JP2010216093A - 開閉体挟み込み検知装置 - Google Patents

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真一 東海林
Akihiro Okujima
章宏 奥島
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宏行 末安
Keiichi Nagayama
恵一 永山
Yukinori Kurumado
幸範 車戸
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Abstract

【課題】静電容量センサを用いた電動スライドドアの挟み込み検知装置であって、全閉付近での誤検知と、検知判定におけるレベル変化の増大による不具合が防止され、動作範囲全体にわたって検知感度を一定かつ高感度に設定することが容易な挟み込み検知装置を提供する。
【解決手段】センサ出力(LPF回路31の出力)に応じた学習データをスライドドアの動作位置毎に記憶する学習動作を実行可能なマイコンモジュール48と、スライドドアの通常動作時に、センサ出力から、前記学習データに応じた補正値(アッテネータ54の出力)を減算する演算増幅回路32と、この減算結果と規定のしきい値(オフセット調整抵抗34により生成される基準電圧)とを比較することにより検知判定を行う比較回路33とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両のスライドドアなどの開閉体の挟み込みを検知する開閉体挟み込み検知装置に関する。
例えば、車両の電動スライドドアなどの開閉体の制御システムにおいては、人体などの挟み込みを防止するため、少なくとも自動閉動作(ユーザが操作を止めても全閉位置まで開閉体が自動的に動く動作)の際には、このような挟み込みの発生或いは発生の恐れ(即ち、ドア端部への人体等の接触や接近)を検知して少なくとも開閉体の自動閉動作を停止し、或いはさらに反転動作させる挟み込み防止機能が設けられる。
そして従来、このような挟み込み防止のための挟み込み検知を行う検知装置の方式としては、間接検知と直接検知がある。間接検知は、開閉体の駆動モータの動作情報(回転位置や回転速度など)や駆動電流に基づいて、間接的に挟み込みを検知するもので、直接検知は、開閉体の開閉端部に接近又は接触する対象物(人体など)を検出するセンサを用いるものである。このうち、間接検知は、挟み込みをなるべく低い荷重で早めに、かつ確実に検知することが比較的困難であるという不利がある。一方、直接検知は、対象物を直接検知するので信頼性が高いという長所があるが、従来のこの種のセンサとしては感圧スイッチが用いられていたため、挟み込みをなるべく低い荷重で早めに検知することができなかった。というのは、感圧スイッチは、例えば導電性樹脂を用いたケーブル状のもので、対象物の圧力による変形によって内部の導電体が接触して導通することによって作動するものである。このため感圧スイッチは、対象物がある程度の圧力で接触してはじめて作動し、その時点でやっと挟み込み防止機能が働くことになるからである。
ところで、一般に物体の接近を非接触で検出するセンサとしては、光学式のもの、電波式のもの、静電容量式のものがある。このうち、光学式は、車両のドアなどの開閉体の湾曲した開閉端部に沿うように検出エリアを配置することができない(即ち、不感帯ができる)、また電波式は、指向性を開閉端部に接近する方向だけに制限することが困難で、誤動作の可能性が高いという問題がある。一方、静電容量式のものは、湾曲した開閉端部に沿うようにして容易に取り付けられる、不感帯がない、指向性が制御容易であるといった点で有望である。
そこで発明者らは、車両の電動ライドドアなどにおける挟み込み検知装置として、静電容量センサを適用することを検討している。
なお、静電容量センサを車両(特に四輪自動車)の電動ライドドアにおける挟み込み検知装置として適用した従来例は見当たらないが、特許文献1には、電車のドアの開閉状態(挟み込み含む)を静電容量センサを用いて検知する扉開閉検知装置が記載されている。また、特許文献2には、シャッターにおける人の挟み込み検知に静電容量センサを用いる技術が開示されている。また、特許文献3には、静電容量センサにより挟み込み検知を行う自動ドア用安全装置が開示されている。
特開平10−96368号公報 特開2001−264448号公報 特開2001−32627号公報
ところで、上述した静電容量センサを車両のスライドドア(リヤドア)などの開閉体に適用して挟み込みを検知しようとすると、開閉体の全閉位置付近で、開閉体の周辺部材(例えば、車両のBピラーやフロントドアなど)に静電容量センサが反応して静電容量センサの出力(以下、場合によりセンサ出力という)が変化し、実際には人体などの挟み込みが発生していないのに、挟み込みが発生したと誤検知してしまうという問題があった。
なお、前述の特許文献3には、許容値(検知判定のしきい値)を、例えば自動ドアの開方向への動作時に測定されたセンサ出力(即ち、学習データ)に基づいて設定し、自動ドアの閉方向への動作時には、センサ出力を前記許容値と比較することにより挟み込みを判定する技術、さらには、ドアの全閉位置付近では、前記学習データに基づいて前記許容値を漸次変化させる技術が開示されている。この技術によれば、前記周辺部材による影響を上記許容値の変化によって打ち消し、開閉体の全閉位置付近で発生する前述の誤検知の可能性を低減できる。
