JP2010216142A - パッシブエントリーシステム、及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動などの背景ノイズがある場合であっても、車内LF送信機と携帯機との間で通信可能とする。
【解決手段】制御部31は、エンジン始動検出部31−1によりエンジンの始動が検出されると、閾値情報設定部31−2により、携帯機50における受信感度を下げるための閾値を設定し、LF送信出力設定部31−3により、LF信号の送信出力を上げ、閾値情報を挿入したLF信号を、設定された送信出力で車内LF送信機20−1、20−2、…から送信する。携帯機50は、LF信号に含まれる閾値情報を取り出し、閾値設定部50−3に閾値を設定し、受信強度が閾値より大である場合にUHFの応答信号を送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、パッシブエントリーシステム、及び通信方法に関する。
従来より、自動車等のドア等のアンロック/ロック、またはエンジンの始動・停止をキーを差し込まず自動で行うなど所定の制御を行う、いわゆるパッシブエントリーシステムが実用化されている。従来のパッシブエントリーシステムにおいては、図8に示すように、車両1の車内に複数の車内LF(Low Frequency)送信機2−1〜2−5(以下では、総称して車内LF送信機2ともいう)と、UHF受信機&制御部3とを配置している。携帯機5と通信する場合には、車内LF送信機2−1〜2−5からLF信号により携帯機5に対して応答を要求する信号を送信し、携帯機5側で正常に応答信号を受信すると、UHF(Ultra High Frequency)でUHF受信機&制御部3に応答する。
Aout1は、車内LF送信機2−1の通信エリアであり、Aout2は、車内LF送信機2−2の通信エリアであり、Aout3は、車内LF送信機2−3の通信エリアである。また、Ain1は、車内LF送信機2−4の通信エリアであり、Ain2は、車内LF送信機2−5の通信エリアである。なお、以下では、これら通信エリアを総称して通信エリアAと呼ぶこともある。上記携帯機5を室外通信エリアAout1〜Aout3内に持ち込むと、ドア等のアンロックが、室外通信エリアAout1〜Aout3外に持ち出すと、ロックが可能となり、また、携帯機5を車内通信エリアAin1、Ain2内に持ち込むと、車両のエンジンの始動・停止等が可能となる。
さて、上述したパッシブエントリーシステムでは、携帯機5の位置を正しく認識することが重要である。そのためには、車内LF送信機2−1〜2−5と携帯機5との通信エリアAを適切な大きさに設定する必要がある。通信エリアAを広くするには、車内LF送信機2の送信強度を上げるか、携帯機5の受信感度を上げればよい。また、通信エリアAを狭くするには、車内LF送信機2の送信強度を下げるか、携帯機5の受信感度を下げればよい。
従来、通信エリアを設定する技術としては、例えば、車内、車外において、その場所で対応する車内LF送信機2からのLF信号のみを受信するように、携帯機にLF信号を受信させ、その場所に応じた車内LF送信機2毎の受信強度に対応した閾値を携帯機に設定することで、携帯機の受信感度を変更する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9は、携帯機の受信感度を変えて通信エリアを設定する様子を示す模式図、及び車内LF送信機の送信強度、携帯機の受信強度の変化などを示す概念図である。図6に示すように、携帯機5が車内LF送信機2−4の通信エリアAin1(車内)にある場合に、車内LF送信機2−4からのLF信号を携帯機5に受信させ、通信エリアAin1内では、車内LF送信機2−4からのLF信号のみを受信するように、車内LF送信機2−4に対する受信強度に対応した閾値を携帯機5に設定する。
同様に、携帯機5が車内LF送信機2−2の通信エリアAout2(室外)にある場合に、車内LF送信機2−2からのLF信号を携帯機5に受信させ、通信エリアAout2では、車内LF送信機2−2からのLF信号のみを受信するように、車内LF送信機2−2に対する受信強度に対応した閾値を携帯機5に設定する。
このように、車内LF送信機2毎に携帯機5に閾値を設定しておくことで、他の通信エリアに対する車内LF送信機2には応答することなく(閾値より受信強度が小さい)、閾値以上の受信強度があった車内LF送信機2、すなわち最も近い車内LF送信機2のみに対して応答することが可能となる。
特開2006−83514号公報
しかしながら、上述した従来技術では、例えば、図10(a)に示すように、エンジンノイズ(エンジン始動時に発生するノイズ)などのような車内ノイズが大きい場合には、図10(b)に示すように、携帯機5が通信エリアAin1内にあるにもかかわらず、車内ノイズによりLF信号のS/N比が低下し、エンジン始動中、始動後に携帯機5が応答しないという問題があった
