JP2010215442A - 炭化物の製造方法、及び炭化物製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線輻射を利用してシート状の有機物を炭化し、電気抵抗値等の物性が優れたシート状炭化物を連続的に製造することを可能とする炭化物製造装置を提供することを課題とする。
【解決手段】炭化物製造装置1は、赤外線輻射2を放射可能な一対の光源3a,3bと、凹状に湾曲してなる輻射反射面4を有する反射鏡6と、シート状有機物8を収容空間7に収容する有機物収容体9と、収容空間7を還元雰囲気下にする還元雰囲気調整部12と、収容空間7内で有機物8を回転させながら上下方向に移動させ、赤外線輻射2の照射加熱位置を相対的に移動させる照射加熱位置変化部15とを具備する。
【選択図】図1
【解決手段】炭化物製造装置1は、赤外線輻射2を放射可能な一対の光源3a,3bと、凹状に湾曲してなる輻射反射面4を有する反射鏡6と、シート状有機物8を収容空間7に収容する有機物収容体9と、収容空間7を還元雰囲気下にする還元雰囲気調整部12と、収容空間7内で有機物8を回転させながら上下方向に移動させ、赤外線輻射2の照射加熱位置を相対的に移動させる照射加熱位置変化部15とを具備する。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化物の製造方法、及び炭化物製造装置に関するものであり、特に、高分子繊維によって形成されたシート状の有機物を赤外線輻射を利用して炭化させ、シート状炭化物を連続的に製造可能とする炭化物の製造方法、及び炭化物製造装置に関するものである。
従来から、炭素繊維とポリビニルアルコール等の抄紙用バインダーを混合し、抄造することにより、炭素繊維紙(カーボンペーパー)と呼ばれるシート状炭化物を製造することが行われている。このシート状炭化物は、炭素繊維を使用するため、通常の紙のような繊維間の結合による結合作用をほとんど奏することができない。そのため、炭素繊維間の結着性を良好にするために抄紙用バインダーを使用する必要がある。しかしながら、抄紙用バインダーによっても上記結着性を十分に改善することができない場合があり、使用時に炭化物から炭素繊維が脱落する等の機械的強度の点において課題が残されていた。さらに、使用する抄紙用バインダー自体が導電性の低い素材であるため、電気抵抗値が必然的に高くなり、他の素材と比較して物性の点で劣る場合もあった。
一方、炭素繊維と抄紙用バインダーを混合し、抄造した抄造体に、フェノール樹脂等の合成樹脂を含浸させる処理を行い、さらに不活性ガス雰囲気下で加熱処理(例えば、1000℃〜2000℃)することで炭素繊維紙を製造する方法(特許文献1または特許文献2)が開発されている。さらに、炭素繊維を抄造したシートを複数枚積層し、この積層シートにフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を炭素繊維重量に対して50%〜200%以上含浸させた後、間欠的な熱プレスを行い、さらにその後に2000℃以上に設定された加熱温度で加熱することにより、シート状炭化物を製造することも行われている(特許文献3)。
また、赤外線の輻射を利用し、特定の部位を集中的に加熱する技術も開発されている。例えば、高純度の単結晶を生成する場合に使用される加熱技術では、光源から放射される赤外線輻射をスポット状に集光させ、加熱対象物に照射することにより、瞬間的に高温で加熱することが可能なフローティングゾーン方式の赤外線集中加熱が実施されることがある。
しかしながら、上述の炭素繊維及び抄紙用バインダーからなる抄造体を電気炉等で加熱してシート状炭化物を製造するものは、予め高いエネルギーを使用して製造された炭素繊維を原料とするものであり、原材料自体のコストが嵩む問題を有していた。さらに、加熱のために使用される電気炉等の加熱装置自体も高いエネルギーを必要とするものであった。加えて、電気炉等の加熱装置によるシート状炭化物の製造の場合、一般的にバッチ処理で行われることが多く、加熱炉内を所定の温度に昇温し、炭化を進行させ、炭化完了後に炉内から取出可能な温度まで冷却する等の各種工程が必要となり、製造に要する時間、製造コスト電気炉等の点で問題となることがあった。
