JP2010222681A - 厚肉高靭性鋼管素材およびその製造方法 - Google Patents

厚肉高靭性鋼管素材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】X70〜X100グレードの強度を有する板厚25mm以上のラインパイプ用鋼管用素材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.01〜0.50%、Mn:1.5〜3.0%、P:0.008%以下、S:0.0006%以下、N:0.0060%以下、Al:0.003〜0.100%、B:0.0010〜0.0030%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.08%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鋼のミクロ組織がベイナイト主体で、かつ旧オーステナイト粒界に存在するフェライト組織の面積率が5%以下であることを特徴とする靱性に優れた板厚25mm以上の鋼管素材。
【選択図】なし

Description

本発明は、靭性に優れた鋼材の製造方法に関し、API−5L規格のX70〜X100グレードの強度を有する板厚25mm以上のUOEまたはプレスベンド法によって製造されるラインパイプ用鋼管用素材およびその製造方法に関する。
天然ガス供給地の遠隔化に伴い,天然ガス輸送用パイプラインの長距離化が進んでいる。この結果、輸送効率のための操業圧増加を考慮し、ラインパイプの管厚を増大するか、高強度グレードとする設計が進められ、厚肉ラインパイプの需要が高まっている。特に、天然ガス輸送用パイプラインにおいては、脆性亀裂伝播防止の観点から、DWTT(Drop Weight Tear Test)と呼ばれる試験における延性破面率(SA)の値が高いことが望まれる。さらに、外因性の事故により発生した延性破壊の亀裂伝播停止を目的として,高い母材シャルピー吸収エネルギー値が要求される。
一般に、鋼板の強度や板厚が増加すると、靭性は低下する傾向にある。厚鋼板の靭性の向上技術に関しては、これまで、制御圧延や制御冷却、さらには、直接焼入れ-焼戻しなどTMCP技術の適用などにより進歩してきた。
靭性の向上には、結晶粒の微細化が有効であることが従来から知られており、様々な検討がなされている。合金設計や圧延時の加熱温度や圧延温度などを工夫することによる細粒化も検討されているが、現状、圧延-冷却で得られる厚鋼板のオーステナイト粒径は20〜30μm程度が限界であり、圧延後の再加熱焼入れなどで得られる結晶粒径に比べても大きく、圧延−冷却ままあるいは、圧延−冷却-焼戻しプロセスでの靭性の向上には限界があることから、特に25mmを超える厚肉材において、DWTT試験時のSA値を確保することが難しい。
厚鋼板の細粒化を促進させる手法として、特許文献1に、熱間圧延の各パス圧下時の歪速度をコントロールし、1パス圧下率を増大せしめ、その結果動的再結晶を生じることにより、オーステナイト粒径を微細化する手法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では圧延能率が著しく低下するため、量産には適さない。
特開平08−225883号公報
上述したように、高強度鋼板のDWTT性能を向上させるために制御圧延を強化するほど、延性亀裂の伝播を防止するために必要とするシャルピー吸収エネルギーが低下してしまい、特に板厚25mm以上では両者を両立することは困難であった。本発明では、このような厚鋼板においてシャルピー吸収エネルギーの低下を起こすことなく、優れたDWTT特性を得ることを目的とする。
本発明者等は、上記問題点を解決するため、25mm以上の高強度厚鋼板において制御圧延を強化するほど、シャルピー吸収エネルギーが低下する現象に着目して鋭意検討した結果、制御圧延終了後、加速冷却を開始するまでの間の空冷過程で板厚の増大に伴う冷却速度の低下に起因して、特に旧オーステナイト粒界からフェライトが変態生成しやすくなること、および、シャルピー吸収エネルギーの低下がこれらの粒界フェライト分率と良い相関があることを見出した。
