JP2008288734A - 受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のアンテナを介した無線通信において、安定した無線通信を実現する受信装置を提供する。
【解決手段】受信レベルに応じて複数のアンテナから選択された1つのアンテナを介して信号を受信する受信装置である。受信装置は、判定部および受信感度調整部を備える。判定部は、電波が正規の信号を示す電波であることを、入力した複数のアンテナ毎にそれぞれ判定する。受信感度調整部は、判定部の判定結果に応じて、複数のアンテナを介した受信感度をそれぞれ調整する。
【選択図】図1
【解決手段】受信レベルに応じて複数のアンテナから選択された1つのアンテナを介して信号を受信する受信装置である。受信装置は、判定部および受信感度調整部を備える。判定部は、電波が正規の信号を示す電波であることを、入力した複数のアンテナ毎にそれぞれ判定する。受信感度調整部は、判定部の判定結果に応じて、複数のアンテナを介した受信感度をそれぞれ調整する。
【選択図】図1
Description
本発明は、受信装置に関し、特に、複数の電波受信用アンテナを有する受信装置に関する。
従来、ユーザが所持する電子キーと自動車等の車両との間で、無線通信を行う無線通信システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。この無線通信システムは、車両に電子キー(携帯機)を所持したユーザが近づき、ドアハンドルを握った場合に当該車両のドアの解錠を行ったり、車両から電子キーを所持したユーザが離れ、ドアハンドルに設けられたロックスイッチを押圧した場合に当該車両のドアの施錠を行ったりする。また、上記無線通信システムでは、車両の運転席付近に電子キーを所持したユーザが入ると、エンジンスタートボタン等を押下するだけでエンジンの始動を行う。このような無線通信システムは、多くの車種に採用されている。
ここで、上記無線通信システムで用いられる電子キーには、例えば車両からの送信電波を受信するために、フェライトバーアンテナ等の小型の指向性アンテナが内蔵される。この場合、全方向からの送信電波を電子キーが受信するために、それら受信方向が互いに直交するように3つの指向性アンテナが電子キーに搭載される。そして、3つの指向性アンテナのうち、最大受信レベルの送信電波を受信した指向性アンテナを受信対象アンテナとして選択して、車両からの電波の受信が行われる。
特開2004−197649号公報
しかしながら、上記電子キーでは、信号レベルが最も高い指向性アンテナが受信対象アンテナとして選択されるため、車両からの送信電波と同等の強ノイズを受信するとその指向性アンテナが受信対象アンテナとして選択される。例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の強ノイズを発生する車両との無線通信の場合、頻繁に受信対象アンテナが切り替えられてしまうことが考えられ、車両と電子キーとの間で安定した無線通信ができなくなる場合が想定される。
例えば、図10に示すように、各指向性アンテナ(図10では、X軸、Y軸、およびZ軸の指向性アンテナで記載されている)それぞれが妨害電波(図10では、ノイズと記載されている)を受信している。このような妨害電波を受信した場合、最大レベルとなった指向性アンテナの選択と受信信号のS/N比で動作しているために、動作不良となりやすい。例えば、正規の送信信号の受信前に図10に示すような妨害電波を受信した場合、最大レベルの信号を受信した指向性アンテナ(図10では、Y軸の指向性アンテナ)を介して正規の送信信号を待つ。したがって、当該指向性アンテナで受信する送信信号の受信レベルが妨害電波の受信レベルより低いと、他の指向性アンテナにおける送信信号の受信レベルとは無関係に受信ができなくなる。また、正規の送信信号の受信中において他の指向性アンテナが強い妨害電波を受信した場合(図10では、X軸の指向性アンテナで正規の送信信号受信中に、Y軸の指向性アンテナが強い妨害電波を受信している)、その妨害電波によって送信信号が受信できなくなる。
それ故に、本発明の目的は、複数のアンテナを介した無線通信において、安定した無線通信を実現する受信装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号やステップ番号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
第1の発明は、受信レベルに応じて複数のアンテナ(X軸、Y軸、Z軸アンテナ)から選択された1つのアンテナを介して信号を受信する受信装置である。受信装置は、判定部(21)および受信感度調整部(22)を備える。判定部は、電波が正規の信号を示す電波であることを、入力した複数のアンテナ毎にそれぞれ判定する(211、212、213)。受信感度調整部は、判定部の判定結果に応じて、複数のアンテナを介した受信感度をそれぞれ調整する。
第2の発明は、上記第1の発明において、受信感度調整部は、判定部が正規の信号でない電波であると判定したとき(ステップS51、S52、S71、およびS72を実行する通信制御部2、以下、単にステップ番号のみ記載する)、当該電波を入力したアンテナを介した受信感度を、当該電波が入力していないアンテナを介した受信感度より低く調整する(S53、S73)。
第3の発明は、上記第1の発明において、受信感度調整部は、判定部が正規の信号でない電波であると判定したとき、当該電波を入力したアンテナを介した受信感度を、当該電波のノイズレベルに応じて漸減的に低く(感度レベル1〜7)調整する(図3、S53、S73)。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れかにおいて、受信感度調整部は、判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき(S61、S75)、当該電波が入力していないアンテナを介した受信感度を、当該電波が入力したアンテナを介した受信感度より低く調整する(S63、S77)。
