JP2010227012A - がん細胞捕捉デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】血液等の細胞分散液に含有される、がん細胞を捕捉することができるがん細胞捕捉デバイスを提供すること。
【解決手段】本発明にかかるがん細胞捕捉デバイスは、がん細胞を含む細胞分散液を通過させて、該がん細胞を捕捉するデバイスであって、細胞分散液を注入する注入部2と、細胞分散液を排出する排出部4と、注入部2および排出部4の間に流路10を形成する流路形成部6と、を含み、流路形成部6には、がん細胞のレセプターに特異的に結合するリガンド分子が固定されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明にかかるがん細胞捕捉デバイスは、がん細胞を含む細胞分散液を通過させて、該がん細胞を捕捉するデバイスであって、細胞分散液を注入する注入部2と、細胞分散液を排出する排出部4と、注入部2および排出部4の間に流路10を形成する流路形成部6と、を含み、流路形成部6には、がん細胞のレセプターに特異的に結合するリガンド分子が固定されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、細胞分散液中のがん細胞を捕捉するがん細胞捕捉デバイスに関する。
がんによる人の死亡は、がんの転移に原因するものが多い。一般に、がんの転移は、以下のようにして起きると考えられている。まず、原発巣のがんを形成するがん細胞が血管やリンパ管に侵入する。次に、血管やリンパ管に侵入したがん細胞は、血液やリンパ液の流れによって移送される。次に、移送されたがん細胞は、原発巣から離れた別の組織等の管壁に定着、浸潤する。そして、当該別の組織等において、新たながん(転移巣)を形成すると考えられている。血管を通じて人の体内を循環するがん細胞は、循環がん細胞(CTC:Circulating Tumor Cell)(循環腫瘍細胞)と呼ばれている。
細胞分散液中の特定の細胞を分離する方法としては、たとえば、特許文献1には、循環がん細胞の単離方法および試薬が開示されている。同文献には、がん細胞と特異的に結合するリガンド分子を結合させた磁性粒子に、がん細胞を捕捉させることによって循環がん細胞を効率的に単離、計数できる等の記載がある。また、特許文献2には、抗体を用いた細胞の分離方法が開示されている。
しかしながら、循環がん細胞を単離する方法は、がんの早期発見等の診断を行うためのものであった。このような方法では、患者から採取した血液は検体として用いられ、磁性粒子等の異物が添加されている。そのため、診断に用いた血液は、血液製剤として使用することが難しかった。このような方法を、血液から循環がん細胞を除去するために適用すると、血液に異物を混入させることとなり、これを投与すると、QOLの著しい低下や生命の危険が危惧されるものであった。
また、抗体を用いる方法によってがん細胞を捕捉するためには、大量の抗体が必要であった。抗体は、一般に高価であり、大量に使用することは不経済である。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、血液等の細胞分散液に含有される、がん細胞を捕捉することができるがん細胞捕捉デバイスを提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかるがん細胞捕捉デバイスの一態様は、
がん細胞を含む細胞分散液を通過させて、前記がん細胞を捕捉するデバイスであって、
前記細胞分散液を注入する注入部と、
前記細胞分散液を排出する排出部と、
前記注入部および前記排出部の間に流路を形成する流路形成部と、
を含み、
前記流路形成部には、前記がん細胞のレセプターに特異的に結合するリガンド分子が固定されている。
本発明にかかるがん細胞捕捉デバイスの一態様は、
がん細胞を含む細胞分散液を通過させて、前記がん細胞を捕捉するデバイスであって、
前記細胞分散液を注入する注入部と、
前記細胞分散液を排出する排出部と、
前記注入部および前記排出部の間に流路を形成する流路形成部と、
を含み、
前記流路形成部には、前記がん細胞のレセプターに特異的に結合するリガンド分子が固定されている。
このようながん細胞捕捉デバイスは、血液等の細胞分散液に含有される、がん細胞を捕捉することができる。また、リガンド分子は、抗体に比較して容易に製造することができるため、経済的にも負担が少ない。
[適用例2]
適用例1において、
前記リガンド分子は、葉酸、ガラクトース、トランスフェリン、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種である、がん細胞捕捉デバイス。
適用例1において、