一方、赤外線を利用したフローティングゾーン方式の加熱方法は、上記の電気炉等の加熱装置に比べ、比較的安価に加熱装置を構築することができ、かつ瞬間的に高温で加熱することができるため、昇温及び冷却に要する時間を大幅に短縮することができる。そのため、製造効率及び製造コストの点で有利な点を有していた。しかしながら、係る方式は、赤外線を集光させる領域が非常に狭小であり、加熱処理対象は小径円形物に限定されることが多かった。さらに、主に単結晶成長技術等に使用され、加熱対象物としては無機物を想定して開発されたものであり、有機物から炭化物を製造するための加熱方法として使用されることはなかった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、赤外線輻射を利用して有機物を炭化可能とすることを課題とし、特にシート状の有機物から機械的強度及び電気抵抗値等の物性が優れたシート状炭化物を連続的に製造することを可能とする炭化物の製造方法、及び炭化物製造装置の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明の炭化物の製造方法は、「赤外線輻射を光源から反射鏡の輻射反射面に向けて放射する輻射放射工程と、前記光源から放射された前記赤外線輻射を、前記輻射反射面を利用して反射させ、点状或いは帯状に集光させる輻射集光工程と、炭化対象の有機物が収容される収容空間を還元雰囲気下に調整する雰囲気調整工程と、前記輻射集光工程によって点状或いは帯状に集光された前記収容空間内の集光領域で、収容された前記有機物に前記赤外線輻射を照射及び加熱する照射加熱工程と、前記収容空間内の前記有機物及び前記集光領域の少なくとも一方を相対的に移動させ、前記赤外線輻射の照射される前記有機物の照射加熱位置を変化させる照射加熱位置変化工程と」を具備するものから主に構成されている。
ここで、赤外線輻射の光源としては、アルゴン電球、クリプトン電球、キセノン電球、及びハロゲンランプ等のフィラメント電球、或いは、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、及びナトリウムランプ等の放電ランプを例示することができる。なお、天候に左右されるものの太陽を光源として使用することも可能である。しかしながら、比較的低コストで、安定して2000℃以上の照射加熱温度を得るためには、光源としてハロゲンランプやキセノンランプ等を用いることが好適であり、より高温の2500℃以上、3000℃程度の照射加熱温度を得るためには、光源としてキセノンランプがさらに好適である。
また、赤外線輻射を反射する反射鏡は、凹状に湾曲した鏡面から形成される輻射反射面を有するものであり、反射鏡及び輻射反射面の形状や湾曲の曲率は、集光領域の範囲(点状または帯状)、炭化温度、及び照射加熱位置等に応じて適宜変更することが可能である。例えば、点状に集光させる際には、回転楕円体形状にすることが好適であり、さらに所定の幅の帯状に集光させる際には、楕円柱体を縦に上弦状に切断した形状、或いは、楕円状回転楕円体を半球状に切断した形状のものを想定することができる。
さらに、炭化処理の対象となる有機物は、一般に100℃〜200℃程度の加熱温度で蒸発することのない有機物が使用され、主に高分子物質を想定している。具体的には、木材パルプ、草本パルプ、綿、及び絹等の天然高分子と、レーヨン、テンセル等のセルロース系高分子及びキトサン系高分子等の天然由来高分子と、セルロース系アセテート、及びトリアセテート等の半合成高分子と、ポリアクリルニトリル系、フェノール系、ポリビニルアルコール系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエチレン系、ポリクラール系、ポリプロピレン系、ベンゾエート系、ポリスチレン系、ポリ尿素系、及びピッチ系繊維等の合成高分子とを例示することができる。さらに、これらの高分子物質から一種、又は二種以上の物質を選択し、所定比率で混合されるものであっても構わない。上記の高分子物質の中でも、特に、木材パルプ等の天然セルロース高分子、レーヨン等のセルロース系天然由来高分子、及びポリアクリロニトリル系等の合成高分子を使用することが好適と思われる。
したがって、本発明の炭化物の製造方法によれば、光源から放射される赤外線輻射が反射鏡によって反射され、点状または帯状に集光させた集光領域で炭化対象の有機物が加熱される。このとき、有機物は還元雰囲気下にあるため、加熱によって酸化し、蒸発することなく、炭化が進行し、最終的に炭化物が生成される。
さらに、本発明の炭化物の製造方法は、上記構成に加え、「前記有機物の全体または一部を、前記照射加熱工程の前に予め加熱する予備加熱工程を」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の炭化物の製造方法によれば、赤外線輻射の照射加熱前に有機物に対して予備加熱が行われる。これにより、加熱時の高分子繊維の熱収縮による急激な形状変化の発生を防ぎ、炭化物の割れや歪み等の問題を解消することができる。さらに、高分子繊維に含まれる揮発性成分を予め蒸散させたり、繊維の熱分解により多量の生成する揮発性分解物を予め発生させ終えたりすることにより、加熱時の突沸を防ぐことが可能となる。予備加熱の温度は、例えば、200℃以上、1500℃以下に設定されるものが想定される。
