JP2010220084A - 発信電波変調方式切換システム及び通信端末 - Google Patents

発信電波変調方式切換システム及び通信端末 Download PDF

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武俊 櫻井
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Abstract

【課題】通信端末とその通信相手とが無線通信を行う際に、その通信成立の信頼性を向上することができる発信電波変調方式切換システム及び通信端末を提供する。
【解決手段】車両1及び電子キー2間の通信動作として、スマート動作、ワイヤレス施錠動作、ワイヤレス解錠動作、パワースライドドア開閉動作のときは通信方式としてFM変調が選択され、リモートエンジンスタート動作、カーファインダ動作のときは通信方式としてAM変調が選択される。また、AM出力用の操作ボタン(リモートエンジンスタートボタン27、カーファインダボタン28)が長押し操作された際には、変調方式がそれまでのAM変調からFM変調に強制切り換えされて、ワイヤレス通信が実行される。
【選択図】図8

Description

本発明は、通信端末がその通信相手と無線通信を行う際、通信端末から発信される発信電波の変調方式を無線通信の種別に合わせて設定する発信電波変調方式切換システム及び通信端末に関する。
従来、車両のキーシステムには、キーコードを無線通信により車両に発信する電子キーを車両キーとして用いる電子キーシステム(例えば、特許文献1等参照)が広く使用されている。電子キーシステムは、電子キーからキーコードとして無線発信されたIDコードを車両が受信するとID照合を実行し、このID照合が成立すれば車両ドアのドアロック施解錠やエンジン始動を許可又は実行する。この電子キーシステムには、車両からのリクエストに応答してIDコードを車両に自動発信して車両にID照合を実行させるキー操作フリーシステム(スマート機能)や、電子キーの各種ボタンを操作する遠隔操作によって車両を動作させるワイヤレスキーシステム(ワイヤレス機能)等がある。
特開2008−050856号公報
ところで、この種の電子キーシステムでやり取りされる電波は、各種データ(情報)の伝達方式として、電波を変調することによって通信相手側に送り届ける方式が広く用いられる。しかし、電子キーシステムの通信環境下には、様々な種類の電波が飛び交っている現状があるので、電子キーシステムで使用する変調方式の周波数に影響を及ぼす妨害ノイズが発生していることもある。この場合、電子キーシステムにおいてやり取りされる電波は、この妨害ノイズに影響を受けて通信相手まで届かないので、無線通信が成立せず、この場合は電子キーを所持していても、車両を操作することができない状況に陥る問題があった。
また、電子キーシステムはスマート機能とワイヤレス機能とに種類分けされるのみならず、ワイヤレス機能には例えばドアロック機能、リモートエンジンスタート機能等の種々の機能があるが、これら機能では、機能種別によって所望する通信特性が異なる現状がある。例えばスマート機能やドアロック機能は、ユーザの操作を確実に動作に反映させる必要がある関係上、耐ノイズ性を上げて通信をより確実に成立させたいのに対し、リモートエンジンスタート機能は、遠くからの遠隔操作となる関係上、通信範囲を広くとりたいという要望がある。しかし、現在の電子キーシステムは、機能ごとに通信特性を切り換えられるものではなく、このニーズに応えることができないものであった。
本発明の目的は、通信端末とその通信相手とが無線通信を行う際に、その通信成立の信頼性を向上することができる発信電波変調方式切換システム及び通信端末を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、通信端末がその通信相手と無線通信を実行する際に動作する発信電波変調方式切換システムにおいて、前記通信端末に設けられ、当該通信端末の電波発信用の操作手段において、変調方式を強制切り換えすべき設定操作が実行されたか否かを監視する監視手段と、前記通信端末に設けられ、前記設定操作があったことを前記監視手段が確認した際、前記通信端末に予め割り振られていた発信電波の変調方式を他のものに強制切り換えて発信動作を実行する切換手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、通信端末がその通信相手に発信電波を発信して無線通信を行う際のその通信環境下に、予め通信端末に割り振られていた発信電波の変調方式に影響を与える妨害ノイズが発生していた場合、操作手段を設定操作の態様に則って操作すれば、それまでとは異なる変調方式で発信電波が発信されるので、通信端末とその通信相手との無線通信の成立を図ることが可能となる。このため、無線通信の通信環境下に妨害ノイズが発生していても、発信電波の変調方式を強制切り換えすることにより無線通信を成立させられるので、通信成立の信頼性を高いものとすることが可能となる。
本発明では、前記設定操作は、前記操作手段の継続操作であり、前記切換手段は、前記操作手段が操作されて、予め割り振られていた変調方式での電波発信が行われた後、前記操作が続けられて該操作が前記継続操作となった際に、今度は変調方式を他のものに切り換えて前記発信電波を再発信することで、発信電波の変調方式を強制切り換えすることを要旨とする。
この構成によれば、操作手段を操作したにも拘わらず無線通信が成立しない場合には、操作手段をそのまま操作継続するという一連の動作によって、変調方式の切り換え発信が可能となる。このため、操作手段を操作し直さずに変調方式の切り換えが可能となるので、簡単で楽な操作によって発信電波の変調方式を切り換えることが可能となる。
本発明では、前記切換手段は、前記設定操作があったことを前記監視手段が確認した際、変調方式をそれまでのAM変調からFM変調に強制切り換えすることを要旨とする。
この構成によれば、FM変調には耐ノイズ性が高いという通信特性があるので、変調方式としてFM変調に強制切り換えすれば、無線通信を通信成立し易いものとすることが可能となる。
本発明では、前記変調方式の切り換え前後で前記発信電波の出力電界強度ピーク値を切り換え可能な出力電界強度切換手段を備え、前記出力電界強度切換手段は、前記切換手段が変調方式をAM変調からFM変調に切り換えた際、AM変調のときに上昇させていた前記発信電波の出力電界強度ピーク値を下げて、当該FM変調による発信動作を実行させることを要旨とする。
この構成によれば、発信電波の変調方式をAM変調からFM変調に切り換えた際には、発信電波の出力電界強度ピーク値がAM変調のときよりも低く設定される。ところで、AM変調とFM変調とを比較した場合、AM変調は振幅の変化で表現されることから電波波形が間欠的に表れるのに対し、FM変調は周波数変化で表現されることから電波波形が常時表れるので、もし仮に発信電波の変調方式をAM変調から単にFM変調に切り換えただけでは、発信電波の出力電界強度がFCC規格等の規定を満たさない高い値で発信されてしまう。しかし、本構成は、変調方式をFM変調に切り換えた際に発信電波の出力電界強度ピーク値を低く落とすので、FCC規格等の出力制限を違反させずに済む。
本発明では、前記通信端末が前記通信相手と無線通信する際のその種別を確認する発信電波種類確認手段と、前記無線通信の変調方式を当該無線通信の種別に応じたものに設定する変調方式設定手段と、前記無線通信の変調方式に応じて無線通信の出力電界強度ピーク値を可変可能な出力電界強度切換手段と、前記通信相手に設けられ、前記発信電波がどの種類の変調方式をとっていても、当該発信電波の受信を許容する受信処理手段とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、通信端末がその通信相手と無線通信を実行する際、実行する無線通信において望まれる好適な変調方式の種別が本システムにより選定され、その変調方式に沿って無線通信が実行される。このため、例えば通信特性として遠距離が必要とされる無線通信の場合には、通信範囲を広くとれる変調方式が採用され、通信特性としてノイズに影響を受け難くしたい無線通信の場合には、対ノイズ性の高い変調方式が採用される。このため、無線通信の通信成立の信頼性を高いものとすることが可能となる。
