JP2010225810A - 可変抵抗および擬似インダクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気信号により抵抗値を連続的に変化させることが可能な小型の可変抵抗を提供する。
【解決手段】 電極Bは電極Cと間隙を挟んで対向するように一端が固定されている。電極Cにおける電極Bとの対向面には複数の突起状の抵抗体rが面状に配列されている。電極Dは、電極Cとの間に絶縁層204を挟んで電極Cに固定されている。電極Aは、電極Bとの間に絶縁層209を挟み、電極Dと対向している。電極AおよびD間には、制御電圧が与えられる。制御電圧を大きくすると、電極AおよびD間の吸引力が大きくなって電極Bが電極Cに向かって撓み、電極Bと電極Cの抵抗体rとの接触面積が増加し、電極BおよびC間の抵抗値が低下する。
【選択図】図3

Description

この発明は、高周波回路等に好適な可変抵抗および擬似インダクタに関する。
電気信号により駆動される可動部を備えた微細な機構を実現する技術として、MEMS(Micro Electro
Mechanical System;微細電気機械システム)技術がある。そして、MEMS技術により実現されるデバイスのうち特にチューナ等の高周波回路に用いられるデバイスとして、RF MEMS(Radio Frequency Micro Electro Mechanical System;高周波微細電気機械システム)デバイスがある。これまでRF MEMSデバイスに関しては、可変容量やスイッチなどの具体的構成が各種提案されている(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。
特開平2002−75156号公報
"MEMS開発&活用スタートアップ"、pp.92〜104、デザインウェーブマガジン編集部編、CQ出版社、2004年12月1日発行
ところで、一般的に高周波回路では、可変抵抗が利用される場合が多い。既存の可変抵抗として、摺動式の可変抵抗があるが、この可変抵抗は、抵抗値を変化させるために可動部を手で操作しなければならず、電気信号により抵抗値を制御することができないという欠点と、小型化が困難であるという欠点がある。また、抵抗とスイッチとを組み合わせた可変抵抗もあるが、この可変抵抗は、アナログ信号により抵抗値を連続的に変化させることができないという欠点がある。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、電気信号により抵抗値を連続的に変化させることが可能な小型の可変抵抗を提供することを目的としている。
この発明は、固定電極と、前記固定電極と間隙を挟んで対向するように一端が固定された板状の可動電極と、前記固定電極との間に絶縁層を挟んで前記固定電極に固定された第1の制御電極と、前記可動電極との間に絶縁層を挟み、前記第1の制御電極と対向するように前記可動電極に固定され、前記第1の制御電極との間に制御電圧が与えられる第2の制御電極とを具備することを特徴とする可変抵抗を提供する。
かかる発明によれば、第1の制御電極および第2の制御電極間に与える制御電圧を増減することにより、両制御電極間の吸引力を増減し、固定電極と可動電極との接触面積を増減することができる。従って、制御電圧の増減により、固定電極および可動電極間の抵抗値を連続的に変化させることができる。
ところで、高周波回路において、インダクタやキャパシタを用いたフィルタが用いられることがある。例えばインダクタとキャパシタとを組み合わせたフィルタとして、フィルタ特性が可変のものを実現するためには、インダクタのインダクタンスまたはキャパシタのキャパシタンスの少なくとも一方を可変にする必要がある。これまでに提案されているRF MEMSデバイスとして、インダクタンス固定のインダクタと、キャパシタンス可変のキャパシタを組み合わせたものがある(例えば非特許文献1の92ページ参照)。しかし、MEMS技術によりキャパシタンス可変のキャパシタを構成する場合、電気信号により広範囲に亙って連続的に容量を変化させることは一般に困難である。