さらに、本発明の炭化物の製造方法は、上記構成に加え、「前記有機物は、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、及び合成繊維の少なくともいずれかを含む高分子繊維から構成され、前記高分子繊維によって多孔質性状を呈したシート状に形成されている」ものであっても構わない。
したがって、本発明の炭化物の製造方法によれば、高分子繊維からなる多孔質性状のシートで有機物が形成される。なお、複数の高分子繊維を混合して有機物を構成する場合、例えば、未叩解テンセル繊維、ポリアクリルニトリル繊維、或いはフェノール樹脂繊維100重量部に対して、CSF値が400ml以下の叩解テンセル繊維や木材パルプを5重量部から400重量部混合した組成を挙げることができる。さらに、シート状にした場合、効率的に炭化物を製造するために、例えば、20mm以下のシート厚のものが好適であり、さらに好ましくは、5mm以下、より好ましくは1mm以下のシート厚のものが適している。
さらに、本発明の炭化物の製造方法は、上記構成に加え、「シート状に形成された前記有機物は、予め叩解処理された前記高分子繊維によって形成されている」ものであっても構わない。
したがって、本発明の炭化物の製造方法によれば、高分子繊維が叩解処理された高分子繊維が使用される。ここで、叩解処理は、高分子繊維間の結合及び結着を向上させるため、かつ製造時の形状安定、製造後の形状維持を目的として、当該高分子繊維を予め叩解し、ろ水度(CSF値)を調整することが可能である。これにより、繊維に枝毛が発生し、毛羽立ちが生じフィブリル化する。その結果、繊維間の絡まり度合いが高くなり、保水性の向上及びろ水度の低下が生じる。そこで、例えば、ろ水度(CSF値)を10ml以上、800ml以下、特に好ましくは50ml以上、600ml以下に調製することにより、繊維間の結合力を高め、シート形状の安定化を行うことができる。そのため、従来のような抄紙用バインダーを必要とすることがない。
一方、本発明の炭化物製造装置は、「赤外線輻射を放射可能な光源と、前記光源に相対し、凹状に湾曲した輻射反射面を有し、前記赤外線輻射を点状或いは帯状に集光させる反射鏡と、前記光源及び前記輻射反射面に相対する位置に設けられ、前記赤外線輻射を透過可能な石英ガラス板、及び前記石英ガラス板を透過した前記赤外線輻射が点状或いは帯状に集光する集光領域が設定され、炭化対象の有機物が収容される収容空間を有する有機物収容体と、前記有機物収容体の前記収容空間を還元雰囲気下に調整する雰囲気調整手段と、前記収容空間の前記有機物及び前記集光領域の少なくとも一方を相対的に移動させ、前記赤外線輻射の照射される前記有機物の照射加熱位置を変化させる照射加熱位置変化手段と」を具備して主に構成されている。
したがって、本発明の炭化物製造装置によれば、上記炭化物の製造方法に基づいて、有機物から炭化物を連続的に製造することが可能となる。
本発明の効果として、赤外線輻射を利用することにより、短時間で有機物の炭化処理をすることができ、特にシート状炭化物を効率良く製造することができる。また、シート状の有機物を赤外線輻射の照射加熱位置に対して相対的に移動させることにより、シート状炭化物の連続製造が可能となり、製造効率の向上や製造コストの抑制を行うことができる。
以下、本発明の一実施形態である炭化物製造装置1及び該炭化物製造装置1を利用した炭化物の製造方法について、図1及び図2に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の炭化物製造装置1の概略構成を示す断面図であり、図2は炭化物製造装置1における赤外線輻射2の集光状態を模式的に示す説明図である。
本実施形態の炭化物製造装置1は、図1に示すように、ハロゲンランプで構成され、ランプ点灯時に光とともに赤外線輻射2を放射可能な一対の光源3a,3bと、光源3a,3bからの赤外線輻射2の放射を反射可能に形成され、光源3a等に相対し、周囲を取り囲むようにして凹状に湾曲してなる鏡面からなる輻射反射面4を有し、反射した赤外線輻射2を一点(点状、スポット状)に集中して集めた集光領域5を形成可能な反射鏡6と、中空円筒形状を呈して構成され、一対の光源3a,3bの間に挟まれ、光源3a,3b及び輻射反射面4に相対する円筒側壁面が透明の石英ガラスで形成され、内部の収容空間7に炭化対象のシート状のシート有機物8を収容可能な有機物収容体9と、有機物収容体9の下端部9aに設けられたガス導入口10及び上端部9bに設けられたガス排出口11とそれぞれ接続し、収容空間7を減圧ポンプ(図示しない)によって減圧した後、水素ガス及び不活性ガスからなる還元ガスGを該ガス導入口10から導入し、ガス排出口11から排出することで、炭化処理時の収容空間7を還元雰囲気下に調整する還元雰囲気調整部12(本発明の還元雰囲気調整手段に相当)と、収容空間7に収容されたシート状有機物8の一端8a及び他端8bをそれぞれ把持する把持部13、把持部13と連結し、有機物収容体9の下端部9a及び上端部9bとそれぞれ貫通した貫通軸部14、及び貫通軸部14を回転させることにより、収容空間7内のシート状有機物8を移動させ、赤外線輻射2が集光する集光領域5で炭化処理を行う照射加熱位置を変化させる照射加熱位置変化部15(照射加熱位置変化手段に相当)とを主に具備して構成されている。
上記炭化物製造装置1を使用することにより、シート状有機物8から連続的に炭化物16を製造することができる。具体的に説明すると、光源3a,3bを点灯させ、光とともに赤外線輻射2を放射させる。このとき、光源3a等を包囲するようにして、凹状に湾曲した輻射反射面4を有する反射鏡6が設置されている。なお、反射鏡6は分割可能な二つの部材から形成され、有機物収容体9に設置する際には互いの輻射反射面4を相対させ、その間に有機物収容体9を挟み込むようにして取付けられている。そして、光源3a等から放射された赤外線輻射2は、輻射反射面4に到達すると、光の性質によって入射角と等しい反射角によって反射し、有機物収容体9の方向に向かって進行する。ここで、輻射反射面4は、当該面のどの部位に赤外線輻射2が到達しても予め設計された一点に向かって反射するように形成されている。これにより、有機物収容体9の収容空間7に赤外線輻射2が集光した集光領域5が形成される(図2参照)。このとき、収容空間7と光源3a等及び反射鏡6との間の石英ガラスは、赤外線輻射2の透過を阻害するものではなく、また点状に集光する赤外線輻射2を屈折させるものではない。
ここで、収容空間7のシート状有機物8は、一対の光源3a等からの赤外線輻射2を双方向(図1における紙面左右方向)から受けるように配置されている。そのため、シート状有機物8は、双方向から加熱され、炭化物16に変化する。また、炭化物製造装置1の照射加熱位置変化部15は、収容空間7内のシート状有機物8を回転(図1矢印R参照)させながら下方に向かって移動(図1矢印M参照)させることができる。照射加熱位置変化部15は、例えば、貫通軸部14に形成された雄ネジ(図示しない)と、有機物収容体9の下端部9a及び上端部9bにそれぞれ雄ネジと螺合可能に形成された雌ネジとによって形成され、モータ等の駆動手段による回転力を貫通軸部14に伝達し、回転に伴う螺合推進力を利用して上下に移動可能とするものである。これにより、シート状有機物8に対する集光領域5の位置(照射加熱位置)が徐々に変化することにより、炭化物16への転換を連続的に行うことができる。なお、照射加熱位置変化部15によるシート状有機物8の移動速度は、適宜変更することが可能であるが、例えば、1mm/min以上、1000mm/min以下の間で設定するものが好ましく、さらに100mm/min以下の移動速度に設定するものが好適である。一方、赤外線輻射2によるシート状有機物8の照射加熱温度は、例えば、1200℃以上、3000℃以下の範囲にするものが想定される。これらの移動速度及び照射加熱温度は、炭化処理の対象となるシート状有機物8の素材やシート厚等の種々の条件に応じて適宜変更することができる。
シート状有機物8は、二種類以上の高分子繊維を混合し、シート状に抄造したものであり、抄造前に予め叩解処理を行っている。これにより、高分子繊維間の結着性(結合性)を向上させ、シート状有機物8及び炭化物16の形状安定性を向上させることができる。また、炭化処理の前工程として、シート状有機物8を熱プレス処理することも行われている。これにより、シート状有機物8の表面平滑性を均一にすることができ、かつシート厚や密度を一定のものとすることができる。これにより、炭化条件が均一化され、安定した品質の炭化物16を製造することができる。ここで、熱プレス処理における加熱プレス温度及びプレス圧力は、特に限定されないが、シート状有機物8が熱分解を生じない程度の温度であればよく、50℃以上、200℃以下に設定することができる。また、プレス圧力は、0.01MPa以上、1MPa以下に設定され、特に好ましくは0.01MPa以上、0.1MPaが好適である。さらに、本実施形態の炭化物製造装置1では、炭化処理の前工程として、通常の電気炉等の加熱装置を用いてシート状有機物8を予備的に加熱する予備加熱工程を行うものであっても構わない。すなわち、抄造されたシート状有機物8は、繊維中に多くの揮発性成分や水分を含んでいることが多く、赤外線輻射2によって瞬間的に高温まで加熱することで、当該揮発性成分及び揮発性熱分解生成物等が沸出し、製造される炭化物16の品質が低下することがある。また、加熱時の熱収縮によって割れや欠け等の不具合を生じる可能性があるため、本実施形態のように予備加熱を行う処理が行われる。ここで、予備加熱は、例えば、600℃の加熱温度に設定し、揮発性成分及び多量の揮発性熱分解生成物等の発生を終了させることができる。