そして、これら25mm以上の鋼板の圧延終了後の空冷過程でのフェライト生成を抑制する成分設計を行った上で、さらに制御圧延中、特に700℃以下の累積圧下量を増大させることにより、DWTT性能が格段に向上し、かつ高いシャルピー吸収エネルギーが得られることを見出した。本発明は上記した知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は以下の通りである。
第一の発明は、質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.01〜0.50%、Mn:1.5〜3.0%、P:0.008%以下、S:0.0006%以下、N:0.0060%以下、Al:0.003〜0.100%、B:0.0010〜0.0030%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.08%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鋼のミクロ組織がベイナイト主体で、かつ旧オーステナイト粒界に存在するフェライト組織の面積率が5%以下であることを特徴とする靱性に優れた板厚25mm以上の鋼管素材である。
第二の発明は、さらに、質量%で、Cu:0.10〜1.0% 、Mo:0.01〜0.5%、V:0.003〜0.10%、のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、第一の発明に記載の鋼管素材である。
第三の発明は、さらに,質量%で、Ca:0.0001〜0.0060%、Mg:0.0001〜0.0060%、REM:0.0001〜0.0200%、Zr:0.0001〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、第一の発明または第二の発明に記載の鋼管素材である。
第四の発明は、第一の発明乃至第三の発明のいずれかに記載の組成を有する鋼を、1000℃以上1150℃以下に加熱後、オーステナイト再結晶域での圧延、およびオーステナイト未再結晶域での圧延を実施し、かつ、700℃以下で累積圧下量30%以上の圧延を行い、600℃以上700℃未満の温度で圧延を終了し、600℃以上の温度から冷却速度10℃/s以上80℃/s未満とする加速冷却を500℃以下まで実施する、鋼のミクロ組織がベイナイト主体で、かつ旧オーステナイト粒界に存在するフェライト組織の面積率が5%以下であることを特徴とする靱性にすぐれた板厚25mm以上の鋼管素材の製造方法である。
本発明によれば、鋼のミクロ組織をベイナイト主体とし、かつ旧オーステナイト粒界に存在するフェライト組織の面積率を5%以下とする成分設計を行い、さらに、制御圧延において700℃以下での累積圧下量を30%以上とすることで、板厚25mm以上のAPI 5LX70 (引張強度≧600MPa)からX100(引張強度≧800MPa)グレードの鋼管素材において、−40℃におけるDWTT延性破面率≧85%かつ、シャルピー吸収エネルギー≧300Jを得ることができるため、産業上極めて有益である。
以下に、本発明の各種構成要件の限定理由について説明する。成分組成における%は質量%とする。
[成分組成]
はじめに、本発明の鋼の化学成分を規定した理由を説明する。なお、成分%は全て質量%を意味する。
C:0.03〜0.12%
Cは加速冷却によってベイナイト主体組織としたときに引張強度≧600MPaを得るため、少なくとも0.03%は必要である。一方、0.12%を越えて添加すると加速冷却後硬質なマルテンサイトが生成し、母材シャルピー吸収エネルギーが低下するため、C量は0.03%以上0.12%以下(以下、0.03〜0.12%と表記する)の範囲とする。 なお、鋼管の溶接部の軟化防止および熱影響部靭性劣化防止の観点からは、C量は、0.04%〜0.08%の範囲とすることが好ましい。
Si:0.01〜0.50%
Siは脱酸に必要な元素であるが、0.01%未満ではその効果は少なく、0.50%を越えて添加すると溶接性および母材シャルピー吸収エネルギーを著しく低下させるため、Si量は0.01〜0.50%の範囲とする。 なお、鋼管の溶接熱影響部靭性劣化防止の観点から0.01〜0.15%の範囲とすることが好ましい。
Mn:1.5〜3.0%