前記リガンド分子は、葉酸、ガラクトース、トランスフェリン、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種である、がん細胞捕捉デバイス。
このようながん細胞捕捉デバイスは、血液等の細胞分散液に含有される、がん細胞を効率よく捕捉することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記リガンド分子は、葉酸または葉酸の誘導体である、がん細胞捕捉デバイス。
適用例1または適用例2において、
前記リガンド分子は、葉酸または葉酸の誘導体である、がん細胞捕捉デバイス。
このようながん細胞捕捉デバイスは、葉酸が比較的低分子であるため、リガンド分子を密に配置することができる。これにより、さらにがん細胞を捕捉する効果を高めることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一項において、
前記流路形成部は、第1面および第2面を有し、前記第1面から前記第2面に貫通し一方向に沿って延びるスリット形状を有する貫通孔が形成された、スリット部材を含み、
前記貫通孔は、テーパー部を有し、
前記テーパー部の前記一方向に直交する断面における幅は、前記第1面から前記第2面側に向かって減少し、前記第2面側の端において前記がん細胞の平均直径よりも小さくなっており、
前記細胞分散液は、前記第1面側から前記貫通孔を通って前記第2面側に通過される、がん細胞捕捉デバイス。
適用例1ないし適用例3のいずれか一項において、
前記流路形成部は、第1面および第2面を有し、前記第1面から前記第2面に貫通し一方向に沿って延びるスリット形状を有する貫通孔が形成された、スリット部材を含み、
前記貫通孔は、テーパー部を有し、
前記テーパー部の前記一方向に直交する断面における幅は、前記第1面から前記第2面側に向かって減少し、前記第2面側の端において前記がん細胞の平均直径よりも小さくなっており、
前記細胞分散液は、前記第1面側から前記貫通孔を通って前記第2面側に通過される、がん細胞捕捉デバイス。
このようながん細胞捕捉デバイスは、がん細胞をテーパー部に接触させることができる。そのため、がん細胞を捕捉する能力をより高めることができる。
[適用例5]
適用例4において、
前記第1面および前記第2面は、互いに平行である、がん細胞捕捉デバイス。
適用例4において、
前記第1面および前記第2面は、互いに平行である、がん細胞捕捉デバイス。
このようながん細胞捕捉デバイスは、平板状のスリット部材を有するため、さらに、小型化が可能で、製造が容易である。
[適用例6]
適用例4または適用例5において、
前記貫通孔は、さらに、狭窄部を有し、
前記狭窄部は、前記テーパー部の前記第2面側の端に連続し、
前記狭窄部の前記幅は、前記テーパー部の前記第2面側の端における前記幅以下である、がん細胞捕捉デバイス。
適用例4または適用例5において、
前記貫通孔は、さらに、狭窄部を有し、
前記狭窄部は、前記テーパー部の前記第2面側の端に連続し、
前記狭窄部の前記幅は、前記テーパー部の前記第2面側の端における前記幅以下である、がん細胞捕捉デバイス。
このようながん細胞捕捉デバイスは、狭窄部にがん細胞を接触させることができる。そのため、がん細胞を捕捉する能力をより高めることができる。
[適用例7]
適用例6において、
前記リガンド分子は、前記狭窄部に固定されている、がん細胞捕捉デバイス。
適用例6において、
前記リガンド分子は、前記狭窄部に固定されている、がん細胞捕捉デバイス。
このようながん細胞捕捉デバイスは、狭窄部にがん細胞を効率よく捕捉することができる。
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例を説明するものである。
本実施形態にかかるがん細胞捕捉デバイスは、がん細胞を含む細胞分散液を通過させて、前記がん細胞を捕捉する。
1.細胞分散液
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、細胞分散液を通過させる。細胞分散液としては、たとえば、人間等の動物の体液、すなわち、血液、リンパ液、組織液、体腔液などでがん細胞が含まれるものを挙げることができる。また、本実施形態にかかる細胞分散液としては、生体由来のものに限定されず、試験、研究等のために人工的にがん細胞を分散させて調製された細胞の分散体であってもよい。
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、細胞分散液を通過させる。細胞分散液としては、たとえば、人間等の動物の体液、すなわち、血液、リンパ液、組織液、体腔液などでがん細胞が含まれるものを挙げることができる。また、本実施形態にかかる細胞分散液としては、生体由来のものに限定されず、試験、研究等のために人工的にがん細胞を分散させて調製された細胞の分散体であってもよい。