本発明では、前記通信相手を車両とし、前記通信端末を前記車両の電子キーとすることにより、前記車両の電子キーシステムに使用されていることを要旨とする。
この構成によれば、本構成の発信電波変調方式切換システムを電子キーシステムに採用したので、通信成立性の高い電子キーシステムを提供することが可能となる。
本発明では、通信相手と無線通信が可能であるとともに、電波発信用の操作手段を持った通信端末において、変調方式を強制切り換えすべき設定操作が前記操作手段で実行されたか否かを監視する監視手段と、前記設定操作があったことを前記監視手段が確認した際、前記通信端末に予め割り振られていた発信電波の変調方式を他のものに強制切り換えする切換手段とを備えたことを要旨とする。
本発明によれば、通信端末とその通信相手とが無線通信を行う際に、その通信成立の信頼性を向上することができる。
一実施形態における電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。 発信電波変調方式切換システムのキー側の構成を示すブロック図。 発信電波に関係する各種信号の具体例を示す波形図。 発信電波変調方式切換システムの車両側の構成を示すブロック図。 スマート通信の通信例を示すタイミングチャート。 変調方式としてFM変調が選択された例を示す説明図。 変調方式としてAM変調が選択された例を示す説明図。 変調方式をAMからFMに強制切り換えしたときの例を示す説明図。 変調方式をAMからFMに強制切り換えするときに実行されるフローチャート。
以下、本発明を具体化した発信電波変調方式切換システム及び通信端末の一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、車両キーとして使用される電子キー2との間で無線通信によりキー照合を行って、このキー照合の成立を条件にドアロックの施解錠やエンジン始動等が許可又は実行される電子キーシステム3が設けられている。また、電子キー2は、車両1との間で狭域無線通信が可能であって、電子キー2が固有に持つIDコードをキーコードとして無線通信により車両1に発信して車両1にキー照合を行わせることが可能なキーのことをいう。なお、車両1が通信相手に相当し、電子キー2が通信端末に相当する。
電子キーシステム3には、電子キー2からキーコードとしてIDコードを発信するときに個別のキー操作が不要であるキー操作フリーシステムが含まれている。このキー操作フリーシステムには、ドアロックの施解錠操作の際にキー操作を必要としない機能としてスマートエントリーシステムがある。この場合、車両1には、電子キー2との間でキー照合(ID照合)を行う照合ECU4と、車両1の電源系を管理するメインボディECU5とが設けられ、これらECU4,5が車内の一ネットワークであるLIN(Local Interconnect Network)6を介して接続されている。照合ECU4には、車外にLF(Low Frequency:約134KHz)の電波を発信可能な車外LF発信機7と、車内に同様のLFの電波を発信可能な車内LF発信機8と、RF(Radio Frequency:約312MHz)の電波を受信可能なRF受信機9とが接続されている。また、メインボディECU5には、ドアロックの施解錠を実行するときの駆動源としてドアロックモータ10が接続されている。
また、電子キー2には、電子キー2の各種動作を統括制御する通信制御部11が設けられている。この通信制御部11は、CPU(Central Processing Unit)12やメモリ13等の各種デバイスを持ち、電子キー2が持つ固有のキーコードとしてIDコードがメモリ13に登録されている。通信制御部11には、LFの電波を受信可能なLF受信機14と、RFの電波を発信可能なRF発信機15とが接続されている。通信制御部11は、LF受信機14でどの種の無線信号を受け付けたか否かを逐次監視するとともに、RF発信機15からの信号発信の動作を管理する。
照合ECU4は、車外LF発信機7からIDコード返信要求としてLF帯のリクエスト信号Srqを断続的に発信させることにより、車両周辺にリクエスト信号Srqの車外通信エリアを形成して、狭域無線通信(以降、スマート通信と記す)の成立を試みる。電子キー2がこの車外通信エリアに入り込んでリクエスト信号Srqを受信すると、電子キー2はリクエスト信号Srqに応答する形で、自身のメモリ13に登録されたIDコードを乗せたID信号SidをRF帯の信号で返信する。照合ECU4は、RF受信機9でID信号Sidを受信してスマート通信(車外通信)が確立すると、自身のメモリ16に登録されたIDコードと電子キー2のIDコードとを照らし合わせてID照合、いわゆるスマート照合(車外照合)を行う。照合ECU4は、この車外照合が成立したことを確認すると、メインボディECU5によるドアロック施解錠動作を許可又は実行する。
また、キー操作フリーシステムには、エンジン始動停止操作の際に実際の車両キー操作を必要とせずに単なるスイッチ操作のみでエンジン17の始動停止操作を行うことが可能な機能としてワンプッシュエンジンスタートシステムがある。この場合、メインボディECU5には、エンジン17の点火制御や燃料噴射制御を管理するエンジンECU18が、車内の一ネットワークであるCAN(Controller Area Network)19を介して接続されている。また、車内には、同システムの操作系としてプッシュモーメンタリ式のエンジンスイッチ20が設けられ、同スイッチ20がメインボディECU5に接続されている。エンジンスイッチ20の操作機能には、エンジン始動停止機能の他に、電源遷移機能も割り当てられている。また、メインボディECU5には、車載アクセサリに繋がるACC(Accessory)リレー21と、走行系の各種電装品に繋がるIG(Ignition)リレー22と、エンジンスタータ(図示略)に繋がるスタータリレー23とが接続されている。
照合ECU4は、例えばカーテシスイッチ(図示略)により運転者の車内への乗車を確認すると、今度は車内LF発信機8からリクエスト信号Srqを発信して、車内全域に車内通信エリアを形成する。照合ECU4は、電子キー2がこの車内通信エリアに入り込んで返信してきたID信号SidをRF受信機9で受信してスマート通信(車内通信)が確立すると、自身に登録されたIDコードと電子キー2のIDコードとを照らし合わせてID照合、いわゆるスマート照合(車内照合)を行う。照合ECU4は、この車内照合が成立したことを確認すると、エンジンスイッチ20のプッシュ操作による電源状態切り換えを許可する。
これにより、エンジン17が停止状態の際、ブレーキペダルが踏み込まれた状態でエンジンスイッチ20がプッシュ操作されると、停止状態であったエンジン17が起動状態に切り換わる。また、エンジン17が稼働状態の際、セレクトレバーのレンジ位置が駐車位置(Pレンジ)の状態でエンジンスイッチ20がプッシュ操作されると、今度はエンジン17が停止状態に切り換わる。更に、エンジン17が停止状態の際、ブレーキペダルは踏み込み操作されずにエンジンスイッチ20のみがプッシュ操作されると、このプッシュ操作の度に電源状態が電源オフ→ACCオン→IGオンの順に繰り返し切り換わる。
電子キーシステム3には、電子キー2のボタン操作による遠隔操作によって車両操作が実行可能なワイヤレスキーシステムが含まれている。この場合、電子キー2には、各種機能に応じたボタン24,25…が設けられ、これらボタン24,25…のボタン操作の有無が通信制御部11によって監視されている。電子キー2においてボタン24,25…が操作されると、この操作ボタンに応じた信号内容を持つワイヤレス信号SwlがRF発信機15からRF帯の信号で発信され、このワイヤレス信号Swlを車両1が受信して無線通信(ワイヤレス通信)が確立するとともに、このワイヤレス信号Swlに含まれるIDコードのID照合(ワイヤレス照合)が成立すると、操作ボタンに応じた車両機能が車両1で実行される。
