JP2010218606A - 磁気ヘッド、磁気記録装置及び磁気記録装置の製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド、磁気記録装置及び磁気記録装置の製造方法 Download PDF

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晋 尾形
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洋 千葉
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Abstract

【課題】ハードディスクとのクラッシュを防止するための磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】下面が浮上面9aとなるスライダー9と、スライダー9の先端面9b上に形成する記録再生素子10と、少なくとも記録再生素子10及び先端面9bの上に形成され、撥水性、撥油性の少なくとも一方を有する樹脂膜12とを有し、ハードディスク3上の潤滑層3eのスライダー9への付着を防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気ヘッド、磁気記録装置及び磁気記録装置の製造方法に関する。
磁気記録装置は、例えば、情報を記録する磁性層を有するハードディスクと、記録再生素子を備えた磁気ヘッドとを有している。記録再生素子は、磁気ヘッドのスライダーの先端に取り付けられ、記録又は再生時にハードディスクの上に配置される。また、スライダーはハードディスクの回転により生じる気流により浮上走行し、その状態で記録再生素子は磁性層に対して情報を記録し、再生する。
近年、ハードディスクの磁性層の記録密度の向上を目的として、ハードディスクに対するスライダーの浮上高さの低減が進み、浮上高さは10nm以下になっている。ハードディスクの磁性層とスライダーの記録再生素子との距離は、磁気スペーシングと呼ばれている。
一方、浮上高さが低くなると、スライダーとハードディスクが接触するおそれがあり、接触により互いに破損が生じる。そのような破損の防止のために、ハードディスクの表面には潤滑膜が1nm程度の厚さに塗布され、これにより磁気記録装置の信頼性を高めている。
しかし、磁気スペーシングが狭くなるにしたがって、ハードディスク表面の潤滑剤がスライダーとの間欠的接触や蒸発等によりスライダーに付着し易くなる。潤滑剤がスライダーに蓄積すると、潤滑剤を介してスライダーとハードディスクが吸着し易くなり、最終的にはヘッドクラッシュを引き起こす。
このため、スライダー表面における潤滑剤の付着を防止する必要がある。潤滑剤の付着防止方法として、スライダーのうちのハードディスクとの対向面、即ち浮上面の上に固体状の樹脂膜を形成することにより、浮上面の表面自由エネルギーを低下させて潤滑剤の付着を抑制することが知られている。なお、浮上面は、空気軸受面(ABS面)とも呼ばれる。
特開2006−12377号公報 特開平7−312051号公報
しかし、ABS面を樹脂膜で覆う構造を採用すると、樹脂膜と膜厚程度の浮上高さの増大が生じ、記録密度向上を目的とするスライダーの低浮上化に支障をきたす。
また、本発明者の分析によれば、ABS面だけに樹脂膜を形成しても、スライダー浮上累積時間が長くなるにつれて、潤滑剤の蓄積の防止が十分に図れなくなってくる。
本発明の目的は、ハードディスクとのクラッシュを防止するための磁気ヘッドと、ハードディスクと磁気ヘッドのクラッシュを防止するための磁気記録装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の1つの観点によれば、下面が浮上面となるスライダーと、前記スライダーの先端面に形成する記録再生素子と、少なくとも前記記録再生素子及び前記先端面の上に形成され、撥水性、撥油性の少なくとも一方を有する樹脂膜と、を有することを特徴とする磁気ヘッドが提供される。
また、本発明の別の観点によれば、下面が浮上面となるスライダーと、前記スライダーの先端面に形成する記録再生素子と、前記記録再生素子及び前記先端面の上に形成され、撥水性、撥油性の少なくとも一方を有する樹脂膜とを有する磁気ヘッドと、記録再生時に前記磁気ヘッドに対向する面の上に潤滑層を有する磁気ディスクと、を有することを特徴とする磁気記録装置が提供される。
さらに、本発明のさらに別の観点によれば、磁気ディスクに対向して配置される磁気ヘッドのスライダーの少なくとも先端面に樹脂膜を付着する工程と、前記先端面上の前記樹脂膜に高エネルギー線を照射して前記先端面に固着するする工程と、を有することを特徴とする磁気記録装置の製造方法が提供される。