しかし、この特許文献3の構成では、周辺部材の影響を考慮して検知判定のしきい値を学習結果に応じて変化させるため、検知判定において比較する二つの値(即ち、センサ出力と前記許容値)が、開閉体の動作位置によって大きく変化するようになり、開閉体の動作に対してレベル変化の大きなものとなる。このため、例えば水滴などの影響によるノイズや温度ドリフト等によってセンサ出力が全体的に変動すると、検知判定を実行する回路における信号(例えばセンサ出力や前記許容値に相当する電圧値)の飽和が発生し易くなって検知判定が正確に行われなくなる可能性、或いは前記回路の性能(レベル変化に対する許容量)を向上させる必要性が生じる。特に、検知感度を向上させるべく、検知判定の前にセンサ出力を増幅する場合、前記許容値もセンサ出力の変化に対応してレベル変化のより大きなものとしなければならず、上述したレベル変化の増大による不具合が発生し易くなる。また、検知判定のしきい値が開閉体の動作位置によって大きく変化するため、検知感度を、開閉体の動作範囲全体にわたって一定に設定することが困難になるという不利もある。
そこで本発明は、静電容量センサを用いた開閉体挟み込み検知装置であって、全閉付近での誤検知と、検知判定におけるレベル変化の増大による不具合が防止され、動作範囲全体にわたって検知感度を一定かつ高感度に設定することが容易な開閉体挟み込み検知装置を提供することを目的としている。
本発明の開閉体挟み込み検知装置は、開閉体の開閉端部にセンサ本体が設けられて、開閉体に挟み込まれる恐れのある位置範囲に接近した物体を検出する静電容量センサよりなる開閉体挟み込み検知装置であって、
前記静電容量センサの出力に応じた学習データを開閉体の動作位置毎に記憶する学習動作を実行可能な学習手段と、
開閉体の少なくとも閉方向への通常動作時に、前記静電容量センサの出力から、開閉体の動作位置毎の前記学習データに応じた補正値を減算し、この減算結果と規定のしきい値とを比較することにより、前記位置範囲への物体の接近を判定する判定手段とを備えたものである。
ここで、「開閉体」とは、車両のドアに限られず、車両のトランクの蓋やサンルーフの窓、建物のドアや窓、或いは金庫の蓋などであってもよい。また、「開閉端部」とは、開閉体が開いたときに、その開口の一方の縁部(可動側の縁部)を形成する開閉体の端部であり、開閉体が閉じたときには、その開口の他方の縁部(固定側の縁部)に接合又は対向する部分である。また、「通常動作時」とは、通常でない動作(例えば、学習データの記憶が無い状態で前記学習動作を行う場合の開閉体の動作時など)を除いた動作時を意味する。
この構成によれば、周辺部材による影響(開閉体の動作位置の変化に伴うセンサ出力の変化)を上記補正値の変化によって打ち消し、開閉体の全閉位置付近で発生する前述の誤検知を防止することができる。しかも、上記補正値の変化によって、検知判定において前記しきい値と比較する前記減算結果は、開閉体の動作位置の変化に対して一定の値に維持できるため、前記しきい値も開閉体の動作位置の変化にかかわらず一定の値として設定すればよい。即ち、前記減算結果は基本的に物体の接近があったときだけ変化し、この減算結果と一定のしきい値を比較することで検知判定が可能となるので、検知判定における値(前記減算結果やしきい値に相当する例えば電圧値)のレベル変化は、開閉体の動作位置の変化に伴う変化(周辺部材の影響を打ち消すための変化)を含まないものとなる。このため、前述の検知判定におけるレベル変化の増大による不具合が防止され、また、動作範囲全体にわたって検知感度を一定かつ高感度に設定することが容易となる。
なお、前記学習手段は、前記学習データの記憶が無い場合と、所定の学習指令操作があった場合に、前記学習動作を実行して新たな学習データを記憶する態様が望ましい。この態様であると、学習動作の機会を最小限(例えば、製品の出荷前やメンテナンス時のみ)とし、例えばユーザ使用中の誤った学習による誤動作の可能性を格段に低減できる。
また、前記判定手段は、前記減算結果を増幅した後に、前記しきい値と比較する態様(即ち、センサ出力の増幅を前記減算の前段階だけで行なわず、なるべく前記減算以降に行なう態様)が望ましい。この態様であると、増幅により高感度な判定が可能になる一方で、前記減算以降に行なう増幅の分だけ、前記減算前の二つの値(センサ出力と前記補正値)のレベル変化を小さくすることが可能となり、この減算を行なう回路における信号の飽和も容易に防止することができる。
また、本発明のより好ましい他の態様は、前記学習手段が、前記静電容量センサの出力を所定の倍率で増幅した値を前記学習データとして記憶し、前記判定手段が、前記学習データを前記所定の倍率分だけ減衰させた値を前記補正値として前記減算を行うものである。この態様であると、前記学習データの分解能が所定の倍率分だけ高くなり、センサ出力の変化の学習がより正確に可能となり、周辺部材による影響をより正確に打ち消すことができて、前記誤検知をより信頼性高く防止できる。
本発明によれば、静電容量センサを用いた開閉体挟み込み検知装置であって、全閉付近での誤検知と、検知判定におけるレベル変化の増大による不具合が防止され、動作範囲全体にわたって検知感度を一定かつ高感度に設定することが容易な開閉体挟み込み検知装置を実現できる。
挟み込み検知装置を含む電動スライドドアシステムを示す図である。 静電容量センサのセンサ本体及びその周辺構成を示す断面図である。 検出回路の構成及び動作を説明する図である。 マイコンモジュールの制御処理(起動モード)を示すフローチャートである。 同モジュールの制御処理(データ収集モード)を示すフローチャートである。 同モジュールの制御処理(差分実行モード)を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
本例は、四輪自動車(車両)において、スライドドア(開閉体)に挟み込まれる恐れのある位置範囲に接近した人体等(物体)を静電容量センサによって検知する挟み込み検知装置を備えたスライドドア制御システムである。
図1は、システムの全体構成を示す図であり、図2(a)は、静電容量センサのセンサ本体1の内部構成を示す図であり、図2(b)は、センサ本体1及びその周辺構成を示す水平断面図である。また図3(a)は、静電容量センサの検出回路20を示す図であり、図3(b)は、検出回路20の動作を説明するタイミングチャートである。
