JP2010219448A - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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Tamotsu Horiuchi
保 堀内
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Abstract

【課題】光電変換効率を十分に向上し得るマルチバンド有機薄膜型太陽電池を提供しようとすること。
【解決手段】 少なくとも一方が光透過性である二つの電極の間に、光電変換層を備えて形成される太陽電池において、光電変換層はバンドギャップエネルギーEg14、バンドギャップエネルギーEg12、バンドギャップエネルギーEg34の少なくとも3種類の大きさのバンドギャップエネルギーを示し、Eg14、Eg12、Eg34はEg14>Eg12、Eg14>Eg34かつ、Eg14<Eg12+Eg34、|Eg1|>|Eg2|、|Eg3|>|Eg4|、|Eg2|<|Eg3|、Eg1>Eg3となる関係を含んでいることを特徴とする太陽電池。
(Eg1 Eg2 Eg3 Eg4は、E-k空間においてk空間を無視したエネルギー準位の、絶対的な、おおよその値を示す)
【選択図】図2

Description

本発明は、有機半導体を用いた有機薄膜太陽電池に関するものである。
有機薄膜太陽電池は、従来のシリコンや化合物半導体太陽電池と比較して、簡便な製法と低い設備コストで製造することができるため、将来の低コスト太陽電池として期待されているが、まだ変換効率、信頼性とも低く、基本的な動作メカニズムの解明とそれに基づく新たなデバイス構造、材料の開発が必要とされている。
この有機薄膜太陽電池としては、最初にp型及びn型有機半導体によるpnヘテロ接合型のものが試作された。このものにおいて、有機半導体は光吸収によって電子・正孔ペアの束縛力が強い励起子(エキシトン)を形成し、これがpn接合の界面に拡散移動して、界面に存在する強い電界によって、電子と正孔に電荷分離し、電子と正孔がそれぞれ異なる電極に輸送されて、起電力を発生するものである。
しかし、このときのエキシトンの拡散長は数十nm前後と短いため、実際にはpn接合界面から数十nmの距離の範囲内にある領域しか、有効にキャリア生成が行なわれず、変換効率は非常に低いものであった。
その後、p型有機半導体(ドナー)とn型有機半導体(アクセプタ)とをブレンドし、pn接合面をナノオーダで薄膜全体に分散させるようにしたバルクヘテロジャンクション技術の開発が一つの大きなブレークスルーとなり、有機薄膜太陽電池の変換効率がそれまでと比べ大きく向上した。
図1にこれまでに開発された代表的なバルクヘテロジャンクション構造の有機薄膜太陽電池を示す(例えば非特許文献1参照)。図1において(15)はp型有機半導体、(16)はn型有機半導体であり、(3)はこのp型有機半導体(15)とn型有機半導体(16)がブレンドされた光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)である。
光電変換層(3)においてp型有機半導体(15)とn型有機半導体(16)がナノオーダで分散している。また(1)は透明電極、(2)は金属電極であり、この二つの電極(1),(2)の間に光電変換層(3)を配置した層構成で透明基板(12)の表面に積層することによって、有機薄膜太陽電池を形成するようにしてある。
この構造の有機薄膜太陽電池では、光を吸収して発生したエキシトンEがナノオーダの拡散移動ですぐにpnの界面に到達し、電荷分離を起こして、電子eはn型有機半導体1(6)が偶然につながったキャリアパスを通って電極2へ、正孔hはp型有機半導体(15)のキャリアパスを通って反対側の電極1へ輸送され、起電力を発生するものである。また光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)(3)をp型有機半導体層(17)とn型有機半導体層(18)の間にサンドイッチすることによって、光電変換層(3)で発生したキャリアをp型有機半導体層(17)とn型有機半導体層(18)の2層で形成される内蔵電界により、さらに効率良く収集することができる。この構造は光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)(3)が中性的な役目をするため、pin型と呼ばれることがある。さらに、正孔輸送層(10)や電子輸送層(11)を挿入することにより、キャリアの選択的輸送、再結合の低減を図り、さらなる高効率化が図られている。
上記のような有機薄膜太陽電池において、バルクヘテロジャンクション層として形成される光電変換層(3)を成膜法で分類した場合、主として低分子系材料を用いる蒸着法と、主として高分子系材料を用いる塗布法がある。蒸着法は、p型有機半導体とn型有機半導体の2種の材料を同時に蒸着(共蒸着)することで、バルクヘテロジャンクション層として光電変換層(3)を形成することが可能であり、上記の図1のpin構造のように各々異なる機能を備えた薄膜を多層化して形成できることが特徴である。一方、塗布法は、可溶性のあるドナー材料(p型有機半導体)やアクセプタ材料(n型有機半導体)を溶剤に溶かして塗布する方法であるため、蒸着法よりもpn接合界面を均一分散させ易いという特徴がある。しかし、いずれにしてもまだ変換効率が低く、光吸収から電荷分離、キャリア輸送まで発電に寄与するすべてのプロセスを改善していかなければならないのが現状である
一方、太陽光は、紫外線、可視光線、赤外線と幅広いスペクトルを含むが、単一の光電変換セルを持つ太陽電池では、ある波長域の光のみを電気に変換する。
具体的には、アモルファスタイプの光電変換層(例えばp−n接合を持つ光電変換層)を有する太陽電池では、400〜600nm付近の可視光線を電気に変換する。結晶質タイプの光電変換層(例えばp−n接合を持つ光電変換層)を有する太陽電池では、840〜1100nm付近の赤外線を電気に変換する。このため、太陽光の波長とのミスマッチにより太陽電池の光電変換効率の低下要因になっている。
このようなことから、バンド幅の異なる(吸収波長帯域の異なる)光電変換セルを複数重ねた、いわゆるタンデム形太陽電池が研究されている。例えば、成分組成の異なるアモルファスシリコン光電変換層を有する光電変換セルを2つ重ねたタンデム形太陽電池が発表されている。
しかしながら、前記2つの光電変換セルを重ねたタンデム形太陽電池は、単一のアモルファスシリコン光電変換層を有する太陽電池に比べて光電変換し得る太陽光の波長帯域が広がるものの、その広がり度合が小さいために十分な光電変換効率の向上を期待できない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、光電変換効率を十分に向上し得るマルチバンド有機薄膜型太陽電池を提供しようとするものである。
本発明は、光電変換材料例えばSn or Pd-ポルフィリン(但し、該ポルフィリン材料に限らない)内を電荷移動する間にもう一度励起をおこなう広義の2光子反応であり、これは、IR領域の吸収により確認される。而して、本発明者らは、上記のような知見を基にして、検討を重ね、本発明に到達した。
したがって、上記課題は本発明の(1)「「少なくとも一方が光透過性である二つの電極の間に、光電変換層を備えて形成される太陽電池において、光電変換層はバンドギャップエネルギーEg14、バンドギャップエネルギーEg12、バンドギャップエネルギーEg34の少なくとも3種類の大きさのバンドギャップエネルギーを示し、Eg14、Eg12、Eg34はEg14>Eg12、Eg14>Eg34かつ、Eg14<Eg12+Eg34、|Eg1|>|Eg2|、|Eg3|>|Eg4|、|Eg2|<|Eg3|、Eg1>Eg3となる関係を含んでいることを特徴とする太陽電池。
