JP2010225142A - 反射検出装置、表示装置、電子機器、および、反射検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】面発光型の位置検出において、光出射面からの距離(高さ)を測定する。表示面11と、検出光出力部50(およびBL走査液晶部LCS)と、複数の受光素子36と、高さ検出部とを有する。検出光出力部50、光出射面内の一部の領域から所定の出射角度θ1で赤外光L(IR)を出射する。複数の受光素子36は、外部反射で発生した赤外光L(IR)を受光し受光信号を出力する。高さ検出部は、受光信号から反射赤外光Lr(IR)の入射位置の座標a1を求め、当該座標a1と、当該座標a1に対応する出射位置の座標a2とを用いて、反射箇所の高さHを求める。
【選択図】図8
Description
しかし、単に物体の有無にとどまらず、物体の面内位置を検出する位置検出にも反射検出が用いられることがある。
上記特許文献1に記載された技術では、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルに、画面の一部の画素あるいは全画素に光を感知するセンサ(受光素子)を配置している。センサからの検出信号を、当該センサが設けられた画素の位置情報と対応付けると、パネル表面に接触した指やペンなどの物体の面内位置を検出できる。この物体に照射しセンサで感知する光は、赤外(IR)光などの非可視光が用いられている。非可視光を用いると黒表示など画面領域でも位置検出が可能である。
本発明は、当該位置検出装置の機能を有し、表示面からの距離(高さ)を測定できる表示装置と、表示装置を有する電子機器とを提供する。
本発明は、光出射面からの距離(高さ)を測定することが可能な位置検出方法を提供する。
前記検出光出力部は、光出射面内の一部の領域である出射領域から斜めに(例えば、所定の角度で)検出光を出射する。検出光出力部は、好ましくは、光出射面内で一方向に前記出射領域をシフトする。
前記複数の受光素子は、前記検出光が前記出射領域から外部に出射され、外部で反射されて前記光出射面へ所定角度で入射する反射検出光を選択的に受光し受光信号を出力する。
前記高さ検出部は、例えば、(前記シフトを行う場合は、シフトの前や後に)前記受光信号が得られたときは、当該受光信号が得られた受光素子の位置から前記反射検出光の入射位置の座標(位置情報)を求める。そして、高さ検出部は、当該座標と、当該座標に対応する前記出射領域の位置の座標(位置情報)とを用いて、前記検出光が外部で反射された箇所について、前記光出射面からの距離である高さを求める。
この場合、さらに好適に、前記高さ検出部は、前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを求める。また、前記高さ検出部は、求めた2つの座標a1,a2と、前記出射角度θ1および前記入射角度θ2と、を用いて次式(1)を解く。
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
により表される式を解くと、前記高さに対応する値が得られる。
この場合、さらに好適に、前記高さ検出部は、前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを、前記2つの平行光それぞれにおいて求める。また、高さ検出部は、求めた2つの座標a1,a2と、前記検出光の前記光出射面に対する出射角度θ1を用いて、前記反射検出光の前記光出射面への入射角度θ2と反射位置の前記高さに対応する値Hとを未知数とする次式(1)を解く。
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
により表される式を、前記2つの平行光それぞれについて立て、立てた2つの式を解くと、前記高さに対応する値Hが得られる。
前記表示部は、入力される映像信号に応じて変調された可視光を前記表示面から外部に出力する画像表示の機能を持つ。また、表示部は、表示面内の一部の領域である出射領域から斜めに検出光を出射する機能も持つ。また、好ましくは、表示部は、表示面内で一方向に前記出射領域をシフトする機能も持つ。
前記複数の受光素子は、前記検出光が前記出射領域から外部に出射され、外部で反射されて前記表示面へ所定角度で入射する反射検出光を選択的に受光し受光信号を出力する。
前記高さ検出部は、例えば、(前記シフトを行う場合は、シフトの前や後に)前記受光信号が得られたときは、当該受光信号が得られた受光素子の位置から前記反射検出光の入射位置の座標(位置情報)を求める。また、高さ検出部は、当該座標と、当該座標に対応する前記出射領域の位置の座標(位置情報)とを用いて、前記検出光が外部で反射された箇所について、前記表示面からの距離である高さを求める。
