JP2010228743A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】搭乗部の荷重分布、車体の傾斜角、車両の加速度等に基づいて車体の重心高さを高精度に推定し、車体の重心高さの推定値に応じて車体の姿勢を制御することによって、乗員の体型や搭乗姿勢、及び、積載物の形状や置き方について制約されず、自由に使用できる使い勝手のよい車両を実現できるようにする。
【解決手段】回転可能に車体に取り付けられた駆動輪と、乗員及び/又は重量物を搭載する搭載部と、前記駆動輪に付与する駆動トルクを制御して前記車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、該車両制御装置は、前記搭載部の荷重分布と、前記車体の傾斜角及び/又は車両の加速度によって前記車体の重心高さを推定する重心高さ推定手段を備え、該重心高さ推定手段によって推定された前記車体の重心高さに応じて前記車体の姿勢を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に関するものである。
従来、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両に関する技術が提案されている。例えば、同軸上に配設された2つの駆動輪を有し、乗員の重心移動による車体の姿勢変化を感知して駆動する車両、球体状の単一の駆動輪に取り付けられた車体の姿勢を制御しながら移動する車両等の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この場合、センサで車体のバランスや動作の状態を検出しながら、倒立制御を行って、車両を停止又は移動させるようになっている。
特開2004−129435号公報
しかしながら、前記従来の車両においては、車体の重心高さが想定値と異なる場合、車体の姿勢制御を適切に実行できない場合がある。例えば、乗員の体重、体型、搭乗姿勢等の違いや変化、また、荷物等の搭載物の重量、形状、置き場所、置き方等の違いや変化により、車体の重心高さは設計時に想定された位置からずれる。フィードバックゲイン等の姿勢制御のパラメータは、想定値に基づいてあらかじめ設定されているため、実際の重心高さが想定値から大きく外れている場合には、車体姿勢制御の安定性が低下する可能性がある。したがって、十分な安全性を保障するためには、乗員や搭載物の条件を厳しく制約する必要がある。そのため、モビリティとして、使い勝手が悪い。
また、計測器による重心高さの計測は困難である。例えば、水平面上の荷重分布に基づいて重心高さの取得を試みる場合、重心高さが異なっても重力の作用中心は同じであるため、重力の作用中心のみから重心高さを取得するのは不可能である。また、乗員や搭載物の形状から重心高さを推定する場合、その質量分布は不明であるため、推定値が大きな誤差を含む可能性がある。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、搭乗部の荷重分布、車体の傾斜角、車両の加速度等に基づいて車体の重心高さを高精度に推定し、車体の重心高さの推定値に応じて車体の姿勢を制御することによって、乗員の体型や搭乗姿勢、及び、積載物の形状や置き方について制約されず、自由に使用できる使い勝手のよい車両を提供することを目的とする。
そのために、本発明の車両においては、回転可能に車体に取り付けられた駆動輪と、乗員及び/又は重量物を搭載する搭載部と、前記駆動輪に付与する駆動トルクを制御して前記車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、該車両制御装置は、前記搭載部の荷重分布と、前記車体の傾斜角及び/又は車両の加速度によって前記車体の重心高さを推定する重心高さ推定手段を備え、該重心高さ推定手段によって推定された前記車体の重心高さに応じて前記車体の姿勢を制御する。
本発明の他の車両においては、さらに、前記駆動輪の回転状態を計測する駆動輪回転状態計測装置を更に備え、前記重心高さ推定手段は、前記駆動輪回転状態計測装置が計測した回転状態によって推定された前記加速度の推定値によって前記車体の重心高さを推定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記重心高さ推定手段は、前記車体の重心高さの推定を禁止する推定禁止手段を備え、該推定禁止手段は、車体傾斜時及び/又は加減速時及び/又は旋回走行時である許可条件時には前記車体の重心高さの推定を許可し、前記許可条件時以外には前記車体の重心高さの推定を禁止する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記重心高さ推定手段は、前記車体の重心高さの推定を禁止する推定禁止手段を備え、該推定禁止手段は、車両加速度に伴う慣性力と重力との合力に平行な直線が鉛直線と成す角と車体の傾斜角との偏差が所定値より大きい場合である許可条件時には前記車体の重心高さの推定を許可し、前記許可条件時以外には前記車体の重心高さの推定を禁止する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記車両制御装置は、前記車体の重心位置を取得する重心位置取得手段を更に備え、前記重心高さ推定手段は、前記重心位置取得手段が取得した前記重心位置によって前記重心高さの推定値を補正する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記車両制御装置は、前記車体の重心位置を取得する重心位置取得手段を更に備え、該重心位置取得手段は、前記推定禁止手段が禁止している時に前記重心高さによって前記重心位置を推定し、前記重心高さ推定手段は、前記推定禁止手段が許可している時に前記重心位置によって前記重心高さを推定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記重心高さ推定手段は、前記駆動輪の回転軸に垂直な方向の前記荷重分布と前記車体のピッチ角と車両の前後加速度によって推定される前記重心高さである第1重心高さと、前記駆動輪の回転軸に平行な方向の前記荷重分布と前記車体のロール角と車両の横加速度によって推定される前記重心高さである第2重心高さと、によって前記車体の重心高さを推定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記重心高さ推定手段は、前記第1重心高さの推定が許可された時間が前記第2重心高さの推定が許可された時間よりも長い場合には前記第1重心高さを前記車体の重心高さの推定値とし、前記第2重心高さの推定が許可された時間が前記第1重心高さの推定が許可された時間よりも長い場合には前記第2重心高さの推定値を前記車体の重心高さの推定値とする。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記重心高さ推定手段は、車体の傾斜角速度及び/又は角加速度が所定値より大きい場合に、前記車体の重心高さの推定を中断し、推定値を固定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記車両制御装置は、前記搭載部の荷重分布を計測する荷重分布計測手段を更に備え、該荷重分布計測手段は、平面上に配設された複数の荷重計を備え、該複数の荷重計が各々計測した前記平面に垂直な方向成分の荷重によって前記搭載部の荷重分布を決定する。