(Eg1 Eg2 Eg3 Eg4は、E-k空間においてk空間を無視したエネルギー準位の、絶対的な、おおよその値を示す」、
(2)「光電変換層が励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有していることを特徴とする前記第(1)項に記載の太陽電池」、
(3)「光電変換層はバンドギャップエネルギーEg14に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と、電子受容性の薄膜、および励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有している、バンドギャップエネルギーEg12に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜層を一組の記録層として、このような記録層が一組以上積層されていることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の太陽電池」、
(4)「バンドギャップエネルギーEg14に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜の間に中間層が設けられていることを特徴とする前記第(3)項に記載の太陽電池」、
(5)「前記、バンドギャップエネルギーEg12に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜の間に、中間層が設けられていることを特徴とする前記第(3)項または第(4)項に記載の太陽電池」、
(6)「励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有している層、バンドギャップエネルギーEg12に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜、とを繰り返し積層した多層膜を含んで形成されていることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の太陽電池」、
(7)「光電変換層の、各薄膜の膜厚が10nm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の太陽電池」、
(8)「電子供与性の有機半導体薄膜が、環状化合物を直線状に結合した有機半導体分子よりなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の太陽電池」、
(9)「電子受容性の薄膜が、フラーレン又はフラーレン化合物よりなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の太陽電池」、
(10)「光電変換層の交互に積層した電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜において、電子供与性の有機半導体薄膜の膜厚が電子受容性の薄膜の膜厚より厚いことを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の太陽電池」、
(11)「電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜とを交互に積層した多層膜が、膜厚10nm以上の電子供与性の有機半導体薄膜と、膜厚10nm以上の電子受容性の薄膜の間に挟まれていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の太陽電池」、
(12)「上記多層膜を形成する電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜との間に、この電子供与性の有機半導体薄膜よりバンドギャップが小さい電子供与性の有機半導体薄膜からなる中間層が挟まれていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の太陽電池」、
(13)「上記多層膜を形成する電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜との間に、この電子受容性の薄膜よりバンドギャップが小さい電子受容性の有機半導体薄膜からなる中間層が挟まれていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の太陽電池」、
(14)「上記励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料がルブレン系材料であることを特徴とする前記第(1)乃至第(13)項のいずれかに記載の太陽電池」により解決される。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、少なくとも一方が光透過性である二つの電極の間に、光電変換層を備えて形成される太陽電池において、光電変換層は、図6に模式的に示されるように、バンドギャップエネルギーEg14、バンドギャップエネルギーEg12、バンドギャップエネルギーEg34の少なくとも3種類の大きさのバンドギャップエネルギーを示すことにより、紫外線、可視光線、赤外線と幅広いスペクトルを吸収することができ、太陽光の波長とのミスマッチによる太陽電池の光電変換効率の低下を防止することができる。
また、光電変換層は、Eg14、Eg12、Eg34がEg14>Eg12、Eg14>Eg34かつ、Eg14<Eg12+Eg34、|Eg1|>|Eg2|、|Eg3|>|Eg4|、|Eg2|<|Eg3|、Eg1>Eg3となる関係を含んでいることにより、エネルギーバンドギャップEg34に対応した励起は、価電子帯からの励起ではなく、たとえば、Eg2よりのチャージ転移、エネルギー転移、または光誘起電荷移動であったり、またはEg1→Eg2への励起であるため、アインシュタインースモルコフスキーの式に従った、励起が起き、量子収率が上がり、光電変換効率が向上できる、という極めて優れた効果を奏するものである。
従来のバルクヘテロジャンクション型有機薄膜太陽電池の概略断面図である。 本発明の実施の形態の一例を示す有機薄膜太陽電池の概略断面図である。 本発明の他の実施の形態の一例を示す有機薄膜太陽電池の概略断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の一例を示す有機薄膜太陽電池の概略断面図である。 同上の光電変換層の発電のメカニズムを示すものであり、(a)は光電変換部の拡大断面図、(b)はエネルギーバンド構造を示す図である。 本発明におけるエネルギーバンドギャップの相互関係を模式的に示す図である。 本発明のさらに他の実施の形態の一例を示す有機薄膜太陽電池の概略断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の一例を示す有機薄膜太陽電池の概略断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図2は本発明に係る有機薄膜太陽電池の層構成の一例を示すものであり、透明基板(12)の片面に、電極(1)、正孔輸送層(10)、光電変換層(3)、電子輸送層(11)、電極(2)の順に積層してある。電極(1),(2)のうち透明基板(12)の側に積層される電極(1)は光透過性の透明電極として形成してあり、他方の電極(2)は金属電極として形成してある。光電変換層(3)は電子供与性の有機半導体薄膜(4)と電子受容性の薄膜(5)とを交互に積層した多層膜として形成してある。
