JP2010225322A - 電極被覆用光硬化型組成物 - Google Patents

電極被覆用光硬化型組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】電気絶縁性、特に耐イオンマイグレーション性に優れ、且つポリイミドに対する密着性に優れる電極被覆用光硬化型組成物の提供。
【解決手段】ジイソシアネート化合物(a)、水酸基価が28〜225mgKOH/gであるポリエステルジオール(b)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を反応させて得られる、末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリロイルモルフォリン(B)、分子中に炭素数8以上のアルキル基又は炭素数8以上のシクロアルキル基と、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物(C)、並びに光重合開始剤(D)を含有する電極被覆用光硬化型組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極被覆用光硬化型組成物に関し、光硬化型組成物及び電極被覆用途の技術に属する。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又は(メタ)アクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
近年の電子材料では、機器の高性能化に伴い、それに使用される材料に、電気絶縁性及び耐湿性等の物性が要求される場合がある。
具体的には、種々の用途に使用される電極端子には、電気絶縁性が要求され、より具体的には耐イオンマイグレーション性が要求される場合がある。特に、プラズマディスプレイパネルの電極端子には、フレキシブルプリント配線板及びテープキャリアパッケージ等の配線基板が接続されるが、端子間に高電圧が印加されるために、耐イオンマイグレーション性が要求されることが多い。
ここで、イオンマイグレーションとは、電圧が印加された電極金属が、絶縁材料と接している系において、絶縁材料の内部や表面を移動・析出する現象をいう。イオンマイグレーションが進行すると、電子部品の故障につながる。
一方、光硬化型組成物は、無溶剤であるため溶剤等を環境に放出することがない環境負荷の少ないものであり、加熱の必要がないため低エネルギーで製品を製造することができ、さらに速硬化性であるため製造コストを低減できるので、種々の分野への応用が広がってきている。
光硬化型組成物は、イオンマイグレーションの防止目的にも利用されている。
例えば、ポリジエンポリオールを原料に用いたウレタン(メタ)アクリレートを含む電極被覆光硬化型組成物(特許文献1)や、水添ポリジエンを原料に用いたウレタン(メタ)アクリレートを含む電極被覆光硬化型組成物(特許文献2)が知られている。
しかしながら、電極被覆用光硬化型組成物に要求される物性としては、耐イオンマイグレーション性に加え、配線板材料であるポリイミドへの密着性が要求されるが、特許文献1及び同2記載の組成物は、耐イオンマイグレーション性に優れるものの、ポリイミドに対する密着性が不十分で、より具体的には剥離強度が不十分なものであった。
特開2005−317523号公報 特開2008−260898号公報 特許第4171154号公報 特開2002−308955号公報 特開2000−219850号公報
本発明は、電気絶縁性、特に耐イオンマイグレーション性に優れ、且つポリイミドに対する密着性に優れる電極被覆用光硬化型組成物を提供することを目的とする。
ところで、光硬化型組成物の例として、ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンを含む組成物が知られている。
当該組成物は、例えば、木工塗料(例えば、特許文献3及び特許文献4)や、塩ビ/PETフィルム用接着剤(特許文献5)等の用途で使用されることが知られている。
又、特許文献3〜5には、当該組成物が木材、塩ビやPETフィルムに良好な接着性を示すことが開示されているが、ポリイミドに対する密着性や電気絶縁性の記載は一切無い。
(メタ)アクリロイルモルフォリン等の水溶性(メタ)アクリレートは、水溶性であるため、絶縁性が要求される光硬化型組成物では、通常敬遠される。
一方、本発明者らは、種々の検討を行った結果、特定のウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン及び特定炭素数のアルキル(メタ)アクリレートを含む組成物が、驚くべきことに水溶性である(メタ)アクリロイルモルフォリンを含む光硬化型組成物であっても、電気絶縁性に優れることを見出し、さらにはポリイミドに対する密着性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物によれば、電気絶縁性、特に耐イオンマイグレーション性に優れ、且つポリイミドに対する密着性にも優れる。
