JP2010225610A - 熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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憲昭 長友
Yoshiaki Mayuzumi
良享 黛
Hisashi Yamaguchi
尚志 山口
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Abstract

【課題】 熱電変換素子及びその製造方法において、製造コストの増大を抑制しつつ積層時の絶縁層の段差も抑制すること。
【解決手段】 絶縁性基板2と、該絶縁性基板2の表面に直接又は絶縁層3を介して互いにp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成されていると共に端部で交互に接合されて電気的に直列接続された複数対の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bと、を備え、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとで構成されたパターン層L1〜Lnが、絶縁層3を介して複数積層され、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bが、少なくとも絶縁性基板2の両側端部2a,2bの間に延在する部分で、他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの直下又は直上を避けてパターン形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱電発電素子やサーモパイル等に適用可能な薄型の熱電変換素子及びその製造方法に関する。
ゼーベック効果による熱電発電(熱電発電素子)やペルチェ効果による熱電冷却(ペルチェ素子)、サーモパイル(熱電堆)等の素子として熱電変換素子が知られている。これらの熱電変換素子は、互いにp型熱電材料とn型熱電材料とを接続した構造を有している。一般的な熱電変換素子としては、p型熱電材料のブロック体とn型熱電材料のブロック体とを基板上に配列して直列に接続した構造であるが、この場合、微細な精密加工が難しく、小型化や薄型化が困難であった。
このため、従来、例えば特許文献1に記載されているように、p型熱電材料とn型熱電材料とを基材の表面にスパッタリング等の物理的蒸着技術により薄膜状に形成した熱電変換素子が提案されている。このような熱電変換素子では、薄膜状の熱電材料を形成するので、微細で複雑なパターンを持った熱電材料の形成が可能で、極めて小さく薄い熱電変換素子を実現可能としている。
また、特許文献2に記載されているように、p型FeSi膜のパターンの一部を露出させるようにして絶縁膜で被覆し、露出した部分に接合するようにn型FeSi膜を被着するサーモパイルの製造方法が提案されている。この製法では、膜厚を厚くできる結果、内部比抵抗を低くでき、熱センサとしてのS/N比を向上させることができる。また、この製法によれば、パターン形成されて電気的に直列接続されたp型FeSi膜とn型FeSi膜とをスパッタリングで複数積層することで、多層構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、高い起電力を得ることができる。
特開2005−277343号公報(特許請求の範囲) 特開平5−41545号公報(特許請求の範囲、段落番号0018)
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記特許文献2の技術では、図9に示すように、パターン形成されたp型FeSi膜である第1の導電体膜4Aとn型FeSi膜である第2の導電体膜4Bとで構成されるパターン層を、絶縁層3を介してスパッタリングで複数積層して電気的に直列接続することができるが、このように多層化した場合、図10に示すように、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとの積層部分が他の部分に比べて厚くなり、他の部分との段差が大きくなって層間の絶縁層3が薄くなり、絶縁性を確保できないおそれがあった。このため、絶縁層3を、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとの積層部分とその他の部分とで、それぞれ2回に分けて成膜してパターニングすることで段差を無くす方法もあるが、製造コストが増大してしまう不都合がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、製造コストの増大を抑制しつつ積層時の絶縁層の段差も抑制することができる熱電変換素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の熱電変換素子は、絶縁性基板と、該絶縁性基板の表面に直接又は絶縁層を介して互いにp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成されていると共に端部で交互に接合されて電気的に直列接続された複数対の第1の導電体膜及び第2の導電体膜と、を備え、前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とで構成されたパターン層が、上下の前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とを電気的に直列接続させた状態で絶縁層を介して複数積層され、上下に積層された前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜が、少なくとも前記絶縁性基板の両側端部の間に延在する部分で、他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜の直下又は直上を避けてパターン形成されていることを特徴とする。
本発明の熱電変換素子の製造方法は、絶縁性基板の表面に直接又は絶縁層を介して互いにp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成すると共に端部で交互に接合して電気的に直列接続させた複数対の第1の導電体膜及び第2の導電体膜を形成する導電体形成工程を有し、該導電体形成工程において、前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とで構成されたパターン層を、上下の前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とを電気的に直列接続させた状態で絶縁層を介して複数積層し、上下に積層する前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜を、少なくとも前記絶縁性基板の両側端部の間に延在する部分で、他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜の直下又は直上を避けてパターン形成することを特徴とする。
