JP2010219226A - 巻枠、巻枠の製造方法、超電導コイルの製造方法 - Google Patents

巻枠、巻枠の製造方法、超電導コイルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】巻線領域の幅を簡単な作業により調整することが可能で、かつ、胴部の内側空間を有効利用することが可能な巻枠を提供する。
【解決手段】この巻枠1は、外周面11を有するとともにその上に超電導線材が巻き付けられる胴部10と、この胴部10からその径外方向に延びるとともに互いに対向し、上記外周面11上で超電導線材が巻き付けられる巻線領域E1を規定する対向面21,31を有する一対のフランジ20,30とを備えている。胴部10は、外周面11に設けられるねじ部13と、当該胴部10を軸方向に貫通する内側空間を囲む内周面12とを含んでいる。また、一方のフランジ30は、胴部10の外周面11に対向配置される内周面32と、この内周面32に設けられてねじ部13に螺合するねじ部33とを有しており、両ねじ部13,33の螺合状態で胴部10の周りに回転して当該胴部10に対して軸方向に移動する可動フランジである。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻枠、この巻枠の製造方法、および、当該巻枠を用いた超電導コイルの製造方法に関する。
従来から、巻枠に超電導線材を巻回することにより超電導コイルを形成する手段が知られている。
このような巻枠は、超電導線材を巻き付けるための巻線領域を周囲にもつ胴部と、この胴部から径外方向に延びるとともに互いに対向して上記巻線領域を規定する対向面を有する一対のフランジ部とで構成されている。そして、超電導線材は、巻線領域にソレノイド状にかつ胴部の径方向に複数層に亘って積層されるように巻回される。
ところで、上記巻枠は、当該巻枠に巻回される超電導線材に先立って作製されることがある。この場合、巻枠の両フランジ部は、それらの対向面同士の間隔(すなわち巻線領域の幅)が、巻線予定の超電導線材の規定寸法から予め求めておいた当該線材を胴部の周囲に設定巻数だけ巻回したときのその軸方向長さに一致するように、胴部にそれぞれ位置決めされて設けられることになる。
ところが、超電導線材には製造誤差等の公差が存在し、例えば、製造された超電導線材の寸法が上記規定寸法よりも小さい場合、超電導線材を設定巻数だけ巻回したときのその軸方向長さが巻線領域の幅よりも小さくなるので、超電導線材とフランジ部との間に前記公差に起因する想定外の隙間が形成されることになる。このような隙間は、超電導線材を胴部の径方向に複数層に亘って巻回する際の巻乱れの原因となり、形成された超電導コイルの磁場均一性の低下等に繋がる。
そこで、従来、巻枠の巻線領域の幅を調整し、これによって上記隙間を埋める方法が提案されている。具体的には、フランジ部の対向面に隣接してシート状部材を配設することにより巻線領域の幅調整を行って上記隙間を埋める方法がある。しかし、この方法では、調整量に応じてシート状部材の設置枚数を変える必要があるとともに、調整量が多い場合には多数枚のシート状部材をその厚み方向に積層して設置する必要があるので、その調整作業が煩雑になる。
これに対して、従来、一方のフランジ部を胴部の軸方向に移動可能とすることにより巻線領域の幅調整を可能にした巻枠が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、巻胴にその軸方向端面から当該軸方向に延びるねじ孔を設け、可動フランジを保持する調節ねじを前記巻胴のねじ孔に螺合させ、調節ねじの回転による軸方向の移動によって可動フランジを巻胴に対して軸方向に移動させる巻枠の構成が開示されている。これによれば、調節ねじを回転して可動フランジを移動させるだけで巻線領域の幅調整を行うことができるので、上記のようにシート状部材を設ける場合に比べて作業性が向上する。
特開平2−278704号公報
しかしながら、上記特許文献1の巻枠では、可動フランジを移動可能にするため、巻胴の中心軸上にねじ孔および調整ねじを配しているので、巻胴の内部を有効利用しにくいという問題がある。