センサ本体1は、図2(a)に示すように、例えばアルミ箔により形成され、検出面の側が開口した断面コ字状のシールド電極Sと、例えば銅箔より形成され、このシールド電極Sの内側に配置された検出電極A,Bと、シールド電極Sの内部であって検出電極A,Bの間に充填された低誘電率絶縁材2(例えば、発泡スチロール)と、全体を覆って保護する低誘電率絶縁材3(例えば、熱収縮チューブ)とよりなる。
このような構成のセンサ本体1は、十分小型にすることが可能であるとともに、十分な柔軟性を有し、長手方向において湾曲させることが容易であり、スライドドア10の開閉端部の形状に沿ってコンパクトに配置することが十分可能である。また、シールド電極Sのシールド作用により、検出面側(即ち、スライドドア10の端部に対向し、スライドドア10に挟まれる可能性のある位置範囲の側)だけを高い感度とし、他の面を基本的に不感面とすることが可能となる。
そしてセンサ本体1は、図2(b)に示すように、スライドドア10(リヤドア)の開閉端部にブラケット11を介して取り付けられている。なお図2(b)は、スライドドア10が閉じている状態を示しており、この閉状態でスライドドア10は、Bピラー12(フロントドア13とスライドドア10の中間に位置する、車本体側の柱部)を挟むようにしてフロントドア13に僅かな隙間で接合している。また、スライドドア10の開閉端部には、フロントドア13の側に突出するヘム部14が形成され、閉状態においてこのヘム部14の先端がフロントドア13の内側に伸びることによって、スライドドア10とフロントドア13の接合部が車外に対して閉じられる。
ここでセンサ本体1は、ヘム部14よりも内側(車内側)に配置され、その検出面が、ヘム部14よりもさらにフロントドア13側に突出した位置になるように、フロントドア13側に突出するブラケット11の先端に例えば接着等によって取り付けられている。
次に、システムの全体構成(センサ本体1以外の構成)について説明する。
本システムは、図1に示すように、センサ回路30と、モータ回転センサ41を含むスライドドア用モータ42と、マイコンを構成するMPU43やRAM44やI/F(インターフェース)45を有するスライドドア用コントローラ46と、ハーフラッチスイッチ47と、マイコンモジュール48とを備える。なお、主にマイコンモジュール48が本発明の学習手段を構成しており、また、主にセンサ回路30(特に、後述する演算増幅回路32や比較回路33)が本発明の判定手段を構成している。また、マイコンモジュール48、センサ回路30、及び前述のセンサ本体1が、本発明の挟み込み検知装置を構成している。
まず、センサ回路30について説明する。センサ回路30は、検出回路20と、LPF回路31と、演算増幅回路32と、比較回路33と、オフセット調整抵抗34と、電源回路35とを有する。
ここで、LPF回路31は、検出回路20の出力(後述する検波回路24の出力)から高周波成分(センサ出力としての信号成分以外のノイズ成分)を排除するフィルタ回路である。
次に演算増幅回路32は、OPアンプ(オペレーショナルアンプ)よりなり、LPF回路31の出力(センサ出力)からマイコンモジュール48が出力する補正値(後述するアッテネータ54の出力)を減算し、この減算結果を規定の倍率で増幅する回路である。
また比較回路33は、OPアンプよりなるコンパレータであり、演算増幅回路32の出力電圧が、検知判定のしきい値に相当する基準電圧よりも大きくなると、出力電圧をオフ状態(例えば低電位状態)からオン状態(例えば高電位状態)とする回路である。
また、オフセット調整抵抗34は、基準電源の出力から前記基準電圧を生成する抵抗(即ち、しきい値を規定値に設定するための抵抗)である。なお、このオフセット調整抵抗34の値は、雨粒などに反応しないように、必要最小限の検知距離(検知感度)を実現するしきい値を生成する値に設定する。例えば、本例のような車両のスライドドアの場合、センサ本体1の検出面から1cm程度の位置に人の指が接近すると、比較回路33の出力がオフ状態からオン状態となるように設定する。
次に電源回路35は、シールド電極Sの電位を基本的に電極A,Bと常に同等に制御すべく、シールド電極Sにパルス電圧を供給する回路である。
次に、検出回路20は、センサ本体1に接続されてセンサ本体1の駆動及び信号処理を行う回路であり、例えば図3(a)に示すように、検出電極Aのパルス駆動回路21A、検出電極Bのパルス駆動回路21B、電荷積分回路22A、電荷積分回路22B、差分回路23、及び同期検波回路24を備える。
パルス駆動回路21Aは、図示省略した駆動回路によって駆動されて、検出電極Aの接続を高速で切り替えるスイッチSW−A1よりなる。スイッチSW−A1は、コモン端子、グランド端子、及びDPA端子を有し、コモン端子が検出電極Aに接続され、グランド端子が車両グランドに接続され、DPA端子が後述するOPアンプ25Aの反転入力に接続されている。またスイッチSW−A1は、図3(b)の最上段に示すように、コモン端子がグランド端子に導通したGND状態と、コモン端子が何れの端子にも導通していないOpen状態と、コモン端子がDPA端子に導通したDPA接続状態とに、高速で周期的に切り替わる。なお、図3(a)において符号Caで示すコンデンサは、車体や検知対象である手などの人体と検出電極Aとで構成される静電容量、即ち検出電極Aにより構成される浮遊容量を示している。
パルス駆動回路21Bは、パルス駆動回路21AのスイッチSW−A1と同様のスイッチSW−B1よりなる。スイッチSW−B1は、コモン端子が検出電極Bに接続され、グランド端子が車両グランドに接続され、DPA端子が後述するOPアンプ25Bの反転入力に接続されている。またスイッチSW−B1は、図3(b)の最上段に示すように、スイッチSW−A1と同様に動作する。なお、図3(a)において符号Cbで示すコンデンサは、車体や検知対象である手などの人体と検出電極Bとで構成される静電容量、即ち検出電極Bにより構成される浮遊容量を示している。
