JP2010215801A - インクジェット用インクの製造方法 - Google Patents

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Akihiko Goto
明彦 後藤
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Abstract

【課題】消泡効果を奏する予定どおりの量のシリコーン系消泡剤を含むインクジェット用インクの製造方法の提供。
【解決手段】少なくとも着色剤、水、有機溶媒、及びシリコーン系消泡剤を含むインクジェット用インクの製造方法であって、シリコーン系消泡剤を除くインク成分のうち、少なくとも有機溶媒全部を含むインク成分を混合攪拌してプレインクを作成し、次いで、該プレインクに、シリコーン系消泡剤、又はプレインクに混合しなかった残りのインク成分とシリコーン系消泡剤とを添加して混合攪拌した後、濾過することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インクの製造方法に関する。
インクジェット記録において高画質な記録物を高速で印字することが求められており、この要求に答えるため、インクジェット用インク(以下、単にインクということもある)は様々な特性を満たす必要がある。特にインク中の気泡抑制のための対策は非常に重要であり、インク中に気泡が存在すると、インクを吐出するノズル内に気泡が入り込み、ノズルの目詰まりを引き起こすことが知られている。
そこで、気泡抑制対策としてインク中にシリコーン系消泡剤を添加することが行われているが、従来の方法では、シリコーン系消泡剤を含むインクの製造工程において、シリコーン系消泡剤と他のインク成分を一緒に混合攪拌すると、シリコーン系消泡剤が高濃度の有機溶媒と接することにより凝集してしまい、その結果、凝集したシリコーン系消泡剤が、攪拌用のタンクや配管に吸着したり、フィルタで目詰まりを起こしたりするため、消泡効果を奏する予定どおりの量の消泡剤を含有させることができないという問題があった。
特許文献1には、インク製造の際の濾過工程の前処理工程として温度調節工程を加え、消泡剤の曇点以下に液温を下げて濾過を行い、消泡剤がフィルタに吸着されて含有量が低下するのを抑え、消泡効果を奏する予定どおりの量の消泡剤が含有されるようにするインクの製造方法が開示されている。この方法は、製造工程の工夫により消泡剤の含有量の低下を抑える点で本発明と似ているが、対象となる消泡剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系消泡剤のような曇点を持つものに限られてしまうため、本発明のようなシリコーン系消泡剤を使用したインクには適用できない。
なお、インクの製造工程におけるシリコーン系消泡剤の凝集に着目した文献は見当たらない。
本発明は、消泡効果を奏する予定どおりの量のシリコーン系消泡剤を含むインクジェット用インクの製造方法の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも着色剤、水、有機溶媒、及びシリコーン系消泡剤を含むインクジェット用インクの製造方法であって、シリコーン系消泡剤を除くインク成分のうち、少なくとも有機溶媒全部を含むインク成分を混合攪拌してプレインクを作成し、次いで、該プレインクに、シリコーン系消泡剤、又はプレインクに混合しなかった残りのインク成分とシリコーン系消泡剤とを添加して混合攪拌した後、濾過することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
本発明によれば、消泡効果を奏する予定どおりの量のシリコーン系消泡剤を含むインクジェット用インクの製造方法を提供できる。また、本発明は、消泡剤成分であるシリコーンオイルを吸着しやすいポリプロピレン製フィルタに対しても有効である。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
インクジェット用インクは、着色剤、水、有機溶媒、界面活性剤などからなるが、本発明では、インクの吐出安定性向上、ノズル回復性の向上等の目的でシリコーン系消泡剤を添加する。しかし、上述したように、インクを製造する際に、シリコーン系消泡剤と他のインク成分を一緒に混合攪拌すると、シリコーン系消泡剤が高濃度の有機溶媒と接することにより凝集してしまい、その結果、凝集したシリコーン系消泡剤が、攪拌用のタンクや配管に吸着したり、フィルタで目詰まりを起こしたりする。そのため、添加したシリコーン系消泡剤の一部が無駄に消費されてしまい、消泡効果を奏する予定どおりの量のシリコーン系消泡剤を含むインクを安定に製造することができない。
そこで本発明では、先ず、少なくとも有機溶媒全部を含みシリコーン系消泡剤を含まないインク成分を混合し(この場合、有機溶媒以外のインク成分は一部でも全部でもよい)、均一になるまで攪拌してプレインクを作成し、次いで、該プレインクに、シリコーン系消泡剤、又はプレインクに混合しなかった残りのインク成分とシリコーン系消泡剤とを投入して混合攪拌する。このようにすればシリコーン系消泡剤の凝集が抑制されインク中に均一に混合される。
なお、シリコーン系消泡剤の投入量は、消泡効果を奏するのに必要な量及びフィルタに吸着される量を考慮して決定する。また、着色剤や界面活性剤は、プレインクを作成する際に投入しても、プレインクを作成した後、該プレインクに、シリコーン系消泡剤と一緒に投入してもよいが、シリコーン系消泡剤と同様に、有機溶媒と接することにより凝集してしまうもの(例えば顔料)については、プレインクを作成した後に投入することが好ましい。
上記本発明の製造方法を採用すると、予定どおりの量の消泡剤を含むインクを得ることができる。
本発明で用いるシリコーン系消泡剤としては特に限定はない。
シリコーン系消泡剤は破泡効果に優れるものが多く、種類としてはオイル型、コンパウンド型、自己乳化型、エマルジョン型などがあるが、水系での使用を考慮すると、自己乳化型又はエマルジョン型が、信頼性を確保する上で望ましい。また、アミノ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、アルキレンオキサイド変性などの変性シリコーン系消泡剤を使用しても良い。