請求項1の構成によれば、搭乗者や積載物の状態により変化する車体の重心高さを取得し、その値に応じて車体の姿勢を制御するため、搭乗者や積載物が制限されることが無く、自由に利用可能な倒立型車両を提供できる。また、計測が困難な車体の重心高さを車体の傾斜状態と車両の走行状態から高精度に推定するため、より適切な制御を実行できる。
請求項2の構成によれば、加速度を計測するセンサが無い場合、あるいは、車両の加減速時や旋回時に加速度を車体傾斜角と共に取得するのが困難である場合でも、駆動輪回転状態に基づいて重心高さの推定を実行できる。
請求項3の構成によれば、重心高さによる搭乗部荷重分布の違いが大きい場合、すなわち、重心高さを高精度に推定することが比較的容易な場合に限って推定を行うことで、推定精度の低下を防止することができる。
請求項4の構成によれば、重心高さによる搭乗部荷重分布の違いが大きい条件、すなわち、重心高さを高精度に推定することが可能な条件を厳密に考慮することで、推定精度の低下をより効果的に防止することができる。
請求項5の構成によれば、搭乗部座面上の重心位置のずれによる荷重分布の変化を考慮することで、より高精度に重心高さを推定できる。
請求項6の構成によれば、重心位置の方が値を高精度で推定できるときには重心位置のみを推定し、重心高さの方が値を高精度に推定できるときには重心高さのみを推定することで、重心位置と重心高さを共に高精度で推定することができる。
請求項7の構成によれば、車両前後方向の荷重分布と車両左右方向の荷重分布の両方を考慮することで、より高精度に重心高さを推定できる。
請求項8の構成によれば、計測可能時間に基づいて推定に用いる荷重分布の方向を選択することで、より高精度に重心高さを推定できる。
請求項9の構成によれば、車体の姿勢変化が激しい場合には重心高さの推定を避けることで、推定精度の低下をより効果的に防止することができる。
請求項10の構成によれば、簡素なセンサを用いて車体の重心高さを得ることが可能であり、コストを低減することができる。
本発明の第1の実施の形態における車両の構成を示す第1の図である。 本発明の第1の実施の形態における車両の制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における車両の走行及び姿勢制御処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における状態量の取得処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における車両の構成を示す第2の図である。 本発明の第1の実施の形態における搭載荷重パラメータの取得処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における目標走行状態の決定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における目標車体姿勢の決定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるアクチュエータ出力の決定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における車両の制御システムの構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における車両の構成を示す第1の図、図2は本発明の第1の実施の形態における車両の制御システムの構成を示すブロック図である。なお、図1において、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は搭乗部センサの平面配置を示す図である。
図において、10は、本実施の形態における車両であり、車体の本体部11、駆動輪12、支持部13、及び、乗員15が搭乗するとともに、搭載物18が搭載される搭載部としての搭乗部14を有し、前記車両10は、車体を前後左右に傾斜させることができるようになっている。そして、倒立振り子の姿勢制御と同様に車体の姿勢を制御する。図1(a)に示される例において、車両10は右方向に前進し、左方向に後退することができる。
前記駆動輪12は、車体の一部である支持部13に対して回転可能に支持され、駆動アクチュエータとしての駆動モータ52によって駆動される。なお、駆動輪12の軸は図1(a)に示す平面に垂直な方向に存在し、駆動輪12はその軸を中心に回転する。また、前記駆動輪12は、単数であっても複数であってもよいが、複数である場合、同軸上に並列に配設される。本実施の形態においては、駆動輪12が2つであるものとして説明する。この場合、各駆動輪12は個別の駆動モータ52によって独立して駆動される。なお、駆動アクチュエータとしては、例えば、油圧モータ、内燃機関等を使用することもできるが、ここでは、電気モータである駆動モータ52を使用するものとして説明する。
また、車体の一部である本体部11は、支持部13によって下方から支持され、駆動輪12の上方に位置する。そして、本体部11には、車両10の運転者である乗員15が搭乗する搭乗部14が取り付けられている。
本実施の形態においては、説明の都合上、搭乗部14には乗員15が搭乗するとともに荷物等としての搭載物18が搭載されている例について説明するが、搭乗部14には必ずしも乗員15が搭乗している必要はなく、例えば、車両10がリモートコントロールによって操縦される場合には、搭乗部14に乗員15が搭乗していなくてもよい。また、同様に、搭乗部14には必ずしも搭載物18が搭載されている必要はなく、搭載物18は省略することができる。
なお、前記搭乗部14は、乗用車、バス等の自動車に使用されるシートと同様のものであり、座面部、背もたれ部及びヘッドレストを備える。
また、前記車両10は、リンク機構70を有し、旋回時には、図1(b)に示されるように、左右の駆動輪12の路面に対する角度、すなわち、キャンバー角を変化させるとともに、搭乗部14及び本体部11を含む車体を旋回内輪側へ傾斜させることによって、旋回性能の向上と乗員15の快適性の確保とを図ることができるようになっている。すなわち、前記車両10は車体を横方向(左右方向)にも傾斜させることができる。
前記リンク機構70は、左右の駆動輪12に駆動力を付与する駆動モータ52を支持するモータ支持部材としても機能する左右の縦リンクユニット74と、該左右の縦リンクユニット74の上端同士を連結する上側横リンクユニット72と、左右の縦リンクユニット74の下端同士を連結する下側横リンクユニット73とを有する。また、左右の縦リンクユニット74と上側横リンクユニット72及び下側横リンクユニット73とは回転可能に連結されている。さらに、上側横リンクユニット72の中央及び下側横リンクユニット73の中央には、上下方向に延在する支持部13が回転可能に連結されている。
そして、71は、傾斜用アクチュエータ装置としてのリンクモータであって、固定子としての円筒状のボディと、該ボディに回転可能に取り付けられた回転子としての回転軸とを備えるものであり、ボディが上側横リンクユニット72に固定され、回転軸が支持部13に固定されている。なお、前記ボディが支持部13に固定され、回転軸が上側横リンクユニット72に固定されていてもよい。そして、リンクモータ71を駆動して回転軸をボディに対して回転させると、上側横リンクユニット72に対して支持部13が回転し、リンク機構70が屈伸する。なお、前記リンクモータ71の回転軸は、支持部13と上側横リンクユニット72との連結部分の回転軸と同軸になっている。これにより、リンク機構70を屈伸させて本体部11を傾斜させることが可能となる。