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解すべきである。
本発明によれば、磁気ヘッドのスライダーのうち記録再生素子が形成される先端面の上に、樹脂膜を形成したので、先端面上で潤滑剤等の付着を防止することにより、クラッシュを有効に防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気記録装置の内部を示す平面図である。 図2(a)は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドを示す側面図、図2(b)は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドを示す平面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドのスライダー上に形成した樹脂膜の膜厚分布を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドと従来の磁気ヘッドのそれぞれの浮上走行後の潤滑剤等の付着膜厚分布を示す図である。 図5は、比較例に係る磁気ヘッドのスライダー上に形成した樹脂膜の膜厚分布を示す図である。 図6は、比較例に係る磁気ヘッドと従来の磁気ヘッドのそれぞれの浮上走行後の潤滑剤等の付着膜厚分布を示す図である。 図7(a)〜(c)は、本発明の磁気ヘッドのスライダー上に樹脂膜を形成する工程を示す側面図である。 図8は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドと比較例に係る磁気ヘッドのそれぞれのスライダーのABS面と先端面の表面自由エネルギーを示す図である。 図9は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドと比較例に係る磁気ヘッドのそれぞれのABS面と先端面における潤滑剤等の付着膜厚を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気記録装置の内部を示す平面図である。
磁気記録装置1の筐体2内には、磁気記録媒体である磁気ディスク3がスピンドルモータ4によって回転可能に配置されている。さらに、筐体2内には、ロータリーアクチュエ
ータ5に支持されたサスペンションアーム6が磁気ディスク3上で回動可能に取り付けられている。サスペンションアーム6の先端には、板ばね状のサスペンション7が接続されている。
サスペンション7の先端部には、図2(a)に示すように、C字状の孔7aに囲まれたジンバル7bが片持ち梁状に形成され、ジンバル7bの下には磁気ヘッド8が取り付けられている。
図2(a)に示す磁気ヘッド8は、回転している磁気ディスク3から浮上した状態を示し、その後端よりも先端が磁気ディスク3に近づくように傾斜している。
磁気ディスク3は、非磁性基板3a、例えばガラス基板の上に、クロム下地層3b、磁性層3c、保護層3dを順に形成し、さらに保護層3dの上に潤滑層3eを形成した構造を有している。潤滑層3eは、例えば両分子末端が水酸基となっているパーフロロポリエーテルを用いて形成され、例えば1nm〜2nmの厚さを有している。
磁気ディスク3の回転が停止した状態で磁気ヘッド8を記録面から退避させる方式としては、磁気ディスク3上の非記録面に停止させるCSS方式と、磁気ディスク3の外側のランプロード機構部(不図示)に移動させるロード/アンロード方式がある。
磁気記録装置1は、磁気ヘッド8の一部が磁気ディスク3に接触し、一部が浮上している気液混合潤滑方式、又は、磁気ヘッド8と磁気ディスク3が常時接触しているコンタクト方式であってもよい。
磁気ヘッド8は、図2(b)に例示するように平面形状が四角のスライダー9を有し、スライダー9の下面はABS面(浮上面)9aである。ABS面9aのうち先端面9b寄りの領域には、高さ数μmの第1〜第3の突起9c、9d、9eが形成され、後端面9g寄りの領域には高さ数μmの第4の突起9fが形成されている。
第1〜第3の突起9c、9d、9eにおいて前部は後部よりも肉厚であり、さらに、第4の突起9fにおいて後部及び中央部のT字状領域は他の部分よりも肉厚に形成されている。第1〜第4の突起9c〜9fの表層部9hは、それぞれダイヤモンドライクカーボン(DLC)から形成されている。
スライダー9の先端面9b上には、記録再生素子10が形成されている。記録再生素子10は、記録用の誘導コイルとヨークを備えた記録素子と、再生用の磁気抵抗効果素子を有している。磁気抵抗効果素子としては、例えばMR素子、TMR素子、GMR素子等が使用される。なお、先端面9bは、ABS面9aに対して実質的に垂直な面となっている。