市販のシリコーン系消泡剤としては、信越化学工業社製のKS508、KS531、KM72、KM85、KF−351、KF−352、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−618、KF−6011、KF−6015など、東レ・ダウ・コーニング社製のQ2−3183A、SH5510、SF−8427、SF−8428、SH−3749、SH−8400、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2118、FZ−2203、FZ−2207など、日本ユニカー社製のSAG30など、旭電化工業社製のアデカネートシリーズなど、ビッグケミー・ジャパン社製のBYK−345、BYK−346、BYK−348などが挙げられる。
消泡剤の含有量は消泡効果を奏する最小量でよいが、フィルタに吸着されることによりフィルタの消泡剤吸着能力を飽和させ、かつ、吸着されずに通過した消泡剤により、消泡性を確保できる量とする必要があり、通常は濾過前のインク全体の0.1〜3重量%程度とする。また、消泡剤を添加する際には、通常、水等で希釈するが、その消泡剤希釈液中の固形分濃度は30重量%以上が好ましい。
次に、本発明が適用可能なインクジェット用インクの材料について説明するが、これらに限定されるものではない。
インクに用いられる着色剤の例としては、以下のような染料や顔料が挙げられる。
染料としては次のようなものがあるが、好ましいのは酸性染料及び直接性染料である。
<酸性染料及び食用染料>
C.I.アシッド・イエロー類、C.I.アシッド・レッド類、C.I.アシッド・ブルー類、C.I.アシッド・ブラック類、C.I.フード・イエロー類、C.I.フード・レッド類、C.I.フード・ブラック類
<直接性染料>
C.I.ダイレクト・イエロー類、C.I.ダイレクト・レッド類、C.I.ダイレクト・オレンジ類、C.I.ダイレクト・ブルー類、C.I.ダイレクト・ブラック類
<塩基性染料>
C.I.ベーシック・イエロー類、C.I.ベーシック・レッド類、C.I.ベーシック・ブルー類
<反応性染料>
C.I.リアクティブ・ブラック類、C.I.リアクテイブ・イエロー類、C.I.リアクティブ・レッド類、C.I.リアクティブ・ブルー類
顔料としては特に限定はなく、種々の無機顔料、有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用できる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、特に水と親和性の良いものが好ましい。
好ましい顔料の具体例として、黒色用としては、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー、C.I.ピグメントオレンジ、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントブルー、C.I.ピグメントグリーン等が挙げられる。
顔料は分散剤で水性媒体中に分散させた顔料分散液としてインクに添加するのが好ましい。好ましい分散剤としては、従来公知の分散剤を使用することができ、例えば以下のものが挙げられる。
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等があげられる。
これらの重合体や共重合体は、重量平均分子量が3,000〜50,000のものが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000、最も好ましくは7,000〜15,000である。分散剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、他の効果を失わせない範囲で適宣添加すれば良い。顔料と分散剤の割合は、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲である。
更に、上記分散剤にはカルボキシル基が結合していることが好ましい。これにより分散安定性が向上し、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。更に裏抜けを防止する効果が得られる。特に、カルボキシル基が結合している分散剤で分散した顔料と、浸透剤とを併用した場合においては、普通紙などの比較的サイズ度の高い記録媒体に印字した場合においても、十分な乾燥速度が得られ、且つ、裏抜けが少ないという効果が得られる。これは、カルボン酸の解離定数が他の酸基に比較して小さい為、顔料が記録媒体に付着した後、インクのpH値の低下や、記録媒体表面近傍に存在するカルシウムなどの多価金属イオンとの相互作用などにより、分散剤自体の溶解度が低下し、分散剤自体や顔料が凝集する為と推定される。
更に最も好ましい形態としては、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接又は他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。そのためには、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン酸基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、又は、次亜ハロゲン酸及び/又はその塩を用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。中でも好ましい形態は、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散されている形態である。これも顔料が表面改質されカルボキシル基が結合しているために、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。またこの形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行えるようになる。