第5の発明は、上記第4の発明において、認識部(23)を、さらに備える。認識部は、判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき、当該電波の受信レベルが最も高いアンテナを介して受信した正規の信号が示す内容を認識する(S64、S78)。受信感度調整部は、認識部が一連の正規の信号における最初の信号を認識してから当該一連の正規の信号における最後の信号を認識するまで(S67、S81でYes)、当該最初の信号を示す電波が入力していないアンテナを介した受信感度を、当該電波が入力したアンテナを介した受信感度より低い状態に維持する。
第6の発明は、上記第1〜第3の発明の何れかにおいて、受信感度調整部は、判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき、当該電波の受信レベルが最も高いアンテナを介した受信感度を所定の受信感度(通常感度;感度レベル1)に調整し、他のアンテナを介した受信感度を当該所定の受信感度より低く(感度レベル7)調整する(S63、S77)。
第7の発明は、上記第6の発明において、認識部(23)を、さらに備える。認識部は、判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき、当該電波の受信レベルが最も高いアンテナを介して受信した正規の信号が示す内容を認識する。受信感度調整部は、認識部が一連の正規の信号における最初の信号を認識してから当該一連の正規の信号における最後の信号を認識するまで、受信レベルが最も高いアンテナを介した受信感度を所定の受信感度に維持して、他のアンテナを介した受信感度を所定の受信感度より低い感度に維持する。
第8の発明は、上記第7の発明において、受信感度調整部は、認識部が一連の正規の信号における最後の信号を認識した後、複数のアンテナを介した受信感度を全て所定の受信感度に調整する(S68、S82)。
第9の発明は、上記第1の発明において、複数のアンテナは、それぞれの受信方向が互いに直交する複数の指向性アンテナである。
上記第1の発明によれば、ノイズや正規の送信信号の受信に対して、各アンテナを介した受信感度を独立して調整することによって、ノイズより強い送信信号を何れか1つのアンテナが受信できれば、そのアンテナを用いて安定した無線通信を行うことが可能となる。
上記第2の発明によれば、妨害電波を受信したアンテナと異なるアンテナを介して正規の送信信号を受信したとき、妨害電波を受信したアンテナを介した受信感度が相対的に低く設定されているために、当該送信信号を選択しやすくなる。
上記第3の発明によれば、妨害電波のノイズレベルに応じて漸減的に受信感度が設定されるため、受信する妨害電波のノイズレベルに応じた受信感度設定が可能である。例えば、ノイズレベルが下がってきたときに受信感度を高くすることも可能であり、妨害電波の受信環境に応じた適切な受信感度設定が可能となる。また、妨害電波の受信レベルが低いアンテナを介して正規の送信信号を受信したとき、強い妨害電波を受信していたアンテナを介した受信感度が相対的に低く設定されているために、当該送信信号を選択しやすくなる。
上記第4の発明によれば、正規の送信信号の入力に応じて、各アンテナを介した受信感度を調整するため、当該送信信号を受信したアンテナを選択しやすくなる。例えば、正規の送信信号を受信した後に、当該送信信号を受信したアンテナと異なるアンテナを介して強い妨害電波を受信したとき、当該異なるアンテナを介した受信感度が相対的に低く設定されているために、その後に送信される正規の送信信号を安定して受信することができる。
上記第5の発明によれば、送信元の装置から送信される複数の送信信号を組とする一連の正規の信号を受信するとき、当該一連の最初の信号を受信してから最後の信号を受信するまで受信感度が維持されるため、一連の正規の送信信号を安定して受信することができる。
上記第6の発明によれば、正規の送信信号の受信レベルが最も高いアンテナに対して、他のアンテナを介した受信感度が相対的に低く調整されるため、当該送信信号を最も強く受信するアンテナを選択しやすくなる。例えば、正規の送信信号を受信した後に、当該強い送信信号を受信したアンテナを介して弱い妨害電波が入力し、当該アンテナと異なるアンテナを介して強い妨害電波を受信したとき、当該異なるアンテナを介した受信感度が相対的に低く設定されているために、その後に送信される正規の送信信号を安定して受信することができる。
上記第7の発明によれば、送信元の装置から送信される複数の送信信号を組とする一連の正規の信号を受信するとき、当該一連の最初の信号を受信してから最後の信号を受信するまで受信感度が維持されるため、一連の正規の送信信号を安定して受信することができる。
上記第8の発明によれば、一連の正規の信号の受信が終了すると初期状態にリセットされるため、新たな受信環境に応じた受信感度の調整が可能となる。
上記第9の発明によれば、フェライトバーアンテナ等の指向性アンテナを複数内蔵して多方向からの送信電波を受信し、最も受信レベルの高い指向性アンテナを選択する受信装置に適用することができる。
(第1の実施形態)
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る受信装置について説明する。なお、図1は、当該受信装置を含む装置の概略構成を示すブロック図である。ここで、当該受信装置の説明を具体的にするために、当該受信装置が電子キー(携帯機)に内蔵され、当該電子キーと自動車等の車両との間で無線通信を行う無線通信システムを用いて説明を行う。