これらボタン24,25…には、ワイヤレス通信によって車両ドアを施錠する際(ワイヤレス施錠動作時)に操作する施錠ボタン24や、ワイヤレス通信によって車両ドアを解錠する際(ワイヤレス解錠動作時)に操作する解錠ボタン25や、ワイヤレス通信によって車両1のパワースライドドアを開閉する際(パワースライドドア開閉動作時)に操作するパワースライドドア開閉ボタン26がある。また、これら以外には、ワイヤレス通信によってエンジン始動を遠隔操作する際(リモートエンジンスタート動作時)に操作するリモートエンジンスタートボタン27や、電子キー2からRF電波を車両1に向けて発信して、この電波の到来方向から車両1の位置を演算してユーザに通知するカーファインダを実行する際(カーファインダ動作時)時に操作するカーファインダボタン28等がある。なお、各種ボタン24〜28が操作手段に相当する。
図2、図4、図6及び図7に示すように、車両1及び電子キー2には、電子キー2が車両1と無線通信(スマート通信、ワイヤレス通信)を行う際に、発信電波の変調方式を無線通信の種別に応じたものに切り換える発信電波変調方式切換システム29が設けられている。本例の発信電波変調方式切換システム29は、電子キー2がRF発信機15から各種RF電波を発信する際、これをAM(Amplitude Modulation)方式及びFM(Frequency Modulation)方式のどちらの変調方式で行うのかを設定するシステムである。これは、AMには電波が遠くまで飛ぶという特性があり、FMには電波がノイズに強いという特性があるので、各々の無線通信が必要とする特性に合わせるためである。
発信電波変調方式切換システム29の詳細を以下に説明すると、図2に示すように、電子キー2のRF発信機15には、通信制御部11から発信電波の元データとして受け付けた発信原データ(デジタルデータ)DhkをAM又はFMのどちらかにの形式に変調する変調回路30と、変調後の発信原データDhkを増幅する可変式のアンプ31と、増幅後の発信原データDhkをRFの電波として発信可能なRF発信アンテナ32とが設けられている。また、変調回路30には、変調時の周波数変換に必要な局部発信周波数(例えば約300MHz)を生成するオシレータ33が接続されている。変調回路30は、通信制御部11から発信原データDhkを入力すると、この発信原データDhkをオシレータ33の局部発信周波数を基にAM方式又はFM方式のどちらかで変調しつつ、これをアンプ31で増幅させてRF発信アンテナ32からRF電波(ID信号Sid、ワイヤレス信号Swl)として発信させる。なお、変調回路30が変調方式設定手段を構成し、アンプ31が出力電界強度切換手段を構成する。
また、電子キー2の通信制御部11には、電子キー2が信号発信動作をとる際に、このときの信号発信動作がどの種別のものなのかを確認する発信動作種類確認部34が設けられている。本例の発信動作種類確認部34は、電子キー2の信号発信動作がスマート動作及びワイヤレス動作のどちらであって、しかも信号発信動作がワイヤレス動作の場合、この動作がどの種のボタン操作によるもの、即ちどの種類のワイヤレス通信によるものであるのかを確認する。なお、発信動作種類確認部34が発信電波種類確認手段に相当する。
更に、通信制御部11には、電子キー2から発信する各種RF電波の変調方式を設定する変調方式設定部35が設けられている。変調方式設定部35は、通信動作の種別に応じて発信電波の変調方式をAM及びFMのどちらかに設定するものであって、変調回路30に切換要求Sk(FM設定要求Sk1、AM設定要求Sk2)を送ることにより変調方式を切り換える。本例の変調方式設定部35は、スマート動作、ワイヤレス施錠動作、ワイヤレス解錠動作、パワースライドドア開閉動作のとき、変調方式をFMに設定し、リモートエンジンスタート動作、カーファインダ動作のとき、変調方式をAMに設定する。なお、変調方式設定部35が変調方式設定手段を構成する。
また、通信制御部11には、電子キー2の発信電波の変調方式がAM方式をとる場合に、発信電波の元となる発信原データDhkを、「0」及び「1」の2値情報をともにデューティ比50%の波形(図3参照)で出力させるコードフォーマット設定部36が設けられている。コードフォーマット設定部36は、例えばマンチェスター符号に則って発信原データDhkを生成し、例えば「1」の2値情報を時間軸の中央で波形が下がる波形37により構築し、「0」の2値情報を時間軸の中央で波形が立ち上がる波形38により構築するように機能する。
ここで、発信原データDhkは、変調方式がFMの場合、図3に示すように、HレベルのときとLレベルのときとで搬送波の周波数が切り変わった波形(図3のFM変調発信データDfm)をとり、このFM変調発信データDfmがアンプ31によって増幅されて、増幅後のFM増幅発信データがFM電波SfmでRF発信アンテナ32から発信される。一方、発信原データDhkは、変調方式がAMの場合、Hレベルのときに搬送波(キャリア)の波形が現れ、Lレベルのときに搬送波の波形が現れない波形(図3のAM変調発信データDam)をとる。そして、このAM変調発信データDamはアンプ31によって増幅され、増幅後のAM増幅発信データがAM電波SamでRF発信アンテナ32から発信される。
ところで、例えば米国には、通信、電信、電波を管理する連邦政府機関として連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)というものがあり、この委員会が定めた通信に関する規格がFCC規格として北米等において広く認知されている。このFCC規格では、無線通信において出力できる電波出力強度、即ち出力電界強度(単位:μV/m)の上限が制限されており、この制限値を超える強度の電波を使用することは認められていない。なお、FCCが規定する測定では、電波出力が持つ電力に相当するパラメータを測定することになっている。なお、出力電界強度は、例えば単位時間内における電波の平均値(単位:dBμV/m)により求められる。
ここで、図3に示すAM電波SamとFM電波Sfmとを見比べてみると、FM電波Sfmは電波が常時出ている波形をとるのに対し、AM電波Samは電波が間欠的に出る波形をとっている。このため、もし仮に同じ発信原データDhkを変調及び増幅する場合、AM変調した場合とFM変調した場合とでは、増幅度を同じとすることを前提とすると、AM変調のときの平均電界強度は、FM変調のときに比べて、波形が間欠的に出される分だけ低くなる。よって、出力電界強度にFCC規格の制限があっても、AM変調のときは、この間欠部分において出されないパワー分だけ、FCC規格の上限内で電波出力を上乗せすることが可能となる。即ち、RF電波をFM変調により最大出力電界強度で発信させていても、これをAM変調に切り換えれば、発信電波の最大出力電界強度を増加することが可能である。従って、本例では、この技術思想を利用し、AM変調のときの出力電界強度を向上させて、AM変調時の通信範囲を広げる。
そこで、本例の通信制御部11には、電子キー2の発信電波の変調方式がAM方式をとる場合に、AM電波Samの出力電界強度を増幅させる電波出力電界設定部39が設けられている。電波出力電界設定部39は、無線通信の変調方式がAMであることを変調方式設定部35から受け付けると、アンプ31のゲインを制御することにより、AM電波Samの出力電界強度ピーク値(ピーク電界強度)Emaxを通常値、即ちFM変調時の増幅(図3の破線波形40)に合わせたピーク値Eodよりも高くする。これにより、AM電波Samの出力電界強度が通常よりも高くなり、AM電波Samの通信範囲が広くなる。なお、電波出力電界設定部39が出力電界強度切換手段に相当する。
