JP2010219260A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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康文 高橋
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晃 小森
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Abstract

【課題】半導体装置において、半導体パッケージとヒートシンクの間の充填剤を塗布する際に、空気ボイドの充填剤への混入や、充填剤の厚さバラツキにより熱伝導性が下がり、放熱性が低下することを防止する。
【解決手段】半導体パッケージ101とヒートシンク2の間に予め空間7を設け、半導体パッケージ101とヒートシンク2の間に充填剤3を塗布する際に、空間内を真空にした後に充填剤3を流し込むことにより最適な接合を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
従来より、ヒートシンクによって、半導体パッケージで発生した熱を大気に放熱する半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の半導体装置を図13に示す。この半導体装置100は、半導体素子を保護するため封止樹脂により密閉された半導体パッケージ101と、ヒートシンク104とを備える。ヒートシンク104は、熱伝導の良好な接着剤やシリコーングリスなどの充填剤102と、放熱フィン103とから構成され、半導体パッケージ101の熱を大気中に放熱させる。
半導体パッケージ101にヒートシンク104を密着させる際には、充填剤102に空気が入らないようにヒートシンク104を押し付け、ヒートシンク104に設けられた貫通孔から充填剤102を湧き上がらせる。
充填剤102は、ヒートシンクを形成するアルミや銅と比較して、熱伝導性が悪い。そのため、余分な充填剤を貫通孔より逃がすことにより、充填剤の厚みを薄くし、熱抵抗を低くして放熱性を向上している。
また、半導体素子を半導体パッケージから露出させて液体を封入し、ヒートシンクで閉塞することにより、半導体素子とヒートシンクとの間に半導体パッケージを介在させない構造が提案されている。この構造により、半導体素子とヒートシンクとの間の熱伝導性の向上を図ることができる(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−228051号公報 特開平1−298753号公報
しかしながら、上記のような半導体装置では、半導体パッケージとヒートシンクとの間を、充填剤により最適な状態で結合させることが難しい。充填剤の量を少なくして薄くすると、塗布されない部分が発生する可能性が高くなる。一方、充填剤の量を多く塗布すると、厚くなって熱抵抗が増大する。
さらに、半導体パッケージとヒートシンクを貼り合わせる時に、充填剤の内部に熱抵抗となる空気ボイドが挟まれ、熱抵抗が増すことになり、ヒートシンクに十分な熱が伝わらず、十分に半導体パッケージの冷却ができなかった。
また、半導体素子を露出させる様な半導体パッケージでは、構成が特殊なため、広範囲な半導体パッケージに用いる事ができない。
本発明は、充填剤における空気ボイドの発生を抑制するとともに、充填剤を少量かつ定量に配することで、半導体パッケージとヒートシンクの間の熱抵抗を低く抑えて冷却性を高めて、性能および信頼性が高く、通常の半導体パッケージにも適用可能である半導体装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の半導体装置は、
半導体素子と、前記半導体素子を封止するパッケージと、前記パッケージ上に配置された吸熱器と、前記吸熱器及び前記パッケージにより囲まれた空間と、前記空間と外部を繋ぐ通路と、前記通路を通して前記空間内を吸引した後、前記通路から前記空間内に注入された充填剤を備えたものである。
本発明の半導体装置によれば、充填剤の最適充填によって、吸熱器の性能を最大限に引き出して冷却性を高めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体装置1の側面図である。図2は、本発明の実施の形態1における半導体装置1の断面図である。