本発明は、ジイソシアネート化合物(a)、水酸基価が28〜225mgKOH/gであるポリエステルジオール(b)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を反応させて得られる、末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)〔以下、(A)成分という〕、(メタ)アクリロイルモルフォリン(B)〔以下、(B)成分という〕、分子中に炭素数8以上のアルキル基又は炭素数8以上のシクロアルキル基と、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物(C)〔以下、(C)成分という〕、並びに光重合開始剤(D)〔以下、(D)成分という〕を含有する電極被覆用光硬化型組成物に関する。
以下、それぞれの成分について、説明する。
1.(A)成分
(A)成分は、ジイソシアネート化合物(a)〔以下、化合物(a)という〕、水酸基価が28〜225mgKOH/gであるポリエステルジオール(b)〔以下、化合物(b)という〕及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)〔以下、化合物(c)という〕を反応させて得られる末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。
(A)成分の配合割合としては、組成物中に5〜60重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。
この割合を5重量%以上にすることにより、硬化物の柔軟性を増すことができ、一方、60重量%以下にすることにより、組成物の塗工性等のハンドリング性を容易にすることができる。
以下、(A)成分の原料化合物である、化合物(a)〜(c)について説明し、(A)成分の製造方法について説明する。
1−1.化合物(a)
化合物(a)としては、1分子中にイソシアネート基を2個有する化合物であれば種々の化合物を使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
1−2.化合物(b)
化合物(b)としては、ジカルボン酸とジオールをエステル化反応させて得られるものである。
ジカルボン酸としては、種々の化合物が使用でき、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸及びダイマー酸等が挙げられる。
ジオールとしては、種々の化合物が使用でき、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物及びダイマージオール等が挙げられる。
化合物(b)の水酸基価は28〜225mgKOH/gである必要があり、37〜115mgKOH/gが好ましい。
この値を28mgKOH/g以上にすることで、硬化物の強度を充分なものとすることができ、225mgKOH/g以下にすることで、硬化物を柔軟性に優れるものとすることができる。
1−3.化合物(c)
化合物(c)としては、水酸基を有する(メタ)アクリレートであれば種々の化合物を使用することができ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物及びグリシドールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
1−4.(A)成分の製造方法
(A)成分は、前記した化合物(a)、(b)及び(c)を反応させて得られる化合物である。
(A)成分の製造方法としては、常法に従えば良く、化合物(a)、(b)及び(c)を反応させる方法、化合物(a)と化合物(b)を反応させて末端イソシアネートオリゴマーを製造した後、当該化合物のイソシアネート基に化合物(c)の水酸基を反応させる方法、化合物(b)と化合物(c)を混合した混合液に、化合物(a)を加えて反応させる方法等が挙げられる。
(A)成分の製造においては、組成物で配合する(B)、(C)成分やこれら以外の光重合性化合物中で実施しても良い。
得られた(A)成分は、組成物で配合する(B)、(C)成分やこれら以外の光重合性化合物を使用して溶解させても良い。
(A)成分の製造においては、鎖延長剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、ダイマージオール等を利用してもよい。
(A)成分の分子量としては、重量平均分子量で1万〜10万が好ましい。
本発明において、化合物(a)〜(c)の反応割合としては、化合物(a)のイソシアネート基当量数(p)と、化合物(b)及び化合物(c)の合計水酸基当量数(q)の当量比として、(p):(q)は0.8〜1.0:1.0であるのが好ましく、より好ましくは0.9〜1.0:1.0である。
鎖延長剤を使用する場合も同様に、化合物(a)のイソシアネート基当量数(p)と、化合物(b)、化合物(c)及び鎖延長剤の合計水酸基当量数(q)の当量比として、(p):(q)は0.8〜1.0:1.0であるのが好ましく、より好ましくは0.9〜1.0:1.0である。
水酸基当量数(q)の1当量に対するイソシアネート基当量数(p)を0.8以上にすることで絶縁信頼性に優れるものとすることができ、1以下とすることで光硬化性に優れるものとすることができる。
