JP2010215031A - 車両用シートの保護装置 - Google Patents

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Kazuya Iwata
和也 岩田
Takashi Morimoto
尚 森本
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Abstract

【課題】ドアの前方部分に側方荷重が入力した場合にも、この側方荷重をドア補強部材から荷重伝達部材に効率よく伝達できる車両用シートの保護装置を提供する。
【解決手段】フロア部6のドア2下部に対向する車幅方向側部に車両前後方向に延在するサイドシル8を設け、サイドシル8の車室内への変形に伴ってシート1全体を車両前方に移動させるクロスメンバ9をフロア部6に設けてある。クロスメンバ9は、シート1全体を固定して車幅方向に延在する中央部分9Cと、中央部分9Cの車幅方向両端部に位置する傾斜部分9Sと、を設け、側方荷重Fの入力により、傾斜部分9Sが屈曲して中央部分9Cと共にシート1全体を前方に押し出す。これにより、シート1の荷重伝達部材4は側方荷重Fの入力点に近づき、側方荷重Fがシート1の荷重伝達部材4に効率良く伝達される。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートに着座した乗員を側面から入力された荷重から保護する車両用シートの保護装置に関する。
従来、サイドドアに、前後方向に延在するドア補強部材を設ける一方、シートの左右方向に荷重伝達部材を設け、ドアに入力される側方荷重をドア補強部材を介して荷重伝達部材に伝達させ、その荷重伝達部材に伝達された荷重をフロア部や左右反対側のシートに伝達して分散させるようにした側突保護装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−222088号公報
しかしながら、かかる従来の車両用シートの保護装置は、シートのスライド調整範囲を超えた領域にあるドアの前方部分に、集中的な側面からの荷重、例えば、電柱のようなポール状の衝突物からの荷重を受けた場合は、ドア補強部材の荷重入力点から荷重伝達部材が大きく外れた状態となるため、側方荷重を荷重伝達部材によって効率良く受け止めることができなくなるおそれがあった。
そこで、本発明は、ドアの前方部分に側面からの荷重が入力した場合にも、当該荷重をドア補強部材から荷重伝達部材に効率よく伝達できる車両用シートの保護装置を提供するものである。
本発明にあっては、 車体側部のドアに、車両前後方向に延在するドア補強部材を設け、該ドアの車内側にドアに近接してシートを配置し、該シートの車幅方向に延在し、その車外側端が前記ドア補強部材に対向するとともに、車内側端が車内側受け部材に支持される荷重伝達部材を設け、前記ドアの下方に車両前後方向に沿ってシル部材を延設し、該シル部材の車室内への変形に伴って、前記シートを車両前方に移動させるシート前方移動手段を設けたことを最も主要な構成とする。
本発明によれば、シートのスライド調整範囲を超えたドアの前方部分に側面から荷重が入力された際、シート前方移動手段によって、シートは前後スライド調整部分を含めた全体が車両前方に移動する。従って、ドア補強部材からシートの荷重伝達部材に側方荷重が伝達される際、シートの前方移動によって荷重伝達部材は側方荷重の入力点に近づくため、荷重伝達部材には側方荷重がより効率良く伝達されることになる。
本発明の第1の実施形態にかかる側突保護装置が適用されたシートの骨格部分を車両後方から見た背面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる側突保護装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる側突保護装置の通常使用時におけるシート前方移動手段を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる側突保護装置の側面衝突時におけるシート前方移動手段を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる側突保護装置の側面衝突時におけるシート前方移動手段の挙動を拡大してより詳細に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる側突保護装置の通常使用時におけるシートとシート移動手段との関係を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる側突保護装置の側面衝突時におけるシートとシート前方移動手段との関係を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態における第1の変形例を模式的に示す斜視図である。 