JP2010224654A - Rfidモジュールおよび携帯機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷スイッチによりASK変調を行うRFIDシステムにおいて、カード側での対策として位相反転ヌルの発生を比較的確実に抑制する。
【解決手段】RFID回路ブロック240内の負荷スイッチ241により搬送波に対してASK変調を行うことによりデータをリーダライタへ送信する。その際、リーダライタまでの距離と負荷スイッチ221のON/OFF状態とに応じて搬送波の位相を変化させる位相変調手段(233,234)を設けた。リーダライタまでの距離はアンテナ励起電圧の大きさにより推定される。例えば、位相変調手段は、アンテナ励起電圧が所定の閾値を越えるとき、かつ、負荷スイッチ221がONであるとき、搬送波の位相を進み側へシフトさせる。
【選択図】図8

Description

本発明は、非接触ICカード機能に関し、特に電磁誘導方式のRFIDモジュールおよびこれを内蔵した携帯機器に関する。
非接触ICカード機能は、RFID(Radio Frequency IDentification)、無線ICタグ等とも呼ばれ、電子マネー、定期券、社員証等の種々の用途に利用されているカード形状のものが普及している。近年、この非接触ICカード機能は携帯電話端末のような携帯機器に内蔵されたものも実用化されている。
従来、電磁誘導方式のRFIDモジュールであって、特に金属が多用された携帯機器においてはいわゆる“位相反転ヌル(null)”が発生することが知られている。RFIDにおける「ヌル」とは、RFIDモジュールが、リーダライタ機器から通信に必要な電力を受け取るのに十分な距離(通信可能圏内)にあるにもかかわらず通信が出来なくなる特定の空間のことである。その発生要因には様々なものがある。位相反転とはその要因の一つであり、位相反転によるヌルのことを位相反転ヌルと呼ぶ。ここで言う位相とは、ASK(Amplitude Shift Keying)変調された搬送波から包絡線抽出された後の波形の位相のことであり、搬送波の位相とは異なる。
後述する対策方法にて13.56MHz搬送波の位相について記述するため、混乱を避けるために、包絡線の位相は『包絡線位相』と表現し、単に『位相』と表現した場合には、搬送波の位相を指すものとする。
位相反転ヌルに対しては、カード側で対策を行うよりもリーダライタ機器の方で対策をとる方が容易であり、リーダライタ機器内での対策方法は既に実用化されている。一方で、未対策のリーダライタ機器も既に大量に普及してしまっており、それらとの通信においてもヌルを発生させないように、カード側での対策方法の確立が求められている。
従来の代表的な電磁誘導方式のRFIDシステムを例にとって説明する。
このRFIDシステムにおける通信は、搬送波を送出するリーダライタ側装置(R/W)と、自らは搬送波を出力しないカード側装置(以下カード)が磁気結合することによって行われる。カードからリーダライタへ向かう方向の通信では、磁気結合の状態によって包絡線位相の反転は容易に発生し得る。包絡線位相が反転すると、ASK変調における振幅の大/小と、デジタルデータとしてのhigh/lowの関係が逆転する。当該RFIDシステムのプロトコルは逆転が起きても正常に通信が行える様に作られている。
しかし、図1に示すように、包絡線位相が変化していきその途中で反転する過程で、デジタルデータのhigh/lowに対して搬送波振幅の大小の差がゼロになってしまうポイントが存在する。このような包絡線位相の変化は、例えば携帯機器からリーダライタまでの距離の変化に応じて生じうる。このようなポイントで、位相反転ヌル状態となり、リーダライタはカードからのレスポンスデータを復調できない。
ここで、包絡線位相が反転するメカニズムについて説明する。
前記RFIDシステムにおけるカードからリーダライタへ向かう方向へのデータ転送は、カード側アンテナの負荷抵抗を変化させる“負荷変調方式”によって行われる。負荷変調方式では、カード側のRFIDチップ内に内蔵された負荷変調用FET(以下、負荷SW)をON/OFFすることにより、デジタルデータとしてのhigh/low(高レベル/低レベル)の表現を行う。例えば、FETがON=highに相当する。マンチェスタ符号が用いられる場合、high→lowで“1”、low→highで“0”を表す。
通信中のリーダライタとカードは、互いに磁気的に結合しているため、負荷SWによるカードのアンテナ電流の変化は、リーダライタのアンテナ上では搬送波波形の振幅変化として検出される。これにより、リーダライタはASK変調波の復調と同様に包絡線検波によって復調を行う。
磁気結合により、カードのアンテナ電流の変化がリーダライタのアンテナ電圧の変化に転換される様子を簡略化したモデルを図2により説明する。図2(a)はRFIDのリーダライタ(R/W)とカードの主要な回路部を示したものである。非接触ICカードのRFIDモジュールを便宜上「カード」と称している。カード内は送信関連部分のみを示し、他の要素は図示省略してある。
リーダライタ内のTNSとRCVのブロックは、それぞれ送信部と受信部を示している。図2(b)は、その磁気結合しているリーダライタとカードを簡略化した等価回路を示したものである。図2(b)に示したリーダライタの電圧V1が、リーダライタのアンテナに生じる電圧に相当する。
V1を回路方程式で表すと、以下の様に記述できる。