本発明では、この電子供与性の有機半導体薄膜(4)、すなわちp型有機半導体薄膜(4)を、環状化合物を直線状に結合したp型有機半導体分子によって形成するようにしてある。この環状化合物とは、例えばベンゼン環、チオフェン環等を有する化合物をいうものである。
Figure 2010219448
(式中Ar、Arは、異なっていてもよく、芳香族環電子の吸引性基でない置換基で置換された又は無置換のフエニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピラニジル基、インドリジニル基、イソインドニル基、ピリニル基、キノニル基のような1価のアリル基、又はnが0のとき、Ar、Arは互いの環の一部上に縮合した多環芳香族構造を表わし、Arは、nが2以上のとき異なっていてもよく、電子吸引性基でない置換基で置換された又は無置換のフエニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピラニジル基、インドリジニル基、イソインドニル基、ピリニル基、キノニル基のような1価のアリル基、又は隣接する芳香族環Ar、Ar、Arの一部に結合して該一部と共に芳香族環を形成する基を表わし、Xは、同一でも異なっていてもよく、単結合、アチン基(−CH=、又は=CH−)、又は隣接する芳香族環Ar、Ar若しくはArの一部に結合して該一部と共にArが芳香族環を形成に必要な結合手を表わし、nは0乃至正の整数を表わす。)
そしてベンゼン環を直線状に結合したp型有機半導体分子としては、下記の式(2)で表わされるベンゼン環融合型のアセン系分子化合物(A)、叉は、式(3)で表され芳香族環同士が鎖状に結合した芳香族環−芳香族環結合系化合物(B)を用いることができる。式(2)においてnは2以上の整数であり、式(3)においてnは1以上の整数である。nの上限は特に限定されるものではないが、実用上、式(2)においてはnが6以下、式(3)においてはnが5以下のものであることが望ましい。
該アセン系分子化合物(A)及び芳香族環−芳香族環結合系化合物(B)は、また電荷輸送材料として、n型有機半導体材料、他のp型有機半導体材料と混合使用することができる(後述の実施例参照)。
Figure 2010219448
(式中Arは、置換又は無置換のベンゼン環残基又は該ベンゼン環の一部に縮合して多ベンゼン環を形成するに必要な部位を表し、nは2以上の整数を表わす。)
Figure 2010219448
(式中、Arは置換基を有していても良い一価の芳香族基、Arは置換基を有していても良い1価又は2価値の芳香族基を表し、nは1以上の整数を表わす。)
上記アセン系分子化合物(A)としては、例えばベンゼン環を1軸方向に4個連結させたテトラセン化合物(式(4))、5個連結させたペンタセン(式(5))化合物等を例示することができる。
Figure 2010219448
(式中、Rはアセン芳香族環のp型半導体性を損なわない有機置換基を表わし、mは0〜8の整数を表わす)。
これらのうち、アセン系分子化合物の例としては、つぎのようなものが挙げられるが、テトラセン、ペンタテトラセンは特に好ましく用いられる。
Figure 2010219448
Figure 2010219448
また、前記芳香族環結合系化合物(B)としては、チオフェン環を直線状に結合したp型有機半導体分子として、チオフェン環を1軸方向に4〜12個の範囲で連結させたオリゴチオフェンを用いることができるものであり、例えばチオフェン環の連結数が6個のsexitiophen(式(24))と呼ばれているもの、或いは式(25)で示されるものを用いることができる。セキシチオフエンは特に好ましく用いられる。
Figure 2010219448
これらの直線性分子は、分子凝集エネルギーが大きいので、室温であっても蒸着によって、基板上に高結晶性の薄膜を形成することができるという特徴を有する。
また、電子受容性の薄膜(5)、すなわちn型の薄膜(5)は、n型有機半導体分子によって形成することができるものであり、このn型有機半導体分子としてはフラーレンやフラーレン化合物を用いることができる。フラーレンは構成する炭素の数によって、C60、C70、C82などがあり、またフラーレン化合物はC60、C70等のフラーレンの炭素原子に置換基が結合した化合物であり、いずれのものも使用することができる(以下、フラーレンとフラーレン化合物をあわせてフラーレンという)。
ここで、有機トランジスタの開発においてFETを用いた有機半導体材料の移動度が調べられており、フタロシアニンの移動度は0.02〜0.03cm/Vsであるのに対して、オリゴチオフェンの移動度は0.1〜1cm/Vs、ペンタセンでは1cm/Vsと大きな値が示されている。
そして有機薄膜太陽電池としてこれまで、p型有機半導体のペンタセンとn型有機半導体のフラーレンとのpn接合型の太陽電池の発表例がある(例えばS. Yoo, B. Domercq, B. Kippelem, Applied Physics Letters. Vol 85,No.22 , 29November P.5427(2004))。
このものにおいてペンタセンとフラーレンのヘテロ接合は良好なダイオード特性を示すが、これはバルクヘテロジャンクション型ではない。また本発明者においても、図2に示すようにペンタセン層とフラーレン(C60)層とをヘテロ接合して光電変換層(3)を形成した有機薄膜太陽電池を作製したところ、良好なダイオード特性を示すことを確認している。さらにこのペンタセン/フラーレンのヘテロ接合ダイオードにソーラシミュレータ「AM1.5」で100MW/cmの光を照射して、変換効率を調べたところ、最大で0.9%の効率を示した。
従って、光電変換層の膜全体に亘って、既述の図1に示すようなpn接合界面を分散させるブレンド構造をこのペンタセンとフラーレンの系においても実現することができれば、光電変換層の全体に亘って発生したエキシトンの電荷分離効率を高めることができるものであり、またホール輸送の移動度に優れるペンタセンを用いることができるので、高い変換効率が期待できる。
従来の成膜方法である蒸着法をこの材料系に適用してペンタセンとフラーレンをブレンドした光電変換層を作製する場合、両材料を分散させることは非常に困難である。例えば、従来から知られているフタロシアニン/フラーレンのブレンド層として図1の光電変換層を形成する場合、フタロシアニンとフラーレンを同時に蒸着(共蒸着)することによって、フタロシアニンとフラーレンはナノオーダで分散した光電変換層を形成することができ、正孔・電子のキャリアパスが形成されて高い特性を得ることができる。一方、ペンタセンとフラーレンを同時に蒸着して薄膜を形成する場合、ペンタセンは直線性の分子であるため、ペンタセンは配向して凝集し易く(面方向に百nmオーダで凝集する)、非常に不均一な薄膜が形成され、ペンタセンをフラーレンとナノオーダで分散させることは困難である。その結果、ペンタセンとフラーレンをブレンドした光電変換層を備える図1のような構成の有機薄膜太陽電池は、変換効率が0.03%程度の非常に低い太陽電池特性しか示すに至らない。
上記ではp型有機半導体分子としてペンタセンを用いて説明したが、他のアセン系化合物やオリゴチオフェンも環状化合物を直線状に結合した直線性の分子であるので、同様に配向して凝集し易く、フラーレンなどのn型有機半導体分子とナノオーダで分散させることは難しい。このように、環状化合物を直線状に結合したp型有機半導体分子を用いて、従来の共蒸着法でバルクヘテロジャンクション構造の光電変換層を形成することは困難であると判断される。
