JP2010227993A - タンディッシュとそれを用いたr−t−b系合金の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のストリップキャスト法で発生していたR−T−B系合金の厚みバラツキを抑える。
【解決手段】
所定の組成となるようにルツボ内に原料を投入してから加熱し、R−T−B系合金の溶湯を作製する工程と、前記作製したR−T−B系合金の溶湯は、溶湯の流路を形成する傾斜部と平坦部を有する本体と、前記平坦部と所定の間隔を形成して対向配置する蓋と前記蓋に配置する加熱手段とを有し、前記間隙を湯口とするタンディッシュを経由して前記注湯したR−T−B系合金の溶湯を表面粗さRaが1.2μm以上である冷却ロールに注湯して急冷する工程と、からなるR−T−B系合金の製造方法により、厚みの標準偏差が従来に比べて極めて小さいR−T−B系合金作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タンディッシュとそれを用いたR−T−B系合金の製造方法に関する。
近年、希土類磁石、特にR−T−B系焼結磁石がその高特性から急激に生産量を伸ばしており、モーター等広範囲の用途に使用されている。
この種の希土類磁石としては、通常、Ndの一部をPr、Dy等の他の希土類元素で置換したものや、Feの一部をCo、Ni等の他の遷移金属で置換したものが一般的であり、Nd−Fe−B焼結磁石を含め、R−T−B系焼結磁石と総称されている。ここで、RはYを含む希土類元素のうち少なくとも1種である。また、TはFeを必須とする遷移金属であり、Feの一部をCoあるいはNiで置換することができる。Bは硼素であり、一部をCまたはNで置換できる。添加元素としてCu、Al、Ti、V、Cr、Ga、Mn、Nb、Ta、Mo、W、Ca、Sn、Zr、Hfなどを1種または複数組み合わせて添加してもよい。
R−T−B系焼結磁石は、強磁性相であるR14B相からなる主相と、主相粒界に希土類元素の濃縮したR−リッチ相とからなり、R−リッチ相が均一に分散していることが保磁力を高めるために重要であると考えられている。
R−リッチ相が均一に分散したR−T−B系焼結磁石用合金(以下R−T−B系合金)の製造方法として、所定組成に調整し溶解された原料合金の溶湯をロール表面に注ぎ、冷却して、鋳片状のR−T−B系合金を作製するストリップキャスト法が知られている。
ストリップキャスト法によるR−T−B系合金の作製では、所定の組成を有する原料合金をアルゴンなどの不活性雰囲気中において誘導加熱法によって溶解し、R−T−B系合金の溶湯を形成する。次に、この溶湯を1350℃程度に保持した後、単ロール法によって急冷し、例えば厚み100μm〜1000μmのR−T−B系合金を得る。
特許文献1、2には、ストリップキャスト法によるR−T−B系合金の製造方法が開示されている。
特開平8−229641号 特開平9−155507号
従来のR−T−B系合金のストリップキャスト法による製造方法では、R−T−B系合金に厚みのばらつきが発生することが避けられない。厚みのバラツキが大きいと、同一組成、同一工程で作製したR−T−B系合金の中には様々な組織が混在してしまう。
様々な組織が混在すると、一定条件で粉砕しても粒度分布が広くなる。その結果、得られる焼結磁石の組織が均一でなくなり、所定の磁気特性が出ない恐れがある。
特許文献1に開示されているR−T−B系合金の製造方法では、タンディッシュ上の溶湯の上面が自由面のため得られるR−T−B系合金の板幅方向の中央部が厚く、端部が薄くなる。また、溶湯の供給量を安定させることが困難であるため長さ方向の厚みバラツキが発生する。
特許文献2では、タンディッシュは、ルツボから供給される溶湯を傾斜受板で受けて溶湯の勢いを止め、溶湯の流路を長く取り得る形状とすることと、落差を小さくする形状とすることによって、溶湯の整流化を図ることが開示されている。この方法では湯口が長くなり、溶湯の温度が一定にしにくく厚みバラツキが発生したり、合金組織が変わったりしてしまう。