なお、この場合、当該巻枠を用いて形成される超電導コイルでは次のような不都合が生じる。すなわち、巻胴内部の有効利用が困難なため、超電導コイルにおいて巻胴内部に形成される強磁場を効率良く利用することが困難である。このことから、当該超電導コイルは、NMR装置やMRI装置等の巻胴内部の強磁場を利用する装置には不向きであり、その用途が限定される。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、巻線領域の幅を簡単な作業により調整することが可能で、かつ、胴部の内側空間を有効利用することが可能な巻枠、この巻枠の製造方法および当該巻枠を用いた超電導コイルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の巻枠は、超電導線材をソレノイド状に巻回するための巻枠であって、外周面を有し、その上に前記超電導線材が巻き付けられる胴部と、この胴部からその径外方向に延びるとともに互いに対向し、前記外周面上で前記超電導線材が巻き付けられる巻線領域を規定する対向面を有する一対のフランジ部とを備え、前記胴部は、前記外周面に設けられる第1のねじ部と、当該胴部を軸方向に貫通する内側空間を囲む内周面とを含み、少なくとも一方の前記フランジ部は、前記胴部の外周面に対向配置される内周面と、この内周面に設けられて前記第1のねじ部に螺合する第2のねじ部とを有し、両ねじ部の螺合状態で前記胴部の周りに回転して当該胴部に対して軸方向に移動する可動フランジであることを特徴とする。
請求項1に記載の巻枠では、胴部が、内側空間を囲む内周面とねじ部を有する外周面とを含み、その外周面上で可動フランジと螺合するようにしたので、胴部の内側空間の有効利用と、可動フランジを回転させるという簡単な作業による巻線領域の幅調整との両立が可能である。
具体的に、上記のような胴部の内側空間の有効利用が可能な巻枠であれば、当該巻枠を用いて形成された超電導コイルにおいて、内側空間に試料を配してその試料に強磁場を作用させることが無理なく行われる。これにより、その超電導コイルがMRI装置やNMR装置等にも好適に使用されるようになり、その用途が十分に広がる。
その一方、可動フランジを回転させて胴部に対してその軸方向に移動させることにより、両フランジ部の対向面同士の間隔、すなわち巻線領域の幅が調節される。このような巻線領域の幅調整が可能な巻枠であれば、当該巻枠に超電導線材を巻回して超電導コイルを形成する際に、超電導線材の寸法が規定寸法よりも小さい場合、設定巻数だけ巻回された超電導線材とフランジ部との間に当該線材の公差に起因して形成される隙間を、可動フランジの回転による巻線領域の幅調整により埋めることができる。これにより、超電導線材を巻乱れなく複数層に亘って巻回することができる。逆に、超電導線材の寸法が規定寸法よりも大きいと、巻線領域の幅が当該線材を設定巻数だけ巻回したときの超電導線材の軸方向長さに対して不足することになるが、この場合には、可動フランジを回転させて巻線領域の幅を増大させる調整を行うことで、上記不足分が補われ、超電導線材を巻乱れなく設定巻数だけ巻回することができる。そして、このようにして形成された超電導コイルでは、線材の巻乱れに起因する磁場均一性の低下等が発生しにくい。
請求項2に記載の巻枠は、上記請求項1に記載の巻枠において、前記可動フランジを基準に前記巻線領域と反対側の領域である端部領域に設けられ、前記可動フランジの前記端部領域に臨む側面に接触して当該可動フランジの前記端部領域への移動を規制する規制部材をさらに備えることを特徴とする。このように、可動フランジの端部領域への移動が規制されることで、巻線領域の幅が不用意に広がるのが防止される。従って、巻線時に超電導線材から可動フランジに軸方向の力が加わっても巻線領域の幅が変わらないので、巻線作業が円滑に行われる。
請求項3に記載の巻枠は、上記請求項2に記載の巻枠において、前記規制部材は、前記胴部の外周面に対向配置される内周と、その内周に設けられて前記第1のねじ部に螺合する第3のねじ部とを有し、第3のねじ部を第1のねじ部に螺合させた状態で前記胴部の周りに回転することで当該胴部に対して軸方向に移動して前記可動フランジに接触することを特徴とする。このように構成すれば、可動フランジを軸方向に移動させるための胴部の第1のねじ部を利用して当該可動フランジの移動を規制することができるので、構成が簡略になる。また、規制部材を回転させるという簡単な作業によって、可動フランジの規制状態と当該規制の解除状態とを切換えることができる。