Mnは加速冷却でベイナイト主体組織を得るためには1.5%以上は必要である。一方、3.0%を超えて添加すると鋳造時に不可避的に形成される偏析部に特に濃化し、その部分がDWTT特性劣化の原因となるため、Mn量は1.5〜3.0%の範囲とする。なお、靭性向上の観点から、1.5〜2.0%の範囲とすることが好ましい。
P:0.008%以下、S:0.0006%以下
P、Sは不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼母材や、溶接熱影響部の靭性を劣化させるため、経済性を考慮して可能な範囲で低減する事が好ましく、P量、S量の上限は、P:0.008%以下、S:0.0006%以下とする。
Al:0.003〜0.100%以下
Alは脱酸元素であり、0.003%未満ではその効果は十分ではなく、過剰に添加すると靭性の劣化をもたらすため、Al量の範囲は、0.003〜0.100%以下とする。特にシャルピー吸収エネルギー低下防止の観点から、Al量は0.020〜0.040%の範囲とすることが好ましい。
N:0.0060%以下
Nは不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼母材や、溶接熱影響部の靱性を劣化させるほか、鋳造後のスラブ表面疵の発生が著しく、表面手入れ等の付加工程が必要となるため、可能な範囲で低減する事が好ましく、上限を0.0060%とする。特に、スラブ表面を無手入れとするためには0.0045%以下とすることが好ましい。
B:0.0010〜0.0030%
Bはオーステナイト粒界に偏析し、Cの拡散を抑制する働きをするため、特に25mm以上の鋼板が制御圧延後、加速冷却するまでの空冷過程での粒界フェライト生成を抑制するために必要である。特に、後述する制御圧延時に700℃以下での累積圧下量を30%以上とする強圧下を行っても、フェライト生成を抑制するためには0.0010%以上の添加が必要である。
一方、0.0030%を超えて添加すると、加速冷却で得られる変態組織がベイナイト主体から、マルテンサイト主体組織となり、シャルピー吸収エネルギーの低下につながるため、上限を0.0030%とする。好適には、B量の範囲は、0.0015〜0.0020%とすることが望ましい。
Ni:0.10〜1.0%
Niは母材の強度を増加させつつ靭性も向上させることが可能である。ベイナイト組織の強度をあげるためには0.10%以上の添加が必要であるが、1.0%を超えて添加しても強度上昇効果が飽和するため、上限を1.0%とする。好適には、Ni量は、0.20〜0.70%の範囲とすることが望ましい。
Cr:0.01〜0.5%
Crは少量の添加ではシャルピーの吸収エネルギーの低下を起こすことなく母材の強度の増加が可能で、0.01%以上の添加で効果が得られる。一方、0.5%を超えて添加すると、焼入性が著しく上昇し、加速冷却後のミクロ組織がマルテンサイト主体組織となってシャルピー吸収エネルギーが低下するため、上限を0.5%とする。靭性の観点から、Cr量は、0.03〜0.3%の範囲とすることが好ましい。
Nb:0.01〜0.08%
Nbはオーステナイト未再結晶温度域を低温側に拡大する働きするため、未再結晶オーステナイト域圧延の効果を得るため少なくとも0.01%以上添加する必要がある。また、同時に焼入れ性向上効果があり、0.08%以上添加されていると加速冷却後のミクロ組織がマルテンサイト主体組織となって、母材シャルピー吸収エネルギーの低下をもたらすため、Nb量は、0.010〜0.08%の範囲とする.さらに、鋼管が溶接される場合の溶接熱影響部靭性の観点からは、0.010〜0.020%の範囲とすることが好ましい。
Ti:0.005〜0.020%
Tiは鋼中で窒化物を形成し,特に0.005%以上添加されていると、窒化物のピンニング効果でオーステナイト粒の粗大化を防ぐ働きをするため、母材の靭性確保や溶接熱影響部での靭性確保の観点で有効であるが、0.020%を超えて添加すると靭性の著しい低下をもたらすため、Ti量は0.005〜0.020%の範囲とする.好適には、0.008〜0.016%の範囲とすることが望ましい。
本発明の基本成分組成は以上であり、強度調整の観点からCu、Mo、V、の1種または2種以上を選択元素として添加する。
Cu:0.10〜1.0%
Cuは強度を増加させるための元素で0.01%以上でその効果を発揮するが、1.0%を超えて添加すると析出硬化が著しくDWTT性能を劣化するため、Cuを添加する場合は、0.10〜1.0%の範囲とする。