電荷積分回路22Aは、OPアンプ25Aと、OPアンプ25Aの帰還回路を構成するスイッチSW−A2及びコンデンサCfaと、OPアンプ25Aの非反転入力にパルス電圧を供給する電源回路26Aとを備える。
ここで、コンデンサCfaは、OPアンプ25Aの出力(出力A)と反転入力間に接続されている。また、スイッチSW−A2は、コンデンサCfaと並列に接続され、コンデンサCfaの両端子間(即ち、OPアンプ25Aの出力と反転入力間)を開閉するスイッチである。またスイッチSW−A2は、図示省略した駆動回路によって駆動され、図3(b)の上から3段目に示すように、スイッチSW−A1がDPA接続状態となる前のOpen状態であるタイミングにおいて、On状態からOff状態に切り替わり、スイッチSW−A1がOpen状態からGND状態に切り替わるタイミングで、Off状態からOn状態に切り替わる。また、電源回路26Aの出力は、図3(b)の上から2段目に示すように周期的に変化する。即ち、スイッチSW−A2がOn状態からOff状態に切り替わるタイミングで、グランド電圧から充電電圧Vrとなり、スイッチSW−A1がDPA接続状態からOpen状態に切り替わった後のタイミングにおいて、充電電圧Vrからグランド電圧に切り替わる。
電荷積分回路22Bは、電荷積分回路22Aと同様に、OPアンプ25Bと、その帰還回路を構成するスイッチSW−B2及びコンデンサCfbと、OPアンプ25Bの非反転入力にパルス電圧を供給する電源回路26Bとを備える。
ここで、コンデンサCfbは、OPアンプ25Bの出力(出力B)と反転入力間に接続されている。また、スイッチSW−B2は、コンデンサCfbと並列に接続され、コンデンサCfbの両端子間(即ち、OPアンプ25Bの出力と反転入力間)を開閉するスイッチである。またスイッチSW−B2は、図3(b)の上から3段目に示すように、スイッチSW−A2と同様に動作する。また、電源回路26Bの出力は、電源回路26Aと同様に、図3(b)の上から2段目に示すように変化する。
差分回路23は、OPアンプ25Aの出力(出力A)とOPアンプ25Bの出力(出力B)の差分を演算して出力する回路である。
次に、同期検波回路24は、差分回路23の出力V0から信号電圧V1を出力する回路である。この場合、差分回路23の出力V0は、例えば図3(b)の上から4段目(最下段)に示すように変化するが、この出力V0の波形における高電圧部分(即ち、スイッチSW−A2,B2がOff状態となり出力V0が安定した時の電圧)が信号電圧V1として出力される。
このように構成された検出回路20や前述のセンサ本体1よりなる静電容量センサによれば、手などの誘電体が検出面へ接近すると、信号電圧V1が敏感に変化して、基本的に高感度な検知が可能となる。なお、この静電容量センサは、二つの検出電極A,Bに応じた信号の差分をとっている差分式であるので、雨滴などによるノイズや温度ドリフトの影響を受け難く、基本的に信頼性の高い検知が可能となる。
次に、スライドドア用モータ42は、スライドドア10を駆動するモータであり、スライドドア用コントローラ46により制御される。このスライドドア用モータ42に内蔵されるモータ回転センサ41は、スライドドア用コントローラ46から基準電圧や信号グランドを供給され、モータ42の回転位置検出信号(即ち、スライドドア10の動作位置検出信号)として、A相パルスとB相パルスを出力する。なお、スライドドア10の閉動時(閉方向への動作時)には、A相パルスの立ち上がり(低電位Lから高電位Hへの変化)の時点でB相パルスが高電位Hとなり、A相パルスの立下り(高電位Hから低電位Lへの変化)の時点でB相パルスが低電位Lとなる。また逆に、スライドドア10の開動時(開方向への動作時)には、A相パルスの立ち上がりの時点でB相パルスが低電位Lとなり、A相パルスの立下りの時点でB相パルスが高電位Hとなる。
次に、スライドドア用コントローラ46は、図示省略した車室内の操作スイッチやユーザが携帯する携帯機からの操作信号に応答して、スライドドア用モータ42を駆動してスライドドア10を閉動又は開動させる。特に、オート動作が指令されたときには、ユーザが操作スイッチから手を離しても、スライドドア10の全閉直前位置又は全開位置までスライドドア用モータ42を駆動し続ける。また、閉動時(特にオート動作による閉動時)において、静電容量センサの最終出力(センサ回路30における比較回路33の出力)がオン状態になると、挟み込みを防止すべく、モータ42の閉動方向への駆動を少なくとも停止させ、或いはさらに駆動方向を切り替えてスライドドア10を規定距離だけ開動させる。
また、ハーフラッチスイッチ47は、スライドドア10が全閉直前位置にくると開状態から閉状態に動作し、スライドドア10が全閉直前位置よりも開方向へ離れると閉状態から開状態に動作する接点を有するもので、スライドドア10が全閉直前位置にあることを検出する機械的スイッチである。この場合、このハーフラッチスイッチ47の一方の端子(出力端子)には、図1に示すようにスライドドア用コントローラ46から所定の電圧が印加されており、またその他方の端子がグランドに接続されている。このため、スライドドア10が全閉直前位置から開方向に離れていて、このハーフラッチスイッチ47の接点が開状態にあると、その出力端子電圧がオフ状態(高電位状態)に維持され、スライドドア10が全閉直前位置に到達して前記接点が閉じると、その出力端子電圧がオフ状態からオン状態(低電位状態)に切り替わる。なお、全閉直前位置とは、スライドドア10の駆動を、スライドドア用モータ42の駆動から図示省略したドアクローザの駆動へ切り替える位置である。なお、ドアクローザとは、閉動時の最終段階でスライドドア10を引き込むように動かして完全な閉状態とする装置である。
次に、マイコンモジュール48について説明する。マイコンモジュール48は、マイコンを構成するMPU49と、SRAM50と、EEPROM51(不揮発性メモリ)と、ADC52と、DAC53と、アッテネータ54と、コピー許可スイッチ55とを備え、I/F56〜58を介してモータ回転センサ41やハーフラッチスイッチ47の出力が入力される構成となっている。