図8中IX−IX線に沿って切断した断面図であり、(a)は通常使用時、(b)は側面衝突時における模式的な拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態における第2の変形例を模式的に示す斜視図である。 図10に示すシート前方移動手段を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態における第3の変形例を模式的に示す斜視図である。 図12に示すシート前方移動手段を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態における第4の変形例を模式的に示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における第5の変形例を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態にかかる側突保護装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態にかかる側突保護装置の通常使用時におけるシート前方移動手段を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態にかかる側突保護装置の側面衝突時におけるシート前方移動手段を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態における変形例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図7は本発明にかかる車両用シートの保護装置の第1の実施形態を示し、本実施形態の側突保護装置E1が適用されるシート1は、図1に示すように、車体側部に設けられたドア2の車内側近傍に設けられる。つまり、ドア2は車体の両側に設けられ、それら両側のドア2の車内側に位置して左右一対のシート1(例えば、一方が運転席、他方が助手席)が配置される。この場合、シート1は前席であっても後席であってもよい。
そして、ドア2の内部には、例えば、車両前後方向に延在するドア補強部材3が設けられる。また、左右一対のシート1,1に、車幅方向に延在し、車外側端4aがドア補強部材3に対向する荷重伝達部材4が設けられる。荷重伝達部材4は、車内側端4bが車内側受け部材であるトンネル部5に支持される。
トンネル部5は、フロア部6の車幅方向中央部で上方に断面略台形状に突出されて前後方向に延在し、その内部に排気系やプロペラシャフト等が収納される。
シート1は、クッション部1Aおよびシートバック部1Bの前後位置の調整を可能とするスライド装置7を介してフロア部6に設置される。また、図示省略したが、クッション部1Aの昇降や傾斜を可能とするチルト装置やシートバック1Bの傾斜を可能とするリクライニング装置等が設けられていてもよい。ところで、上述した荷重伝達部材4は、図6に示すように、シートバック部1Bの乗員Mの腰部に対応した内部に配置されている。同図中、Kはピラーであり、シート1が前席である場合はセンタピラーであり、シート1が後席である場合はリヤピラーである。
ここで、本実施形態では、図2に示すように、シート1を設置したフロア部6のドア2下部に対向する車幅方向側部に、車両前後方向に延在するシル部材であるサイドシル8を設けるとともに、このサイドシル8の車室内への変形に伴って、シート1全体を車両前方に移動させるシート前方移動手段としてのクロスメンバ9を設けてある。
クロスメンバ9は、図3に示すように、1つのシート1に対して前後方向に所定間隔をもって一対設けられる。そして、それぞれのクロスメンバ9は、サイドシル8と前記トンネル部5とを連結するとともに、シート1全体を固定し、側面衝突によりサイドシル8が車室内に変形することに伴って、車両前方への変形が許容されるようになっている。ここで、シート1全体とは、クッション部1Aやシートバック部1Bは勿論のこと、スライド装置7やチルト装置およびリクライニング装置等の付属装置を含めた全体を意味するものとする。
また、クロスメンバ9は、フロア部6に接合される等して一体に設けられ、このようにフロア部6に接合されることにより、クロスメンバ9は、矩形状の閉断面が形成されるようになっている。