これらの熱電変換素子及びその製造方法では、上下に積層されたパターン層のうち一方の第1の導電体膜及び第2の導電体膜が、少なくとも絶縁性基板の両側端部の間に延在する部分で、他方の第1の導電体膜及び第2の導電体膜の直下又は直上を避けてパターン形成されるので、絶縁性基板の両側端部の間に延在する部分で、上下の第1の導電体膜及び第2の導電体膜が重ならず、段差が小さくなることで絶縁層の十分な厚さが得られ、各層間の絶縁性を確保することができる。したがって、小さいスペースでも多層構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、高い起電力を得ることができると共に、製造コストを増大させずに、積層されたパターン層の平坦化が可能になり、高い信頼性を得ることができる。なお、絶縁層をZrO膜等の熱伝導性の低い材料で形成することで、より明確な温度差が得られ、より高い起電力を得ることが可能になる。
また、本発明の熱電変換素子は、上下に積層された前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜と他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜とが、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成されていることを特徴とする。
また、本発明の熱電変換素子の製造方法は、上下に積層された前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜と他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜とを、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成することを特徴とする。
すなわち、これらの熱電変換素子及びその製造方法では、上下に積層されたパターン層のうち一方の第1の導電体膜及び第2の導電体膜と他方の第1の導電体膜及び第2の導電体膜とが、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成されるので、一方の櫛歯状パターンの隙間に他方の櫛歯状パターンが噛み合うように配されて、互いに交差する部分がない。したがって、全体的にさらに平坦化することができ、より各層間の高い絶縁性を確保することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る熱電変換素子及びその製造方法によれば、上下に積層されたパターン層のうち一方の第1の導電体膜及び第2の導電体膜が、少なくとも絶縁性基板の両側端部の間に延在する部分で、他方の第1の導電体膜及び第2の導電体膜の直下又は直上を避けてパターン形成されるので、段差が小さくなり、各層間の絶縁性を確保することができる。したがって、多層構造によって高い起電力を得ることができると共に、製造コストを増大させずに、積層されたパターン層の平坦化が可能になり、高い信頼性を得ることができる。
本発明に係る熱電変換素子及びその製造方法の第1実施形態を示す斜視図である。 第1実施形態において、熱電変換素子を示す分解斜視図である。 図1のA−A線矢視の簡易的な断面図である。 第1実施形態において、第1の導電体膜と第2の導電体膜との接合を示す要部の拡大平面図である。 第1実施形態において、熱電変換素子の製造方法を工程順に示す図4のB−B線矢視断面図である。 本発明に係る熱電変換素子及びその製造方法の第2実施形態を示す斜視図である。 第2実施形態において、熱電変換素子を示す分解斜視図である。 図6のC−C線矢視の簡易的な断面図である。 本発明に係る熱電変換素子及びその製造方法の従来例を示す分解斜視図である。 本発明に係る熱電変換素子及びその製造方法の従来例を示す簡易的な断面図である。
以下、本発明に係る熱電変換素子及びその製造方法の第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の熱電変換素子1は、熱電発電素子や温度センサ等に適用されるものであって、図1から図4に示すように、絶縁性基板2と、該絶縁性基板2の表面に直接又は絶縁層3を介して互いにp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成されていると共に端部で交互に接合されて電気的に直列接続された複数対の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bと、直列接続された第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの末端に接続された一対のリード線5と、を備えている。
また、熱電変換素子1では、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとで構成されたパターン層L1〜Lnが、上下の第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとを電気的に直列接続させた状態で絶縁層3を介して複数積層されている。
さらに、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bが、少なくとも絶縁性基板2の両側端部2a,2bの間に延在する部分で、他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの直下又は直上を避けてパターン形成されている。
上記各第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bは、端部を絶縁性基板2の両側端部2a,2bの近傍に配して両側端部2a,2bの間に延在して並べられている。また、図4に示すように、互いに端部で接合される第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとは、一方の導電体膜の端部がL字状に曲がって他方の導電体膜の端部に重なって接合部4aを形成している。
すなわち、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとは、互いに端部の接合部4aで接続されて一対で一つの熱電対部を構成している。また、各パターン層L1〜Lnの第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとは、複数が交互に接続されて折り返すことで全体として櫛歯状に配設され、複数の熱電対部が繰り返し直列接続されて構成されている。この第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとによる熱電対部のパターンの繰り返し数(第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとの接続の数)を増やすことによってその感度を向上させることができる。
これら第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bは、例えばp型熱電材料及びn型熱電材料の双方がFeSi系熱電材料で形成されている。例えば、FeSi系熱電材料以外には、既知のBi−Te系熱電材料、Mg―Si系熱電材料、Mn−Si系熱電材料、酸化物系熱電材料でもよい。
上記絶縁層3は、熱伝導性の低い材料が好ましく、本実施形態では、ZrO膜が採用されている。各層の絶縁層3は、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとの折り返し部分の一部(接合部4a)を除いて第1の導電体膜4A又は第2の導電体膜4Bの表面と絶縁性基板2全体とを覆っている。