また、本発明の別例構成として、図3及び図4に示す炭化物製造装置20を構築することも可能である。ここで、図3は炭化物製造装置20の別例構成を示す正面断面図であり、図4は炭化物製造装置20の別例構成を示す側面断面図であり、図5は炭化物製造装置20による集光状態を示す説明図である。なお、炭化物製造装置20は、本実施形態の炭化物製造装置1と比して、赤外線輻射2を集光させる集光領域21の形状を、点状から所定の幅の帯状に変更した点が特に相違している。
この炭化物製造装置20は、図3乃至図5に示すように、キセノンランプで形成され、赤外線輻射2を放射可能な円柱棒状の光源22と、光源22に相対し、その周囲を取り囲むようにして凹状に湾曲して形成され、光源22の長手方向に沿って配設された輻射反射面23を有し、赤外線輻射2を所定の幅の帯状の集光領域21に集光させる反射鏡24と、略直方体の筐体状の外観を呈し、光源22及び反射鏡24と相対する一面が透明の板状の石英ガラス板25で形成され、内部の収容空間26にシート状有機物8をシート台部27bの上に載置して収容可能な有機物収容体27と、有機物収容体27の一部に設けられたガス導入口28と接続し、収容空間26を減圧ポンプ(図示しない)によって減圧した後、水素ガス及び希ガスからなる還元ガスGを該ガス導入口28から導入し、ガス導入口28と相対する位置に設けられたガス排出口29から排出することで、炭化処理時の収容空間26を還元雰囲気下に調整する還元雰囲気調整部12(前述と同様)と、光源22の両端を保持して固定した反射鏡24の上面24aに固定された一対の摺動受部30、該摺動受部30に嵌合され、反射鏡24及び光源22を水平方向(図3矢印M参照)に規制して移動させる断面円形状の一対の摺動レール31、有機物収容体27の上面27aから垂設され、一対の摺動レール31の端部31a,31bを支持する支持柱32、及び反射鏡24等を移動させるためのモータ(図示しない)を有し、反射鏡24等を有機物収容体27の収容空間内26のシート状有機物8に対して水平方向に相対的に移動させることにより、赤外線輻射2を集光させた集光領域21の照射加熱位置を変化させる照射加熱位置変化部33(本発明の照射加熱位置変化手段に相当)を具備して構成されている。
すなわち、別例構成の炭化物製造装置20は、前述の炭化物製造装置1と比して、集光させる赤外線輻射2を点状から帯状に変更し、一度に広範囲のシート状有機物8を加熱し、炭化処理することを可能としたものである。さらに、集光領域5,21を移動させ、照射加熱位置を変化させるためにシート状有機物8ではなく、反射鏡24等を水平方向に移動させる点が相違している。ここで、加熱による炭化物16の製造は、上記の点を除いて略同一であるため、ここでは詳細な説明は省略するものとする。
以下、本願発明の炭化物製造装置1,20を用いて製造された炭化物16の実例について、実施例に基づいて説明する。
<試料の作製>
・原料(1):テンセル繊維(繊維径:1.7dtx)
・原料(2):ポリアクリロニトリル系繊維(繊維径:2.4dtx)
・原料(3):フェノール樹脂繊維(繊維径:2.2dtx)
各100重量部の原料(1),(2),(3)に対し、25重量部の叩解テンセル繊維(CSF値:340ml)の総重量が全体の1.0重量%となるように水中分散させ、金網上に抄造し、坪量100g/m2のシート状有機物8の試料S1,S2,S3をそれぞれ作製した。
<炭化条件(1)>
集光領域 : 点状(炭化物製造装置1使用)
光源 : ハロゲンランプ ×2
光源出力 : 650W ×2
炭化温度(照射加熱温度) : 2000℃
移動速度 : 100mm/min
・原料(1):テンセル繊維(繊維径:1.7dtx)
・原料(2):ポリアクリロニトリル系繊維(繊維径:2.4dtx)
・原料(3):フェノール樹脂繊維(繊維径:2.2dtx)
各100重量部の原料(1),(2),(3)に対し、25重量部の叩解テンセル繊維(CSF値:340ml)の総重量が全体の1.0重量%となるように水中分散させ、金網上に抄造し、坪量100g/m2のシート状有機物8の試料S1,S2,S3をそれぞれ作製した。
<炭化条件(1)>
集光領域 : 点状(炭化物製造装置1使用)
光源 : ハロゲンランプ ×2
光源出力 : 650W ×2
