸2に固定されている端部から、クランク軸2の中心方向に向かって、クランクアーム9aの内側端部までの距離(D)は、2cm以上である。したがって、右側のクランクアーム9bの固定端を凹所3i内に位置させる場合の奥行きは、2cm未満であることが望ましい。
尚、本実施の形態においては、内部回転部材本体が円筒リング状の内部回転部材本体3aである場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。内部回転部材本体は、例えば、断面円形あるいは断面楕円形のリング状に形成されていてもよい。また、外周凸部や内周凸部も、丸みを帯びたものにすることができる。
また、本実施の形態においては、内部回転部材本体支持体3bが、内部回転部材本体3aの軸方向の中心に位置している場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
内部回転部材本体支持体3bは、内部回転部材本体3aの軸方向の中心から内部回転部材3の表面側あるいは裏面側にずれていてもよい。すなわち、凹所3iがほぼ存在しない程度に、内部回転部材本体支持体3bがチェーンリング5側に位置していてもよい。図28には、内部回転部材本体支持体3bが、内部回転部材本体3aの軸方向の中心から内部回転部材3の裏面側にずれている場合を示している。
ここで、チェーンリング5の端部(図25では左端部)が、クランク軸2を支える自転車のフレームの端部(図25では右端部)と干渉してしまう場合があり得る。この場合は、凹所3jにより、この干渉を解消できる。このような場合、凹所3jを設けず、チェーンリング5を、図25のように、中心より(左端部)ではなく、逆方向(右端部)に、配置することで干渉を回避する方法がある。しかし、その場合は、自転車の利用者のズボン等の衣服をチェーンの油で汚してしまうという課題がある。このような理由からも、凹所3jは有用である。これは、図31に示す外部回転部材4であっても同様である。すなわち、外部回転部材4であっても、凹所3jにより、クランク保持部7の一部やボールベアリング8bを、凹所3jの中に配置し、スペースを有効に活用できる。
内部回転部材本体支持体3bを、内部回転部材本体3aの軸方向の中心から内部回転部材3の表面側あるいは裏面側にずらすことにより、左右のクランクアーム9a,9b間の間隔を適切に調整することが可能となるので、回転伝達機構を備えた自転車の、さらなる使用性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態においては、内部回転部材本体支持体が円板状の内部回転部材本体支持体3bである場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。内部回転部材本体支持体は、その中央にクランク軸挿通孔3c等の回転軸挿通孔を有していればよく、例えば図29に示すように、平板十字状の内部回転部材本体支持体3gを用いてもよい。
また、本実施の形態においては、内部回転部材本体支持体3bが内部回転部材本体3aに一体的に設けられている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。内部回転部材本体支持体としては、例えば図30に示すように、内部回転部材本体3aにネジ留め固定される構成の内部回転部材本体支持体3hを用いてもよい。
また、本実施の形態においては、外周凸部3dと内周凸部4dを4つずつ設けた場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外周凸部3dと内周凸部4dの数は、それぞれ1つ又は複数であればよいが、弾性変形部6が蓄えた力を円周方向に伝えるためには、外周凸部3dと内周凸部4dの数は、4つ以上であることが望ましく、また、弾性変形部6の体積を十分に確保するためには、外周凸部3dと内周凸部4dの数は、8つ以下であることが望ましい。
また、本実施の形態においては、外周凸部3dが内部回転部材本体3aに一体形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外周凸部は、内部回転部材本体に固設されていてもよい。
また、本実施の形態においては、内周凸部4dが外筒部4bに一体形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。内周凸部は、側板部に一体形成されていてもよく、側板部及び/又は外筒部に固設されていてもよい。