本発明の目的は、タンディッシュとそれを用いたR−T−B系合金の製造方法にて、厚みの標準偏差の小さいR−T−B系合金を作製することである。
本発明は、
溶湯の流路を形成する傾斜部と平坦部を有する本体と、
前記平坦部と所定の間隔を形成して対向配置する蓋と
前記蓋に配置する加熱手段とを有し、前記間隙を湯口とするタンディッシュである。
本発明の好ましい実施形態として、タンディッシュの加熱手段は抵抗ヒータである。
また、他の本発明は、
所定の組成となるようにルツボ内に原料を投入してから加熱し、R−T−B系合金の溶湯を作製する工程と、
前記作製したR−T−B系合金の溶湯は、溶湯の流路を形成する傾斜部と平坦部を有する本体と、前記平坦部と所定の間隔を形成して対向配置する蓋と前記蓋に配置する加熱手段とを有し、前記間隙を湯口とするタンディッシュを経由して前記注湯したR−T−B系合金の溶湯を表面粗さRaが1.2μm以上である冷却ロールに注湯して急冷する工程と、
からなるR−T−B系合金の製造方法である。
本発明により、厚みのバラツキ(標準偏差)が従来の半分以下となったR−T−B系合金を作製できる。
本発明のR−T−B系焼結磁石用合金作製の模式図 本発明のタンディッシュの構造を示す断面図 従来のR−T−B系焼結磁石用合金作製の模式図 本発明によって作製されたR−T−B系合金と本発明によらずに作製されたR−T−B系合金の厚みの存在比率を表す図 R−T−B系合金の平均厚みとD50の関連を示す図 本発明によるR−T−B系合金と本発明によらないR−T−B系合金の粉砕粒度を示す図 テンパー処理温度毎の本発明によるR−T−B系焼結磁石と本発明によらないR−T−B系焼結磁石の角形性を示す図
[タンディッシュ]
本発明のタンディッシュ1は、図1および図2に記載のように溶湯の流路を形成する傾斜部と平坦部を有する本体3と、前記平坦部と所定の間隔を形成して対向配置する蓋4と前記蓋に配置する加熱手段5とからなる。
タンディッシュ1の本体3および蓋4は、耐熱性が高く、希土類元素との反応が低い材料からなるのが好ましい。材料としては、例えば、BN、Al23等公知の材料を含めてよい。
本発明では、R−T−B系合金の溶湯6は、図1および図2に記載のタンディッシュの本体の傾斜部から蓋4と本体3の平坦部とで形成される矩形状の湯口7を通って、冷却ロール8に注湯される。
本発明のタンディッシュ1の本体3は、ルツボ2から溶湯6が注がれる傾斜部を有している。R−T−B系合金の溶湯6は組成によっては流れ性が悪いものもあり、傾斜部がないと、注湯の初め、中間、終わりとでR−T−B系合金の溶湯の湯口からの出湯量が異なり、ロール8にて冷却した後のR−T−B系合金の厚みにばらつきが発生してしまう。ルツボ2から溶湯6が注がれる部位が傾斜を有することで、R−T−B系合金の溶湯6がルツボ2からタンディッシュの湯口7までスムーズに運ばれる。
本発明のタンディッシュ1の本体3において、ルツボ2から溶湯が注がれる傾斜部の傾斜角度θは、5°から80°に設定するのが好ましい。さらに好ましくは、10°から50°にする。ルツボ2から溶湯6が注がれる傾斜部の傾斜角度θを10°から50°の範囲に設定することで、注湯の初め、注湯途中、湯切れ直前におけるR−T−B系合金の溶湯6の後述する湯口7からの出湯量をほぼ一定にすることができる。
また、本体3において、前記平坦部と所定の間隔を形成して対向配置する蓋とによって湯口7を形成する。本発明では本体3と蓋4との間隔Hを変えることで容易に湯口7の大きさを調整できる。
本発明の好ましいタンディッシュ1の湯口7の間隔Hは出湯レートと湯口幅によって決まるが、1mm以上、5mm以下が好適である。
本体3と蓋4によって形成された矩形状の湯口7は、長さが20mm以上となるようにするのがよい。長さが20mm以上あることで、溶湯の流れを整流する。さらに後述する加熱手段5と合わさってR−T−B系合金の溶湯6の温度を一定に保つこともできる。また、湯口7を矩形状にし、長さを20mm以上とすることで、溶湯の流れが整流され、R−T−B系合金の板幅方向の出湯量をほぼ一定にできる。