(A)成分は、従来のウレタン化反応で使用されるスズ触媒を使用することもできる。
しかしながら、本発明においては、得られる(A)成分中に触媒に由来する金属分を低減させ、組成物の絶縁信頼性により優れたものとなることから、(A)成分として、ウレタン化触媒として、下記金属下記一般式(1)で表される金属化合物を触媒として使用して製造されたものが好ましい。
M(X)n ・・・(1)
〔式(1)において、MはFe又はZnを表し、Xは同一又は異なってβ−ジケトン、ハロゲン原子、アシルオキシ基又はアルコキシ基を表し、nは2又は3の整数を表す。〕
これらの金属化合物は、従来のスズ触媒に対して優れた活性を有するため、少ない使用量で目的とする(A)成分を製造することができる。
MはFe又はZnを表し、触媒活性により優れる点でFeが好ましい。
Xで表されるβ−ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2−メチルヘキサン−3,5−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、4,6−ノナンジオン、2,8−ジメチルノナン−4,6−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン、トリデカン−6,8−ジオン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸tert−ブチル、プロピオニル酢酸メチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニルtert−ブチル及びヘキサフルオロアセチルアセトン等が挙げられ、これらの中でも、アセチルアセトンが、安価である上ウレタン化反応の活性に優れるため好ましい。
Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子及び臭素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
Xで表されるアシルオキシ基としては、例えば、炭素数3〜20のアシルオキシ基が好ましく、具体的には、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、2−エチルヘキサノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基及びオクタデカノイル基等が挙げられる。
Xで表されるアルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基及び2−エチルヘキシロキシ基等を挙げることができる。
Xは上記のいずれか1種でも良いし、2種以上の組み合わせでも良い。
これらの中でも、Xとしてアセチルアセトン及びヘキサフルオロアセチルアセトン、ハロゲン原子が好ましく、反応液や組成物への溶解性に優れる点で、より好ましくはアセチルアセトンである。
これらの中でも、下記式(2)で表される鉄のβ−ジケトン錯体が、ウレタン化反応の反応性に特に優れるため好ましい。
Fe(X’)3 ・・・(2)
〔式(2)において、X’はβ−ジケトンを表す。〕
X’で表されるβ−ジケトンとしては、上記のXで表されるβ−ジケトンを選択することが出来る。
Xの数を表すnは、2又は3の整数であり、製造安定性が良いため、MがFeの場合はnが3のものが、MがZnの場合はnが3のものが好ましい。
金属化合物の具体例としては、Xがβ−ジケトンの場合には、例えば、トリス(アセチルアセトナート)鉄、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)鉄、トリス(テトラフルオロアセチルアセトナート)鉄、ビス(アセチルアセトナート)鉄、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)亜鉛、ビス(テトラフルオロアセチルアセトナート)亜鉛等が挙げられる。Xがハロゲン原子の場合は、例えば、塩化第二鉄及び塩化亜鉛等が挙げられる。Xがアシルオキシ基の場合には、例えば、トリス(2−エチルヘキサン酸)鉄、ナフテン酸鉄、ビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛及びナフテン酸亜鉛等が挙げられる。Xがアルコキシ基の場合は、例えば、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、ジエトキシ亜鉛及びジイソプロポキシ亜鉛等が挙げられる。
これらの中でも、MがFeでありnが3のものが、ウレタン化反応の触媒活性に優れるためより好ましい。具体例としては、トリス(アセチルアセトナート)鉄や塩化第二鉄等を挙げることができ、式(2)で表されるトリス(アセチルアセトナート)鉄が触媒活性に優れるため特に好ましい。
(A)成分は、化合物(a)、(b)及び(c)を、前記金属化合物の存在下、必要に応じ反応溶媒の存在下に加熱・攪拌してウレタン化して製造することができる。