スライダー9の先端面9bの上には、記録再生素子10を覆う保護膜11として例えばアルミナ膜が形成されている。また、先端面9bを覆う保護膜11上には樹脂膜12が形成されている。樹脂膜12は、さらに、スライダー9のABS面9a及び突起9c〜9fの上に形成されている。樹脂膜12は、0.7nm以下の厚みを有している。なお、本実施形態における膜厚の値は所定領域の平均値を示している。
樹脂膜12の材料として、撥水性、発油性の少なくとも一方の性質を有する樹脂、例えばフッ素系樹脂を適用する。フッ素系樹脂として、例えば、パーフルオロポリエーテル、又は、炭素数が1〜10のパーフルオロアルカン、又は炭素数が1〜10のパーフルオロアルケン、又は、そのようなパーフルオロアルカン又はパーフルオロアルケンの炭素間に酸素が介在するエーテル類がある。
例えば、パーフルオロポリエーテルは次の一般式(1)で示される。
式(1)において、エーテル結合のRは末端基であり、例えばトリフロロメチル(−CF)がある。また、m、nはそれぞれゼロ以上の実数であって同時にゼロにならない数である。式(1)において、(O−CF−CF)の構造単位と(O−CF)の構造単位とが互いにランダムな配列になってもよいし、互いにブロック化した配列になってもよい。
Figure 2010218606
パーフルオロポリエーテルの末端基Rは、例えば次の式(2)又は(3)に示すように、水酸基を含む極性官能基であってもよい。水酸基は、スライダー9の表面との吸着性を高める分子である。
Figure 2010218606
Figure 2010218606
パーフルオロポリエーテルは、ホスファゼン環を有する高分子であってもよい。
パーフルオロアルカンは次の式(4)で示され、また、パーフルオロアルケンは次の式(5)で示される。
Figure 2010218606
Figure 2010218606
樹脂膜12の材料として、また、上記のパーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、エーテルのいずれかの混合物からなる群から選ばれた有機フッ素化合物を適用してもよい。そのような有機フッ素化合物は、水素を含んでもよい。
上記したように本実施形態によれば、スライダー9のABS面9aと先端面9bに樹脂膜12を形成している。これにより、磁気ディスク3の潤滑層3eとの短時間の接触、或いは潤滑層3eからの潤滑剤の蒸発などが生じても、樹脂膜12によってスライダー9上での潤滑剤等の付着が抑制される。
スライダー9のABS面9aと先端面9bと突起9c〜9fのそれぞれの上に、図3に
示すような0.7nm以下の膜厚分布を有する樹脂膜12が形成された磁気ヘッド8を用意する。さらに、スライダー9上に樹脂膜を形成していない従来の磁気ヘッドを用意する。
図3において、領域Aは、図2(b)に示すスライダー9の後端面9g寄りの第4の突起9fの頂面を示している。領域Bは、スライダー9の先端面9b寄りの第1〜第3の突起9c、9d,9eの周囲のABS面9aを示している。領域Cは、第1〜第3の突起9c、9d、9eの頂面を示している。また、領域Dは、スライダー9の先端面9b、特に記録再生素子10の上(図中横方向)の領域を示している。なお、以下の説明でも領域A〜Dについては同じ位置を示している。
それら2種の磁気ヘッド8をそれぞれ磁気ディスク3上に66時間、浮上走行させた後に、磁気ヘッド8上の潤滑剤等の付着膜厚を調べたところ、図4に示す結果が得られた。
図4によれば、本実施形態に係る磁気ヘッド8の領域B、C、Dでは、従来の磁気ヘッドの領域B、C、Dに比べて、潤滑剤等の付着膜厚が約30%〜60%まで薄くなっていた。また、本実施形態の磁気ヘッド8と従来の磁気ヘッドのそれぞれの領域Aを比べると、ほぼ同じ程度の潤滑剤等の付着膜厚となっていて、その厚さは5nm以下と薄く、クラッシュには殆ど影響を及ぼさない。
従って、スライダー9の領域A〜Dに樹脂膜12を形成することは、潤滑剤等の付着防止に有効であることが解る。
次に、比較例として、スライダー9のABS面9aと先端面9bと突起9c〜9fのそれぞれの上に図5に示すように0.8nm以上の厚さの樹脂膜を有する磁気ヘッド8を用意する。その他に、スライダー9上に樹脂膜を形成していない従来の磁気ヘッドを用意する。
そして、それら2種の磁気ヘッドをそれぞれ磁気ディスク3上に24時間、浮上走行させた後に、それらの磁気ヘッド上での潤滑剤等の付着膜厚を調べたところ、図6に示す結果が得られた。図6によれば、比較例に係る磁気ヘッドの領域A、B、Cでは、樹脂膜の無い従来の磁気ヘッドの領域A、B、Cに比べて、潤滑剤等の付着膜厚が薄くなっていた。
