JP2010214355A - アルカリ水の生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の水の電気分解では、アルカリ水の生成と同時に通常は廃棄される酸性水も同時に生成され、無駄になっている。
【解決手段】 相対面する電極の一方に、通常の電気分解において負極側で起こる反応電圧(負電圧)以下の電圧を印加し、その対面電極にはこの電圧に対し反応が生ずる電位差のある負の電圧を印加して、酸性水の生成を抑制する。
【選択図】図3
【解決手段】 相対面する電極の一方に、通常の電気分解において負極側で起こる反応電圧(負電圧)以下の電圧を印加し、その対面電極にはこの電圧に対し反応が生ずる電位差のある負の電圧を印加して、酸性水の生成を抑制する。
【選択図】図3
Description
本発明は、アルカリ水の生成方法に関し、更に詳しくは複数の負電極を使用して酸性水の生成を生じず、原水の全てをアルカリ水とする水の電気分解方法に関する。
従来の水の電気分解は、原水(水道水)に、電解隔膜を中間に介在させた2個の電極を入れ、その各々の電極に正、負の電圧を印加し、陰極側にはアルカリ水が生成され、陽極側には酸性水が同時に生成される方法である。
以下、図1により従来の電気分解方法について説明する。図において水槽1の内側は電解隔膜5により仕切られており、その各々に電極3,4が配置され、内部には水の電気伝導度を高めるために電解促進補助剤が添加された原水(水道水)6を充填している。
この状態で、電源7から電極3,4に正、負の直流電圧を印加すると、負極側では水の還元作用が起こり水素ガスが発生してアルカリ水が生成される。一方正極側では水の酸化反応が起り酸素ガスが発生して酸性水が生成される。
同時に生成された酸性水は、用途が限られているため、せっかく生成されたものが廃棄される場合が多く、投入エネルギーや水資源の有効利用の観点からも無駄になっている。
この酸性水の無駄をなくするために、生成された酸性水とアルカリ水を混合して弱アルカリ水とする混合装置や、酸性水をアルカリ水に改質する改質器などが提案されているが、投入エネルギーはさらに効率の悪いものになっている。
従来存在している電気分解によるアルカリ水の生成装置としては、次の特許文献が存在するが、何れも正負電極を用いたもので、無駄な酸性水を生成するものであり、酸性水が生成しないアルカリ水の生成方法の提供が望まれていた。
従来存在している電気分解によるアルカリ水の生成装置としては、次の特許文献が存在するが、何れも正負電極を用いたもので、無駄な酸性水を生成するものであり、酸性水が生成しないアルカリ水の生成方法の提供が望まれていた。
以上述べた従来の電気分解では、アルカリ水を生成する際に、酸性水の生成が余儀なくされており、無駄になっていたものである。
本発明は、このように無駄になってしまう酸性水は生成されずに、原水(水道水)の全てをアルカリ水とすることができ、かつ、生成過程で排出されてしまう水素ガスを回収できるようにしたアルカリ水の生成方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明は、前記目的を達成するために、水道水など原水を入れた容器と、この容器に入れられた原水に、少なくとも相対面する一対の電極を浸漬し、各々の電極に何れも負電圧で電位差のある電圧を印加して、原水を全てアルカリ水に生成するアルカリ水の生成方法である。
前述した本発明の方法によれば、無駄になってしまう酸性水は生成されずに、原水(水道水)の全てをアルカリ水とすることができ、また、生成過程で排出されてしまう水素ガスを回収できるようにしたアルカリ水の生成方法を提供することができたものである。
以下、本発明の実施の形態を図2〜図8に基づいて説明するが、その前に、アルカリ水生成の原理及び作用を説明する。
通常の水の電気分解では、負極で起こる反応(2H2O+2e−→H2+2OH−)に必要な電位
E1は
E1=(−0.5914pH)〔V〕である。(pH=7のとき、E1=−0.414〔V〕)
一方正極で起こる反応(H2O→1/2O2+2H++2e−)に必要な電位E2は
E2=(1.229−0.05914pH)〔V〕である。(pH=7のとき、E2=0.815〔V〕)
そして E2−E1=1.23〔V〕であることから、pHにかかわらず1.23〔V〕以上の電圧を印加すれば両極でこれらの反応が起こる。
通常の水の電気分解では、負極で起こる反応(2H2O+2e−→H2+2OH−)に必要な電位
E1は
E1=(−0.5914pH)〔V〕である。(pH=7のとき、E1=−0.414〔V〕)
一方正極で起こる反応(H2O→1/2O2+2H++2e−)に必要な電位E2は
E2=(1.229−0.05914pH)〔V〕である。(pH=7のとき、E2=0.815〔V〕)
そして E2−E1=1.23〔V〕であることから、pHにかかわらず1.23〔V〕以上の電圧を印加すれば両極でこれらの反応が起こる。
上記のことから、E2(負の低電圧側)には−0.414〔V〕以下の電位を印加し、E1(負の高電圧側)にはE2より1.23〔V〕以上のマイナス電位を印加することで、酸性水の生成を抑制することができる。
また、本発明の方法では、従来方法の電気分解では必然的に発生する酸素ガスの発生はなく、両極から水素ガスのみの発生となるため発生量は2倍となり、効率のよい水素ガス回収形アルカリ水生成方法となる。
先ず、図3に示すように、容器12に原水(水道水)13を1,000cc入れ、その水の中に図2に示す形状のフェライト電極14,15を間隔1mmで浸漬セットする。そして、これらの電極13,14に電源16から負の電圧を通電して電気分解を行なった。尚、原水には電解促進補助剤は添加していない。
水の電気分解には通常直流電源を使用するため、本発明では図4に示すマイナス−マイナスの直流電圧を印加することとしているが、今回は電源製作の都合上、図5に示すマイナス−マイナスの全波整流電圧を印加し、E1(負低圧側)に−0.45〔V〕、E2〔負高圧側〕に−7.9〔V〕を印加した。