炭化温度(照射加熱温度) : 2000℃
移動速度 : 100mm/min
上記の炭化条件(1)に基づいて、作製した各試料S1,S2,S3を炭化物製造装置1を利用して炭化処理をすることにより、シート状の炭化物A,B,Cを製造した。得られた炭化物A,B,Cに対し、定電流印加法の四端子四探針方式によって体積抵抗率を測定した。得られた結果を表1に示す。これにより、ポリアクリロニトリル系繊維を用いた試料S2から製造された炭化物Bが良好な体積抵抗値を示し、良導電性であることが確認された。一方、フェノール樹脂繊維を用いたものは導電性が他の二つと比較して低くなることが示された。
<試料の作製>
実施例1で作製した各100重量部の試料S2,S3に対し、樹脂固形分として5重量部のフェノール樹脂エマルジョンを含浸させ、樹脂含浸処理済みのシート状有機物8の試料S4,S5をそれぞれ作製した。
同様に、各100重量部の試料S2に対し、樹脂固形分として5重量部または15重量部のアクリル酸エステル樹脂をそれぞれ含浸させ、ポリアクリロニトリル系繊維を主繊維とする樹脂含浸処理済みのシート状有機物8の試料S6,S7をそれぞれ作製した。
なお、比較例として、100重量部のポリアクリロニトリル系炭素繊維に対し、25重量部の叩解テンセル繊維(CSF値:340ml)の総重量が全体の1.0重量%となるように水中分散させ、連続機械抄紙機にて抄造し、坪量100g/m2に調製した100重量部の調製試料に対し、樹脂固形分として15重量部のアクリル酸エステルを含浸させ、樹脂含浸処理済みの炭素繊維からなる比較試料S8を作製した。
炭化条件は、実施例1の炭化条件(1)と同様
実施例1で作製した各100重量部の試料S2,S3に対し、樹脂固形分として5重量部のフェノール樹脂エマルジョンを含浸させ、樹脂含浸処理済みのシート状有機物8の試料S4,S5をそれぞれ作製した。
同様に、各100重量部の試料S2に対し、樹脂固形分として5重量部または15重量部のアクリル酸エステル樹脂をそれぞれ含浸させ、ポリアクリロニトリル系繊維を主繊維とする樹脂含浸処理済みのシート状有機物8の試料S6,S7をそれぞれ作製した。
なお、比較例として、100重量部のポリアクリロニトリル系炭素繊維に対し、25重量部の叩解テンセル繊維(CSF値:340ml)の総重量が全体の1.0重量%となるように水中分散させ、連続機械抄紙機にて抄造し、坪量100g/m2に調製した100重量部の調製試料に対し、樹脂固形分として15重量部のアクリル酸エステルを含浸させ、樹脂含浸処理済みの炭素繊維からなる比較試料S8を作製した。
炭化条件は、実施例1の炭化条件(1)と同様
上記の炭化条件(1)に基づいて、作製した各試料S4,S5,S6,S7及び比較試料S8を炭化物製造装置1を利用して炭化処理することにより、シート状の炭化物D,E,F,G,Hを製造し、体積抵抗率を測定した。得られた結果を表2に示す。これにより、実施例1の炭化物Cに比べ、フェノール樹脂エマルジョンを含浸させた試料S5から製造された炭化物Eは、体積抵抗値が低下することが示された。また、試料S2にフェノール樹脂エマルジョンを含浸させた試料S4から製造された炭化物Dの体積抵抗値は若干増加したものの、アクリル酸エステル樹脂に含浸させた場合は、いずれも体積抵抗値が低下し、含浸による効果を有することが示された。一方、炭素繊維を主として使用した比較試料S8から製造された炭化物Hは、高い体積抵抗値を示している。
<試料の作製>
実施例2で作製したシート状有機物8の試料S7に対し、
加熱温度 : 200℃
プレス圧力 : 0.017MPa
の条件で熱プレス処理を行った。熱プレス処理後の試料S7’を1000℃で予備加熱し、試料S9を作製した。
下記の炭化条件(2),(3),(4),(5)に基づいて、作製した試料B5をそれぞれ炭化処理することにより、炭化物I,J,K,Lを製造し、体積抵抗率を測定した。得られた結果を表3に示す。これにより、炭化温度が高い程、炭化物16は低い体積抵抗値を示している。
実施例2で作製したシート状有機物8の試料S7に対し、
加熱温度 : 200℃
プレス圧力 : 0.017MPa
の条件で熱プレス処理を行った。熱プレス処理後の試料S7’を1000℃で予備加熱し、試料S9を作製した。
下記の炭化条件(2),(3),(4),(5)に基づいて、作製した試料B5をそれぞれ炭化処理することにより、炭化物I,J,K,Lを製造し、体積抵抗率を測定した。得られた結果を表3に示す。これにより、炭化温度が高い程、炭化物16は低い体積抵抗値を示している。
<炭化条件(2)>
集光領域 : 帯状(炭化物製造装置20使用)
光源 : ハロゲンランプ
光源出力 : 2kW
炭化温度(照射加熱温度) : 1200℃
移動速度 : 100mm/min