Mo:0.01〜0.5%
Moは強度を増加するのに有効であり、0.01%以上でその効果を発揮し、0.5%を越えて添加すると著しく靭性を劣化させるとともに経済性を損なうため、Moを添加する場合は、0.01〜0.5%の範囲とする。
V:0.003〜0.10%
Vは炭化物形成により強度を増加するのに有効であり、0.003%以上の添加で効果を発揮する。ただし、0.10%を越えると過剰な炭化物量となり靭性の低下を招くおそれがあるため、Vを添加する場合は、0.003〜0.10%の範囲とする。
さらに、靭性向上の観点から、Ca、Mg、REM、Zrの1種または2種以上を選択元素として添加する。
Ca:0.0001〜0.0060%、Mg:0.0001〜0.0060%、REM:0.0001〜0.0200%、Zr:0.0001〜0.0100%
Ca、Mg、REM、Zrは鋼中のSを固定して鋼板の靭性を向上させる働きがあり、0.0001%以上の添加で効果がある。しかし、それぞれ0.0060%、0.0060%、0.0200%、0.0100%を越えて添加すると鋼中の介在物量が増加し靭性をかえって劣化させるため、添加する場合は、Ca:0.0001〜0.0060%、Mg:0.0001〜0.0060%、REM:0.0001〜0.0200%、Zr:0.0001〜0.0100%の範囲とする。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
[鋼のミクロ組織]
鋼のミクロ組織はベイナイト主体組織とする。フェライト-ベイナイトや、フェライト-パーライト、フェライト−マルテンサイトといった複相組織は、ベイナイト単相組織に較べ、同一強度で比較してシャルピー吸収エネルギーが低下する。一方、マルテンサイト主体組織とすると、同様な単相組織であるが、強度が高く、靭性が低いため、特に目標とするシャルピー吸収エネルギーを得ることが難しくなる。
よって、ミクロ組織はベイナイト主体組織とする。ベイナイトの面積率は特に規定しないが、90%以上ベイナイトであることが望ましい。さらに、フェライトを除き、セメンタイト、パーライト、島状マルテンサイト、残留オーステナイトといった第2相の総和が10%未満であれば、目標とする高DWTT性能およびシャルピー吸収エネルギーを満足することができるため、これらの組織が存在することは許容される。
また、旧オーステナイト粒界から生成したフェライトの面積率を5%以下に限定する。これは、この面積率が5%を超えるとシャルピー吸収エネルギーが著しく低下するからである。
これは、次のような機構によるものである。後述のように、未再結晶域圧延等、低温域での圧延をすることで、オーステナイトが圧延方向に伸長し、粒界が鋼板板面に平行に並ぶような状態となるが、圧延後の加速冷却条件が不適切な場合には、フェライト変態が起こり、これに伴い、これらのオーステナイト粒界から形成されるフェライト粒は板面に平行に並び、その面積率も5%を超えることとなる。すると、シャルピー試験時に延性破壊する際、主亀裂の進行に先立ち、板面に平行な方向でへき開破壊してしまうため、延性亀裂伝播時のエネルギーが下がり、シャルピー吸収エネルギーが著しく低下するのである。
逆に、これらの板面に平行に並ぶ、旧オーステナイト粒界から生成したフェライトがなければ、板面に平行な方向のへき開破壊を抑制して高い吸収エネルギーを得ることができること。よって、旧オーステナイト粒界から生成したフェライトが板面に並行にならんでシャルピー吸収エネルギーに悪影響を及ぼさない条件として、その面積率を5%以下とする。
なお、旧オーステナイト粒界から生成したフェライトの面積率とは、鋼のミクロ組織を観察した場合のミクロ組織全体の総面積に対する前記フェライトの面積率を指すものである。また、本発明に係る鋼のミクロ組織を観察した場合、面積率90%以上がベイナイトなので、旧オーステナイト粒界の位置は容易に識別することが可能である。
[製造条件]
上記した組成を有する溶鋼を、転炉、電気炉等の溶製手段で常法により溶製し、連続鋳造法または造塊〜分塊法等で常法によりスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。なお、溶製方法、鋳造法については上記した方法に限定されるものではない。その後、性能所望の形状に圧延し、圧延中または圧延後に、冷却および加熱を行う。