ここで、MPU49は、図示省略したROMに記憶されたプログラムに従って動作し、後述する制御処理を実行する。ADC52は、演算増幅回路32の出力(増幅後のセンサ出力)をデジタル信号として読み込むためのA/Dコンバータである。DAC53は、SRAM50に記憶された後述する学習データをアナログ信号に変換して出力するD/Aコンバータである。またアッテネータ54は、演算増幅回路32の増幅倍率に相当する減衰率で、DAC53の出力を減衰させて出力する減衰器である。
コピー許可スイッチ55は、本例では、出荷時やメンテナンス時に所定の作業員が操作するためのものである。なお、このコピー許可スイッチ55は、マイコンモジュール48の外部に設けられてもよいし、物理的なスイッチでなく、いわゆるメモリスイッチのようなものであってもよい。また、このコピー許可スイッチ55がオン状態に操作されていると、EEPROM51のデータをSRAM50にコピーすることが許可されたコピー許可状態となる。
なお、この場合のマイコンモジュール48は、例えば一般のパーソナルコンピュータを接続して、EEPROM51のデータを外部から書き込むことが可能となっている。
またマイコンモジュール48は、常時電源供給されて動作している構成としてもよいが、省エネの観点からは、例えばスライドドア用コントローラ46の制御によって、スライドドア10が操作される時だけ起動し、その他の時には、例えば待機状態(RAMのデータを保持したまま動作停止した省エネモード)或いはさらに電源オフ状態に維持される態様が望ましい。
次に、マイコンモジュール48(MPU49)の制御処理の一例を、図4〜図6のフローチャートに基づいて説明する。
マイコンモジュール48は、電源オフ状態等(前記待機状態含む)から起動するか、リセット操作されて再起動すると、図4に示す起動モードの処理を実行する。即ち、まずステップS1では、SRAM50に学習データが適正に記憶保存されているか否か判定し、記憶されていればステップS2に、記憶されていなければステップS3に進む。なお、学習データとは、スライドドア10の動作位置毎のセンサ出力(この場合、演算増幅回路32の出力)のデータであり、全開位置から全閉直前位置までを分割してなる複数領域(例えば、1000個の領域)のそれぞれにおけるセンサ出力のデータである。
次にステップS2では、モータ回転センサ41の出力から把握される現在位置に対応する学習データを、SRAM50からDAC53やアッテネータ54を介して出力し、差分実行モード(図6の処理を実行するモード)に移行する。
一方、ステップS3では、EEPROM51に学習データがあるか否か判定し、あればステップS4に進み、なければデータ収集モード(図5の処理を実行するモード)に移行する。
そしてステップS4では、コピー許可スイッチ55がオン状態とされたコピー許可状態か否か判定し、コピー許可状態であればステップS5に進み、コピー許可状態でなければデータ収集モードに移行する。
次にステップS5では、EEPROM51の学習データをSRAM50にコピーし、ステップS6に進む。ステップS6では、ハーフラッチスイッチ47がオン状態か否か(即ち、スライドドア10が全閉直前位置にあるか否か)を判定し、オン状態であればステップS7に進み、オン状態でなければこのステップS6を繰り返し実行してオン状態(全閉直前位置)になるのを待つ。
次いでステップS7では、スライドドア10の現在位置を原点として把握する。なお、本例のスライドモータ回転センサ41は、絶対位置検出ができないので、このような原点把握が必要であり、この場合結果として、ハーフラッチスイッチ47がオンとなる全閉直前位置が原点として設定される。なお、ステップS1の判定が肯定的だった場合には、この原点位置の記憶も以前の起動モードの処理で設定されたものが当然保存されているので、このような原点の学習は不要である。
次にステップS8では、現在位置(この場合、原点位置)に対応する学習データを、SRAM50からDAC53やアッテネータ54を介して出力し、差分実行モードに移行する。
またマイコンモジュール48は、データ収集モードに移行すると、図5に示す処理を実行する。
即ち、まずステップS11では、ハーフラッチスイッチ47がオン状態(全閉直前位置)か否かを判定し、オン状態であればステップS12に進み、オン状態でなければこのステップS11を繰り返し実行してオン状態になるのを待つ。
次いでステップS12では、スライドドア10の現在位置を原点として把握する。
次にステップS13では、現在のセンサ出力を学習する。つまり、その時点での演算増幅回路32の出力をADC52を介して取り込み、SRAM50における所定のアドレス、即ち現在位置(この場合、原点位置)に対応する学習データのアドレスに書き込む。なお、このデータ収集モードでは、演算増幅回路32に入力される補正値(アッテネータ54の出力)はゼロであるため、このデータ収集モードにおける演算増幅回路32の出力は、LPF回路31の出力を演算増幅回路32で規定の倍率だけ増幅したものとなっており、この増幅後のセンサ出力が学習データとして記憶される。
ステップS13を経ると、ステップS14に進み、ハーフラッチスイッチ47がオフ状態か否か(即ち、スライドドアが全閉直前位置から離れたか否か)を判定し、オフ状態であればステップS15に進み、オン状態であればステップS13に戻ってステップS13から処理を繰り返す。
次にステップS15では、スライドモータ回転センサ41のA相パルスが変化したか否か判定し、変化した場合にはステップS16に、変化しない場合にはステップS22に進む。
そしてステップS22では、A相パルスが変化しない状態が規定時間以上継続したか否か判定し、規定時間以上継続した場合にはステップS23に進み、規定時間に到達していない場合にはステップS15に戻る。