図1および図2に示すように、本実施例の半導体装置1は、半導体パッケージ101と、ヒートシンク2と、半導体パッケージ101とヒートシンク2を接合する充填剤3と、から構成されている。ヒートシンク2は、放熱フィン4と凹部5と通路6とを備えている。放熱フィン4は、ヒートシンク2の上部に形成され、ヒートシンク2の熱を放熱する。凹部5は、充填剤3がヒートシンク2の底部に定量に配されるように、ヒートシンク2の底部に形成されている。
図3は、実施の形態1における製造時の工程図である。図3に示すように、半導体パッケージ101にヒートシンク2が取り付けられると、凹部5は、半導体パッケージ101の上面によって、通路6を残して、密閉空間7を区画する。通路6は、密閉空間3とヒートシンク2の上面とを連結している。
図3(a)は、装着前の状態を示す。図3(b)は、半導体パッケージ101にヒートシンク2を取付けた状態を示す。半導体パッケージ101とヒートシンク2との間には密閉空間7が形成されている。
充填機20は、バルブ21とバルブ22とを備え、通路6に取り付けられている。充填機20は、バルブ20を開くことによって空気を吸入し、バルブ22を開くことにより充填剤3を圧入することが出来る。通路6に接続された充填機20のバルブ21が開かれて、密閉空間7は内部から空気が抜かれる。密閉空間7の内部が真空状態となった後にバルブ21は閉じられる。
図3(c)は、充填剤3が密閉空間7の内部に注入された状態を示す。通路6に接続された充填機20のバルブ22が開かれることにより、内部が真空状態の密閉空間7に、通路6から充填剤3が隙間なく押し込まれる。密閉空間7の内部は真空であるため、充填剤3で満たされ、空気などの余分なものは含まれない。さらに、充填剤3は、密閉空間7が設計された高さと等しい厚みで、半導体パッケージ101とヒートシンク2との間の空間を満たす。
このように、半導体パッケージ101とヒートシンク2との間の空間は、予め設計された厚さで、充填剤3により埋められ、かつ、空気ボイドなどを含まずに最適な状態で、半導体パッケージ101とヒートシンク2とが熱的に接合される。その結果、半導体パッケージ101の熱が低い熱抵抗でヒートシンク2に熱伝達され、ヒートシンク2の放熱性能を十分に引き出すことが可能となる。
なお、本実施例では、通路6はヒートシンク2の上部と繋がっているが、通路6は外部と連結されていれば良く、ヒートシンク側面などに繋がっていても良い。また、ヒートシンク2は導体パッケージ101に充填剤3により固着されて固定される例を示したが、充填剤3が柔軟な場合には、半導体パッケージ101とヒートシンク2とを固定具で固定しても良い。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を以下に説明する。実施の形態1と同等の部分についての説明は省略し、主に凹部1の周囲に設けられたシール構造について説明する。
図4は、本発明の実施の形態2におけるヒートシンク8の断面図である。図5は、本発明の実施の形態2におけるヒートシンク8の背面図である。
ヒートシンク8底面の凹部9の周囲を取り囲むように溝10が形成されている。また、溝10にはOリング11が嵌め込まれている。Oリング11の径は溝10の深さより大きいものが溝10に嵌められているため、ヒートシンク8の底面よりOリング11が凸状に出ている。
図6に本発明の実施の形態2における半導体装置9の断面図を示す。ヒートシンク8に半導体パッケージ101が取付けられる際に、ヒートシンク8に取付けられたOリング5が弾性変形を起こしながら半導体パッケージ101に押し付けられ密着する。ヒートシンク8と半導体パッケージ101の間に形成される密閉空間12はOリング5により確実に密着する構成となる。
このように、半導体パッケージ101とヒートシンク8の間はOリング11により確実に密閉されるため、密閉空間12内の空気をより高い真空度で抜くことが出来、密閉空間12内に高密度で充填剤3の注入が可能となる。
なお、Oリング5にはシリコーン等が使用されるが、弾性変形する材料であれば如何なるものでも良い。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を以下に説明する。実施の形態1と同等の部分についての説明は省略し、主にヒートシンク13に設けられた2つの通路について説明する。
図7は、本発明の実施の形態2におけるヒートシンク13の断面図である。
ヒートシンク13は、凹部14と、吸入通路15と、注入通路16を備えている。吸入通路15と注入通路16は、それぞれ凹部14に繋がっている。半導体パッケージ101にヒートシンク13が取り付けられると、凹部14は、吸入通路15と注入通路16を残して密閉空間17になる。密閉空間17は吸入通路15と注入通路16により、外部と各々を連結されている。