前記表示パネルは、上述した第2の観点の表示装置と同様、表示面と、表示部と、複数の受光素子とを有する。
前記表示パネル内または前記回路部内に、第2の観点では表示装置が備えていた前記高さ検出部を有する。
(1)光出射のステップ:表示面内の一部の領域である出射領域から斜めに検出光を出射する。
(2)受光のステップ:前記検出光が前記出射領域から外部に出射され、外部で反射されて前記表示面へ所定角度で入射する反射検出光を選択的に受光し受光信号を発生する。
(3)走査のステップ:前記出射領域を表示面内で一方向にシフトしながら前記光出射のステップを繰り返す。
(4)高さ検出のステップ:前記シフトのたびに前記受光のステップで発生する前記受光信号において、所定レベル以上の受光量が得られた場合のステップである。具体的には、当該受光量が得られた受光位置に対応する前記反射検出光の入射位置の座標(位置情報)と、当該座標に対応する前記出射領域の位置の座標(位置情報)とを用いて、前記検出光が外部で反射された箇所について、前記表示面からの距離である高さを求める。
当該位置検出装置の機能を有し、表示面からの距離(高さ)を測定できる表示装置と、表示装置を有する電子機器とを提供することができる。
光出射面からの距離(高さ)を測定することが可能な位置検出方法を提供することができる。
以下、次の順で説明を行う。
1.実施の形態
詳細内容は、[パネル構造]、[赤外光の経路]、[構成部材の詳細]、[BL/センサのスキャンと、そのための構成]、[高さ検出]に区分して説明する。
2.変形例
2−1.変形例1:受光素子とレンズに関する変形。
2−2.変形例2:検出光出力部に関する変形。
[パネル構造]
図1に、液晶ディスプレイ装置のパネル断面構造図を示す。この断面構造は、半透過型か透過型かを問わず共通する。また、図1の断面図では、図を見やすくするため断面を表す斜線を省略している。この斜線の省略は、後述する他の断面でも同様である。
図1に図解する液晶ディスプレイ装置10は、映像が表示されユーザが映像を観察する観察面としての表示面11を有する。表示面11は、「表示部」を構成する2枚の基板(後述)に形成された最上層の保護層43の表面(上面)を指す。あるいは、保護層43の表面に更にシートが貼られている場合、そのシートの最表面が表示面11である。
バックライト20は、導光板21、LED等の光源(以下、白色LEDを用いているため「白色光源」と呼ぶ)22、反射ボックス22aを有する。反射ボックス22aで囲まれた白色光源22が、導光板21の少なくとも一方の側面に配置されている。反射ボックス22aは、白色光源22の周囲にLED光が漏れるのを防止して、光の利用効率を上げるための部材である。
特に図示していないが、バックライト20はLED駆動部に接続され、LED駆動部によって白色光源22が発光制御される。また、導光板21の背面側には、反射シートが貼られている。バックライト20は、これらの部材を一体に組み立てた画像ディスプレイ専用の照明装置である。
駆動基板30には、細かくなるため詳細には図示していないが、薄膜トランジスタ(TFT)を含む画素内の回路素子や電極が形成され、また、画素のマトリクス駆動のための配線が形成されている。駆動基板30は、スペーサ(不図示)を介して内部空間を形成するように対向基板31と貼り合わされている。このとき、回路素子、電極および配線が形成された駆動基板30の面が、対向基板31と対向している。
図1の断面構造では対向基板31に、カラーフィルタ層34が示されている。カラーフィルタ層34は、駆動基板30と、対向基板31と、スペーサにより形成される内部空間に面するように対向基板31に予め形成される。
スペーサが形成されていない箇所から、2枚の基板間の内部空間に液晶が注入されている。その後、液晶の注入箇所が閉じられると、液晶が駆動基板30、対向基板31およびスペーサ内に封入され、これにより液晶層35が形成されている。
第2偏光板の表示面11側の面には保護層43が形成されている。
検出光出力部50は、物体検出のために表示照明光とは異なる波長領域の光として「検出光」を発光する部品である。ここで、表示照明光が白色LEDの、可視光を主とする波長領域の光である。これに対し、検出光は非可視光、例えば赤外(IR)光である。検出光は可視光でもよいが、可視光だと黒表示のために液晶層35を駆動しているときは遮蔽されるため、表示と検出を同時に行えない場合がある。このため、検出光は非可視光が望ましく、特に赤外光は反射検出に適しているため、更に望ましい。