通電中に、水中のNa+、Ca+などの陽イオンが電極14,15に集積してスケールを形成することで、電気分解効率を低下させる可能性も考えられるため、この対策として両極の電圧を1分間隔で切り替えた。
水道水はpHを7付近に調整したものを使用、水温は一定になるまで恒温槽内に静置した。
pHは30分間隔で測定した。測定方法は一定時間の通電後、電極14,15を取り出し、攪拌棒で攪拌してからpH計で測定した。
水の電気分解では水の電気伝導率の影響が大きいため、この伝導率向上の一因である水温の影響も把握するため、水温を10℃、20℃、30℃としその各々につき同一条件で測定した。
この結果を図6に示す。図6で見るごとく、水温のいずれの条件でもpHが上昇(アルカリ化)し、もくろみ通り酸性水の生成が抑制できたものと考えられ、本発明が推測どおりに作用していることが実証された。ただし、pHの上昇に水温依存性があり、10℃付近では上昇率が低く、20℃程度以上が好ましいことが判った。尚、20℃と30℃ではあまり差が出ていないので製品化に際しての参考とすればよい。
水の電気分解では水の電気伝導率の影響が大きいため、この伝導率向上のため水に電解促進補助剤を添加するのが通常である。本発明の方法でもその効果を確認するため、電解促進補助剤としてNaClを用い、0.2%、2.0%の溶液を作り、水温20℃として上記方法と同一条件で5分間隔で測定した。
この結果を図7に示す。図7で見るごとく、電解促進補助剤の効果は顕著で、従来の電気分解と同様、本発明の電気分解方式でもその有用性が確認できた。尚、0.2%溶液と2.0%溶液ではその効果にほとんど差がでていないことから、電解促進補助剤の選定や溶液濃度などの適正値を把握する必要がある。
上述のごとく、本発明では酸性水の生成がなく原水の全量がアルカリ水になるということが確認された。つまり、生成過程では酸素ガス(O2)の発生がなく、水素ガス(H2)のみが発生していることであり、従来の水の電気分解による水素ガスの取得方法と比較すれば、はるかに効率よく水素ガスを取得できることになる。
そこで図8に見るごとく、密閉した電気分解槽20の上部に水素ガスの収集口21を設ければ、アルカリ水の生成過程で水素ガスの取得もでき、投入エネルギーの効率も格段に向上した水の電気分解装置とすることができる。
本発明アルカリ水は、界面活性剤を使用していないため、排水処理費用が不要であり、広い応用分野に適用される。
3,4 電極
5 電解隔膜
14,15 電極
16 電源
20 密閉電解槽
21 水素ガス収集口
5 電解隔膜
14,15 電極
16 電源
20 密閉電解槽
21 水素ガス収集口
Claims (2)
- 水道水など原水を入れた容器と、この容器に入れられた原水に、少なくとも相対面する一対の電極を浸漬し、各々の電極に何れも負電圧で電位差のある電圧を印加して、原水を全てアルカリ水に生成するアルカリ水の生成方法。
- 前記容器を密閉し、容器の上部に水素ガス取り出し口を設け、水素ガスの回収も可能とした前記請求項1記載のアルカリ水生成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009093426A JP2010214355A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | アルカリ水の生成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009093426A JP2010214355A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | アルカリ水の生成方法 |
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JP2010214355A true JP2010214355A (ja) | 2010-09-30 |
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ID=42973773
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JP2009093426A Pending JP2010214355A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | アルカリ水の生成方法 |
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JP (1) | JP2010214355A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015079594A1 (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-04 | 鈴木 健治 | 水素水製造装置及びそれに用いられる電極 |
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2009
- 2009-03-13 JP JP2009093426A patent/JP2010214355A/ja active Pending
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WO2015079594A1 (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-04 | 鈴木 健治 | 水素水製造装置及びそれに用いられる電極 |
JP2015104690A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | 株式会社インテクトプランニング | 水素水製造装置及びそれに用いられる電極 |
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