JP2021012953A - リアクトル用ボビン、リアクトルおよびリアクトルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係るリアクトル用ボビンは、中空筒状を呈し、外周部にコイルが巻回状態に配設可能な胴部の一端部に、固定鍔部を外方へ延設して構成されたボビン本体部と、前記胴部の他端部に、前記コイル配設後に装着される装着鍔部と、を備えたことを特徴とするものである。
前記胴部の前記他端部には、前記係合部が係合する係合受部を備え、
前記係合部と前記係合受部とが互いの係合位置を選択して係合することにより、前記固定鍔部と前記装着鍔部との間隔を調整可能とするのが好ましい。
その場合、前記係合受部は、前記胴部の外周面に備えられていてもよい。
また、並列配置された複数の前記胴部を備える際に、各胴部の一端部に固定する前記固定鍔部および各胴部の他端部に装着する前記装着鍔部の少なくとも一方を一体化してもよい。
前記胴部の一端部に固定鍔部を備えたボビン本体部と、前記胴部の他端部に装着される装着鍔部とを形成するボビン形成工程と、
電線を巻回してコイルを形成するコイル形成工程と、
前記胴部を前記コイルの空芯部へ挿通して該胴部の周りに前記コイルを取り付けるコイル取付工程と、
前記コイルが取り付けられた前記胴部の他端部の所定位置に前記装着鍔部を装着する鍔部装着工程と、
前記コイルおよび前記装着鍔部を備えた前記胴部の中空部に磁性コアの脚部を収納して該磁性コアを組み付けるコア組付工程と、
を含むことを特徴とするものである。
また、前記係合受部を前記胴部の外周面に備えれば、装着鍔部の装着作業において、装着鍔部の係合部を係合させる箇所を容易に視認することができる。このため、装着作業を滞りなく行い易くなり、作業効率の向上を図ることができる。
また、並列配置された一対の前記胴部を備え、各胴部の一端部に前記固定鍔部を設置する一方、各胴部の他端部に装着する前記装着鍔部を隣接側から装着することで、各胴部の他端部に装着された各鍔部が他方の胴部によって横方向の移動を規制されるため、作製されたリアクトルにおいては、組み付けられた装着鍔部の脱落防止を図ることができる。
また、並列配置された複数の前記胴部を備え、各胴部の一端部に固定する前記固定鍔部および各胴部の他端部に装着する前記装着鍔部の少なくとも一方を一体化することにより、リアクトル用ボビンの構成部品数を減らすことができるとともに、複数の胴部への鍔装着作業を一度に行うことができ、製造効率の向上を図ることができる。
リアクトル100は、太陽光発電機器や風力発電機器、または電気自動車用の充電設備等の電気回路要素として使用されるものであり、図1に示すように、並列する一対のコイル110と、各コイル110が取り付けられる一対の筒状リアクトル用ボビン120と、各リアクトル用ボビン120の中空部内に一部が通される環状の磁性コア130と、を備えて構成されている。そして、リアクトル用ボビン120を樹脂などの絶縁体で構成して、コイル110と磁性コア130との間を絶縁している。なお、本願明細書において、「リアクトル用ボビン」との用語を用いる場合は、いずれかの構成部材が一体化していれば、例えば、2つの胴部(下記121A等)の一端に形成された鍔部(下記固定鍔部121B等)が互いに一体化されている場合は、「リアクトル用ボビン」全体としても1つとして表すものとする。
リアクトル用ボビン120は、図3に示すように、ボビン本体部121と、ボビン本体部121に装着される装着鍔部122とを備えて構成されている。ボビン本体部121は、中空の矩形筒状を呈する胴部121Aを備え、該胴部121Aの周りにコイル110を巻回状態で配置可能とし、胴部121Aの一端部には、胴部121Aの全周に亘る固定鍔部121Bを外方へ延設し、固定鍔部121Bの姿勢を胴部121Aの軸方向とは直交する方向へ延在する状態に設定している。そして、胴部121Aの中空部を胴部121Aの軸方向に沿って貫通する状態とし、胴部121Aの両端部から中空部へ一対のコアブロック131(磁性コア130)の脚部132を収納(挿入)できるように構成されている。
リアクトル100の製造においては、リアクトル100の各構成部品を形成する工程と、各構成部品を用いてリアクトル100を組み立てる工程とを行う。リアクトル100の構成部品の形成工程においては、ボビン本体部121および装着鍔部122を射出成型等により別個に形成し(ボビン形成工程)、平角線材(電線)をエッジワイズ巻きしてコイル110を形成し(コイル形成工程)、圧粉成型、金属ブロックを切削する、あるいは、金属板を積層する等してU型コアブロック131を形成する(コアブロック形成工程)。