そこで本発明では、図5に示したように、p型有機半導体分子で形成される電子供与性の有機半導体薄膜(4)と、n型有機半導体分子で形成される電子受容性の薄膜(5)とを、交互にそれぞれ2層以上の多層で積層した多層膜で、光電変換層(3)を形成するようにしたものである。この薄膜(4)と薄膜(5)はそれぞれ10nm以下の極薄の膜厚で形成されるものであり、半導体の技術分野では一般に超格子構造と呼ばれているものである。薄膜(4)と薄膜(5)は薄い程好ましいが、分子の大きさである1nmが膜厚の下限である。これ以下であると均一な膜ではなくなるので、本発明で必要な動作が得られなくなる。また薄膜(4)と薄膜(5)の積層数も特に限定されるものではないが、各薄膜(4),(5)の各積層数は2〜50層の範囲であることが望ましい。
p型有機半導体の薄膜(4)とn型有機半導体の薄膜(5)とを交互に多層積層して形成した光電変換層(3)の発電のメカニズムを図5に示す。まず、光が入射されると、p型有機半導体の薄膜(4)内又はn型有機半導体の薄膜(5)内で、電子(e)と正孔(h)がペアのエキシトン(E)が発生する。
既述の図1の光電変換層(3)の構造では、エキシトン(E)はランダムに形成されたpn接合界面まで拡散移動して、電荷分離を起こすが、図5(a)のようにp型とn型の薄膜(4),(5)が交互に積層されている場合は、規則正しく交互に形成されたpn接合界面まで拡散移動して、電荷分離が起こる。図1の光電変換層(3)のようにp型有機半導体とn型有機半導体がランダムな構造の場合、ある単位体積内でのpn接合界面の存在確率にばらつきがあり、界面までの移動距離が長くなった場合、到達するまでの再結合確率が大きくなるが、図2(a)のようにp型有機半導体薄膜(4)とn型有機半導体薄膜(5)が交互に積層した構造では、pn接合界面をあらかじめ設計したとおりのナノオーダのサイクルで存在させることができるので、すべてのエキシトン(E)は、確実にpn接合界面に到達し、ほぼ100%電荷分離に至らせることが可能である。
次に、このように電荷分離して生成された電子(e)、正孔(h)を電極(1),(2)まで輸送しなければならない。光電変換層(3)が図1の構造の場合、偶然に繋がったキャリアパスを通って電極へ輸送されるが、キャリアパスはランダムに形成されているため、電極(1),(2)まで繋がっている場合は、電子(e)、正孔(h)は到達するものの、キャリアパスが途中で切れている場合は、そこで失活して、電極(1),(2)までは輸送されない。これに対して本発明の図5(a)の構造の場合、キャリアパスはなく、キャリアは薄膜(4),(5)の多層膜を垂直方向に走らなければならない。図5(b)に本発明の太陽電池構造のエネルギーバンド図を示すように、各pn接合部にポテンシャル障壁があり、キャリアはこの障壁を乗り越えていかねばならないが、ここで各薄膜(4),(5)の膜厚は10nm以下であるので、電子(e)はこの障壁をトンネル効果により透過することができる。従って、本発明のように光電変換層(3)を極薄の薄膜(4),(5)で形成することによって、電荷分離して生成された電子(e)、正孔(h)を電極(1),(2)まで確実に輸送することができるものである。
また、既述のようにp型有機半導体分子としてフタロシアニンを用いたバルクヘテロジャンクション型の有機薄膜太陽電池は、共蒸着法で非常に均一にナノオーダで分散した光電変換層を得ることができるが、逆に本発明の光電変換層のような薄膜を交互積層した超格子構造の場合にはバルクヘテロジャンクションの効果が期待できない。これはフタロシアニンは平面状の分子構造であり、またキャリア移動度が低いため、数分子層程度の超薄膜では、膜の密度が面方向で均一性になっていることと、キャリアがポテンシャル障壁を越えるとき再結合し易いこと等がその原因であると考えられる。
一方、本発明のようにペンタセン等の環状化合物が直線状に結合されたp型有機半導体分子とフラーレン等のn型有機半導体分子で超格子構造を形成する場合、環状化合物が直線状に結合された直線分子は蒸着したときに凝集、配向し易いので、どのような下地の上に蒸着しても容易に配向して極薄の膜を形成することができるものである。そして本発明ではこのような材料の組合せで、電荷分離効率の向上と合わせて、明確なpn接合界面の形成と、p型有機半導体材料の高い移動度とにより、超格子構造での高いキャリア輸送性を得ることができるものであり、高変換効率の有機薄膜太陽電池を得ることができるものである。
なお、本発明において光電変換層(3)をp型有機半導体の薄膜(4)とn型有機半導体の薄膜(5)を交互に積層して形成するにあたって、p型有機半導体薄膜(4)の膜厚とn型有機半導体薄膜(5)の膜厚は同じ膜厚に形成してもよいが、p型有機半導体薄膜4の膜厚をn型有機半導体薄膜(5)の膜厚よりも厚く形成することによって、太陽電池特性をより向上することができる。これは、p型有機半導体薄膜(4)を形成する、ペンタセンやオリゴチオフェンなどの環状化合物を直線状に結合した有機半導体分子は、n型有機半導体薄膜(5)を形成するフラーレンなどよりも、光吸収が多く、移動度が高いため、光吸収とキャリア輸送の両面が向上したことによるものと考えられる。このようにp型有機半導体薄膜(4)の膜厚をn型有機半導体薄膜(5)の膜厚よりも厚く形成する場合、特に限定されるものではないが、1倍を超え、4倍以下の範囲で厚みを厚く形成するようにするのが好ましい。
図8は本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、p型有機半導体の薄膜(4)とn型有機半導体の薄膜(5)とを交互に積層した光電変換層(3)を、膜厚10nm以上の電子供与性の有機半導体薄膜(6)、すなわち膜厚10nm以上のp型有機半導体薄膜(6)と、膜厚10nm以上の電子受容性の薄膜(7)、すなわち膜厚10nm以上のn型有機半導体薄膜(7)の間に挟んで、pin型に形成するようにしたものである。p型有機半導体薄膜(6)は光電変換層(3)と正孔輸送層(10)の間に、n型有機半導体薄膜(7)は光電変換層(3)と電子輸送層(11)の間に、それぞれ配置されるものであり、その他の構成は図1のものと同じである。p型有機半導体薄膜(6)やn型有機半導体薄膜(7)の膜厚の上限は特に限定されないが、実用的には100nm程度が上限である。
このものにあっては、p型有機半導体薄膜(6)とn型有機半導体薄膜(7)の間に内蔵電界が発生し、これがキャリア輸送効率を向上させることができるため、変換効率をさらに高めることができるものである。p型有機半導体薄膜6やn型有機半導体薄膜7がなくても、光透過性電極(1)と金属電極(2)の間に仕事関数の差があれば、それによって生じる内蔵電界によって同様に動作させることが可能であるが、上記のようなpin型の場合、p型有機半導体薄膜(6)やn型有機半導体薄膜(7)で発生したエキシトンも接合界面付近で発生したエキシトンを有効利用することができ、両キャリアの輸送層として働き、電圧、形状因子向上させる効果があり、変換効率をより高めることが可能になるものである。
有機薄膜太陽電池をさらに高効率化するためには、発生電流、発生電圧ともに向上させることが必要である。そこで図4の実施の形態では、光電変換層(3)を形成する電子供与性のp型有機半導体の薄膜(4)と電子受容性のn型有機半導体の薄膜(5)とを交互に積層した多層膜において、p型有機半導体薄膜(4)と電子受容性のn型有機半導体薄膜(5)の間に、このp型有機半導体薄膜(4)よりバンドギャップが小さいp型の有機半導体薄膜からなる中間層又は、このn型有機半導体薄膜(5)よりバンドギャップが小さいn型有機半導体薄膜からなる中間層(8)を挟み、p型有機半導体薄膜(4)とバンドギャップが小さい有機半導体薄膜の中間層(8)と電子受容性のn型有機半導体薄膜(5)の三層を繰り返して積層することによって、さらに効率の向上を行なうようにしている。この低バンドギャップの中間層(8)の膜厚は特に限定されるものではないが、1〜10nmの範囲が好ましく、より好ましくは2〜4nmである。