この式から、V1はI1によって生じる電圧aと、カード側アンテナ(ANT)に流れる電流I2によって生じる電圧bの加算合成であることが言える。このことにより、負荷SWのON/OFFによってI2が変化することでV1が変化するので、包絡線検波による情報の伝達が可能になる。
また、この等価回路でのI1とI2の関係は、次の式で表される。
これにより、I1とI2の位相差はインダクタンスL2,抵抗R2,コンデンサC2の関係(≒カードの共振周波数)により影響を受けることが言える。
ここで問題なのは、電圧波形aとbの位相差について、aはインダクタンスL1と抵抗R1の関係による影響を受け、bはL2,R2,C2の関係により影響を受けるため、結果としてV1は互いに位相差を持った2つの正弦波の加算合成になるという点である。2つの正弦波が加算合成される際に、互いの位相関係が同相であれば波形のレベルはそのまま加算されるが、位相関係が逆相であれば波形のレベルは減算されることになる。そして同相と逆相の間の中間的な状態には、波形のレベルが変化しない位相関係が存在し、これにより合成後のASK変調出力の振幅変化も消失する。
図3に、参考として、オシロスコープのch加算合成機能を利用した波形例を示す。図3(a)はRFIDの搬送波を観察するための時間軸レンジでのオシロスコープの波形を示している。また、ch2については時間による波形の変化(負荷SWのON/OFFによるI2の変化)を重ねて表示する機能を利用している。図3(b)はASK変調による搬送波の包絡線を観察するための時間軸レンジでのオシロスコープの波形を示している。
非接触ICカード機能を内蔵した携帯電話端末のように、金属を多用した携帯機器の場合に特に問題となるのが、L1の変動である。電子機器の筐体や基板のベタGND等、金属面(正確には面形状の導電体全般)に発生する渦電流によって、リーダライタアンテナの自己インダクタンス(=L1)を形成する磁束が打ち消される。このため、携帯機器の接近に伴ってリーダライタアンテナの自己インダクタンスは大きく減少し、同時にaに対するbの位相関係は進み側に変動していく。
この搬送波位相の変動量をヌルが発生しない範囲に押さえ込めなかった場合は、リーダライタの密着付近で通信が出来ない状態になる。
参考として、図4にループアンテナに携帯機器を接近させたときの、L値の変動の実測例を示す。携帯機器によって金属体の配置や面積が異なるため、対向するリーダライタに与える影響の大きさも異なる。この例では異なる機器について示したが、リーダライタに対する同一の機器の向きを変えた場合にもリーダライタに与える影響が異なりうる。
また、aとbの位相関係は、カード側のL2,R2,C2によっても影響を受ける。カード側の共振周波数f0(=1/2π√(LC))が搬送波周波数よりも高ければaに対してbは進み側にシフトし、f0が低ければ遅れ側にシフトする。このため、f0が高い場合には、より小さなL1の減少でヌル状態に至るようになる。
このような位相反転ヌルに対する従来の対策としては次のようなものが提案されている。
(1)カード側共振周波数の狭帯域化
カード側アンテナの電流I2の搬送波位相はL2,R2,C2の関係によって変化する。よって、このうちL,Cを狭偏差に管理する(共振周波数を管理する)ことにより、量産ばらつきによる位相反転ヌルの発生可能性を下げることが出来る。
(2)磁性シートによる改善
リーダライタアンテナのL値が変動するのは、携帯機器の金属面に渦電流が生じて磁束を打ち消すためである。よって、リーダライタと金属面との間に、透磁率の高い材料で作られたシートを挿入することで、金属面を通過する磁束を減少させ渦電流の発生を抑える事が出来る。リーダライタに影響を与えやすい金属面として代表的なものには、電池やメインディスプレイの強度を確保するための金属フレームがあり、この部分に磁性シートが貼られることが多い。
(3)励起電圧に応じて共振周波数を切り替える(特許文献1参照)
これは、上記対策(1)の考え方を発展させたもので、リーダライタ側のL値変動による位相変化を、カード側で逆方向に動かすことで補正するものである。リーダライタへの接近を感知する方法として、遠方と比較して接近時の方がアンテナへの励起電圧が高くなることを利用している。
特開2006−238398号公報 特開2007−43316号公報
上記対策(1)の問題は、携帯機器のリーダライタに与える影響度が非常に大きい場合には、許容できる共振周波数の帯域幅がゼロになってしまう場合が在ることである。そのため対策(2)の磁性シートによる改善と組み合わせて用いられることが多い。
上記対策(2)の欠点としては、貼り付け作業の工数を含むコストが高いことと、外形の薄型化が求められる携帯機器において、外形の厚みに直接影響してしまうことが挙げられる。また、他のアンテナ(CDMA,DTV,BT,GPS等)の特性にも影響を与えるため、使用に際しての制約が多い。
上記対策(3)の問題点は、弊害の存在である。すなわち、カード側アンテナの励起電圧は共振周波数によっても変動するため、一定以上の励起電圧を感知して共振周波数を切り替えると、共振周波数を切り替えたことによって励起電圧が下がってしまい、再度共振周波数の切り替えが発生する繰り返しになる場合があり、この状態に陥ると通信が不安定になる。励起電圧検知の閾値にヒステリシスを持たせることで、ある程度この現象を抑えることは可能である。しかし、その場合でも、対向するリーダライタの種類によって共振周波数切り替え時に発生する励起電圧の変化がまちまちであるため、必要なヒステリシス幅を決定する事が困難である。