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスを通過させる細胞分散液は、がん細胞を含む。細胞分散液は、がん細胞以外の他の細胞が分散されていてもよい。たとえば細胞分散液は、免疫細胞を含んでいてもよい。また、たとえば、血液のように、がん細胞の他に、白血球(免疫細胞)、赤血球、血小板等の細胞が分散していてもよい。
本明細書において、がん細胞とは、がん(悪性腫瘍)を構成する細胞のことを指す。がんは、転移する性質を有し、がん細胞は、がんが転移する際に、上述した血液等の体液に混入する。血液に混入して生体内を循環できる状態になったがん細胞は、循環がん細胞(CTC:Circulating Tumor Cell)(または循環腫瘍細胞)と呼ばれている。したがって、本実施形態のがん細胞捕捉デバイスを通過する細胞分散液は、循環がん細胞を含む血液であってもよい。本明細書において、免疫細胞とは、白血球、すなわち、顆粒球、リンパ球および単球などの細胞のことをいう。
2.がん細胞捕捉デバイス
図1は、本実施形態にかかるがん細胞捕捉デバイス1000を模式的に示す平面図である。図2および図3は、がん細胞捕捉デバイス1000の断面の模式図である。図2および図3は、図1のA−A線およびB−B線の断面に相当する。
図1は、本実施形態にかかるがん細胞捕捉デバイス1000を模式的に示す平面図である。図2および図3は、がん細胞捕捉デバイス1000の断面の模式図である。図2および図3は、図1のA−A線およびB−B線の断面に相当する。
本実施形態にかかるがん細胞捕捉デバイス1000は、注入部2と、排出部4と、流路形成部6と、を含む。
注入部2は、細胞分散液を注入する部分である。図1には、細胞分散液の注入の様子を矢印で模式的に示してある。注入部2の形状は限定されない。たとえば、図1〜3に示すように、注入部2の形状は、円筒状とすることができる。注入部2には、流路10に接続する注入路12が形成される。したがって細胞分散液は、がん細胞捕捉デバイス1000外から、注入路12を通って流路10に注入される。
排出部4は、細胞分散液を排出する部分である。図1には、細胞分散液の排出の様子を矢印で模式的に示してある。排出部4の形状は限定されない。たとえば、図1〜3に示すように、排出部4の形状は、円筒状とすることができる。排出部4には、流路10に接続する排出路14が形成されている。したがって細胞分散液は、流路10から排出路14を通ってがん細胞捕捉デバイス1000外に排出される。
流路形成部6は、細胞分散液を通過させる部分である。流路形成部6の形状は限定されない。たとえば、図1〜3に示すように、流路形成部6の形状は、円筒状とすることができる。また、図1〜図3に示す例では、流路形成部6の径は、注入部2および排出部4の径よりも大きくなっているが、これに限定されない。たとえば、流路形成部6の径は、注入部2および排出部4の径よりも小さく形成してもよい。流路形成部6は、流路形成部材30によって形成される。流路形成部材30は、内部に空間を有する部材であり、該空間によって流路10が形成される。流路10は、注入路12および排出路14に連通している。流路形成部材30は、注入部2および排出部4を形成する部材と、別体であっても一体であってもよい。また、流路形成部材30は、他の構成を含んでもよい。たとえば、流路形成部材30は、ファイバー等の構成を含んでもよく、これによりたとえばリガンド層20の細胞分散液に接触するための表面積を増やすことができる。このような流路形成部6の変形例については、別項を設けて詳述する。
がん細胞捕捉デバイス1000の材質としては、無機材料および有機材料が挙げられ、たとえば、ステンレス、クロム−コバルト合金等の金属材料、酸化物材料、セラミックス材料、シリコン等の半導体材料、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、およびこれらのアロイ等の高分子材料、再生セルロース、表面改質再生セルロース、セルロースアセテート系等のセルロース系材料などを用いることができる。
がん細胞捕捉デバイス1000は、生体適合性の良好な材質であることがより好ましい。生体適合性の材質としては、たとえば、上述したうち、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル共重合体、セルロース系の材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂などが挙げられる。
がん細胞捕捉デバイス1000が生体適合性を有する材質で形成されると、たとえば、細胞分散液中の正常細胞の欠損等を抑えることができ、また、細胞分散液に免疫細胞が含まれる場合には、該免疫細胞等ががん細胞捕捉デバイス1000を異物として認識しにくくすることができる。さらに、細胞分散液が血液である場合は、がん細胞捕捉デバイス1000の材質に生体適合性材料を選択すると、血液凝固作用を抑制することができる。
がん細胞捕捉デバイス1000の流路形成部6には、リガンド層20が形成されている。リガンド層20は、表面に、がん細胞のレセプターに特異的に作用するリガンド分子Lが固定された層である。リガンド層20は、図1ないし図3の例では、流路形成部材30の流路10を形成する側の表面に形成されている(破線で表示されている)。流路形成部6においてリガンド層20の形成される位置は限定されない。リガンド層20は、流路形成部6の全体に形成されることができる。また、リガンド層20は、流路形成部6の一部に形成されることができる。
3.リガンド分子
リガンド層20は、流路形成部6に形成されている。したがって、リガンド分子Lは、流路形成部材30のリガンド層20の表面において細胞分散液に接触することができる。
リガンド層20は、流路形成部6に形成されている。したがって、リガンド分子Lは、流路形成部材30のリガンド層20の表面において細胞分散液に接触することができる。
リガンド分子Lの機能としては、がん細胞が有するレセプターRと結合することが挙げられる。リガンド分子Lとしては、細胞分散液中のがん細胞が有するレセプターRに特異的に結合するものを用いる。したがって、リガンド層20の表面にがん細胞が接触した場合、リガンド分子と対応するレセプターとが結合するため、がん細胞を捕捉することができる。
リガンド分子Lの具体例としては、葉酸などのビタミン類、ガラクトースなどの糖類、トランスフェリン−Feなどの高分子化合物、およびそれらの誘導体などを例示することができる。特に細胞分散液が循環がん細胞を含む場合、循環がん細胞の表面には、葉酸レセプターが高い頻度で発現していることが一般的であるため、リガンド分子Lとしては、葉酸またはその誘導体を用いることがより好ましい。また、葉酸は低分子のリガンド分子であるため、流路形成部材30の表面に、より密に固定することができるため、葉酸レセプターとの接触機会を高めることができる。
図4ないし図6は、がん細胞捕捉デバイス1000の流路形成部材30の流路10を形成している表面付近と、リガンド層20の断面(たとえば、図3におけるRの部位)を拡大した模式図である。
流路形成部材30の表面に、リガンド分子Lを固定する方法としては、たとえば、自己組織化単分子膜(SAM)を流路形成部材30の表面に形成し、該SAMにリガンド分子を吸着または結合させる方法(図4)、流路形成部材30の表面に直接リガンド分子Lを吸着または結合させる方法(図5)、リガンド分子Lを側鎖等に有する高分子(以下、リガンド変性高分子Pということがある。)を合成して、該高分子を流路形成部材30に塗布する方法などが挙げられる。
これらのうち、SAMにリガンド分子Lを吸着または結合させる方法によれば、リガンド分子Lをむら無く、または規則正しく配置して固定することができる。そのため、流路形成部材30の表面に高密度にリガンド分子Lを固定することができる。図4に示すように、SAMは、流路形成部材30の表面に規則的な構造を有して形成される。そのため、SAMの表面にリガンド分子Lを吸着または結合させると、リガンド分子Lが規則的に配置されたリガンド層20を得ることができる。
SAMを形成する化合物の例としては、チオール類、ジスルフィド類、アルコキシシラン類、アルキルシラン類、ハロゲン化シラン類等が挙げられる。このような化合物を流路形成部材30の表面に適宜結合させることにより、SAMを形成することができる。その際、流路形成部材30には、さらに表面処理等が施されてもよい。たとえば、流路形成部材30の表面に金コートを施すと、チオール類によって容易にSAMを形成することができる。図4の例では、スルフィド結合によってSAMの下面が流路形成部材30に固定され、SAMの反対側の面にリガンド分子Lが固定されている。そして、リガンド層20の表面側にリガンド分子Lが存在している。
また、リガンド変性高分子Pを流路形成部材30に塗布する方法によれば、リガンド分子Lの運動の自由度(ゆらぎ)を高めることができる。たとえば、図6に示すように、流路形成部材30の表面に塗布されたリガンド変性高分子Pは、リガンド分子Lが結合された側鎖を、流路10側に偏在させることができる。このような側鎖、および側鎖が結合されている主鎖は、運動性を有するため、金属等に固定された場合に比較して、リガンド分子Lの運動に自由度を付与することができる。そのため、リガンド分子Lは、一定の空間的範囲内で運動することができる。これにより、リガンド分子Lと、がん細胞のレセプターRとの接触機会を増大させることができる。また、リガンド変性高分子Pは基材の表面に直接塗布することができるため、リガンド層20の形成が容易である。また、リガンド変性高分子Pの塗布手段として、インクジェットプリンターを用いれば、任意に選択した微小領域への塗布が可能となる。