例えば、図8の第5の実施形態に示すように、リアクトル用ボビン520において、ボビン本体部521の胴部521Aの外周面に形成された凹部521Eと、装着鍔部522に突設された凸部522Eとにより係合ストッパーを構成し、凹部521Eと凸部522Eとの係合により係合受部521Cと係合部522Cとの係合状態(装着鍔部522の装着状態)を維持可能としてもよい。あるいは、装着鍔部の嵌合入口を閉成可能な短冊部材(図示せず)を係合ストッパーとして採用し、胴部に装着された装着鍔部の嵌合入口を係合ストッパー(短冊部材)で閉成することにより、係合部と係合受部との係合状態の維持、さらには装着鍔部の胴部からの脱落阻止を実現してもよい。
110 コイル
111 空芯部
120,220,320,420,520 リアクトル用ボビン
121,221,321,421,521 ボビン本体部
121A,221A,321A,421A,521A 胴部
121B,221B,321B,421B 固定鍔部
121C,221C,321C,421C,521C 係合受部
122,222,223,323,422,522 装着鍔部
1221 第1片
1222 第2片
1223 第3片
122A,223A,323A,422A 嵌合空部
122B,223B,323B 嵌合入口
122C,222C,223C,323C,422C,522C 係合部
122D,222D,223D,323D 係合ストッパー
130 磁性コア
131 コアブロック
132 脚部
521E 凹部
522E 凸部
Claims (9)
- 中空筒状を呈し、外周部にコイルが巻回状態に配設可能な胴部の一端部に、固定鍔部を外方へ延設して構成されたボビン本体部と、前記胴部の他端部に、前記コイル配設後に装着される装着鍔部と、を備えたことを特徴とするリアクトル用ボビン。
- 前記装着鍔部には、前記胴部側に係合する係合部を備え、
前記胴部の前記他端部には、前記係合部が係合する係合受部を備え、
前記係合部と前記係合受部とが互いの係合位置を選択して係合することにより、前記固定鍔部と前記装着鍔部との間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載のリアクトル用ボビン。 - 前記係合部と前記係合受部とは、少なくとも一方が前記固定鍔部からの位置を異ならせて複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載のリアクトル用ボビン。
- 前記係合受部は、前記胴部の外周面に備えられていることを特徴とする請求項2または3に記載のリアクトル用ボビン。
- 前記係合部と前記係合受部との係合状態を維持可能な係合ストッパーを備えたことを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか1項記載のリアクトル用ボビン。
- 並列配置された一対の前記胴部を備え、各胴部の一端部に前記固定鍔部を設置する一方、各胴部の他端部に装着する前記装着鍔部を隣接側から装着することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載のリアクトル用ボビン。
- 並列配置された複数の前記胴部を備え、各胴部の一端部に固定する前記固定鍔部および各胴部の他端部に装着する前記装着鍔部の少なくとも一方を一体化したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載のリアクトル用ボビン。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のリアクトル用ボビンの前記胴部の周りにはコイルを巻回状態に配設し、該胴部の中空部には磁性コアの脚部を収納して該磁性コアを組み付けて構成されたことを特徴とするリアクトル。
- 中空筒状を呈する胴部の両端部に鍔部を備えたリアクトル用ボビンの該胴部の周りにコイルを巻回状態に配設するとともに、該胴部の中空部に磁性コアの脚部を収納して該磁性コアを組み付けるリアクトルの製造方法であって、
前記胴部の一端部に固定鍔部を備えたボビン本体部と、前記胴部の他端部に装着される装着鍔部とを形成するボビン形成工程と、
電線を巻回してコイルを形成するコイル形成工程と、
前記胴部を前記コイルの空芯部へ挿通して該胴部の周りに前記コイルを取り付けるコイル取付工程と、
前記コイルが取り付けられた前記胴部の他端部の所定位置に前記装着鍔部を装着する鍔部装着工程と、
前記コイルおよび前記装着鍔部を備えた前記胴部の中空部に磁性コアの脚部を収納して該磁性コアを組み付けるコア組付工程と、
を含むことを特徴とするリアクトルの製造方法。
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