図8に実施の形態3における製造時の工程図を示す。図8(a)に装着前の状態を示し、図8(b)に、半導体パッケージ101にヒートシンク13を取付けた状態を示す。半導体パッケージ101とヒートシンク13の間には密閉空間17が形成されている。密閉空間17と繋がる通路15にはバルブ23が備わる吸入機24が取付けられ、通路16にはバルブ25が備わる圧入機26が取付けられている。吸入機24はバルブ23を開くことにより密閉空間17内の空気を通路15より吸入することが出来る。また、圧入機26はバルブ25を開くことにより密閉空間17内に充填剤3を通路16より注入することが出来る。通路15には接続された吸入機24のバルブ23が開かれて、密閉空間17は内部から空気が抜かれる。
図8(c)に、密閉空間17内部に充填剤3を注入される工程を示す。通路16に接続された圧入機26のバルブ25が開かれることにより、密閉空間17に通路16から充填剤3が隙間無く押し込まれる。充填剤3が吸入される際にも通路15から密閉空間17の内部の空気は吸入され続け、充填剤3で全て満たされた後にバルブ23およびバルブ25が閉じられる。密閉空間17は充填剤3により空気を含まない状態で満たされ、密閉空間17は設計された高さと等しい厚みで半導体パッケージ101とヒートシンク13の間を満たすこととなる。
このように、半導体パッケージ101とヒートシンク13の間は充填剤3により予め設計された厚さで埋められ、かつ、空気ボイドなどを含まずに最適な状態で熱的に接合されるため、半導体パッケージ101の熱は低い熱抵抗でヒートシンク13に熱伝達される。その結果、ヒートシンク13の放熱性能を十分に引き出すことが可能となる。
また、密閉空間17内部の空気を吸入しながら充填剤3を注入する為、工程時間が短くなり、更に、空気の吸入時間が長く取れるので真空度を上げることが出来る。
なお、本実施例では通路15及び通路16はヒートシンク13の上部と繋がっているが、通路15及び通路16は外部と連結されていれば良く、ヒートシンク側面などに繋がっていても良い。また、ヒートシンク13は導体パッケージ101に充填剤3により固着されて固定される例を示したが、充填剤3が柔軟な場合には半導体パッケージ101とヒートシンク13は固定具で固定しても良い。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4を以下に説明する。実施の形態1と同等の部分についての説明は省略し説明する。
図9および図10は、本発明の実施の形態4における半導体装置18の断面図である。
図9に、充填剤3を注入する前の本実施例の半導体装置18を示し、図10に、充填剤3の注入後の半導体装置18を示す。半導体装置18は半導体パッケージ101と、ヒートシンク19と、半導体パッケージ101とヒートシンク19の間に挟む充填剤スペーサ27と、半導体パッケージ101とヒートシンク19を接合する充填剤3から構成されている。ヒートシンク19は底面に充填剤スペーサ27を配され、ヒートシンク19底面の周囲を取り囲むように填剤スペーサ27が凸状に出る。そして、半導体パッケージ101にヒートシンク19が押し付けられ密着することにより、ヒートシンク19と半導体パッケージ101の間に密閉空間28が形成される。
なお、充填剤スペーサ27を弾性変形する材質とした場合には、半導体パッケージ101とヒートシンク19の間はより確実に密閉されるため、通路29より密閉空間28内の空気をより高い真空度で抜くことが出来、密閉空間28内に高密度で充填剤3の注入が可能となる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5を以下に説明する。実施の形態1と同等の部分についての説明は省略し説明する。
図11は、本発明の実施の形態4における半導体パッケージ30にヒートシンク31を取付ける前の半導体装置32の断面図である。
半導体パッケージ30上面には充填剤3が配される様に凹部33が形成されている。また、ヒートシンク31は通路34を備え、ヒートシンク31の上面から底面に貫通している。
図12は、実施の形態1における製造時の工程図である。図12(a)にヒートシンク31を取付け前の状態を示し、図12(b)に、半導体パッケージ30にヒートシンク31を取付けた状態を示す。また、図12(c)に、取付けを完了した半導体装置32を示す。
