JP2010215761A - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑効果の高いチアジアゾール化合物を用いた場合であっても、組成バランスの悪化や経時的なインキpHの低下を生じることがなく、安定した筆跡を長期に亘って形成できると共に、書き切り性能も維持することができるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供する。
【解決手段】2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマー及び一般式(1)で示すメルカプトチアジアゾールから選ばれる一種又は二種以上と着色剤と水とアミノ酸を含有するボールペン用水性インキ組成物。
Figure 2010215761

〔式中RはCH、NH、SMのいずれかの置換基を表し、前記Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアルカノールアミンのいずれかを表す。〕前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
【選択図】なし

Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物に関する。更には、潤滑性能に優れ、長期間安定した筆記性能を維持できるボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンに関する。
従来、油性インキに比べて潤滑性が乏しい水性インキを内蔵したボールペンにおいては、ボールの回転によるボール受け座の摩耗が発生し易い。その結果、ボールペンチップ内のインキ流通路が変形してしまい、インキの吐出不良や漏れ等を生じることがあった。そのため、筆記した際の筆記感が損なわれたり、筆記不良をきたすという問題があった。
そこで、前記問題を解決するために、インキ組成物中に2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを潤滑剤として添加し、水性インキの潤滑性を向上させてボール受け座の摩耗を低減する試みが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−92519号公報
前記2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールは潤滑効果が高く、筆記によるボール受け座の摩耗を低減することができるものであるが、潤滑効果を発現するために充分な量を添加した際、組成物のバランスの悪化や経時的なインキpHの低下を生じてしまい、着色剤の析出やインキ粘度の上昇が起こり易くなる。それに伴って筆記時に一定幅の筆跡が得られなくなったり、インキの吐出不良によって書き切りができなくなることがある。特に、前述の状態は着色剤として染料を用いた際に顕著であるため、発色性のよい筆跡が得られ難くなるものであった。
本発明は、潤滑効果の高いチアジアゾール化合物を用いた場合であっても、組成バランスの悪化や経時的なインキpHの低下を生じることがなく、安定した筆跡を長期に亘って形成できると共に、書き切り性能も維持することができるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供するものである。
本発明は、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマー及び一般式(1)で示すメルカプトチアジアゾールから選ばれる一種又は二種以上と着色剤と水とアミノ酸を含有するボールペン用水性インキ組成物を要件とする。
Figure 2010215761
〔式中RはCH、NH、SMのいずれかの置換基を表し、前記Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアルカノールアミンのいずれかを表す。〕
更に、前記メルカプトチアジアゾール及び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマーから選ばれる一種以上がインキ組成物全量中0.05〜5重量%の範囲で添加されること、前記アミノ酸がインキ組成物全量中0.1〜5重量%の範囲で添加されること、前記アミノ酸の20℃における水100gへの溶解度が、3〜160gの範囲にあること、前記着色剤が染料であること、前記染料が骨格中に2以上のアゾ基を有する黒色染料、トリフェニルメタン基を有する青色染料のいずれかを含むことを要件とする。
更には、前記いずれかのボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンを要件とし、前記ボールペンが、水性インキ組成物をレフィル内に内蔵したボールペンレフィルを1本又は複数本収容し、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する出没式形態であることを要件とする。
本発明により、インキ組成のバランスを長期間保った状態で高い潤滑性能を付与できるので、筆跡(吐出)安定性能や書き切り性能を低下することなくボールの回転に伴うボール受け座の摩耗を抑制できる。そのため、筆跡にかすれや線飛びを生じることなく、優れた筆記感を長距離、長期間に亘って持続できる水性ボールペン用インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供できる。
本発明は、ボールペン用水性インキ組成物中に、前記メルカプトチアジアゾール類と共にアミノ酸を添加することで、筆記時の筆跡安定性能や書き切り性能を低下させることなくボールの回転に伴うボール受け座の摩耗を抑制するものである。
前記メルカプトチアジアゾール類はインキ中で高い潤滑効果を発現するため、長距離筆記後のボール受け座の摩耗を抑制して優れた筆記感を長期間持続するものである。
前記メルカプトチアジアゾール類としては、一般式(1)のメルカプトチアジアゾールである、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メチル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールや、更にこれらの塩である、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニアやアルカノールアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアルカノールアミン等のアミン塩等が例示できる。更に、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマー(2〜10量体)が適用される。
前記メルカプトチアジアゾール類は、インキ組成物全量中0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範囲で添加することができる。
0.05重量%未満では所期の効果を得ることは困難であり、又、5重量%を越えて添加しても摩耗抑制効果の向上は認められないのでこれ以上の添加を要しない。