そこで、この発明は、インダクタンス調整のための可変抵抗として、前記可変抵抗を用いた擬似インダクタを提供する。擬似インダクタとしては、周知のものが各種あるが、この発明の好ましい態様において、擬似インダクタは、 出力端子と逆相入力端子とが短絡されたオペアンプと、第1の端子と前記オペアンプの正相入力端子との間に介挿されたキャパシタと、前記第1の端子と前記オペアンプの逆相入力端子との間に介挿された抵抗と、前記オペアンプの正相入力端子と第2の端子との間に介挿された前記可変抵抗とを具備する。
この態様によれば、上述した制御電圧の増減により可変抵抗の抵抗値を増減し、第1の端子および第2の端子間のインダクタンスを連続的に変化させることができる。
この発明の一実施形態である擬似インダクタの構成例を示す回路図である。 同擬似インダクタの各部の電圧および電流の関係を示すベクトル図である。 同擬似インダクタにおける可変抵抗Rの構成を示す断面図である。 同擬似インダクタの構成を模式的に示すレイアウト図である。 同擬似インダクタにおける可変抵抗Rの構成を示す平面図および断面図である。 同可変抵抗Rを製造するMEMS製造プロセスの例を示す図である。 同可変抵抗Rを製造するMEMS製造プロセスの例を示す図である。 同可変抵抗Rを製造するMEMS製造プロセスの例を示す図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明の一実施形態である擬似インダクタの構成例を示す回路図である。図1に示す例において、擬似インダクタは、キャパシタCと、抵抗Rと、可変抵抗Rと、オペアンプOPとにより構成されている。ここで、擬似インダクタの入力端子INとオペアンプOPの正相入力端子(+入力端子)との間にはキャパシタCが介挿されており、このオペアンプOPの正相入力端子と接地線との間には可変抵抗Rが介挿されている。また、擬似インダクタの入力端子INとオペアンプOPの逆相入力端子(−入力端子)との間には抵抗Rが介挿されている。そして、オペアンプOPは逆相入力端子と出力端子とが短絡されており、オペアンプOPの正相入力端子と逆相入力端子は仮想短絡状態となっている。このため、キャパシタCと可変抵抗Rとの共通接続点であるオペアンプOPの正相入力端子に現れる電圧vと、オペアンプOPの逆相入力端子に現れる電圧v’は同じ電圧になる。
図2は、図1に示す構成において、擬似インダクタの各部に現れる電圧および電流の関係を示すベクトル図である。この図では、入力端子INおよび接地線間に角周波数ωの正弦波の交流電圧vを与えた場合における各部の電圧および電流をベクトルとして表している。
図2に示すように、キャパシタCおよび可変抵抗Rに流れる電流をiとした場合、入力端子INおよび接地線間の電圧vは、次式に示すように、可変抵抗Rの電圧降下v=iと、これよりもπ/2だけ位相が遅れたキャパシタCの電圧降下i/(jωC)のベクトル和となる。
v=v+i/(jωc
=i+i/(jωc) ……(1)
一方、上述したようにオペアンプOPの正相入力端子の電圧vと逆相入力端子の電圧v’は等しくなるので、キャパシタCの電圧降下と抵抗Rの電圧降下は等しくなる。このため、抵抗Rに流れる電流をiとすると、次式が成立する。
/(jωC)=i ……(2)
この式(2)をiについて解くと、次式が得られる。
=i/(jωC) ……(3)
上記式(2)から明らかなように、電流iは電流iよりもπ/2だけ位相が遅れる。そして、入力端子INおよび接地線間に流れる電流iは、この電流iおよび電流iを図2に示すようにベクトル加算したものとなる。
ここで、交流電圧vの角周波数ωが高くなると、容量性リアクタンス1/(jωc)が低下するため、電流iが増加して可変抵抗Rの電圧iが増加するとともに、キャパシタCの電圧降下i/(jωC)が低下する。このため、図示のように、電流iの電圧vに対する位相進み量が小さくなる(すなわち、位相が遅れる)。これに伴って、電流iの電圧vに対する位相遅れ量が大きくなる。