また、図4に示すように、車両1のRF受信機9には、RF電波を受信可能なRF受信アンテナ41と、このRF受信アンテナ41で取得したRF電波を増幅するアンプ42と、増幅後のRF電波をヘテロダイン方式により周波数変換するミキサ43と、周波数変換後のRF電波からノイズを除去するフィルタ44とが設けられている。ミキサ43には、周波数変換に必要な局部発信周波数(例えば約290MHz)を生成するオシレータ45が接続されている。ミキサ43は、RF受信アンテナ41で受信したRF電波を局部発信周波数で中間周波数に落とし込み、これをフィルタ44に通して照合ECU4側に送り出す。
フィルタ44のデータ出力側には、AM電波Samを復調することが可能なAM復調回路46と、FM電波Sfmを復調することが可能なFM復調回路47とが並列状態で接続されている。これらAM復調回路46及びFM復調回路47とフィルタ44との間には、フィルタ44をAM復調回路46及びFM復調回路47のどちらに繋げるのかを決める第1スイッチ48が接続され、第1スイッチ48のスイッチ状態が照合ECU4によって管理されている。また、AM復調回路46及びFM復調回路47のデータ出力端と照合ECU4との間には、これら復調回路46,47のどちらを照合ECU4に繋げるのかを決める第2スイッチ49が接続され、第2スイッチ49のスイッチ状態も照合ECU4によって管理されている。なお、復調回路46,47、スイッチ48,49が受信処理手段を構成する。
AM復調回路46には、RF受信アンテナ41でAM電波Samを受信したときのその受信信号強度(RSSI:Receive Signal Strength Indication)を検出するAM受信信号強度検出部50が設けられている。また、FM復調回路47には、RF受信アンテナ41でFM電波Sfmを受信したときのその受信信号強度を検出するFM受信信号強度検出部51が設けられている。これら受信信号強度検出部50,51は、共通のコンパレータ52を介して照合ECU4に接続されている。コンパレータ52は、これら受信信号強度検出部50,51から受信信号強度の検出信号を入力し、AM電波Sam又はFM電波Sfmの受信信号強度が一定値を超えた際、電波受信があることを照合ECU4に通知する。
また、照合ECU4には、AM及びFMの2変調方式に対応した電波受信動作を管理する電波受信処理部53が設けられている。この電波受信処理部53は、図5に示すように、2つのスイッチ48,49をともにAM復調回路46側に接続してAM電波Samの受信を確認するAM受信準備動作と、2つのスイッチ48,49をともにFM復調回路47側に接続してFM電波Sfmの受信を確認するFM受信準備動作とを連続して行うとともに、所定間隔を空けてこれを繰り返し行う動作、即ちポーリング動作を実行する。電波受信処理部53は、受信準備動作をとっている際、高い受信信号受信強度の電波受信をコンパレータ52から確認すると、電波受信有りと認識してそのときに実行している受信準備動作を継続し、受け付け電波を最後まで取得する。なお、コンパレータ52、電波受信処理部53が受信処理手段を構成する。
更に、本例の発信電波変調方式切換システム29には、電子キー2における特別なボタン操作によって電子キー2からの電波発信の変調方式を強制切り換えする変調方式強制切換機能が設けられている。本例の変調方式強制切換機能は、AM出力する操作ボタンが長押しされたことを条件に、ボタン操作開始時にはAM変調により発信されていた発信電波を、長押し検出時点でFM変調に強制切り換えして、発信電波をFM変調により発信するものである。なお、長押し操作が設定操作、継続操作に相当する。
この場合、電子キー2の通信制御部11には、AM出力する操作ボタンの長押し有無を監視する長押し操作監視部54と、長押し操作監視部54の監視結果を基に電子キー2の発信電波の変調方式を強制切り換えする変調方式強制切換部55とが設けられている。長押し操作監視部54は、例えばカウンタを持ち、AM出力の操作ボタン(本例はリモートエンジンスタートボタン27、カーファインダボタン28)が押下操作されてからの操作時間(ボタン押下時間Tk)をカウンタにより計時する。なお、長押し操作監視部54が監視手段に相当し、変調方式強制切換部55が切換手段に相当する。
また、変調方式強制切換部55は、長押し操作監視部54からの監視結果を基に、電子キー2の電波発信の変調方式をAM変調からFM変調に強制切り換えする。本例の場合、変調方式強制切換部55は、長押し操作監視部54の監視結果から、AM出力の操作ボタンの長押しを確認するとともに、長押し操作の操作開始時における最初のAM電波の発信が完了しえてから一定時間が経過していることを条件に、電波発信の変調方式をFM変調に強制的に切り換えて電波発信を実行する。
ここで、次に、本例の発信電波変調方式切換システム29の動作を説明する。
まずは、例えば車両1が駐車状態(エンジン停止、ドアロック施錠)の際に、スマート通信によって車両ドアを解錠する場合を想定する。照合ECU4は、図5に示すように、車両1が駐車状態をとる際、スマート通信において実行する動作として、車外通信エリア内に電子キー2が存在するか否かを確認すべく、車外LF発信機7からウェイク信号(ウェイクパターン)56をLFの電波で断続的に発信させて、車両周囲にウェイク信号56の車外通信エリアを形成する。
電子キー2がこの車外通信エリアに入り込んでウェイク信号56を受信すると、それまで待機状態をとっていた電子キー2が起動状態に切り換わる。発信動作種類確認部34は、電子キー2がウェイク信号56を受信したことを確認すると、電子キー2がこのときに実行しようとしている通信動作がスマート通信であると認識する。そして、発信動作種類確認部34は、電子キー2の通信動作がスマート通信に入ったことを変調方式設定部35に通知する。変調方式設定部35は、通信動作がスマート通信である通知を発信動作種類確認部34から受け付けると、電子キー2からの電波発信の変調方式をFMに設定する通知としてFM設定要求Sk1を変調回路30に出力し、電子キー2の電波発信の変調方式をFMに設定する。これにより、図6に示すように、電子キー2からのID信号Sidの電波発信がFM変調で実行される。
また、電子キー2は、ウェイク信号56を受信して起動状態に切り換わると、図5に示すように、その旨を車両1に通知すべく第1アック信号57をRFの電波により車両1に発信する。なお、この第1アック信号57は、マンチェスター符号に準じたコードフォーマットではなく、2進符号のままの発信原データDhkをFM変調したデータ群により生成されている。
車両1において電波受信処理部53は、ウェイク信号56の発信後、RF受信機9が現在どの変調方式のRF電波を受け付けているのかを確認する受信準備動作を、ウェイク信号56の発信動作、即ちポーリング周期の周期サイクルで繰り返し実行する。このとき、電波受信処理部53は、ポーリングの受信準備動作として、まずは最初に待機中のRF受信機9を起動させるスタートアップ動作を行うとともに、デフォルトにおいてFM復調回路47側に接続されている2つスイッチ48,49をそのままにしてFM受信準備動作を行うとともに、これに連続して今度は2つのスイッチ48,49をともにAM復調回路46側に接続してAM受信準備動作を実行する。そして、照合ECU4は、この一連動作をウェイク信号56の発信、即ちアック返信の受け付けタイミングに合わせて繰り返し実行する。
電子キー2がウェイク信号56に応答して第1アック信号57を返信した際、照合ECU4は、この第1アック信号57をFM受信準備動作の際にRF受信機9で受信する動作をとる。このとき、FM受信信号強度検出部51は、第1アック信号57を受信することに伴って、高い値の検出信号をコンパレータ52に出力する。よって、照合ECU4は、コンパレータ52から受信電波有りの出力を取得するので、第1アック信号57の受信を伴っているFM受信準備動作を継続して、第1アック信号57の全データを取り込む。