最下層であるパターン層L1の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bは、一端がリード線5の一方に接続されていると共に他端が一層上に積層されたパターン層L2の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの一端に接続されている。パターン層L2の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの他端は、さらにその上に積層されたパターン層L3の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの一端に接続されている。
そして、最上層のパターン層Lnの第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの他端は、他方のリード線5に接続されている。このように上下の層間でも第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bは交互に直列接続されている。なお、図3では、簡略的に第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bで櫛歯状に構成されるパターン層L1〜Lnを二層のみで図示している。
図1及び図2からわかるように、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bと他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bとが、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成されている。例えば、パターン層L1の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bによって形成された櫛歯状パターンの間に、パターン層L2の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bによって形成された櫛歯状パターンが噛み合うように配置されている。
すなわち、パターン層L2の第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとが、パターン層L1の第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとに挟まれた領域の直上に形成されている。本実施形態では、パターン層L1の櫛歯状パターンとパターン層L2の櫛歯状パターンとが、交互に積層されている。
したがって、図3に示すように、上下に積層されたパターン層L1とパターン層L2との第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bは、互いに重ならず、段差が小さくなっている。なお、図3では、パターン層L1〜L4の4層を積層した場合を簡易的に図示している。
上記絶縁性基板2は、例えば、アルミナ基板等のセラミックス材料で形成されている。
なお、上記リード線5は、電流測定器又は電圧測定器(図示略)に接続される。
次に、本実施形態の熱電変換素子1の製造方法について、図4及び図5を参照して説明する。
まず、絶縁性基板2として、図5の(a)に示すように、例えば所定の一定厚さのアルミナ基板を使用し、図5の(b)に示すように、この絶縁性基板2の上面全面に、第1の導電体膜4Aとして例えばp型FeSi膜をスパッタリングにより所定の厚さに被着する。さらに、図5の(c)に示すように、この第1の導電体膜4A上に第1フォトレジスト膜11を被着、露光等することにより所定のパターンの第1フォトレジスト膜11を形成する。
次に、図5の(d)に示すように、HF+HNO系またはHF+HSO系等のエッチング液で選択的にエッチングして第1フォトレジスト膜11の下地以外の部分の第1の導電体膜4Aを除去する。図5の(e)に示すように、さらに、第1フォトレジスト膜11を除去して第1の導電体膜4Aのパターンを絶縁性基板2上に形成する。
次に、図5の(f)に示すように、この第1の導電体膜4Aを第2フォトレジスト膜12で覆い、露光、エッチングしてこの第1の導電体膜4A上の一部に所定パターンの第2フォトレジスト膜12を残す。さらに、図5の(g)に示すように、この絶縁性基板2、第1の導電体膜4Aおよび第2フォトレジスト膜12の全体を覆うように絶縁層3としてZrO膜を被着する。そして、図5の(h)に示すように、リフトオフ法によりこの第2フォトレジスト膜12を絶縁層3の一部とともに剥離することにより、第1の導電体膜4Aのパターンの一部を露出部4bとして露出させる。
次に、図5の(i)に示すように、第1の導電体膜4Aの露出部4b及び絶縁層3の全体を覆うように第2の導電体膜4Bを、スパッタリング等で被着する。さらに、図5の(j)に示すように、この第2の導電体膜4B上に所定パターンの第3フォトレジスト膜13を被着する。そして、図5の(k)に示すように、HF+HNO系等のエッチング液で第3フォトレジスト膜13の下地以外の第2の導電体膜4Bを選択的にエッチングする。さらに、図5の(l)に示すように、第3フォトレジスト膜13を除去する。この結果、第1の導電体膜4Aの一部(露出部4b)と第2の導電体膜4Bの一部とは接合されて接合部4aとなる。
次いで、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとを結晶化させるために400〜900℃でアニールを行う。このアニールは、熱起電力を高めるものである。
さらに、上記リソグラフィプロセスのうち図5の(f)〜(l)で示す工程を、各層毎に繰り返し、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとを交互にパターン形成しつつ接合部4aを除いて絶縁層3を挟むことで、電気的に直列接続された複数の熱電対部を有するパターン層L1〜Lnを複数積層する。すなわち、第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとからなる櫛歯状パターンのパターン層L1〜Lnを、互いに上下の第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとを電気的に直列接続された状態で絶縁層3を介して複数積層する。
この際、上下に積層するパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bを、少なくとも絶縁性基板2の両側端部2a,2bの間に延在する部分で、他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの直下又は直上を避けてパターン形成する。特に、本実施形態では、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bと他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bとが、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成する。
そして、上記薄膜形成後、接続された第1の導電体膜4Aと第2の導電体膜4Bとの末端に電極部としてリード線5をハンダ付けすることで、熱電変換素子1が作製される。
このように本実施形態の熱電変換素子1及びその製造方法では、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bが、少なくとも絶縁性基板2の両側端部2a,2bの間に延在する部分で、他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの直下又は直上を避けてパターン形成されるので、絶縁性基板2の両側端部2a,2bの間に延在する部分で、上下の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bが重ならず、段差が小さくなることで絶縁層3の十分な厚さが得られ、各層間の絶縁性を確保することができる。