上記のような中間層(8)を有する光電変換層(3)の発電のメカニズムを図5に示す。図5では、p型有機半導体薄膜(4)とn型有機半導体薄膜(5)の間に、p型有機半導体薄膜(4)よりバンドギャップが小さいp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)を挟み、この三層を繰り返し積層して光電変換層(3)を形成するようにしてある。このものにあって、光が照射されると、p型有機半導体薄膜(4)やn型有機半導体薄膜(5)での光吸収に加え、低バンドキャップのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)が長波長の光を吸収するため、より広い範囲の波長を吸収することができる。次に、光吸収により励起されたエキシトン(E)は、拡散移動又は、光電変換層(3)を挟むp型有機半導体薄膜(6)とn型有機半導体薄膜(7)によって生じる内蔵電界によって移動し、p型有機半導体薄膜(4)とn型有機半導体薄膜(5)の界面或いは、低バンドギャップのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)とn型有機半導体薄膜(5)の界面に到達すると、電荷分離を起こし、電子、正孔のキャリアが発生する。そしてこれらの各薄膜は10nm以下と十分に薄いため、キャリアはトンネル現象により、障壁層を透過して輸送され、各々の電極(1),(2)に到達する。ここで、p型有機半導体薄膜(4)はキャリア輸送性に優れる環状化合物を直線状に結合した有機半導体分子で形成されていないと、上述のような超格子動作をしないが、低バンドギャップのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)は、このような直線状の分子に限らず、例えば長波長光吸収に優れる平面型分子である金属フタロシアニン等を用いて形成することができる。
図5の例では、p型有機半導体薄膜(4)、低バンドギャップのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)、n型有機半導体薄膜5の順に繰り返して積層するようにしたが、低バンドギャップのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)、p型有機半導体薄膜(4)、n型有機半導体薄膜(5)の順に繰り返して積層するようにしてもよく、p型有機半導体薄膜(4)とn型有機半導体薄膜5の間に低バンドギャップのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)が挿入される層構成であればよい。この場合も、p型有機半導体薄膜(4)とn型有機半導体薄膜(5)の界面、低バンドギャップのp型有機半導体薄膜からなる中間層8とn型有機半導体薄膜(5)の界面で電荷分離を起こし、トンネル現象によりキャリアは輸送される。
また、中間層(8)として低バンドギャップのn型有機半導体薄膜を用いる場合も、同じ原理で、効率を向上することができる。この場合も、p型有機半導体薄膜(4)、低バンドギャップのn型有機半導体薄膜からなる中間層(8)、n型有機半導体薄膜(5)の順に繰り返して積層するようにしても、低バンドギャップのn型有機半導体薄膜からなる中間層(8)、p型有機半導体薄膜(4)、n型有機半導体薄膜(5)の順に繰り返して積層するようにしてもよく、p型有機半導体薄膜(4)とn型有機半導体薄膜(5)の間に低バンドギャップのn型有機半導体薄膜からなる中間層(8)が挿入される層構成であればよい。この低バンドギャップのn型有機半導体膜は、高次フラーレンであるC70、C84或いはこれ以上の炭素数からなるフラーレン、ペリレン等で形成することができるものであり、n型有機半導体膜(5)より小さいバンドギャップを持つものであれば、いずれも光吸収範囲の増大、ひいては発生電流の増大の効果が得られる。
本発明によると、発生電圧は主として、電荷分離した後の電子、正孔のポテンシャルエネルギー差であるp型有機半導体薄膜(4)のHOMO準位(highest occupied molecular orbital)とn型有機半導体薄膜(5)のLUMO準位(lowest unoccupied molecular orbital)の差が起源となり、発生電流は、p型有機半導体薄膜(4)、n型有機半導体薄膜(5)、低バンドギャップの有機半導体薄膜からなる中間層(8)の光吸収が大きく寄与するため、電圧と電流を独立してコントロールし、向上させていくことが可能である。
これまで開発された超格子応用太陽電池として、既述の化合物半導体太陽電池の場合は、超格子層をp型層とn型層でサンドイッチし、異なるバンドギャップを持つ2種の化合物半導体層の交互積層から成る超格子層で光吸収をさせ、両側のp型層とn型層のフェルミエネルギーの差で電圧を発生させる機能分担型の構成をとっている。そして化合物半導体太陽電池の場合は、超格子層で光吸収をして発生した電子/正孔ペアは、すぐに自由キャリアとなって輸送され始めるので、交互積層される2種の半導体のバンドギャップは極めて近い値をとる。これに対して本発明の有機薄膜太陽電池の場合、電荷分離を起こさせるためにp型層、n型層の界面、具体的にはエキシトンの結合エネルギー約0.4eV以上のバンドオフセットが必要であり、それに高光吸収の層を加え、電荷分離と光吸収の二つの機能を担わせており、この点で化合物半導体太陽電池と異なる。しかも、この動作を行なわせるために、p型層をキャリア輸送性に優れる環状化合物を直線状に結合した有機半導体分子を形成している点でも異なる。
また、さらに、高効率化するためには、励起分子からのエネルギー移動により、電荷分離した状態とは異なる励起状態の分子を、さらに別の波長の光で、その励起分子をさらに励起する、二光子反応を応用することが良い。
そのために、光電変換層(3)を形成する電子供与性のp型有機半導体の薄膜(4)と電子受容性のn型有機半導体の薄膜(5)とを交互に積層した多層膜において、p型有機半導体薄膜(4)または電子受容性のn型有機半導体薄膜(5)に、励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有している。
励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を以下に示す。ここで用いた励起エネルギーを受け渡す役割とは、自身が光を吸収して励起状態となり、その後緩和することを含んでいる。つまり、励起された分子は内部転換により、最低一重項励起状態へ緩和し、その後、系間公差、項間公差により、最低三重項励起状態へ緩和することも含む。
Figure 2010219448
この励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有している層(中間層(8)を含む)の膜厚は特に限定されるものではないが、1〜10nmの範囲が好ましく、より好ましくは2〜4nm、さらに好ましくは1〜2nmである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1の太陽電離の断面図を図7に示す。
電極(1)としてITO電極が150nmの膜厚で形成されたガラス基板(12)の上に、正孔輸送層(10)として、PEDOT:PSS層(poly[3,4-(ethylenedioxy) thiophene]:poly(styrene sulfonate))を30nmの膜厚で形成した。
次に、p型有機半導体分子としてペンタセンを用い、正孔輸送層(10)の上にペンタセンを真空蒸着して、膜厚25nmの電子供与性の有機半導体薄膜(6)を形成した。
