JP2010216793A - 吸収冷却器、熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却管(冷却チューブ)外面を伝ってアンモニア水が流下する方式の吸収冷却器とアンモニア水液槽に加熱管(加熱チューブ)を水平に配置収納しアンモニア水を沸騰蒸発する蒸発器を採用してアンモニア水の吸収/蒸発特性を最大限利用するとともに、これらのシェルアンドチューブタイプ熱交換器にプラスチックチューブ採用し全てのチューブを常時緊張状態とすればチューブの整列が可能となり量産性と低コスト化が実現できる。
【選択図】図2
Description
海洋温度差発電とは海の表層海水と深層海水との温度差による熱エネルギーを利用して電気エネルギーを取り出すシステムです。
熱帯および亜熱帯の海の海水温度は四季を通じて表層海水温度は24〜29℃と温かくまた深層海水の温度は海面から約800mでは4〜5℃と冷たい。
もちろん現在問題となっている炭酸ガスを排出せず、また海洋温度差エネルギー取得による気象への影響は小さいものと考えられます。なぜなら海洋温度差エネルギーの取得は深層海水と表層海水の混合により低緯度海域の海水温度を低下させる方向にあり、地球温暖化防止対策の一つと成り得るからです。
しかし作動流体が水であることから表層海水と深層海水の温度と温度差が低いため風力発電より遥かに大きなタービンが必要なことと、サイクル効率が極端に低いこと、さらに凝縮器の真空維持が難しいこと等により実用化の検討対象とはなり得ません。
[図6]を参照ください。
[図7]を参照ください。
[図8]のごとくウエハラサイクルでは凝縮器と再生器との間に加熱器を設けタービン抽気により希アンモニア水を加熱昇温することにより性能改善を図るものです。
またタービンと凝縮器間に吸収器を設け一旦タービン排気の一部を気液分離器からの濃アンモニア水に吸収させた後、残りのタービン排気とともに凝縮器に流入させる方式を採用しております。従って凝縮器の機能はカリーナサイクルと同様アンモニアガスの吸収機能も持っております。
作動流体としてメタノール、アンモニア及び炭酸ガス等が提案されておりますが具体的な構成はわかりませんでした。
マルチウエブパネル方式について検討を重ね量産化の目処を持っており、蒸発器、再生器についてはこの方式を採用するのが当初最適と考えておりました。
ところが本発明による吸収冷却器の技術から派生したプラスチックチューブによるシェルアンドチューブタイプの熱交換器が熱交換性能、量産性等で[特許文献4]の方式に比し遜色無く、実用化を進めるに値する技術として本願に加えることとしました。
沸騰する気体のアンモニア濃度は、ほとんどがアンモニアガスで水蒸気成分は無視できる程度の低レベルであり、アンモニアガスタービンでは純粋なアンモニアガスとして取り扱って問題ありません。
アンモニア水は上記の沸騰温度より低くなると水蒸気またはアンモニアガスもしくはその双方に対し強い吸収特性を示します。
この特性を最適に利用するにはアンモニア水の濃度の変化に従いアンモニア水の温度を変化させてアンモニアガスを蒸発もしくは吸収させることです。
上記のアンモニア水の特性を[図9]に示します。
[図9]はP−T−X線図であり。デューリング線図とも呼ばれアンモニアと水の混合溶液の状態(等濃度線)を表示します。濃度(X=1.0)は100%がアンモニアです。
縦軸はアンモニアと水の混合溶液の蒸発もしくは吸収(凝縮)圧力(Pa)で自然対数目盛となっております。横軸は混合溶液の蒸発もしくは吸収(凝縮)温度で絶対温度の逆数(−1/T(K))目盛りです。
11はアンモニア水を冷却するための冷却管(冷却チューブ)であり管内には下部より上部に向かって冷却水が流れ、冷却管(冷却チューブ)の外面を膜状に上部から下部へ流下するアンモニア水液膜17を冷却します。12、13はそれぞれ冷却水上部液室と冷却水下部液室であり、それぞれの水室管板に冷却管(冷却チューブ)11が接続されております。
冷却管(冷却チューブ)外面の濡れ性向上と粗さ調整には表面に対する化学処理、機械的処理等があり、さらに管外面を濡れ性の高い材料(例えば表面コーティングもしくは円筒状の網)で覆う方法も考えられます。