1.加熱
鋳造後、スラブ温度が室温まで低下してから、あるいは500℃以下の高温の状態で、加熱炉に挿入して1000℃以上に加熱する。加熱温度は、靭性確保の観点からはより低温が好ましいが、1000℃未満ではスラブ厚中央の未圧着ザクが残存して1/2t性能を劣化させる可能性があることと、Nb、Vなどを添加した場合には十分に固溶しないことから、1000℃以上とする。また、1150℃を超える温度に加熱すると初期オーステナイト粒が粗大化し、靭性が劣化するので、上限を1150℃とする。好適には、1050〜1100℃とすることが望ましい。
2.オーステナイト再結晶域圧延
スラブ加熱保持後、オーステナイト再結晶域での圧延を行うことで、オーステナイトが再結晶細粒化し、靭性が向上する。再結晶域での累積圧下量は特に規定しないが、35%以上行うことが好ましい。なお、本発明の鋼の成分範囲においては、オーステナイト再結晶の下限温度はおよそ950℃以上である。
3.オーステナイト未再結晶域圧延
オーステナイト再結晶域圧延にひきつづき、オーステナイト再結晶下限温度以下まで温度低下するまで待ってから、オーステナイト未再結晶域圧延を行うことで、特に板厚方向の旧オーステナイト粒径が細かくなり、靭性が向上する。未再結晶域での累積圧下量は特に規定しないが、50%以上行うことが好ましい。
4.700℃以下での圧延
700℃以下の低温域で圧延を施すと、オーステナイト粒の集合組織形成が著しくなる。この集合組織は、制御圧延後、加速冷却を実施してミクロ組織をベイナイト主体組織、あるいはマルテンサイト主体組織とした際、一部受け継がれる。そして、とくに、700℃以下での累積圧下量を30%以上とすることで、発達した集合組織を有するベイナイト鋼において、DWTT試験における脆性破面の発生が著しく抑制され、DWTT性能を向上することから、700℃以下における累積圧下量を30%以上とする。なお、鋼の機械的性質の観点からは、累積圧下量を増大するほど強度、DWTT性能は向上するが、低温域での圧延は圧延荷重が大きく、圧延機の寿命の低下をもたらすため、50%以下とすることが好ましい。
さらに、圧延中に温度低下が生じ、圧延終了温度が600℃以下となると、加速冷却に先立ち、パーライト等の強度を低下する要因となるミクロ組織が圧延中に変態生成するため、圧延終了温度は600℃以上とする。一方、圧延終了温度が700℃以上の場合、上述した集合組織導入の効果が薄れるため、圧延終了温度は700℃未満とする。好適な圧延終了温度は、650℃〜680℃である。
5.加速冷却
加速冷却は、X70以上の強度を確保するために、ミクロ組織をベイナイト主体とする必要があることから実施する。
(1)冷却開始温度
加速冷却開始温度が600℃を下回る場合、ベイナイト変態に先立ち、パーライト等の強度を低下する要因となるミクロ組織が先に変態生成して、ベイナイト主体組織とすることができなくなるため、加速冷却開始温度を600℃以上とする。なお、ここでの冷却開始温度は、冷却を開始した時の鋼板表面温度を指す。
(2)冷却速度
ベイナイト変態を起こさせるためには10℃/s以上の冷却速度とする必要がある。冷却速度が10℃/s未満であると、低温域圧延により板面に並行に伸長したオーステナイトの粒界でフェライト変態が起こり、板面に並行にフェライト粒が並ぶこととなり、フェライトシャルピー吸収エネルギーが著しく低下する。一方、冷却速度が80℃/sを超えると、ベイナイト変態が起こらず、より低温でマルテンサイト変態が生じ、シャルピー吸収エネルギーが著しく低下するため、冷却速度は80℃/s以下とする。好ましくは、50℃/s以下とする。なお、ここでの冷却速度は冷却開始温度と冷却停止温度を所要時間で除した平均冷却速度のことを指す。
(3)冷却停止温度
ベイナイト変態途中で加速冷却を停止すると、その後の空冷過程で粗大なセメンタイトや、島状マルテンサイトといった靭性に悪影響を及ぼす組織が生成するため、ベイナイト変態が終了する500℃以下まで加速冷却を行う必要がある。よって、加速冷却の停止温度を500℃以下とする。また、加速冷却の停止温度が低すぎると、板に歪が顕著に発生することから、加速冷却の停止温度は250℃以上とすることが好ましい。なお、ここでの冷却停止温度は、冷却後復熱が終わって定常状態となった時点での板厚表面温度を指す。