そして、可変抵抗Rの抵抗値が抵抗Rの抵抗値よりも十分に大きい状態では、図2に示すベクトル図において、電流iは電流iに対して無視できる程度に小さくなり、i≒iが成立する。この状態では、電圧vの角周波数ωの上昇に依存して、電流iの電圧vに対する位相遅れ量が大きくなり、かつ、電流iの絶対値が低下する。このように、図1に示す擬似インダクタでは、通常のコイルによるインダクタと同様な特性が得られる。
図1に示す擬似インダクタにおいて、可変抵抗Rの抵抗値を高くすると、電流iを減らすこととなるので、図2に示すように、電圧vの角周波数ωを上昇させたと同じ効果が得られる。従って、図1に示す擬似インダクタでは、可変抵抗Rの抵抗値を高くすることによりインダクタンスを高くし、可変抵抗Rの抵抗値を低くすることによりインダクタンスを低くする、という具合にインダクタンスの調整が可能である。
本実施形態の特徴は、以上説明した擬似インダクタに用いられる可変抵抗Rの構造にある。図3(a)および(b)は、本実施形態における可変抵抗Rの構成を示す断面図である。図3(a)および(b)において、可動電極である電極Bと固定電極である電極Cは、可変抵抗Rの両端をなすものであり、例えば図1に示す擬似インダクタを構成する場合、電極BおよびCは入力端子INおよび接地線に各々接続される。この電極BおよびCは、短冊状部分を有する電極であり、各々、一端が絶縁層207を挟んで互いに固定されており、絶縁層207から突き出た短冊状部分を対向させた片持ち梁構造をなしている。そして、電極Cにおける電極Bとの対向面には、多数の同じ高さの突起状の抵抗体rが面状に形成されている。なお、以下では、説明の便宜上、電極BおよびCにおいて絶縁層207を挟んで相互に固定されている側の端部(図3(a)および(b)において左側の端部)を基端部といい、それらとは反対側の端部(図3(a)および(b)において右側の端部)を先端部という。第1の制御電極である電極Dと第2の制御電極である電極Aは、可変抵抗R2の抵抗値を制御する制御電圧が印加される電極である。電極Dは、絶縁層204を間に挟んで電極Cの下面に固定されており、電極Aは絶縁層209を間に挟んで電極Bの上面に固定されている。ここで、電極AおよびDは、電極BおよびCにおいて絶縁層207を間に挟んでいる基端部近傍領域から僅かに先端部方向に寄った領域において互いに向き合っている。
図3(a)はこの電極AおよびD間の制御電圧が0Vであるときの状態を示しており、図3(b)はこの電極AおよびD間に所定値以上の制御電圧が印加された状態を示している。図3(a)に示すように、制御電圧が0Vの場合には、電極BおよびCは真っ直ぐ平行に延びた状態であり、離間している。制御電圧を0Vから増加すると、電極AおよびD間に制御電圧の大きさに応じた静電的な吸引力が発生し、この吸引力により電極Bが撓み、電極Bの先端が電極Cに近づく。そして、制御電圧が所定値になると、電極Bの先端が電極Cの表面の抵抗体rに接触する。そして、さらに制御電圧を増加すると、図3(b)に示すように、電極Bの先端寄りの部分が電極Cの表面の複数の抵抗体rと接触した状態となる。この状態では、制御電圧を増加するに従い、電極Bと電極Cの表面の抵抗体rとの総接触面積が増加し、電極BおよびC間の抵抗値が小さくなる。
電極AおよびDの位置は、電極BおよびCの先端部寄りの位置ではなく、図示のように、絶縁層207を間に挟んでいる電極BおよびCの基端部近傍領域の近くであることが好ましい。仮に電極AおよびDを電極BおよびCの先端部寄りの位置に設けた場合には、電極Bにおける電極Aに対応した領域が電極Cの表面の抵抗体rと接触すると、もはやそれ以上に制御電圧を大きくしても、電極Bと電極C上の抵抗体rとの総接触面積を増加させることができないからである。
図4は、本実施形態による擬似インダクタの構成を模式的に示すレイアウト図である。この例において擬似インダクタは、擬似インダクタにおける可変抵抗Rを除く要素、すなわち、抵抗Rと、キャパシタCと、オペアンプOPと、可変抵抗Rの抵抗値を制御する制御電圧を発生する制御回路CTLとを搭載したチップ100と、可変抵抗Rを搭載したチップ200とにより構成されている。ここで、チップ100は、CMOS製造プロセスにより製造される。また、チップ200は、後述するMEMS製造プロセスにより製造される。