クロスメンバ9は、図3に示すように、シート1全体を固定して車幅方向に延在する中央部分9Cと、その中央部分9Cの車幅方向両端部に位置して、サイドシル8およびトンネル部5に向かって車両後方に傾斜する傾斜部分9Sと、によって略コ字状に形成される。
クロスメンバ9の中央部分9Cには、シートアンカーボルト(図示無し)の取付穴9hが車幅方向に所定間隔をもって2箇所形成され、その取付穴9hにクッション部1Aの下側に取り付けられたスライド装置7が固定される。これにより、中央部分9Cとシート1全体とは一体となって移動するようになっている。このとき、中央部分9Cは、車幅方向に沿って直線状に形成されている。
勿論、1つのシート1を設置するにあたって、前後一対のクロスメンバ9が用いられ、それら一対のクロスメンバ9の中央部分9Cに跨ってシート1全体が設置されることになる。
以上の構成により、第1の実施形態にかかる車両用シートの保護装置E1によれば、通常使用時、つまり、側面衝突が発生しない使用状態では、クロスメンバ9は、図3に示すように、予め組み付けた初期位置に収まっており、シート1は、通常の設置位置にある。そして、その通常の設置位置で、シート1はスライド装置7によって自由に前後位置を調整できるようになっている。
この状態から、シート1のスライド調整範囲を超えたドア2の前方部分、例えば、図6および図7中に示すP点に、ポール等の衝突物による集中的な側方荷重Fが入力された場合、その側方荷重Fによってドア2の変形を伴いつつ、図4に示すように、サイドシル8が車内側に進入するようにして変形する。
すると、図5に示すように、サイドシル8の車内側近傍のフロア部6が圧縮荷重を受けて縮まり、サイドシル8とトンネル部5との間の間隔Lが短縮される。これにより、クロスメンバ9の両端部に設けた傾斜部分9Sは、傾斜角が大きくなる方向、つまり、両端部の傾斜部分9Sが互いに近づく方向に屈曲される。このとき、傾斜部分9Sのサイドシル8およびトンネル部5との前後方向の連結点位置は変化しないため、結果的に中央部分9Cが車両前方に押し出されることになる。これにより、図7に示すように、中央部分9Cの押し出しに伴って、スライド装置7と共にシート1全体が前方に移動されることになる。
従って、ドア補強部材3からシート1の荷重伝達部材4に側方荷重Fが伝達される際、シート1の前方移動によって荷重伝達部材4は側方荷重Fの入力点Pに近づく。即ち、通常使用時では荷重伝達部材4と入力点Pとの距離がD1であったのに対し、側面衝突時ではその距離がD2(D1>D2)となる。このように荷重伝達部材4が入力点Pに近づくため、その荷重伝達部材4には側方荷重Fがより効率良く伝達されることになる。
そして、荷重伝達部材4に入力された側方荷重Fは、その荷重伝達部材4がトンネル部5(またはコンソール)に突き当たることにより、トンネル部5(またはコンソール)からフロア部6に分散されるとともに、更に、トンネル部5(またはコンソール)が車幅方向反対側の隣接するシート1の荷重伝達部材4に突き当たることにより、側方荷重Fはその隣接するシート1にも分散され、側面衝突によるダメージを抑制することができる。
また、本実施形態では、シート前方移動手段を、サイドシル8とトンネル部5とを連結するとともに、シート1全体を固定するクロスメンバ9によって構成した。このクロスメンバ9は、本来、シート1を設置するために設けられるものであり、別途、移動手段を設ける必要が無いためコストの低減を図れるとともに、軽量化を達成できる。
更に、クロスメンバ9は、シート1全体を固定して車幅方向に延在する中央部分9Cと、その中央部分9Cの車幅方向両端部に位置して、サイドシル8およびトンネル部5に向かって車両後方に傾斜する傾斜部分9Sと、によって略コ字状に形成したので、側方荷重Fの入力に対してシート1全体を効率良く前方移動させることができる。
更にまた、中央部分9Cを、車幅方向に沿って直線状に形成したので、通常使用状態において、中央部分9Cが車幅方向に変形し難いため、サイドシル8とトンネル部5との間の幅の減少を抑制して、車体剛性を向上することができる。
図8および図9は、上記第1の実施形態に示したシート前方移動手段の第1の変形例を示し、図8に示すように、上述したクロスメンバ9の前方近傍のフロア部6に、前後方向の変形を許容する易変形部としてのビード10が設けられるようになっている。
ビード10は、図9(a)に示すように、車両前後方向の断面が略蛇腹状となる凹凸部をフロア部6の車幅方向に連続して形成したものである。本変形例では、トンネル部5のクロスメンバ9が連結される側面5aにも、フロア部6から連続してビード10が形成される。
また、ビード10は、クロスメンバ9の前方近傍のみに限らず、図8,9に示すように、クロスメンバ9の後方近傍のフロア部6にも設けることが好ましい。
従って、本変形例によれば、側方荷重Fの入力によりクロスメンバ9の中央部分9Cが前方移動する際に、図9(b)に示すように、そのクロスメンバ9の前方近傍に設けたビード10の蛇腹部分が押し縮まるようにして変形するため、クロスメンバ9の前方移動がし易くなる。これにより、シート1全体の前方移動が迅速に行われて、側方荷重Fへの対応がスムーズになる。
このとき、クロスメンバ9の後方近傍にもビード10を形成しておくことにより、そのビード10が伸展方向に引き延ばされるため、クロスメンバ9が前方移動する際の抵抗が低減して、クロスメンバ9の前方移動が更に容易となる。
図10および図11は、前記第1の実施形態に示したシート前方移動手段の第2の変形例を示し、上述したクロスメンバ9に、サイドシル8とトンネル部5との間に車幅方向に沿って直線状に延びる補強板11を設けている。
即ち、本変形例では、中央部分9Cの後壁9Caの両端部内面と、両端部の傾斜部分9Sの上記後壁9Caに車幅方向に対応した外壁9Saの内面と、の間を塞ぐように、1つのクロスメンバ9に対して2枚の補強板11が設けられる。
それぞれの補強板11は、中央部分9C側の端部に後壁9Caとの重ね代部分11aが設けられるとともに、傾斜部分9S側の端部に折曲部11bが設けられる。そして、折曲部11bを外壁9Saの内面に押し当てて溶接等により接合した後、重ね代部分11aを後壁9Caの端部に重ね合わせて溶接等により接合するようになっている。勿論、補強板11は後壁9Caと一直線になるように配置される。
従って、本変形例によれば、補強板11を設けたことにより、サイドシル8とトンネル部5とを車幅方向に一直線で連結できるため、クロスメンバ9に傾斜部分9Sを設けたことによるフロア部6の左右方向の剛性低下分を補強板11で補償できる。
図12および図13は、前記第1の実施形態に示したシート前方移動手段の第3の変形例を示し、前記第2の変形例と同様に、クロスメンバ9に、サイドシル8とトンネル部5との間が、補強板11Aによって車幅方向に沿って直線状に連結されるが、特に本変形例ではその補強板11Aを一枚構造としてある。
即ち、補強板11Aは、クロスメンバ9の両端部に設けた傾斜部分9Sの外壁9Saを繋ぐ長さを有し、その補強板11Aの車幅方向両端部に設けた折曲部11Aa、11Abを各傾斜部分9Sの外壁9Saに溶接等により接合してある。このとき、補強板11Aは、中央部分9Cの後壁9Caの内側に位置して、その後壁9Caと平行に配置されている。
従って、本変形例によれば、上述した第2変形例と同様に、クロスメンバ9に傾斜部分9Sを設けたことによるフロア部6の左右方向の剛性低下分を補強板11で補償できるのは勿論のこと、補強板11Aを1枚構造としたことにより、部品点数や組み付け工数を削減できる。
ところで、前述した第1の実施形態および各変形例のクロスメンバ9では、傾斜部分9Sを中央部分9Cの両端部から単に後退方向に傾斜させた構造として、その板厚は中央部分9Cと傾斜部分9Sとで等しくなっているが、傾斜部分9Sの変形を促進するためには、その傾斜部分9Sを脆弱構造とすることが好ましい。図14は、傾斜部分9Sを脆弱構造とする第4の変形例を示し、本変形例では傾斜部分9Sの板厚を中央部分9Cよりも薄肉化してある。これにより、側方荷重Fの入力時には、傾斜部分9Sの変形が促進されて、中央部分9Cと共にシート1全体をスムーズに前方移動させることができる。
また、図15は、傾斜部分9Sを脆弱構造とする第5の変形例を示し、本変形例では傾斜部分9Sが中央部分9Cから折曲される内折れ線9Sb上に断面V字溝状のビード12を形成してある。これにより、側方荷重Fの入力時には、傾斜部分9Sがビード12を設けた内折れ線9Sbから容易に屈曲して変形が促進され、第4の変形例と同様に、中央部分9Cと共にシート1全体をスムーズに前方移動させることができる。
更に、前記第1の実施形態およびそれの各変形例で用いられるクロスメンバ9は、フロア部6と一体に設けられるが、このとき、クロスメンバ9とフロア部6との結合強度は、通常の使用状態で発生する荷重に対しては外れることなく、側方荷重Fの入力時にのみ外れるように設定することが好ましい。このようにすることにより、通常使用状態では、走行時の振動や捩れ等によってクロスメンバ9とフロア部6との間に発生する異音を抑制し、かつ、車体剛性を確保できるとともに、側面衝突時には、クロスメンバ9と共にシート1全体をよりスムーズに移動させることができる。
[第2の実施形態]
図16〜図18は、本発明にかかる車両用シートの保護装置の第2の実施形態を示し、前記第1の実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