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る受信装置について説明する。なお、図1は、当該受信装置を含む装置の概略構成を示すブロック図である。ここで、当該受信装置の説明を具体的にするために、当該受信装置が電子キー(携帯機)に内蔵され、当該電子キーと自動車等の車両との間で無線通信を行う無線通信システムを用いて説明を行う。
上記無線通信システムは、本実施形態の受信装置を内蔵する電子キー(携帯機)を含んでおり、当該携帯機がユーザによって所持される。携帯機は、所定コードを示す送信信号を車両に搭載された発信機から受信する。そして、携帯機は、受信した送信信号が示すコード内容に応答して、IDコードを含む返信コードを示す返信信号を上記車両の受信機へ送信する。例えば、車両側の発信機および受信機は、車両内外の適切な位置(例えば、車両の各ドアに対応する位置、車両のトランクに対応する位置、車内の運転席近傍等)に配設されている。
図1において、本実施形態の受信装置は、受信部1および通信制御部2を備えている。そして、受信装置で解析されたコードに応答して、車両へ返信信号を送信するための送信部3が当該受信装置に接続されている。受信部1および送信部3は、車両の発信機および受信機との間で微弱電波による双方向通信を行う。
受信部1は、3つの指向性アンテナを有している。そして、受信部1は、3つの指向性アンテナを介して、車両からの送信電波を受信する。例えば、指向性アンテナは、フェライト等の透磁率が高い小型長尺状のコアに、その表面が絶縁被覆された電線を巻設したバーアンテナ(例えば、フェライトバーアンテナ)で構成される。そして、それぞれの指向性アンテナは、全方向からの送信電波を受信するために、それら受信方向が互いに直交するように受信装置に搭載される。具体的には、指向性アンテナがバーアンテナで構成される場合、それらバーアンテナの軸心方向が互いに直交する位置関係に配設される。以下、それぞれの指向性アンテナを区別するために、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、およびZ軸で表現して、それぞれX軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナと記載する。
通信制御部2は、妨害電波判定部21、受信感度調整部22、およびコード認識生成部23を備えている。例えば、通信制御部2は、1つ以上の一般的なマイクロコンピュータと、当該マイクロコンピュータからアクセス可能なメモリ装置(受信装置の内部または外部に設けられる)等とから構成される。
妨害電波判定部21は、受信部1が受信した電波が妨害電波か否かを判定する。例えば、妨害電波判定部21は、受信部1のX軸アンテナを介して受信した電波が示すコードを判定するコード判定部211、受信部1のY軸アンテナを介して受信した電波が示すコードを判定するコード判定部212、および受信部1のZ軸アンテナを介して受信した電波が示すコードを判定するコード判定部213を有している。コード判定部211、212、および213は、それぞれのアンテナが、連続して高信号レベルで一定(連続Hi)を示す電波を受信したときや、上記メモリ装置に記憶された所定のコードパターンを示すものではない電波を受信したとき、受信した電波が妨害電波であると判定する。具体的には、上記双方向通信の際、車両の発信機から通信の開始を示すウェイクアップコードを示す送信電波が送信されており、当該ウェイクアップコードを示す送信電波でない場合、受信した電波が妨害電波であると判定する。これによって、妨害電波判定部21は、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナが受信した電波毎に、それぞれ妨害電波を受信したか否かを判定することができる。
受信感度調整部22は、妨害電波判定部21のX軸、Y軸、およびZ軸毎の判定結果に応じて、受信部1のX軸、Y軸、およびZ軸毎に受信感度を調整する。具体的には、受信感度調整部22は、上記メモリ装置に予め記憶された後述する受信感度設定テーブル(図3参照)を参照し、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナが受信したノイズレベルに応じて各軸の受信感度を調整する。
コード認識生成部23は、受信部1が車両の発信機から正規の送信信号を受信したとき、当該送信信号が示すコード内容を認識する。そして、コード認識生成部23は、認識したコード内容に応答した返信コードを生成し、送信部3へ出力する。そして、返信部3は、コード認識生成部23が生成した返信コードを示す返信信号を、車両の受信機へ送信する。
次に、図2を参照して、受信装置の具体的な動作について説明する。なお、図2は、第1の実施形態に係る受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、図2に示すフローチャートの各ステップは、通信制御部2が所定のプログラムを実行することによって行われる。なお、これらのステップを実行するためのプログラムは、例えば、受信装置の内部または外部に設けられた記憶領域(例えば、メモリ、ハードディスク、光ディスク等)に予め格納されており、受信装置の電源がオン状態において通信制御部2によって実行される。
まず、受信装置の電源(図示せず)がON状態において、通信制御部2が上記記憶領域に格納されたプログラムを実行する。そして、通信制御部2は、上記プログラムに基づいて、図2に示す各ステップを実行する。