そこで本発明は、エンジン始動などの背景ノイズがある場合であっても、車内LF送信機と携帯機との間で正しく通信することができるパッシブエントリーシステム、及び通信方法を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、請求項1記載の発明は、携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置とからなるパッシブエントリーシステムであって、前記車載装置は、背景ノイズを検出すると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入して送信する送信手段を備え、前記携帯機は、前記応答要求信号を受信すると、該応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づいて、受信感度を下げる受信感度制御手段とを備えることを特徴とするパッシブエントリーシステムである。
また、上記目的達成のため、請求項2記載の発明は、携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置とからなるパッシブエントリーシステムであって、前記車載装置は、車内に設けられた複数のアンテナと、背景ノイズを検出するノイズ検出手段と、前記ノイズ検出手段により背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入する閾値情報設定手段と、前記閾値情報が挿入された応答要求信号を、前記複数のアンテナから送信する送信手段とを備え、前記携帯機は、前記応答要求信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づく閾値と、前記受信手段による受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定する判定手段と、前記判定手段により前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する応答信号送信手段とを備えることを特徴とするパッシブエントリーシステムである。
また、上記目的達成のため、請求項3記載の発明は、携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置とからなるパッシブエントリーシステムであって、前記車載装置は、車内に設けられた複数のアンテナと、背景ノイズを検出するノイズ検出手段と、前記ノイズ検出手段により背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値選択情報を、前記応答要求信号に挿入する閾値選択情報設定手段と、前記閾値選択情報が挿入された応答要求信号を、前記複数のアンテナから送信する送信手段とを備え、前記携帯機は、前記応答要求信号を受信する受信手段と、複数の閾値を記憶する記憶手段と、前記受信手段により受信された応答要求信号に挿入されている閾値選択情報に基づく、前記記憶手段に記憶されている閾値と、前記受信手段による受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定する判定手段と、前記判定手段により前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する応答信号送信手段とを備えることを特徴とするパッシブエントリーシステムである。
また、好ましい態様として、例えば請求項4記載のように、請求項2または3に記載のパッシブエントリーシステムにおいて、前記車載装置は、前記ノイズ検出手段により背景ノイズが検出されると、前記送信手段による応答要求信号の送信出力を増大させる送信出力設定手段を備えることを特徴とする。
また、好ましい態様として、例えば請求項5記載のように、請求項2乃至4のいずれかに記載のパッシブエントリーシステムにおいて、前記閾値情報設定手段は、前記背景ノイズがある場合の閾値を、前記背景ノイズがない場合の閾値に対して大きな値とする閾値情報を設定することを特徴とする。
また、好ましい態様として、例えば請求項6記載のように、請求項2乃至5のいずれかに記載のパッシブエントリーシステムにおいて、前記ノイズ検出手段は、前記背景ノイズとして、エンジン始動時のノイズを検出することを特徴とする。
また、上記目的達成のため、請求項7記載の発明は、携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置との間の通信方法であって、前記車載装置は、背景ノイズを検出すると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入して送信し、前記携帯機は、前記応答要求信号を受信すると、該応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づいて、受信感度を下げることを特徴とする通信方法である。