<炭化条件(3)>
集光領域 : 帯状(炭化物製造装置20使用)
光源 : ハロゲンランプ
光源出力 : 2kW
炭化温度(照射加熱温度) : 1600℃
移動速度 : 100mm/min
<炭化条件(4)>
集光領域 : 点状(炭化物製造装置1使用)
光源 : ハロゲンランプ ×2
光源出力 : 650W ×2
炭化温度(照射加熱温度) : 2000℃
移動速度 : 100mm/min
<炭化条件(5)>
集光領域 : 点状(炭化物製造装置1使用)
光源 : キセノンランプ
光源出力 : 3.0kW
炭化温度(照射加熱温度) : 2800℃
移動速度 : 100mm/min
集光領域 : 帯状(炭化物製造装置20使用)
光源 : ハロゲンランプ
光源出力 : 2kW
炭化温度(照射加熱温度) : 1200℃
移動速度 : 100mm/min
<炭化条件(3)>
集光領域 : 帯状(炭化物製造装置20使用)
光源 : ハロゲンランプ
光源出力 : 2kW
炭化温度(照射加熱温度) : 1600℃
移動速度 : 100mm/min
<炭化条件(4)>
集光領域 : 点状(炭化物製造装置1使用)
光源 : ハロゲンランプ ×2
光源出力 : 650W ×2
炭化温度(照射加熱温度) : 2000℃
移動速度 : 100mm/min
<炭化条件(5)>
集光領域 : 点状(炭化物製造装置1使用)
光源 : キセノンランプ
光源出力 : 3.0kW
炭化温度(照射加熱温度) : 2800℃
移動速度 : 100mm/min
上記実施例1乃至実施例3による表1乃至表3の結果から、赤外線輻射2を点状または帯状に集光させることにより、シート状有機物8から直に導電性を有する炭化物16を連続的に製造することが可能となる。ここで、比較例に示すように、炭素繊維を原料とする比較試料S8の場合は、互いの炭素繊維間を結合する抄紙用バインダーの構成がないため、製造されたシート状の炭化物Hの密度が著しく低下し、弱い結合力であって、導電性の低い炭化物しか得られないことが示された。
図5に、上記炭化物製造装置1,20及び炭化物の製造方法によって製造されたシート状の炭化物16の走査型電子顕微鏡写真を示す。これにより、シート状の炭化物16は、シート状有機物8を構成する高分子繊維が緻密に絡みあった多孔質性状をそのまま保持して製造されていることが明らかとなった。また、使用する高分子繊維の種類や炭化条件を適宜変更することにより、多孔質性状や体積抵抗率(導電性)を制御することが可能となる。
以上示したように、本発明の炭化物の製造方法、及びこれを用いた炭化物製造装置1,20は、高分子繊維等で構成されたシート状有機物8から直接かつ、連続的にシート状の炭化物16を製造することが可能となり、従来のバッチ処理による炭化物の製造と比較して、製造効率を向上させ、低コストで炭化物16を製造することができる。さらに、炭素繊維から製造されるものと比べ、繊維間の結合力が安定し、シート状の炭化物16の形状安定性を高めることができる。これにより、得られたシート状の炭化物16は、例えば、燃料電池分野における使用や、その他のリチウムイオン電池、電気二重層キャパシタや、空気電池等の各分野における種々の電池デバイスを構成する素材としての応用が期待される。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の炭化物製造装置1,20及び炭化物の製造方法において、照射加熱位置を変化させるために、シート状有機物8または反射鏡24等のいずれか一方を相対的に変化させるものを示したがこれに限定されるものではなく、双方を変化させるものであっても構わない。また、炭化物製造装置1において、光源3a,3b等を移動させる構成を有するもの、或いは別例構成の炭化物製造装置20において、収容空間26内のシート状有機物8を移動させる構成を有するもので、構築しても構わない。
1,20 炭化物製造装置
2 赤外線輻射
3a,3b,22 光源
4,23 輻射反射面
5,21 集光領域
6,24 反射鏡
7,26 収容空間
8 シート有機物
9,27 有機物収容体
10,28 ガス導入口
11,29 ガス排出口
12 還元雰囲気調整部(還元雰囲気調整手段)
15,33 照射加熱位置変化部(照射加熱位置変化手段)
16 炭化物
G 還元ガス
2 赤外線輻射
3a,3b,22 光源
4,23 輻射反射面
5,21 集光領域
6,24 反射鏡
7,26 収容空間
8 シート有機物
9,27 有機物収容体
10,28 ガス導入口
11,29 ガス排出口
12 還元雰囲気調整部(還元雰囲気調整手段)
15,33 照射加熱位置変化部(照射加熱位置変化手段)
16 炭化物
G 還元ガス
Claims (5)