どの方式を採用するかはコスト、寿命及び量産性を検証した後、決定すればよいと考えます。
従って流下速度及び液膜厚さについては厳密に設定する必要はありません。
必要なことは冷却管(冷却チューブ)内を流れる冷却水量とアンモニア水流下液量をそれぞれ計画値の範囲に置くことが、アンモニア水の特性を最適に利用するための必要条件となります。
横軸は吸収熱交換される冷却水とアンモニア水の温度とアンモニア水の濃度を示します。
吸収冷却器ユニットはアンモニア蒸気タービン01の排気室に配置されており一定の圧力であるものとすると、先に説明のP−T−X線図の通り、アンモニア水のアンモニア濃度と温度により決まる沸騰温度でアンモニアガスを吸収するか、蒸発するかが、切り替わります。すなわち図の左側が吸収範囲で、右側が沸騰範囲です。
図ではアンモニア水と冷却水は対向流で一定の温度差となるよう設定されております。
また本願では従来のごとく吸収器もしくは吸収/凝縮器とせず吸収冷却器としているのは吸収冷却器がアンモニアガスを吸収しながら、アンモニア水が冷却水に冷却され、凝縮機能を持っていないことによります。
もし冷却管(冷却チューブ)どうしが接触したり間隔が狭くなったりすれば、冷却管(冷却チューブ)外面を膜状に流下するアンモニア水の一部が隣の管に移ったり、隣の管からのアンモニア水が加わったりしてそれぞれの冷却管(冷却チューブ)を流下しアンモニア水流量の均一性が崩れることとなり吸収冷却器としての性能の低下が予想されます。
そこで考案したのが[請求項2]発明です。
上記実施には弾性率が低く伸度が大きい特性を持っているプラスチックを採用するのが最適であります。他のチューブ材料では弾性率が高く伸度が低いことから実用的ではありません。
プラスチックチューブが経年変化により伸びて引っ張り応力が低下しても管板間距離を広げられる構成とすれば対応できます。
[図5]で23は加熱管(加熱チューブ)で水平に配置され管板24に接続されており、高温側水室26に流入した高温海水が加熱管(加熱チューブ)内を流れ、低温側水室27から排出される構成となっております。
加熱管(加熱チューブ)の低温側へ吸収冷却器からの濃アンモニア水を濃アンモニア水供給口29から供給し、アンモニアガスを蒸発させてアンモニア濃度の低下した希アンモニア水を希アンモニア水排出口30から排出する構成といたします。
過熱されたアンモニアガスはアンモニアガス流出口33から排出されタービンへ向かいます。
アンモニア水はアンモニアガスを吸収することにより凝縮エネルギーを得て温度が上がろうとしますが、温度が上がればアンモニア水の沸騰温度を超えることとなり吸収は停止します。冷却管(冷却チューブ)11内を流れる冷却水により温度が下がれば、吸収を再開いたします。 この状況を繰り返すことによりアンモニア水はアンモニアガスを吸収しながら、温度を下げながら流下することとなります。
図でA点は蒸発器ユニット20での蒸発開始点で吸収冷却器03からの濃アンモニア水が供給され、蒸発を開始するポイントです。A点よりアンモニア水は一定圧力でアンモニアガスを蒸発させ濃度を下げながら、また加熱水により温度を上げながら左へ移動しB点に至ります。
この結果は海水ポンプ動力の節減と取水設備のコストダウンに大いに寄与するものと予想できます。
このサイクル効率向上の結果は一般に発表されている値より低いものです。この理由はアンモニア水の濃度を低くするとアンモニアガスタービンの入り口と出口の圧力比が低くなることと、タービン入り口アンモニアガスの過熱度が高くなることによりタービン排気の湿り度が低下し、タービン出力がほとんど向上しないからです。
もう一つ、細分化したプラスチックチューブを採用すると最適な熱交換設計が容易に可能となり熱交換される流体を乱流状態でなく層流状態で熱交換を実行でき、熱交換器での圧力損失を激減させることが出来ます。このことはシステムの補機動力軽減につながり最終的にサイクルの効率向上につなげることが出来ます。
この結果この構成では従来のアンモニア水サイクルの場合に設けられている気液分離器が必要なくなります。