チップ100には4個のボンディングパッドBP11〜BP14が設けられている。ここで、ボンディングパッドBP11およびBP14は、制御回路CTLが可変抵抗Rの抵抗値を制御するための制御電圧を出力するボンディングパッドである。また、ボンディングパッドBP12は、オペアンプOPの正相入力端子とキャパシタCの一端に接続されている。このオペアンプOPの逆相入力端子は出力端子と接続されており、この接続点は抵抗Rの一端に接続されている。そして、抵抗Rの他端とキャパシタCの他端はチップ100内にある入力端子INに接続されている。また、ボンディングパッドBP13は、チップ100内の接地線に接続されている。
同様に、チップ200にも、4個のボンディングパッドBP21〜BP24が設けられている。これらの4個のボンディングパッドBP21〜BP24は、図4においてチップ200の下半分の領域に設けられている。そして、図4においてチップ200の上半分の領域には、可変抵抗Rが設けられている。ここで、ボンディングパッドBP21および24は、可変抵抗Rの抵抗値を制御するための制御電圧を受け取るボンディングパッドである。図示の例では、ボンディングパッドBP21は、メタル配線ASを介して可変抵抗Rの電極Aに接続されている。また、ボンディングパッドBP24は、メタル配線DS1、スルーホールTH3およびメタル配線DS2を介して可変抵抗R2の電極Dに接続されている(図4ではメタル配線DS2および電極Dの図示を省略)。また、ボンディングパッドBP22は、メタル配線BSおよびスルーホールTH1を介して可変抵抗R2の電極Bに接続されている。ボンディングパッドBP23は、メタル配線CSおよびスルーホールTH2を介して可変抵抗R2の電極C(図4では図示略)に接続されている。そして、チップ100とチップ200は、共通の基板上に固定され、チップ100のボンディングパッドBP11、BP12、BP13およびBP14は、チップ200のボンディングパッドBP21、BP22、BP23およびBP24と各々ボンディングワイヤBWにより接続されている。
図5(a)〜(d)は、チップ200に設けられた可変抵抗Rの詳細な構成を示すものである。まず、図5(a)は可変抵抗Rの断面図である。図5(a)に示すように、Si基板201の表面にはSiOによる絶縁層202が形成されている。そして、絶縁層202の一部が除去され、その除去領域にメタル配線層をパターニングして得られた電極Dおよびこの電極DをボンディングパッドBP24に接続するための配線の一部であるメタル配線DS2が形成されている。絶縁層202、電極Dおよびメタル配線DS2の上部はSiOによる絶縁層204によって覆われており、この絶縁層204の表面の一部の領域に多結晶Si層をパターニングして得られた電極Cが積層されている。そして、この電極Cの基端部近傍部分と絶縁層204を覆うように、SiOによる絶縁層207が積層されている。電極Cにおいて絶縁層207によって覆われてない領域の表面には、複数の突起状の抵抗体rが面状に配列されている。電極Bは、多結晶Si層をパターニングして得られた電極であり、基端部近傍部分を絶縁層207の上に載せ、電極Cとの間に空隙を挟んだ状態で、電極Cと対向している。SiOによる絶縁層209は、電極Bにおける基端部近傍部分と絶縁層207を覆っている。そして、この絶縁層209の上に、各々、メタル配線層をパターニングして得られた電極A、メタル配線BS、CS、DS1およびASが形成されている(図5(a)ではメタル配線ASの図示を省略。図4参照。)。ここで、メタル配線BSは、絶縁層209を貫通するスルーホールTH1を介して電極Bに接続されており、メタル配線CSは、絶縁層209および207を貫通するスルーホールTH2を介して電極Cに接続されており、メタル配線DS1は、絶縁層209、207および204を貫通するスルーホールTH3を介してメタル配線DS2に接続されている。
