JP2010218776A - ユニット取付構造および車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラケットに対する灯具ユニットのがたつきを抑える。
【解決手段】
ユニット取付構造は、ブラケット20に対して灯具ユニットを左右方向にスイブル可能に取り付けるためのものであり、ブラケット20に連結され、灯具ユニットのスイブル軸18の一端と対向する位置に空間を隔てて配置されたスライダガイド120と、前記空間に進退可能に挿入され、くさび部分がスイブル軸18の一端およびスライダガイド120に当接するように配置されたスライダ140と、スライダ140を、弾性をもって進入方向に付勢する押えスプリング160と、を備える。
【選択図】図7
【解決手段】
ユニット取付構造は、ブラケット20に対して灯具ユニットを左右方向にスイブル可能に取り付けるためのものであり、ブラケット20に連結され、灯具ユニットのスイブル軸18の一端と対向する位置に空間を隔てて配置されたスライダガイド120と、前記空間に進退可能に挿入され、くさび部分がスイブル軸18の一端およびスライダガイド120に当接するように配置されたスライダ140と、スライダ140を、弾性をもって進入方向に付勢する押えスプリング160と、を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、自動車などに用いられる車両用灯具におけるユニット取付構造と、当該ユニット取付構造を備えた車両用灯具に関するものである。
従来、灯具ユニットを左右に回動させるスイブル機構を備えた車両用灯具が提案されている。この車両用灯具では、灯具ユニットのスイブル軸がブラケットに軸支されるとともに、当該ブラケットがランプボディに固定されることで、ランプボディに対して灯具ユニットが左右方向にスイブル可能に取り付けられている。
このような車両用灯具において、ブラケットと灯具ユニットとの間の寸法誤差等により灯具ユニットのがたつきが生じることがあった。これに対し、ブラケットに軸支されている灯具ユニットのスイブル軸を板バネで軸方向に押さえつけて、灯具ユニットをブラケットに対して軸方向に付勢することで、灯具ユニットの上下方向のがたつきを防止する技術が知られている(特許文献1、2参照)。
上述の状況において、本発明者は以下の課題を認識するに至った。すなわち、従来技術では、スイブル軸の軸方向に付勢力を発生させるように板バネを設定し、スイブル軸の頂部に板バネを直に当接させて灯具ユニットの上下方向のがたつきを抑えていた。そのため、車両の振動や外部からの衝撃により灯具ユニットにかかる力の大きさによっては、灯具ユニットのがたつきを抑えることができないおそれがあり、したがって灯具ユニットのがたつきを防止する上で改良の余地があった。
本発明は、発明者によるこうした認識に基づいてなされたものであり、その目的は、ブラケットに対する灯具ユニットのがたつきを抑える技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のユニット取付構造は、ブラケットに対して灯具ユニットを左右方向にスイブル可能に取り付けるユニット取付構造であって、ブラケットに連結され、灯具ユニットのスイブル軸の一端と対向する位置に空間を隔てて配置されたくさび受け部と、空間に進退可能に挿入され、くさび部分がスイブル軸の一端およびくさび受け部に当接するように配置されたくさび部材と、くさび部材を、弾性をもって進入方向に付勢する付勢部材と、を備えたことを特徴とする。
この態様によれば、ブラケットに対する灯具ユニットのがたつきを抑えることができる。
上記態様において、くさび部分は、スイブル軸の一端においてスイブル軸と直角に接する軸突当面と、当該軸突当面に対して傾斜し、くさび受け部に当接するテーパ面と、を含み、テーパ面は、くさび部材が空間に進入するほどスイブル軸の一端を押し込むように作用する方向に傾斜していてもよい。これによれば、灯具ユニットのスイブルに適したスイブル軸の支持が可能となる。
また上記態様において、くさび受け部は、テーパ面と平行に延び、テーパ面に当接するガイド面を含んでもよい。これによれば、くさび部材のより安定した進退移動が可能になる。
また上記態様において、くさび受け部に向かって突出するようにブラケットに設けられ、その開放端側がテーパ面と同じ角度で傾斜したスライドレールを備え、くさび部材は、ブラケットと対向する側の面にテーパ面と同じ角度で傾斜し、スライドレールに当接する傾斜部を有してもよい。これによれば、くさび部材のより安定した進退移動が可能になる。