照合ECU4は、ウェイク信号56を発信した後に、正常にアック返信を受け付けると、電子キー2がスマート通信の車外通信エリア内に進入したと判断する。このとき、照合ECU4は、アック返信を受け付けた周期でポーリングを終了し、これ以降は電子キー2との通信タイミングでFM受信準備動作を立ち上げて、電子キー2とのスマート通信を実行する。
照合ECU4は、ウェイク信号56に対するアック返信を受け付けると、続いては自身の車両コードとしてビークルID58を、車外LF発信機7からLFの電波で発信させる。電子キー2は、このビークルID58をLF受信機14で受信すると、このビークルIDが正しいか否かの確認としてビークルID照合を実行する。このように、車両1から電子キー2にビークルID58を発信して電子キー2に車両1の種別判定を行わせるのは、電子キー2の周囲に複数車両が存在してこれらとスマート通信が確立する状況となっても、この中の正規車両のみとスマート通信を実行するためである。
電子キー2は、このビークルID照合が成立したことを確認すると、その旨を車両1に通知すべく第2アック信号59をRFの電波により車両1に返信する。このとき、電子キー2の電波発信の変調方式はFM変調に設定されているので、電子キー2は第2アック信号59をFM変調によって発信する。なお、この第2アック信号59は、マンチェスター符号に準じたコードフォーマットではなく、2進符号のままの発信原データDhkをFM変調したデータ群により生成されている。
照合ECU4は、ビークルID58を発信した後、アック返信の受信タイミングにおいてFM受信準備動作を実行し、このFM受信準備動作のときに第2アック信号59を受信する。このとき、FM受信信号強度検出部51は、第2アック信号59を受信することに伴って、高い値の検出信号をコンパレータ52に出力する。よって、照合ECU4は、コンパレータ52から受信電波有りの出力を取得するので、第2アック信号59の受信を伴っているFM受信準備動作を継続して、第2アック信号59の全データを取り込む。これにより、照合ECU4は、電子キー2との間でビークルID照合が成立したと認識し、スマート通信の通信エリア内に存在する電子キー2が自身とペアをなすものであると認識する。
照合ECU4は、ビークルID照合が成立したことを確認すると、続いてチャレンジレスポンス認証の動作に入る。チャレンジレスポンス認証は、暗号を使用した認証の一種であって、車両1から電子キー2にチャレンジ60を送ってこれを演算させ、演算後の値が正規値をとるかどうかを車両1側で見ることにより認証を行うものである。このとき、照合ECU4は、チャレンジコード及びキー番号からなるチャレンジ60を車外LF発信機7からLFの電波で発信させる。チャレンジコードは、発信の度に毎回コードが変わる乱数である。また、キー番号は、車両1側に登録された電子キー2に関連する番号(数bitデータ)である。
通信制御部11は、このチャレンジ60をLF受信機14で受信すると、まずはチャレンジ60に含まれるキー番号の照合を実行する。なお、このように電子キー2側でキー番号の照合を行わせるのは、車両周囲にマスターキー及びサブキーの両方が存在することも想定され、これら両方が同時にスマート通信を実行してしまうと混信が生じるので、これを解消するためである。照合ECU4は、チャレンジ60を受信すると、キー番号照合を行い、自身がこのときのスマート通信の通信対象であるか否かを確認する。電子キー2は、キー番号照合が成立したことを確認すると、続いてはこのチャレンジ60に対するレスポンス61の作成に移行する。このとき、通信制御部11は、チャレンジ60に含まれるチャレンジコードに、電子キー2に登録された暗号鍵によって特別な計算を加えることによりチャレンジコードを演算して、これをレスポンスコードとして生成する。
そして、通信制御部11は、このレスポンスコードと、電子キー2の固有IDであるIDコードとを含んだレスポンス61を、RF発信機15からRFの電波で発信する。このとき、電子キー2の電波発信の変調方式はFM変調に設定されているので、電子キー2はレスポンス61をFM変調によって発信する。なお、このレスポンス61は、マンチェスター符号に準じたコードフォーマットではなく、2進符号のままの発信原データDhkをFM変調したデータ群により生成されている。
照合ECU4は、チャレンジ60を発信した後、FM受信準備動作を実行し、このFM受信準備動作のときにレスポンス61を受信する。このとき、FM受信信号強度検出部51は、レスポンス61を受信することに伴って、高い値の検出信号をコンパレータ52に出力する。よって、照合ECU4は、コンパレータ52から受信電波有りの出力を取得するので、レスポンス61を伴っているFM受信準備動作を継続して、レスポンス61の全データを取り込み、電子キー2から取得したレスポンス61の認証を実行する。
ところで、照合ECU4は、電子キー2にチャレンジ60を発信する際、このチャレンジコードを自らの暗号鍵により演算して、自身もレスポンスコードを計算している。よって、照合ECU4は、電子キー2からレスポンス61を受信した際、このレスポンス61に含まれるIDコードの照合とともに、電子キー2のレスポンスコードも照合する。そして、照合ECU4は、IDコード照合及びレスポンス照合の両方が成立することを確認すると、スマート照合を成立とみなし、ドアロックの解錠を許可又は実行する。このとき、照合ECU4は、車外LF発信機7から終了コード62を発信して、スマート通信を終了させる。なお、ドアロック施錠時や車内照合も、基本的にドアロック解錠時と同様の動作の流れを経るので、説明は省略する。
また、電子キー2の遠隔操作によって車両1を動作させるワイヤレス通信の場合、このときの変調方式は、操作ボタンが車両ドアの解錠動作を伴う種のものか否かによって切り換えられる。本例の場合、図6に示すように、ワイヤレス施錠動作、ワイヤレス解錠動作、パワースライドドア開閉動作は、車両動作の際に車両ドアの施解錠を伴うワイヤレス動作の種類であるので、変調方式がFMに設定される。一方、リモートエンジンスタート動作、カーファインダ動作は、図7に示すように、車両動作の際に車両ドアの施解錠を伴わないワイヤレス動作の種類であるので、変調方式がAMに設定される。
まずは、ワイヤレス通信の通信環境下に、AMに影響を与える妨害ノイズが発生していない場合を想定する。電子キー2でボタン操作があった際、発信動作種類確認部34は、このときに操作されたボタン種が何であるのかを確認し、その確認結果を変調方式設定部35に通知する。変調方式設定部35は、発信動作種類確認部34からの通知に基づき、ワイヤレス動作における電波発信動作の変調方式を設定する。例えば、電子キー2の施錠ボタン24が操作されてワイヤレス施錠動作が実行された際、発信動作種類確認部34は、操作ボタンが施錠ボタン24であることを変調方式設定部35に通知する。変調方式設定部35は、発信動作種類確認部34からの通知により施錠ボタン24が操作されたことを確認すると、変調方式をFMに設定する要求としてFM設定要求Sk1を変調回路30に出力し、電波発信動作の変調方式をFM変調に設定する。これにより、ワイヤレス施錠動作における電子キー2の電波発信がFM変調により実行される。
また、電子キー2は、施錠ボタン24が操作された際、電子キー2の固有IDであるIDコードと、車両ドアの解錠を要求する機能コードとして施錠要求コードとを含んだ施錠要求信号Swaを車両1に発信する。なお、施錠要求信号Swa(即ち、ワイヤレス信号Swl)は、ポーリングのタイミングで車両1に到達するように、連続して複数発信される。なお、この施錠要求信号Swaは、マンチェスター符号に準じたコードフォーマットではなく、2進符号のままの発信原データDhkをFM変調したデータ群により生成されている。