また、上記目的達成のため、請求項8記載の発明は、携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置との間の通信方法であって、前記車載装置により、背景ノイズを検出するステップと、前記背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入するステップと、前記閾値情報が挿入された応答要求信号を、車内に設けられた複数のアンテナから送信するステップと、前記携帯機により、前記応答要求信号を受信するステップと、前記受信された応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づく閾値と、前記応答要求信号の受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定するステップと、前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信するステップとを含むことを特徴とする通信方法である。
また、上記目的達成のため、請求項9記載の発明は、携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置との間の通信方法であって、前記車載装置により、背景ノイズを検出するステップと、前記背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値選択情報を、前記応答要求信号に挿入するステップと、前記閾値選択情報が挿入された応答要求信号を、車内に設けられた複数のアンテナから送信するステップと、前記携帯機により、前記応答要求信号を受信するステップと、予め記憶されている複数の閾値から前記受信された応答要求信号に挿入されている閾値選択情報に基づく閾値を選択するステップと、前記選択された閾値と前記応答要求信号の受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定するステップと、前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信するステップとを含むことを特徴とする通信方法である。
また、好ましい態様として、例えば請求項10記載のように、請求項8または9に記載の通信方法において、前記背景ノイズが検出されると、前記車載装置における前記応答要求信号の送信出力を増大させるステップを更に含むことを特徴とする。
また、好ましい態様として、例えば請求項11記載のように、請求項8乃至10のいずれかに記載の通信方法において、前記背景ノイズがある場合の閾値は、前記背景ノイズがない場合の閾値に対して大きな値とすることを特徴とする。
また、好ましい態様として、例えば請求項12記載のように、請求項8乃至11のいずれかに記載の通信方法において、前記背景ノイズは、エンジン始動時のノイズであることを特徴とする。
この発明によれば、エンジンが始動するなどして、背景ノイズが大きくなった場合、車載装置からLF信号の応答要求信号に閾値情報を挿入して送信し、携帯機で閾値情報が挿入された応答要求信号を受信すると、該閾値情報に基づいて受信感度を下げ、また、車載装置のLF信号の送信出力を増加するようにしたので、エンジン始動後はもちろんのこと、エンジン始動中など、背景ノイズが大きい場合であっても、車載装置と携帯機との間で正しく通信することができるという利点が得られる。
本発明の第1実施形態によるパッシブエントリーシステムの構成を示すブロック図である。 本第1実施形態によるUHF受信機&制御部30の動作を説明するためのフローチャートである。 本第1実施形態による携帯機50の動作を説明するためのフローチャートである。 本第1実施形態によるパッシブエントリーシステムでの動作概要を説明するための概念図である。 本第2実施形態によるパッシブエントリーシステムの構成を示すブロック図である。 本第2実施形態によるUHF受信機&制御部30の動作を説明するためのフローチャートである。 本第2実施形態による携帯機50の動作を説明するためのフローチャートである。 従来のパッシブエントリーシステムの一構成例を示すブロック図である。 携帯機の受信感度を変えて通信エリアを設定する様子を示す模式図、及び車内LF送信機の送信強度、携帯機の受信強度の変化などを示す概念図である。 ノイズ発生時の不具合を説明するための概念図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態の構成
図1は、本発明の第1実施形態によるパッシブエントリーシステムの構成を示すブロック図である。図において、UHF受信機&制御部30は、制御部31と、UHF受信部32とからなる。制御部31は、エンジン始動検出部31−1、閾値設定部31−2、LF送信出力設定部31−3、及びLF信号送信制御部31−4からなる。