反射ボックス53で囲まれた赤外LED52(IR)が、導光板51の少なくとも一方の側面に配置されている。反射ボックス53は、赤外LED52(IR)の周囲にLED光が漏れるのを防止して、検出光の利用効率を上げるための部材である。
特に図示していないが、検出光出力部50はLED駆動部に接続され、LED駆動部によって赤外LED52(IR)が発光制御される。また、導光板51の背面側には、反射シートが貼られている。検出光出力部50は、これらの部材を一体に組み立てた反射検出専用の発光装置である。
つぎに、以上のような構造を有する液晶ディスプレイ装置10のバックライト光および赤外光の経路を説明する。
画像表示時に、バックライト20内で白色光源22が点灯する。すると、白色光源22からの光(表示照明光)が、導光板21の一方端部から導光板21内に入射される。
導光板21は、透明材料からなる反射拡散板の一種であり、LEDといった点光源からの光が導光板21内で反射を繰り返す間に、次第に拡散されて面状の光に変換される。
導光板21から出た光は、白色光学フィルム60を透過する間に、ある程度拡散した光に変換される。白色光学フィルム60は多層フィルムから形成され、光の拡散機能と、光の光軸を表示面11に対して垂直にする機能を有する。
これに対し、導光板21の背面側の表面では光が漏れないように全反射させる必要がある。背面側に何も設けない場合、一部の光が導光板21から出力しようとする。この出力しようとする光を導光板21に戻すために、背面側に反射シート(不図示)が貼られている。同様な趣旨から、白色光源22の周囲にも反射ボックス22aが設けられている。
バックライト20は、反射シートと反射ボックス22aによって、白色光源22からの光が照明光として効率よく前面側に出射されるようになっている。
白色光学フィルム60から出射した表示照明光は、表示部で、映像信号に応じた変調を受けて画像光Lとして表示面11から出力される。
構造等についての詳細は後述するが、導光板51には「光学素子」としてマイクロ(μ)プリズム54が多数配置されている。μプリズム54は、その設けられている場所のほぼ直上の部分のみ赤外光L(IR)を出射させるために設けられている。そのため、μプリズム54の密度や、配置領域と非配置領域の別によって、表示面11から見た赤外光L(IR)の出射領域を任意のパターンとすることが可能である。
μプリズム54からの赤外光L(IR)は、図1に示すように光路が曲げられ、パネル内を通過した後に表示面11から出力される。μプリズム54は、その光路変更面の傾斜角度等によって検出光出力部50の光出射面に対する角度を正確に制御できる。
受光素子36は等間隔に配置してもよいが、マイクロレンズと組み合わせて対で配置することが望ましい。
駆動基板30の一主面に回路形成層が色ごとに配置されている。回路形成層33(R)と回路形成層33(G)と回路形成層33(B)のそれぞれが映像表示で実効的な画素を形成するサブピクセルに対応している。各回路形成領域は、TFT、キャパシタ電極、配線等の配置領域である。
一方、対向基板31には層間膜38が形成され、層間膜38の液晶層35側に、Rフィルタ34(R),Gフィルタ34(G),Bフィルタ34(B)を含むカラーフィルタ層が形成されている。
ここでは、望ましい配置として、受光素子36_1と36_2が対で配置されている。以下、受光素子36_1と36_2を特に区別する必要がない場合、単に、受光素子36で表記する。
受光素子36_1と36_2からなる受光素子対上に、マイクロレンズ39が形成されている。これにより受光素子対がマイクロレンズ39の集光領域内に配置されている。マイクロレンズ39はサブピクセルトリオの間の領域に配置され、駆動基板30の回路形成面上に堆積された平坦化膜37内に埋め込まれている。
図3に図解する本実施の形態のμプリズム54は、断面が三角形状の光学素子であり、導光板51と一体に形成されている。本例のμプリズム54は、例えば導光板51の裏面にV型の溝を形成することで実現できる。なお、μプリズム54を、導光板51とは別のシート等に形成し導光板51に貼り合せるなどの方法でもμプリズム54と同様な機能の光学部品の形成は可能である。
μプリズム54の幅(x方向のサイズ)は、例えば10[μm]程度であり、複数のμプリズム54が、x方向における数十[μm]〜数百[μm]程度の所定ピッチで、y方向に長い平行ストライプ状に配置されている。あるいは十分な光強度を得るため、比較的狭いピッチで数〜数十本のμプリズム54を局所配置し、そのμプリズム54の束を、x方向において比較的大きなピッチで等間隔に配置してもよい。