また、本実施の形態においては、外周凸部3dの厚みを内部回転部材本体3aの幅よりも小さくすることにより、内部回転部材本体3aの両端に、外部回転部材4の側板部4a及びカバー部4cをそれぞれ挿設するための低背円筒状の凸部3e,3fが形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外部回転部材4の側板部4a及びカバー部4cをそれぞれ挿設するための低背円筒状の凸部3e,3fを形成することは任意である。
また、本実施の形態においては、外周凸部3dと前進する際の当該外周凸部3dの回転方向側の内周凸部4dとの間に、3個の弾性変形部6が配設されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。弾性変形部の個数は、1個であっても2個であっても4個以上であってもよい。また、弾性変形部の形状も楕円球状に限定されるものではなく、あらゆる形状の弾性変形部を用いることができる。
また、本実施の形態においては、弾性変形部が合成ゴム製の弾性変形部6である場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。弾性変形部は、内部回転部材3と外部回転部材4が相対的に回転する際に弾性変形(圧縮変形)し、変形後は内部回転部材3と外部回転部材4の間で回転を伝達できるものであればよく、弾性変形部の変形量、弾性率などは、使用者の好みに応じて、適宜、選択することができる。弾性変形部としては、合成ゴムの他に、例えば、外周凸部3dと内周凸部4dの間に封入される気体などを用いることもできる。
また、本実施の形態においては、自転車に使用される回転伝達機構1を例に挙げて説明したが、本発明の回転伝達機構は必ずしもかかる用途に限定されるものではない。本発明の回転伝達機構は、車輪を有する機構、例えば、土木用一輪車、車椅子、人力車、リヤカー等に用いることもでき、同様の作用効果を得ることができる。
また、この場合、外部回転部材4の側板部4aの外面にチェーンリング5が固設されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
例えば図31に示すように、外部回転部材4の外筒部4bの外周に、チェーンリングを固定するための4つのチェーンリング固定部4gを形成し、当該チェーンリング固定部4gにチェーンリング11をネジ留め固定するようにしてもよい。
このように外部回転部材4がチェーンリング固定部4gを有するようにすれば、簡便にチェーンリングの交換を行ってギヤ比を変更することができるので、メンテナンス性、汎用性に優れたものとすることができる。
また、本実施の形態においては、内部回転部材3側が入力側、外部回転部材4側が出力側である場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。外部回転部材側を入力側、内部回転部材側を出力側とする構成であってもよい。
[実施の形態4]
(回転伝達機構の構成)
次に、本発明の実施の形態4における回転伝達機構の構成について、図32,図33を参照しながら説明する。
図32は、本発明の実施の形態4における回転伝達機構を示す第一断面図、図33は、当該回転伝達機構を示す第二断面図である。
図32,図33に示す本実施の形態の回転伝達機構12は、上記実施の形態3の回転伝達機構1(図21,図22等を参照)と比較すると、内部回転部材の構成のみが異なっている。このため、上記実施の形態1の回転伝達機構1の構成部材と同じ構成部材には同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
図32,図33に示すように、本実施の形態の回転伝達機構12の内部回転部材3’は、円筒リング状の内部回転部材本体3aと、内部回転部材本体3aの内周側に一体的に設けられ、当該内部回転部材本体3aを支持する円板状の内部回転部材本体支持体3bと、内部回転部材本体支持体3bの中央に貫通して形成されたスプライン穴3’cと、を備えている。
(回転伝達機構の使用例)
次に、本実施の形態における回転伝達機構12の使用例について、図34,図35をも参照しながら説明する。
図34は、本発明の実施の形態4における回転伝達機構を、電動アシスト自転車に使用した例を示す要部断面分解平面図、図35は、当該回転伝達機構を、電動アシスト自転車に使用した例を示す要部断面平面図である。