次に、n型有機半導体分子としてフラーレン(C60)を用い、薄膜(6)の上にフラーレンを真空蒸着して、膜厚1nmの電子受容性の有機半導体薄膜(5)を形成し、さらにこの上にペンタセンを真空蒸着して膜厚1nmの電子供与性の薄膜(4)を形成した。 さらに2回ずつ交互に積層し、膜厚1nmのフラーレンの薄膜(5)と膜厚1nmのペンタセンの薄膜(4)を3層積層した。
つぎに、膜厚1nmのフラーレンの薄膜(5)と膜厚1nmの式26に示すSn-ポルフィリンの薄膜(20)を交互に3層積層した。
さらに3回ずつ交互に、膜厚1nmのフラーレンの薄膜(5)と膜厚1nmのペンタセンの薄膜(4)を2層積層した多層膜の光電変換層(3)を形成した。
さらにこの光電変換層(3)の上にフラーレンを真空蒸着して、膜厚25nmの電子受容性の薄膜(7)を形成した。
この後、薄膜(7)の上に電子輸送層(11)としてBCP(bathocuproine)を5nmの膜厚で形成し、最後にこの上に電極(2)としてAg:Mg合金薄膜を100nmの膜厚で形成することによって、図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。
この太陽電池の吸収を測定したところ、波長λ=550nm、付近、λ=800nmの他、赤外域であるλ=1200nm、付近にそれぞれ、Eg14、Eg12、Eg34に対応した吸収を示し,発電が確認できた。本発明におけるギャップ幅は、これら吸収波長により、ギャップ差1eV≒波長差λ1240nmの換算式に基いて換算することができる。
光電変換層(3)を、膜厚9nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚9nmのペンタセンの薄膜4を2層ずつ交互に積層した多層膜で形成するようにした他は、実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。
光電変換層(3)を、膜厚10nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚10nmのペンタセンの薄膜(4)を3層ずつ交互に積層した多層膜で形成するようにした他は、実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。
光電変換層(3)を、膜厚11nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚11nmのペンタセンの薄膜(4)を3層ずつ交互に積層した多層膜で形成するようにした他は、実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。
実施例1において、膜厚1nmの式(27)に示すSn-ポルフィリンの薄膜(20)を交互に3層積層した以外は実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。さらに、実施例1と同様にして、図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得、この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例1において、膜厚1nmの式(28)に示すSn-ポルフィリンの薄膜(20)を交互に3層積層した以外は実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。さらに、実施例1と同様にして、図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得、この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例1において、膜厚1nmの式(26)に示すポルフィリンの中心金属をPdに変え薄膜(21)を交互に3層積層した以外は実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。さらに、実施例1と同様にして、図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得、この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例1において、膜厚1nmの式(27)に示すポルフィリンの中心金属をPdに変え薄膜(21)を交互に3層積層した以外は実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。さらに、実施例1と同様にして、図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得、この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例1において、膜厚1nmの式(28)に示すポルフィリンの中心金属をPdに変え薄膜(21)を交互に3層積層した以外は実施例1と同様にして図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。さらに、実施例1と同様にして、図7に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得、この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例1と同様にして、ガラス基板(12)のITO電極(1)の上に正孔輸送層(10)を形成し、その上にペンタセンを25nmの膜厚で真空蒸着して電子供与性の有機半導体薄膜(6)を形成した。
次に、この薄膜(6)の上にフラーレンC60を真空蒸着して膜厚2nmのn型有機半導体薄膜(5)を形成し、この上にペンタセンを真空蒸着して膜厚2nmのp型有機半導体薄膜(4)を形成し、さらにこの上にZnフタロシアニンを真空蒸着して膜厚2nmのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)を形成した。そしてこのn型有機半導体薄膜(5)と、p型有機半導体薄膜(4)と、p型有機半導体薄膜からなる中間層(8)を繰り返して4回積層し、12層構成の多層膜からなる光電変換層(3)を形成した。
次に実施例1と同様にして、光電変換層(3)の上にフラーレンC60を25nmの膜厚で真空蒸着して電子受容性の有機半導体薄膜(7)を形成し、さらにこの上にBCPを膜厚6nmで真空蒸着して電子輸送層(11)を形成し、最後にこの上に電極(2)としてAg:Mg合金薄膜を60nmの膜厚で形成することによって、図4に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
光電変換層(3)を、膜厚9nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚9nmのペンタセンの薄膜(4)を6層ずつ交互に積層して12層の多層膜で形成するようにした他は、実施例1と同様にして図3に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
光電変換層(3)を、膜厚10nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚10nmのペンタセンの薄膜(4)を6層ずつ交互に積層して12層の多層膜で形成するようにした他は、実施例1と同様にして図3に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