また、本発明の他の態様は車両用灯具であり、この車両用灯具は、光源と、スイブル軸と、を備えた灯具ユニットと、灯具ユニットを、スイブル軸を軸として左右方向にスイブル可能に支持するブラケットと、を備え、灯具ユニットが上述のいずれかの態様のユニット取付構造によってブラケットに取り付けられていることを特徴とする。この態様によれば、灯具ユニットの取り付け位置精度を向上させることができる。
本発明によれば、ブラケットに対する灯具ユニットのがたつきを抑えることができる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るバルブ取付構造を備えた車両用灯具の概略構成を示す概略鉛直断面図である。以下、灯具の照射方向(図1の左側)を灯具前方とし、その反対側(図1の右側)を灯具後方として説明する。また、灯具前方を向いて右側を灯具右側、左側を灯具左側とする。図1は、灯具の光軸Xを含む鉛直平面によって切断された車両用灯具1を灯具左側から見た断面を示している。
図1は、実施形態1に係るバルブ取付構造を備えた車両用灯具の概略構成を示す概略鉛直断面図である。以下、灯具の照射方向(図1の左側)を灯具前方とし、その反対側(図1の右側)を灯具後方として説明する。また、灯具前方を向いて右側を灯具右側、左側を灯具左側とする。図1は、灯具の光軸Xを含む鉛直平面によって切断された車両用灯具1を灯具左側から見た断面を示している。
図1に示す車両用灯具10は、車両前方の車幅方向の左右に1灯ずつ配置されるいわゆる配光可変式前照灯と呼ばれる車両用前照灯装置である。車両用灯具10は、車両前方に向かって開口した開口部を有するランプボディ12と、ランプボディ12の開口部を覆う透光カバー14で形成される灯室13を有する。灯室13内には、光を車両前方に照射する灯具ユニット16が収納されている。灯具ユニット16の上部には、灯具ユニット16の揺動中心となるスイブル軸18が突設されており、スイブル軸18はユニット取付構造100によりブラケット20に対して軸周りに回動可能に取り付けられている。ブラケット20は、灯具ユニット16を取り囲むように延在する略矩形の枠体であり、スイブル軸18は、ブラケット20の上部フレームに取り付けられている。そして、ブラケット20は、図示しない支持機構によりランプボディ12に固定されている。したがって、灯具ユニット16は、灯室13内の所定位置に固定されるとともに、スイブル軸18を中心として左右方向にスイブル可能となっている。
また、灯具ユニット16の下面は、ブラケット20の下部フレーム30上に配置されている。下部フレーム30の所定位置には、回動軸32が挿通される挿通孔30aが形成されている。灯具ユニット16の下面には回動軸32が突設されており、回動軸32は下部フレーム30の挿通孔30aに挿通されてスイブルアクチュエータ34に連結されている。スイブルアクチュエータ34は、例えばステアリング操作に応じて駆動され、スイブルアクチュエータ34が駆動されることによって回動軸32が回動するように設けられている。したがって、灯具ユニット16は、スイブルアクチュエータ34の駆動により回動軸32が回動することで、スイブル軸18を中心として左右方向にスイブルすることができる。
灯室13の下部には、灯具ユニット16の点消灯制御等を行う照射制御部36が配置されている。
灯具ユニット16は、バルブ38(光源)、リフレクタ40、投影レンズ42を含んで構成される。バルブ38は、例えば、白熱球やハロゲンランプ、放電球、LEDなどが使用可能である。本実施形態では、一例としてバルブ本体38aと、このバルブ本体38aを支持するベース部38bとを含むメタルハライドバルブで構成されるバルブ38を示す。
リフレクタ40は、灯具の光軸Xを中心軸とする回転放物面状の反射面40aを有し、バルブ38のバルブ本体38aから放射される光を反射して投影レンズ42へと導く。リフレクタ40の後部中央には、光軸Xを中心とする筒状のバルブ挿入孔40bが形成されている。投影レンズ42は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、車両前後方向に延びる光軸X上に配置されている。リフレクタ40の前方開口部は、ホルダ44の後方開口部に連結され、投影レンズ42の周縁部は、ホルダ44の前方開口部に連結されている。
灯具ユニット16の存在領域に開口部46aを有するエクステンション部材46がランプボディ12に固定され、これによりランプボディ12の前面開口部と灯具ユニット16との間の領域が前方に対して覆われている。
照射制御部36には、バルブ38に電力を供給する給電ソケット48がコード50を介して接続されている。給電ソケット48は、バルブ38のベース部38bに着脱可能に取り付けられ、給電ソケット48がバルブ38のベース部38bに取り付けられることによって、照射制御部36からバルブ38への電力供給が可能となる。