照合ECU4は、ポーリングでFM受信準備動作をとるときに、この施錠要求信号Swaを受信する。そして、照合ECU4は、施錠要求信号Swa内に含まれるIDコードを照合し、ID照合が成立すれば、同じ信号Swa内に含まれる施錠要求コードに従って動作することにより車両ドアを施錠する。なお、解錠ボタン25の操作時に発信される解錠要求信号Swb、パワースライドドア開閉ボタン26の操作時に発信されるパワースライドドア開閉要求信号Swcも、施錠ボタン24のときと同様の動作の流れを経て、FM変調によって電子キー2から発信される。
一方、電子キー2のリモートエンジンスタートボタン27が操作されてリモートエンジンスタート動作が実行された際、発信動作種類確認部34は、操作ボタンがリモートエンジンスタートボタン27であることを変調方式設定部35に通知する。変調方式設定部35は、発信動作種類確認部34からの通知によりリモートエンジンスタートボタン27が操作されたことを確認すると、変調方式をAMに設定する要求としてAM設定要求Sk2を変調回路30に出力し、電波発信動作の変調方式をAM変調に設定する。これにより、リモートエンジンスタート動作における電子キー2の電波発信がAM変調により実行される。
また、電子キー2は、リモートエンジンスタートボタン27が操作された際、電子キー2の固有IDであるIDコードと、リモートエンジンスタート動作の実行を要求する機能コードとしてリモートエンジンスタート実行要求コードとを含んだリモートエンジン始動要求信号Swdを車両1に発信する。なお、解錠要求信号Swbも、車両1がポーリングのタイミングで受信可能となるように、連続して複数発信される。また、コードフォーマット設定部36は、このリモートエンジン始動要求信号Swdの発信原データを、マンチェスター符号に準じたコードフォーマット、即ち「0」及び「1」の2値情報がともにデューティ比50%から構築されたデータ群により生成する。
このとき、電波出力電界設定部39は、変調回路30によってAM変調された後の発信原データDhk(即ち、AM電波Samの元データ)がアンプ31で増幅される際、アンプ31のゲインを高い側にコントロールすることにより、AM電波Samのピーク電界強度を、FCC規定の範囲内で最大まで高くする。これにより、最終的にRF発信アンテナ32から発信されるAM電波Samの発信エリアが通常よりも広くなり、車両1における同電波Samの受信感度を向上させることが可能となる。
照合ECU4は、ポーリングでAM受信準備動作をとるときに、このリモートエンジン始動要求信号Swdを受信する。そして、照合ECU4は、リモートエンジン始動要求信号Swd内に含まれるIDコードを照合し、ID照合が成立すれば、同じ信号Swd内に含まれるリモートエンジンスタート実行要求コードに従って動作することにより、リモートエンジンスタート動作の実行を開始する。なお、カーファインダボタン28の操作時に発信されるカーファインダ実行要求信号Sweも、リモートエンジンスタートボタン27のときと同様の動作の流れを経て、AM変調によって電子キー2から発信される。
ここで、例えば図8に示すように、ワイヤレス通信の通信環境下に、AM電波Samに影響を与える妨害ノイズが発生している場合を想定する。このときは、電子キー2でリモートエンジンスタートボタン27やカーファインダボタン28が操作されて電子キー2からAM電波Samが発信されても、これらは妨害ノイズによって掻き消されて車両1まで至らないので、これら機能が動作しない。よって、ユーザは、これらボタン27,28を繰り返し操作しても、車両1が動作しないことを以て、通信環境下に対AMノイズが発生していることを認識し、今度はボタンの長押し動作に入る。
長押し操作監視部54は、AM出力用ボタンであるリモートエンジンスタートボタン27やカーファインダボタン28の押下操作を確認すると、このときのボタン押下時間Tkを自身のカウンタにより計時する。そして、長押し操作監視部54は、計時したボタン押下時間Tkからボタンの長押し操作を認識すると、ボタン長押し操作有りの通知を変調方式強制切換部55に通知する。
変調方式強制切換部55は、長押し操作監視部54からボタン長押し操作有りの通知を受け付けると、ボタン長押し操作時のAM電波Samの発信完了からの経過時間Tsが一定時間を経ていることを条件に、変調方式をAM変調からFM変調の電波発信に強制切り換え、電波発信をFM電波Sfmによって実行させる。なお、このようにボタン押下操作の最初のAM電波Samの電波発信完了からの経過時間Tsが一定時間を経たか否かを見るのは、電波発信の法規に、次の電波発信は前の電波発信が終了してから一定時間後に許可するという規定が存在するからである。また、このFM発信の動作は、スマート動作やワイヤレス施解錠動作等のときと同様の動作形式をとる。
続いて、電子キー2(通信制御部11)が変調方式強制切換機能を実行する際にとる動作を図9のフローチャートに従って説明する。なお、このフローチャートは、AM出力用の操作ボタン(リモートエンジンスタートボタン27、カーファインダボタン28)が操作されたことを条件に実行される。
ステップ100では、AM電波Samの発信動作を実行する。例えば、リモートエンジンスタートボタン27が操作された際には、電子キー2からリモートエンジン始動要求信号SwdがAM変調によって発信され、カーファインダボタン28が操作された際には、電子キー2からカーファインダ実行要求信号SweがAM変調によって発信される。
ステップ101では、AM電波Samの発信時間が自動停止時間に至ったか否かを判断する。即ち、AM電波Samは一定時間の間において発信されるので、AM電波Samの発信動作が完了したか否かが判定される。ここで、AM電波Samの発信時間が自動停止時間に至っていなければ、ステップ100に戻ってAM電波Samの発信動作を継続し、AM電波Samの発信時間が自動停止時間に至っていれば、AM電波Samの発信動作を終了して、ステップ102に移行する。
ステップ102では、AM出力用の操作ボタンが操作されているか否か、即ちボタン操作が継続されているかを判断する。AM出力用の操作ボタンの操作が継続されていない場合には、フローチャートの実行を終了し、AM出力用の操作ボタンの操作が継続されている場合には、ステップ103に移行する。
ステップ103では、AM出力用の操作ボタンのボタン押下時間Tkが、ボタン長押しの判定基準である長押し判定値Taを超えたか否か(Tk>Taが成立するか否か)を判断する。ここで、ボタン押下時間Tkが長押し判定値Taに達しない場合には、ステップ102に戻ってボタン長押しの継続を監視し、ボタン押下時間Tkが長押し判定値Taに達した場合には、ステップ104に移行する。
ステップ104では、AM電波Samの発信が停止してからの経過時間Tsが、この判断時の基準値である時間判定値Tbを超えたか否か(Ts>Tbが成立するか否か)を判断する。ここで、経過時間Tsが時間判定値Tbに達しない場合には、ステップ104で待機して経過時間Tsが時間判定値Tbを超えるのを待ち、経過時間Tsが時間判定値Tbに達した場合には、ステップ105に移行する。
ステップ105では、電波発信をそれまでのAM変調ではなく、FM変調により実行する。なお、FM電波Sfmは、コードフォーマットが通常の2進符号をとりつつ、出力電界強度はAM変調のときよりも下げられた形式で発信される。
従って、本例においては、例えばワイヤレス通信の通信環境下に対AM変調の妨害ノイズが発生していて、発信電波をAM変調で出力する操作ボタン(リモートエンジンスタートボタン27、カーファインダボタン28)を操作してもシステムが作動しない場合であっても、ボタン長押し操作によって発信動作をFM変調に切り換えて、ワイヤレス通信を確立させる。これにより、ワイヤレス通信が成立してシステムが動作実行に入るので、システムを問題無く動作させることが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)AM出力用の操作ボタン(リモートエンジンスタートボタン27、カーファインダボタン28)が長押し操作された際には、変調方式がそれまでのAM変調からFM変調に強制切り換えされて、ワイヤレス通信が実行される。このため、もし仮にワイヤレス通信の通信環境下にAM変調に影響を及ぼす妨害ノイズが発生していても、操作ボタンが長押し操作されれば、妨害ノイズに影響を受けないFM変調によりワイヤレス通信が実行されるので、この際のボタン操作に基づくワイヤレス通信を成立させることができる。よって、妨害ノイズ発生環境下でもワイヤレス通信を成立させられるので、通信成立の信頼性を高いものとすることができる。