本体の平坦部の長さL1と傾斜部の長さL2の比率は1:2から1:4にするのがよい。L1の比率が小さいと溶湯の流速を一定にすることができない。L1の比率が大きいと溶湯が冷えてしまう。また、L2の比率が小さいと、注湯の初め、注湯途中、湯切れ直前での溶湯の出湯レートが変動する。L2の比率が大きいと後述する加熱手段5による均一な温度保持が困難になる。また、本体の平坦部の長さL1は蓋4の長さより長くするのがよい。本体の平坦部の長さL1が蓋4の長さより短いと、蓋4が突き出し、ロールに均一な注湯ができない。
蓋4には加熱手段5を設けている。加熱手段5は矩形状となっている湯口7においてR−T−B系合金の溶湯6が固まらないようにする。また、加熱手段5はR−T−B系合金の溶湯6の温度を一定に保つことで、出湯量を一定に保つことができる。
加熱手段5は溶湯温度を一定に維持するためには周辺部材も近似温度に加熱する必要があるので、ヒータ周辺も加熱される抵抗ヒータが好適である。
[R−T−B系合金作製工程]
上記の合金は、R−T−B系合金の溶湯を例えばストリップキャスト法によって急冷して作製される。以下、ストリップキャスト法により急冷凝固したR−T−B系合金の作製について詳細を説明する。
図1に本発明のストリップキャスト法によるR−T−B系合金作製のための装置の模式図を示す。R−T−B系合金は、その活性な性質のため真空または不活性ガス雰囲気中で、耐火物ルツボ2を用いて溶解される。溶解された合金の溶湯6は1350〜1500℃で所定の時間保持された後、タンディッシュ1を介して、内部を水冷された鋳造用回転ロール8に供給され、102K/sから10K/sの速度で急冷する。
ここで、タンディッシュ1は、前述したように湯口7が矩形状となっている。タンディッシュ1は、矩形状となっている湯口7において溶湯6が固まらないように加熱手段5にて温度が一定に保たれている。温度は700℃以上1500℃以下の範囲で設定する。好ましくは、800℃以上1200℃以下にするのがよい。800℃以下の設定温度では溶湯粘性が低下する恐れがある。また設定温度を1200℃以上にするためにはヒータ線の選定が難しくなってくる。
一般に溶湯6の供給速度とロール8の回転数は、求める合金の厚みに応じて適宜条件を設定し制御する。ロール8の回転数は、周速度にして0.5〜3m/sの範囲で任意に設定する。
鋳造用ロール8の材質は、熱伝導性がよく入手が容易である点から銅、或いは銅合金が好ましい。ロール8の材質やロール8の表面状態によっては、鋳造用ロール8の表面に溶湯の残渣が付着する場合があるので、必要に応じてロール面を清浄にする清掃装置を設置することができる。ロール8上で凝固したR−T−B系合金はロール8から離脱し、鋳片状のR−T−B系合金となって不図示の捕集コンテナに回収される。この捕集コンテナに加熱、冷却機構を設けることで均一な合金組織を維持できる。
鋳造用ロール8表面の表面粗さは、算術平均粗さ Raで1.2μm以上とするのが好ましい。Raで1.2μm未満であるとR−T−B系合金の溶湯6に対するロール8の濡れ性が悪くなり、鋳片状となるR−T−B系合金の生成が安定しない。Raが6μmを越えると、冷却能率が低下し、目的の合金組織が得られないので6μm以下が好ましい。
ロール8にてR−T−B系合金を冷却する際に用いる冷却水の温度は、ロールの冷却水の温度が高くなりすぎると、冷却水の温度保持に投入するエネルギーが過大に必要となるので70℃以下にすることが望ましい。更に好ましくは50℃以下にすることが望ましい。
本発明に係る製造方法では、厚みのバラツキ(標準偏差)が従来の半分以下となったR−T−B系合金を作製できる。
表1に記載の組成になるように、金属ネオジム、フェロボロン、コバルト、アルミニウム、銅、鉄等を配合した原料を、アルミナルツボを使用して、アルゴンガスで0.10気圧の雰囲気中で、高周波溶解炉で溶解した。
Figure 2010227993