請求項4に記載の巻枠は、上記請求項2または3に記載の巻枠において、前記胴部の前記端部領域に位置する部分から径外方向に延在し、前記胴部の軸方向から見て前記可動フランジの少なくとも一部を覆う保護部をさらに備えることを特徴とする。このような保護部を設けることによって、可動フランジに胴部の軸方向外側からの力が作用するのが抑えられるので、可動フランジの変形や損壊等を防ぐことができる。
請求項5に記載の巻枠は、上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の巻枠において、前記超電導線材が酸化物材料からなるテープ状の超電導線材であることを特徴とする。
このような酸化物材料からなるテープ状の超電導線材(以下、酸化物線材)をソレノイド状に巻回することによって超電導コイルを形成する場合、本発明の巻枠が特に有効である。これは、次のような理由による。酸化物線材は、当該線材に含まれる超電導材料が圧縮力に対して非常に脆く、例えば線材の製造後に当該線材の断面寸法を圧延処理等で調整する加工を行えば、上記超電導材料が粉砕されて線材の特性が著しく低下する。このため、製造された線材に対する寸法調整は行えない。従って、酸化物線材を巻乱れなく巻回するべく、巻線時に当該線材とフランジ部との間に形成される隙間を埋めるためには、巻枠の巻線領域の幅調整を行わざるを得ない。
なお、本発明の巻枠に酸化物線材を巻回することにより形成された超電導コイルは、胴部の内側空間に、強力でしかも均一性に優れた磁場を発生させることができるため、NMR装置やMRI装置等に極めて好適である。
また、本発明の請求項6に記載の巻枠の製造方法は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の巻枠の製造方法であって、前記可動フランジを、前記胴部の軸方向外側から嵌め込むとともに第2のねじ部を第1のねじ部に螺合させて前記胴部の軸方向一方の部位に装着することにより一方のフランジ部を形成する工程と、前記超電導線材の巻線領域を挟んで前記一方のフランジ部と対向するように前記胴部の軸方向他方の部位に他方のフランジ部を設ける工程とを備えることを特徴とする。
請求項6に記載の巻枠の製造方法によれば、胴部の内側空間を有効利用可能で、かつ、簡単な作業による巻線領域の幅調整が可能な巻枠を形成することができる。
また、本発明の請求項7に記載の超電導コイルの製造方法は、巻枠に超電導線材をソレノイド状に巻回することにより形成される超電導コイルの製造方法であって、前記巻枠として請求項1〜5のいずれか一項に記載の巻枠を用意する工程と、前記胴部の周囲の一対のフランジ部の対向面により規定される巻線領域に、超電導線材を、その巻始め端が他方のフランジ部の対向面に接触する状態で当該他方のフランジ部から一方のフランジ部に向けてソレノイド状に設定巻数だけ巻回する工程と、一方のフランジ部を胴部の周りに回転させて他方のフランジ部に近づく方向に移動させることで前記巻回された超電導線材の軸方向一方の巻終り端に当該一方のフランジ部を接触させる工程と、前記超電導線材を軸方向に折返して、巻回された超電導線材の径方向外側に一方のフランジ部から他方のフランジ部に向けてソレノイド状に設定巻数だけ巻回する工程とを備えることを特徴とする。
請求項7に記載の超電導コイルの製造方法によれば、用途が限定されにくく、かつ、磁場均一性等の性能の低下が発生しにくい超電導コイルを形成することができる。
本発明の巻枠によれば、胴部の内側空間の有効利用と簡単な作業による巻線領域の幅調整との両立が可能である。
本発明の第1実施形態による巻枠の全体構成を示した断面図である。 図1に示した巻枠の製造方法を説明するための部分断面図である。 図1に示した巻枠の製造方法を説明するための部分断面図である。 図1に示した巻枠の製造方法を説明するための部分断面図である。 図1に示した巻枠の製造方法を説明するための部分断面図である。 図1に示した巻枠を用いた超電導コイルの製造方法を説明するための部分断面図である。 図1に示した巻枠を用いた超電導コイルの製造方法の説明するための部分断面図である。 図1に示した巻枠を用いた超電導コイルの製造方法の説明するための部分断面図である。 図1に示した巻枠を用いた超電導コイルの製造方法の説明するための部分断面図である。 本発明の第2実施形態による巻枠の構成を示した部分断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による巻枠の全体構成を示した断面図であり、図2〜図5は、図1に示した巻枠の製造方法を説明するための部分断面図である。また、図6〜図9は、図1に示した巻枠を用いた超電導コイルの製造方法を説明するための部分断面図である。まず、図1を参照して、第1実施形態による巻枠1の構成について説明する。