図5(b)〜(d)は、図5(a)における視点1〜視点3の高さから見下ろした可変抵抗R2の平面図である。ここで、視点1は、各々、メタル配線層をパターニングして得られたメタル配線DS1、CS、BSおよび電極Aの表面の高さにある。また、視点2は、絶縁層209および207の界面の高さにある。また、視点3は絶縁層204および202の界面の高さにある。
図5(b)において、直線PL1〜PL8は、視点1から見た電極Bの輪郭線を示す。図示のように、電極Bは、多結晶Si層を略T字状にパターニングして得られたものであり、短冊状部分を図5(c)に示す電極Cに対向させている。電極Bにおいて短冊状部分が突き出している基端部近傍部分には、電極Aが載っている。そして、図5(d)に示す電極Dはこの電極Aと対向している。
図5(c)に示すように、電極Cにおける電極Bとの対向面には、複数の突起状の抵抗体rが面状に配列されている。ここで、電極Cの全面に延べ板状の抵抗体を載せるのではなく、複数の突起状の抵抗体rを面状に配列するのは、次の理由による。まず、前者のように、電極Cの全面に延べ板状の抵抗体を載せた場合、電極Bと延べ板状の抵抗体は面接触するため、全接触領域について接触圧を一様にするのが難しく、接触抵抗のばらつきが大きくなる。これに対し、後者のように、電極Cに複数の突起状の抵抗体rを面状に配列した場合には、個々の抵抗体rが適度な圧力で電極Bと接触し、接触抵抗の低い良好な接触状態が得られる。このため、前者の場合に比べて、制御電圧と電極BおよびC間の抵抗値との関係の再現性を高くすることができるのである。電極AおよびD間の制御電圧をリニアに変化させたときの電極BおよびC間の抵抗値の変化の連続性を高めるためには、電極Cにおける突起状の抵抗体rの面積密度を十分に高くすることが好ましい。また、抵抗体rを面状に配列する場合、図示のように、隣接する行間で突起の並びの位相をずらしておくのも、抵抗値の変化の連続性を高める上で好ましい。
次に図6、図7および図8を参照し、可変抵抗Rを製造するMEMS製造プロセスの一例について説明する。このMEMS製造プロセスでは、まず、CVD(Chemical Vapor Deposition;気相成長法)によりSi基板201上にSiOによる絶縁層202を積層する(図6(P1)および(P2)参照)。次に、絶縁層202において電極Dおよび電極Dに繋がるメタル配線DS2の占有領域とする領域内の絶縁物を除去するエッチングを行い、絶縁物が除去されてSi基板201表面が露出した除去領域201aを形成する(図6(P3)参照)。
次にAl等のメタルのスパッタリングを行い、絶縁層202およびSi基板201における除去領域201aの表面にメタル層203を積層する(図6(P4)参照)。次にCMP(Chemical Mechanical Planarization;化学機械研磨)装置を用いて、メタル層203および絶縁層202の研磨を行う。この研磨は、絶縁層202の上のメタル層203がなくなり、除去領域201a内のみにメタル層203が残り、かつ、絶縁層202およびメタル層203からなる全体の表面が平坦になるまで行う(図6(P5)参照)。これにより、電極Dおよびこの電極Dに繋がるメタル配線DS2が形成される。次にCVDにより絶縁層202およびメタル層203の表面にSiOによる絶縁層204を積層する(図6(P6)参照)。次に、CVDにより、絶縁層204の表面にP(燐)のドープされた多結晶Si層205を積層する(図6(P7)参照)。