この場合、化合物(a)、(b)及び(c)を一括に仕込んで反応させることもでき(以下、「1段反応」という)、化合物(a)及び(b)を反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを製造した後、化合物(c)を添加することもできる(以下、「2段反応」という)。
化合物(a)、(b)及び(c)の割合は、前記の通りである。
なお、本反応により生成する(A)成分の分子量が高くなると反応混合物が高粘度となり、攪拌が困難となる場合があるため、反応成分中に反応溶媒を配合することもできる。
反応溶媒としては、ウレタン化反応に関与しないものが好ましく、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族化合物、並びにジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒を使用する場合の配合量は、(A)成分の粘度等に応じて適宜設定すれば良いが、反応溶液中に0〜70重量%となるように設定することが好ましい。
ここで、反応溶液とは、原料化合物のみを使用する場合には、原料化合物の合計量を意味し、原料化合物に加え反応溶媒等を使用する場合は、これらを含めた合計量を意味する。具体的には、化合物(a)、(b)、(c)及び必要に応じ用いる反応溶媒等を合わせた溶液の意味に用いられる。以下同じ。
反応溶媒として、上記有機溶媒とともに又は上記有機溶媒に代えて、組成物の成分として使用する(B)成分、(C)成分及びこれら以外の光重合性化合物(これらをまとめて硬化性成分という)を配合することもできる。硬化性成分を配合してウレタン化反応を行い、得られたウレタン(メタ)アクリレートを硬化型組成物に配合した場合、前記有機溶媒を配合する場合と異なり、該組成物を塗布した後、乾燥する必要がないため好ましい。
硬化性成分を反応成分に配合する場合の配合量は、最終的に組成物に配合する硬化性成分の割合に応じて適宜設定すれば良いが、例えば、反応溶液中に10〜70重量%、さらに10〜50重量%となるように設定することが好ましい。
金属化合物の配合量は、触媒量でよく、例えば、反応溶液に対して、0.01〜1,000wtppmが好ましく、より好ましくは0.1〜1,000wtppmである。金属化合物の配合量が、0.01wtppm以上とすることで、ウレタン化反応を好ましく進行させることができ、1,000wtppm以下とすることで、得られる(A)成分の着色を抑制することができる。
金属化合物は、1段反応の場合は、ポリオール、有機ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの仕込時に添加し、2段反応の場合は、ポリオール及び有機ポリイソシアネートの仕込時に添加することができる。
ウレタン化反応では、分子量調整の目的で、鎖延伸長剤を少量配合することもできる。鎖延長剤としては、ウレタン化反応で通常使用されるものを使用することができ、前記した低分子量ポリオールと同様のものを挙げることができる。
ウレタン化反応では、原料又は生成物の(メタ)アクリロイル基の重合を防止する目的で、重合禁止剤を使用することが好ましく、さらには含酸素ガスを反応液に導入してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、ベンゾキノン、フェノチアジン等の有機系重合禁止剤、塩化銅及び硫酸銅等の無機系重合禁止剤、並びにジブチルジチオカルバミン酸銅等の有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。重合禁止剤は、一種を単独で使用しても又は二種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。重合禁止剤の割合としては、反応液中に5〜20,000wtppmが好ましく、より好ましくは25〜3,000wtppmである。
含酸素ガスとしては、例えば空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガス等が挙げられる。
反応温度は、使用する原料及び目的とする(A)成分の構造や分子量等に応じて適宜設定すれば良いが、通常10〜150℃が好ましく、より好ましくは、30〜120℃である。反応時間も、使用する原料及び目的とする(A)成分の構造や分子量等に応じて適宜設定すれば良いが、通常1〜70時間が好ましく、より好ましくは、2〜30時間である。
2.(B)成分
本発明の組成物は、(メタ)アクリロイルモルフォリン(B)を必須成分として含む。
本発明では、(B)成分を含有することにより、ポリイミドに対する密着性に優れたものとなる。
(B)成分の配合割合としては、組成物中に5〜40重量%が好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。
この割合を5重量%以上にすることにより、ポリイミドに対する密着性を高めることができ、一方、40重量%以下にすることにより、絶縁信頼性を高めることができる。
3.(C)成分
本発明の組成物は、(C)成分の分子中に炭素数8以上のアルキル基又は炭素数8以上のシクロアルキル基と、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物〔以下、単官能(メタ)アクリレートという〕を必須成分として含む。
