JP2010217740A - 画像形成装置用像保持体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、カルバゾール環基を有するトリアリールアミン系化合物であって、前記カルバゾール環基を有するアリール基以外のそれぞれのアリール基のパラ位にエステル成分が置換された特定の構造で表される化合物を含有する感光層が形成された画像形成装置用像保持体。
【選択図】なし
Description
また、カルバゾリル基を有する化合物を架橋した有機感光体やカルバゾリル基を2つ以上含有する化合物を用いた有機感光体が提案されている(例えば、特許文献6及び特許文献7参照)。
請求項1に係る発明は、
支持体と、該支持体上に下記一般式(I)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体である。
支持体と、該支持体上に下記一般式(II−1)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体である。
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電手段、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段、および前記画像形成装置用像保持体を清掃する清掃手段から選ばれる少なくとも1つと、を少なくとも有するプロセスカートリッジである。
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電装手段と、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、特許文献1に記載の発明に比べて、繰り返し使用による残留電位の変動が低い画像形成装置用像保持体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、特許文献1に記載の発明に比べて、繰り返し使用による残留電位の変動が低い画像形成装置用像保持体を有するプロセスカートリッジが提供される。
請求項4に係る発明によれば、特許文献1に記載の発明に比べて、繰り返し使用による残留電位の変動が低い画像形成装置用像保持体を有する画像形成装置が提供される。
本実施形態では、下記一般式(I)で示される化合物及び下記一般式(II)で示される構造単位を含む化合物の少なくとも一方を、電荷輸送材料として用いることにより、画像形成装置用像保持体が提供される。すなわち、導電性支持体上に感光層が形成された画像形成装置用像保持体であって、当該感光層は下記一般式(I)で示される化合物及び下記一般式(II)で示される構造単位を含む化合物の少なくとも一方を含有する。
なお、本実施形態における導電性支持体とは、JIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に基づき測定した体積抵抗率が107Ω・cm未満である導電性材料で形成されるか、或いは、基材表面に該導電性材料で形成された導電層を有する支持体を指す。
本実施形態に係る画像形成装置用像保持体は、支持体上に、下記一般式(I)で示される化合物及び下記一般式(II)で示される構造単位を含む化合物の少なくとも一方を含有する感光層が形成された画像形成装置用像保持体である。
以下、下記一般式(I)で示される化合物について、詳細に説明する。
Rで表されるアルキル基は、直鎖状又は分岐状であり、結晶性維持および溶解性の観点からは、好ましくは直鎖状アルキル基である。
前記置換基としての複素環とは、炭素と水素以外の元素を含む環を表す。複素環は、その環骨格を構成する原子数(Nr)が、5又は6であることが好ましい。環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は特に限定されないが、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子、セレン原子、珪素、リン原子等が好ましく用いられ、前記環骨格中には2種類以上の異種原子が含まれてもよく、また2個以上の異種原子が含まれてもよい。
6員の複素環としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジンが好ましく用いられる。
また、一般式(I)におけるjが2以上の場合又はkが2の場合、一般式(I)に含まれる2個以上のRは、同一でも異なっていてもよいが、製造容易性の観点からは同一であることが好ましい。
なお、jの数、すなわちカルバゾリル基上の置換基Rの個数の違いは、イオン化ポテンシャルに与える影響が小さく、大きくとも0.02程度の変動と推測される。
他方、aが1以上3以下の場合、溶解性の観点からは、Rを有する場合(即ちjが1以上8以下の場合)が好適である。
jが2の場合、合成の容易さの観点から、好ましくは、2,3,4,5,6及び7位のいずれか2箇所で置換する場合であり、2,3,6及び7位のいずれか2箇所で置換する場合がより好ましく、更に好ましくは、3及び6位で置換する場合である。
R3で表されるアルキル基は、直鎖状又は分岐状であり、好ましくは直鎖状アルキル基である。
前記置換基としてのアリール基は、炭素数6以上20以下のものが好ましく、例えば、フェニル基、トルイル基、又はナフチル基等が挙げられる。前記置換基としての複素環は、前記Rで説明したものと同義である。
R3で表されるアルキル基は、製造容易性の観点から、未置換のアルキル基であることが好適である。
一般式(I)における2つのnは、同一でも異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。
なお、具体例化合物(1)から(20)におけるR1,R2,R3,a及びnは、下記式(I−1)におけるR1,R2,R3,a及びnを意味する。また、具体例化合物(1)から(20)において、下記式(I−1)における2個のR3は、同じ基を表し、2箇所のnは同じ数を表す。