その後、表2の条件でそれぞれの溶湯をロール表面に注湯して、ストリップキャスト法で鋳片状のR−T−B系合金を作製した。ここで、鋳造用回転ロールの直径は235mm、材質はクロム・ジルコニウム銅で、内部は水冷されており、水温は調整できる。
Figure 2010227993
表3に示すように、1ロットにつき100個の測定を行ったところ、鋳片状のR−T−B系合金の平均厚み、厚みの標準偏差(厚みσ)は、本発明によって作製したR−T−B系合金であるNo.1から3、No.9から17では、R−T−B系合金の厚みの標準偏差(厚みσ)が8μmから15μmであった。ここで、厚みの標準偏差(厚みσ)は長さ方向の厚みの標準偏差を指す。ちなみに、本発明によって作製されたR−T−B系合金No.1について板幅方向の厚みを測定したところ厚みの標準偏差(厚みσ)は15μm以下であった。
一方、本発明によらずに作製したR−T−B系合金であるNo.4から8、No.18からNo.26は、R−T−B系合金の厚みの標準偏差(厚みσ)は26〜55μmであった。
Figure 2010227993
本発明によって作製されたR−T−B系合金と本発明によらずに作製されたR−T−B系合金の厚みの存在比率を比較すると図4のようになる。図4ではR−T−B系合金の平均厚みが300μmのときと、400μmとを併せて表している。図4に示すように本発明によって作製されたR−T−B系合金ではほぼ同一の厚みになっているのがわかる。一方、本発明によらずに作製されたR−T−B系合金では厚みの分布がブロードになっているのがわかる。
次に、表1のB合金の組成になるよう配合した原料を7ロット準備し、それらの原料をアルミナルツボを使用して、アルゴンガスで0.1気圧の雰囲気中で、高周波溶解炉で溶解し、表4の条件で溶湯をそれぞれロール表面に注湯して、厚みの異なる鋳片状のR−T−B系合金を作製した。ここで、鋳造用回転ロールの直径は235mm、材質はクロム・ジルコニウム銅で、内部は水冷されており、水温は調整できる。
Figure 2010227993
これらの合金を原料として、水素加圧雰囲気で水素脆化させた後、600℃まで真空中で加熱、冷却した後、合金粗粉を得た。この粗粉に対し、質量比で0.05%のステアリン酸亜鉛を添加、混合した。
次いで、気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で、磁粉送り速度100g/min、ガス圧500kPaにて乾式粉砕し、R−T−B系合金の粉末を得た。このとき、粉砕ガス中の酸素濃度は8500ppm以下に制御している。粉砕後のR−T−B系合金の粉末について、粒径D50を気流分散法によるレーザー回折法にて測定した。
7ロットそれぞれの測定結果を、表5および図5に示す。図5に示すように鋳片状のR−T−B系合金の平均厚みとD50とは、平均厚みが増えるに従い、D50も比例して大きくなっているのがわかる。このことにより、D50と鋳片厚みとが対応しているので、R−T−B系合金の厚みを制御することで所望のD50を安定に得ることができる。
Figure 2010227993
次に、表1のB合金の組成になるよう配合した原料を3ロット準備し、それらの原料をアルミナルツボを使用して、アルゴンガスで0.1気圧の雰囲気中で、高周波溶解炉で溶解し、表6に示す3つの条件で溶湯をそれぞれロール表面に注湯して、鋳片状のR−T−B系合金を作製した。ここで、鋳造用回転ロールの直径は235mm、材質はクロム・ジルコニウム銅で、内部は水冷されており、水温は調整できる。また、ロールの周速度は1.0m/sであった。
Figure 2010227993
表7に示すように、1ロットにつき100個の測定を行ったところ、鋳片状のR−T−B系合金の平均厚み、厚みの標準偏差(厚みσ)は、本発明にて作成したNo.34では303μm、9μm、No.35では298μm、14μmであった。一方、本発明にて作製しなかったNo.36では334μm、36μmであった。
Figure 2010227993