(2)電波発信の変調方式を切り換えるのに必要な操作条件をボタンの長押し操作としたので、操作ボタンを押し操作した際、このボタンをそのまま操作継続するという一連の動作によって、変調方式の切り換えが可能となる。このため、発信電波の変調方式の切り換えに際して、ボタンを操作し直さずに実行することが可能となるので、簡単で楽な操作によって発信電波の変調方式を強制切り換えすることができる。
(3)変調方式を強制切り換えする際、耐ノイズ性が高いという通信特性を持つFM変調に設定されるので、強制切り換え後はワイヤレス通信をノイズに強い通信により実行することができる。
(4)AM変調とFM変調とを比較した場合、AM変調は振幅の変化で表現されることから電波波形が間欠的に表れるのに対し、FM変調は周波数変化で表現されることから電波は係が常時表れる。よって、AM変調時の発信電波がFCC規格の最大値で発信される場合、もし仮に発信電波の変調方式を単にFM変調に切り換えただけでは、FM変調時の発信電波はその出力電界強度がFCC規格の上限を超えてしまうことになる。しかし、本例は、変調方式をAM変調からFM変調に切り換えた際に、発信電波の出力電界強度を落とすので、FCC規格の出力制限を違反させずに済む。
(5)電子キー2から発信されるRF電波に持たせたい特性として、電界強度が若干低くても耐ノイズ性を確保したいというニーズが高いスマート動作、ワイヤレス施錠動作、ワイヤレス解錠動作、パワースライド開閉動作の場合には、耐ノイズ性が高い特性を持つFM変調が使用され、一方でRF電波の通信エリアを広げて感度を上げたいというニーズが高いリモートエンジンスタート動作、カーファインダ動作の場合には、発信電波のピーク電界強度を上げたAM変調が使用される。このため、各通信動作において各々が必要とする通信特性に従って無線通信を実行することが可能となるので、各通信動作における通信成立の信頼性を高いものとすることができる。
(6)電子キー2の電波発信をAM変調する場合、AM変調において振幅が低くなる部分を新たなパワーとして出力を上乗せすることにより、電子キー2における発信電波の出力電界強度を向上させる。このため、FCC規格の制限内で発信電波の電界強度を上昇させることが可能となるので、FCC規格を違反することなく電子キー2の通信範囲を広くとることができる。
(7)本例の発信電波変調方式切換システム29を電子キーシステム3に採用したので、電子キーシステム3が持つ各種動作を、各動作において所望する通信特性により無線通信を実行することが可能となる。よって、本例の電子キーシステム3を機能性の高いものとすることができる。
(8)AM電波Samの元データである発信原データDhkを、「0」及び「1」の2値情報がともにデューティ比50%となるようなコードフォーマットで出力する。このため、AM電波Samの出力電界強度(出力電界強度ピーク値)を向上させる際、「0」及び「1」の両方で出力電界強度ピーク値を高い値に設定することが可能となるので、電子キー2のAM電波Samにおいてその出力電界強度をより高く設定することができる。よって、電子キー2のAM発信時において、通信範囲をより広くとることができる。
(9)FM変調時はFM電波Sfmを通常の2進符号のデータで発信するので、FM変調時時には発信原データDhkをマンチェスター符号化する必要がない。このため、FM発信時には、その分だけデータ処理数を少なく抑えることが可能となるので、FM発信時の通信時間を短く抑えることができる。
(10)電子キー2に発信動作種類確認部34や変調方式設定部35を設けることにより変調方式の設定機能を電子キー2側に設けたので、本例の発信電波変調方式切換システム29を、電子キー2が主体となって変調方式を設定するシステムとすることが可能となる。よって、この種の機能を車両1側に設ける必要がないので、車両1の構造が複雑化せずに済む。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・ 変調方式の切り換え条件は、必ずしも電子キー2におけるボタンの長押し操作に限定されない。例えば、電子キー2に設けられた各種ボタンを、所定の順序及び回数で操作することを条件としてもよい。
・ 変調方式の切り換えは、単にボタンの長押しだけを条件とするものでもよい。
・ 電子キー2の変調方式の切り換わりは、例えば電子キー2において操作ボタンが所定の順序及び回数で操作されると、電子キー2自体が切り換わりモードとなり、AM出力用の操作ボタンが全てFM出力に切り換わる形式のものでもよい。
・ 変調切り換えは、実施形態で述べたようなAM→FMに限定されず、例えばAM→PM(Phase Modulation)でもよいし、或いは予めとる変調方式がFMの場合は、FM→AMでもよい。
・ 変調方式がAM変調からFM変調に強制切り換えされた際、発信電波の出力電界強度を必ずしも下げることに限定されず、この処理を省略してもよい。
・ AM発信時における発信原データDhkのコードフォーマットは、デューティ比が「0」及び「1」の2値情報ともに50%(マンチェスター符号)をとるものに限定されない。例えば、「0」はデューティ比50%で、「1」は1周期の1/4がHレベルをとるパルスなど、フォーマットは適宜変更可能である。
・ FM変調時は、必ずしも通常の2進符号のコードフォーマットのデータを用いることに限定されず、例えばAM変調時と同様に、マンチェスター符号に準じたコードフォーマットからなるデータを使用してもよい。
・ 変調方式は、必ずしもデジタル変調方式に限らず、アナログ変調方式やパルス変調方式を採用してもよい。
・ 発信電波変調方式切換システム29の主体は、必ずしも電子キー2側に限定されず、これを車両1側としてもよい。この場合の一例としては、例えば車両1が変調方式を指定する指令を電子キー2に無線により送り、電子キー2がこの指令に準じた変調方式で発信動作を行う例が挙げられる。
・ 無線通信の種類は、必ずしもスマート動作、ワイヤレス施錠動作、ワイヤレス解錠動作、パワースライドドア開閉動作、リモートエンジンスタートシステム動作、カーファインダ動作に限定されない。例えば、テールゲート開閉動作など、種々の動作に適用可能である。
・ 電子キー2は、必ずしも車両1と双方向通信(スマート通信)及び単方向通信(ワイヤレス通信)の両方が実行可能であることに限定されず、これら通信の一方のみ実行可能なものでもよい。
・ 双方向通信に準じた車両動作は、必ずしもスマート動作に限定されず、種々の双方向の無線通信に応用可能である。
・ ワイヤレス通信の実行動作は、必ずしもボタン操作を実行トリガとすることに限定されず、種々の操作態様に応用可能である。
・ 変調方式は、必ずしもAM及びFMに限定されず、例えばPM(Phase Modulation)方式を採用してもよい。
・ 無線通信の種類と変調方式(AM、FM)との組み合わせは、実施形態の例に限定されず、適宜変更可能である。
・ 車両1に搭載される変調回路は、AMとFMとで各々個別に設けられるものに限定されず、1つの回路で両方の復調を実行可能なものを使用してもよい。
・ AM発信時においてAM電波Samの電界強度を上昇させる際、この上昇量は必ずしもFCC規格を満たす値に限定されず、適宜変更可能である。
・ 無線通信で使用する電波は、LFやRFに限定されず、種々の周波数が使用可能である。また、スマート通信において往路と復路とで通信周波数を切り換えることに限らず、同じ周波数を使用してもよい。