前記アミノ酸としては、水溶性を有するものであれば汎用の化合物が適用でき、添加によってメルカプトチアジアゾールの添加に伴って生じるインキ組成物のバランス悪化や、経時的なインキpHの低下等の不具合を抑制し、着色剤の析出やインキ粘度の上昇を起こすことなく長期的に安定化できるものである。そのため、筆記時にインキの吐出安定性が損なわれて一定線幅の筆跡が得られなくなったり、インキの吐出不良による書切不良を生じることなく、長期的に安定した筆記が可能となる。
特に、前記アミノ酸のなかでも、20℃における水100gへの溶解度が3g〜160gの範囲にあるものは、インキ中での安定性が高いため好適であり、前述の不具合をより効率的に抑制できる。
前記アミノ酸として具体的には、L−バリン(5.75)、L−グリシン(22.5)、β−アラニン、D−アラニン、DL−アラニン(いずれも15.8)、L−セリン(38.0)、L−スレオニン(9.0)、L−イソロイシン(4.02)、L−リジン(67.6)、L−アルギニン(14.8)、L−グルタミン(3.72)、L−グルタミン酸(38.0)、L−システイン(16.0)、L−メチオニン(4.8)、L−プロリン(155.0)、L−ヒドロキシプロリン(34.52)、L−ヒスチジン(3.84)等が挙げられ、一種又は二種以上で適用される。尚、前記括弧内の値は20℃における水100gへの溶解度である。
前記アミノ酸はインキ組成物全量中0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%の範囲で添加される。
0.1重量%未満では前述の不具合を解消することは困難であり、又、5重量%を越えて添加しても所望の効果の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、
C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、
C.I. Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペン等に用いられる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、香料又は香料カプセル顔料などを例示できる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中0.01〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
尚、前記着色剤として染料を用いた場合に前述の不具合が出易いことから、本発明の構成がより高い効果を発現するものとなる。特に、前記染料の中でも、骨格中に2以上のアゾ基を有する黒色染料や、トリフェニルメタン基を有する青色染料がメルカプトチアジアゾール類の影響を受け易いため、これらの染料を用いた際により有用なものとなる。
前記骨格中に2以上のアゾ基を有する黒色染料としては、C.I.ダイレクトブラック19、C.I.ダイレクトブラック154、CASNo.52204−07−6等が挙げられ、トリフェニルメタン基を有する青色染料としては、特に炭素数が30以上である分子量の大きいものが不利であることから、C.I.アシッドブルー90等が挙げられる。
更に必要に応じて、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
更に、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を添加することもできる。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記水溶性樹脂は一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1〜30重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を使用してもよい。
更に、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、金属石鹸等、汎用の潤滑剤を併用することもできる。
また、インキ組成物中に剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100〜800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、ポリN−ビニルカルボン酸アミド、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示でき、更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加しても安定した剪断減粘性を付与できる。
前記インキ組成物は、汎用の水性ボールペンに適用できるpHに調整されるが、着色剤として染料を用いる場合には、染料の発色性が向上することからpH7〜13の中性〜アルカリ性領域、好ましくはpH7.1〜12の弱アルカリ性領域に調整することが好ましい。
更に、インキ収容管内に充填されたインキ組成物の後端部にはインキ逆流防止体(液栓)を配することもできる。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、α−オレフィンコオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ逆流防止体は併用することも可能である。
前記ボールペン用水性インキ組成物を充填するボールペンの筆記先端部(チップ)の構造は、従来汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等からなる汎用のものが適用でき、直径0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.15mm〜1.0mmの範囲のものが好適に用いられる。特に、ボール径が0.4mm以下の小径のものでは、筆記距離に対するボールの回転数が多くなることから、本願のインキがより好適に作用する。
前記水性インキ組成物を収容する軸筒は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
前記軸筒にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記軸筒とチップを連結してもよい。
前記軸筒内に収容されるインキ組成物は、インキ組成物が低粘度である場合は軸筒前部にインキ保留部材を装着し、軸筒内に直接インキ組成物を収容する方法と、多孔質体或いは繊維加工体に前記インキ組成物を含浸させて収容する方法が挙げられる。
更に、前記軸筒として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