なお、具体例化合物(21)から(40)におけるR1,R2,R3,a及びnは、下記式(I−2)におけるR1,R2,R3,a及びnを意味する。また、具体例化合物(21)から(40)では、下記式(I−2)における2個のR1,R2,及びR3は、それぞれ同じ基を表し、2箇所のnは、同じ整数を表す。
以下、下記一般式(II)で示される構造単位を含む化合物について詳細に説明する。
なお本実施形態では、下記一般式(II)で示される構造単位を含む化合物として、下記一般式(II−1)で示されるポリエステルを用いる。
更に、一般式(II)で表されるポリマーをエステル構造とすることで、一般式(I)で表されるカルバゾール化合物を由来とする構造単位Aが導入されたポリマーを製造しやすい。
以下、一般式(II)について詳細に説明する。
Yは、2価のアルコール残基であり、アルキレン基、(ポリ)エチレンオキシ基、(ポリ)プロピレンオキシ基、アリーレン基、2価の複素環又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
式(5)及び(6)中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシル基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を表す。
式(5)及び(6)中、f及びgはそれぞれ0、1又は2の整数を示し、h及びiはそれぞれ0又は1を示し、Vは下記式(13)から(33)から選択される基を表す。
式(19)中、R15は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はシアノ基を表す。
式(30)及び(33)中、R16及びR17は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシル基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を表す。
式(19)、(20)、及び(29)から(33)中、cは各々独立に、0以上10以下の整数を表し、好ましくは0以上6以下の整数を表し、より好ましくは1以上3以下の整数を表す。
構造式(III)におけるa、j、k、及びnは、一般式(I)におけるa、j、k、及びnとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
なお、下記一般式(II−1)で表されるカルバゾリル基含有ポリエステルは、カルボン酸残基としてはA1を有し、下記一般式(II−2)で表されるカルバゾリル基含有ポリエステルでは、A1とZ1とをカルボン酸残基として有する。よって、下記一般式(II−1)で表されるカルバゾリル基含有ポリエステルは合成の簡便さの観点で優れており、下記一般式(II−2)で表されるカルバゾリル基含有ポリエステルは、組み合わせるカルボン酸残基Z1によって更に画像形成装置用の有機感光体に適したものとなり得る。
なお、pが5以上5,000以下の範囲であれば、pの数によってイオン化ポテンシャルは殆ど影響を受けず、大きくとも0.01eV程度の変動と推測される。
具体的には、一般式(II)におけるYで挙げた2価の連結基と同様であり、好適な範囲も同様である。一般式(II−2)における複数のZ1は、同一でも異なっていてもよいが、製造上の観点から同一であることが好ましい。
尚、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定されるポリスチレン換算の平均分子量である。
尚、具体例ポリマーにおけるモノマーの欄の番号は、前記一般式(I)で表されるカルバゾール化合物の具体例番号に対応している。以下、各番号を付した具体例(化合物)、例えば15の番号を付したAの構造は、具体例化合物(15)に由来する構造を意味する。
また、具体例ポリマーにおけるY1、Z1、m、m’、p、及びR4は、それぞれ一般式(II−1)及び(II−2)におけるY1、Z1、m、m’、p、及びR4を表す。Z1の欄が「−」と記載されたものは、一般式(II−1)で表されるポリエステルの具体例を示し、その他は一般式(II−2)で表されるポリエステルの具体例を示す。さらに、下記具体例ポリマーのうち、本実施形態の画像形成装置用像保持体に用いられる化合物は上記一般式(II−1)で表されるポリエステルである。
すなわち、前記一般式(II)で表されるカルバゾリル基含有ポリエステルは、次のようにして合成される。
前記一般式(I−3)で表される化合物に、HO−(Y1−O)m−Hで表される2価アルコール類を当量混合し、酸触媒を用いて重合する。なお、Y1は2価のアルコール残基を表し、一般式(II)中のYと同義である。mは1以上5以下の整数を表し、一般式(II)中のm’と同義である。
重合中に生成する水を除去するために、水と共沸する溶剤を用いることが好ましく、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、モノマー1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
反応温度は条件に応じて設定されるが、重合中に生成する水を除去するために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
更に、必要であれば適当な有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、ポリエステルを析出させる再沈殿処理を繰り返してもよい。再沈殿処理の際には、メカニカルスターラー等で、効率よく撹拌しながら行うことが好ましい。再沈殿処理の際にポリエステルを溶解させる溶剤は、ポリエステル1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。また、貧溶剤はポリエステル1質量部に対して、1質量部以上1,000質量部以下、好ましくは10質量部以上500質量部以下の範囲で用いられる。