以上の作用は、他のy方向側面(図3に不図示の左側面)に設けられた赤外LED52(IR)からの光でも同様である。この場合、図3(B)に示す第2反射面55bが実際の反射面となるため、検出光は正の角度(+θ)の斜光として出力される。
この作用は全てのμプリズム54で同じである。このため導光板51の出力面の領域51Bからは、2方向の平行光が検出光として出力される。また、この調整可能な角度(+θ,−θ)は、図1に示す表示面11から検出光が出ていくときもほぼ維持されるため、この角度を検出光の出射角度という。
ここで検出光の幅がある程度小さく、そのため光が当たっている被検出物の光照射面が小さい場合、その光は被検出物の一点で拡散反射していると推定できる。なぜなら、被検出物は通常、指やスタイラスペン先など、数十〜数百[μm]幅の光より十分大きいからである。
ここで、検出光の出射角度(+θ,−θ)は既知の値を有し、この値に応じて、反射検出光の表示面11への入射角度、ひいてはマイクロレンズ39への入射角度も決まる。そのような2つの入射角度を持つ光が効率良く選択的に受光できるように、マイクロレンズ39の屈折率やレンズ面の曲率、さらに、受光素子対(36_1,36_2)の配置等が決められている。よって、受光素子の受光角度は、検出光の出射角度(+θ,−θ)と、マイクロレンズ39の位置、および、受光素子が受光素子対のどちら側の素子であるかに応じて決められる既知の値を有する。ここで選択的な受光は、所定の入射角度の受光感度が他の入射角度より高い感度分布を持つことを含む。
後述する3角測量法では、光出射位置と受光位置の対応関係の特定は重要である。
ここで被検出物が、例えば1[mm]程度の小さいものであれば、反射検出光を受光する受光素子対(36_1,36_2)の数も限られるため、その反射検出光の受光位置から逆算すれば、検出光の出射位置も特定できる。しかし、被検出物が比較的大きい場合、その形状が表示面11に平行な平板とは限らないので、その形状が例えば球状の場合、反射検出光分布が広がって受光領域の輪郭がはっきりしない。また、表示面11から出るときの検出光の出射角度(+θ,−θ)と、反射検出光が表示面11に入るときの入射角度が異なるものとなる。このことは、後述する3角測量法では誤差要因となるので、好ましくない。
図4に図解する受光センサ回路36Cは、3つのトランジスタ(ここではNチャネル型TFT)とフォトダイオードPD(受光素子36に相当)とを有する。
3つのトランジスタは、リセットトランジスタTS、アンプトランジスタTA、読み出しトランジスタTRである。
読み出しトランジスタTRは、ドレインがアンプトランジスタTAのソースに接続され、ソースが検出線36L4に接続され、ゲートがリード制御信号(READ)の供給線(以下、リード制御線)36L5に接続されている。
この場合、y方向に長い複数の検出線36L4に、受光センサ行の読み出しを行うごとにセンサ読み出し信号(受光信号)が発生する。読み出し行を変えて繰り返し実行される、リセット線36L3とリード制御線36L5の制御ごとに、複数の検出線36L4から受光信号が時系列に表示パネル外部に排出される。
図1に示す構成で液晶層35は映像表示のための光変調層に該当する。映像の非表示時に物体検出を行う場合で、液晶層35が非可視光の透過と遮断を制御できるならば、図1に示す構成も採用可能である。
しかし、物体検出の目的が映像表示時の命令等の情報入力を目的とする場合、検出光をIR光などの非可視光とした上で、液晶層35とは別に、IR光変調手段(例えば液晶層)を設けることが必要となる。
図5は、図1の場合と同様に、バックライト20、白色光学フィルム60および保護層43を有するが、これらを省略し、それ以外の構成を示す概略図である。
図5に図解する液晶ディスプレイ装置は、図1に図解する液晶ディスプレイ装置に比べ、検出光出力部50と駆動基板30との間に、BL走査液晶部LCSが追加されている。
なお、図5には、導光板51の反射部材51Rが示されている。
構造上は表示液晶部LCとBL走査液晶部LCSは似ているが、表示液晶部LCが可視光を変調するのに対し、BL走査液晶部LCSが非可視光(IR光)を変調する。そのため、各部材の材料や光学特性が異なるように表示液晶部LCとBL走査液晶部LCSが構成されている。特に、表示液晶部LCはIR光を常時全面で透過させ、BL走査液晶部LCSは可視光を常時全面で透過させる。
つぎに、高さ検出の手順を説明する。
図6は、この手順を示すフローチャートである。このフローチャートのアルゴリズムは、後述する電子機器のCPUやマイクロコンピュータ等の所定の制御部に格納された、あるいは、適宜入力されたプログラムに従って実行される。