光電変換層(3)を、膜厚11nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚11nmのペンタセンの薄膜(4)を6層ずつ交互に積層して12層の多層膜で形成するようにした他は、実施例1と同様にして図3に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例14のセルの断面を図8に示す。
実施例1と同様にして、ガラス基板(12)のFTO電極(1)の上に正孔輸送層(10)を形成し、その上にペンタセンを25nmの膜厚で真空蒸着して電子供与性の有機半導体薄膜(6)としてペンタセンを成膜した。
次に、この薄膜(6)の上にフラーレンC60(16)とペンタセン(15)と式26に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体(22)を共蒸着で成膜し(60nm)、光電変換層(3)を形成した。
次に実施例1と同様にして、光電変換層(3)の上にフラーレンC60を25nmの膜厚で真空蒸着して電子受容性の有機半導体薄膜(7)を形成し、さらにこの上にBCPを膜厚6nmで真空蒸着して電子輸送層(11)を形成し、最後にこの上に電極(2)としてAg:Mg合金薄膜を60nmの膜厚で形成することによって、図8に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例14において、式(27)に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体を使用した以外はまったく同様に有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例14において、式(28)に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体を使用した以外はまったく同様に有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例14において、式(26)に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体の中心金属をPdに変更した以外はまったく同様に有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例14において、式(27)に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体の中心金属をPdに変更した以外はまったく同様に有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例14において、式(28)に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体の中心金属をPdに変更した以外はまったく同様に有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例1と同様にして、ガラス基板(12)のFTO電極(1)の上に正孔輸送層(10)を形成し、その上にペンタセンを25nmの膜厚で真空蒸着して電子供与性の有機半導体薄膜(6)としてペンタセンを成膜した。
次にフラーレンC60を真空蒸着して膜厚2nmのn型有機半導体薄膜(5)を形成し、この上にペンタセンを真空蒸着して膜厚2nmのp型有機半導体薄膜(4)を形成し、さらにこの上に、前記式(26)で表される2wt%のスズ(IV)ポルフィリン錯体をPoly(N-vinylcarbazole)[PVCz]中に分散させた溶液をスピンコートし膜厚2nmのp型有機半導体薄膜からなる中間層(8)を形成した。そしてこのn型有機半導体薄膜(5)と、p型有機半導体薄膜(4)と、p型有機半導体薄膜からなる中間層(8)を繰り返して4回積層し、12層構成の多層膜からなる光電変換層(3)を形成した。
次に実施例1と同様にして、光電変換層(3)の上にフラーレンC60を25nmの膜厚で真空蒸着して電子受容性の有機半導体薄膜(7)を形成し、さらにこの上にBCPを膜厚6nmで真空蒸着して電子輸送層(11)を形成し、最後にこの上に電極(2)としてAg:Mg合金薄膜を60nmの膜厚で形成することによって、図4に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
光電変換層(3)を、膜厚9nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚9nmのペンタセンの薄膜(4)を6層ずつ交互に積層して12層の多層膜で形成するようにした他は、実施例20と同様にして図3に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
光電変換層(3)を、膜厚10nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚10nmのペンタセンの薄膜(4)を6層ずつ交互に積層して12層の多層膜で形成するようにした他は、実施例20と同様にして図3に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
光電変換層(3)を、膜厚11nmのフラーレンC60の薄膜(5)と膜厚11nmのペンタセンの薄膜(4)を6層ずつ交互に積層して12層の多層膜で形成するようにした他は、実施例20と同様にして図3に示す層構成の有機薄膜太陽電池を得た。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例20において、Snポルフィリンを式(27)のものに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。
実施例20において、Snポルフィリンを式(28)に変えた以外はまったく同様にセルを作製した。
実施例20において、式(26)の中心金属をPdに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。
実施例20において、式(27)の中心金属をPdに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。
実施例20において、式(28)の中心金属をPdに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。
実施例1と同様にして、ガラス基板(12)のFTO電極(1)の上にSOLARONIX社製チタニアペーストTi-Nanoxide T/SPをスクリーン印刷法で成膜し、2μmの膜を得、この膜を6層かさね、次にSOLARONIX社製チタニアペーストTi-Nanoxide T20/SPを4層重ね、総厚20μmのn層を得た。
この層の上に、式(26)に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体とフラーレンC60を膜厚100nmになるように共蒸着法で成膜し、さらに、その上に、式(26)に示すスズ(IV)ポルフィリン錯体を膜厚15nmになるように蒸着法で成膜した。
このような基板と白金をスパッタした電極で、ヨウ素を含む電解液をはさんで、溶液型の有機太陽電池を作製した。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例29において、Snポルフィリンを式(27)のものに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例29において、Snポルフィリンを式(28)に変えた以外はまったく同様にセルを作製した。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例29において、式(26)の中心金属をPdに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例29において、式(27)の中心金属をPdに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