前記搭乗部14の脇(わき)には、目標走行状態取得装置としてのジョイスティック31を備える入力装置30が配設されている。乗員15は、操縦装置であるジョイスティック31を操作することによって、車両10を操縦する、すなわち、車両10の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の走行指令を入力するようになっている。なお、乗員15が操作して走行指令を入力することができる装置であれば、ジョイスティック31に代えて他の装置、例えば、ペダル、ハンドル、ジョグダイヤル、タッチパネル、押しボタン等の装置を目標走行状態取得装置として使用することもできる。
また、前記入力装置30は、制御指令取得装置としての制御切替スイッチ32を備える。そして、乗員15が走行開始や降車を希望する場合には、制御切替スイッチ32を操作することによって、倒立制御の実行や停止の指令を入力するようになっている。
ここで、乗員15が操作して倒立制御の実行や停止を入力することができる装置であれば、制御切替スイッチ32に代えて他の装置、例えば、押しボタンやタッチパネル、操作レバー、音声認識システム等の装置を制御指令取得装置として使用することもできる。また、これらは実行又は停止の一方のみを指令する装置であってもよい。
なお、車両10がリモートコントロールによって操縦される場合には、前記ジョイスティック31及び制御切替スイッチ32に代えて、コントローラからの走行指令を有線又は無線で受信する受信装置を目標走行状態取得装置として使用することができる。また、車両10があらかじめ決められた走行指令データに従って自動走行する場合には、前記ジョイスティック31及び制御切替スイッチ32に代えて、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体に記憶された走行指令データを読み取るデータ読取り装置を目標走行状態取得装置として使用することができる。
また、車両10は、車両制御装置としての制御ECU(Electronic Control Unit)20を有し、該制御ECU20は、主制御ECU21、駆動輪制御ECU22及びリンク制御ECU23を備える。前記制御ECU20並びに主制御ECU21、駆動輪制御ECU22及びリンク制御ECU23は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、車両10の各部の動作を制御するコンピュータシステムであり、例えば、本体部11に配設されるが、支持部13や搭乗部14に配設されていてもよい。また、前記主制御ECU21、駆動輪制御ECU22及びリンク制御ECU23は、それぞれ、別個に構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
そして、主制御ECU21は、駆動輪制御ECU22、駆動輪センサ51及び駆動モータ52とともに、駆動輪12の動作を制御する駆動輪制御システム50の一部として機能する。前記駆動輪センサ51は、レゾルバ、エンコーダ等から成り、駆動輪回転状態計測装置として機能し、駆動輪12の回転状態を示す駆動輪回転角及び/又は回転角速度を検出し、主制御ECU21に送信する。また、該主制御ECU21は、駆動トルク指令値を駆動輪制御ECU22に送信し、該駆動輪制御ECU22は、受信した駆動トルク指令値に相当する入力電圧を駆動モータ52に供給する。そして、該駆動モータ52は、入力電圧に従って駆動輪12に駆動トルクを付与し、これにより、駆動アクチュエータとして機能する。
また、主制御ECU21は、駆動輪制御ECU22、車体傾斜センサ41、駆動モータ52及びリンクモータ71とともに、車体の姿勢を制御する車体制御システム40の一部として機能する。前記車体傾斜センサ41は、加速度センサ、ジャイロセンサ等から成り、傾斜計測手段として機能し、車体の傾斜状態を示す車体傾斜角及び/又は傾斜角速度を検出し、主制御ECU21に送信する。そして、該主制御ECU21は、駆動トルク指令値を駆動輪制御ECU22に送信する。また、前記主制御ECU21は、リンクトルク指令値をリンク制御ECU23に送信し、該リンク制御ECU23は、受信したリンクトルク指令値に相当する入力電圧をリンクモータ71に供給する。そして、該リンクモータ71は、入力電圧に従ってリンク機構70に駆動トルクを付与し、これにより、傾斜用アクチュエータとして機能する。
さらに、主制御ECU21は、搭乗部センサ61とともに、搭乗部14の荷重分布を計測する搭乗部計測システム60の一部として機能する。荷重分布計測手段としての前記搭乗部センサ61は、搭乗部14の取付部に配設された複数の1方向の荷重を計測可能な荷重センサ(1軸荷重センサ)等から成り、図1(c)に示されるように配置され、搭載荷重パラメータとして搭乗部14上の乗員15及び搭載物18の重量及び荷重分布を検出し、主制御ECU21に送信する。
なお、主制御ECU21には、入力装置30のジョイスティック31から走行指令が入力される。そして、前記主制御ECU21は、駆動トルク指令値を駆動輪制御ECU22に送信し、リンクトルク指令値をリンク制御ECU23に送信する。
さらに、主制御ECU21は、車体の重心高さを推定する重心高さ推定手段、及び、重心高さの推定を禁止する推定禁止手段、車体の重心位置を取得する重心位置取得手段としても機能する。
なお、各センサは、複数の状態量を取得するものであってもよい。例えば、車体傾斜センサ41として加速度センサとジャイロセンサとを併用し、両者の計測値から車体傾斜角と傾斜角速度とを決定するようにしてもよい。また、図1に記載された数字以外の記号については、後述する。
次に、前記構成の車両10の動作について説明する。まず、走行及び姿勢制御処理の概要について説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における車両の走行及び姿勢制御処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、搭乗部14の荷重分布、車体の傾斜角及び車両加速度によって車体の重心高さを推定する。なお、車体傾斜時、前後加減速時及び旋回走行時以外では、重心高さの推定を中断し、推定値を固定する。厳密には、車両加速度に伴う慣性力と重力との合力に平行な直線が鉛直線と成す角と、車体の傾斜角との偏差が所定値以下である場合には、重心高さの推定を中断し、推定値を固定する。また、車体の傾斜角速度及び角加速度が大きい場合にも、重心高さの推定を中断し、推定値を固定する。そして、1方向の荷重を計測可能な荷重センサから成る搭乗部センサ61を平面上に複数配置して、搭乗部14の荷重分布を計測する。また、搭乗部14の重心高さの推定値に応じて、車体の姿勢を制御する。これにより、乗員15の体型や搭載姿勢及び搭載物18の形状や置き方について制約されず、自由に使用できる使い勝手の良い倒立型の車両10を提供することができる。
走行及び姿勢制御処理において、制御ECU20は、まず、状態量の取得処理を実行し(ステップS1)、各センサ、すなわち、駆動輪センサ51、車体傾斜センサ41及び搭乗部センサ61によって、駆動輪12の回転状態及び車体の傾斜状態を取得する。
次に、制御ECU20は、搭載荷重パラメータの取得処理を実行し(ステップS2)、車体傾斜状態と車両加速度とに基づいて搭載荷重パラメータを推定し、該搭載荷重パラメータから車体パラメータを決定する。
次に、制御ECU20は、目標走行状態の決定処理を実行し(ステップS3)、ジョイスティック31の操作量に基づいて、車両10の加速度の目標値、及び、駆動輪12の回転角速度の目標値を決定する。