この巻枠1は、超電導線材をソレノイド状にかつ当該巻枠1の径方向に複数層に亘って積層されるように巻回するためのものであり、図1に示すように、胴部10と、この胴部10に固定された固定フランジ20と、胴部10に対して軸方向に移動可能な可動フランジ30と、この可動フランジ30の軸方向の移動を規制する規制部材40とを備えている。なお、固定フランジ20は本発明の「他方のフランジ部」に相当し、可動フランジ30は本発明の「一方のフランジ部」に相当する。
胴部10の周囲には、超電導線材を巻回するための巻線領域E1が配されている。
ここで、本実施形態の胴部10は、ねじ部13を有する外周面11と、この外周面11と同心に設けられる内周面12とを含む円筒状に形成されている。なお、ねじ部13は、本発明の「第1のねじ部」に相当する。
ねじ部13は、外周面11の軸方向一方(図では左方)の端部に軸方向の所定領域に亘って設けられている。このねじ部13には、可動フランジ30および規制部材40が軸方向に並んで螺合している。
また、内周面12は、当該胴部10を軸方向に貫通する円柱状の内側空間を囲んでいる。この内側空間は、当該巻枠1に超電導線材を巻回して形成される超電導コイルにおいて例えば試料を設置するための空間として機能する。
固定フランジ20および可動フランジ30は、それぞれ、胴部10の周囲に配される円環状部材である。
固定フランジ20は、その内周面22が胴部10の外周面11に対向する姿勢で胴部10の軸方向他方(図では右方)の端部に溶接等により取付けられている。
可動フランジ30は、胴部10の軸方向一方の部位に設けられている。この可動フランジ30は、胴部10の外周面11に対向配置される内周面32と、この内周面32に設けられて胴部10のねじ部13に螺合するねじ部33とを有しており、両ねじ部13,33の螺合状態で胴部10の周りに回転することによって当該胴部10に対して軸方向に移動する。なお、ねじ部33は、本発明の「第2のねじ部」に相当する。
また、上記フランジ20,30は、胴部10から径外方向に延びるとともに互いに対向する対向面21,31を有している。そして、本実施形態の巻枠1では、それらの対向面21,31によって胴部10の周囲の上記巻線領域E1の軸方向長さ(幅)d1が規定され、当該巻線領域E1の幅が可動フランジ30の移動によって調整可能となっている。
なお、図1に示す巻線前の状態では、巻線領域E1の幅d1が、当該巻枠1に巻回される予定の超電導線材の規定寸法から予め求めておいた当該線材を胴部10の周囲に設定巻数だけ巻回したときのその軸方向長さに一致するように、可動フランジ30が配される。
規制部材40は、胴部10の周囲に設けられる円環状部材である。この規制部材40は、可動フランジ30を基準に超電導線材の巻線領域E1と反対側の領域である端部領域E2に配されており、胴部10のねじ部13に螺合するねじ部41を有している。なお、ねじ部41は、本発明の「第3のねじ部」に相当する。
そして、規制部材40は、両ねじ部13,41の螺合状態で胴部10の周りに回転することで軸方向に移動するようになっており、可動フランジ30の端部領域E2に臨む側面34に接触して当該フランジ30の端部領域E2への移動を規制する。このような規制部材40として例えばナットを用いることができる。
次に、図2〜図5を参照して、上記構成の巻枠1の製造方法について説明する。
まず、図2に示すような外周面11の軸方向一方の部位にねじ部13を有する円筒状の胴部10に対して、図3に示すように、規制部材40を、そのねじ部41を胴部10のねじ部13に螺合させることにより当該胴部10の軸方向一方の部位に装着する。
さらに、胴部10に対して、図4に示すように、可動フランジ30を、当該胴部10の軸方向他方の端部から嵌め込んでそのねじ部33を胴部10のねじ部13に螺合させることにより胴部10の軸方向一方の部位に装着する。