図12(b)に示すように、半導体パッケージ30にヒートシンク31が取り付けられると、凹部33は、ヒートシンク31の底面によって通路34を残して密閉空間35になる。密閉空間35とヒートシンク31の上面を連結している通路34から密閉空間35内の空気が抜かれて真空となる。次に、図12(c)に示すように、真空となった密閉空間35内に充填剤3が注入されて半導体パッケージ30とヒートシンク31の間を満たす。
このように、半導体パッケージ30とヒートシンク31の間は充填剤3により所定の厚さで埋められ、かつ、空気ボイドなどを含まずに最適な状態で熱的に接合されるため、半導体パッケージ30の熱は低い熱抵抗でヒートシンク31に熱伝達される。その結果、ヒートシンク31の放熱性能を十分に引き出すことが可能となる。
本発明は、半導体装置および電子機器について有用である。
本発明の実施の形態1における半導体装置の側面図 本発明の実施の形態1における半導体装置の断面図 本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程図 本発明の実施の形態2におけるヒートシンクの断面図 本発明の実施の形態2におけるヒートシンクの背面図 本発明の実施の形態2における半導体装置の断面図 本発明の実施の形態3におけるヒートシンクの断面図 本発明の実施の形態3における半導体装置の製造工程図 本発明の実施の形態4における半導体装置の断面図 本発明の実施の形態4における半導体装置の断面図 本発明の実施の形態5における半導体装置の断面図 本発明の実施の形態5における半導体装置の製造工程図 従来の半導体装置の断面図
2 ヒートシンク
3 充填剤
5 凹部
6 通路
7 密閉空間
8 ヒートシンク
9 凹部
11 Oリング
12 密閉空間
13 ヒートシンク
14 凹部
15 吸入通路
16 注入通路
17 密閉空間
18 半導体装置
19 ヒートシンク
20 充填機
24 吸入機
26 圧入機
27 充填剤スペーサ
28 密閉空間
29 通路
30 半導体パッケージ
31 ヒートシンク
32 半導体装置
33 凹部
34 通路
35 密閉空間
101 半導体パッケージ

Claims (8)

  1. 半導体素子と、前記半導体素子を封止するパッケージと、前記パッケージ上に配置された吸熱器と、前記吸熱器及び前記パッケージにより囲まれた空間と、前記空間と外部を繋ぐ通路と、前記通路を通して前記空間内を吸引した後、前記通路から前記空間内に注入された充填剤と、を備える半導体装置。
  2. 前記空間の外周にシール構造を設けたことを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記吸熱器の前記パッケージが配置される面に吸熱器凹部を設け、前記吸熱器凹部により前記吸熱器と前記パッケージの間に前記空間が形成されたことを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記パッケージの前記吸熱器が配置される面にパッケージ凹部を設け、前記パッケージ凹部により前記吸熱器と前記パッケージの間に前記空間が形成されたことを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
  5. 前記吸熱器と前記パッケージの間に中央部が抜かれているスペーサを設け、前記スペーサにより前記吸熱器と前記パッケージの間に前記空間が形成されたことを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
  6. 前記通路は前記吸熱器に設けられたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  7. 前記通路は前記空間から真空に引くための吸入通路と、充填剤を注入充填するための注入通路とをそれぞれ一つ以上備えたことを特徴とする、請求項1記載の半導体装置。
  8. 半導体素子と、前記半導体素子を封止するパッケージと、前記パッケージ上に配置された吸熱器と、前記吸熱器及び前記パッケージにより囲まれた空間と、前記空間と外部を繋ぐ通路とを備える半導体装置を用い、
    (A)前記通路を通して前記空間内を吸引する工程、及び
    (B)前記通路から前記空間内に充填剤を注入する工程を含む、半導体装置の製造方法。
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WO2024053699A1 (ja) * 2022-09-09 2024-03-14 Necプラットフォームズ株式会社 電子機器および電子機器の製造方法

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