次に、制御ECU20は、目標車体姿勢の決定処理を実行し(ステップS4)、目標走行状態の決定処理によって決定された車両10の加速度の目標値と車体パラメータとに基づいて、車体姿勢の目標値として、車体傾斜状態の目標値を決定する。
最後に、制御ECU20は、アクチュエータ出力の決定処理を実行し(ステップS5)、状態量の取得処理によって取得された各状態量、目標走行状態の決定処理によって決定された目標走行状態、目標車体姿勢の決定処理によって決定された目標車体姿勢、及び、車体パラメータに基づいて、各アクチュエータの出力、すなわち、駆動モータ52及びリンクモータ71の出力を決定する。
次に、走行及び姿勢制御処理の詳細について説明する。まず、状態量の取得処理について説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における状態量の取得処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、状態量、入力、パラメータ、物理定数等を次のような記号によって表す。なお、図1には状態量やパラメータの一部が示されている。また、図1において、xp は車体の前後方向座標、yP は左右方向座標、zp は車体の上下方向座標、62は乗員15及び搭載物18の重心位置(座標:xpG、ypG、zpG)である。
S(i):搭乗部センサ計測値(引張荷重を正、添字(i)はi番目のセンサを表す)
pS(i) :搭乗部センサ前後位置(添字(i)はi番目のセンサを表す)
pS(i) :搭乗部センサ左右位置(添字(i)はi番目のセンサを表す)
θ1 :車体傾斜ピッチ角
φ1 :車体傾斜ロール角
λS :搭乗部位置
αx :車両前後加速度〔G〕
αy :車両左右加速度〔G〕
S0:乗員(搭載物)を除く搭乗部の重量
S0:乗員(搭載物)を除く搭乗部の前後重心位置
S0:乗員(搭載物)を除く搭乗部の左右重心位置
S0:乗員(搭載物)を除く搭乗部の重心高さ
1 :車軸から搭乗部重心までの距離(基準値)
θR,sh、φR,sh:慣性力傾斜角の閾(しきい)値(所定値)
αSx,sh 、αSy,sh :搭乗部相対加速度の閾値(所定値)
ζ0 =Δt/TLPF
Δt:搭乗部センサ計測周期(所定値)
LPF :ローパスフィルタ時定数(所定値)
0 :角速度換算振動数(所定値)
x :現在までにζzx=ζ0 であった時間(総推定時間)
y :現在までにζzy=ζ0 であった時間(総推定時間)
0 :切替基準時間(所定値)
g:重力加速度〔m/s2
Figure 2010228743
Figure 2010228743
次に、搭載荷重パラメータの取得処理について説明する。
図5は本発明の第1の実施の形態における車両の構成を示す第2の図、図6は本発明の第1の実施の形態における搭載荷重パラメータの取得処理の動作を示すフローチャートである。なお、図5において、(a)は側面図、(b)は正面図である。
搭載荷重パラメータの取得処理において、主制御ECU21は、まず、搭載荷重パラメータを推定する(ステップS2−1)。この場合、図1(c)に示されるような位置に配設された搭乗部センサ61の計測値から取得した搭乗部14の荷重分布と、車体傾斜角と、駆動輪回転角速度とから、搭載荷重パラメータとして、次のようなパラメータを推定する。なお、図5において、17は車両10の重心位置(座標:XG 、YG 、ZG )である。
まず、乗員15と搭載物18の重量mp を下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
また、乗員15と搭載物18の前後重心位置xpGを下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
同様に、乗員15と搭載物18の左右重心位置ypGを下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
さらに、乗員15と搭載物18の重心高さzpGを下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
なお、前後基準重心高さは下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
また、左右基準重心高さは下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
ここで、上付き添字(n)は時系列のn番目のデータであることを表す。なお、各時系列データの初期値には、所定の各基準値をあらかじめ与える。
また、
Figure 2010228743
であり、FS は搭乗部14に作用する垂直力、MSxは搭乗部14に作用するピッチングモーメント、MSyは搭乗部14に作用するローリングモーメント、θR 及びφR は搭乗部14に作用する合力(重力と慣性力の和)の垂直軸に対する前後方向及び左右方向の傾き、αSx及びαSyは前後方向及び左右方向の車体傾斜運動による搭乗部加速度付加量をそれぞれ表す。
このように、本実施の形態においては、複数の搭乗部センサ61の計測値に基づいて、搭載荷重パラメータを推定する。つまり、乗員15と搭載物18を合わせた重量mp 、前後重心位置、左右重心位置及び重心高さを推定する。具体的には、搭乗部センサ61の計測値の総和に基づいて、重量mp を推定する。また、複数の搭乗部センサ61によって計測された搭乗部14の荷重分布に基づいて、前後重心位置、左右重心位置及び重心高さを推定する。
ここで、θR ≦θR,shの場合、すなわち、x−z平面上で重力と慣性力の合力が搭乗部14に対して比較的垂直な方向に作用している場合(例えば、直立停止状態にある場合)、荷重分布に基づいて前後重心位置xpGの値のみを修正する。
また、θR >θR,shの場合、すなわち、x−z平面上で重力と慣性力の合力が搭乗部14に水平な方向にある程度作用する場合(例えば、車体前後傾斜時や車両10の加減速時)、荷重分布に基づいて重心高さzpGの値のみを修正する。
すなわち、前後重心位置及び重心高さの推定においては、搭乗部14に作用するピッチングモーメントの発生要因を考慮し、重心高さがほとんど寄与しない時には前後重心位置を高精度に推定し、重心高さがピッチングモーメントにある程度寄与する時には既に推定した前後重心位置に基づいて重心高さを推定する。また、一方の推定時には他方の値を固定する。
一方、φR ≦φR,shの場合、すなわち、y−z平面上で重力と慣性力の合力が搭乗部14に対して比較的垂直な方向に作用している場合(例えば、直立停止状態にある場合)、荷重分布に基づいて左右重心位置ypGの値のみを修正する。
また、φR >φR,shの場合、すなわち、y−z平面上で重力と慣性力の合力が搭乗部14に水平な方向にある程度作用する場合(例えば、車体左右傾斜時や車両10の旋回時)、荷重分布に基づいて重心高さzpGの値のみを修正する。
すなわち、左右重心位置及び重心高さの推定においては、搭乗部14に作用するローリングモーメントの発生要因を考慮し、重心高さがほとんど寄与しない時には左右重心位置を高精度に推定し、重心高さがローリングモーメントにある程度寄与する時には既に推定した左右重心位置に基づいて重心高さを推定する。また、一方の推定時には他方の値を固定する。
さらに、Tx >Ty の場合、すなわち、前後荷重分布に基づく推定時間の方が左右荷重分布に基づく推定時間より長い場合(例えば、加減速の総時間の方が旋回の総時間より長い場合)、信頼性がより高い前後基準重心高さを採用する。
また、Tx <Ty の場合、すなわち、左右荷重分布に基づく推定時間の方が前後荷重分布に基づく推定時間より長い場合(例えば、旋回の総時間の方が加減速の総時間より長い場合)、信頼性がより高い左右基準重心高さを採用する。