本発明では、(C)成分を含有することにより絶縁信頼性が高められる。
(C)成分の具体例としては、炭素数8以上のアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数8以上のシクロアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数8以上のアルキル基としては、芳香族環にアルキル基が結合した化合物でも良く、具体的には、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(C)成分の配合割合としては、組成物中に10〜80重量%が好ましく、より好ましくは15〜50重量%である。
この割合を10重量%以上にすることにより、絶縁信頼性を高めることができ、一方、80重量%以下にすることにより、ポリイミドに対する密着性を高めることができる。
4.(D)成分
本発明の組成物は、紫外線や可視光線等の光照射により硬化させて使用するものであり、(D)成分である光重合開始剤を配合する。
(D)成分としては、光硬化型組成物で通常使用される化合物で良く、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン及びビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
(D)成分は、単独で使用しても良く、又は2種類以上組合せて使用しても良い。
(D)成分としては、リン元素や硫黄元素を含まない化合物が好ましく、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン及び2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられる。
(D)成分の配合割合としては、組成物中に0.01〜10重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%がより好ましい。
この割合を0.01重量%以上とすることにより光硬化性に優れるものとすることができ、10重量%以下とすることにより、得られた硬化物の強度に優れるものとすることができる。
5.その他の成分
本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分を必須とするものであるが、必要に応じて種々の成分を配合させることができる。
具体的には、シランカップリング剤〔以下、(E)成分という〕、熱重合開始剤〔以下、(F)成分という〕、(A)〜(C)成分以外の光重合性化合物(以下、その他光重合性化合物という)、重合禁止剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤及び顔料等が挙げられ、これら以外にも公知慣用のものを添加することもできる。
本発明においては、(E)成分のシランカップリング剤を配合することで、組成物をガラスに対する密着性に優れるものとすることができるため好ましい。
(E)成分としては、不飽和二重結合を有するシラン化合物が好ましく、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(E)成分は、単独で使用しても良く、又は2種類以上組合せて使用しても良い。
(E)成分の配合割合としては、組成物中に10重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
この割合を10重量%以下にすることにより、絶縁信頼性に優れるものとすることができる。さらに、0.1重量%以上とすることにより、冷熱衝撃試験後のガラスに対する密着性を高めることができる。
本発明は、前記した優れた効果を発揮するものであるが、膜厚が厚い場合や光が届き難い箇所においては硬化性が不十分となることがあった。この場合、(F)成分の熱重合開始剤を配合することで、この様な場合においても優れた硬化性を発揮できるため好ましい。
(F)成分としては、種々の化合物を使用することができ、有機過酸化物及びアゾ系開始剤が好ましい。
有機過酸化物としては、10時間半減期温度が100℃以上の化合物が、組成物の保存安定性に優れるため好ましい。
有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス( 10t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α‘−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
有機過酸化物は市販されており、好ましい具体例としては、日油(株)製のパーブチルZ(t−ブチルパーオキシベンゾエート)、パークミルD(ジクミルパーオキサイド)、パーブチルD(ジ−t−ブチルパーオキサイド)、パークミルP(ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド)等が挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン及びアゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。又、有機過酸化物は還元剤と組み合わせることによりレドックス反応とすることも可能である。