本実施の形態の回転伝達機構12は、電動アシスト自転車のクランク軸に装着して使用される。
図34,図35に示すように、電動アシスト自転車のモータ駆動ユニット13には、左右に貫通した状態で回転軸としてのクランク軸14が回動自在に保持されている。クランク軸14の右側端部には、内部回転部材3’のスプライン穴3’cと嵌合するスプライン14aがクランク軸14と同心状に固着されており、当該スプライン14aに内部回転部材3’のスプライン穴3’cを挿通することにより、クランク軸14の右側端部に回転伝達機構12が装着されている。また、クランク軸14の左右両端には、クランクアーム15a,15bが互いに180度の位相差をもって固定されている。図34,図35中、参照符号16は、クランク軸14にクランクアーム15a,15bの固定端を固定するためのクランクアーム固定部材である。
クランクアーム15a,15bの自由端には、回動自在なペダル(図示せず)が配設されている。
モータ駆動ユニット13内には、クランク軸14の近傍に位置してトルクセンサが配設されており、ペダルからの踏力による人力駆動力を、当該トルクセンサによって検出できるようにされている。そして、トルクセンサによる検出結果に応じてモータが駆動し、クランク軸14の回転をアシストできるようにされている(補助駆動力)。
本実施の形態の回転伝達機構12においても、内部回転部材3’の表面側と裏面側の両面に、円筒状の凹所3i,3jがそれぞれ形成されているので、上記実施の形態3の場合と同様の効果を得ることができる。
以上のようにして電動アシスト自転車のクランク軸14に装着された回転伝達機構12の動作は、上記実施の形態3の場合とほぼ同じである。但し、上記実施の形態3の場合と異なり、ペダルからの踏力による人力駆動力がトルクセンサによって検出され、人力駆動力に対応したモータの補助駆動力(アシスト力)が加えられる。これにより、急な坂道でも楽に走行することが可能となる。そして、このように本発明の回転伝達機構を電動アシスト自転車のクランク軸に装着して使用することにより、運転者の疲労を格段に軽減することが可能となる。
尚、本実施の形態においては、トルクセンサがモータ駆動ユニット13内に設けられている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。トルクセンサは、クランクアーム15a,15bに設けるようにしてもよい。
クランク15は、鉄などの金属で形成された剛体であるが、踏み込んだ力によって僅かではあるが変形する。この変形の大きさを検知することでトルクを検知することができる。
そして、このような構成とすることにより、トルクセンサをモータ駆動ユニット13内に設けた場合と比較して、弾性変形部の復元エネルギーの影響を排除した、運転者の踏み込みのトルクのみを抽出して検知することができるので、運転者の動きに対するレスポンスをさらに向上させることができる。例えば、自転車を漕いでいる際に急ブレーキを掛ける必要に迫られた場合、トルクセンサがモータ駆動ユニット13内に配置されていると、漕ぐのを止めてブレーキを掛けたとしても、弾性変形部が元に戻るまでは、復元エネルギーに起因するトルクを検知してしまうため、モータの停止が僅かに遅延することになる。トルクセンサを、クランクアーム15a,15bのような、回転伝達機構と足との間に配置することにより、脚力に起因するトルクのみを検知することができるので、安全性が向上する。但し、クランクアームの変形を検知するトルクセンサは高価であり、かつ、左右のクランクアームの両方に設置する必要があるため、コストが増大する。トルクセンサをモータ駆動ユニット13内に設けるようにすることにより、安価なトルクセンサを1つ採用すれば足りるので、低コスト化を図ることができる。
回転伝達機構12は、トルクセンサやモータ駆動ユニット13の一部を凹所3jの中に配置することで、クランク軸の長さを短くすることが可能であり、スペースを有効に活用できる。
また、本実施の形態においては、内部回転部材本体支持体3bの中央に貫通して形成されたスプライン穴3’cを備えている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。スプライン穴は、回転軸挿通孔の裏面側の少なくとも一部に形成されていればよい。