次に多結晶Si層205の表面において電極Cの占有領域とする領域を覆うマスクを形成した後、多結晶Si層205のエッチングを行い、多結晶Si層205を電極Cの形状に成形する(図7(P8)参照)。次に全体を覆うようにTi(Si)NまたはW(Si)Nなどの電気抵抗の低い金属シリコンナイトライドを抵抗層206として積層する(図7(P9)および特開2006−16641号公報参照)。次に、抵抗層206において抵抗体rとする各領域を覆うマスクを形成した後、抵抗層206のエッチングを行い、電極Cである多結晶Si層205の表面に複数の抵抗体rを形成する(図7(P10)参照)。次にCVDにより全体を覆うようにSiOからなる絶縁層207を積層し、さらにCMP装置を用いた研磨により絶縁層207の表面を平坦化し、かつ、絶縁層207の表面の高さを所望の電極BおよびC間距離に対応した高さにする(図7(P11)参照)。次に、CVDにより、絶縁層207の表面にP(燐)のドープされた多結晶Si層208を積層する(図7(P12)参照)。次に多結晶Si層208の表面において電極Bの占有領域とする領域を覆うマスクを形成した後、多結晶Si層208のエッチングを行い、多結晶Si層208を電極Bの形状に成形する(図7(P13)参照)。
次にCVDにより全体を覆うようにSiOからなる絶縁層209を積層し、さらにCMP装置を用いた研磨により絶縁層209の表面を平坦化する(図8(P14)参照)。次にスルーホールTH1〜TH3の形成領域以外の領域を覆うマスクを絶縁層209の表面に形成した後、SiOからなる絶縁物のエッチングを行い、絶縁層209を貫通して電極Bである多結晶Si層208の表面に至るスルーホールTH1と、絶縁層209および207を貫通して電極Cである多結晶Si層205の表面に至るスルーホールTH2と、絶縁層209、207および204を貫通してメタル層203であるメタル配線DS2の表面に至るスルーホールTH3とを形成する(図8(P15)参照)。
次にAl等のメタルのスパッタリングを行い、絶縁層209を覆うようにメタル層210を積層する(図8(P16)参照)。このときメタル層210のメタルは、図示のように、スルーホールTH1〜TH3を各々介して、多結晶Si層208の表面、多結晶Si層205の表面およびメタル配線DS2の表面に各々到達する。
次にボンディングパッドBP21〜BP24、電極A、ボンディングパッドBP21と電極Aとを接続するメタル配線AS、ボンディングパッドBP22からスルーホールTH1に至るメタル配線BS、ボンディングパッドBP23からスルーホールTH2に至るメタル配線CS、ボンディングパッドBP24からスルーホールTH3に至るメタル配線DS1とする領域(図4および図8(P17)参照)のみを覆うマスクをメタル層210上に形成した後、メタル層210のエッチングを行う。これにより、ボンディングパッドBP21〜BP24、電極A、ボンディングパッドBP21と電極Aとを接続するメタル配線AS、ボンディングパッドBP22からスルーホールTH1に至るメタル配線BS、ボンディングパッドBP23からスルーホールTH2に至るメタル配線CS、ボンディングパッドBP24からスルーホールTH3に至るメタル配線DS1の各メタル配線パターンが絶縁層209上に形成される(図8(P17)参照)。
次に、図8(P18)において電極Aを含む左半分の領域を、破線で示すようにマスクで覆い、異方性エッチングを行う。この異方性エッチングにより、マスクによって覆われていない電極Bの上方の絶縁層209と、電極BおよびC間の絶縁層207のうちマスクによって覆われていない領域内の部分およびマスクのやや内側までの部分が除去される。その後、マスクを除去すると、図5に示す可変抵抗R2を備えたチップ200(図5参照)が完成する。
以上が本実施形態における可変抵抗Rの製造プロセスの詳細である。
以上説明した本実施形態による可変抵抗Rは、制御電圧を増減させることにより電極BおよびC間の抵抗値を連続的に変化させることができる。従って、本実施形態による可変抵抗Rは、制御電圧により抵抗値を制御可能な可変抵抗として、幅広い用途に適用可能である。また、以上説明したように、本実施形態による可変抵抗Rは、MEMS製造プロセスにより、小型のものを実現可能である。従って、例えば携帯電話の高周波回路等、小型化に関する要求の厳しい高周波回路に好適である。また、本実施形態による擬似インダクタは、MEMS製造プロセスにより製造可能な本実施形態による可変抵抗Rにより構成されており、この可変抵抗Rの抵抗値の調整によりインダクタンスの調整が可能である。従って、小型化に関する要求が厳しい高周波回路においてフィルタ特性が可変のフィルタ等を構成するのに好適である。