図2において、通信制御部2の妨害電波判定部21は、受信部1のX軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナ毎に受信した電波をそれぞれ判定し(ステップS51)、妨害電波を受信したが否かをそれぞれ判断する(ステップS52)。具体的には、上述したように妨害電波判定部21のコード判定部211〜213は、連続して高信号レベルで一定(連続Hi)を示す電波を受信したときや、所定のコードパターンを示すものではない電波を受信したとき、受信した電波が妨害電波であるとそれぞれ判定する。例えば、妨害電波判定部21は、X軸アンテナを介して受信した電波が示すコードをコード判定部211で判定し、X軸アンテナを介して受信した電波が妨害電波か否かを判断する。また、妨害電波判定部21は、Y軸アンテナを介して受信した電波が示すコードをコード判定部212で判定し、Y軸アンテナを介して受信した電波が妨害電波か否かを判断する。さらに、妨害電波判定部21は、Z軸アンテナを介して受信した電波が示すコードをコード判定部213で判定し、Z軸アンテナを介して受信した電波が妨害電波か否かを判断する。そして、妨害電波判定部21は、何れか1つのアンテナが妨害電波を受信していると判定した場合、次のステップS53に処理を進める。一方、妨害電波判定部21は、何れのアンテナも妨害電波を受信していないと判定した場合、次のステップS54に処理を進める。
ステップS53において、通信制御部2の受信感度調整部22は、妨害電波の受信レベルに応じて受信軸毎に受信感度を変更し、次のステップS55に処理を進める。例えば、受信感度調整部22は、予め設定されて図示しない記憶領域に記憶された受信感度設定テーブルを参照して、受信軸毎の受信感度を設定する。以下、図3を参照して、受信感度設定テーブルについて説明する。なお、図3は、予め設定された受信感度設定テーブルの一例を示す図である。
図3において、受信感度設定テーブルは、受信したノイズレベルに応じて、受信軸毎に設定する受信感度を示すデータが記述される。例えば、受信したノイズレベルが100dBμV/m(デシベルマイクロボルト/メートル:電界強度)未満である場合、当該ノイズレベルの受信軸が感度レベル1(通常感度)に設定される。受信したノイズレベルが100〜120dBμV/mである場合、当該ノイズレベルの受信軸が感度レベル2(例えば、100dBμV/m以上の送信電波が受信できる受信感度レベル)に設定される。受信したノイズレベルが120〜140dBμV/mである場合、当該ノイズレベルの受信軸が感度レベル3(例えば、120dBμV/m以上の送信電波が受信できる受信感度レベル)に設定される。受信したノイズレベルが140〜160dBμV/mである場合、当該ノイズレベルの受信軸が感度レベル4(例えば、140dBμV/m以上の送信電波が受信できる受信感度レベル)に設定される。受信したノイズレベルが160〜180dBμV/mである場合、当該ノイズレベルの受信軸が感度レベル5(例えば、160dBμV/m以上の送信電波が受信できる受信感度レベル)に設定される。受信したノイズレベルが180〜200dBμV/mである場合、当該ノイズレベルの受信軸が感度レベル6(例えば、180dBμV/m以上の送信電波が受信できる受信感度レベル)に設定される。そして、受信したノイズレベルが200dBμV/m以上である場合、当該ノイズレベルの受信軸が感度レベル7(例えば、200dBμV/m以上の送信電波が受信できる受信感度レベル)に設定される。
このように、受信感度設定テーブルによれば、受信する受信軸のノイズレベルの電界強度が漸増的に高くなると、当該受信軸に対する受信感度が漸減的に低くなるように設定される。
ここで、受信感度調整部22は、上記ステップS53において、受信部1のX軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナがそれぞれ受信している妨害電波のノイズレベルに応じて、それぞれの受信感度を個別に設定する。例えば、受信感度調整部22は、X軸アンテナのみに電界強度200dBμV/m以上の妨害電波が受信している場合、X軸アンテナを介した受信感度のみを感度レベル7に設定し、他のY軸およびZ軸アンテナを介した受信感度を感度レベル1に設定する。
図2に戻り、上記ステップS52においてX軸、Y軸、およびZ軸アンテナの何れも妨害電波を受信していないと判断された場合、通信制御部2の受信感度調整部22は、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナを介した全ての受信感度を通常感度(感度レベル1)に変更し(ステップS54)、次のステップS55に処理を進める。このステップS54の動作によって、妨害電波の受信がなくなると受信軸全ての受信感度が通常感度に戻される。
ステップS55において、通信制御部2の妨害電波判定部21は、車両の発信機から送信された正規の送信信号を受信したか否かを判断する。そして、妨害電波判定部21は、正規の送信信号を受信した場合、次のステップS56に処理を進める。一方、妨害電波判定部21は、正規の送信信号を受信していない場合、上記ステップS51に戻って処理を繰り返す。
ステップS56において、コード認識生成部23は、受信した正規の送信信号が示すコード内容を認識する。次に、コード認識生成部23は、認識したコード内容に応答した返信コードを生成し、送信部3へ出力する(ステップS57)。そして、返信部3は、コード認識生成部23が生成した返信コードを示す返信信号を、車両の受信機へ送信し(ステップS58)、上記ステップS51に戻って処理を繰り返す。
次に、図4を用いて、上記図2に示したフローチャートに基づいた受信装置の動作タイミングについて説明する。なお、図4に示すタイミングチャートは、正規の送信信号を受信する前に妨害電波を受信してから、正規の送信信号を受信するまでの動作タイミングの一例を示している。