図7は、リガンド分子Lおよびがん細胞のレセプターRが結合する様子を模式的に示す図である。リガンド分子Lは、レセプターRのうちリガンド分子Lに対応するものに特異的に結合することができる。したがって、流路形成部材30の表面に、リガンド分子Lが固定されたリガンド層20が形成されることにより、リガンド層20の表面にがん細胞を捕捉することができる。
4.作用効果
以上説明した本実施形態にかかるがん細胞捕捉デバイス1000は、血液等の細胞分散液に含有されるがん細胞を捕捉することができる。すなわち、がん細胞捕捉デバイス1000は、流路を形成する流路形成部材30の表面に、がん細胞のレセプターRに特異的に結合するリガンド分子Lを有している。そのため、がん細胞は、リガンド分子LとレセプターRとの結合によって捕捉されることができる。また、リガンド分子Lは、一般的な抗体に比較して、より容易に製造することができるため、経済的にも有利である。
以上説明した本実施形態にかかるがん細胞捕捉デバイス1000は、血液等の細胞分散液に含有されるがん細胞を捕捉することができる。すなわち、がん細胞捕捉デバイス1000は、流路を形成する流路形成部材30の表面に、がん細胞のレセプターRに特異的に結合するリガンド分子Lを有している。そのため、がん細胞は、リガンド分子LとレセプターRとの結合によって捕捉されることができる。また、リガンド分子Lは、一般的な抗体に比較して、より容易に製造することができるため、経済的にも有利である。
5.変形例
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、各種の変形実施が可能である。以下にそのいくつかを例示する。なお、本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、これらの変形例に限定されるものではない。
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、各種の変形実施が可能である。以下にそのいくつかを例示する。なお、本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、これらの変形例に限定されるものではない。
5.1.流通経路の延長等
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、流路形成部6において、細胞分散液の通過する経路を延長すること、および細胞分散液とリガンド層20との接触面積を増加させることの少なくとも一方を行う変形が可能である。このようにすれば、さらにがん細胞を捕捉する作用を高めることができる。
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、流路形成部6において、細胞分散液の通過する経路を延長すること、および細胞分散液とリガンド層20との接触面積を増加させることの少なくとも一方を行う変形が可能である。このようにすれば、さらにがん細胞を捕捉する作用を高めることができる。
図8は、変形例にかかるがん細胞捕捉デバイス1010の断面の模式図である。がん細胞捕捉デバイス1010は、流路形成部材30の流路10側の表面に突起32を有している以外は、上述のがん細胞捕捉デバイス1000と同様である。
突起32は、流路形成部材30の一部である。突起32の形状は、特に限定されない。図8の例では、突起32は、細胞分散液の流動方向に対して交差する方向の板状の形状を有している。突起32の数は限定されない。図示の例では、複数の突起32が形成されている。突起32は、たとえば、流路10を螺旋状に形成する形状を有していてもよい。これにより、細胞分散液の通過する経路を延長することができる。
突起32の表面には、リガンド層20が設けられる。これにより、細胞分散液中のがん細胞がリガンド層20の面積を増やすことができる。そのため、細胞分散液中のがん細胞が、リガンド層20に接触する機会を増やすことができる。
5.2.接触頻度の向上等
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、流路形成部6において、細胞分散液中のがん細胞をリガンド層20に非常に高い確率で接触させるように変形することができる。
本実施形態のがん細胞捕捉デバイスは、流路形成部6において、細胞分散液中のがん細胞をリガンド層20に非常に高い確率で接触させるように変形することができる。
図9は、変形例にかかるがん細胞捕捉デバイス1020を模式的に示す平面図である。図10および図11は、がん細胞捕捉デバイス1020の断面の模式図である。図10および図11は、それぞれ図9のA−A線、およびB−B線の断面に相当する。