前記一般式(I−3)で表される化合物に、HO−(Y1−O)m−Hで示される2価アルコール類を当量混合し、ピリジンやトリエチルアミン等の有機塩基性触媒を用いて重合する。なお、Y1は2価のアルコール残基を表し、一般式(II)中のYと同義である。mは1以上5以下の整数を表し、一般式(II)中のm’と同義である。
溶剤としては、塩化メチレン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、モノマー1質量部に対して、1質量部以上100質量部以下、好ましくは2質量部以上50質量部以下の範囲で用いられる。
反応温度は条件に応じて設定される。重合後、前述のように再沈殿処理し、精製する。
反応温度は条件に応じて設定され、反応を促進するために、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の相間移動触媒を用いることが効果的である。相間移動触媒は、モノマー1質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下、好ましくは0.2質量部以上5質量部以下の範囲で用いられる。
前記一般式(I−3)で表される化合物に、HO−(Y1−O)m−Hで示される2価アルコール類を過剰に加え、硫酸、リン酸等の無機酸、チタンアルコキシド、カルシウム及びコバルト等の酢酸塩或いは炭酸塩、亜鉛や鉛の酸化物を触媒に用いて加熱し、エステル交換により合成される。なお、Y1は2価のアルコール残基を表し、一般式(II)中のYと同義である。mは1以上5以下の整数を表し、一般式(II)中のm’と同義である。
前記触媒はモノマー1質量部に対して、1/10,000質量部以上1質量部以下、好ましくは1/1,000質量部以上1/2質量部以下の範囲で用いられる。
上記それぞれの場合において、2価アルコール類を過剰に加えて反応させることによって下記一般式(I−4)で示される化合物を生成した後、この化合物を前記一般式(I−3)で示したモノマーの代わりとして用いて上記と同様の方法で、2価カルボン酸又は2価カルボン酸ハロゲン化物等と反応させ、一般式(II)で表されるカルバゾリル基含有ポリエステルが得られる。
また本実施形態の画像形成装置用像保持体は、前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を含有する感光層を有することで、繰返し使用による残留電位変動も低く、優れた環境維持性を発揮する。
さらに本実施形態の画像形成装置及びプロセスカートリッジでは、本実施形態の画像形成装置用像保持体を用いるものであるために、長期にわたって良好な画質が得られ、環境負荷の低減や大幅なコストダウンにもなる。
以下、本実施形態の画像形成装置用像保持体の構成について説明する。
本実施形態の画像形成装置用像保持体は、導電性支持体上に感光層を有する画像形成装置用像保持体であって、該感光層に上記した一般式(I)で示される化合物及び一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を含有することを特徴とする。
図1から図3は、それぞれ本実施形態の画像形成装置用像保持体の第1から第3実施形態を示す模式断面図である。
いずれも画像形成装置用像保持体1を導電性支持体2及び感光層3の積層方向に沿って切断したものである。
また、下引き層4中には電子輸送性顔料を混合又は分散して使用し得る。
また、下引き層4を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、又はカーテンコーティング法等の通常の方法を用いる。
なお本発明における絶縁性樹脂とは、JIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に基づき測定した体積抵抗率が1012Ω・cm以上であるような絶縁性樹脂を指す。
またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、又はサンドミル分散法等の通常の方法を用いるが、この際、分散によって電荷発生材料の結晶型が変化しない条件が必要とされる。ちなみに本実施形態で用いた前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。
またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、又はトルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いる。
電荷輸送層6は、前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物の少なくとも一方を含有すれば、その他の電荷輸送材料、結着樹脂等を含有して形成されてもよい。なお、前記一般式(I)で示される化合物を用いて前記一般式(II−1)で示される化合物を用いない場合は、前記一般式(I)で示される化合物を結着樹脂等に分散させて用いることが望ましい。また前記一般式(II−1)で示される化合物を用いる場合は、その他の樹脂を用いなくても電荷輸送層6が形成されるが、低コストの観点から、その他の樹脂と混合して用いることが望ましい。
その他の電荷輸送材料としては、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物や、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物といった他の電荷輸送材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物以外の化合物を電荷輸送材料として併用する場合は、電荷輸送材料全量中、前記一般式(I)で示される化合物及び前記一般式(II−1)で示される化合物の含有量は、1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以上であるのがより好ましい。
塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、又はカーテンコーティング法等の通常の方法を用いる。
酸化防止剤としては例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン若しくはそれらの誘導体、有機硫黄化合物、又は有機燐化合物等が挙げられる。
光安定剤の例としては例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、又はテトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。
一般式(IX)におけるGは無機ガラス質ネットワークサブグループ、Dは可とう性有機サブユニット、Fは電荷輸送性サブユニットを意味する。Fとしては、光キャリア輸送特性を有する構造として、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、キノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、又はエチレン系化合物等が挙げられる。
一般式(IX)におけるDは、電荷輸送性を付与するためのFを、3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接結合で結びつけるためのものである。
なおこれらの基を分子内に2つ以上持つものが硬化膜の架橋構造が3次元的になるため好ましい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、又はジメチルジメトキシシラン、等が用いられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、AY42−440、AY42−441、又はAY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が用いられる。
硬化温度は、必要に応じ設定されるが、所望の強度を得るためには60℃以上、より好ましくは80℃以上に設定される。硬化時間は、必要に応じ設定されるが、10分から5時間が好ましい。
また、硬化反応を行ったのち、高湿度状態に保つことも有効である。更に、用途によっては、ヘキサメチルジシラザンや、又はトリメチルクロロシラン等を用いて表面処理を行い、疎水化する。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系又はヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、又はベンズイミダゾール系酸化防止剤、等の公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては、保護層7全量中、20重量%以下が望ましく、10重量%以下が更に望ましい。
樹脂の添加量は1%以上40%以下が好ましく、より好ましくは1%以上30%以下であり、5%以上20%以下が特に好ましい。
ここで半導電性とは、JIS K 7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に基づき測定した体積抵抗率が107Ω・cm以上1011Ω・cm以下であることを意味する。
塗布に用いる溶剤や塗布方法は、前述のものが用いられる。単層型感光層の膜厚は5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましい。
フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液には、必要によって、フッ素系あるいはその他ノニオン系、カチオン系、アニオン系又は両性界面活性剤、pH調整剤、溶剤、多価アルコール、柔軟剤、粘度調整剤、光安定剤、又は酸化防止剤等が混合される。浸透層の形成は、ブレード部材をフッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液中に浸漬することにより行うが、減圧下でも行い得る。この際の圧力としては、0.9気圧以下、好ましくは、0.8気圧以下、より好ましくは0.7気圧以下にて処理する。
本実施形態の画像形成装置は、既述の本実施形態の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、を備えることを特徴とする。
図4は、本実施形態の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図4に示す画像形成装置200は、本実施形態の画像形成装置用像保持体207と、画像形成装置用像保持体207を接触帯電方式により帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される画像形成装置用像保持体207を露光して静電潜像を形成する露光装置210と、露光装置210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。
接触型帯電部材としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたローラ状のものが好適に用いられる。なお、接触型帯電部材の形状は、上記したローラ状の他、ブラシ状、ブレード状、又はピン電極状等何れでもよく、画像形成装置の仕様や形態に合わせて選択される。
これらの接触型帯電部材を用いて像保持体を帯電させる際には、接触型帯電部材に電圧が印加されるが、かかる印加電圧は直流電圧、直流電圧に交流電圧を重畳したもののいずれでもよい。
なお、図4における接触型帯電部材の代わりに、コロトロン、又はスコロトロン等の非接触方式のコロナ帯電装置も用いられる。これらは画像形成装置の仕様や形態に合わせて選択される。