図4において、妨害電波判定部21は、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナの何れかを介して閾値(例えば、100dBμV/m)より強い電波が受信されたことを検出する。図4の一例では、Y軸アンテナおよびZ軸アンテナを介して閾値より強い電波(ノイズ)が受信されている(図示矢印Aおよび矢印B)。そして、妨害電波判定部21は、コード判定部211〜213による解析によって(図示期間T1およびT2)、受信した電波が妨害電波であることを判定する。これらの判定に応じて、受信感度調整部22は、当該閾値より強い妨害電波を受信したアンテナ(つまり、Y軸アンテナおよびZ軸アンテナ)の受信感度を低く変更する。これによって、当該アンテナを介して受信する妨害電波の受信レベルが低くなる(図示矢印Cおよび矢印D)。ここで、図4の一例では、X軸アンテナを介して受信した妨害電波(ノイズ)が閾値以下であるため、X軸アンテナを介して受信する受信感度は通常感度のままである。
次に、妨害電波判定部21は、受信部1が受信した車両から送信された正規の送信信号(正規信号)を受信する。ここで、妨害電波判定部21は、コード判定部211〜213による解析によって(図示期間T3)、受信した電波が正規信号であることを判定する。なお、図4の一例では、X軸アンテナを介して受信した正規信号の受信レベルが最大であったため、X軸アンテナを介して正規信号の受信が行われる。そして、コード認識生成部23は、受信した正規信号が示すコード内容を認識し、コード内容に応答した返信コードを生成する返信処理を行う(図示期間T4)。
このように、第1の実施形態に係る受信装置は、妨害電波を受信した指向性アンテナと異なる指向性アンテナを介して正規の送信信号を受信したとき、妨害電波を受信した指向性アンテナを介した受信感度が相対的に低く設定されているために、当該送信信号を安定して受信することができる。これは、当該受信装置が、ノイズに対して各指向性アンテナを介した受信感度を独立して変更しているからであり、ノイズより強い送信信号を何れか1つの指向性アンテナが受信できれば、その指向性アンテナを用いて無線通信を行うことが可能となる。
例えば、図5に示すように、発明が解決しようとしている課題の説明で用いた例と同様に、各指向性アンテナそれぞれが妨害電波(ノイズ)を受信している。このような妨害電波を受信した場合、強い妨害電波(図5において、破線で示すノイズ)を受信した指向性アンテナを介した受信感度が低く調整される(図示白抜き矢印)。これによって、当該妨害電波の受信レベルが低く調整される。(図5における実線で示すY軸のノイズ)。その後、正規の送信信号(正規信号)を最大レベルで受信した指向性アンテナ(図5では、X軸の指向性アンテナ)を介して、無線通信が行われる。したがって、何れかの指向性アンテナで受信する送信信号の受信レベルが妨害電波の受信レベルより高ければ、その指向性アンテナを介して安定した無線通信が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、図6および図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係る受信装置について説明する。なお、上述した第1の実施形態に係る受信装置と比較して、第2の実施形態に係る受信装置は、動作のみが異なり、受信装置の構成は第1の実施形態と同様である。したがって、第2の実施形態に係る受信装置の構成の説明では、第1の実施形態と同様の構成には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
次に、図6および図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係る受信装置について説明する。なお、上述した第1の実施形態に係る受信装置と比較して、第2の実施形態に係る受信装置は、動作のみが異なり、受信装置の構成は第1の実施形態と同様である。したがって、第2の実施形態に係る受信装置の構成の説明では、第1の実施形態と同様の構成には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
図6を参照して、第2の実施形態に係る受信装置の具体的な動作について説明する。なお、図6は、第2の実施形態に係る受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、図6に示すフローチャートの各ステップも、通信制御部2が所定のプログラムを実行することによって行われる。なお、これらのステップを実行するためのプログラムは、例えば、受信装置の内部または外部に設けられた記憶領域(例えば、メモリ、ハードディスク、光ディスク等)に予め格納されており、受信装置の電源がオン状態において通信制御部2によって実行される。
まず、受信装置の電源(図示せず)がON状態において、通信制御部2が上記記憶領域に格納されたプログラムを実行する。そして、通信制御部2は、上記プログラムに基づいて、図6に示す各ステップを実行する。
図6において、通信制御部2の妨害電波判定部21は、車両の発信機から送信された正規の送信信号の受信を待つ(ステップS61)。具体的には、上述したように妨害電波判定部21のコード判定部211〜213は、所定のコードパターンを示す電波を受信したとき、受信した電波が正規の送信信号であるとそれぞれ判定する。そして、妨害電波判定部21は、正規の送信信号を受信した場合(ステップS61でYes)、次のステップS62に処理を進める。
ステップS62において、妨害電波判定部21は、複数の指向性アンテナから最も受信レベルが高い送信信号を受信した指向性アンテナを選択して、当該指向性アンテナを介して送信信号の受信を開始する。そして、通信制御部2の受信感度調整部22は、上記送信信号の受信に使用しない指向性アンテナについて、当該指向性アンテナを介した受信感度を変更し(ステップS63)、処理を次のステップに処理を進める。例えば、受信感度調整部22は、上記送信信号の受信に使用しない指向性アンテナを介して受信する受信感度を、感度レベル7(例えば、200dBμV/m以上の送信電波が受信できる受信感度レベル;図3参照)まで低くする。