本発明はこのような背景においてなされたものであり、負荷スイッチによりASK変調を行うRFIDシステムにおいて、カード側での対策として位相反転ヌルの発生を比較的確実に抑制することを可能とするものである。
本発明によるRFIDモジュールは、負荷スイッチにより搬送波に対してASK変調を行うことによりデータをリーダライタへ送信するRFIDモジュールであって、リーダライタまでの距離と前記負荷スイッチのON/OFF状態とに応じて搬送波の位相を変化させる位相変調手段を備えたものである。これにより、反転ヌル点の発生が改善される。
前記リーダライタまでの距離はアンテナ励起電圧の大きさにより推定することができる。
本発明ではリーダライタまでの距離のみでなく負荷スイッチのON/OFF状態にも基づいて位相を変化させる。例えば、前記アンテナ励起電圧が所定の閾値を越えるとき、かつ、前記負荷スイッチがONであるとき、前記搬送波の位相を進み側へシフトさせる。これにより、リーダライタまでの距離のみの変化で搬送波の位相を変化させる場合の受信レベルの低下が防止される。
本発明によるRFIDモジュールは、他の見地によれば、負荷スイッチにより搬送波に対してASK変調を行うことによりデータをリーダライタへ送信するRFIDモジュールであって、ASK変調にPSK変調性を付加し、かつ、PSK変調の位相変化方向をアンテナ励起電圧の大きさに応じて変化させるものである。
また、本発明による携帯機器は、上記のいずれかに記載のRFIDモジュールを内蔵したものである。
本発明のIFIDモジュールおよび携帯機器によれば、旧式のリーダライタ機器に対しても位相反転ヌルの発生を比較的確実に抑制することが可能となる。
従来のリーダライタアンテナに現れる搬送波波形の包絡線位相の反転に伴う問題点の説明図である。 磁気結合しているリーダライタとカードを表す簡略化した回路図である。 従来の問題点を説明するためのRFIDの搬送波の波形例を示す図である。 リーダライタに携帯機器を接近させたときのインダクタンス値の変動の実測例を示すグラフである。 本発明の実施の形態における携帯機器とリーダライタ(R/W)の3次元的な位置関係を模式的に示した図である。 数1で上述した電圧b,a+bの波形振幅、及び電圧aとbの位相関係を示す図である。 電圧bのASK変調について、負荷SWがONの時とOFFの時に位相差がある場合を示した図である。 本発明の第1の実施の形態のRFID部(RFIDモジュール)の構成例を示した図である。 本発明の実施の形態におけるレベル検出器の構成例および動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態の構成例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態の構成例を示した図である。 ショットキバリアダイオード(SBD)の逆電圧特性を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態の動作説明図である。 本発明の第3の実施の形態における波形図である。 本発明の第4の実施の形態の構成例を示した図である。 本発明のRFIDモジュールを内蔵した携帯機器の構成例を示す図である。 本発明の第6の実施の形態の構成例を示した図である。 本発明の第7の実施の形態の構成例を示した図である。 本発明の第8の実施の形態の構成例を示した図である。 本発明の実施の形態に係る携帯機器の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるマスク回路の構成例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、さらに図面を参照しながら説明する。
図5(a)は、本実施の形態における携帯機器200とリーダライタ(R/W)100の3次元的な位置関係を模式的に示した図である。
ここで携帯機器200として非接触ICカード機能付きの携帯電話端末を想定している。但し、本発明の携帯機器は携帯電話端末に限るものではない。携帯機器200の筐体内にはRFIDモジュールが内蔵されている。
他方、リーダライタ100は、RFIDの制御回路等を内蔵した本体部110とこれに接続されたRFIDアンテナ220とを備える。リーダライタ100のRFIDアンテナ220は所定の周波数の交番磁界125を発生し、リーダライタ100に接近した携帯機器200のRFIDアンテナ220との間で磁気結合する。図では、携帯機器200のRFIDアンテナ220の自己インダクタンスをL1、リーダライタ100のRFIDアンテナ220の自己インダクタンスをL1、相互インダクタンスをMとして表している。
図5(b)はその簡略化した等価回路であり、図2に示したものと同じである。リーダライタ100の等価回路は、所定の周波数(ここでは13.56MHz)の交流電圧を発生する信号源101と、この信号源101に直列に接続される抵抗R3およびコンデンサ(キャパシタンス)C1と、このコンデンサC1の両端に接続されたRFIDアンテナ120を含む。RFIDアンテナ120はインダクタンスL1と抵抗R1を直列接続したものとして表せる。ここではリーダライタ100のRFIDアンテナ120を便宜上、リーダライタアンテナともいう。
また、携帯機器200のRFID部(すなわち非接触ICカード機能部)を便宜上カードと言い、そのRFIDアンテナ220をカード側アンテナともいう。カードの等価回路は、負荷抵抗R4と負荷スイッチ(SW)221とを直列接続したものの両端の間に同調用コンデンサC2が接続され、このコンデンサC2の両端にRFIDアンテナ220が接続された形となる。RFIDアンテナ220はインダクタンスL2と抵抗R2を直列接続したものとして表せる。負荷SW221は、カードから出力するデータに応じてON/OFF制御されるスイッチング手段である。