つぎのステップST2では、輝線BLの初期制御を行う。つまり、図5に示すBL走査液晶部LCSのBL駆動基板30Sに設けられ、あるいは、一部の機能が表示パネル外の駆動回路に委ねられたBL駆動部が動作する。これにより、N=1の場合の輝線BLを形成する。具体的には、図5(A)に示すように、y方向に長いストライプ状のIR光透過領域としての輝線BLがBL液晶層35Sに形成され、これにより赤外光L(IR)の出射領域の範囲がライン状に絞られる。以下、図1に示す表示面11上での赤外光L(IR)の出射領域を“BL領域”とよぶ。
図7(A)のように、被検出物に赤外光L(IR)が照射されない場合、“反射検出光”としての反射赤外光Lr(IR)は発生しない。
図7(B)のように、被検出物に赤外光L(IR)が当たると、そこで反射赤外光Lr(IR)が発生し、これが液晶ディスプレイ装置に戻される。反射赤外光Lr(IR)は表示液晶部LCの対向基板31と液晶層35を殆ど損失することなく透過し、駆動基板30に設けられた受光素子36(受光センサ回路36C)の配列に到達する。
より詳細には、ステップST3の光センサスキャンによって受光信号の1画面の分布が得られるが、その受光信号の分布で、有効なセンサ出力あり、なしを判断する。有効かどうかは、例えば、一定の閾値以上の受光信号レベルがあるかを基準とする。また、ノイズとの区別のため、一定の閾値以上のセンサ出力数が一定の割合以上存在する、あるいは、ある纏まった範囲に存在するといった観点でセンサ出力の有無を判定してもよい。
この判断がNOなら、処理フローがステップST2に戻り、ステップST2〜ST7が繰り返される。
ステップST7の判断がYESならば、ステップST8にて、外部の処理IC等で高さ(H)算出処理が実行される。
図8において、輝線BL(図5参照)に対応して表示面11上のy方向ストライプ領域を、赤外光L(IR)の“出射領域IRout”と定義する。また、被検出物から反射赤外光Lr(IR)が入射される表示面11の領域を“入射領域IRin”と定義する。また、赤外光L(IR)が表示面11と交わる出射角度を“θ1”、反射赤外光Lr(IR)が表示面11と交わる入射角度を“θ2”と定義する。
出射位置のx座標(a1)は、そのときの輝線BLのx座標と、既知の出射角度(+θまたは−θ)と、輝線BLから表示面11までの距離で決まり、予め一意に定まる。
これに対し、入射位置のx座標(a2)は、表示面11から被検出物までの距離(高さH)によって大きく変化する。
入射位置のx座標(a2)は、複数の受光素子36の1画面スキャンにより得られた分布から判定される受光位置中心のx座標を、表示面11上の入射位置のx座標に変換したものである。
第1の算出方法の前提として、表示面11に対する出射角度θ1の違い(変動)と入射角度θ2の違い(変動)の各々が、高さ検出の分解能に応じて3角測量法で許容誤差とみなせる程度まで等価となることと要する。この前提が得られる(上記2つの変動の各々が実質的に1つの値と見なせる)ように、出射領域IRoutの範囲が限定されている。つまり、図8(A)または図8(B)に示す出射領域IRoutの幅が十分小さく(この幅に対して被検出物の大きさが十分大きく)、そして出射光が被検出物の表面で拡散反射する場合がこのケースに対応する。被検出物が表示面11と平行な状態でも、この平行な状態から被検出物が傾いても、出射角度θ1と入射角度θ2は変化しない。そのため、出射角度θ1と入射角度θ2の両者は、高さ検出の分解能に応じて3角測量法で許容誤差とみなせる程度まで等価となる。
[数1]
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を、図8(A)または図8(B)に示す片方の平行光について立てる。この場合、出射位置のx座標(a1)、入射位置のx座標(a2)、出射角度θ1、入射角度θ2は全て既知である。よって、単に、上記式(1)を1回解くと、高さHが求められる。この場合、測定精度は若干低下するが、入射角度θ2は90度でも高さHを求めることは可能である。
出射角度θ1または入射角度θ2が等価とみなせない場合、例えば、図8(A)に示す向きのスキャンにより得られた出射位置のx座標(a1)および入射位置のx座標(a2)と、出射角度θ1(既知)とを、上記式(1)に代入する。ここで、入射角度θ2と高さHが未知のパラメータである。
つぎに、図8(B)に示す向きのスキャンにより得られた出射位置のx座標(a1)および入射位置のx座標(a2)と、出射角度θ1(既知)とを、入射角度θ2と高さHを未知パラメータとする上記式(1)に代入する。
したがって、この2つの観点から妥当な輝線BLのx方向の幅が決められる。