その後、図5に示すように、規制部材40を、胴部10の周りに回転して軸方向他方に移動させて可動フランジ30の側面34に接触させる。これによって、可動フランジ30の軸方向一方への移動が規制される。
そして、胴部10の軸方向他方の端部に固定フランジ20を嵌め込むとともに溶接等により当該端部に取付け、これによって図1に示す巻枠1が形成される。
上記巻枠1では、胴部10が、内側空間を囲む内周面12とねじ部13を有する外周面11とを含み、その外周面11上で可動フランジ30と螺合するようにしたので、内側空間の有効利用と、可動フランジ30を回転させるという簡単な作業による巻線領域E1の幅調節との両立が可能である。
また、上記巻枠1では、規制部材40を、両ねじ部13,41の螺合状態で胴部10の周りに回転することにより当該胴部10に対して軸方向に移動して可動フランジ30に接触するように構成したので、可動フランジ30を軸方向に移動させるための胴部10のねじ部13を利用して当該可動フランジ30の移動を規制することができる。これにより、構成が簡略になる。また、規制部材40を回転させるという簡単な作業によって、可動フランジ30の規制状態と当該規制の解除状態とを切換えることができる。
次に、図6〜図9を参照して、上記巻枠1を用いた好ましい超電導コイル100の製造方法について説明する。ここでは、上記巻枠1の巻線領域E1に例えばY系酸化物材料やBi系酸化物材料からなる略長方形の断面形状(いわゆるテープ状)の超電導線材3をソレノイド状にかつ胴部10の径方向に複数層に亘って積層されるように巻回することによりコイル部2を形成する手順について詳細に説明する。このような酸化物材料からなるテープ状の超電導線材3を用いて超電導コイル100を形成すれば、胴部10の内側空間に極めて強力な磁場を発生させることが可能である。なお、下記の製造方法では省略しているが、巻枠1とコイル部2との間には絶縁材(絶縁シート)が配設される。
まず、図6に示すように、巻枠1の巻線領域E1に、超電導線材3を固定フランジ20の対向面21から可動フランジ30の対向面31に向けてソレノイド状に設定巻数だけ巻回する。これにより、コイル部2の最内層部分(第1層部分)が形成される。
このとき、超電導線材3に公差が存在し、例えば、当該線材3の寸法が規定寸法よりも小さかった場合、超電導線材3を設定巻数だけ巻回したときのその軸方向長さd2が巻線領域E1の幅d1よりも小さくなり、超電導線材3の軸方向一方の端部(巻終り端)と可動フランジ30との間に当該線材3の公差に起因する隙間Tが形成される。この隙間Tは超電導線材3の巻乱れの原因となり、仮に、当該隙間Tを放置した状態で以降の巻線作業を行った場合には、形成された超電導コイル100の磁場均一性の低下等の不都合が発生する。
これに対して、本実施形態の巻枠1は、可動フランジ30を回転させて胴部10の軸方向他方(右方)に移動させることで巻線領域E1の幅d1を小さく調整することが可能である。そして、図7に示すように、可動フランジ30を、その対向面31が超電導線材3の巻終り端に接触するまで右方に移動させることで、巻線領域E1の幅d1が、超電導線材3を設定巻数だけ巻回したときのその軸方向長さd2と一致し、上記隙間Tが埋められる。
その後、規制部材40を回転させて胴部10の軸方向他方に移動させる。これにより、図8に示すように、規制部材40が可動フランジ30の側面34に接触し、可動フランジ30の軸方向一方(左方)への移動が規制される。このとき、超電導線材3の軸方向両端には両フランジ20,30の対向面21,31が接触しており、当該線材3が両フランジ20,30により挟持されている。
そして、上記状態で、超電導線材3を軸方向に折返して第1層部分の径方向外側にソレノイド状に設定巻数だけ巻回し、これによってコイル部2の第2層部分を形成する。このとき、巻線領域E1の幅d1が、設定巻数だけ巻回された超電導線材3の軸方向長さd2に一致していることから、第2層部分の超電導線材3を巻乱れなく巻回することができる。
その後、第3層以降も同様の手順により順次形成することによって、図9に示すように、巻枠1の巻線領域E1に、ソレノイド状にかつ胴部10の径方向に複数層に亘って積層されるように巻回された超電導線材3からなるコイル部2を形成し、巻枠1とコイル部2とからなる超電導コイル100が完成する。