リーダライタ100のRFIDアンテナ120に発生する電圧V1は、そこに流れる電流I1によって生じる電圧aと、カード側アンテナ220に流れる電流I2によって生じる電圧bの加算合成である。電流I2は負荷SW221のON/OFFに応じて変調される。上述したように、このような負荷SW221によるアンテナ電流の変化は、リーダライタアンテナ120上では搬送波波形の振幅変化として検出される。これにより、リーダライタ100はASK変調波の復調と同様に包絡線検波によって復調を行うことができる。
次に、図6に、数1で上述した電圧b,a+bの波形振幅、及び電圧aとbの位相関係を示す。図6(a)はカードが送信しているデータを示し、図6(b)はそのデータに対応する負荷SWのON/OFFを示している。図6(c)はその際の電圧bの振幅を示し、図6(d)は電圧aと電圧bを加算した電圧a+bの振幅を示している。図6(e)は電圧aと電圧bの位相関係を示している。この図6(e)においては、負荷SWがONのときとOFFのときのbの振幅の異なる波形を便宜上重ねて示してある。
リーダライタに対する携帯機器の接近は、リーダライタアンテナのインダクタンス値L1を低下させる。a=(jωL1+R1)I1 のため、L1が低下するとI1に対するaの位相は、+90°→0°に向かって遅れ側にシフトしていく(現実にはbの動きも発生するが、複雑になりすぎるので省略する)。
この関係を図6の例に当てはめると、携帯機器が接近するときには一番左の(1)の状態から、接近の度合が高まる(距離が縮まる)ことに伴って(2)→(3)→(4)→(5)の状態に遷移していく。ヌル領域の発生を抑えるためには、(1)や(2)の状態、すなわち負荷SWがONの時に、RWのアンテナ上の電圧a+bの振幅が小となる関係を維持する必要がある。
図6の例では、電圧bのASK変調について、負荷SWがONの時とOFFの時に位相差は無いものとして示しているが、ここに位相差を与えた場合を考える。図7はFET_ON時のみに電圧bが進み位相となる場合を示している。
電圧aの波形におけるヌル点を基準として、位相の進み側を反転領域、遅れ側を非反転領域と呼ぶことにする。図5(e)の(4)(5)から分かるように、反転領域でのa+bの加算合成は、aの波形振幅を小さくする方向に働く。
a+bの加算合成後の振幅について大きい順に並べると、次のような順になる。
(1) 非反転領域での大振幅の加算
(2) 非反転領域で小振幅の加算
(3) ヌル点での大振幅の加算 = ヌル点での小振幅の加算
(4) 反転領域での小振幅の加算
(5) 反転領域での大振幅の加算
ここに「大振幅b」とは負荷SW_ON時のbの振幅を意味し、「小振幅b」とは負荷SW_OFF時のbの振幅を意味している。
このため、負荷SW_ON時での小振幅を、負荷SW_OFF時の小振幅より先行して進み側の反転領域に侵入させることで、ヌル状態においても、負荷SW_OFFのb振幅 > 負荷SW_ONのb振幅という大小関係が保たれることになる。このように電圧b波形に負荷SWに応じた位相特性を持たせておくことにより、カード側のf0が搬送波周波数(例えば13.56MHz)よりも高い場合においてもヌルが発生しにくくなり、カード側に許されるf0のばらつき範囲を、高周波側に伸ばすことが出来る。
しかし、逆方向の位相関係、すなわち、リーダライタから遠方状態でカード側のf0が低い場合に対しては、負荷SW_OFFの状態の小振幅が先に遅れ側の反転領域に侵入することになり、逆効果となってしまう。このためカード側のf0ばらつきの低周波側は許容範囲が狭くなる。
よって、カード側にてf0が高い時とf0が低い時の特性を両立させるためには、“リーダライタの近傍では負荷SW_ON時に搬送波を進み側へ位相シフトさせ、リーダライタの遠方では、通常のASK変調を行うかまたは搬送波を遅れ側へ位相シフトさせる”という条件を満足するようにすれば良い。
本実施の形態では、リーダライタからの距離を推定するために、カード側アンテナにおける励起電圧の大きさを利用する。
<第1の実施の形態>
図8に、第1の実施の形態のRFID部219(RFIDモジュール)の構成例を示す。RFID部219は、既存のRFID用LSIであるRFID回路ブロック240と、RFIDアンテナ220と、レベル検出器230と、負荷SW_ON時に電圧bの位相を進ませる誘導性位相変調用コンデンサ233と、近傍用制御のためのFET234を備えている。これらの要素のうち、レベル検出器230と誘導性位相変調用コンデンサ233とFET234とが本発明における「リーダライタまでの距離および前記負荷スイッチのON/OFF状態に応じて搬送波の位相を変化させる位相変調手段」を構成している。レベル検出器230はアンテナ220における励起電圧を検出する回路である。FET234は、負荷SWに連動してアンテナ220の共振周波数を切り替えるためのスイッチング手段として機能する。便宜上、FET234を近傍用FETと呼ぶ。位相変調手段は、前記アンテナ励起電圧が所定の閾値を越えるとき、かつ、負荷スイッチがONであるとき、搬送波の位相を進み側へシフトさせるものである。
アンテナ220の両端の各々に、誘導性位相変調用コンデンサ233がFET234を介してGNDに接続される。FET234は、通常時ON状態で、後述する論理回路の所定の出力に応じてOFF状態に切り替わるスイッチング素子を構成する。