例えば、画像形成ユニットが4つである場合、4つの画像形成ユニットの各現像装置においては、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブランクの4色の色成分トナーを使用する。また、タンデム型画像形成装置は、4つの画像形成ユニットに共通し記録材料を搬送するベルトと、このベルトを搬送する搬送装置と、各現像装置にトナー像を供給するトナー供給装置と、カラートナー像を記録材料に定着させる定着装置とを備えていることが好ましい。
本実施形態のプロセスカートリッジは、既述の本実施形態の画像形成装置用像保持体を少なくとも有し、かつ、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電装置、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光装置、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置、および前記画像形成装置用像保持体をクリーニングするクリーニング装置から選ばれる少なくとも1つと、を備えることを特徴する。
プロセスカートリッジ300は、画像形成装置用像保持体207とともに、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体500に転写する転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態は、その要旨の範囲内で様々な変形や変更がされ得る。
また本実施例において、目的物の同定には、1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3、VARIAN株式会社製、UNITY−300、300MHz)、及びIRスペクトル(KBr法にてフーリェ変換赤外分光光度計(株式会社 堀場製作所、FT−730、分解能4cm−1)を用いた。
さらに本実施例において、ポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製、HLC−8120GPC)によって測定した。
[合成例1−具定例カルバゾール化合物(1)の合成]
<DAA−1の合成>
4−アセトアミドフェニルプロピオン酸メチル(20g)(ファインケミカル社製)、4−ヨードフェニルプロピオン酸メチル(25g)(東京化成工業社製)、炭酸カリウム(13g)、硫酸銅5水和物(2.1g)、1,2−ジクロロベンゼン(50ml)を500mlの三口フラスコに入れ、窒素気流下、180℃で24時間加熱攪拌した。
反応終了後、減圧下1,2−ジクロロベンゼンを留去した後、水酸化カリウム(5.0g)をエチレングリコール(100ml)に溶解したものを加え、窒素気流下で3時間加熱還流した。
反応終了後、室温(25℃)まで冷却し、反応液を500mlの蒸留水に注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させた。結晶を吸引濾過により濾取し、水洗した後、1Lのフラスコに移した。これに、トルエン(300ml)を加え、加熱還流し、共沸により水を除去した後、濃硫酸(5.0ml)のメタノール(300ml)溶液を加え、窒素気流下で2時間加熱還流した。反応後、トルエンで抽出し、有機層を蒸留水で洗浄した。
次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を減圧下留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/3(体積比)))により精製を行うことで、下記DAA−1を15g得た。
4−ブロモヨードベンゼン(57g)、カルバゾール(37g)、炭酸カリウム(34g)、硫酸銅5水和物(5.6g)、n−トリデカン(50ml)を500mlの三口フラスコに入れ、窒素気流下、220℃で20時間加熱攪拌した。
反応終了後、減圧下トリデカンを留去してトルエン300mlを加えた。これを水で洗浄してトルエン層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥物を濾過し、活性白土(15g)で活性白土処理を行い、次いで酢酸エチルから再結晶した。再結晶物を50℃で15時間、真空乾燥を行い、下記中間体1−1を収率60%で得た。
温度計、コンデンサー、マグネチックスターラーを備えた200ml三口フラスコに前記DAA−1(1.7g)、前記中間体1−1(2.2g)、酢酸パラジウム(II)(56mg)、炭酸ルビジウム(6.9g)を入れ、キシレン70mlに溶解させた。トリ−ターシャリーブチルホスフィン(0.40g)をすばやく加え、窒素雰囲気下1.5時間加熱還流磁気撹拌した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)(ヘキサン/酢酸エチル=3/1(体積比))にて前記中間体1−1のスポットが消失しているのを確認後、室温(25℃)まで冷却した。セライト吸引濾過により無機物を除去した後、希塩酸100mlで洗浄し、水200mlで3回洗浄し、飽和食塩水200mlで洗浄し、この順で中性になるまで洗浄した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1(体積比))により精製を行い、次いで70℃で真空乾燥を15時間行い、前述した具体例カルバゾール化合物(1)を収率51%で得た。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾール化合物(1)であることを確認した。
<具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)の合成>
前述した具体例カルバゾール化合物(1)を0.95g、エチレングリコール10ml及びテトラブトキシチタン0.02gを、50mlの三口ナスフラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で6時間加熱攪拌した。