エンジン始動検出部31−1は、エンジン(図示略)の始動を検出する。閾値情報設定部31−2は、エンジン始動検出部31−1によりエンジンの始動が検出されると、後述する携帯機50におけるLF信号に対する受信感度を下げるための閾値を設定する。受信感度を上げるとは、より大きな強度で受信しないと、受信したとは見なさい事である。
LF送信出力設定部31−3は、エンジン始動検出部31−1によりエンジンの始動が検出されると、後述する車内LF送信機20−1、20−2、…からのLF信号の送信出力を上げるように送信出力を設定する。LF信号送信制御部31−4は、LF信号に閾値情報を挿入し、設定された送信出力で送信すべく、車内LF送信機20−1、20−2、…を制御する。
車内LF送信機20−1、20−2、…は、車内各部の所定の場所に設置されており、制御部31のLF信号送信制御部31−4の制御に従って、閾値情報を含むLF信号を、設定された送信出力で送信する。また、UHF受信部32は、後述する携帯機50からのUHFの応答信号を受信する。UHF受信機&制御部30は、UHF受信部32により、応答信号が受信されると、ドア等のアンロック/ロック、またはエンジンの始動・停止をキーを差し込まず自動で行うなど所定の制御を行う。
携帯機50は、受信部50−1、信号処理部50−2、閾値設定部50-3、受信強度判定部50−4、及び送信部50−5からなる。受信部50−1は、車内LF送信機20−1、20−2、…からの閾値情報を含むLF信号を受信し、信号処理部50−2に供給するとともに、受信強度を受信強度判定部50−4に供給する。信号処理部50−2は、LF信号に含まれる閾値情報を取り出し、閾値設定部50−3に供給する。
閾値設定部50−3は、上記閾値情報に従って受信感度を制御する閾値を設定する。受信強度判定部50−4は、上記LF信号の受信強度と上記閾値とを比較し、受信強度が閾値より大である場合に、送信部50−5にUHFの応答信号を送信するよう指示する。送信部50−5は、上記指示に従ってUHFの応答信号を送信する。
次に、上述した第1実施形態の動作について説明する。
図2は、本第1実施形態によるUHF受信機&制御部30の動作を説明するためのフローチャートである。また、図3は、本第1実施形態による携帯機50の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、図2を参照してUHF受信機&制御部30の動作について説明する。UHF受信機&制御部30では、まず、エンジン始動検出部31−1によりエンジン(図示略)が始動中であるか否かを判断し(ステップS10)、エンジンが始動中でない場合には、車内ノイズが小さいと判断し、閾値情報設定部31−2により、閾値情報を標準の閾値(通常)に設定し(ステップS12)、LF送信出力設定部31−3により、LF信号の送信強度を標準値(通常)とする(ステップS14)。
その後、LF信号送信制御部31−4で、LF信号に閾値情報を挿入し、設定された送信出力で送信すべく、車内LF送信機20−1、20−2、…を制御して、閾値情報を含むLF信号を、設定された送信出力で送信する(ステップS20)。したがって、エンジンが始動中でない場合には、閾値情報は標準値であり、LF信号の送出出力も標準となり、携帯機50の受信感度も通常通りである。
一方、エンジンが始動中である場合には、閾値情報設定部31−2により、閾値を上げて閾値情報を設定し(ステップS16)、LF送信出力設定部31−3により、LF信号の送信強度を上げる(ステップS18)。その後、LF信号送信制御部31−4で、LF信号に閾値情報を挿入し、設定された送信出力で送信すべく、車内LF送信機20−1、20−2、…を制御して、閾値情報を含むLF信号を、アップされた送信出力で送信する(ステップS20)。したがって、エンジンが始動中である場合には、車内ノイズが大きくなるので、閾値情報はより大きな閾値を示し、LF信号の送信出力は上げられる。
次に、図3を参照して携帯機50の動作について説明する。携帯機50では、まず、LF信号を受信したか否かを判断し(ステップS30)、LF信号を受信すると、信号処理部50−2により、LF信号に含まれる閾値情報を取り出し、閾値設定部50−3により、上記閾値情報に従って受信感度を制御する閾値を設定する(ステップS32)。
次に、受信強度判定部50−4で、上記LF信号の受信強度と上記閾値とを比較し(ステップS34)、受信強度が閾値より大であるか否かを判断する(ステップS36)。このとき、閾値は、エンジンが始動していない場合には、通常の値であるが、エンジンが始動し、車内ノイズが大きい場合には、通常より、大きな値となっている。
そして、受信強度が閾値より大でない場合には、UHFの応答信号を送信することなく、ステップS30に戻る。一方、受信強度が閾値より大である場合には、送信部50−5からUHFの応答信号を送信する(ステップS38)。