レベル検出器230は励起電圧の大きさを検出し、励起電圧が与えられていない時または励起電圧が低い時には近傍用FET234をそのゲート制御によりON状態とし、励起電圧が高い時には負荷SWの動作に連動して(すなわち負荷SW_ON時に)FET234をOFFとする制御を行う。
レベル検出器230が励起電圧を検出する方法としては、整流器とコンパレータを使用する方法や、特許文献2に開示された方法などが考えられる。
FET234のドレイン端子は、誘導性位相変調用コンデンサ233を介してRFIDアンテナ220に接続される。FET234がONの時、このコンデンサ233はGNDに短絡されるため、GNDを経由してアンテナ端子間にCが挿入されることになる。この状態をデフォルト状態としてRFIDアンテナ220の共振を確認した場合、FET234をOFFすると共振周波数は高い側へシフトし、誘導性のPSK変調性がASK変調に付加される動作となる。
このような制御により、上記の条件“リーダライタの近傍では負荷SW_ON時に搬送波を進み側へ位相シフトさせ、リーダライタの遠方では、通常のASK変調を行うかまたは搬送波を遅れ側へ位相シフトさせる”を満足する動作が実現される。
図9により本実施の形態におけるレベル検出器230の構成例および動作を説明する。レベル検出器230は、RFIDアンテナ220に発生した交流励起電圧を整流する整流器231と、この整流器231の直流出力を所定の基準電圧(閾値電圧)Vrefと比較するコンパレータ232と、論理回路234とを備える。論理回路234は、コンパレータ232の出力および負荷SW状態に基づいて所定の論理関係にしたがってゲート制御信号を生成する。所定の論理関係を示す真理値テーブルを図9(b)に示す。この論理関係から分かるように、本実施の形態では、レベル検出器出力が”H”でかつ負荷SWがONのときのみ、誘導性ゲート制御によるFET234の状態はOFFとなることが分かる。すなわち、FET234は通常ON状態で同調コンデンサ224に対して容量を加算した状態で、所定の条件下でのみFET234をOFFとすることにより同調コンデンサ容量(すなわちアンテナ端子間の容量)を低減させることにより共振周波数が高い側にシフトし、位相が進むことになる。したがって、コンデンサ233を「誘導性位相変調用」と称している。
<第2の実施の形態>
図10に、第2の実施の形態の構成例を示す。本実施の形態は、第1の実施の形態の構成に、さらにリーダライタから遠方で容量性位相変調を行うためのコンデンサ235およびFET236を追加したものである。便宜上、FET236を遠方用FETと呼ぶ。本実施の形態におけるレベル検出器230aは、特に詳細は示さないが、第1の実施の形態のレベル検出器230の構成(図9(a))に、同様のコンパレータと論理回路を追加することにより構成することができる。
レベル検出器230aは励起電圧の大きさを検出し、励起電圧が与えられていない時または励起電圧が低い時には、近傍用FET234はON状態に固定し、遠方用FETの方は負荷SW221の動作に連動して負荷SW_ON時に近傍用FET234をONとする制御を行う。また、励起電圧が高い時には、遠方用FET236はOFF状態に固定し、近傍用FET234のほうは負荷SW221の動作に連動して負荷SW_ON時に近傍用FETをOFFとする制御を行う。
近傍用FET234の動作は、第1の実施の形態と同様である。遠方用FET236の動作は次のとおりである。遠方用FET236のドレイン端子は、容量性位相変調用コンデンサ235を介してRFIDアンテナ220に接続される。遠方用FET236はデフォルトOFFにしておき、負荷SW_ON時にアンテナ端子間にCが挿入されるようにする。これにより、容量性のPSK変調性がASK変調に付加される動作となる。すなわち、FET236は通常OFF状態で同調コンデンサ224に対して容量を加算することなく、所定の条件下でのみFET236をONとすることによりアンテナ端子間の容量を増加させることにより共振周波数が低い側にシフトし、位相が遅れることになる。したがって、コンデンサ235を「容量性位相変調用」と称している。
このような制御により、上記の条件“リーダライタの近傍では負荷SW_ON時に搬送波を進み側へ位相シフトさせ、リーダライタの遠方では、通常のASK変調を行うかまたは搬送波を遅れ側へ位相シフトさせる”を満足する動作が実現される。
<第3の実施の形態>
図11に、第3の実施の形態の構成例を示す。本実施の形態は、第2の実施の形態の様なFETによるアンテナ端子間の容量の切り替えの代わりに、ダイオードの逆電圧DCバイアス特性を利用したものである。この例では、ダイオードとしてショットキーバリアダイオード(SBD)252,254を示しているが、ダイオードの種類によってDCバイアス特性は異なるため、必要に応じて他の種類のダイオードを用いても良い。また、使用するダイオードの逆電流によっては、容量性位相変調用ダイオード252の放電用抵抗253は省略可能である。
図12に、一例として、型番1SS416のショットキバリアダイオード(SBD)の逆電圧特性を示す。このダイオードの端子間容量は、逆電圧が0Vの時には15pF程度であるが、逆電圧3Vの時には5pF程度まで急激に低下し、逆電圧が高くなるほど変化は緩やかになっていく。よって、リーダライタからの搬送波によってアンテナ端子に発生する励起電圧の大きさ、および負荷SWのOFF/ONによって発生する励起電圧の変動を利用して、ダイオードの逆電圧を必要な値に制御することが可能である。図12の例では、各アンテナ端子に対して、ダイオード254のアノードを接続し、そのカソードをDCカットコンデンサ257の一端に接続している。コンデンサ257の他端は接地している。さらにダイオード254に並列に効果調整用コンデンサ256を接続するとともに、このコンデンサ257に並列に放電用抵抗258を接続している。