表1に示す組成の鋳片を、表2に示す熱間圧延条件により25〜38mm厚の鋼板を作製した。
Figure 2010222681
Figure 2010222681
表1において、鋼種No.G、H、I、J、K、L、M の供試鋼は成分組成のいずれかが本発明範囲外となっている。
得られた厚鋼板について、API−5Lに準拠した全厚引張試験片を採取し、引張試験を実施し降伏強度および引張強度を求めた。
また、板厚方向1/4の位置からJIS Z 2202(1998改訂版)に準拠したVノッチ標準寸法のシャルピー衝撃試験片を採取して、JIS Z 2242(1998改訂版)に準拠して−40℃でシャルピー衝撃試験を実施し,吸収エネルギーを求めた。
また、API−5Lに準拠したDWTT試験片を採取し、−40℃で試験を行い、SA値を求めた。
また,未板厚1/4位置よりミクロ組織観察用試料を採取し、試料の板厚方向断面を鏡面研磨ののちナイタールエッチングを行ってから、光学顕微鏡を用いて400〜1000倍の範囲で無作為に5視野写真撮影を行い、画像解析処理によってベイナイト組織および粒界フェライト組織の面積率を算出した。
表3に,調査した厚鋼板のミクロ組織分率および機械的性質を示す。
Figure 2010222681
本発明に適合した発明例No.1〜9は、いずれもベイナイト主体組織(面積率90%以上)かつ粒界フェライト面積率5%以下であり、さらに、目標とした引張強度600MPaを上回る高強度を達成し、−40℃におけるシャルピー吸収エネルギーが300J以上かつDWTT試験で得られた延性破面率SA値が85%以上と、高い値を満足した。
一方、本発明に適合する鋼組成を有するものの、圧延条件が発明範囲を外れ、あるいはミクロ組織が発明範囲を外れた比較例No.10〜18は、引張強度、DWTT破面率、シャルピー吸収エネルギーいずれかが目標を満足しなかった。
また、鋼の化学組成が発明範囲に適合していない比較例No.19〜25についても同様に引張強度、DWTT破面率、シャルピー吸収エネルギーいずれかが目標を満足しなかった。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.01〜0.50%、Mn:1.5〜3.0%、P:0.008%以下、S:0.0006%以下、N:0.0060%以下、Al:0.003〜0.100%、B:0.0010〜0.0030%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.08%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、鋼のミクロ組織がベイナイト主体で、かつ旧オーステナイト粒界に存在するフェライト組織の面積率が5%以下であることを特徴とする靱性に優れた板厚25mm以上の鋼管素材。
  2. さらに、質量%で、Cu:0.10〜1.0% 、Mo:0.01〜0.5%、V:0.003〜0.10%、のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする,請求項1記載の鋼管素材。
  3. さらに,質量%で、Ca:0.0001〜0.0060%、Mg:0.0001〜0.0060%、REM:0.0001〜0.0200%、Zr:0.0001〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の鋼管素材。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにに記載の組成を有する鋼を、1000℃以上1150℃以下に加熱後、オーステナイト再結晶域での圧延、およびオーステナイト未再結晶域での圧延を実施し、かつ、700℃以下で累積圧下量30%以上の圧延を行い、600℃以上700℃未満の温度で圧延を終了し、600℃以上の温度から冷却速度10℃/s以上80℃/s未満とする加速冷却を500℃以下まで実施する、鋼のミクロ組織がベイナイト主体で、かつ旧オーステナイト粒界に存在するフェライト組織の面積率が5%以下であることを特徴とする靱性にすぐれた板厚25mm以上の鋼管素材の製造方法。
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