これにより、搭乗部センサ61のみで簡易に前後重心位置、左右重心位置及び重心高さを推定することができる。
さらに、車体姿勢の変化が大きいときには、重心位置推定値を固定する。αSx>αSx,sh の場合、すなわち、車体傾斜ピッチ角の変化が大きい場合、前後重心位置や前後基準重心高さの推定値を修正せず、その前の推定値を維持する。また、αSy>αSy,sh の場合、すなわち、車体傾斜ロール角の変化が大きい場合、左右重心位置や左右基準重心高さの推定値を修正せず、その前の推定値を維持する。これにより、考慮が困難な車体傾斜運動に起因する慣性力や遠心力の影響が前後重心位置、左右重心位置及び重心高さの推定値に及ぶことがない。したがって、倒立車両特有の現象である車体姿勢変化の影響を回避し、高精度で安定な推定を実行できる。
なお、本実施の形態においては、車両加速度を駆動輪回転角速度及びその時間履歴から推定しているが、加速度計を備え、直接計測した車両10の前後及び左右加速度を取得してもよい。また、ジャイロセンサによって取得した車両10のヨーレートから車両10の左右加速度を推定してもよい。
また、本実施の形態においては、前後と左右の荷重分布から重心高さを推定しているが、どちらか一方の荷重分布のみから推定してもよい。例えば、車体傾斜のピッチ角とロール角とを異なる精度のセンサで計測している場合、より精度の高いセンサに対応する重心高さの推定値を常に採用するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、前後荷重分布の使用と左右荷重分布の使用を切り替える際に、振動が発生するのを避けるために、滑らかな非線形の双曲線関数を用いているが、より簡単な関数を用いてもよい。
さらに、本実施の形態においては、複数の搭乗部センサ61による荷重分布を計測しているが、シート状の圧力分布計測装置を用いてもよい。これにより、車両10の全高や重量を増加させることなく荷重分布を計測することができる。
さらに、本実施の形態においては、複数の搭乗部センサ61による荷重分布の計測値に基づいて、前後重心位置、左右重心位置及び重心高さを推定しているが、他のセンサを追加して推定してもよい。例えば、レーザレーダ等によって乗員15及び搭載物18の形状を取得する形状センサを備え、取得した形状に基づいて重心高さに妥当な制限域を設け、その範囲外の値が推定された場合には推定手段の異常又は誤差とみなして、その制限域の境界値を推定値として与えてもよい。これにより、更に安定した重心高さの推定が可能になる。
また、別の手段によって制限域を設けてもよい。例えば、計測値である搭乗重量から統計的知見に基づいて重心高さの妥当な制限域を設定してもよい。また、センサの代わりに入力装置30を使用し、乗員15が自身の体重や身長及び搭載物18の重量や形状のデータを入力装置30によって入力又は送信し、そのデータに基づいて、制限域を設定してもよい。この場合、更に安定した重心高さの推定が可能になる。
続いて、主制御ECU21は、車体パラメータを決定する(ステップS2−2)。この場合、搭載荷重パラメータから車体パラメータを決定する。なお、搭載荷重パラメータは、乗員15と搭載物18の重量mp 、乗員15と搭載物18の前後重心位置xpG、乗員15と搭載物18の左右重心位置ypG、及び、乗員15と搭載物18の重心高さzpGであり、車体パラメータは、重量m1 、重心距離(車軸から搭乗部重心までの距離)l1 、前後重心ずれ量δx 及び左右重心ずれ量δy である。
そして、重量m1 、重心距離l1 、前後重心ずれ量δx 及び左右重心ずれ量δy を下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
ここで、m1bは乗員15及び搭載物18がないときの車体重量、δx0は乗員15及び搭載物18がなく、搭乗部14が基準位置にあるときの前後重心位置、δy0は乗員15及び搭載物18がなく、搭乗部14が基準位置にあるときの左右重心位置、ZG0は乗員15及び搭載物18がないときの重心高さ(車軸高さ基準)、λS は搭乗部位置(搭乗部基準前後位置)、ZS は搭乗部基準高さ(搭乗部センサ取付位置の高さ)である。
このように、本実施の形態においては、搭載荷重パラメータに基づいて、車体の力学特性量である車体パラメータを決定する。この場合、搭載荷重パラメータとして乗員15及び搭載物18の重量、前後重心位置、左右重心位置及び重心高さについて基準値との偏差を考慮する。このように、実際の車体パラメータを把握することで、車両10の走行状態や倒立制御をより適切に制御することができる。
次に、目標走行状態の決定処理について説明する。
図7は本発明の第1の実施の形態における目標走行状態の決定処理の動作を示すフローチャートである。
目標走行状態の決定処理において、主制御ECU21は、まず、操縦操作量を取得する(ステップS3−1)。この場合、乗員15が、車両10の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の走行指令を入力するために操作したジョイスティック31の操作量を取得する。
続いて、主制御ECU21は、取得したジョイスティック31の操作量に基づいて、車両加速度の目標値を決定する(ステップS3−2)。例えば、ジョイスティック31の前後左右方向への操作量に比例した値を前後左右車両加速度の目標値とする。
続いて、主制御ECU21は、決定した車両加速度の目標値から、駆動輪回転角速度の目標値を算出する(ステップS3−3)。まず、平均駆動輪回転角速度目標値を下記の式によって決定する。
Figure 2010228743
また、駆動輪回転角速度左右差目標値を下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
このように、車両加速度の目標値に相当する駆動輪回転角速度の目標値を決定する。具体的には、車両前後加速度目標値を時間積分することにより、左右の駆動輪12の回転角速度の平均値の目標である平均駆動輪回転角速度目標値を決定する。また、車両左右加速度目標値と平均駆動輪回転角速度目標値から、左右の駆動輪12の回転角速度の差の目標である駆動輪回転角速度左右差目標値を決定する。
なお、本実施の形態では、操縦装置であるジョイスティック31の操作量を前後及び左右の加速度と対応させているが、車両10の速度やヨーレートに対応させてもよい。
次に、目標車体姿勢の決定処理について説明する。
図8は本発明の第1の実施の形態における目標車体姿勢の決定処理の動作を示すフローチャートである。
目標車体姿勢の決定処理において、主制御ECU21は、まず、車体傾斜角の目標値を決定する(ステップS4−1)。この場合、目標走行状態の決定処理によって決定された車両加速度の目標値と車体パラメータとから、下記の式により車体傾斜ピッチ角目標値と車体傾斜ロール角の目標値を決定する。
Figure 2010228743
このように、車両加速度の目標値に応じて車体傾斜角の目標値を決定する。この場合、車体傾斜ピッチ角については、前後の車体姿勢と走行状態に関する倒立振り子の力学的構造を考慮して、前後加速度で与えられる走行目標を達成できる車体姿勢を目標値として与える。なお、加速度に伴って車体に作用する慣性力と駆動モータ反トルク、及び、車体前後方向の重心ずれを考慮する。また、車体傾斜ロール角については、接地荷重中心が左右の駆動輪12の接地点間である安定領域に存在する範囲で、自由に目標姿勢を設定できるが、本実施の形態では、乗員15の負荷が最も少ない姿勢を目標値として与える。そして、重力と慣性力(遠心力)の合力が搭乗部14の座面に垂直な方向に作用するように車体を傾けて、乗員15に横方向の力を感じさせないようにする。