ステップS23では、異常(例えば、スライドモータ回転センサ41が故障している状態)であるとして、各メモリ(EEPROM51やSRAM50)を初期化し、処理を終了する(即ち、再起動又はリセット操作されるまで動作停止する)。なおこのように異常終了する場合、ユーザ又はメンテナンスの作業員等に異常を知らせるなんらかの警報を出力するようにしてもよい。
一方、ステップS16では、A相パルスが低電位Lから高電位Hに立ち上がったか否か判定し、立ち上がりの場合にはステップS17に、立ち上がりでない場合(即ち、立下りの場合)にはステップS24に進む。
次にステップS17では、スライドモータ回転センサ41のB相パルスが低電位Lの状態か否か判定し、低電位Lの場合にはステップS18に、そうでない場合(高電位Hの状態)にはステップS23に進む。なお、このステップS17の判定が肯定的になるのは、A相パルスの立上がり時にB相パルスが低電位Lとなっている場合であるので、スライドドア10が原点(全閉直前位置)から開動している(即ち、正常)と推定される。ところが、このステップS17の判定が否定的になるのは、A相パルスの立ち上がり時にB相パルスが高電位Hとなっている場合であるので、スライドドア10が原点から閉動している(即ち、異常)と推定される。そのため、ステップS17の判定が否定的の場合には、ステップS23に進んで異常終了する。
またステップS24では、スライドモータ回転センサ41のB相パルスが高電位Hの状態か否か判定し、高電位Hの場合にはステップS25に、そうでない場合(低電位Lの状態)にはステップS23に進む。なお、このステップS24の判定が否定的の場合には、ステップS17の場合と同様に異常と推定されるので、ステップS23に進んで異常終了する。
次にステップS18では、スライドドア10の現在位置を+1カウントする(即ち、現在のスライドドア10の位置範囲のデータを開方向側に1領域分変更する)とともに、ステップS13と同様に現在のセンサ出力を学習する。なおここで、学習データを記録するSRAM50のアドレスは、原点位置に対応するアドレスではなく、+1カウントされた現在の位置範囲に対応するアドレスであり、このステップS18や後述するステップS25が実行される度に開方向側に移動する。
ステップS18を経ると、ステップS19で、A相パルスが高電位Hから低電位Lに立ち下がったか否か判定し、立ち下りの場合にはステップS24に進み、それ以外の場合(即ち、高電位Hのまま変化なしの場合)にはステップS20に進む。
そしてステップS20では、A相パルスが高電位Hの状態が規定時間以上経過したか否か判定し、規定時間以上経過していればステップS21に進み、規定時間以上経過していなければステップS19に戻って処理を繰り返す。
一方、ステップS25では、ステップS18と同様に、スライドドア10の現在位置を+1カウントするとともに、現在のセンサ出力を学習する。
ステップS25を経ると、ステップS26で、A相パルスが低電位Lから高電位Hに立ち上がったか否か判定し、立ち上がりがあった場合にはステップS17に進み、それ以外の場合(即ち、低電位Lのまま変化なしの場合)にはステップS27に進む。
次にステップS27では、A相パルスが低電位Lの状態が規定時間以上経過したか否か判定し、規定時間以上経過していればステップS21に進み、規定時間以上経過していなければステップS26に戻って処理を繰り返す。
そしてステップS21では、データ収集終了処理を実行した後、差分実行モードへ移行する。このデータ収集終了処理では、ステップS13,S18,S25の学習でSRAM50に記憶した一連の学習データ群(動作位置範囲毎の学習データ)をEEPROM51にコピーする。
なお、ステップS20やステップS27の判定が肯定的になる場合(A相パルスが変化しない場合)には、スライドドア10の開動が停止したと推定されるため、ステップS21に進んでデータ収集モードを終了する。また、SRAM50に記憶された学習データは、マイコンモジュール48が電源オフ状態になるまで保存される。また、EEPROM51にコピーされ記憶された学習データは、データの消去又は上書きが行なわれるまで保存される。
そしてマイコンモジュール48は、差分実行モードに移行すると、図6に示す処理を実行する。
即ち、まずステップS31では、スライドモータ回転センサ41のA相パルスが変化したか否か判定し、変化した場合にはステップS32に、変化しない場合にはこのステップS31を繰り返す。
そしてステップS32では、A相パルスが低電位Lから高電位Hに立ち上がったか否か判定し、立ち上がりの場合にはステップS33に、立ち上がりでない場合(立ち下りの場合)にはステップS40に進む。
次にステップS33では、スライドモータ回転センサ41のB相パルスが低電位Lの状態か否か(即ち、スライドドア10が開動しているか否か)を判定し、低電位Lの場合にはステップS41に、そうでない場合(スライドドア10が閉動している場合)にはステップS34に進む。
またステップS40では、スライドモータ回転センサ41のB相パルスが高電位Hの状態か否か(即ち、スライドドア10が開動しているか否か)を判定し、高電位Hの場合にはステップS41に、そうでない場合(スライドドア10が閉動している場合)にはステップS34に進む。
次にステップS34では、スライドドア10が全閉直前位置まで閉動してハーフラッチスイッチ47がオン状態になったか否かを判定し、オン状態であればステップS37に進み、オン状態でなければステップS35に進む。
次いでステップS35では、スライドドア10の現在位置を−1カウントする(即ち、現在のスライドドア10の位置範囲のデータを閉方向側に1領域分変更する)。
またステップS36では、現在位置に対応する学習データを、SRAM50からDAC53やアッテネータ54を介して出力し、ステップS31に戻る。
一方、ステップS41では、スライドドア10の現在位置を+1カウントする(即ち、現在のスライドドア10の位置範囲のデータを開方向側に1領域分変更する)。