このように、受信感度調整部22は、上記ステップS63において、受信部1のX軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナがそれぞれ受信している正規の受信信号の受信レベルに応じて、それぞれの受信感度を個別に設定する。例えば、受信感度調整部22は、X軸アンテナを介して最も強い送信信号を受信している場合、X軸アンテナを介した受信感度を不変(つまり、感度レベル1(通常感度))にし、他のY軸およびZ軸アンテナを介した受信感度を感度レベル7に設定する。
次に、コード認識生成部23は、上記ステップS62で選択された指向性アンテナを介して受信した正規の送信信号が示すコード内容を認識する(ステップS64)。次に、コード認識生成部23は、認識したコード内容に応答した返信コードを生成し、送信部3へ出力する(ステップS65)。そして、返信部3は、コード認識生成部23が生成した返信コードを示す返信信号を、車両の受信機へ送信して(ステップS66)、処理を次のステップに進める。
次に、コード認識生成部23は、車両の発信機および受信機との間の一連の無線通信に関する送信信号の受信が終了したか否かを判断する(ステップS67)。例えば、携帯機に内蔵される受信装置と車両との間では、無線通信を開始することを示すウェイクアップコード、携帯機に対して個別に設定されたユニークなIDコード、車両の種別を示すIDコード等をやりとりするために、一連(例えば、3回)の送受信が行われる。上記ステップS67においては、このような一連の送受信が車両との間で終了したか否かが判断される。そして、コード認識生成部23は、一連の無線通信に関する送信信号の受信が終了した場合、次のステップS68に処理を進める。一方、コード認識生成部23は、一連の無線通信に関する送信信号の受信が終了していない場合、上記ステップS64に戻って処理を繰り返す。
ステップS68において、受信感度調整部22は、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナを介した全ての受信感度を通常感度(感度レベル1)に変更し、上記ステップS61に戻って処理を繰り返す。このステップS68の動作によって、正規の送信信号の受信が終了すると受信軸全ての受信感度が通常感度に戻される。
次に、図7を用いて、上記図6に示したフローチャートに基づいた受信装置の動作タイミングについて説明する。なお、図7に示すタイミングチャートは、正規の送信信号を受信した後、車両との無線通信中に妨害電波を受信したときの動作タイミングの一例を示している。
図7において、妨害電波判定部21は、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナの何れかを介して閾値(例えば、100dBμV/m)より強い電波が受信されたことを検出する。図7の一例では、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナにそれぞれ正規の送信信号(正規信号)が受信されており、X軸アンテナを介して受信した正規の送信信号の受信レベルが最も高い(図示矢印F)。そして、妨害電波判定部21は、コード判定部211〜213による解析によって(図示期間T5)、受信した電波が正規の送信信号であることを判定する。この判定に応じて、受信感度調整部22は、当該正規の送信信号を最も高い受信レベルで受信したX軸アンテナ以外のY軸およびZ軸アンテナの受信感度を低く変更する(図示矢印Gおよび矢印H)。これによって、Y軸およびZ軸アンテナを介して受信する妨害電波や送信信号の受信レベルが低くなる。ここで、X軸アンテナを介して受信する受信感度は、通常感度のままである。
次に、妨害電波判定部21は、X軸アンテナを介して、受信部1が受信した車両から送信された2回目の正規の送信信号を受信する(図示矢印I)。ここで、妨害電波判定部21は、コード判定部211による解析によって(図示期間T6)、受信した電波が正規信号であることを判定する。なお、図7の一例では、上記2回目の送信信号の受信前に妨害電波(ノイズ)が生じているが、Y軸およびZ軸アンテナの受信感度が低く変更されているために、Y軸またはZ軸アンテナに強い妨害電波が入力されても一連の無線通信に影響を与えていない。
このように、本実施形態に係る受信装置は、正規の送信信号を受信した後に、当該送信信号を受信した指向性アンテナと異なる指向性アンテナを介して強い妨害電波を受信したとき、当該異なる指向性アンテナを介した受信感度が相対的に低く設定されているために、その後に送信される正規の送信信号を安定して受信することができる。これは、ノイズに対して、各指向性アンテナを介した受信感度を独立して変更しているからであり、ノイズより強い送信信号を何れか1つの指向性アンテナが受信できれば、その指向性アンテナを用いて無線通信を行うことが可能となる。
例えば、図8に示すように、発明が解決しようとしている課題の説明で用いた例と同様に、正規の送信信号の受信中において各指向性アンテナそれぞれが妨害電波(ノイズ)を受信している。しかしながら、当該実施形態に係る受信装置では、正規の送信信号を受信しているアンテナ以外の指向性アンテナを介した受信感度が低く調整される(図示白抜き矢印)。これによって、送信信号の受信対象外となった指向性アンテナを介した当該妨害電波の受信レベルが低く調整される。(図8における実線で示すY軸およびZ軸のノイズ)。そして、送信信号の受信対象の指向性アンテナ(図8では、X軸の指向性アンテナ)を介して、無線通信が継続される。したがって、何れかの指向性アンテナで受信する送信信号の受信レベルが妨害電波の受信レベルより高ければ、その指向性アンテナを介して安定した無線通信が可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図9を参照して、本発明の第3の実施形態に係る受信装置について説明する。なお、上述した第1および第2の実施形態に係る受信装置と比較して、第3の実施形態に係る受信装置は、第1の実施形態の動作と第2の実施形態の動作とを組み合わせた動作を行う。また、第3の実施形態に係る受信装置の構成は、第1の実施形態と同様である。したがって、第3の実施形態に係る受信装置の構成の説明では、第1の実施形態と同様の構成には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