図13に、第3の実施の形態の動作説明図を示す。アンテナ端子に、搬送波による交流電圧が掛かると、誘導性位相変調用のダイオード254を通じてバイアス点1(1a,1bを総称)がチャージされ、ダイオード254の端子間に逆電圧のDCバイアス成分が発生する。負荷SWがOFFの時には、バイアス点1の波形は最大瞬時電圧が“アンテナ波形の最大瞬時電圧−ダイオードの順方向電圧降下(以下Vf)”の値をとる。このとき、交流成分の振幅は(効果調整用コンデンサ+ダイオード端子間容量)とDCカットコンデンサ257のインピーダンスによりアンテナ波形が分圧された値をとる。
負荷SWがONになるとアンテナ端子の電圧は急激に低下するが、バイアス点1のDC成分はDCカットコンデンサ257にチャージされた電荷のためにすぐには低下しない。そのため、アンテナ端子の励起電圧が大きい場合には負荷SW_ON時にダイオードの逆電圧が増加する動作となる。
これと同時に、バイアス点2(2a,2bを総称)には効果調整用コンデンサ251を通じて交流電圧が掛かるため、ダイオード252の整流作用によって逆電圧のDCバイアス成分が発生する。負荷SWがOFFの時には、バイアス点2の波形は最低瞬時電圧が“GND−ダイオードのVf”の値をとり、交流成分の振幅は効果調整用コンデンサ251とダイオード端子間容量とのインピーダンスによりアンテナ波形が分圧された値をとる。負荷SWがONになるとアンテナ端子の電圧低下に伴いバイアス点2の電圧も低下する。このため、負荷SW_ON時にはダイオード252の逆電圧が低下する動作となる。
図14に、第3の実施の形態の動作時の波形例を示す。図14(a)(b)は、それぞれリーダライタの近傍とリーダライタから遠方について、アンテナ端子(ANT端子a)に励起される電圧の波形と、バイアス点1aに発生する波形と、バイアス点2aに発生する波形とを表している。
リーダライタの近傍では、負荷SWがOFFからONに切り替わると、誘導性位相変調用ダイオードの端子間電圧(図中、塗りつぶし矢印)が増加し、端子間容量は減少する。同時に、容量性位相変調用ダイオード252の端子間電圧(図中白抜き矢印)は減少し、その端子間容量は増加するが、図12に示す様な特性カーブのため、この時の端子間容量の増加量は小さい。よって、アンテナ全体としてはアンテナ端子間の容量は減少することになり、負荷SW_ON時の共振周波数は上がる方向になる。
リーダライタから遠方では、負荷SWがOFFからONに切り替わると、誘導性位相変調用ダイオード254の端子間電圧(図中、塗りつぶし矢印)は殆ど変化せず、容量性位相変調用ダイオード252の端子間電圧(図中白抜き矢印)は減少する。このときには、アンテナ端子間の容量は増加することになり、負荷SW_ON時の共振周波数は下がる方向になる。
このような動作により、上記の条件“リーダライタの近傍では負荷SW_ON時に搬送波を進み側へ位相シフトさせ、リーダライタの遠方では、通常のASK変調を行うかまたは搬送波を遅れ側へ位相シフトさせる”を満足する動作が実現される。
<第4の実施の形態>
図15に第4の実施の形態の構成例を示す。本実施の形態は、OFF状態にあるFETのドレイン−ソース間容量がダイオードと同様に図12に示した様な特性カーブを描くことを利用し、第3の実施の形態におけるダイオード252をFET259に置き換えたものである。これは、OFF状態にあるFETのドレイン−ソース間寄生容量を利用するものである。通常、FETのドレイン−ソース間には、ソース→ドレインの方向に保護ダイオードが入っているため、動作については第3の実施の形態と同様になる。
図15の構成ではOFF状態のFETを表現するためにゲート端子をGNDに短絡している。この代わりに、ゲート端子をMPU(後述する制御部に相当)のIOポートに接続してもよい。これにより、例えばRFID部をリーダライタとして使用する時に限定して、f0切り替え機能として兼用することも可能になる。
<第5の実施の形態>
図16に第5の実施の形態の構成例を示す。本実施の形態は第1の実施の形態の変形例に相当するものであり、図8に示した要素と同様の要素には同一の参照符号を付して重複した説明は省略する。第1の実施の形態では、通常時挿入されたコンデンサを必要時に切り離すことにより一時的に共振周波数を上昇させた。これに対して、本実施の形態では一時的にアンテナ220と並列にインダクタンスLの位相変調用インダクタ237を挿入することにより共振周波数を上昇させるものである。そのために、近傍用FETの制御は実施の形態の場合とON/OFF制御が逆になる。すなわち、アンテナの励起電圧が所定の閾値を超えているときのみ、負荷SWの動作に連動して負荷SW_ON時にFET234をONさせる。本実施の形態におけるレベル検出器230bは、特に詳細は示さないが、第1の実施の形態のレベル検出器230の構成(図9(a))の論理回路を変更することにより構成することができる。これにより、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
<第6の実施の形態>
図17に第6の実施の形態の構成例を示す。本実施の形態は第1の実施の形態の別の変形例に相当するものであり、図8に示した要素と同様の要素には同一の参照符号を付して重複した説明は省略する。