・ 本例の発信電波変調方式切換システム29は、車両1の電子キーシステム3に使用されることに限定されず、種々の無線通信システムに利用可能である。よって、通信端末は電子キー2であることや、通信相手が車両1であることに限定されず、種々の端末や機器に応用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(1)請求項1〜6のいずれかにおいて、前記設定操作は、前記操作手段の継続操作であり、前記切換手段は、前記継続操作を前記監視手段が確認した際、当該操作手段に予め割り振られていた発信電波の変調方式を他のものに強制切り換えする。この構成によれば、発信電波の変調方式の切換条件を操作手段の継続操作としたので、操作手段を通常よりも長く操作する継続操作という簡単な操作によって、変調方式を切り換えることが可能となる。
(2)請求項5又は6、前記技術的思想(1)において、前記変調方式設定手段は、前記発信電波の変調方式をAM方式及びFM方式のどちらかで設定し、前記出力電界強度切換手段は、前記変調方式がAMに設定された際、発信電波の出力電界強度を高く設定して、前記AM変調時における無線通信を実行する。この構成によれば、AM変調は通信データを振幅の大きさで表現する変調方式であるので、発信電波においてその振幅が低くなる分だけ、FM変調よりも発信電波の出力電界強度を上乗せすることが可能である。このため、もし仮に発信電波の出力電界強度の上限が通信規格によって制限されていたとしても、変調方式をFM変調からAM変調に切り換えれば、この通信規格の範囲内において発信電波の出力電界強度を向上することが可能となるので、通信規格を違反することなく通信範囲の広範囲化を図ることが可能となる。
(3)請求項5又は6、前記技術的思想(1),(2)のいずれかにおいて、前記通信相手を車両とし、前記通信端末を前記車両の電子キーとすることにより、前記車両の電子キーシステムに使用され、前記変調方式設定手段は、車両ドアの施錠を伴うシステムに関係する発信電波を発信する際、変調方式としてFM方式を使用し、車両ドアの施錠を伴わないシステムに関係する発信電波を発信する際、変調方式としてAM方式を使用する。この構成によれば、本構成の発信電波変調方式切換システムを電子キーシステムに採用したので、選択実行する無線通信の種別に合わせて通信範囲が広範囲をとったり、或いは対ノイズ性の高いものとなったりするように、無線通信の種別に合わせて必要となる通信特性を持ったものに通信特性が切り換わる電子キーシステムを提供することが可能となる。
(4)請求項1〜6、前記技術的思想(1),〜(3)のいずれかにおいて、前記発信電波の発信原データを、2値情報がともにデューティ比50%のデータ列で出力するデータ出力手段を備えた。この構成によれば、この構成によれば、発信電波の出力電界強度ピーク値を高くとった際、その電界強度上昇分を例えば約2倍程度とることが可能となるので、発信距離も約2倍程度に広くすることが可能となる。
(5)請求項1〜6、前記技術的思想(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記変調方式は、2値情報を変調して無線発信させるデジタル変調である。この構成によれば、通信成立の信頼性が高いデジタル変調方式を提供することが可能となる。
(6)請求項1〜5、前記技術的思想(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記受信処理手段は、一電波を取り込む動作として前記変調方式ごとに受信準備動作をとり、当該動作を複数種に亘る変調方式の種類毎に実行することにより、複数種に亘る前記変調方式の発信電波が受信可能となっている。
(7)通信端末がその通信相手と無線通信を実行する際に動作する発信電波変調方式切換方法において、前記通信端末に設けられた電波発信用の操作手段で、変調方式を強制切り換えすべき設定操作が実行されたか否かを監視し、前記設定操作があったことを前記監視手段が確認した際、前記通信端末に予め割り振られていた発信電波の変調方式を他のものに強制切り換えすることを特徴とする発信電波変調方式切換方法。
1…通信相手としての車両、2…通信端末としての電子キー、3…電子キーシステム、24〜28…操作手段としての各種ボタン、29…発信電波変調方式切換システム、30…変調方式設定手段を構成する変調回路、31…出力電界強度切換手段を構成する可変式アンプ、34…発信電波種類確認手段としての発信動作種類確認部、35…変調方式設定手段を構成する変調方式設定部、39…出力電界強度切換手段を構成する電波出力電界設定部、46,47…受信処理手段を構成する復調回路、48,49…受信処理手段を構成するスイッチ、52…受信処理手段を構成するコンパレータ、53…受信処理手段を構成する電波受信処理部、54…監視手段としての長押し操作監視部、55…切換手段としての変調方式強制切換部、Eod,Emax…出力電界強度ピーク値。

Claims (7)

  1. 通信端末がその通信相手と無線通信を実行する際に動作する発信電波変調方式切換システムにおいて、
    前記通信端末に設けられ、当該通信端末の電波発信用の操作手段において、変調方式を強制切り換えすべき設定操作が実行されたか否かを監視する監視手段と、
    前記通信端末に設けられ、前記設定操作があったことを前記監視手段が確認した際、前記通信端末に予め割り振られていた発信電波の変調方式を他のものに強制切り換えて発信動作を実行する切換手段と
    を備えたことを特徴とする発信電波変調方式切換システム。
  2. 前記設定操作は、前記操作手段の継続操作であり、前記切換手段は、前記操作手段が操作されて、予め割り振られていた変調方式での電波発信が行われた後、前記操作が続けられて該操作が前記継続操作となった際に、今度は変調方式を他のものに切り換えて前記発信電波を再発信することで、発信電波の変調方式を強制切り換えすることを特徴とする請求項1に記載の発信電波変調方式切換システム。
  3. 前記切換手段は、前記設定操作があったことを前記監視手段が確認した際、変調方式をそれまでのAM変調からFM変調に強制切り換えすることを特徴とする請求項1又は2に記載の発信電波変調方式切換システム。
  4. 前記変調方式の切り換え前後で前記発信電波の出力電界強度ピーク値を切り換え可能な出力電界強度切換手段を備え、
    前記出力電界強度切換手段は、前記切換手段が変調方式をAM変調からFM変調に切り換えた際、AM変調のときに上昇させていた前記発信電波の出力電界強度ピーク値を下げて、当該FM変調による発信動作を実行させることを特徴とする請求項3に記載の発信電波変調方式切換システム。
  5. 前記通信端末が前記通信相手と無線通信する際のその種別を確認する発信電波種類確認手段と、
    前記無線通信の変調方式を当該無線通信の種別に応じたものに設定する変調方式設定手段と、
    前記無線通信の変調方式に応じて無線通信の出力電界強度ピーク値を可変可能な出力電界強度切換手段と、
    前記通信相手に設けられ、前記発信電波がどの種類の変調方式をとっていても、当該発信電波の受信を許容する受信処理手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発信電波変調方式切換システム。
  6. 前記通信相手を車両とし、前記通信端末を前記車両の電子キーとすることにより、前記車両の電子キーシステムに使用されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の発信電波変調方式切換システム。
  7. 通信相手と無線通信が可能であるとともに、電波発信用の操作手段を持った通信端末において、
    変調方式を強制切り換えすべき設定操作が前記操作手段で実行されたか否かを監視する監視手段と、
    前記設定操作があったことを前記監視手段が確認した際、前記通信端末に予め割り振られていた発信電波の変調方式を他のものに強制切り換えする切換手段と
    を備えたことを特徴とする通信端末。
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