組成物に(F)成分を配合する場合は、必要に応じて光照射後に加熱することもできる。
(F)成分の配合割合としては、組成物中に10重量%以下が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量%である。
この割合を、10重量%以下にすることにより、絶縁信頼性を高めることができる。さらに、0.01重量以上%とすることにより、熱硬化性に優れるものとすることができる。
その他光重合性化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート等の公知慣用のものが挙げられる。
重合禁止剤には、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の公知慣用のものが挙げられる。
6.製造・使用方法
本発明は、前記必須成分の(A)〜(D)と必要に応じてその他成分を攪拌・混合して製造すれば良い。
(D)成分又は/及び(F)成分が常温で組成物中に溶解しない場合には、必要に応じて加熱しても良い。
本発明の組成物の使用方法は、常法に従えば良い。
例えば、被覆を目的としている電極に、組成物を塗布又は注入した後、光照射して組成物を硬化させる方法等が挙げられる。
この場合の光照射条件としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、100〜3000mJ/cm2程度照射すればよい。
本発明の組成物が適用できる電極の具体例としては、例えば、プラズマディスプレイパネルの電極端子、モバイル機器(携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなど)に使われる実装基板上の端子、屋外機器(給湯器、エアコン室外機など)に利用される基板の端子、洗濯機や温水洗浄便座、食器洗い乾燥器などの水周り機器に使用される実装基板上の端子等が挙げられる。
以下に、実施例を具体的に挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下「部」及び「%」とは、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
○製造例1〔(A)成分の製造〕
攪拌機、温度計、酸素濃度が5%の酸素/窒素混合ガス(以下、5%ONという)配管を装備した1Lフラスコに、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIという)を59.99g(0.27mol)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(以下、BHTという)を0.26g(1.18×10-3mol)、希釈剤として利用するノニルフェノキシエチルアクリレート(東亞合成(株)製アロニックスM−111。以下、M−111という)を220.41g(0.73mol)仕込んだ。
5%ONを吹き込みながら内容物を攪拌してフラスコ内を70℃にした。
トリス(アセチルアセトナート)鉄〔日本化学産業(株)製ナーセム第二鉄。以下、ナーセムという〕0.005g(1.4×10-5mol)を添加して、その後に水酸基価が55mgKOH/gのネオペンチルグリコール及びアジピン酸由来のポリエステルジオールを徐々に添加した。最終的にポリエステルを440.51g仕込んだ。その後、1,4−ブタンジオールを2.43g(0.027mol)添加して、フラスコ内の温度を80℃に昇温した。
GPCによる分子量計測(標準ポリスチレン換算。以下同様であり、記載を省略する。)で内容物の重量平均分子量(以下、Mwという)が3.2万を越えた段階で2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を11.36g(0.098mol)添加した。この時、ナーセムも0.005g(1.4×10-5mol)再度添加した。
その後のIR計測により、イソシアネート基が消失したことを確認して合成を終了した。
得られた反応混合物は、GPCによる分子量計測でMwが4〜5万のウレタンアクリレートオリゴマー(以下、A−1という)とM−111の30%を含む混合物であった。
○製造例2〔(A)成分の製造〕
攪拌機、温度計、5%ON配管を装備した0.5Lフラスコに、IPDIを30.0g(0.135mol)、BHTを0.11g(5.0×10-4mol.)、希釈剤として利用するイソボルニルアクリレート〔IBXA:大阪有機(株)製〕を92.59g(0.444mol)仕込んだ。
5%ONを吹き込みながら内容物を攪拌してフラスコ内を70℃にした。
ナーセムの0.0023g(6.5×10-6mol)を添加して、その後に水酸基価が53.9mgKOH/gのダイマー酸由来のポリエステルジオール〔クローダジャパン(株)製PRIPLAST1838〕を徐々に添加した。最終的にポリエステルを187.29g仕込んだ。その後、1,4−ブタンジオールを2.03g(0.022mol)添加して、フラスコ内の温度を80℃に昇温した。