上述のように、車体傾斜ロール角の目標値は、安定な範囲内で自由に設定できるため、他の値を与えてもよい。例えば、左右方向の車体重心ずれ量が大きい場合には、重心のずれと逆方向に車体を傾けることで、リンクモータ71の負荷を軽減させてもよい。
続いて、主制御ECU21は、残りの目標値を算出する(ステップS4−2)。すなわち、各目標値を時間微分又は時間積分することによって、駆動輪回転角及び車体傾斜角速度の目標値を算出する。
次に、アクチュエータ出力の決定処理について説明する。
図9は本発明の第1の実施の形態におけるアクチュエータ出力の決定処理の動作を示すフローチャートである。
アクチュエータ出力の決定処理において、主制御ECU21は、各アクチュエータのフィードフォワード出力を決定する(ステップS5−1)。まず、総駆動トルクのフィードフォワード量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
また、駆動トルク左右差のフィードフォワード量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
さらに、リンクトルクのフィードフォワード量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
このように、目標とする走行状態や車体姿勢を実現するのに必要なアクチュエータ出力を力学モデルより予測し、その分をフィードフォワード的に付加することで、車両10の走行及び姿勢制御を高精度に実行する。具体的には、前後方向の走行目標を達成できるように、車両前後加減速目標値に応じた駆動トルクを付加する。また、左右方向の車体姿勢目標を達成できるように、車体傾斜ロール角目標値に応じた駆動トルクを付加する。この場合、車体に作用する遠心力(左右加速度)や左右方向の車体重心ずれの影響を考慮する。
続いて、主制御ECU21は、各アクチュエータのフィードバック出力を決定する(ステップS5−2)。まず、総駆動トルクのフィードバック量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
また、駆動トルク左右差のフィードバック量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
さらに、リンクトルクのフィードバック量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
このように、状態フィードバック制御により、実際の状態を目標とする状態に近付けるようにフィードバック出力を与える。ここで、各フィードバックゲインK**の値には、例えば、最適レギュレータの値をあらかじめ設定しておく。
なお、スライディングモード制御などの非線形のフィードバック制御を導入してもよい。また、より簡単な制御として、KW2、KW3、Kd2及びKL1を除くゲインのいくつかを零にしてもよい。さらに、定常偏差をなくすために、積分ゲインを導入してもよい。
また、車両の走行速度やヨーレート、あるいはリンクの回転角等、他の状態量を取得可能であれば、その状態量のフィードバック項を追加してもよい。
最後に、主制御ECU21は、各要素制御システムに指令値を与える(ステップS5−3)。この場合、主制御ECU21は、前述のように決定したフィードフォワード出力とフィードバック出力との和を駆動トルク指令値として、駆動輪制御ECU22及びリンク制御ECU23に送信する。具体的には、右トルク指令値τWR、左トルク指令値τWL、総駆動トルク指令値τW 、駆動トルク左右差指令値ΔτW 及びリンクトルク指令値τL を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
このとき、平均駆動トルクと駆動トルク左右差が要求する値になるように、右駆動トルクと左駆動トルクの指令値を与える。
このように、本実施の形態においては、搭乗部14の荷重分布、車体の傾斜角及び車両加速度によって車体の重心高さを推定する。なお、車体傾斜時、前後加減速時及び旋回走行時以外では、重心高さの推定を中断し、推定値を固定する。厳密には、車両加速度に伴う慣性力と重力との合力に平行な直線が鉛直線と成す角と、車体の傾斜角との偏差が所定値以下である場合には、重心高さの推定を中断し、推定値を固定する。また、車体の傾斜角速度や角加速度が大きい場合にも、重心高さの推定を中断し、推定値を固定する。
そして、1方向の荷重を計測可能な荷重センサから成る搭乗部センサ61を平面上に複数配置して、搭乗部14の荷重分布を計測する。また、搭乗部14の重心高さの推定値に応じて、車体の姿勢を制御する。
これにより、乗員15の体型や搭乗姿勢及び搭載物18の形状や置き方について制約されず、自由に使用できる使い勝手の良い倒立型の車両10を提供することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図10は本発明の第2の実施の形態における車両の制御システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態においては、車両10が3輪以上の車輪を有するものである場合について説明する。つまり、前記車両10は、例えば、前輪が1輪であり後輪が2輪である3輪車、前輪が2輪であり後輪が1輪である3輪車、前輪及び後輪が2輪である4輪車等であるが、3輪以上の車輪を有するものであれば、いかなる種類のものであってもよい。
ここでは、説明の都合上、前記車両10が、車体の前方に配設され、操舵(だ)輪として機能する1つの前輪と、車体の後方に配設され、駆動輪12として機能する左右2つの後輪とを有する3輪車であるものとして説明する。この場合、車両10は、前記第1の実施の形態と同様に、リンク機構70によって左右の後輪のキャンバー角を変化させるとともに、搭乗部14及び本体部11を含む車体を旋回内輪側へ傾斜させることによって、旋回性能の向上と乗員15の快適性の確保とを図ることができるようになっている。すなわち、前記車両10は車体を横方向(左右方向)にも傾斜させることができる。なお、倒立振り子の姿勢制御のような姿勢制御は行わないものとする。すなわち、車体の前後方向の姿勢制御は行わないものとする。
また、本実施の形態における車両10の入力装置30は、図に示されるように、ジョイスティック31を備えておらず、その代わりに、ハンドル33、スロットルグリップ34及びブレーキレバー35を操縦装置として備える。
前記ハンドル33は、一般的なオートバイ、自転車等において使用されている棒状の部材であり、前輪に直結している。そして、一般的なオートバイ、自転車等の場合と同様に、乗員15によるハンドル33の操作に応じて操舵輪としての前輪は舵角を変化させ、これにより、車両10の進行方向が変化する。
また、前記スロットルグリップ34は、一般的なオートバイ等において使用されているスロットルグリップと同様の部材であり、棒状のハンドル33の一端に回転可能に取り付けられ、その回転角度、すなわち、スロットル開度に応じて、車両10を加速するような走行指令を入力する装置である。
さらに、前記ブレーキレバー35は、一般的なオートバイ、自転車等において使用されているブレーキレバーと同様の部材であり、棒状のハンドル33の一端に揺動可能に取り付けられ、その操作角度、すなわち、ブレーキ操作量に応じて、車両10を減速するような走行指令を入力する装置である。
また、車体制御システム40は、横加速度センサ42を備える。該横加速度センサ42は、一般的な加速度センサ、ジャイロセンサ等から成るセンサであって、車両10の横加速度を検出する。