次に、図9を参照して、本発明の第3の実施形態に係る受信装置について説明する。なお、上述した第1および第2の実施形態に係る受信装置と比較して、第3の実施形態に係る受信装置は、第1の実施形態の動作と第2の実施形態の動作とを組み合わせた動作を行う。また、第3の実施形態に係る受信装置の構成は、第1の実施形態と同様である。したがって、第3の実施形態に係る受信装置の構成の説明では、第1の実施形態と同様の構成には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
図9を参照して、第3の実施形態に係る受信装置の具体的な動作について説明する。なお、図9は、第3の実施形態に係る受信装置の動作の一例を示すフローチャートである。例えば、図9に示すフローチャートの各ステップも、通信制御部2が所定のプログラムを実行することによって行われる。なお、これらのステップを実行するためのプログラムは、例えば、受信装置の内部または外部に設けられた記憶領域(例えば、メモリ、ハードディスク、光ディスク等)に予め格納されており、受信装置の電源がオン状態において通信制御部2によって実行される。
まず、受信装置の電源(図示せず)がON状態において、通信制御部2が上記記憶領域に格納されたプログラムを実行する。そして、通信制御部2は、上記プログラムに基づいて、図9に示す各ステップを実行する。
図9において、通信制御部2の妨害電波判定部21は、受信部1のX軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナ毎に受信した電波をそれぞれ判定し(ステップS71)、妨害電波を受信したが否かをそれぞれ判断する(ステップS72)。そして、何れかのアンテナから妨害電波を受信していると判断された場合、受信感度調整部22は、妨害電波の受信レベルに応じて受信軸毎に受信感度を変更し(ステップS73)、次のステップS75に処理を進める。一方、何れのアンテナも妨害電波を受信していないと判断された場合、受信感度調整部22は、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナを介した全ての受信感度を通常感度に変更し(ステップS74)、次のステップS75に処理を進める。
ステップS75において、妨害電波判定部21は、車両の発信機から送信された正規の送信信号を受信したか否かを判断する。そして、妨害電波判定部21は、正規の送信信号を受信した場合、次のステップS76に処理を進める。一方、妨害電波判定部21は、正規の送信信号を受信していない場合、上記ステップS71に戻って処理を繰り返す。これらステップS71〜S75の処理は、上述したステップS51〜S55の処理を同様であるため、詳細な説明を省略する。
ステップS76において、妨害電波判定部21は、複数の指向性アンテナから最も受信レベルが高い送信信号を受信した指向性アンテナを選択して、当該指向性アンテナを介して送信信号の受信を開始する。そして、受信感度調整部22は、各指向性アンテナを介した受信感度を調整する(ステップS77)。例えば、受信感度調整部22は、上記送信信号の受信に使用しない指向性アンテナについて、当該指向性アンテナを介した受信感度を低く(例えば、感度レベル7)変更する。また、受信感度調整部22は、上記送信信号の受信に使用する指向性アンテナについて、当該指向性アンテナを介した受信感度を通常感度に変更する。
次に、コード認識生成部23は、上記ステップS76で選択された指向性アンテナを介して受信した正規の送信信号が示すコード内容を認識する(ステップS78)。次に、コード認識生成部23は、認識したコード内容に応答した返信コードを生成し、送信部3へ出力する(ステップS79)。そして、返信部3は、コード認識生成部23が生成した返信コードを示す返信信号を、車両の受信機へ送信する(ステップS80)。そして、車両の発信機および受信機との間の一連の無線通信に関する送信信号の受信が終了した場合(ステップS81でYes)、受信感度調整部22は、X軸アンテナ、Y軸アンテナ、およびZ軸アンテナを介した全ての受信感度を通常感度に変更し(ステップS82)、上記ステップS71に戻って処理を繰り返す。一方、一連の無線通信に関する送信信号の受信が終了していない場合、上記ステップS78に戻って処理を繰り返す。これらステップS78〜S82の処理は、上述したステップS64〜S68の処理を同様であるため、詳細な説明を省略する。
このように、第3の実施形態に係る受信装置によれば、第1の実施形態で行った妨害電波受信に応じた受信感度の変更と、第2の実施形態で行った正規の送信信号受信に応じた受信感度の変更とを組み合わせることによって、双方の効果が期待できる受信装置が実現できる。
なお、上記第1〜第3の実施形態に係る受信装置は、3つの指向性アンテナを介して受信しているが、本発明は、複数の電波受信用アンテナを介して受信する他の態様の受信装置にも適用することができる。例えば、それら受信方向が互いに直交する2つの指向性アンテナ(例えば、X軸およびY軸アンテナ)を介して受信する受信装置であっても、上述した動作に基づいて同様に本発明を実現することができる。また、4つ以上の指向性アンテナを介して受信する受信装置であっても、本発明を同様に実現できることは言うまでもない。また、本発明の受信装置に搭載される複数の指向性アンテナの受信方向は、異なる方向であれば互いに直交していなくてもかまわない。さらに、本発明の受信装置に搭載される電波受信用アンテナは、複数の異なるアンテナが搭載されていれば少なくとも1つが指向性アンテナでなくてもよく、例えば無指向性アンテナ等を含む複数のアンテナであってもかまわない。