次に、実施形態1に係るユニット取付構造について詳細に説明する。本実施形態のユニット取付構造100は、ブラケット20に対して灯具ユニット16を左右方向にスイブル可能に取り付けるユニット取付構造であって、スライダガイド(くさび受け部)と、スライダ(くさび部材)と、押えスプリング(付勢部材)とを備える。以下、各部材について詳細に説明する。
まず、ユニット取付構造100が取り付けられるブラケット20について説明する。図2(A)は、ブラケットの概略平面図であり、図2(B)は、ブラケットの概略正面図であり、図2(C)は、ブラケットの概略背面図であり、図2(D)は、ブラケットの概略右側面図であり、図2(E)は、図2(A)におけるA−A線上の断面図である。なお、図2(A)から図2(E)では、ブラケット20の下部フレーム30と、上部フレームと下部フレーム30とをつなぐ左右のフレームの図示を省略している。
図2(A)から図2(E)に示すように、ブラケット20は、ベース部22と、スライド規制部24と、スライドレール26と、位置決め突起28とを備える。
ベース部22は、上部フレームの一部を構成し、灯具左右方向に延びる略板状形状を有する。なお、ブラケット20は、上部フレーム(ベース部22)と下部フレーム30とが別体であってもよい。この場合、上部フレームと下部フレーム30とがそれぞれ独立に図示しない支持機構を介してランプボディ12に固定される。
ベース部22の前端面には、後述するスライダガイドをベース部22に固定するためのネジ等の締結部材が挿通される2つのスライダガイド固定挿通孔22bが形成されている。2つのスライダガイド固定挿通孔22bは、左右方向に間隔を隔てて形成されている。なお、スライダガイド固定挿通孔22bの個数、配置は特に限定されない。
ベース部22の前端面の中央には、上面から下面にかけて、スイブル軸18が通されるスイブル軸支持溝22cが形成されている。スイブル軸支持溝22cは、灯具前方から見て2つのスライダガイド固定挿通孔22bの間に形成されている。スイブル軸支持溝22cは、スライダガイドの後述する嵌合凹部とともにスイブル軸18に取り付けられた自動調心メタルを傾動可能に支持する嵌合凹部22c1を含む。嵌合凹部22c1は、溝が深くなるように窪んだ円弧状の内周面を有する。
ベース部22の上面の中央には、前後方向に延び、スライダの後述するスライド規制凸部がスライド可能に係合するスライド規制溝22dが形成されている。スライド規制溝22dは、ベース部22の後端面からスイブル軸支持溝22cに至る手前まで延びている。
ベース部22の上面には、スライダの幅だけ間隔を隔てて一対のスライド規制部24が突設されている。スライド規制部24は前後方向に延び、互いに対向する側の側面、すなわちベース部22の中央を向く側の側面が、スライダの側面と当接してスライダの左右方向の動きを規制するように作用するスライド規制面24aとなっている。
また、ベース部22の上面には、一対のスライドレール26が突設されている。スライドレール26は前後方向に延び、スライダガイドがブラケット20に固定された状態で、スライダガイドの後述するガイド部に向かって突出するようにベース部22に設けられている。また、スライドレール26の突出高さは、スライド規制部24の突出高さよりも低く、一方の側面がスライド規制部24のスライド規制面24aと接している。スライドレール26の開放端側の面(上面)は、スライダの後述するテーパ面と同じ角度で傾斜した傾斜面26aとなっている。傾斜面26aは後方から前方に向かってベース部22の上面に近づくように傾斜している。本実施形態では、スライド規制部24とスライドレール26とが一体的に形成されており、灯具前方から見てスイブル軸支持溝22cとスライダガイド固定挿通孔22bとの間に配置されている。
ベース部22の前端面の左右方向両端には、スライダガイドが当接する一対の位置決め突起28が設けられている。
次に、スライダガイドについて説明する。図3(A)は、スライダガイドの概略平面図であり、図3(B)は、スライダガイドの概略正面図であり、図3(C)は、スライダガイドの概略左側面図であり、図3(D)は、図3(B)におけるB−B線上の断面図である。
図3(A)から図3(D)に示すように、スライダガイド120は、ブラケット連結部122と、ガイド部124と、一対のスプリング係合部126とを備える。
ブラケット連結部122は、略板状形状であり、ユニット取付構造100が組み付けられた状態で灯具前後方向に対して垂直な方向に延在する。ブラケット連結部122は、その後面(灯具後方側の主表面)がブラケット20の前端面に当接するようにしてブラケット20に取り付けられ、これによりスライダガイド120がブラケット20に固定される。ブラケット連結部122は、ブラケット20に固定された状態で、その左右の側面がブラケット20の一対の位置決め突起28に当接するように設定されている。ブラケット連結部122は、スライダガイド固定挿通孔22bに対応する位置に、締結部材挿通孔122aが形成されている。
ブラケット連結部122の前面下部には、灯具前方に突出した湾曲部122bが形成されている。湾曲部122bの後面は、ブラケット20の嵌合凹部22c1とともに、スイブル軸18に取り付けられた自動調心メタルを傾動可能に支持する嵌合凹部122b1となっている。嵌合凹部122b1が自動調心メタルを支持することで、湾曲部122bは、スイブル軸支持溝22cとともにスイブル軸18を軸支するように作用する。ブラケット連結部122の中央上部には、スライダの先端が突出するスライダ突出窓122cが形成されている。
ガイド部124は、ブラケット連結部122の上端から所定の角度で傾斜して灯具後方に向かって延びるように設けられている。ガイド部124の前端部中央には、所定の角度で傾斜して灯具前方に延び、スライダ突出窓122cの上方に延在する庇部124aが設けられている。ガイド部124および庇部124aの下面は、スライダの後述するテーパ面と平行に延びるとともに、ユニット取付構造100が組み付けられた状態で、このテーパ面に当接するガイド面124bを構成している。
スプリング係合部126は、ガイド部124の左右両端から下方に延び、押えスプリングの後述する係止爪部が係合するように設定されている。スプリング係合部126は、スライダ140が配置される側を向く内側面と、内側面と反対側の外側面とを有する。
続いて、スライダについて説明する。図4(A)は、スライダの概略平面図であり、図4(B)は、スライダの概略正面図であり、図4(C)は、スライダの概略背面図であり、図4(D)は、スライダの概略左側面図であり、図4(E)は、スライダの概略底面図であり、図4(F)は、図4(A)におけるC−C線上の断面図である。
図4(A)から図4(F)に示すように、スライダ140は、ベース部142と、係合凸部144と、傾斜部146と、スプリング嵌合突起148と、を備える。
ベース部142は、ユニット取付構造100が組み付けられた状態で、その底面がスイブル軸18の一端においてスイブル軸18と直角に接する軸突当面142aとなっている。ベース部142の後端部には、下方に突出して、ブラケット20のスライド規制溝22dにスライド可能に係合するスライド規制凸部142bが形成されている。ベース部142の前端部には、ユニット取付構造100が組み付けられた状態で、スライダガイド120の庇部124aよりも光軸方向前方に突出する突部142cが形成されている。
係合凸部144は、ベース部142の上面の中央に、前後方向に延びるように設けられている。係合凸部144の上面は、軸突当面142aに対して傾斜し、スライダガイド120のガイド面124bに当接するテーパ面144aとなっている。
傾斜部146は、ベース部142の左右両端に、前後方向に延びるように設けられている。傾斜部146の上面は、係合凸部144のテーパ面144aと同様に、軸突当面142aに対して傾斜し、スライダガイド120のガイド面124bに当接するテーパ面146aとなっている。
ここで、係合凸部144のテーパ面144aおよび傾斜部146のテーパ面146aは、ユニット取付構造100が組み付けられた状態で、ブラケット20と、ブラケット20に固定されたスライダガイド120のガイド部124との間に形成された空間にスライダ140が進入するほどスイブル軸18の一端を押し込むように作用する方向に傾斜している。すなわち、テーパ面144a、146aは、前端にいくほど軸突当面142aに近づくように傾斜している。したがって、軸突当面142aと、テーパ面144a、146aとによってスライダ140のくさび部分が形成されている。
また、傾斜部146の下面は、テーパ面146aと同じ角度で傾斜し、ユニット取付構造100が組み付けられた状態で、ブラケット20のスライドレール26の傾斜面26aと当接する傾斜面146bとなっている。傾斜部146の側面は、ユニット取付構造100が組み付けられた状態で、ブラケット20のスライド規制部24のスライド規制面24aに当接するように設定されている。
スプリング嵌合突起148は、円筒形状を有し、ベース部142の後端面から灯具後方に向けて突出している。スプリング嵌合突起148が押えスプリングの後述する挿通孔に嵌合することで、スライダ140に押えスプリングが連結される。