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における車両10の動作について説明する。ここでは、走行及び姿勢制御処理の概要についての説明は省略し、まず、状態量の取得処理について説明する。
本実施の形態において、車両左右加速度αy は、横加速度センサ42によって取得される。また、車体制御システム40がヨーレートセンサを備える場合には、次式によって得ることもできる。これは、本実施の形態においては、車両10が3輪車なので、前記第1の実施の形態のように、左右輪の回転差に基づいて車両左右加速度αy を算出すると、正確な値を得ることができないからである。
αy =vω
ここで、vは左右輪平均車速〔m/s〕であり、ωはヨーレート〔rad/s〕であり、ヨーレートセンサの出力である。
なお、ヨーレートωは、前輪の舵角から、次式によって得ることもできる。
ω=v・tan θ/L
ここで、θは舵角であり、Lは車両10のホイールベース〔m〕である。
なお、状態量の取得処理におけるその他の点の説明は、前記第1の実施の形態と同様であるので、省略する。
次に、搭載荷重パラメータの取得処理について説明する。
搭載荷重パラメータの取得処理において、主制御ECU21は、まず、搭載荷重パラメータを推定する。この場合、搭乗部センサ61の計測値から取得した搭乗部14の荷重分布と、車体傾斜角と、駆動輪回転角速度とから、搭載荷重パラメータとして、次のようなパラメータを推定する。
まず、乗員15と搭載物18の重量mp を下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
なお、本実施の形態においては、乗員15と搭載物18の前後重心位置xpGを取得する必要がない。これは、本実施の形態においては、車両10が3輪車なので、前記第1の実施の形態のように、前後方向への傾斜を考慮する必要がないからである。
また、乗員15と搭載物18の左右重心位置ypGを下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
さらに、乗員15と搭載物18の重心高さzpGを下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
本実施の形態においては、κを用いた前後左右の重み付けが必要ないので、乗員15と搭載物18の重心高さzpGを取得する際に、κ=0としている。なお、前後基準重心高さも、取得する必要がない。
また、左右基準重心高さは下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
ここで、上付き添字(n)は時系列のn番目のデータであることを表す。なお、各時系列データの初期値には、所定の各基準値をあらかじめ与える。
また、
Figure 2010228743
であり、FS は搭乗部14に作用する垂直力、MSyは搭乗部14に作用するローリングモーメント、φR は搭乗部14に作用する合力(重力と慣性力の和)の垂直軸に対する左右方向の傾き、αSyは左右方向の車体傾斜運動による搭乗部加速度付加量をそれぞれ表す。
このように、本実施の形態においては、複数の搭乗部センサ61の計測値に基づいて、搭載荷重パラメータを推定する。つまり、乗員15と搭載物18を合わせた重量mp 、左右重心位置及び重心高さを推定する。具体的には、搭乗部センサ61の計測値の総和に基づいて、重量mp を推定する。また、複数の搭乗部センサ61によって計測された搭乗部14の荷重分布に基づいて、左右重心位置及び重心高さを推定する。
ここで、x−z平面上で重力と慣性力の合力が搭乗部14に水平な方向にある程度作用する場合(例えば、車体前後傾斜時や車両10の加減速時)、荷重分布に基づいて重心高さzpGの値のみを修正する。
なお、搭載荷重パラメータの推定について、その他の点については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
続いて、主制御ECU21は、車体パラメータを決定する。この場合、搭載荷重パラメータから車体パラメータを決定する。なお、搭載荷重パラメータは、乗員15と搭載物18の重量mp 、乗員15と搭載物18の左右重心位置ypG、及び、乗員15と搭載物18の重心高さzpGであり、車体パラメータは、重量m1 、重心距離(車軸から搭乗部重心までの距離)l1 及び左右重心ずれ量δy である。
そして、重量m1 、重心距離l1 及び左右重心ずれ量δy を下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
ここで、m1bは乗員15及び搭載物18がないときの車体重量、δy0は乗員15及び搭載物18がなく、搭乗部14が基準位置にあるときの左右重心位置、ZG0は乗員15及び搭載物18がないときの重心高さ(車軸高さ基準)、ZS は搭乗部基準高さ(搭乗部センサ取付位置の高さ)である。
このように、本実施の形態においては、搭載荷重パラメータに基づいて、車体の力学特性量である車体パラメータを決定する。この場合、搭載荷重パラメータとして乗員15及び搭載物18の重量、左右重心位置及び重心高さについて基準値との偏差を考慮する。このように、実際の車体パラメータを把握することで、車両10の走行状態をより適切に制御することができる。
次に、本実施の形態における目標走行状態の決定処理について説明する。
目標走行状態の決定処理において、主制御ECU21は、まず、操縦操作量を取得する。この場合、乗員15が、車両10の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の走行指令を入力するために操作したハンドル33、スロットルグリップ34及びブレーキレバー35の操作量を取得する。
続いて、主制御ECU21は、取得したハンドル33、スロットルグリップ34及びブレーキレバー35の操作量に基づいて、車両加速度の目標値を決定する。
続いて、主制御ECU21は、決定した車両加速度の目標値から、駆動輪回転角速度の目標値を算出する。まず、平均駆動輪回転角速度目標値を下記の式によって決定する。
Figure 2010228743
また、駆動輪回転角速度左右差目標値を下記の式によって取得する。
Figure 2010228743
このように、車両加速度の目標値に相当する駆動輪回転角速度の目標値を決定する。具体的には、車両前後加速度目標値を時間積分することにより、左右の駆動輪12の回転角速度の平均値の目標である平均駆動輪回転角速度目標値を決定する。また、車両左右加速度目標値と平均駆動輪回転角速度目標値から、左右の駆動輪12の回転角速度の差の目標である駆動輪回転角速度左右差目標値を決定する。
次に、本実施の形態における目標車体姿勢の決定処理について説明する。
目標車体姿勢の決定処理において、主制御ECU21は、まず、車体傾斜角の目標値を決定する。この場合、目標走行状態の決定処理によって決定された車両加速度の目標値から、下記の式により車体傾斜ロール角の目標値を決定する。
Figure 2010228743
上述のように、車体傾斜ロール角の目標値は、安定な範囲内で自由に設定できるため、他の値を与えてもよい。例えば、左右方向の車体重心ずれ量が大きい場合には、重心のずれと逆方向に車体を傾けることで、リンクモータ71の負荷を軽減させてもよい。
続いて、主制御ECU21は、残りの目標値を算出する。すなわち、各目標値を時間微分又は時間積分することによって、駆動輪回転角及び車体傾斜角速度の目標値を算出する。