決められた輝線BLのx方向の幅で、出射角度θ1と入射角度θ2が等価とみなせるかどうかに応じて上記第1の算出方法を採用するか、上記第2の算出方法を採用するかを決めればよい。
[数2]
L=H/tanθ1+a1…(2−1)
L=H/tanθ2+a2…(2−2)
図9に、マイクロレンズと受光素子の変形例を示す。
図9に示すように、マイクロレンズ39を、y軸を長軸とするシリンドリカルレンズにより形成してもよい。その場合、受光素子36_1と受光素子36_2を、シリンドリカルレンズの底面の中心軸(長軸)の左右に互い違いに配置する。各受光素子の受光面の形状を、長軸に沿った帯状とする。
このようにすることにより、画素のy方向と同じサイズのセンサ配置領域を有効に利用して高感度にすることができる。
図10に示すように、マイクロレンズ39は、カラーフィルタ層34と同一面に形成して層間膜38中に埋め込んでもよい。
x方向正側に入射面を持つ三角レンズ39Rは、反射赤外光Lr(IR)Aを有効に受光素子36_1に導くが、赤外光L(IR)Bを受光素子に導かない。これとは逆に、x方向負側に入射面を持つ三角レンズ39Lは、反射赤外光Lr(IR)Bを有効に受光素子36_2に導くが、赤外光L(IR)Aを受光素子に導かない。
マイクロレンズ39と同様な機能は、このような光学素子でも実現できる。
図12〜図14に、検出光出力部に関する変形を示す。
赤外光L(IR)の光路を表示面11側に変更する光学素子は、実施の形態のようにV溝が形成方法の容易さや加工精度の高さから望ましい。
しかし、反射検出光の検出に支障がないか、反射検出光の邪魔にならない特殊な光学素子が実現できれば、例えば図12と図13に示すように、液晶モジュール(LC+LCS)より表示面11側に配置するとよい。これにより、三角測量法を実施する表示面11と、受光面とが近くなり、その分、距離換算誤差が小さくなるという利点がある。
図13では、検出光出力部50の機能と保護層43の機能を併せ持つ検出光出力部50Cを配置している。この場合、検出光出力部50Aの表面が表示面11となる。
なお、図14に示すように、x方向正側にIR光源を持つ検出光出力部50Cと、x方向負側にIR光源を持つ検出光出力部50Bとを重ねて配置してもよい。この変形は、図12の変形と重複適用できる。
出射領域(BL走査液晶部LCSによる光透過領域)の形状は、ストライプ状に限らない。例えば、「断線平行ストライプ状」「断線千鳥状」などでもよい。その他、規則的なパターンであれば、出射領域の形状や配置は任意である。
また、本発明が適用された表示装置を内蔵する電子機器は、PC、テレビジョン装置、携帯電話やPDA等の携帯機器、動画または静止画を撮影するカメラ装置、ナビゲーションなどの車載機器など、どのようなものでもよい。
また、反射検出装置または表示装置を搭載した電子機器において、高さ検出を種々のアプリケーションに応用することが容易となる。このため、PC、携帯電話、ゲームなどに全く新しいアプリケーションが創出されることが期待できる。
Claims (19)
- 光出射面と、
光出射面内の一部の領域である出射領域から斜めに検出光を出射する検出光出力部と、
前記検出光が前記出射領域から外部に出射され、外部で反射されて前記光出射面へ所定角度で入射する反射検出光を選択的に受光し受光信号を出力する複数の受光素子と、
前記反射検出光を受光した受光素子の位置情報と、前記検出光が出射された出射領域の位置情報とを用いて、前記検出光が外部で反射された箇所について、前記光出射面からの距離である高さを求める高さ検出部と、
を有する反射検出装置。 - 前記検出光出力部は、斜め方向に平行な検出光を出射する前記出射領域を一方向にシフトすることが可能に構成されている
請求項1に記載の反射検出装置。 - 前記高さ検出部は、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを求め、
前記検出光の前記光出射面に対する出射角度をθ1、前記反射検出光の前記光出射面に対する入射角度をθ2としたとき、求めた2つの座標a1,a2と、前記出射角度θ1および前記入射角度θ2と、を用いて前記高さに対応する値Hを次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を解くことにより求める
請求項2に記載の反射検出装置。 - 前記検出光出力部は、光出射面内で相反する2つの向きに傾き角成分を持つ2つの平行光を、前記検出光として前記出射領域から出力するとともに、前記相反する2つの向きと平行な方向内で前記出射領域をシフトすることが可能に構成されている