また、本実施の形態においては、電動アシスト自転車に使用される回転伝達機構12を例に挙げて説明したが、本発明の回転伝達機構は必ずしもかかる用途に限定されるものではない。本発明の回転伝達機構は、車輪を有する機構、例えば、通常の自転車、土木用一輪車、車椅子、人力車、リヤカー等に用いることもでき、同様の作用効果を得ることができる。
1,12,100,1000 回転伝達機構
2,14 クランク軸(回転軸)
3,3’,300,3000 内部回転部材
3a,300a,3000a 内部回転部材本体
3b,3g,3h 内部回転部材本体支持体
3c クランク軸挿通孔
3’c スプライン穴
3d,300d,3000d,5000e,6000e 外周凸部
3e,3f,300e,300f,3000e,3000f,5000f,5000g,6000f,6000g 凸部
3i,3j,3’i,3’j,3’’i,3’’j, 凹所
4,400,4000 外部回転部材
4a,400a,4000a,5000a,6000a 側板部
4b,400b,4000b 外筒部
4c,400c,4000c,5000c,6000c カバー部
4d,400d,4000d,5000d,6000d 内周凸部
4g チェーンリング固定部
5,11 チェーンリング
6,600,7000,8000,9000 弾性変形部
9a,9b,15a,15b クランクアーム
13 電動アシスト自転車のモータ駆動ユニット
14a スプライン
5000 第1中間回転部材
5000b 第1中間回転部材本体
6000 第2中間回転部材
6000b 第2中間回転部材本体

Claims (9)

  1. 内部回転部材と、前記内部回転部材に回動自在に配設される外部回転部材と、を備え、
    前記内部回転部材は、リング状の内部回転部材本体と、当該内部回転部材本体に一体形成され又は前記内部回転部材本体に固設され前記内部回転部材本体の外周側に突出する1つ又は複数の外周凸部と、を備え、
    前記外部回転部材は、前記内部回転部材の前記外周凸部の側部位置で前記内部回転部材本体に回動自在に設けられる側板部と、前記内部回転部材の前記外周凸部の外側で前記内部回転部材本体と同心円状に前記側板部の外周に立設される外筒部と、前記外筒部の内周側に突出するように前記側板部及び/又は前記外筒部と一体に形成され或いは前記側板部及び/又は前記外筒部に固設され前記内部回転部材の前記外周凸部と交互に配置される1つ又は複数の内周凸部と、を備え、
    前記外周凸部あるいは前記内周凸部と前進する際の前記外周凸部あるいは前記内周凸部の回転方向側の前記内周凸部あるいは前記外周凸部との間に弾性変形部が配設され、前記内部回転部材と前記外部回転部材が相対的に回転する際に、前記弾性変形部が、前記外周凸部と前記内周凸部の間に挟まれて弾性変形することを特徴とする回転伝達機構。
  2. 前記外部回転部材は、前記側板部と対向して前記外筒部の開口部に覆設され前記内部回転部材本体に回動自在に設けられるカバー部をさらに備えている、請求項1に記載の回転伝達機構。
  3. 前記外周凸部あるいは前記内周凸部と前進する際の前記外周凸部あるいは前記内周凸部の回転方向と反対側の前記内周凸部あるいは前記外周凸部との間に弾性緩衝部がさらに配設されている、請求項1又は2に記載の回転伝達機構。
  4. 前記内部回転部材と前記外部回転部材との間に、前記内部回転部材と前記外部回転部材の機能を兼ね備えた1つ又は複数の中間回転部材が介在している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転伝達機構。
  5. 前記内部回転部材は、前記内部回転部材本体の内周側に設けられ、中央に回転軸挿通孔を有する内部回転部材本体支持体をさらに備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転伝達機構。
  6. 前記内部回転部材本体支持体の厚みが、前記内部回転部材本体の幅よりも小さい、請求項5に記載の回転伝達機構。
  7. 前記回転軸挿通孔の少なくとも一部が、スプライン穴となっている、請求項5又は6に記載の回転伝達機構。
  8. 前記内部回転部材のリング状とは、中央部分が空洞を形成した形状であって、当該空洞に、他の部材が配置される請求項1〜7いずれか1項に記載の回転伝達機構。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の回転伝達機構を備えた自転車。
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