次に、本実施の形態におけるアクチュエータ出力の決定処理について説明する。
アクチュエータ出力の決定処理において、主制御ECU21は、各アクチュエータのフィードフォワード出力を決定する。まず、総駆動トルクのフィードフォワード量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
また、駆動トルク左右差のフィードフォワード量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
さらに、リンクトルクのフィードフォワード量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
このように、目標とする走行状態や車体姿勢を実現するのに必要なアクチュエータ出力を力学モデルより予測し、その分をフィードフォワード的に付加することで、車両10の走行及び姿勢制御を高精度に実行する。具体的には、前後方向の走行目標を達成できるように、車両前後加減速目標値に応じた駆動トルクを付加する。また、左右方向の車体姿勢目標を達成できるように、車体傾斜ロール角目標値に応じた駆動トルクを付加する。この場合、車体に作用する遠心力(左右加速度)や左右方向の車体重心ずれの影響を考慮する。
続いて、主制御ECU21は、各アクチュエータのフィードバック出力を決定する。まず、リンクトルクのフィードバック量を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
このように、状態フィードバック制御により、実際の状態を目標とする状態に近付けるようにフィードバック出力を与える。ここで、各フィードバックゲインK**の値には、例えば、最適レギュレータの値をあらかじめ設定しておく。
なお、スライディングモード制御などの非線形のフィードバック制御を導入してもよい。また、より簡単な制御として、KL1を除くゲインのいくつかを零にしてもよい。さらに、定常偏差をなくすために、積分ゲインを導入してもよい。
また、車両の走行速度やヨーレート、あるいはリンクの回転角等、他の状態量を取得可能であれば、その状態量のフィードバック項を追加してもよい。
最後に、主制御ECU21は、各要素制御システムに指令値を与える。この場合、主制御ECU21は、前述のように決定したフィードフォワード出力とフィードバック出力との和を駆動トルク指令値として、駆動輪制御ECU22及びリンク制御ECU23に送信する。具体的には、右トルク指令値τWR、左トルク指令値τWL、総駆動トルク指令値τW 、駆動トルク左右差指令値ΔτW 及びリンクトルク指令値τL を下記の式により決定する。
Figure 2010228743
このとき、平均駆動トルクと駆動トルク左右差が要求する値になるように、右駆動トルクと左駆動トルクの指令値を与える。
このように、本実施の形態においては、3輪以上の車輪を有する車両10の場合も、乗員15の体型や搭乗姿勢及び搭載物18の形状や置き方について制約されず、自由に使用できる使い勝手の良い車両10を提供することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、車両に適用することができる。
10 車両
12 駆動輪
14 搭乗部
15 乗員
17 重心位置
20 制御ECU
21 主制御ECU
61 搭乗部センサ

Claims (10)

  1. 回転可能に車体に取り付けられた駆動輪と、
    乗員及び/又は重量物を搭載する搭載部と、
    前記駆動輪に付与する駆動トルクを制御して前記車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、
    該車両制御装置は、
    前記搭載部の荷重分布と、前記車体の傾斜角及び/又は車両の加速度によって前記車体の重心高さを推定する重心高さ推定手段を備え、
    該重心高さ推定手段によって推定された前記車体の重心高さに応じて前記車体の姿勢を制御することを特徴とする車両。
  2. 前記駆動輪の回転状態を計測する駆動輪回転状態計測装置を更に備え、
    前記重心高さ推定手段は、前記駆動輪回転状態計測装置が計測した回転状態によって推定された前記加速度の推定値によって前記車体の重心高さを推定する請求項1に記載の車両。
  3. 前記重心高さ推定手段は、前記車体の重心高さの推定を禁止する推定禁止手段を備え、
    該推定禁止手段は、車体傾斜時及び/又は加減速時及び/又は旋回走行時である許可条件時には前記車体の重心高さの推定を許可し、前記許可条件時以外には前記車体の重心高さの推定を禁止する請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記重心高さ推定手段は、前記車体の重心高さの推定を禁止する推定禁止手段を備え、
    該推定禁止手段は、車両加速度に伴う慣性力と重力との合力に平行な直線が鉛直線と成す角と車体の傾斜角との偏差が所定値より大きい場合である許可条件時には前記車体の重心高さの推定を許可し、前記許可条件時以外には前記車体の重心高さの推定を禁止する請求項1又は2に記載の車両。
  5. 前記車両制御装置は、前記車体の重心位置を取得する重心位置取得手段を更に備え、
    前記重心高さ推定手段は、前記重心位置取得手段が取得した前記重心位置によって前記重心高さの推定値を補正する請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両。
  6. 前記車両制御装置は、前記車体の重心位置を取得する重心位置取得手段を更に備え、
    該重心位置取得手段は、前記推定禁止手段が禁止している時に前記重心高さによって前記重心位置を推定し、
    前記重心高さ推定手段は、前記推定禁止手段が許可している時に前記重心位置によって前記重心高さを推定する請求項3又は4に記載の車両。
  7. 前記重心高さ推定手段は、前記駆動輪の回転軸に垂直な方向の前記荷重分布と前記車体のピッチ角と車両の前後加速度によって推定される前記重心高さである第1重心高さと、前記駆動輪の回転軸に平行な方向の前記荷重分布と前記車体のロール角と車両の横加速度によって推定される前記重心高さである第2重心高さと、によって前記車体の重心高さを推定する請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両。
  8. 前記重心高さ推定手段は、前記第1重心高さの推定が許可された時間が前記第2重心高さの推定が許可された時間よりも長い場合には前記第1重心高さを前記車体の重心高さの推定値とし、前記第2重心高さの推定が許可された時間が前記第1重心高さの推定が許可された時間よりも長い場合には前記第2重心高さの推定値を前記車体の重心高さの推定値とする請求項7に記載の車両。
  9. 前記重心高さ推定手段は、車体の傾斜角速度及び/又は角加速度が所定値より大きい場合に、前記車体の重心高さの推定を中断し、推定値を固定する請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両。
  10. 前記車両制御装置は、前記搭載部の荷重分布を計測する荷重分布計測手段を更に備え、
    該荷重分布計測手段は、平面上に配設された複数の荷重計を備え、該複数の荷重計が各々計測した前記平面に垂直な方向成分の荷重によって前記搭載部の荷重分布を決定する請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両。
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