なお、上記では、超電導線材3の寸法が規定寸法よりも小さい場合の幅調整方法について示したが、逆に、超電導線材の寸法が規定寸法よりも大きいと、巻線領域E1の幅d1が当該線材を設定巻数だけ巻回したときの超電導線材の軸方向長さに対して不足するので、この場合には、可動フランジ30を軸方向一方(左方)に移動させて巻線領域E1の幅d1を上記超電導線材の軸方向長さに一致するように増大させる調整が行われる。
上記超電導コイル100では、酸化物材料からなるテープ状の超電導線材3に公差があってもその線材3が巻乱れなく複数層に亘ってソレノイド状に巻回されるので、有効利用可能な胴部10の内側空間に強力でしかも均一性に優れた磁場が発生する。従って、例えば、内側空間の中心軸上に試料を配置すれば、その試料に強力な磁場が効率良く作用する。このことから、当該超電導コイル100のMRI装置やNMR装置への適用等、その用途の拡大が十分に見込まれる。
また、上記超電導コイル100では、可動フランジ30の端部領域E2への移動が規制されることで、巻線領域E1の幅d1が不用意に広がるのが防止される。従って、巻線時に超電導線材3から可動フランジ30に軸方向の力が加わっても巻線領域E1の幅d1が変わらず、巻線作業が円滑に行われる。
また、上記超電導コイル100の製造方法では、酸化物材料からなるテープ状の超電導線材3を本発明に係る巻枠1にソレノイド状に巻回したので、製造後の寸法調整がほぼ不可能なことからコイル形成の自由度が低くなる傾向にある上記酸化物材料からなるテープ状の超電導線材3を用いた場合でも、磁場均一性等の性能の低下が発生しにくい超電導コイルを形成することができる。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態による巻枠の構成を示した部分断面図である。
この第2実施形態による巻枠101の第1実施形態と異なる点は、胴部110に保護部50が設けられている点である。
保護部50は、図10に示すように、胴部110の軸方向一方(左方)の端部から径外方向に延在している。この保護部50の外周は可動フランジ30の外周とほぼ同じ位置に配されており、当該巻枠101を軸方向から見た場合、保護部50が可動フランジ30の全体を覆っている。このような保護部50を設けることにより、可動フランジ30に軸方向外側からの力が作用するのが抑えられるので、可動フランジ30の変形や損壊等を防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、巻枠の軸方向一方のフランジ部を可動フランジとするとともに軸方向他方のフランジ部を固定フランジとしたが、これに限らず、両方のフランジ部がともに胴部に対して軸方向に移動可能な可動フランジに構成されていてもよい。
また、上記実施形態における超電導コイルの製造方法では、本発明を、テープ状の超電導線材をソレノイド状に巻回するための巻枠に適用したが、これに限らず、例えば断面円形状の超電導線材を巻回するための巻枠にも本発明を適用可能である。
また、上記実施形態において規制部材を省略することも可能である。例えば、可動フランジを胴部に緊密に設ければ、可動フランジを回転させるために大きな力が必要になるので、可動フランジの回転が起こりにくくなる。つまり、可動フランジの回転が当該フランジの胴部への螺合により十分に規制されるようになる。
また、上記実施形態では、巻線前の巻線領域の幅を、胴部に巻回される予定の超電導線材の規定寸法から予め求められた当該線材を設定巻数だけ巻回したときのその軸方向長さに一致するように設定した。そして、超電導線材の公差に起因して発生する巻線領域の幅の超電導線材の軸方向長さに対する過不足を、可動フランジの移動による巻線領域の幅調整によって埋めるようにした。しかし、本発明はこれに限らず、巻線前に可動フランジの位置を調整して、巻線領域の幅が超電導線材の軸方向長さよりも十分に大きくなるようにしておき、巻線状態で超電導線材と可動フランジとの間に隙間が必ず形成されるようにする。そして、コイル部の最内層部分の形成後に、巻線領域の幅を調整することにより当該隙間を埋めるようにしてもよい。このような方法で巻線領域の幅調整を行っても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、巻枠に巻回される超電導線材の実際の寸法が判明した時点で、当該線材を設定巻数だけ巻回したときのその軸方向長さを求めるとともに、巻線領域の幅を上記超電導線材の軸方向長さに一致するように調整しておく。そして、その幅調整作業後に巻線作業を開始する。このような方法であれば、上記実施形態と異なり、コイル部の最内層部分が形成された時に超電導線材と可動フランジとの間には隙間が形成されない。これにより、巻線作業を中断して幅調整作業を行うことがなくなるので、巻線作業の作業性が向上する。