本実施形態の側突保護装置E2にあっても、第1の実施形態の側突保護装置E1と同様に、ドア2の内部にドア補強部材3が設けられるとともに、シート1に荷重伝達部材4が設けられ、その荷重伝達部材4はトンネル部5に支持されるようになっている。また、シート1は、スライド装置7およびチルト装置やリクライニング装置等とともに全体が構成されている(図1参照)。
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、フロア部6の車幅方向側部にサイドシル8を設けるとともに、サイドシル8の車室内への変形に伴ってシート1全体を車両前方に移動させるシート前方移動手段を設けてあるが、特に、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、図16に示すように、シート前方移動手段としてフロア部6とは別体の押出部材20を用いたことにある。
押出部材20は、フロア部6の上側に載置してもよいが、特に、本実施形態では、シート1を設置するためのクロスメンバ30をフロア部6に設け、そのクロスメンバ30の上面に押出部材20を相対移動可能に載置してある。
押出部材20は、車幅方向に略一直線状に形成され、図17にも示すように、サイドシル8とトンネル部5とを車幅方向に連結し、車幅方向中央部にシート1全体を固定する中央側リンク21と、車幅方向両端部にサイドシル8の車室内への変形に伴って中央側リンク21を車両前方に押し出す端部側リンク22と、から構成してある。
中央側リンク21および端部側リンク22には、易屈曲部としてのヒンジ部22a、22bが設けられ、該ヒンジ部22a、22bを介して、中央側リンク21および端部側リンク22が回動可能に構成されている。このとき、内方のヒンジ部22bは、外方のヒンジ部22aに対して僅かに車両前方にオフセットされている。
中央側リンク21に対して外方側に配置される一対のヒンジ部22aは、一方がサイドシル8に結合されるとともに、他方がトンネル部5の側壁5aに結合される。また、中央側リンク21には、スライド装置7の位置に対応させて2箇所のシートアンカーボルトの固定部21aが設けられている。
勿論、本実施形態にあっても、1つのシート1に対して押出部材20は前後一対設けられ、それら一対の押出部材20の中央側リンク21に跨ってシート1全体が設置されることになる。
以上の構成により、第2の実施形態にかかる車両用シートの保護装置E2によれば、通常使用時では、押出部材20は、図16および図17に示すように、予め組み付けた初期位置に収まっており、シート1は、通常の設置位置にある。この状態から、シート1のスライド調整範囲を超えたドア2の前方部分に集中的な側方荷重Fが入力された場合、その側方荷重Fによってドア2の変形を伴いつつ、図18に示すように、サイドシル8が車内側に進入するようにして変形する。
すると、サイドシル8の車内側近傍のフロア部6およびクロスメンバ30は圧縮荷重を受けて縮まり、サイドシル8とトンネル部5との間の間隔Lが短縮される。これにより、押出部材20は、両端部の端部側リンク22がそれぞれに設けた2箇所のヒンジ部22a、22bから屈曲されて、中央部の中央側リンク21が前方に押し出されることから、その中央側リンク21に固定したシート1全体が前方に移動される。
従って、第1の実施形態と同様に、シート1の前方移動によって荷重伝達部材4は側方荷重Fの入力点に近づくため、荷重伝達部材4には側方荷重Fがより効率良く伝達されることになり、結果的に側方荷重Fの分散効率を高めることができる。
また、本実施形態によれば、押出部材20は、サイドシル8とトンネル部5とを車幅方向に連結し、車幅方向中央部にシート1全体を固定する中央側リンク21と、該中央側リンク21の車幅方向両端側に配置され、サイドシル8の車室内への変形に伴って中央側リンク21を車両前方に押し出す端部側リンク22と、を設けたので、側方荷重Fの入力に対してシート1全体を効率良く前方移動させることができる。
ところで、本実施形態では、端部側リンク22のヒンジ部22a、22bには、一定方向のみに回転する機構、例えば、ワンウエイクラッチを設けておくことが好ましい。即ち、側方荷重Fの入力時には、端部側リンク22が、外側のヒンジ部22aを中心として前方に回動することになるが、そのとき、外方のヒンジ部22aおよび内方のヒンジ部22bにそれぞれ設けるワンウエイクラッチは、端部側リンク22を前方に回動させる方向の回転のみを許容する機能を備えることになる。従って、このようにヒンジ部22a、22bにワンウエイクラッチを設けることにより、側面衝突時にはシート1を確実に前方に移動させることができる。