がん細胞捕捉デバイス1020は、流路形成部材300を有し、流路形成部材300の内側にスリット部材100が設けられている。流路形成部材300は、細胞分散液を注入する注入口320および細胞分散液を排出する排出口340を有する。がん細胞捕捉デバイス1020は、細胞分散液を注入口320から排出口340に通過させることができる。また、がん細胞捕捉デバイス1020では、流路形成部材300は、がん細胞捕捉デバイス1020の注入部2、流路形成部6、および排出部4を一体的に形成しており、流路形成部6には、貫通孔110を有するスリット部材100が設けられている。
注入口320は、一次側流路322に連通している。排出口340は、二次側流路342に連通している。スリット部材100は、一次側流路322と二次側流路342の間に設けられる。したがって、注入口320から注入された細胞分散液は、スリット部材100の貫通孔110を通過して排出口340まで導かれることができる。がん細胞捕捉デバイス1020において、流路形成部6に形成される流路10には、一次側流路322、貫通孔110および二次側流路342が相当する。
流路形成部材300、注入口320、排出口340の形状および大きさは、上記の機能を有する限り特に限定されない。流路形成部材300の材質についても限定されない。
スリット部材100は、第1面101および第2面102を有する。図9ないし図11の例では、スリット部材100は板状の形状を有し、一方の主面が第1面101であり、他方の主面が第2面102である。
スリット部材100は、一次側流路322に第1面101が面し、二次側流路342に第2面102が面するように設けられる。したがって、細胞分散液は、がん細胞捕捉デバイス1020を通過するときに、スリット部材100を、第1面101側から第2面102側に向かって通過する。スリット部材100は、流路形成部材300と一体的であってもよい。
スリット部材100の大きさおよび形状は限定されない。たとえば、スリット部材100の平面的な形状は、矩形、円形等とすることができる。図9〜図11の例では、スリット部材100の平面的な形状は、矩形となっている。
スリット部材の厚みtは、後述する貫通孔110の機能に応じて設計されることができる。スリット部材の厚みtは、たとえば、1μm以上100mm以下とすることができる。スリット部材の厚みtが1μm以下であると、がん細胞捕捉デバイス1020の強度が不足する場合がある。
スリット部材100に形成される貫通孔110の数は限定されない。貫通孔110の数を増すと、細胞分散液の流量を増やすことができる。
スリット部材100の材質は特に限定されず、「2.がん細胞捕捉デバイス」の項で述べたがん細胞捕捉デバイス1000の材質と同様とすることができる。
貫通孔110は、スリット部材の第1面101から第2面102に貫通し、一方向に沿って延びるスリット形状を有する。貫通孔110は、スリット部材を厚みtの方向に貫通する。貫通孔110は、スリット部材の第1面101から第2面102に貫通することによって、第1面101および第2面102を接続している。
スリット形状とは、板状の物体を貫通する孔であって、該物体を平面的に見たときに、該孔が特定の方向に長く延びている孔の形状のことをいう。貫通孔110がスリット状に延びる方向は特に限定されない。たとえば、貫通孔110は、スリット部材100の例においては、図9に示すように、平面的に見て矩形の外形の一辺に沿う方向に細長く延びた形状を有している。貫通孔110の長さを大きくすると、細胞分散液の流量を増やすことができる。
図12は、貫通孔110を説明するための、スリット部材100の断面の模式図である。以下では、1個の貫通孔110について説明する。貫通孔110の各部の幅は、貫通孔110が延びる方向に直交する断面(たとえば、図12に描かれた断面)において規定される。
貫通孔110は、テーパー部12を有する。テーパー部12は、貫通孔110の一部または全部である。テーパー部12は、貫通孔110のうちの、スリット部材の第1面101に接続する部分を含む。テーパー部12を形成するスリット部材100の表面は、以下、テーパー面112と呼ぶことがある。テーパー面112は、少なくともスリット部材100の第1面101と接続している。
テーパー部12の幅は、第1面101から第2面102側に向かって減少する。テーパー部12の幅は、図12に示すように、第1面101から第2面102側に向かって減少している。図12の例では、テーパー部12の幅は、第1面101から第2面102側に向かって単調に減少している。テーパー部12の幅の減少の程度、すなわち、第1面101および第2面102に対するテーパー面112の傾きは限定されない。また、図12の例では、テーパー面112の断面は、直線状となっているが、折れ線や曲線であってもよい。