尚、前記軸筒は、ボールペン用レフィルの形態として、前記レフィルを外軸内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記軸筒を用いたボールペンは、キャップ式、出没式のいずれの形態であっても適用できる。出没式ボールペンとしては、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で外軸内に収納されており、出没機構の作動によって外軸開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、例えばノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、外軸後端部や外軸側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成、或いは、外軸に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、外軸に回転部(後軸等)を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成、或いは、外軸に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を外軸前端開口部から出没させる構成を例示できる。
尚、前記出没式ボールペンは、外軸内に一本のボールペンレフィルを収容したもの以外に、複数のボールペンレフィルを収容してなる複合タイプの出没式ボールペンであってもよい。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
Figure 2010215761
Figure 2010215761
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック100L、C.I.ダイレクトブラック19(染料分20%)
(2)オリエント化学工業(株)製、商品名:アシッドブルー105、C.I.アシッドブルー90
(3)アーチケミカルズジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
(4)リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212C
(5)リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(6)2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール
(7)2−メチル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール
(8)2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの二量体
インキの調製
水に各添加剤を添加しディスパーにて1000rpmで混合攪拌した後、チアジアゾール及びアミノ酸を順に添加して混合攪拌し、更にキサンタンガムを含むものは最後に添加して3000rpmで10分間攪拌することで各インキを調製した。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
ボールペンAの作製
前記実施例1〜3及び比較例1〜3の各インキ組成物1gを、直径0.3mmの超硬合金ボールを抱持するステンレススチール製チップを備えた直液式ボールペン(パイロットコーポレーション製、LHG−20V3)に充填して試料ボールペンAを作製した。
ボールペンBの作製
前記実施例4〜6及び比較例4、5の各インキ組成物1gを、直径0.3mmの超硬合金ボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、該インキの後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを外軸に組み込み、キャップを装着して試料ボールペンBを作製した。
前記各試料ボールペンを用いて以下の試験を行った。
筆記試験
作製直後の試料ボールペンと、筆記可能であることを確認して横置き状態で温度20℃、30日間放置した後の試料ボールペン(各10本)を用いて、自動筆記試験機にて、旧JIS P3201筆記用紙Aに螺旋状の丸を連続筆記した際の書き切り性と吐出安定性(100m毎のインキ消費量の推移)を確認した。
尚、前記試験機は、筆記荷重50g、筆記角度70°、筆記速度4m/分の条件で使用した。
前記試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2010215761
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
書き切り性
○:10本すべてが書き切れた。
△:1〜3本書き切れないものがあった。
×:4本以上が書き切ることができなかった。
吐出安定性
○:一定の吐出量で最後まで書き切れた。
×:吐出量にばらつきが見られる又は筆記不能。

Claims (8)

  1. 2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマー及び一般式(1)で示すメルカプトチアジアゾールから選ばれる一種又は二種以上と着色剤と水とアミノ酸を含有するボールペン用水性インキ組成物。
    Figure 2010215761
    〔式中RはCH、NH、SMのいずれかの置換基を表し、前記Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン、シクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアルカノールアミンのいずれかを表す。〕
  2. 前記メルカプトチアジアゾール及び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマーから選ばれる一種又は二種以上がインキ組成物全量中0.05〜5重量%の範囲で添加される請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  3. 前記アミノ酸がインキ組成物全量中0.1〜5重量%の範囲で添加される請求項1又は2に記載のボールペン用水性インキ組成物。
  4. 前記アミノ酸の20℃における水100gへの溶解度が、3〜160gの範囲にある請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物。
  5. 前記着色剤が染料である請求項1乃至4のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物。
  6. 前記染料が骨格中に2以上のアゾ基を有する黒色染料、トリフェニルメタン基を有する青色染料のいずれかを含む請求項5に記載のボールペン用水性インキ組成物。
  7. 前記請求項1乃至6のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
  8. 前記ボールペンが、水性インキ組成物をレフィル内に内蔵したボールペンレフィルを1本又は複数本収容し、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する出没式形態である請求項7記載のボールペン。
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