前述した具体例カルバゾール化合物(1)が消失したのを薄層クロマトグラフィー(TLC)(ヘキサン/酢酸エチル=3/1(体積比))により確認した後、70Paに減圧してエチレングリコールを留去しながら200℃に加熱し、6時間反応を続けた。
その後、室温(25℃)まで冷却し、テトラヒドロフラン30mlに溶解し、不溶物を0.5μlのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターにて濾過し、濾液を減圧下留去した後、モノクロロベンゼン100mlに溶解させ、1質量%塩酸(HCl)300mlで1回洗浄し、水300mlで4回洗浄した。モノクロロベンゼン溶液を100mlまで減圧下留去して、酢酸エチル/メタノール=1/5(体積比)の400ml中に滴下し、ポリマーを再沈殿させた。
このポリマーの分子量は、重量平均分子量Mw=3.3×105(スチレン換算)、Mw/Mn=6.62であり、モノマーの分子量から求めた重合度pは528であった。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)であることを確認した。
<中間体2−1の合成>
温度計、コンデンサー、マグネチックスターラーを備えた100ml三口フラスコにカルバゾール(3.3g)、N−メチル−2−ピロリドン(30ml)に溶解させ、水素化ナトリウム(1.2g)を加えた。130℃に加熱後、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン(3.0g)を加え、窒素雰囲気下130℃で4時間加熱攪拌した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)(ヘキサン/酢酸エチル=3/1(体積比))にてカルバゾールのスポットが消失しているのを確認後、室温(25℃)まで冷却した。
反応終了後、純水(300ml)中に注ぎ、結晶を析出させた。次いで、得られた結晶をメタノール(100ml)、酢酸エチル(50ml)の順で洗浄し、下記中間体2−1を2.4g得た。
上記具体例カルバゾール化合物(1)の合成において、中間体1−1の代わりに中間体2−1を用いた以外は具体例カルバゾール化合物(1)の合成と同様の方法で、具体例カルバゾール化合物(21)を1.5g得た。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾール化合物(21)であることを確認した。
上記具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)の合成において、具体例カルバゾール化合物(1)の代わりに、具体例カルバゾール化合物(21)を用いた以外は、具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)の合成と同様の方法でポリマー化を行い、具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(17)を0.8g得た。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(17)であることを確認した。
このポリマーの分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量Mw=2.3×105(スチレン換算)、Mw/Mn=2.56であり、モノマーの分子量から求めた重合度pは283であった。
<中間体3−1の合成>
上記中間体2−1の合成において、カルバゾールの代わりに3,6−ジメチルカルバゾール(2.0g)を用い、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼンの代わりに1−ブロモ−3−フルオロベンゼン(2.0g)を用いた以外は同様の方法で合成し、下記中間体3−1を2.0g得た。
温度計、マグネチックスターラー、滴下ロート、冷却装置を備えた300ml三口フラスコに窒素雰囲気下、1.6Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液(80ml)を入れ、−50℃に冷却した。次いで−50℃でテトラヒドロフラン(THF)(80ml)を滴下した。次いで、前記中間体3−1(28g)をテトラヒドロフラン(THF)80mlに溶解させた溶液を滴下ロートより1時間かけて滴下した。これを−50℃で3時間撹拌後、ホウ酸トリメチル(9.1g)をテトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解させた溶液を1時間かけて滴下し、−50℃で3時間撹拌した。
他方、上記DAA−1の合成において、4−ヨードフェニルプロピオン酸メチルの代わりに4−ヨードフェニルペンタン酸エチルを用い、4−アセトアミドフェニルプロピオン酸メチルの代わりに4−アセトアミドフェニルペンタン酸エチルを用いた以外は、DAA−1と同様の方法で、下記DAA−2を13g得た。
前記DAA−2(21g)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(14g)、炭酸カリウム(13g)、硫酸銅5水和物(2.1g)、1,2−ジクロロベンゼン(50ml)を500mlの三口フラスコに入れ、窒素気流下、180℃で14時間加熱攪拌した。
反応終了後、減圧下1,2−ジクロロベンゼンを留去した後、室温(25℃)まで冷却し、トルエン(300ml)を加え、1Nの塩酸水溶液300mlを加え有機層を洗浄した後、純水300mlで中性まで洗浄した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を減圧下留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3(体積比))にて精製し、下記中間体3−3を20g得た。