ただ過熱器の採用はタービン排気のアンモニア蒸気が過熱蒸気の場合に効果は大きいのですが、タービン排気が湿り蒸気の場合過熱器採用による効果は低くなり採否をよく検討する必要があります。
吸収冷却器03上部のアンモニア水供給槽04内で希アンモニア水が沸騰するとアンモニア水流分配板上流での機能に悪影響を与える可能性があるからです。
この対策として蒸発器02の濃アンモニア水側を前置加熱器と称することと致しますが、前置加熱器05構成は蒸発部21と同じ構成であります。
プラスチック熱交換器の適用できない分野は高温熱交換器と紫外線、放射線及び放射能等を遮蔽できない分野となります。
02 蒸発器
03 吸収冷却器
04 再生器
05 アンモニア水ポンプ
06 温熱源水ポンプ(HWP)
07 冷熱源水ポンプ(CWP)
08 発電機
10 吸収冷却器ユニット
11 冷却管(冷却チューブ)
12 冷却水上部液室
13 冷却水下部液室
14 アンモニア水供給槽
15 アンモニア水流量分配板
16 アンモニアガス吸収部
17 アンモニア水液膜
18 冷却管(冷却チューブ)支持板
19 アンモニア水液面
20 蒸発器ユニット
21 アンモニアガス蒸発部
22 アンモニアガス過熱部
23 加熱管(加熱チューブ)
24 加熱管(加熱チューブ)管板
25 加熱管(加熱チューブ)仕切管板
26 加熱水高温側水室
27 加熱水低温側水室
28 アンモニア水液槽
29 濃アンモニア水供給口
30 希アンモニア水排出口
31 低温蒸発アンモニアガス流入口
32 高温蒸発アンモニアガス流入口
33 アンモニアガス流出口
34 アンモニアガス仕切A
35 アンモニアガス仕切B
101 アンモニア蒸気タービン
102 蒸発器
103 吸収凝縮器
104 凝縮器
106 温熱源水ポンプ(HWP)
107 冷熱源水ポンプ(CWP)
108 発電機
109 アンモニア水ポンプ
110 吸収器
111 再生器
112 気液分離器
113 加熱器
114 減圧弁
Claims (4)
- 吸収冷却器の冷却管(冷却チューブ)を上下に配置し冷却液を下部より上部へ流すとともに、冷却管(冷却チューブ)外面をアンモニア水に対する濡れ性を高めるとともに流下速度調整のため表面粗さを調整し、定量のアンモニア水を冷却管(冷却チューブ)上部より供給して冷却管(冷却チューブ)外面を伝ってアンモニア水が流下する構成とすることにより、アンモニア水がアンモニアガスを吸収しながら、冷却管(冷却チューブ)によって冷却されながら流下することにより、アンモニア水のアンモニアガス吸収特性を最大限効果的に活用することを特徴とするアンモニアガス吸収冷却器。
- アンモニアガス吸収器を含む熱交換器に、熱交換エレメントとしてプラスチックチューブを採用し、シェルアンドチューブタイプ熱交換器とするとともにチューブ管板間の距離を調整可能とし、多数のチューブが常時引っ張られる状態とすることによりそれぞれのチューブ間隔が互いに均一に整列保持されるようにしたことを特徴とする熱交換器。
- アンモニア水を加熱する加熱管(加熱チューブ)を水平に配置するとともに、上部が解放されたアンモニア水液槽に収納し、濃アンモニア水を加熱管(加熱チューブ)の低温側へ供給し、希アンモニア水を加熱管(加熱チューブ)高温側から排出するようにすれば、加熱管(加熱チューブ)表面で沸騰蒸発したアンモニアガスはアンモニア水液槽上部の液面から放出されることにより、アンモニア水液槽のアンモニア水濃度は加熱管(加熱チューブ)の低温側から高温側へ移動するに従い低下することとなるが、このようにしてアンモニア水の(沸騰)特性を最大限効果的に活用することを特徴とするアンモニアガス蒸発器。
- 上記蒸発器で発生するアンモニアガスの温度は濃アンモニア水側で低く希アンモニア水側で高くなり、加熱管(加熱チューブ)の希アンモニア水側を延長してアンモニアガス過熱器とし、蒸発器と過熱器をアンモニア水仕切管板により仕切り、アンモニアガス温度の平準化と昇温を行うことによりアンモニア水サイクル効率の向上を計る構成とすることを特徴とするアンモニアガス過熱器を付属するアンモニアガス蒸発器。
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