インク組成物中の着色剤の添加量は、0.5〜15重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜10重量%程度である。また染料単独、顔料単独のみならず、染料顔料の両方を組み合わせて使用しても良い。
インク中の顔料は平均粒径が50〜200nmの範囲であることが好ましい。ここでいう平均粒径とは、体積累積パーセント50%の値を指す。体積累積パーセント50%の値を測定するには、例えば、インク中のブラウン運動を行っている粒子にレーザー光を照射し、粒子から戻ってくる光(後方散乱光)の振動数(光の周波数)の変化量から粒子径を求める動的光散乱法(ドップラー散乱光解析)といわれる方法を用いることができる。
本発明のインクに用いる有機溶媒には特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、通常は水溶性有機溶媒を用いる。水溶性有機溶媒としては、例えば次のようなものが挙げられる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。
上記の他に、インクの水分蒸発を防止しインク吐出口での着色剤の析出、粘度上昇による吐出不良をより良く抑制する目的で、多価アルコールアルキルエーテル及び/又は多価アルコールアリールエーテルを用いてもよい。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられ、多価アルコールアリールエーテルとしては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
上記有機溶媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒のインク中の含有量は、5〜30重量%が好ましく、更に好ましくは、10〜30重量%である。30重量%を超えると、水性インクの粘度が高くなってしまい、吐出安定性に影響を与えてしまうことが多い。
インクには、紙への浸透性を高め、速乾燥性で、文字滲み、境界滲みを更に低減させた高品位な画像を得ることを目的として界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、インクへの速乾性を付与できるものであれば、特に限定はなく、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能であるが、ノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤が好ましい。更に高速・高画質を達成するために好ましいのはフッ素系界面活性剤である。市販のフッ素系界面活性剤の具体例としては、デュポン社製のゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO、FSO−100、FSHなどが挙げられる。
界面活性剤の含有量は、0.05〜10重量%が適当であり、0.1〜5重量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%である。含有量が0.05重量%より少ないと記録紙への浸透性を十分に高めることが出来なくなることがあり、10重量%より多いとインクの増粘や泡立ちが問題となることがある。
インクには、必要に応じて、浸透性を高める目的で浸透剤を添加するが、好ましい浸透剤としては、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び/又は2−エチル−1,3−へキサンジオールが挙げられる。これらを単独で又は混合して添加することにより、高速印字時でも滲みを低減することが可能となり、また吐出安定性及び吐出応答性を向上させることができる。
その他に、インクには、必要に応じて防腐剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。なお、表1〜表4中の「%」は「重量%」である。
実施例1〜12、比較例1〜8
<消泡剤希釈液の調製>
シリコーン系消泡剤を純水で希釈し約10分攪拌して、表1〜表4に示す固形分濃度の消泡剤希釈液を作成した。
なお、使用したシリコーン系消泡剤は次のとおりである。
・KM−7750:信越化学社製、固形分38%
・KM−72FS:信越化学社製、固形分34.5%
・BYK−345:ビッグケミー・ジャパン社製、固形分87.5%
<顔料分散体の調製>
・ポリマー溶液Aの調製
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成社製:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。
次いで、65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液A800gを得た。
・イエロー顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の調製
ポリマー溶液A28gとC.I.ピグメントイエロー97を26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水13.6gを充分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトンと水を留去し、イエロー顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
・マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の調製
顔料種をC.I.ピグメントレッド122に変えた点以外は、イエロー顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の場合と同様にして、マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
・シアン顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の調製