続いて、押えスプリングについて説明する。図5(A)は、押えスプリングの概略平面図であり、図5(B)は、押えスプリングの概略正面図であり、図5(C)は、押えスプリングの概略背面図であり、図5(D)は、押えスプリングの概略左側面図である。
図5(A)から図5(D)に示すように、押えスプリング160は弾性部材である板バネからなり、その中央に、スライダ140の後端面に連結される連結部160aを有する。連結部160aには、スライダ140のスプリング嵌合突起148が挿通される挿通孔160a1が形成されている。挿通孔160a1は、スプリング嵌合突起148の径よりもわずかに小さい径を有し、挿通孔160a1にスプリング嵌合突起148が圧入されることで、スライダ140と押えスプリング160とが連結されるようになっている。
連結部160aには、連結部160aの左右両端から側方に延びるとともに灯具後方に延び、その先が湾曲して灯具前方に延びる一対の腕部160bが連続している。腕部160bの先端には、先端部が内側に折り返されて光軸方向後方に延びる略J字形状の一対の係止爪部160cが形成されている。互いに対向する一対の係止爪部160cの間の距離は、スライダガイド120の一対のスプリング係合部126の間隔よりも狭くなっている。
上述の各部材の組み付けは、次のようにして行われる。図6は、ユニット取付構造の組み付け方法を説明するための分解平面図である。図7は、ユニット取付構造の組み付け方法を説明するための分解側面図である。図6および図7では、ブラケット20の下部フレーム30と左右のフレームの図示を省略している。
図6および図7に示すように、スライダ140のスプリング嵌合突起148と押えスプリング160の挿通孔160a1(図5(B)参照)とが同軸上に配置されるように、スライダ140と押えスプリング160とを位置合わせする。そして、挿通孔160a1にスプリング嵌合突起148を圧入することで、スライダ140と押えスプリング160とを連結する。
また、スイブル軸18を自動調心メタル19の挿通孔19aに挿通する。そして、スイブル軸18をブラケット20のスイブル軸支持溝22cに灯具前方から嵌め込む。このとき、自動調心メタル19は、スイブル軸支持溝22cの嵌合凹部22c1に嵌め込まれる。
続いて、ブラケット20のベース部22の前端面とスライダガイド120のブラケット連結部122の後面とを対向させる。そして、スライダガイド固定挿通孔22bと締結部材挿通孔122aとが同軸上に配置されるように、ブラケット20とスライダガイド120とを位置合わせして、ベース部22の前端面とブラケット連結部122の後面とを当接させる。これにより、自動調心メタル19がスライダガイド120の湾曲部122bの嵌合凹部122b1に嵌め込まれる。これにより、自動調心メタル19が嵌合凹部22c1および嵌合凹部122b1により傾動可能に支持され、その結果、スイブル軸18がスイブル軸支持溝22cと湾曲部122bにより軸支される。
そして、灯具前方から締結部材挿通孔122aおよびスライダガイド固定挿通孔22bに締結ネジ180が挿通され、締結ネジ180がスライダガイド固定挿通孔22bに螺合することで、スライダガイド120がブラケット20に固定される。スライダガイド120がブラケット20に取り付けられることで、スイブル軸18の一端と対向する位置に、空間を隔ててスライダガイド120のガイド部124が配置される。
そして、ブラケット20の一対のスライド規制部24の間にスライダ140が配置され、ブラケット20とスライダガイド120のガイド部124との間の空間にスライダ140が灯具後方から差し込まれる。スライダ140が差し込まれる際、係合凸部144のテーパ面144aと傾斜部146のテーパ面146aがガイド部124のガイド面124bに当接し、傾斜部146の側面がスライド規制部24のスライド規制面24aに当接し、傾斜部146の傾斜面146bがスライドレール26の傾斜面26aに当接した状態で、スライダ140が摺動する。また、スライダ140のスライド規制凸部142bがブラケット20のスライド規制溝22dに係合する。
スイブル軸18とスライダ140の軸突当面142aとが接する位置において、軸突当面142aからテーパ面144a、146aまでの高さが、スイブル軸18の端部からガイド部124のガイド面124bまでの高さと一致するまでスライダ140が進入すると、スライダ140の進入が停止される。スライダ140の進入が停止された後、押えスプリング160が灯具前方に押圧されると、押えスプリング160が弾性変形し、腕部160bが灯具前方に押し出される。そして、これにより、係止爪部160cがスプリング係合部126の外側面に突き当たる。