GPCによる分子量計測で内容物のMwが6万を越えた段階でHEAを6.26g(0.054mol)添加した。この時、ナーセムも0.0023g(6.5×10-6mol)再度添加した。
その後のIR計測により、イソシアネート基が消失したことを確認して合成を終了した。
得られた反応混合物は、GPCによる分子量計測でMwが6〜7万のウレタンアクリレートオリゴマー(以下、A−2という)とIBXAを30%含む混合物であった。
○製造例3〔(A)成分の製造〕
攪拌機、温度計、5%ON配管を装備した1Lフラスコに、IPDIを59.99g(0.27mol)、BHTを0.26g(1.18×10-3mol)、希釈剤として利用するエチルカルビトールアクリレート〔大阪有機(株)製ビスコート190。以下、VC190という。〕を220.41g(1.17mol)仕込んだ。
5%ONを吹き込みながら内容物を攪拌してフラスコ内を70℃にした。
ナーセムの0.005g(1.4×10-5mol)を添加した後、水酸基価が55mgKOH/gのネオペンチルグリコール及びアジピン酸由来のポリエステルジオールを徐々に添加した。最終的にポリエステルを440.51g仕込んだ。その後、1,4−ブタンジオールを2.43g (0.027mol)添加して、フラスコ内の温度を80℃に昇温した。
GPCによる分子量計測で内容物のMwが3.2万を越えた段階でHEAを11.36g(0.098mol)添加した。この時、ナーセムも0.005g(1.4×10-5mol)再度添加した。
その後のIR計測により、イソシアネート基が消失したことを確認して合成を終了した。
得られた反応混合物は、GPCによる分子量計測でMwが4〜5万のウレタンアクリレートオリゴマー(以下、A−3という)とVC190を30%含む混合物であった。
○実施例1
製造例1で得られた反応混合物50部(A−1:35部 + M−111:15部)、アクリロイルモルフォリン〔ACMO:興人(株)製〕を20部に、ラウリルアクリレート(LA:大阪有機(株)製)を17部、IBXAを13部、光重合開始剤〔チバ・ジャパン(株)製イルガキュアー184。以下、Irg184という〕を3部加えて均一に混合することにより光硬化型組成物を製造した。
得られた組成物を使用して、下記評価1に従い評価を行った。それらの結果を表1に示す。尚、表1には、組成物中の各成分の最終組成を示している。
○評価1
(1)絶縁信頼性
櫛型銀電極付きガラス基板(電極端子は厚さ:2μm、電極幅:50μm、ピッチ:50μm)上に、得られた組成物を厚さ2mmで塗布し、メタルハロゲンランプの光を用いて紫外線硬化した(紫外線:UV−A、照射エネルギー:2000mJ/cm2)。
上記方法で得た評価用サンプルを用いて、温度40℃、湿度80%RHの雰囲気下で、80Vの電圧を連続的に印加した状態において、抵抗値が107Ω以下になるまでの時間を測定し、耐イオンマイグレーション性を評価した。
(2)ポリイミドに対する密着性
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトン100H)の上に、得られた組成物を厚さ2mmで塗布し、その上を表面処理されたPETフィルムで覆った。
その表面処理PETフィルム側から、絶縁信頼性試験と同じ条件で紫外線を照射して硬化物を得た。
得られた硬化物を使用して、エスペック社製の液相冷熱衝撃試験機「TSB−21」を用いて、下記条件で冷熱処理を行った。
・温度条件: 低温槽=−40℃、恒温槽=+85℃
・浸漬時間:各30分(各30分浸漬して1サイクル)
・サイクル数:20回
・浸漬液:パーフルオロエーテル
冷熱処理後の硬化物を、表面処理PETフィルム側に粘着テープを用いて支持板を貼り付けた。
この評価用サンプルを用いて、インストロン社製の卓上型試験システム(5564)を用い、180°剥離強度を測定した。
測定条件:引張り速度50mm/min、室温
(3)ガラスに対する密着性
スライドガラスの上に、得られた組成物を厚さ2mmで塗布し、その上を別のスライドガラスで覆った。
そのスライドガラス越しに、絶縁信頼性試験と同じ条件で紫外線を照射して硬化物を得た。
得られたサンプルを使用して、東洋精機社製のストログラフを用いて平面引張り強度を測定した
・測定条件:引張り速度50mm/min、室温
又、得られたサンプルを使用して、上記密着性試験と同じ条件で、冷熱処理を行った。
冷熱処理後のサンプルを使用して上記と同じ方法により、平面引張り強度を測定した。
○実施例2〜同5、比較例1〜同4
表1に示す成分を表1に示す割合で使用する以外は、実施例1と同様の方法で、光硬化型組成物を製造した。
尚、実施例2〜同5で、比較例1及び同2実際の配合で使用した、各製造例の反応混合物の割合は、以下の通りである。
・実施例2
製造例2の反応混合物45部(A−2:31.5部+IBXA:13.5部)
・実施例3
製造例1の反応混合物50部(A−1:35部 + M−111:15部)
・実施例4
製造例2の反応混合物45部(A−2:31.5部+IBXA:13.5部)
・実施例5
製造例1の反応混合物50部(A−1:35部 + M−111:15部)
・比較例1