- 赤外線輻射を光源から反射鏡の輻射反射面に向けて放射する輻射放射工程と、
前記光源から放射された前記赤外線輻射を、前記輻射反射面を利用して反射させ、点状或いは帯状に集光させる輻射集光工程と、
炭化対象の有機物が収容される収容空間を還元雰囲気下に調整する雰囲気調整工程と、
前記輻射集光工程によって点状或いは帯状に集光された前記収容空間内の集光領域で、収容された前記有機物に前記赤外線輻射を照射及び加熱する照射加熱工程と、
前記収容空間内の前記有機物及び前記集光領域の少なくとも一方を相対的に移動させ、前記赤外線輻射の照射される前記有機物の照射加熱位置を変化させる照射加熱位置変化工程と
を具備することを特徴とする炭化物の製造方法。 - 前記有機物の全体または一部を、前記照射加熱工程の前に予め加熱する予備加熱工程をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の炭化物の製造方法。
- 前記有機物は、
天然繊維、再生繊維、半合成繊維、及び合成繊維の少なくともいずれかを含む高分子繊維から構成され、
前記高分子繊維によって多孔質性状を呈したシート状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炭化物の製造方法。 - シート状に形成された前記有機物は、
予め叩解処理された前記高分子繊維によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の炭化物の製造方法。 - 赤外線輻射を放射可能な光源と、
前記光源に相対し、凹状に湾曲した輻射反射面を有し、前記赤外線輻射を点状或いは帯状に集光させる反射鏡と、
前記光源及び前記輻射反射面に相対する位置に設けられ、前記赤外線輻射を透過可能な石英ガラス板、及び前記石英ガラス板を透過した前記赤外線輻射が点状或いは帯状に集光する集光領域が設定され、炭化対象の有機物が収容される収容空間を有する有機物収容体と、
前記有機物収容体の前記収容空間を還元雰囲気下に調整する雰囲気調整手段と、
前記収容空間の前記有機物及び前記集光領域の少なくとも一方を相対的に移動させ、前記赤外線輻射の照射される前記有機物の照射加熱位置を変化させる照射加熱位置変化手段と
を具備することを特徴とする炭化物製造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009062489A JP2010215442A (ja) | 2009-03-16 | 2009-03-16 | 炭化物の製造方法、及び炭化物製造装置 |
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JP2009062489A JP2010215442A (ja) | 2009-03-16 | 2009-03-16 | 炭化物の製造方法、及び炭化物製造装置 |
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JP2009062489A Pending JP2010215442A (ja) | 2009-03-16 | 2009-03-16 | 炭化物の製造方法、及び炭化物製造装置 |
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JP (1) | JP2010215442A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020174040A (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 康那香企業股▲ふん▼有限公司 | 巻取り可能なフレキシブル高分子基材固体電解質の二次電池構造及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-03-16 JP JP2009062489A patent/JP2010215442A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
JP2020174040A (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 康那香企業股▲ふん▼有限公司 | 巻取り可能なフレキシブル高分子基材固体電解質の二次電池構造及びその製造方法 |
JP6994072B2 (ja) | 2019-04-12 | 2022-01-14 | 康那香企業股▲ふん▼有限公司 | 巻取り可能なフレキシブル高分子基材固体電解質の二次電池構造及びその製造方法 |
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