次いでステップS42では、現在位置に対応する学習データを、SRAM50からDAC53やアッテネータ54を介して出力し、ステップS31に戻る。
またステップS37では、ハーフラッチスイッチ47がオン状態になったので、原点位置のずれを防止するため、スライドドア10の現在位置を原点として改めて把握する。
次にステップS38では、現在位置(この場合、原点位置)に対応する学習データを、SRAM50からDAC53やアッテネータ54を介して出力する。
そしてステップS39では、スライドドア10が全閉直前位置から開方向に動いてハーフラッチスイッチ47がオフ状態になったか否かを判定し、オフ状態であればステップS31に戻り、オフ状態でなければステップS38に戻る。
以上説明したマイコンモジュール48の制御処理によれば、まずデータ収集モードの処理(ステップS11〜S27)によって、原点位置から開方向へのスライドドア10の正常動作時に、センサ出力に応じた学習データ(LPF回路31の出力値を規定の倍率で増幅した値)がスライドドア10(開閉体)の動作位置毎にSRAM50に順次記憶され、さらに最終的にそれら学習データ群がEEPROM51にもコピーされる学習動作が実現される。
また、差分実行モードの処理(ステップS31〜S42)によって、スライドドア10の動作時に、スライドドア10の動作位置毎の学習データに応じた補正値(学習データを規定の倍率分だけ減衰した値)がアッテネータ54から演算増幅回路32に出力される。これにより、演算増幅回路32の作用で、静電容量センサの出力(LPF回路31の出力値)から前記補正値が減算され、この減算結果と規定のしきい値(オフセット調整抵抗34による基準電圧)とが比較回路33によって比較されることによって、Bピラー12などの影響が排除された的確な検知判定が行われる。
というのは、学習動作後の温度ドリフト等の誤差分を無視すれば、センサ本体1の検出面への人体などの接近がない状態では、全閉近傍位置を含む全動作範囲において、センサ出力と前記補正値とは当然等しい値になる。このため、人体などの接近がない状態では、演算増幅回路32の出力はゼロであり、比較回路33の出力(挟み込みの判定手段としての最終出力)はオフ状態に維持される。そして、人体などが所定の検知距離内に接近すると、この人体の接近によるLPF回路31の出力変化が、演算増幅回路32の出力を増加させ、演算増幅回路32の出力が規定のしきい値を超えるため、比較回路33の出力が確実にオン状態となり、スライドドア用コントローラ46が的確に挟み込み防止動作(閉動の停止と反転動作)を実行する。
また、起動モードの処理(ステップS1〜S9)によれば、学習データの記憶がSRAM50及びEEPROM51に無い場合と、所定の学習指令操作があった場合に、データ収集モードへ移行して新たな学習動作が実行された後に差分実行モードに移行し、新たな学習データを利用した前述の挟み込み検知判定が行われる。また、それ以外の場合には、現在位置に対応する学習データを出力する処理(ステップS2)、或いはEEPROM51の学習データをSRAM50にコピーするなどの必要な処理(ステップS5〜S9)を実行した後に、データ収集モードに移行しないで直接差分実行モードに移行し、以前の学習動作で得られて記憶保存されている学習データ(或いは、EEPROM51に外部から書き込まれた学習データ)を利用して、前述の挟み込み検知判定が即座に開始される。
なおこの場合、所定の学習指令操作とは、マイコンモジュール48を電源オフ状態としてSRAM50のデータを消去した後、コピー許可スイッチ55をオフに設定してマイコンモジュール48を再起動させる操作である。このような操作をすると、EEPROM51に学習データが残っていても、ステップS4を経てデータ収集モードに移行するので、新たな学習動作を故意に実行させることができる。
またこの場合、コピー許可スイッチ55をオンに設定していると、マイコンモジュール48が電源オフ状態とされてSRAM50の学習データが失われても、再起動時にステップS5でEEPROM51の学習データがSRAM50にコピーされるため、新たな学習動作が実行されずに、EEPROM51の学習データを利用した前述の挟み込み判定が実行される。
以上説明した静電容量センサよりなる挟み込み検知装置であると、次のような効果が得られる。
(1)スライドドア10の周辺部材(Bピラー12など)による影響(スライドドア10の動作位置の変化に伴うセンサ出力の変化)を前述の補正値(アッテネータ54の出力)の変化によって打ち消し、スライドドア10の全閉位置付近で発生する前述の誤検知を防止することができる。
(2)しかも、上記補正値の変化によって、比較回路33での検知判定においてしきい値(オフセット調整抵抗34による基準電圧)と比較する減算結果(演算増幅回路32の出力)は、スライドドア10の動作位置の変化に対して一定の値に維持できるため、前記しきい値もやはり動作位置の変化にかかわらず一定の値として設定すればよい。即ち、検知判定における値(前記減算結果やしきい値)のレベル変化は、動作位置の変化に伴う変化(周辺部材の影響を打ち消すための変化)を含まないものとなる。このため、検知判定におけるレベル変化の増大による不具合(例えば比較回路33における信号の飽和による誤動作)が防止され、また、動作範囲全体にわたって検知感度を一定かつ高感度に設定することが容易となる。
(3)また本形態例の場合には、前記減算結果を演算増幅回路32の作用で増幅した後に、比較回路33においてしきい値と比較する態様(即ち、センサ出力の増幅を前記減算の前段階だけで行なわず、なるべく前記減算以降に行なう態様)となっている。このため、増幅により高感度な判定が可能になる一方で、前記減算以降に行なう増幅の分だけ(即ち、演算増幅回路32の倍率の分だけ)、前記減算前の二つの値(LPF回路31から出力されるセンサ出力と、アッテネータ54から出力される補正値)のレベル変化を小さくすることが可能となり、この減算を行なう回路(即ち、演算増幅回路32)における入力信号の飽和も容易に防止することができる。