第6の実施の形態におけるカード側アンテナ220をメインアンテナとしてこれと磁気結合(密結合)するサブアンテナ220aおよび同調コンデンサ224aを追加し、かつ、このサブアンテナ220aの方にのみ誘導性位相変調用コンデンサ233と近傍用FET234を設けたものである。RFID用LSIであるRFID回路ブロック240のアンテナインタフェースが並行方式である場合には、第1の実施の形態に示したように両方のアンテナ端子に対して対称に1対のFETを追加した。これに対して、サブアンテナ220aを使用する場合、図示のような構成をとることによりFETおよびコンデンサの個数を低減することができる。このとき、アンテナ220とサブアンテナ220の磁気結合はループを重ねて配置する(例えばフレキシブル基板の表裏を用いる)などにより結合係数を1に近づけることが好ましい。第1の実施の形態と同様に、FET234は通常時ONで、アンテナの励起電圧が所定の閾値を超えているときにのみ、負荷SWの動作に連動して負荷SW_ON時にFET236をOFFさせる。本実施の形態ではレベル検出器として第1の実施の形態(図8)におけるレベル検出器230(図9(a))を利用することができる。
<第7の実施の形態>
図18に第7の実施の形態の構成例を示す。本実施の形態は第6の実施の形態の構成におけるサブアンテナ220aに対して遠方制御用のコンデンサ235およびFET236を追加したものである。これは、第2の実施の形態(図10)にサブアンテナ220aを追加した変形例と認識することもできる。第7の遠方制御は、第1の実施の形態と同様に、FET236は通常時OFFで、アンテナの励起電圧が所定の閾値を超えないときにのみ、負荷SWの動作に連動して負荷SW_ON時にFET236をONさせる。本実施の形態ではレベル検出器として第2の実施の形態(図10)におけるレベル検出器230aを利用することができる。
<第8の実施の形態>
図19に第8の実施の形態の構成例を示す。本実施の形態は、サブアンテナ220aを利用する図17の第6の実施の形態の構成において、誘導性位相変調用コンデンサ233の代わりに、一時的にアンテナ220と並列にインダクタンスLのインダクタ237を挿入することにより共振周波数を上昇させるものである。そのために、近傍用FETの制御は図17の実施の形態の場合とON/OFF制御が逆になる。すなわち、アンテナの励起電圧が所定の閾値を超えているときのみ、負荷SWの動作に連動して負荷SW_ON時にFET234をONさせる。本実施の形態ではレベル検出器として第5の実施の形態(図16)のレベル検出器230bを利用することができる。
図20に、上記実施の形態のいずれかに係るRFIDモジュールを内蔵した携帯機器200の構成例を示す。
携帯機器200は、制御部210、アンテナ211、通信部212、表示部213、操作部214、記憶部215、音声処理部216、スピーカ217、マイクロホン218および、RFIDモジュールを用いたRFID部219を備える。制御部210は、バス220を介して各部と接続され、各部の制御および必要なデータ処理を行う手段であり、MPU等のプロセッサを有する。通信部212は、アンテナを介して基地局と電波による無線通信を行う手段である。表示部213は、ユーザに対して表示インタフェースを提供する手段であり、表示画面上に情報を表示するLCD、有機EL等の表示デバイスを有する。操作部214は、ユーザに対して入力インタフェースを提供する手段であり、テンキーや各種制御キー等の入力装置を有する。記憶部215は、制御部210が実行するプログラムとしてOSおよび通信アプリケーション・プログラム等の各種アプリケーション・プログラム、および必要なデータを格納する手段であり、ROM、RAM等のメモリを含む。音声処理部216は、受話音声、動画ファイルの音声、音楽データの処理を行う手段であり、コーデック等を有し、音声を出力するスピーカ217および送話音声等を集音するマイクロホン218が接続される。
上記の実施の形態によれば、従来技術と比較して以下の様な利点が有る。特許文献1に記載の励起電圧に応じて共振周波数を切り替える技術では、共振周波数f0を切り替えることにより励起電圧が低下してしまうことが問題となっていた。すなわち、共振周波数f0を切り替えると励起電圧も同時に変動してしまうため、これがレベル検出器の判定に影響を与え得る。これに対して、第1,第2の実施の形態では負荷SWがONの時に共振周波数f0を切り替える操作を有効にするか無効にするかの判定を正しく行うために、このタイミングでのレベル検出をマスクすることにより、容易に問題を回避する事が出来る。一例として、図21に示すようなマスク回路170を利用することができる。マスク回路170は、アンテナ端にアノードが接続されたダイオード271と、そのカソードが一端に接続され他端が接地されたコンデンサ272と、このコンデンサ272に並列に接続される放電用抵抗273からなり、いわゆるピークホールド回路を構成する。コンデンサ272の一端の電圧がレベル検出回路230へ入力される。この構成により、共振周波数f0を切り替えることにより励起電圧が低下してしまうという問題が回避される。なお、このようなレベル検出のマスク手段は図示のマスク回路170に限るものではない。
第3および第4の実施の形態については、レベル検出回路が不要であり、RFID部に関して、磁性シートと比較して非常に安価でサイズの小さい部品で構成される。そのため、磁性シートを除去した場合には、特に機器の厚み方向の省スペース化とコストダウンが実現できる。また、磁性シートと併用した場合には特性のさらなる向上が実現できる。