つまり、車内ノイズが大きい場合には、閾値が通常より大きな値に設定されているが、LF信号の受信強度が通常より大きいので、ステップS36の判断結果は「YES」となり、UHFの応答信号が送信されることになる。
ここで、図4は、本第1実施形態によるパッシブエントリーシステムでの動作概要を説明するための概念図である。エンジンが始動していない場合には、車内ノイズが小さいので、携帯機50の受信感度(どれくらいの受信強度で応答するか)は、通常通りである。そして、エンジンが始動するなどして、車内ノイズが大きくなった場合、携帯機50の受信感度を変えないと、前述した図10(b)に示すように、S/N比が低下するので、携帯機50は、LF信号の受信可能範囲にあったとしても通信できず、応答信号を返してこない。
これに対して、本第1実施形態では、エンジンが始動するなどして、車内ノイズが大きくなった場合、携帯機50の受信感度を下げるようにしたので(閾値を大きくする)、携帯機50は、LF信号の受信可能範囲にあれば、応答信号を返すことができる。なお、本第1実施形態では、携帯機50の受信感度を下げるとともに、車内LF送信機20−1、20−2、…の送信出力を上げるようにしているが、必ずしも、車内LF送信機20−1、20−2、…の送信出力を上げる必要はなく、携帯機50の受信感度を下げるだけで通信が可能であれば、車内ノイズの大きさ、携帯機50の性能等、必要に応じて適宜選択可能である。
上述した第1実施形態によれば、エンジンが始動するなどして、車内ノイズが大きくなった場合、携帯機50の受信感度を下げ、また、LF信号の送信出力を増加するようにしたので、エンジン始動後はもちろんのこと、エンジン始動中であっても、車内LF送信機20−1、20−2、…と携帯機50との間で正しく通信することができる。
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、本第2実施形態によるパッシブエントリーシステムの構成を示すブロック図である。なお、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図において、閾値選択情報設定部31−5は、エンジン始動検出部31−1によるエンジン始動検出の有無に応じて、携帯機50に記憶されている複数の閾値の中からいずれを用いるかを指定するための閾値選択情報を設定する。
携帯機50において、閾値記憶部50−6は、予め複数の閾値を記憶しており、信号処理部50−2でLF信号から取り出された閾値選択情報に従って、上記複数の閾値のいずれかを実際に用いる閾値として閾値設定部50−7に供給する。閾値設定部50−7は、閾値記憶部50−6から供給される閾値を受信強度を判定する際の閾値として設定する。
次に、上述した第2実施形態の動作について説明する。
図6は、本第2実施形態によるUHF受信機&制御部30の動作を説明するためのフローチャートである。また、図7は、本第2実施形態による携帯機50の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、図6を参照してUHF受信機&制御部30の動作について説明する。UHF受信機&制御部30では、まず、エンジン始動検出部31−1によりエンジン(図示略)が始動中であるか否かを判断し(ステップS50)、エンジンが始動中でない場合には、車内ノイズが小さいと判断し、閾値選択情報設定部31−5により、標準の閾値(通常)を選択させるための閾値選択情報に設定し(ステップS52)、LF送信出力設定部31−3により、LF信号の送信強度を標準値(通常)とする(ステップS54)。
その後、LF信号送信制御部31−4で、LF信号に閾値選択情報を挿入し、設定された送信出力で送信すべく、車内LF送信機20−1、20−2、…を制御して、閾値選択情報を含むLF信号を、設定された送信出力で送信する(ステップS60)。したがって、エンジンが始動中でない場合には、閾値選択情報は標準値を選択させる値であり、LF信号の送出出力も標準となり、携帯機50の受信感度も通常通りである。
一方、エンジンが始動中である場合には、閾値選択情報設定部31−5により、より大きな閾値を選択させる閾値選択情報を設定し(ステップS56)、LF送信出力設定部31−3により、LF信号の送信強度を上げる(ステップS58)。その後、LF信号送信制御部31−4で、LF信号に閾値選択情報を挿入し、設定された送信出力で送信すべく、車内LF送信機20−1、20−2、…を制御して、閾値選択情報を含むLF信号を、アップされた送信出力で送信する(ステップS60)。したがって、エンジンが始動中である場合には、車内ノイズが大きくなるので、閾値選択情報は大きな閾値を選択させるような値となり、LF信号の送信出力は上げられる。