(4)また本形態例では、静電容量センサの出力(LPF回路31の出力)を所定の倍率で増幅した値(即ち、演算増幅回路32の出力)を学習データとして記憶し、この学習データを前記所定の倍率分だけアッテネータ54によって減衰させた値を前記補正値として前記減算を行う構成となっている。このため、学習データのマイコンモジュール48における分解能が前記所定の倍率分だけ高くなり、センサ出力の変化の学習がより正確に可能となり、周辺部材による影響をより正確に打ち消すことができて、前記誤検知をより信頼性高く防止できる。
(5)また本形態例では、記述したように、学習データの記憶が無い場合と、所定の学習指令操作があった場合に、学習動作が実行されて新たな学習データが記憶される。このため、学習動作の機会を最小限(例えば、製品の出荷前やメンテナンス時のみ)とし、例えばユーザ使用中の誤った学習による誤動作の可能性を格段に低減できる。
(6)また本形態例の挟み込み検知装置は、二つの電極A,Bの差分に基づいて物体の接近を検出する差分式の静電容量センサを用いているので、雨滴などの影響によるノイズ成分や温度ドリフト分が上記差分によって相殺され、センサ出力の変化として現れ難い特性を有する。このため、検知判定のしきい値(オフセット調整抵抗34による基準電圧)を相当に小さいものとしても誤動作の可能性を低く維持でき、この点でも、より高感度な挟み込み検知が可能となる。
(7)また本形態例では、EEPROM51に外部から学習データを書き込み、マイコンモジュール48を一旦電源オフ状態とした後に、コピー許可スイッチ55をオンに設定してマイコンモジュール48を再起動させれば、外部から書き込んだ学習データで前述の挟み込み検知を行うことができる。このため、出荷時やメンテナンス時などに、学習動作をいちいち行わなくても、例えば予め測定しておいた学習データ(例えば、標準の車両で学習しておいた学習データ)を使って、システムを機能させることができて便利である。
なお、本発明は上述した形態例に限られず、各種の変形や応用があり得る。
例えば上記形態例では、全閉側からの開動時に学習動作を行う態様としているが、必ずしもこの態様に限定されない。閉動時に行うようにしてもよいし、開動時にも閉動時にも行う態様でもよい。
また、学習値に応じた補正値をセンサ出力から減算する処理や、或いはこの減算結果をしきい値と比較して行う検知判定は、開動時において行う必要は必ずしもなく、少なくとも挟み込みが問題となる閉動時においてのみ行えばよい。
また上記形態例では、学習動作を限られた時だけ行うようにしているが、これに限られず、例えばシステムが起動する度に学習動作を行う態様や、開動時に毎回行う態様もあり得る。定常的に学習動作を行えば、温度ドリフト等の悪影響を学習により適宜低減できる。但し、その分だけ、学習時の非正常な周囲環境(例えば、ユーザの人体や異物の存在など)による誤った学習が行われてしまう可能性が増加するので、より信頼性が求められる自動車などの場合には、前記形態例のように限られた機会にだけ学習動作が実行される態様が好ましい。
また上記形態例では、差分式の静電容量センサを用いることによって、温度ドリフトやノイズの影響を抑制しているが、さらに次のような対策を施して温度ドリフトなどの影響をより抑制するようにしてもよい。即ち、センサ回路30を回路基板上に形成するのではなく、例えば専用LSIによって構成することにより、特に増幅前のセンサ出力ライン(例えばLPF回路31の入出力ライン)を短くし、またこのセンサ出力ラインが表面に露出する部分を少なくする。また、この専用LSIに温度特性補償用ダイオードを内蔵させるといった構成としてもよい。
また、電源が常時供給される場合、或いは電源投入時又は起動時に毎回学習動作を行う場合には、学習データを記憶するための前述のEEPROMのような不揮発性メモリを備えている必要は必ずしもない。
1 センサ本体
10 スライドドア(開閉体)
12 Bピラー(周辺部材)
32 演算増幅回路(判定手段)
33 比較回路(判定手段)
48 マイコンモジュール(学習手段)

Claims (4)

  1. 開閉体の開閉端部にセンサ本体が設けられて、開閉体に挟み込まれる恐れのある位置範囲に接近した物体を検出する静電容量センサよりなる開閉体挟み込み検知装置であって、
    前記静電容量センサの出力に応じた学習データを開閉体の動作位置毎に記憶する学習動作を実行可能な学習手段と、
    開閉体の少なくとも閉方向への通常動作時に、前記静電容量センサの出力から、開閉体の動作位置毎の前記学習データに応じた補正値を減算し、この減算結果と規定のしきい値とを比較することにより、前記位置範囲への物体の接近を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする開閉体挟み込み検知装置。
  2. 前記判定手段は、前記減算結果を増幅した後に、前記しきい値と比較することを特徴とする請求項1に記載の開閉体挟み込み検知装置。
  3. 前記学習手段は、前記静電容量センサの出力を所定の倍率で増幅した値を前記学習データとして記憶し、
    前記判定手段は、前記学習データを前記所定の倍率分だけ減衰させた値を前記補正値として前記減算を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉体挟み込み検知装置。
  4. 前記学習手段は、前記学習データの記憶が無い場合と、所定の学習指令操作があった場合に、前記学習動作を実行して新たな学習データを記憶することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の開閉体挟み込み検知装置。
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