したがって、小さいスペースでも多層構造によって熱電対部分を多数直列に接続することができ、高い起電力を得ることができると共に、製造コストを増大させずに、積層されたパターン層L1〜Lnの平坦化が可能になり、高い信頼性を得ることができる。なお、絶縁層3をZrO膜等の熱伝導性の低い材料で形成することで、より明確な温度差が得られ、より高い起電力を得ることが可能になる。
また、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bと他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bとが、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成されているので、一方の櫛歯状パターンの隙間に他方の櫛歯状パターンが噛み合うように配されて、互いに交差する部分がない。したがって、全体的にさらに平坦化することができ、より各層間の高い絶縁性を確保することができる。
次に、本発明に係る熱電変換素子の第2実施形態について、図6から図8を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bと他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bとが、互いに平面視で噛み合い状態で対向配置された櫛歯状にパターン形成されているのに対し、第2実施形態の熱電変換素子21では、図6から図8に示すように、上下に積層されたパターン層L1〜Lnのうち一方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bと他方の第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bとが、互いに平面視で水平方向にずれて積層されている点である。なお、図8では、パターン層L1〜L4の4層を積層した場合を簡易的に図示している。
第2実施形態では、互いに上下に積層された櫛歯状パターンを有するパターン層L1〜Lnの第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bが、側端部2a,2bに沿った方向にずれて積層され互いに交差部4cを除いて重ならないように形成されている。この第2実施形態では、パターン層L2における第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bの端部がパターン層L1における第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bを跨ぐように交差した交差部4cのみが重なってしまうが、その他の大部分で重なりを回避したパターンとなっている。すなわち、第1の導電体膜4A及び第2の導電体膜4Bにおいて絶縁性基板2の両側端部2a,2bの間に延在する部分では、重ならず、高い絶縁性を確保することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,21…熱電変換素子、2,22…絶縁性基板、2a,2b…絶縁性基板の両側端部、3…絶縁層、4A…第1の導電体膜、4B…第2の導電体膜、L1〜Ln…パターン層

Claims (4)

  1. 絶縁性基板と、
    該絶縁性基板の表面に直接又は絶縁層を介して互いにp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成されていると共に端部で交互に接合されて電気的に直列接続された複数対の第1の導電体膜及び第2の導電体膜と、を備え、
    前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とで構成されたパターン層が、上下の前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とを電気的に直列接続させた状態で絶縁層を介して複数積層され、
    上下に積層された前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜が、少なくとも前記絶縁性基板の両側端部の間に延在する部分で、他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜の直下又は直上を避けてパターン形成されていることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 請求項1に記載の熱電変換素子において、
    上下に積層された前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜と他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜とが、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成されていることを特徴とする熱電変換素子。
  3. 絶縁性基板の表面に直接又は絶縁層を介して互いにp型熱電材料とn型熱電材料とで帯状にパターン形成すると共に端部で交互に接合して電気的に直列接続させた複数対の第1の導電体膜及び第2の導電体膜を形成する導電体形成工程を有し、
    該導電体形成工程において、前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とで構成されたパターン層を、上下の前記第1の導電体膜と前記第2の導電体膜とを電気的に直列接続させた状態で絶縁層を介して複数積層し、
    上下に積層する前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜を、少なくとも前記絶縁性基板の両側端部の間に延在する部分で、他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜の直下又は直上を避けてパターン形成することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  4. 請求項3に記載の熱電変換素子の製造方法において、
    上下に積層された前記パターン層のうち一方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜と他方の前記第1の導電体膜及び前記第2の導電体膜とを、互いに平面視で噛み合い状態に対向配置された櫛歯状にパターン形成することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
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RU2557366C2 (ru) * 2011-03-22 2015-07-20 Текникал Юниверсити Оф Денмарк Структура, используемая для производства термоэлектрогенератора, термоэлектрогенератор, содержащий такую структуру, и способ ее изготовления

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