次に、図7を参照して携帯機50の動作について説明する。携帯機50では、まず、LF信号を受信したか否かを判断し(ステップS70)、LF信号を受信すると、信号処理部50−2により、LF信号に含まれる閾値選択情報を取り出し、該閾値選択情報に従って、閾値記憶部50−6から、上記複数の閾値のいずれかを実際に用いる閾値を読み出し、閾値設定部50−7により、該閾値を受信強度を判定する際の閾値として設定する(ステップS72)。
次に、受信強度判定部50−4で、上記LF信号の受信強度と上記閾値とを比較し(ステップS74)、受信強度が閾値より大であるか否かを判断する(ステップS76)。このとき、閾値は、エンジンが始動していない場合には、通常の値であるが、エンジンが始動し、車内ノイズが大きい場合には、通常より、大きな値となっている。
そして、受信強度が閾値より大でない場合には、UHFの応答信号を送信することなく、ステップS70に戻る。一方、受信強度が閾値より大である場合には、送信部50−5からUHFの応答信号を送信する(ステップS78)。
つまり、車内ノイズが大きい場合には、閾値が通常より大きな値に設定されているため、LF信号の受信強度がより大きい場合には、ステップS76の判断結果は「YES」となり、UHFの応答信号が送信されることになる。
上述した第3実施形態によれば、エンジンが始動するなどして、車内ノイズが大きくなった場合、携帯機50の受信感度を下げ、また、LF信号の送信出力を増加するようにしたので、エンジン始動後はもちろんのこと、エンジン始動中であっても、車内LF送信機20−1、20−2、…と携帯機50との間で正しく通信することができる。
なお、上述した第1、第2実施形態では、エンジン始動による車内ノイズについてのみ説明したが、これに限らず、エンジンノイズ以外のノイズ対策として、例えば、背景ノイズを検出する手段を設け、背景ノイズの大小に合わせて携帯機の感度や、LF信号の送信出力を増減制御するようにしてもよい。
20−1、20−2、… 車内LF送信機
30 UHF受信機&制御部
31 制御部
31−1 エンジン始動検出部
31−2 閾値情報設定部
31−3 LF送信出力設定部
31−4 LF信号送信制御部
31−5 閾値選択情報設定部
32 UHF受信部
50 携帯機
50−1 受信部
50−2 信号処理部
50−3 閾値設定部
50−4 受信強度判定部
50−5 送信部
50−6 閾値記憶部
50−7 閾値設定部

Claims (12)

  1. 携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置とからなるパッシブエントリーシステムであって、
    前記車載装置は、
    背景ノイズを検出すると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入して送信する送信手段を備え、
    前記携帯機は、
    前記応答要求信号を受信すると、該応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づいて、受信感度を下げる受信感度制御手段とを備えることを特徴とするパッシブエントリーシステム。
  2. 携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置とからなるパッシブエントリーシステムであって、
    前記車載装置は、
    車内に設けられた複数のアンテナと、
    背景ノイズを検出するノイズ検出手段と、
    前記ノイズ検出手段により背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入する閾値情報設定手段と、
    前記閾値情報が挿入された応答要求信号を、前記複数のアンテナから送信する送信手段とを備え、
    前記携帯機は、
    前記応答要求信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づく閾値と、前記受信手段による受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する応答信号送信手段と
    を備えることを特徴とするパッシブエントリーシステム。
  3. 携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置とからなるパッシブエントリーシステムであって、
    前記車載装置は、
    車内に設けられた複数のアンテナと、
    背景ノイズを検出するノイズ検出手段と、
    前記ノイズ検出手段により背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値選択情報を、前記応答要求信号に挿入する閾値選択情報設定手段と、
    前記閾値選択情報が挿入された応答要求信号を、前記複数のアンテナから送信する送信手段とを備え、
    前記携帯機は、
    前記応答要求信号を受信する受信手段と、