また、上述した受信感度設定テーブルを用いた受信感度の設定や閾値の値等は、単なる一例に過ぎず他の態様であってもかまわない。例えば、データテーブルが他の階層に分類された受信感度の設定であってもいいし、データテーブルを用いない受信感度の設定であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上述した車両と携帯機との間の無線通信では、様々なコードのやりとりのために複数回の送受信が行われる例を用いたが、1度の送受信で無線通信が完了するシステムでもかまわない。また、上述した受信装置には、受信した信号に応じた返信のための送信部が接続されているが、送信機能を有しない携帯機等の受信専用装置として本発明の受信装置を用いてもかまわない。
また、上述した説明では、本発明の受信装置が自動車等の車両の電子キーに内蔵され、当該電子キーと車両との間で無線通信を行う無線通信システムに適用される例を用いたが、当該受信装置が他の無線通信システムに用いられてもかまわない。例えば、本発明の受信装置が住宅用電子キーに内蔵され、当該電子キーと住宅のドアとの間で無線通信を行う無線通信システムに用いられてもかまわない。この無線通信システムでは、電子キー(携帯機)を所持したユーザが住宅の玄関に近づくと自動的に当該住宅錠の解錠を行ったり、住宅から電子キーを所持したユーザが離れると自動的に当該住宅錠の施錠を行ったりする。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る受信装置は、安定した無線通信を実現することができ、複数の電波受信用アンテナを介して受信する無線通信システム等に用いられる受信機等の用途に適用できる。
1…受信部
2…通信制御部
21…妨害電波判定部
211、212、213…コード判定部
22…受信感度調整部
23…コード認識生成部
3…送信部
2…通信制御部
21…妨害電波判定部
211、212、213…コード判定部
22…受信感度調整部
23…コード認識生成部
3…送信部
Claims (9)
- 受信レベルに応じて複数のアンテナから選択された1つのアンテナを介して信号を受信する受信装置であって、
電波が正規の信号を示す電波であることを、入力した前記複数のアンテナ毎にそれぞれ判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記複数のアンテナを介した受信感度をそれぞれ調整する受信感度調整部とを備える、受信装置。 - 前記受信感度調整部は、前記判定部が正規の信号でない電波であると判定したとき、当該電波を入力したアンテナを介した受信感度を、当該電波が入力していないアンテナを介した受信感度より低く調整する、請求項1に記載の受信装置。
- 前記受信感度調整部は、前記判定部が正規の信号でない電波であると判定したとき、当該電波を入力したアンテナを介した受信感度を、当該電波のノイズレベルに応じて漸減的に低く調整する、請求項1に記載の受信装置。
- 前記受信感度調整部は、前記判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき、当該電波が入力していないアンテナを介した受信感度を、当該電波が入力したアンテナを介した受信感度より低く調整する、請求項1乃至3の何れかに記載の受信装置。
- 前記判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき、当該電波の受信レベルが最も高いアンテナを介して受信した正規の信号が示す内容を認識する認識部を、さらに備え、
前記受信感度調整部は、前記認識部が一連の前記正規の信号における最初の信号を認識してから当該一連の正規の信号における最後の信号を認識するまで、当該最初の信号を示す電波が入力していないアンテナを介した受信感度を、当該電波が入力したアンテナを介した受信感度より低い状態に維持する、請求項4に記載の受信装置。 - 前記受信感度調整部は、前記判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき、当該電波の受信レベルが最も高いアンテナを介した受信感度を所定の受信感度に調整し、他のアンテナを介した受信感度を当該所定の受信感度より低く調整する、請求項1乃至3の何れかに記載の受信装置。
- 前記判定部が正規の信号を示す電波であると判定したとき、当該電波の受信レベルが最も高いアンテナを介して受信した正規の信号が示す内容を認識する認識部を、さらに備え、
前記受信感度調整部は、前記認識部が一連の前記正規の信号における最初の信号を認識してから当該一連の正規の信号における最後の信号を認識するまで、前記受信レベルが最も高いアンテナを介した受信感度を前記所定の受信感度に維持して、前記他のアンテナを介した受信感度を前記所定の受信感度より低い感度に維持する、請求項6に記載の受信装置。 - 前記受信感度調整部は、前記認識部が前記一連の正規の信号における最後の信号を認識した後、前記複数のアンテナを介した受信感度を全て前記所定の受信感度に調整する、請求項7に記載の受信装置。
- 前記複数のアンテナは、それぞれの受信方向が互いに直交する複数の指向性アンテナである、請求項1に記載の受信装置。
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-
2007
- 2007-05-15 JP JP2007129857A patent/JP2008288734A/ja active Pending
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