係止爪部160cがスプリング係合部126に突き当たった後、さらに腕部160bが押し出されると、押えスプリング160は、係止爪部160cがスプリング係合部126の外側面に沿って押し広げられように弾性変形する。そして、さらに腕部160bが灯具前方に押し出されて、係止爪部160cの先端がスプリング係合部126を乗り越えると、押えスプリング160は、自らの弾性力により係止爪部160cが互いに近づくように変形する。そして、押えスプリング160は、自らの弾性力により腕部160bが灯具後方に移動するように変形し、係止爪部160cの先端部がスプリング係合部126の内側面側に回り込む。これにより、係止爪部160cがスプリング係合部126に係合し、スライダ140がスライダガイド120に連結される。
このようにして組み付けられたユニット取付構造100におけるスライダ140の動作について説明する。図8(A)は、ユニット取付構造の概略平面図であり、図8(B)は、ユニット取付構造の概略正面図であり、図8(C)は、ユニット取付構造の概略左側面図である。図8(A)から図8(C)では、ブラケット20の下部フレーム30と左右のフレームの図示を省略している。
図8(A)から図8(C)に示すように、スライダ140は、ブラケット20とスライダガイド120のガイド部124との間の空間に進退可能に挿入されている。そして、スライダ140が当該空間に進入した状態で、スライダ140の軸突当面142aがスイブル軸18の端部に当接し、テーパ面144a、146aがガイド面124bに当接している。
また、スライダ140のテーパ面144a、146aとスライダガイド120のガイド面124bとが、軸突当面142aに対して同じ角度で傾斜している。そのため、スライダ140の進入量に応じて、スイブル軸18に対する軸突当面142aの角度が変化することなく、軸突当面142aの上下位置が変化する。そして、押えスプリング160は、スライダガイド120のスプリング係合部126に係合した状態で、スライダ140を弾性をもって進入方向に付勢している。したがって、スライダ140の軸突当面142aがスイブル軸18の端部位置に追従する。よって、灯具ユニット16とブラケット20との寸法誤差が生じた場合であっても、その寸法誤差の大きさによらず、軸突当面142aがスイブル軸18の端部に当接した状態となる。
また、スライド規制部24のスライド規制面24aにスライダ140の傾斜部146の側面が当接しており、これにより、スライダ140の左右方向の変位が規制されている。また、スライドレール26(図6参照)の傾斜面26a(図6参照)に傾斜部146の傾斜面146bが当接しており、これにより、スライダ140の進退移動時の姿勢が保たれて、スライダ140の安定したスライドが可能となる。また、本実施形態では、スライダ140の傾斜部146が、ガイド面124bと傾斜面26a(図6参照)とスライド規制面24aとで形成される凹部に係合してスライドするように構成されている。
また、自動調心メタルがスイブル軸18に取り付けられることで、スイブル軸18に対するユニット取付構造100の傾斜が許容されている。スライダ140によりスイブル軸18を軸方向に付勢する付勢力の大きさは、押えスプリング160の弾性力の大きさを調整することで調整可能である。
以上説明した構成による動作を総括すると、本実施形態に係るユニット取付構造100では、スライダ140の軸突当面142aをスイブル軸18に突き当てているため、板バネでスイブル軸18を押圧する構成に比べて、灯具ユニット16の上下がたつきをより確実に抑えることができる。また、スライダ140は、軸突当面142aとテーパ面144a、146aによってくさび部分を形成し、ブラケット20とスライダガイド120との間にスライダ140のくさび部分を挿入して、押えスプリング160によりスライダ140を付勢している。すなわち、本実施形態に係るユニット取付構造100では、灯具ユニット16とブラケット20との寸法誤差を、スライダ140のくさび部分の進入量で吸収している。
そのため、灯具ユニット16とブラケット20との寸法誤差によらず、軸突当面142aをスイブル軸18に当接させることができ、したがって、灯具ユニット16の上下がたつきをより確実に抑えることができる。また、灯具ユニット16のがたつきが抑えられることで、灯具ユニット16やユニット取付構造100を構成する部品が摩擦によって摩耗したり、衝突によって破損するのを回避することができる。さらに、ユニット取付構造100を備えた車両用灯具10では、灯具ユニット16の上下がたつきが抑えられることで灯具ユニット16の取り付け位置精度が向上するため、灯具の配光性能を向上させることができる。