請求項1に記載の反射検出装置。 - 前記高さ検出部は、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを、前記2つの平行光それぞれにおいて求め、
求めた2つの座標a1,a2と、前記検出光の前記光出射面に対する出射角度θ1を用いて、前記反射検出光の前記光出射面への入射角度θ2と前記高さに対応する値Hとを未知数とする次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を前記2つの平行光それぞれについて立て、立てた2つの式を解くことにより前記高さに対応する値Hを求める
請求項4に記載の反射検出装置。 - 複数の受光レンズを有し、
前記受光素子は、1つの受光レンズに対し対で設けられ、
対で設けられた2つの受光素子が、対応する受光レンズの集光範囲内で前記シフトの方向に互いに離間して配置されている
請求項2に記載の反射検出装置。 - 表示面と、
入力される映像信号に応じて変調された可視光を前記表示面から外部に出力する画像表示の機能と、表示面内の一部の領域である出射領域から斜めに検出光を出射する機能とを持つ表示部と、
前記検出光が前記出射領域から外部に出射され、外部で反射されて前記表示面へ所定角度で入射する反射検出光を選択的に受光し受光信号を出力する複数の受光素子と、
前記反射検出光を受光した受光素子の位置情報と、前記検出光が出射された出射領域の位置情報とを用いて、前記検出光が外部で反射された箇所について、前記表示面からの距離である高さを求める高さ検出部と、
を有する表示装置。 - 前記表示部は、斜め方向に平行な検出光を出射する前記出射領域を一方向にシフトすることが可能に構成され、
前記高さ検出部は、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを求め、
前記検出光の前記光出射面に対する出射角度をθ1、前記反射検出光の前記光出射面に対する入射角度をθ2としたとき、求めた2つの座標a1,a2と、前記出射角度θ1および前記入射角度θ2と、を用いて前記高さに対応する値Hを次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を解くことにより求める
請求項7に記載の表示装置。 - 前記表示部は、表示面内で相反する2つの向きに傾き角成分を持つ2つの平行光を、前記検出光として前記出射領域から出力するとともに、前記相反する2つの向きと平行な方向内で前記出射領域をシフトすることが可能に構成され、
前記高さ検出部は、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを、前記2つの平行光それぞれにおいて求め、
求めた2つの座標a1,a2と、前記検出光の前記表示面に対する出射角度θ1を用いて、前記反射検出光の前記表示面への入射角度θ2と前記高さに対応する値Hとを未知数とする次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を前記2つの平行光それぞれについて立て、立てた2つの式を解くことにより前記高さに対応する値Hを求める
請求項7に記載の表示装置。 - 前記表示部は、
表示光の第1面発光部と、
前記表示面に対し所定の角度で面状の前記検出光を出射する第2面発光部と、
前記第1および第2面発光部と前記表示面との間に配置され、前記第1面発光部からの表示光を入力映像信号に応じて光変調して表示画像光に変換するとともに、前記第2面発光部から出力される前記面状の検出光を、前記表示面の前記出射領域に対応する領域で透過させ、その他の領域で遮断し、透過領域を一方向にシフトする光変調パネル部と、
を有する請求項7に記載の表示装置。 - 前記第2面発光部は、
前記検出光の光源と、
前記光源からの光を内部反射させて面状光に拡散させる導光板と、
導光板内を通る光の向きを局所的に変更して、前記導光板の表示部側の出力面から斜めに前記面状の検出光を出力させる光学素子と、
を有する
請求項10に記載の表示装置。 - 前記光源が、前記導光板の対向する2つの側面に配置され、
前記光学素子が、前記導光板の一方の側面側に配置された第1光源からの光を反射または屈折させる第1光路変更面と、前記導光板の他方の側面側に配置された第2光源からの光を反射または屈折させる第2光路変更面とを有する
請求項7に記載の表示装置。 - 複数の受光レンズを有し、
前記受光素子は、1つの受光レンズに対し対で設けられ、
対で設けられた2つの受光素子が、対応する受光レンズの集光範囲内で一方向に互いに離間して配置されている
請求項11に記載の表示装置。 - 表示パネルと、
前記表示パネルに表示すべき映像の処理回路を含む回路部と、
を有し、
前記表示パネルは、