一方、比較例に係る磁気ヘッドの領域D、即ちスライダー9の先端面9b上では、従来の磁気ヘッドの領域Dに比べて、潤滑剤等の付着膜が厚くなっていた。先端部9bでの付着量は、ABS面9a及び第1〜第3の突起9a、9b、9c上の樹脂膜の厚さも影響している。
従って、スライダー9上に厚さが0.8nm以上の樹脂膜12の形成は、磁気ヘッドのクラッシュの発生原因になり易いことがわかる。
以上のことから、磁気ヘッド8と磁気ディスク3のクラッシュを防止するために、スライダー9のABS面9a、先端面9b、突起9c〜9eの上に形成する樹脂膜12の厚さは、浮上面であるABS面9a上で0.7nm以下にすることが好ましい。
ただし、樹脂膜12の膜厚が0.5nmよりも薄くなると、後述する表面自由エネルギーが大きくなるので、長期の使用によって潤滑剤等が付着し易くなる。特に、先端面9b上での樹脂膜12の厚さは、0.5nm以上が好ましい。
ところで、図4、図6によれば、潤滑剤等の付着膜厚が厚い領域は、領域B、領域Dである。
しかし、領域Bでは、潤滑剤等の付着膜厚が厚くなっても磁気ヘッドのクラッシュの原因とはならない。領域Bは、スライダー9のうち第1〜第3の突起9c〜9eの周囲の領域であって第1〜第3の突起9c〜9eよりも数μm、窪んでいるので、ここに数nmの厚さで潤滑剤等が付着しても、その潤滑剤等が磁気ディスク3と接触することはないからである。
これに対し、領域D、即ちスライダー9の先端面9b、特に記録再生素子10の上は磁気ディスク3に最も近い領域であり、潤滑剤等の付着量を低減する必要がある。スライダー9の先端面9bで潤滑剤等の付着が容易になると、付着物が成長し、さらにABS面9a側に回り込んでクラッシュを発生させ易くする。
一方、ABS面9a及び突起9c〜9eにおいても潤滑剤等の付着が見られるために、ABS面9a及び突起9c〜9eの表面にも樹脂膜12を覆うことが好ましい。しかし、ABS面9a及び突起9c〜9eの表面に樹脂膜12を厚く形成すると、スライダー9と磁気ディスク3の間の磁気スペーシングを狭くする際に支障をきたし、さらに先端面9b上で付着物量を増やす原因にもなる。
そこで、スライダー9におけるABS面9a及び突起9c〜9eの上の樹脂膜12の厚さを、先端面9bの上の樹脂膜12の厚さよりも薄く形成することが好ましい。その膜厚は、次の方法によって調整される。
まず、図7(a)に示すように、磁気ヘッド8のスライダー9のABS面9a、先端面9b、突起9c〜9f、後端面9g及び側面に樹脂膜12を塗布する。なお、先端面9b上には、記録再生素子10、保護膜11を介して樹脂膜12が塗布される。
樹脂膜12の塗布方法としては、樹脂液中にスライダー9を浸漬して引き上げる浸漬法と、毛細管等の細孔を通してスライダー9の先端面9b等に樹脂液を直接に噴出する噴出法がある。その他の塗布方法として、樹脂蒸気にスライダー9を暴露する方法がある。樹脂蒸気を発生させる樹脂として、例えば、COCHがある。
樹脂膜12の膜厚を制御する方法として、例えば樹脂膜12の種類を変えて積層する方法がある。また、浸漬法を用いる場合には、樹脂溶液の濃度、浸漬時間、浸漬溶液からのスライダー9の引き上げ速度の少なくとも1つを変更する方法により膜厚を制御してもよいし、次に示す高エネルギー線照射量を制御する方法により膜厚を制御してもよい。
液状の樹脂を用いる場合には、次工程の高エネルギー線の照射前に、樹脂膜12を100℃〜200℃の温度で加熱し、これにより樹脂分子の配向状態を変化させ、高エネルギー照射後の樹脂層の膜厚や密度を変えてもよい。
なお、上記方法により樹脂をスライダー9に付着させる際には、スライダー9をサスペンション7に取り付けた状態で行ってもよい。
次に、図7(b)に示すように、スライダー9の先端面9bに垂直な方向から高エネルギー線、例えば紫外線又は電子ビームを樹脂膜12に照射し、これにより樹脂膜12を保護膜11に固着させる。なお、図7(b)では、照射向きを先端面9bに対して垂直な方向からABS面9a側に少し傾け、これにより、高エネルギー線を僅かにスライダー9のABS面9a及び突起9c〜9fに照射している。
次に、図7(c)に示すように、スライダー9のABS面9a、先端面9b、突起9c〜9f上で、スライダー9及び保護膜11に結合していない樹脂を溶媒により洗い流し、これにより強固に固着した樹脂分子のみを樹脂膜12とする。
以上の方法により形成された樹脂膜12の表面自由エネルギー(SFE)は、例えば図8の斜線の棒グラフに示すように、スライダー9のABS面9a、突起9c〜9f上では約26mN/mとなる。一方、スライダー9の先端面9b上の樹脂膜12のSFEは、約23mN/mとなる。なお、SFEは、低い値ほど樹脂膜12が厚いことを意味している。