カード側共振周波数の狭帯域化を緩和させることができ、その場合、製造時の共振周波数調整工程を省略するなどにより製造コストの削減を実現できる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、携帯機器は携帯電話端末に限るものではなく、本発明はRFIDモジュールを内蔵した任意の携帯機器に適用可能である。また、上記複数の実施の形態については、可能な他の組み合わせを排除するものではない。
100…リーダライタ、101…信号源、110…本体部、120…RFIDアンテナ(R/Wアンテナ)、125…交番磁界、200…携帯機器、210…制御部、211…アンテナ、212…通信部、213…表示部、214…操作部、215…記憶部、216…音声処理部、219…RFID部、220…RFIDアンテナ(カード側アンテナ)、224…同調コンデンサ、230…レベル検出器、230a…レベル検出器、231…整流器、232…コンパレータ、233…誘導性位相変調用コンデンサ、234…論理回路、235…容量性位相変調用コンデンサ、240…RFID回路ブロック、251…効果調整用コンデンサ、252…容量性位相変調用ダイオード、253…放電用抵抗、254…誘導性位相変調用ダイオード、256…効果調整用コンデンサ、257…DCカットコンデンサ、258…放電用抵抗

Claims (16)

  1. 負荷スイッチにより搬送波に対してASK変調を行うことによりデータをリーダライタへ送信するRFIDモジュールであって、
    リーダライタまでの距離と前記負荷スイッチのON/OFF状態とに応じて搬送波の位相を変化させる位相変調手段を備えたRFIDモジュール。
  2. 前記リーダライタまでの距離はアンテナ励起電圧の大きさにより推定される請求項1に記載のRFIDモジュール。
  3. 前記位相変調手段は、前記アンテナ励起電圧が所定の閾値を越えるとき、かつ、前記負荷スイッチがONであるとき、前記搬送波の位相を進み側へシフトさせる請求項1または2に記載のRFIDモジュール。
  4. アンテナ励起電圧のレベルを検出する手段と、当該レベルが所定の閾値を超えているとき、かつ、前記負荷スイッチがONであるときに所定の出力を生成する論理手段とを備え、この論理手段の所定の出力により前記位相変調手段を制御して前記搬送波の位相を進み方向にシフトさせる請求項3に記載のRFIDモジュール。
  5. 前記位相変調手段は、通常時ON状態で前記所定の出力で応じてOFF状態に切り替わるスイッチング素子と、このスイッチング素子のON時に前記アンテナに接続される位相変調用コンデンサとを備えた請求項4に記載のRFIDモジュール。
  6. 前記位相変調手段は、ダイオードを有し、このダイオードの逆電圧DCバイアス特性を利用することによりアンテナ励起電圧および前記負荷スイッチのON/OFFに基づく搬送波の位相変調を実現する請求項3に記載のRFIDモジュール。
  7. 前記位相変調手段は、前記ダイオードに並列に接続された効果調整用コンデンサと、前記ダイオードに直接に接続されたDCカットコンデンサと、このDCカットコンデンサに並列に接続された放電用抵抗とを有する請求項6に記載のRFIDモジュール。
  8. 前記位相変調手段は、通常時OFFで前記所定の出力で応じてON状態に切り替わるスイッチング素子と、このスイッチング素子のON時に前記アンテナに接続される位相変調用インダクタとを備えた請求項4に記載のRFIDモジュール。
  9. 前記位相変調手段は、前記アンテナ励起電圧が所定の閾値を超えていないとき、かつ、前記負荷スイッチがONであるとき、前記搬送波の位相を遅れ側へシフトさせる請求項1または2に記載のRFIDモジュール。
  10. 前記位相変調手段は、通常時OFFで前記論理手段の所定の出力に応じてON状態に切り替わるスイッチング素子と、このスイッチング素子のON時に前記アンテナに接続される位相変調用コンデンサとを備えた請求項9に記載のRFIDモジュール。
  11. 前記位相変調手段は、ダイオードを有し、このダイオードの逆電圧DCバイアス特性を利用することによりアンテナ励起電圧および前記負荷スイッチのON/OFFに基づく搬送波の位相変調を実現する請求項9に記載のRFIDモジュール。
  12. 前記位相変調手段は、前記ダイオードに並列に接続された効果調整用コンデンサを有する請求項11に記載のRFIDモジュール。
  13. 前記位相変調手段は、FETを有し、OFF状態にあるFETのドレイン−ソース間寄生容量を利用することによりアンテナ励起電圧および前記負荷スイッチのON/OFFに基づく搬送波の位相変調を実現する請求項9に記載のRFIDモジュール。
  14. 前記アンテナと磁気結合するサブアンテナを備え、前記位相変調手段は当該サブアンテナに対して接続される請求項1〜8のいずれかに記載のRFIDモジュール。
  15. 負荷スイッチにより搬送波に対してASK変調を行うことによりデータをリーダライタへ送信するRFIDモジュールであって、
    ASK変調にPSK変調性を付加し、かつ、PSK変調の位相変化方向をアンテナ励起電圧の大きさに応じて変化させるRFIDモジュール。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載のRFIDモジュールを内蔵した携帯機器。
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