窒素雰囲気下、温度計、コンデンサー、マグネチックスターラーを備えた200ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.58g)、テトラヒドロフラン(THF)30mlを加え撹拌した。そこへ、前記中間体3−3(5.8g)、2M炭酸ナトリウム水溶液(10ml)、前記中間体3−2(3.5g)をテトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させた溶液の順に加えた。
3時間窒素雰囲気下還流後25℃まで冷却して、塩酸20mlを加えてpHが1となるよう調整した。この水溶液をトルエン100mlで抽出し、トルエン層を純水100mlで3回、飽和食塩水100mlで1回洗浄した。
硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過して減圧下溶剤を留去して、得られた粗結晶をトルエンとヘキサンの混合溶媒(トルエン:ヘキサン=1:5(体積比))から再結晶して、具体例カルバゾール化合物(5)を6.5g得た。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾール化合物(5)であることを確認した。
上記具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)の合成において、具体例カルバゾール化合物(1)の代わりに具体例カルバゾール化合物(5)を用いた以外は、具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)と同様の方法で、具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(9)を1.2g得た。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(9)であることを確認した。
このポリマーの分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量Mw=8.5×104(スチレン換算)、Mw/Mn=1.68であり、モノマーの分子量から求めた重合度pは106であった。
<中間体4−1の合成>
上記中間体2−1の合成において、カルバゾールの代わりに3,6−ジメチルカルバゾールを用い、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼンの代わりに1−ブロモ−2,5−ジフルオロベンゼンを用いた以外は、中間体2−1の合成と同様の方法で下記中間体4−1を2.0g得た。
上記中間体3−2の合成において、中間体3−1の代わりに中間体4−1を用いた以外は、中間体3−2の合成と同様の方法で、下記中間体4−2を10g得た。
上記具体例カルバゾール化合物(5)の合成において、中間体3−2の代わりに中間体4−2を用いた以外は、具体例カルバゾール化合物(5)の合成と同様の方法で、具体例カルバゾール化合物(24)を5.1g得た。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾール化合物(24)であることを確認した。
上記具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)の合成において、具体例カルバゾール化合物(1)の代わりに具体例カルバゾール化合物(24)を用いた以外は、具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(1)の合成と同様の方法で、具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(25)を1.1g得た。1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定によって、得られた化合物が具体例カルバゾリル基含有ポリエステル(25)であることを確認した。
このポリマーの分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量Mw=1.63×105(スチレン換算)、Mw/Mn=2.10であり、モノマーの分子量から求めた重合度pは165であった。
[実施例1]
アルミニウム基板上に、ジルコニウム化合物(オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10重量部及びシラン化合物(A1110、日本ユニカー社製)1重量部とi−プロパノール40重量部及びブタノール20重量部からなる溶液を浸漬コーティング法にて塗布し、150℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.6μmの下引き層を形成した。この上に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニン結晶の1重量部を、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)1重量部及び酢酸n−ブチル100重量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を上記下引き層の上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、電荷発生層を形成した。
次に、上記によりえられた具定例カルバゾール化合物(1)を2重量部と、以下に構造を示すビスフェノール(Z)高分子化合物(粘度平均分子量:40,000)3重量部をクロロベンゼン35重量部に加熱溶解後,室温(25℃)に戻した。この塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、60分の加熱を行って膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