テーパー部12の幅は、第2面102側の端においてがん細胞の平均直径よりも小さくなっている。テーパー部12の第2面102側の端以外の部分の幅は、第1面101から第2面102側に向かって減少するかぎり限定されない。図12の例では、テーパー部12の第2面102側の端における幅Wteは、がん細胞の平均直径よりも小さくなっている。
がん細胞の平均直径については、以下のような報告がある。循環がん細胞は、血液中の通常の細胞よりも平均的な直径が大きいという報告がある(たとえば、American Journal of Pathology, Vol. 156, No. 1, 57−63, January 2000)。この報告では、複数種の循環がん細胞について、光学顕微鏡写真を撮影している。そして、各種の循環がん細胞の平均的な投影面積は、396μm2以上796μm2以下であったと報告している。したがって、各種の循環がん細胞の形状を球と仮定すると、上記文献の循環がん細胞の平均的な直径は、22μm以上32μm以下であることがわかる。
たとえば、上記文献の22μmの平均直径を有する循環がん細胞が細胞分散液に含まれる場合は、テーパー部12の第2面102側の端における幅Wteは、22μm以下となる。同様に、上記文献の32μmの平均直径を有する循環がん細胞が細胞分散液に含まれる場合は、テーパー部12の第2面102側の端における幅Wteは、32μm以下となる。このように、スリット部材100の貫通孔110のテーパー部12の第2面102側の端における幅Wteは、細胞分散液の処理の種類に応じて、上記の範囲で特定の値を選択することができる。
テーパー部12のスリット部材100の厚みt方向における大きさ(深さdt)は、限定されない。スリット部材100の厚みtに対するテーパー部12の深さdtは、1%以上100%以下とすることができる。図12の例では、テーパー部12の深さdtは、スリット部材の厚みtと同一(100%)となっている。
図12には、がん細胞および他の細胞が模式的に描かれている。既述したが細胞分散液は、スリット部材100の第1面101側から第2面102側に通過される。図12の例では、上から下へと細胞分散液が通過される。細胞分散液には、がん細胞gが含まれている。スリット部材100が上述のテーパー部12を有するため、図12に示すように、がん細胞gを少なくともテーパー部12の第2面102側の端において、スリット部材100に高確率で接触させることができる。
がん細胞捕捉デバイス1020は、テーパー面112にリガンド層20を有する。したがって、細胞分散液に含まれるがん細胞gを、非常に高い確率でリガンド層20に接触させることができる。そのため、がん細胞捕捉デバイス1020は、より確実にがん細胞gを捕捉することができる。
一方、細胞分散液にがん細胞gよりも小さい直径を有する細胞が含まれている場合、このような小さい細胞は、スリット部材100によって捕捉されることなく、がん細胞捕捉デバイス1020を通過することができる。たとえば、細胞分散液が循環がん細胞を含む血液である場合は、赤血球や血小板等は、スリット部材100によって捕捉されることなく、がん細胞捕捉デバイス1020を通過することができる。
なお、貫通孔110は、スリット形状を有している。そのため、貫通孔110の一部分において、がん細胞gが捕捉された場合、他の部分は、依然として貫通孔110としての機能を十分に有することができる。すなわち、貫通孔110は、スリット状の形状を有するため、がん細胞gを捕捉しても、閉塞しにくく、細胞分散液の流路を十分に確保することができる。そのため細胞分散液が血液である場合、がん細胞捕捉デバイス1020は目詰まりが生じにくい。
がん細胞gの種類によっては、形状に柔軟性を有するものがある。図13に示すように、細胞分散液が通過する際に、がん細胞gが変形して通過しようとする場合がある。このような場合に備えて、貫通孔110は、狭窄部14を有することができる。図13は、貫通孔110が狭窄部14を有する場合のスリット部材100の断面の模式図である。
狭窄部14は、テーパー部12の第2面102側の端に連続して形成される。狭窄部14は、貫通孔110の一部である。狭窄部14は、貫通孔110のテーパー部12に連続し、テーパー部12よりも第2面102側の位置にある。狭窄部14を形成するスリット部材の表面は、以下、狭窄面114と呼ぶことがある。狭窄面114は、テーパー面112と連続している。狭窄面114は、スリット部材の第2面102と接続していてもよい。