    複数の閾値を記憶する記憶手段と、
    前記受信手段により受信された応答要求信号に挿入されている閾値選択情報に基づく、前記記憶手段に記憶されている閾値と、前記受信手段による受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する応答信号送信手段と
    を備えることを特徴とするパッシブエントリーシステム。
  4. 前記車載装置は、
    前記ノイズ検出手段により背景ノイズが検出されると、前記送信手段による応答要求信号の送信出力を増大させる送信出力設定手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のパッシブエントリーシステム。
  5. 前記閾値情報設定手段は、
    前記背景ノイズがある場合の閾値を、前記背景ノイズがない場合の閾値に対して大きな値とする閾値情報を設定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のパッシブエントリーシステム。
  6. 前記ノイズ検出手段は、
    前記背景ノイズとして、エンジン始動時のノイズを検出することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のパッシブエントリーシステム。
  7. 携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置との間の通信方法であって、
    前記車載装置は、
    背景ノイズを検出すると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入して送信し、
    前記携帯機は、
    前記応答要求信号を受信すると、該応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づいて、受信感度を下げることを特徴とする通信方法。
  8. 携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置との間の通信方法であって、
    前記車載装置により、背景ノイズを検出するステップと、
    前記背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値情報を、前記応答要求信号に挿入するステップと、
    前記閾値情報が挿入された応答要求信号を、車内に設けられた複数のアンテナから送信するステップと、
    前記携帯機により、前記応答要求信号を受信するステップと、
    前記受信された応答要求信号に挿入されている閾値情報に基づく閾値と、前記応答要求信号の受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定するステップと、
    前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信するステップと
    を含むことを特徴とする通信方法。
  9. 携帯機と、車内外に応答要求信号を送信し、前記携帯機からの応答信号を受信すると、所定の制御を行う車載装置との間の通信方法であって、
    前記車載装置により、背景ノイズを検出するステップと、
    前記背景ノイズが検出されると、前記携帯機側の受信感度を下げるための閾値選択情報を、前記応答要求信号に挿入するステップと、
    前記閾値選択情報が挿入された応答要求信号を、車内に設けられた複数のアンテナから送信するステップと、
    前記携帯機により、前記応答要求信号を受信するステップと、
    予め記憶されている複数の閾値から前記受信された応答要求信号に挿入されている閾値選択情報に基づく閾値を選択するステップと、
    前記選択された閾値と前記応答要求信号の受信強度と比較し、前記受信強度が前記閾値以上であるか判定するステップと、
    前記受信強度が前記閾値以上であると判定された場合、前記応答要求信号に対する応答信号を送信するステップと
    を含むことを特徴とする通信方法。
  10. 前記背景ノイズが検出されると、前記車載装置における前記応答要求信号の送信出力を増大させるステップを更に含むことを特徴とする請求項8または9に記載の通信方法。
  11. 前記背景ノイズがある場合の閾値は、前記背景ノイズがない場合の閾値に対して大きな値とすることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の通信方法。
  12. 前記背景ノイズは、エンジン始動時のノイズであることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の通信方法。
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