実施例1で用いた具定例カルバゾール化合物(1)に代えて、カルバゾリル基含有ポリエステル(1)、具定例カルバゾール化合物(21)、カルバゾリル基含有ポリエステル(17)、具定例カルバゾール化合物(5)、カルバゾリル基含有ポリエステル(9)、具定例カルバゾール化合物(24)、及びカルバゾリル基含有ポリエステル(25)をそれぞれ用いた他は、実施例1と同様にして画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いたクロロガリウムフタロシアニン結晶に代えて、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いた他は、実施例1と同様にして、画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いた具定例カルバゾール化合物(1)に代えて、下記構造の化合物(X)を用いた他は、実施例1に記載の方法により画像形成装置用像保持体を作製した。
実施例1で用いた具定例カルバゾール化合物(1)に代えて、下記構造の化合物(XI)を用いた他は、実施例1に記載の方法により画像形成装置用像保持体を作製した。
上記実施例及び比較例で得られた、それぞれの画像形成装置用像保持体を用い、電子写真特性について、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電気社製)を用いて、20℃、40%RHの環境下、−6KVのコロナ放電を行い、帯電させた後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、感光体表面上で1μW/cm2になるように調整して、照射した。
そして、帯電直後における感光体表面の表面電位V0(V)、感光体表面の光照射により表面電位が1/2×VO(V)となる半減露光量E1/2(erg/cm2)を測定した(初期特性)。その後、10ルックスの白色光を1秒間照射し、感光体表面に残留した残留電位VRP(V)を測定した(初期特性)。
更に上記の帯電、露光(800nmの単色光、露光量は半減露光量)、及び白色光の照射(10ルックス)を1000回繰り返した後のV0、E1/2、及びVRPを測定、またその変動量ΔV0、ΔE1/2、ΔVRPを評価した(安定性、耐久性)。
各画像形成装置について、28℃、75%RHの環境下で1万枚分の画像形成テスト(画像濃度10%、シアン100%)を実施した。なお、本テスト条件においては、各カートリッジのプロセスは通常通り行われるが、シアン以外のカートリッジのトナーは使用(供給)されない。テスト後、トナーのクリーニング性(クリーニング不良による帯電器の汚れや画質劣化)、画質(プロセスブラック1dotライン斜め45度細線再現性)を評価した。クリーニング性及び画質の評価方法及び評価基準は以下の通りであり、得られた結果を表1に示す。
○:良好
△:部分的(全体の10%程度以下)にスジ状の画質欠陥あり
×:広範にスジ状の画質欠陥あり
A:良好
B:部分的に欠陥有り(実用上は問題なし)
C:欠陥有り(細線が再現されていない)
2 導電性支持体
3 感光層
4 下引き層
5 電荷発生層
6 電荷輸送層
7 保護層
8 電荷発生・輸送層
200 画像形成装置
207 画像形成装置用像保持体
208 帯電装置
209 電源
210 露光装置
211 現像装置
212 転写装置
213 クリーニング装置
214 除電器
215 定着装置
216 取り付けレール
217 除電露光のための開口部
218 露光のための開口部
300 プロセスカートリッジ
500 被転写体
Claims (4)
- 支持体と、該支持体上に下記一般式(I)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体。
〔一般式(I)中、Rは各々独立に、置換又は未置換の直鎖又は分岐の炭素数1以上8以下のアルキル基を表し、R3は、各々独立に、置換又は未置換の直鎖又は分岐の炭素数1以上8以下のアルキル基を表し、aは0以上3以下の整数を表し、jは0以上8以下の整数を表し、kは1又は2を表し、nは各々独立に0以上7以下の整数を表す。〕 - 支持体と、該支持体上に下記一般式(II−1)で示される化合物を含有する感光層と、を有する画像形成装置用像保持体。
〔一般式(II−1)中、Y1は、各々独立に、置換又は未置換の2価のアルコール残基を表し、A1は下記構造式(III)で表される基を表し、R4は、各々独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアラルキル基を表し、mは1以上5以下の整数を表し、pは5以上5,000以下の整数を表す。〕
〔構造式(III)中、Rは各々独立に、置換又は未置換の直鎖又は分岐の炭素数1以上8以下のアルキル基を表し、aは0以上3以下の整数を表し、jは0以上8以下の整数を表し、kは1又は2を表し、nは各々独立に0以上7以下の整数を表す。〕 - 請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電手段、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段、および前記画像形成装置用像保持体を清掃する清掃手段から選ばれる少なくとも1つと、を少なくとも有するプロセスカートリッジ。
- 請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用像保持体と、前記画像形成装置用像保持体を帯電させる帯電装手段と、帯電した前記画像形成装置用像保持体を露光して静電潜像を形成させる露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置。
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