製造例1の反応混合物50部(A−1:35部 + M−111:15部)
・比較例2
製造例3の反応混合物50部(A−3:35部 + VC190:15部)
尚、比較例2では、組成物製造時に、別途VC190の30部をさらに配合した。
Figure 2010225322
表1中の略号は、前記で記載したもの以外は、下記を意味する。
・KBM−503:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製KBM−503
・TA1000:ポリブタジエンの末端アクリル変性品、日本曹達(株)製TEA−1000
・TI1000:水素添加ポリブタジエンの末端アクリル変性品、日本曹達(株)製TEAI−1000
・M−100:フェノキシエチルアクリレート、東亞合成(株)製M−100
実施例1〜同5の結果から、本発明の組成物は、いずれも絶縁信頼性、ポリイミド及びガラスに対する密着性に優れるものであった。
これに対して、(B)成分を含まない比較例1の組成物は、絶縁信頼性に優れるものの、ポリイミド及びガラスに対する密着性が不十分なものであった。(C)成分を含まない比較例2の組成物は、ポリイミド及びガラスに対する密着性に優れるものの、絶縁信頼性が不十分なものであった。又、(A)成分を含まない比較例3及び同4の組成物は、いずれも絶縁信頼性、ポリイミドに対する密着性及びガラスに対する密着性が不十分なものであった。
○実施例6及び同7
実施例3において、ジクミルパーオキサイド〔日油(株)製パークミルD〕の1部及びBHTの0.2部をさらに加える以外は、実施例1と同様の成分を使用し、同様の方法で実施例6の光硬化型組成物を製造した。
実施例4においても上記と同様にして、実施例7の光硬化型組成物を製造した。
得られた実施例6及び同7の組成物、並びに実施例3及び同4の組成物について、下記評価2の方法に従い評価した。それらの結果を表2に示す。尚、表2には、組成物中の各成分の最終組成を示している。
○評価2
前記評価1において、組成物の塗布厚さを2.5mmにする以外は、前記と同様の方法で各基材に塗布した。
その後、評価1と同様の装置及び条件で紫外線照射した後、さらに130℃の乾燥器内で30分間加熱処理した。
得られた試験体について、前記評価1と同様な方法で評価を行なった。評価結果を表2に示す。
尚、実施例3及び同4では、紫外線硬化のみで熱処理を行わなかった。
Figure 2010225322
実施例3及び同4の組成物は、前記した通り、膜厚が薄い被覆であれば優れた性能を有するものであるが、膜厚が厚い被覆の場合は、絶縁信頼性、ポリイミドに対する密着性及びガラスに対する密着性の性能が低下してしまった。
これに対して、(F)成分をさらに含む実施例6及び同7の組成物は、膜厚が厚い被覆であっても絶縁信頼性、ポリイミドに対する密着性及びガラスに対する密着性の性能に優れるものであった。
本発明の電極被覆用光硬化型組成物は、電気絶縁性に優れるため、電極被覆の用途として、種々の電子・電気機器の被覆に使用することができる。

Claims (7)

  1. ジイソシアネート化合物(a)、水酸基価が28〜225mgKOH/gであるポリエステルジオール(b)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を反応させて得られる、末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、(メタ)アクリロイルモルフォリン(B)、分子中に炭素数8以上のアルキル基又は炭素数8以上のシクロアルキル基と、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物(C)、並びに光重合開始剤(D)を含有する電極被覆用光硬化型組成物。
  2. 前記(A)〜(D)成分を、組成物中に以下の割合で含む請求項1記載の電極被覆用光硬化型組成物。
    (A)成分:5〜60重量%
    (B)成分:5〜40重量%
    (C)成分:10〜80重量%
    (D)成分:0.01〜10重量%
  3. 前記(A)成分が、前記化合物(a)、(b)及び(c)を、必要に応じ反応溶媒の存在下、下記一般式(1)で表される金属化合物の存在下で反応させて得られたものである請求項1又は請求項2記載の電極被覆用光硬化型組成物。
    M(X)n ・・・(1)
    〔式(1)において、MはFe又はZnを表し、Xは同一又は異なってβ−ジケトン、ハロゲン原子、アシルオキシ基又はアルコキシ基を表し、nは2又は3の整数を表す。〕
  4. シランカップリング剤(E)をさらに含有する請求項1〜請求項3記載の電極被覆用光硬化型組成物。
  5. 前記(E)成分を組成物中に10重量%以下含有する請求項4記載の電極被覆光硬化型組成物。
  6. 熱重合開始剤(F)をさらに含有する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電極被覆用光硬化型組成物。
  7. 前記(F)成分を組成物中に10重量%以下含有する請求項6記載の電極被覆光硬化型組成物。

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