顔料種をC.I.ピグメントブルー15:3に変えた点以外は、イエロー顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の場合と同様にして、シアン顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
・表面酸化処理したカーボンブラック顔料分散体の調製
CTAB比表面積が150m/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5N規定の硫酸ナトリウム溶液3000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。得られたカーボンブラックを水洗いし乾燥させ、20重量%となるよう純水中に分散させた。
<インクの作成>
上記イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各顔料分散体を用いて、実施例及び比較例の各インクを作成した。ここで、本実施例・比較例では、インク中のシリコーン系消泡剤量がSi量として4ppm以上となるようにシリコーン系消泡剤の添加量を設定した。作成手順は次のとおりである。
実施例(攪拌後)の場合は、表に示すインク成分材料のうち、顔料分散体とシリコーン系消泡剤以外の材料(水、水溶性有機溶媒、界面活性剤)をタンクに投入し、20分混合攪拌してプレインクとし、次いで、該プレインクに顔料分散体及びシリコーン系消泡剤を投入して15分混合攪拌した。
比較例(攪拌前)の場合は、表に示すインク成分材料のうち、水、水溶性有機溶媒及び界面活性剤をタンクに投入した後、すぐにシリコーン系消泡剤を投入し、20分混合攪拌を行った。次いで顔料分散体を投入し15分混合攪拌した。
続いて、上記手順で混合攪拌が終了したインク原液を、フィルタ(ポリプロピレン製:ポアサイズ1.5μm)に通液させて濾過し、実施例及び比較例のインクを得た。
なお、使用した界面活性剤は次のとおりである。
・FS−300:Dupon社製
・エマール20C:花王社製
・FT−251:ネオス社製
上記実施例1〜12及び比較例1〜8の各インクを用いて、下記の条件で、Si量の測定、泡立ち試験、吐出安定性評価、保存安定性試験を行った。結果を表1〜表4に示す。
<Si量の測定>
作成したインクを5倍に希釈したものを分析サンプルとし、島津製作所製:ICPS−1000IVを用いて、Si量を定量した。そして、分析値に希釈倍率を乗じて、インク中に含有されるSi量を求めた。
<泡立ち試験>
作成したインクを、25℃の環境下で、100mlのメスシリンダーに10ml入れ、次いで一定圧力の空気を注入し、インクと気泡の体積が100mlになった時点で空気の注入を停止した。空気の注入開始から空気の注入を停止するまでの時間を起泡時間とし、空気の注入を停止した時点からインクと気泡の体積が60mlになるまでの時間を計測して消泡時間とし、以下の基準で評価した。
(起泡性)
A:起泡時間が15秒以上
B:起泡時間が10秒以上、15秒未満
C:起泡時間が5秒以上、10秒未満
D:起泡時間が5秒未満
(消泡性)
A:消泡時間が600秒未満
B:消泡時間が600秒以上、1200秒未満
C:消泡時間が1200秒以上、1800秒未満
D:消泡時間が1800秒以上
<吐出安定性評価>
作成したインクを、インクジェットプリンター(リコー製:IPSiO G707)に充填し、以下の方法で吐出安定性を評価した。
下記の印刷パターンチャートを20枚連続で印字した後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1000枚印写後、もう1枚同チャートを印写した時の5%チャートベタ部の筋、白抜け、噴射乱れの有無を目視で評価した。評価基準は下記のとおりである。なお、印刷パターンは、紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%デュテイ(duty)で印字した。印字条件は、記録密度は360dpi、ワンパス印字とした。
A:ベタ部にスジ,白抜け,噴射乱れが無い。
B:ベタ部にスジ,白抜け,噴射乱れが若干認められる。
C:ベタ部全域にわたってスジ,白抜け,噴射乱れが認められる。
<インク高温保存時の初期充填性>
作成したインクを50℃で1ヶ月間保存した後、インクジェットプリンター(リコー製:IPSiO G707)に充填し評価した。評価基準は次のとおりである。
A:初期からノズル抜けが無い場合
B:ノズル抜けが10箇所までの場合
C:ノズル抜けが20箇所までの場合
D:ノズル抜けが20箇所を超える場合
Figure 2010215801
Figure 2010215801
Figure 2010215801
Figure 2010215801
上記表1〜表4から分かるように、シリコーン系消泡剤を含まないプレインクを作成したのち、該プレインクにシリコーン系消泡剤を加えた実施例に比べて、このような手順を採用しなかった比較例では、得られたインク中のSi量が少なく、起泡性、消泡性、吐出安定性、初期充填性も劣る結果となった。例えば、実施例1と比較例1、実施例4と比較例3、実施例7と比較例5、実施例10と比較例7を対比すると、それぞれシリコーン系消泡剤の添加量、消泡剤中の固形分の割合及び濾過前のインク中の消泡剤有効成分濃度が同じであるにもかかわらず、比較例の方がSi量が大幅に減少している。すなわち、濾過後のインク中のシリコーン系消泡剤の含有量が減少している。
特開2008−63540

Claims (1)

  1. 少なくとも着色剤、水、有機溶媒、及びシリコーン系消泡剤を含むインクジェット用インクの製造方法であって、シリコーン系消泡剤を除くインク成分のうち、少なくとも有機溶媒全部を含むインク成分を混合攪拌してプレインクを作成し、次いで、該プレインクに、シリコーン系消泡剤、又はプレインクに混合しなかった残りのインク成分とシリコーン系消泡剤とを添加して混合攪拌した後、濾過することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
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