実施例29において、式(28)の中心金属をPdに変えた以外はまったく同様にセルを作製した。この太陽電池の吸収を測定したところ、可視光域の2つの吸収に加え、赤外域吸収をも示し、発電が確認された。
(比較例1−34)
式(26)−(28)に示す材料を添加しない以外は実施例と同様に有機薄膜太陽電池を得た。これら各太陽電池の吸収を測定したところ、赤外域吸収を全く、または殆ど、示さなかった。
上記のようにして得た有機薄膜太陽電池について、ソーラシミュレータでAM1.5G、100mW/cmの擬似太陽光を照射し、電気化学測定システムHZ3000(北斗電光(株)製)にて、太陽電池特性を測定した。
一般に太陽電池の変換効率:PCE(Power conversionefficiency)は次の式で表される。
PCE(%)=Jsc(短絡電流)×Voc(開放電圧)×FF(Fillfactor:形状因子)/入射エネ
ルギー
太陽電池特性の測定結果を表1に示す。
Figure 2010219448


比較例のように、励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を添加しない場合は変換効率が低かった。
また、実施例4、13、23に示すように、膜厚が10nmを越えると変換効率が低下した。
1 電極
2 電極
3 光電変換層
4 電子供与性の有機半導体薄膜
5 電子受容性の薄膜
6 電子供与性の有機半導体薄膜
7 電子受容性の薄膜
8 低バンドキャップの中間層
10 正孔輸送層
11 電子輸送層
12 透明基板
15 p型有機半導体
16 n型有機半導体
20 励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料
22 励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料
e 電子
h 正孔
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Claims (14)

  1. 少なくとも一方が光透過性である二つの電極の間に、光電変換層を備えて形成される太陽電池において、光電変換層はバンドギャップエネルギーEg14、バンドギャップエネルギーEg12、バンドギャップエネルギーEg34の少なくとも3種類の大きさのバンドギャップエネルギーを示し、Eg14、Eg12、Eg34はEg14>Eg12、Eg14>Eg34かつ、Eg14<Eg12+Eg34、|Eg1|>|Eg2|、|Eg3|>|Eg4|、|Eg2|<|Eg3|、Eg1>Eg3となる関係を含んでいることを特徴とする太陽電池。
    (Eg1 Eg2 Eg3 Eg4は、E-k空間においてk空間を無視したエネルギー準位の、絶対的な、おおよその値を示す)
  2. 光電変換層が励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有していることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 光電変換層はバンドギャップエネルギーEg14に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と、電子受容性の薄膜、および励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有している、バンドギャップエネルギーEg12に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜層を一組の記録層として、このような記録層が一組以上積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. バンドギャップエネルギーEg14に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜の間に中間層が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
  5. 前記、バンドギャップエネルギーEg12に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜の間に、中間層が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池。
  6. 励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料を含有している層、バンドギャップエネルギーEg12に対応した波長の光を吸収する、電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜、とを繰り返し積層した多層膜を含んで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  7. 光電変換層の、各薄膜の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池。
  8. 電子供与性の有機半導体薄膜が、環状化合物を直線状に結合した有機半導体分子よりなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の太陽電池。
  9. 電子受容性の薄膜が、フラーレン又はフラーレン化合物よりなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の太陽電池。
  10. 光電変換層の交互に積層した電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜において、電子供与性の有機半導体薄膜の膜厚が電子受容性の薄膜の膜厚より厚いことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池。
  11. 電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜とを交互に積層した多層膜が、膜厚10nm以上の電子供与性の有機半導体薄膜と、膜厚10nm以上の電子受容性の薄膜の間に挟まれていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の太陽電池。
  12. 上記多層膜を形成する電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜との間に、この電子供与性の有機半導体薄膜よりバンドギャップが小さい電子供与性の有機半導体薄膜からなる中間層が挟まれていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の太陽電池。
  13. 上記多層膜を形成する電子供与性の有機半導体薄膜と電子受容性の薄膜との間に、この電子受容性の薄膜よりバンドギャップが小さい電子受容性の有機半導体薄膜からなる中間層が挟まれていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の太陽電池。
  14. 上記励起エネルギーを受け渡す役割をもつ材料がルブレン系材料であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の太陽電池。
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