比較例として、スライダー9のABS面9aに垂直な方向から高エネルギー線をABS面9a上の樹脂膜12に照射した磁気ヘッドを作成する。比較例の磁気ヘッドでは、例えば図8の白抜き棒グラフに示すように、ABS面9a、突起9c〜9f上の樹脂膜12のSFEは約15mN/mとなり、先端面9b上の樹脂膜12のSFEは約30mN/mとなる。
ここで、スライダー9を覆う樹脂膜の膜厚とSFEについて本実施形態と比較例を対比すると次の表1のようになる。なお、表1の浮上面は突起9c〜9fを含む。
Figure 2010218606
表1に示す本実施形態の磁気ヘッド8を磁気ディスク3上で66時間、浮上走行させた後に、スライダー9上の潤滑剤等の付着膜厚を測定したところ、図9の斜線の棒グラフに示すように約1.5nmの厚さとなった。
一方、表1に示す比較例の磁気ヘッドについて磁気ディスク上を24時間、浮上走行させた後に、スライダー上での潤滑剤等の付着膜厚を測定した。この結果、図9に示す白抜きの棒グラフのように、本実施形態の磁気ヘッド8よりも走行時間が1/3と短いにもかかわらず、付着膜厚は約4.0nmと厚くなった。
以上により、スライダー9の樹脂膜12について、先端面9b上の厚さをABS面9a及び突起9c〜9f上の厚さよりも厚くすることにより、磁気ヘッド8上での潤滑剤等の付着量を少なくし、磁気スペーシングも狭くすることができる。一方、樹脂膜12が薄すぎるとSFEが大きくなって潤滑剤等が付着し易くなるので、樹脂膜12のSFEは25mN/m以下にすることが好ましい。SFEを考慮すると、先端面9b上の樹脂膜12の厚さを0.5nm以上にすることがすることが好ましい。
なお、SFEは、2種以上の液体の接触角を測定し、接着仕事の値を求めた後に、それらの値に基づいてFowkes式により表面自由エネルギーを求めることができる。液体の接触角は、例えばZisman法により求める。
ところで、図6に示す潤滑剤等の付着膜厚を考慮すると、領域Dである先端面9b上に樹脂膜12を形成する一方、領域A〜C、即ちABS面19a、突起9c〜9f上には樹
脂膜12を形成しなくてもよい。
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈すべきであり、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解すべきである。
1 磁気記録装置
3 磁気ディスク
7 サスペンション
8 磁気ヘッド
9 スライダー
9a ABS面(浮上面)
9b 先端面
9c〜9f 突起
9g 後端面
10 記録再生素子
11 保護膜
12 樹脂膜

Claims (7)

  1. 下面が浮上面となるスライダーと、
    前記スライダーの先端面に形成する記録再生素子と、
    少なくとも前記記録再生素子及び前記先端面の上に形成され、撥水性、撥油性の少なくとも一方を有する樹脂膜と、
    を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記樹脂膜は、前記浮上面上にも形成され、
    前記浮上面上の前記樹脂膜は、前記先端面上の前記樹脂膜よりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記先端面上の前記樹脂膜の厚さは0.5nm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の次記ヘッド。
  4. 前記浮上面上の樹脂膜は0.7nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の次ヘッド。
  5. 前記先端面上の前記樹脂膜の表面自由エネルギーは、前記浮上面上の前記樹脂膜の表面自由エネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の磁気ヘッド。
  6. 下面が浮上面となるスライダーと、前記スライダーの先端面に形成する記録再生素子と、前記記録再生素子及び前記先端面の上に形成され、撥水性、撥油性の少なくとも一方を有する樹脂膜とを有する磁気ヘッドと、
    記録再生時に前記磁気ヘッドに対向する面の上に潤滑層を有する磁気ディスクと、
    を有することを特徴とする磁気記録装置。
  7. 磁気ディスクに対向して配置される磁気ヘッドのスライダーの少なくとも先端面に樹脂膜を付着する工程と、
    前記先端面上の前記樹脂膜に高エネルギー線を照射して前記先端面に固着するする工程と、
    を有することを特徴とする磁気記録装置の製造方法。
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