狭窄部14のスリット部材の厚みt方向における大きさ(深さds)は、限定されない。スリット部材の厚みtに対する狭窄部14の深さdsは、0%以上99%以下とすることができる。図13の例では、狭窄部12の深さdsは、スリット部材の厚みtの約50%となっている。同図では、テーパー部12の深さdtは、スリット部材の厚みtの約50%となっている。
狭窄部14の幅は、テーパー部12の第2面102側の端における幅Wte以下である。したがって、狭窄部14の幅は、がん細胞の平均直径よりも小さい。図13の例では、狭窄部14は一定の幅(テーパー部12の第2面102側の端における幅Wte)で形成されている。
がん細胞捕捉デバイス1020は、狭窄面114にリガンド層20を有する。したがって、細胞分散液に含まれるがん細胞gを、非常に高い確率でリガンド層20に接触させることができ、かつ、がん細胞gが変形して通過しようとする場合、がん細胞gとリガンド層20との接触面積を大きく採ることができる。そのため、このような狭窄部14が形成されることにより、がん細胞捕捉デバイス1020を細胞分散液が通過する際に、特に、がん細胞gが変形して通過しようとする場合、がん細胞gをさらに確実に捕捉することができる。
以上説明したスリット部材100において、リガンド分子Lが固定される位置(リガンド層20が形成される位置)は、特に限定されないが、リガンド分子Lは、テーパー面112および狭窄面114の少なくとも一方に固定されることにより、がん細胞gを捕捉する作用を高めることができる。すなわち、がん細胞gが流路中で必ず接触するように狭窄部14および狭窄面114を形成し、この狭窄面114にリガンド層20を形成することは、がん細胞gを確実に捕捉するという効果を奏することができる。また、リガンド分子Lは、テーパー面112および狭窄面114の少なくとも一方に固定されることにより、がん細胞gを非常に効率よく捕捉できるため、流路形成部6の他の部位にリガンド分子Lを固定しなくてもよい場合がある。このようにすれば、リガンド分子Lの量を削減することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…注入部、4…排出部、6…流路形成部、10…流路、12…テーパー部、
14…狭窄部、20…リガンド層、30,300…流路形成部材、32…突起、
100…スリット部材、101…第1面、102…第2面、112…テーパー面、
114…狭窄面、320…注入口、322…一次側流路、340…排出口、
342…二次側流路、1000,1010,1020…がん細胞捕捉デバイス
14…狭窄部、20…リガンド層、30,300…流路形成部材、32…突起、
100…スリット部材、101…第1面、102…第2面、112…テーパー面、
114…狭窄面、320…注入口、322…一次側流路、340…排出口、
342…二次側流路、1000,1010,1020…がん細胞捕捉デバイス
Claims (7)
- がん細胞を含む細胞分散液を通過させて、前記がん細胞を捕捉するデバイスであって、
前記細胞分散液を注入する注入部と、
前記細胞分散液を排出する排出部と、
前記注入部および前記排出部の間に流路を形成する流路形成部と、
を含み、
前記流路形成部には、前記がん細胞のレセプターに特異的に結合するリガンド分子が固定されている、がん細胞捕捉デバイス。 - 請求項1において、
前記リガンド分子は、葉酸、ガラクトース、トランスフェリン、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種である、がん細胞捕捉デバイス。 - 請求項1または請求項2において、
前記リガンド分子は、葉酸または葉酸の誘導体である、がん細胞捕捉デバイス。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記流路形成部は、第1面および第2面を有し、前記第1面から前記第2面に貫通し一方向に沿って延びるスリット形状を有する貫通孔が形成された、スリット部材を含み、
前記貫通孔は、テーパー部を有し、
前記テーパー部の前記一方向に直交する断面における幅は、前記第1面から前記第2面側に向かって減少し、前記第2面側の端において前記がん細胞の平均直径よりも小さくなっており、
前記細胞分散液は、前記第1面側から前記貫通孔を通って前記第2面側に通過される、がん細胞捕捉デバイス。 - 請求項4において、
前記第1面および前記第2面は、互いに平行である、がん細胞捕捉デバイス。 - 請求項4または請求項5において、
前記貫通孔は、さらに、狭窄部を有し、
前記狭窄部は、前記テーパー部の前記第2面側の端に連続し、
前記狭窄部の前記幅は、前記テーパー部の前記第2面側の端における前記幅以下である、がん細胞捕捉デバイス。 - 請求項6において、
前記リガンド分子は、前記狭窄部に固定されている、がん細胞捕捉デバイス。
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