前記映像の表示面と、
入力される映像信号に応じて変調された可視光を前記表示面から外部に出力する画像表示の機能と、前記表示面内の一部の領域である出射領域から斜めに検出光を出射する機能とを持つ表示部と、
前記検出光が前記出射領域から外部に出射され、外部で反射されて前記表示面へ所定角度で入射する反射検出光を選択的に受光し受光信号を出力する複数の受光素子と、
を有し、
前記反射検出光を受光した受光素子の位置情報と、前記検出光が出射された出射領域の位置情報とを用いて、前記検出光が外部で反射された箇所について、前記表示面からの距離である高さを求める高さ検出部を有する
電子機器。 - 前記表示部は、斜め方向に平行な検出光を出射する前記出射領域を一方向にシフトすることが可能に構成され、
前記高さ検出部は、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを求め、
前記検出光の前記光出射面に対する出射角度をθ1、前記反射検出光の前記光出射面に対する入射角度をθ2としたとき、求めた2つの座標a1,a2と、前記出射角度θ1および前記入射角度θ2と、を用いて前記高さに対応する値Hを次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を解くことにより求める
請求項14に記載の電子機器。 - 前記表示部は、表示面内で相反する2つの向きに傾き角成分を持つ2つの平行光を、前記検出光として前記出射領域から出力するとともに、前記相反する2つの向きと平行な方向内で前記出射領域をシフト可能に構成され、
前記高さ検出部は、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを、前記2つの平行光それぞれにおいて求め、
求めた2つの座標a1,a2と、前記検出光の前記表示面に対する出射角度θ1を用いて、前記反射検出光の前記表示面への入射角度θ2と反射位置の前記高さに対応する値Hとを未知数とする次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を前記2つの平行光それぞれについて立て、立てた2つの式を解くことにより前記高さに対応する値Hを求める
請求項14に記載の電子機器。 - 表示面内の一部の領域である出射領域から斜めに検出光を出射する光出射のステップと、
前記検出光が前記出射領域から外部に出射され、外部で反射されて前記表示面へ所定角度で入射する反射検出光を選択的に受光し受光信号を発生する受光のステップと、
前記出射領域を表示面内で一方向にシフトしながら前記光出射のステップを繰り返す走査のステップと、
前記反射検出光を受光した位置情報と、前記検出光が出射された出射領域の位置情報とを用いて、前記検出光が外部で反射された箇所について、前記表示面からの距離である高さを求める高さ検出のステップと、
を含む反射検出方法。 - 前記走査のステップでは、斜め方向に平行な検出光を出射する前記出射領域を一方向にシフトし、
前記高さ検出のステップでは、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを求め、
前記検出光の前記光出射面に対する出射角度をθ1、前記反射検出光の前記光出射面に対する入射角度をθ2としたとき、求めた2つの座標a1,a2と、前記出射角度θ1および前記入射角度θ2と、を用いて前記高さに対応する値Hを次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を解くことにより求める
請求項17に記載の反射検出方法。 - 前記光出射のステップでは、表示面内で相反する2つの向きに傾き角成分を持つ2つの平行光を、前記検出光として前記出射領域から出力し、
前記走査のステップでは、前記相反する2つの向きと平行な方向内で前記出射領域をシフトし、
前記高さ検出のステップでは、
前記シフトの方向における前記反射検出光の入射位置の座標a2と、当該座標a2が得られたときにおける前記出射領域の位置の座標a1とを、前記2つの平行光それぞれにおいて求め、
求めた2つの座標a1,a2と、前記検出光の前記表示面に対する出射角度θ1を用いて、前記反射検出光の前記表示面への入射角度θ2と反射位置の前記高さに対応する値Hとを未知数とする次式(1)、すなわち、
H=|a1−a2|*tanθ1*tanθ2/(tanθ1+tanθ2)…(1)
を前記2つの平行光それぞれについて立て、立てた2つの式を解くことにより前記高さに対応する値Hを求める
請求項17に記載の反射検出方法。
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