また、スライダ140の位置によらず、軸突当面142aをスイブル軸18に対して直角に当接させることができるため、灯具ユニットのスイブルに適したスイブル軸の支持が可能となる。また、スライダガイド120は、テーパ面144a、146aと平行に延び、テーパ面144a、146aと当接するガイド面124bを備えている。これにより、テーパ面144a、146aがスライダガイド120と面接触するため、スライダ140のより安定したスライドが可能になる。また、ブラケット20にはスライドレール26が設けられており、スライダ140の傾斜面146bとスライドレール26の傾斜面26aとが当接している。これにより、スライダ140のより安定したスライドが可能になる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。上述の各実施形態同士、および上述の各実施形態と以下の変形例との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
上述の実施形態では、押えスプリング160として板バネを用いたが、コイルスプリングなどの他の弾性部材であってもよい。例えば、押えスプリング160としてコイルスプリングを用いた場合、より大きい付勢力をより安定的にスライダ140に付与することができる。ただし、コイルスプリングの場合には、スライダ140と反対側の端部を受けるばね受け座が必要となる。そのため、必要とされる付勢力が板バネで得られる場合には、板バネを採用することが好ましい。板バネとするかコイルスプリングとするかは、ユニット取付構造100の設計に応じて適宜選択することができる。
10 車両用灯具、 16 灯具ユニット、 18 スイブル軸、 20 ブラケット、 26 スライドレール、 26a 傾斜面、 100 ユニット取付構造、 120 スライダガイド、 124 ガイド部、 124b ガイド面、 140 スライダ、 142a 軸突当面、 144a テーパ面、 146 傾斜部、 146a テーパ面、 146b 傾斜面、 160 押えスプリング。
Claims (5)
- ブラケットに対して灯具ユニットを左右方向にスイブル可能に取り付けるユニット取付構造であって、
ブラケットに連結され、灯具ユニットのスイブル軸の一端と対向する位置に空間を隔てて配置されたくさび受け部と、
前記空間に進退可能に挿入され、くさび部分がスイブル軸の一端および前記くさび受け部に当接するように配置されたくさび部材と、
前記くさび部材を、弾性をもって進入方向に付勢する付勢部材と、
を備えたことを特徴とするユニット取付構造。 - 前記くさび部分は、スイブル軸の一端においてスイブル軸と直角に接する軸突当面と、当該軸突当面に対して傾斜し、前記くさび受け部に当接するテーパ面と、を含み、前記テーパ面は、前記くさび部材が前記空間に進入するほどスイブル軸の一端を押し込むように作用する方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のユニット取付構造。
- 前記くさび受け部は、前記テーパ面と平行に延び、前記テーパ面に当接するガイド面を含むことを特徴とする請求項2に記載のユニット取付構造。
- 前記くさび受け部に向かって突出するようにブラケットに設けられ、その開放端側が前記テーパ面と同じ角度で傾斜したスライドレールを備え、
くさび部材は、ブラケットと対向する側の面に前記テーパ面と同じ角度で傾斜し、前記スライドレールに当接する傾斜部を有することを特徴とする請求項2または3に記載のユニット取付構造。 - 光源と、スイブル軸と、を備えた灯具ユニットと、
前記灯具ユニットを、前記スイブル軸を軸として左右方向にスイブル可能に支持するブラケットと、を備え、
前記灯具ユニットが請求項1乃至4のいずれか1項に記載のユニット取付構造によって前記ブラケットに取り付けられていることを特徴とする車両用灯具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009062089A JP2010218776A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | ユニット取付構造および車両用灯具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102635822A (zh) * | 2011-02-10 | 2012-08-15 | 株式会社小糸制作所 | 车辆用前照灯 |
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2009
- 2009-03-13 JP JP2009062089A patent/JP2010218776A/ja active Pending
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