これらの合金を原料として、水素加圧雰囲気で水素脆化させた後、600℃まで真空中で加熱、冷却した後、合金粗粉を得た。この粗粉に対し、質量比で0.05%のステアリン酸亜鉛を添加、混合した。
次いで、表8に示すように気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で、ガス圧500kPaにて乾式粉砕し、D50が約4.5μmであるR−T−B系合金の粉末を得た。このとき、粉砕ガス中の酸素濃度は8500ppm以下に制御している。
Figure 2010227993
微粉砕後の粒度分布をグラフにした(図6)。本発明にて作成したNo.34とNo.35では粗粒側に分布が少ないが本発明にて作製しなかったNo.36では粗粒側に広く分布していることが確かめられた。
こうして作製した粉末をプレス装置により成形し、成形体を作製した。具体的には、印加磁界中で粉末粒子を磁界配向した状態で圧縮し、プレス成形を行った。その後、成形体をプレス装置から抜き出し、真空炉により1060℃で4時間の焼結工程を行った。
焼結してできたR−T−B系焼結磁石を3つに分割し、それぞれに対して440℃、460℃、480℃のテンパー処理を真空中にて加えた。
No.34からNo.36それぞれについて、HcJ(kA/m)、HK(kA/m)を測定し、HK/HcJ×100の計算式にて角形性を評価した。評価した結果を表9に示す。
Figure 2010227993
表9の結果のうち、角形性についてグラフにした(図7)。本発明にて作製したNo.34、No.35のR−T−B系焼結磁石は、440℃から480℃の広い範囲にて角形性が変化していない。一方、No.36のR−T−B系焼結磁石は、440℃から480℃の範囲でいずれも本発明より角形性が低く、特に440℃の熱処理を加えたときは、本発明による焼結磁石と比べ角形性が10%以上も低い。
角形性が良好となることで同じパーミアンスで高い磁束密度が得られることや、幅広いテンパー条件で角形性が変化しないためにテンパー処理の生産条件が緩和されることの利点がある。
本発明に依らず作製した場合、鋳片厚みのばらつきが大きくなり、図6に示すように微粉砕後の粉砕粒度が粗粒側にブロードに分布する。結果として焼結体の結晶粒径が大きいものが多く含まれる。また結晶粒径のばらつきもおおきくなってしまう。そのために角形性の劣化につながったと推測される。本発明により、R−T−B系合金の厚みのばらつきが小さくなることで従来より均質な組織となる。均質な組織となることで、従来同一ロットで発生していた磁石化後の磁気特性のばらつきが小さくなると考えられる。また、本発明のR−T−B系合金を用いた焼結磁石では安定して角形性が95%以上となる。
本発明は、R−T−B系焼結磁石の製造に好適に用いることができる。
1 11 タンディッシュ
2 12 ルツボ
3 本体
4 蓋
5 加熱手段
6 16 溶湯
7 湯口
8 18 ロール
9 19 解砕機
H 湯口の間隔
L1 平坦部の長さ
L2 傾斜部の長さ

Claims (3)

  1. 溶湯の流路を形成する傾斜部と平坦部を有する本体と、
    前記平坦部と所定の間隔を形成して対向配置する蓋と、
    前記蓋に配置する加熱手段とを有し、前記間隙を湯口とするタンディッシュ。
  2. 前記加熱手段は抵抗ヒータである請求項1に記載のタンディッシュ。
  3. 所定の組成となるようにルツボ内に原料を投入してから加熱し、R−T−B系合金の溶湯を作製する工程と、
    前記作製したR−T−B系合金の溶湯は、溶湯の流路を形成する傾斜部と平坦部を有する本体と、前記平坦部と所定の間隔を形成して対向配置する蓋と前記蓋に配置する加熱手段とを有し、前記間隙を湯口とするタンディッシュを経由して前記注湯したR−T−B系合金の溶湯を表面粗さRaが1.2μm以上である冷却ロールに注湯して急冷する工程と、
    からなるR−T−B系合金の製造方法。
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