また、端部側リンク22の易屈曲部としてヒンジ部22a、22bを用いた場合を示したが、これに限ることなくノッチ等を設けた脆弱部を用いた場合にも、端部側リンク22の屈曲をスムーズに行わせることができる。
図19は、上記第2の実施形態に示したシート前方移動手段の変形例を示し、押出部材20を載置したクロスメンバ30の車幅方向両端部に、側方荷重Fの入力時に圧縮される方向(車幅方向)に容易に潰れるビード31を設けてある。
従って、本変形例では、側面衝突の初期にビード31が容易に潰れるため、クロスメンバ30の圧壊変形が促進されて、サイドシル8とトンネル部5との間の距離Lを減少させることができる。これにより、押出部材20の端部側リンク22がいち早く屈曲してシート1全体を迅速に前方移動させることができる。
尚、ビード31は、クロスメンバ30のいずれか一方の端部に設けた場合にあっても同様の機能を奏する。
ところで、本発明の車両用シートの保護装置は前記第1・第2実施形態および各変形例に例をとって説明したが、それら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
例えば、シート1の荷重伝達部材4は水平方向に限ることなく傾斜させてもよく、また、ドア補強部材3はウエストライン近傍に限ることなく側方荷重Fを効率よく受ける部位に設ければよい。勿論、この場合にあっても、ドア補強部材3と荷重伝達部材4の車外側端4aとは互いに対向する位置関係とされる。
1 シート
2 ドア
3 ドア補強部材
4 荷重伝達部材
4a 荷重伝達部材の車外側端
4b 荷重伝達部材の車内側端
5 トンネル部
6 フロア部
8 サイドシル(シル部材)
9 クロスメンバ(シート前方移動手段)
9C 中央部分
9S 傾斜部分
10 ビード(易変形部)
11、11A 補強板
20 押出部材
21 中央側リンク
22 端部側リンク
22a、22b ヒンジ部
E1、E2 側突保護装置

Claims (8)

  1. 車体側部に設けられ、車両前後方向に延在するドア補強部材を有するドアと、
    該ドアの車内側にドアに近接して配置されたシートと、
    該シートの車幅方向に延在し、その車外側端が前記ドア補強部材に対向するとともに、車内側端が車内側受け部材に支持される荷重伝達部材と、を備え、
    前記ドアの下方に車両前後方向に沿ってシル部材を延設し、該シル部材の車室内への変形に伴って、前記シートを車両前方に移動させるシート前方移動手段を設けたことを特徴とする車両用シートの保護装置。
  2. 前記シート前方移動手段は、前記シル部材とフロア部に設けられたトンネル部とを連結すると共に前記シートを支持するクロスメンバであることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの保護装置。
  3. 前記クロスメンバは、車幅方向の中央側に配置されて前記シートを固定する中央部分と、該中央部分の車幅方向両端側に配置されて、前記シル部材および前記トンネル部に向かうにつれて車両後方に傾斜する傾斜部分と、からなることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートの保護装置。
  4. 前記中央部分は、車幅方向に沿って直線状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用シートの保護装置。
  5. 前記クロスメンバは、車幅方向に沿って延在する補強板を有することを特徴とする請求項3または4に記載の車両用シートの保護装置。
  6. 前記クロスメンバの前方のフロア部に、フロア部の前後方向の変形を促進する易変形部を設けたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の車両用シートの保護装置。
  7. 前記シート前方移動手段は、前記シル部材およびフロア部のトンネル部同士を車幅方向に橋渡すと共にシートを支持する押出部材を有し、該押出部材は、リンク機構を用いて、前記シル部の車室内への変形に伴って前記シートを車両前方に移動させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの保護装置。
  8. 前記押出部材は、車幅方向中央側に配置されてシートを支持する中央側リンクと、中央側リンクの左右両側に易屈曲部を介して回動可能に軸支された端部側リンクとを備えてなることを特徴とする請求項7に記載の車両用シートの保護装置。
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