1、101 巻枠
3 超電導線材
10、110 胴部
11 外周面
12 内周面
13 ねじ部(第1のねじ部)
20 固定フランジ(他方のフランジ部)
30 可動フランジ(一方のフランジ部)
32 内周面
33 ねじ部(第2のねじ部)
34 側面
40 規制部材
41 ねじ部(第3のねじ部)
50 保護部
100 超電導コイル
E1 巻線領域
E2 端部領域

Claims (7)

  1. 超電導線材をソレノイド状に巻回するための巻枠であって、
    外周面を有し、その上に前記超電導線材が巻き付けられる胴部と、この胴部からその径外方向に延びるとともに互いに対向し、前記外周面上で前記超電導線材が巻き付けられる巻線領域を規定する対向面を有する一対のフランジ部とを備え、
    前記胴部は、前記外周面に設けられる第1のねじ部と、当該胴部を軸方向に貫通する内側空間を囲む内周面とを含み、
    少なくとも一方の前記フランジ部は、前記胴部の外周面に対向配置される内周面と、この内周面に設けられて前記第1のねじ部に螺合する第2のねじ部とを有し、両ねじ部の螺合状態で前記胴部の周りに回転して当該胴部に対して軸方向に移動する可動フランジであることを特徴とする巻枠。
  2. 前記可動フランジを基準に前記巻線領域と反対側の領域である端部領域に設けられ、前記可動フランジの前記端部領域に臨む側面に接触して当該可動フランジの前記端部領域への移動を規制する規制部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の巻枠。
  3. 前記規制部材は、前記胴部の外周面に対向配置される内周と、その内周に設けられて前記第1のねじ部に螺合する第3のねじ部とを有し、第3のねじ部を第1のねじ部に螺合させた状態で前記胴部の周りに回転することで当該胴部に対して軸方向に移動して前記可動フランジに接触することを特徴とする請求項2に記載の巻枠。
  4. 前記胴部の前記端部領域に位置する部分から径外方向に延在し、前記胴部の軸方向から見て前記可動フランジの少なくとも一部を覆う保護部をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の巻枠。
  5. 前記超電導線材が酸化物材料からなるテープ状の超電導線材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の巻枠。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の巻枠の製造方法であって、
    前記可動フランジを、前記胴部の軸方向外側から嵌め込むとともに第2のねじ部を第1のねじ部に螺合させて前記胴部の軸方向一方の部位に装着することにより一方のフランジ部を形成する工程と、
    前記巻線領域を挟んで前記一方のフランジ部と対向するように前記胴部の軸方向他方の部位に他方のフランジ部を設ける工程とを備えることを特徴とする巻枠の製造方法。
  7. 巻枠に超電導線材をソレノイド状に巻回することにより形成される超電導コイルの製造方法であって、
    前記巻枠として請求項1〜5のいずれか一項に記載の巻枠を用意する工程と、
    前記胴部の周囲の一対のフランジ部の対向面により規定される巻線領域に、超電導線材を、その巻始め端が他方のフランジ部の対向面に接触する状態で当該他方のフランジ部から一方のフランジ部に向けてソレノイド状に設定巻数だけ巻回する工程と、
    一方のフランジ部を胴部の周りに回転させて他方のフランジ部に近づく方向に移動させることで前記巻回された超電導線材の軸方向一方の巻終り端に当該一方のフランジ部を接触させる工程と、
    前記超電導線材を軸方向に折返して、巻回された超電導線材の径方向外側に一方のフランジ部から他方のフランジ部に向けてソレノイド状に設定巻数だけ巻回する工程とを備えることを特徴とする超電導コイルの製造方法。
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