<他の実施形態>
以上、この発明の各種の実施形態について説明したが、この発明にはこれ以外にも他の実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記実施形態では、擬似インダクタにおいて、可変抵抗R以外の要素を搭載したチップ100と、可変抵抗Rを搭載したチップ200とを別々のチップとした。しかし、MEMS製造プロセスの中にCMOS製造プロセスを含め、同一のチップ上に、擬似インダクタの全ての構成要素を形成してもよい。この場合、ボンディングパッドBP11〜BP14、BP21〜BP24を省略可能であり、擬似インダクタをさらに小型化することができる。また、2つのチップ100および200を位置決めして基板に固定したり、ボンディングワイヤBWの結線を行う工程を省略することができるので、製造時間を削減することができる。
(2)上記実施形態にでは、可変抵抗R以外の要素を搭載したチップ100と、可変抵抗Rを搭載したチップ200とを平面的に並べたが、垂直方向に縦積みしてもよい。例えば可変抵抗R以外の要素を搭載したチップ100をCMOS製造プロセスによりSi基板上に作製し、その上に絶縁層であるSiO2層およびSiN層を順次積層させ、その上にMEMS技術により可変抵抗Rを搭載したチップ200を作製してもよい。
(3)図1に示すものは、インダクタンスの調整手段として可変抵抗を用いた擬似インダクタの一例である。インダクタンスの調整手段として可変抵抗を用いた擬似インダクタには、図1に示すもの以外にも各種の回路構成のものがある。この発明は、そのような図1に示すもの以外の構成の擬似インダクタにも勿論適用可能である。
(4)可変抵抗Rを得るためのMEMS製造プロセスにおいて、図8(P18)に示す可変抵抗Rが得られた後、アニーリングを行い、電極Bの先端部を上方に反らせてもよい。
(5)電極Cの表面に突起状の抵抗体rを配列する代わりに、電極Bを所望の抵抗値を有するものとし、電極Bを電極Cに直接接触させ、その接触面積を変化させることにより電極BおよびC間の抵抗値を変化させるようにしてもよい。
A,B,C,D……電極、r……抵抗体、202,204,207,209……絶縁層、IN……端子、C……キャパシタ、R……抵抗、R……可変抵抗、OP……オペアンプ、100,200……チップ、CTL……制御回路、BP11〜BP14,BP21〜BP24……ボンディングパッド、AS,BS,CS,DS1,DS2……メタル配線、TH1〜TH3……スルーホール、201……Si基板、203,210……メタル層、205,208……多結晶Si層、206……抵抗層。

Claims (4)

  1. 固定電極と、
    前記固定電極と間隙を挟んで対向するように一端が固定された板状の可動電極と、
    前記固定電極との間に絶縁層を挟んで前記固定電極に固定された第1の制御電極と、
    前記可動電極との間に絶縁層を挟み、前記第1の制御電極と対向するように前記可動電極に固定され、前記第1の制御電極との間に制御電圧が与えられる第2の制御電極と
    を具備することを特徴とする可変抵抗。
  2. 前記固定電極における前記可動電極との対向面に配列された複数の突起状の抵抗体を具備することを特徴とする請求項1に記載の可変抵抗。
  3. インダクタンス調整のための可変抵抗として請求項1に記載の可変抵抗を具備することを特徴とする擬似インダクタ。
  4. 出力端子と逆相入力端子とが短絡されたオペアンプと、
    第1の端子と前記オペアンプの正相入力端子との間に介挿されたキャパシタと、
    前記第1の端子と前記オペアンプの逆相入力端子との間に介挿された抵抗と、
    前記オペアンプの正相入力端子と第2の端子との間に介挿された請求項1に記載の可変抵抗と
    を具備することを特徴とする擬似インダクタ。
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