JP2010214285A - ガス処理方法 - Google Patents

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敦 平山
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徹 塩満
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将 鮎川
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Abstract

【課題】ガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法において、吸着剤の吸着容量をほぼ100%使いきることができるとともに、吸着剤の交換頻度の増加を最低限に抑えることができるガス処理方法を提供する。
【解決手段】被処理ガスの流れ方向に対して吸着剤層が直列に2段以上配設された吸着装置によりガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法であって、ガス性状と吸着操作条件に基づきガス中の吸着質濃度を所定値にまで低減することができる吸着帯長さを求め、前記吸着剤層の厚さを前記吸着帯長さに設定し、最下流段の吸着剤層から排出されるガス中の吸着質濃度が所定値以上になった時に最下流段の吸着剤層を最上流段に移設すると共に、移設後の最上流段の吸着剤層以外の吸着剤層を新規の吸着剤層に交換することを特徴とするガス処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス中の揮発性有機化合物(VOC)等の炭化水素、またダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物、あるいは硫化水素やアンモニア等の悪臭物質等を吸着除去するガス処理方法に関する。
近年、浮遊性粒子状物質(SPM)や光化学オキシダントに係わる大気汚染が問題になっており、その原因物質の1つであるVOC等炭化水素の排出抑制の必要性から、工業設備から排出される排ガス中の炭化水素の排出抑制が求められている。また、工場近隣の住民の快適な生活への配慮から悪臭物質の抑制も求められている。一方、ごみ焼却炉や電気炉等の炉設備から排出される排ガスに含まれているダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物についても、人体への有害性の観点から排出削減が強く求められている。
これらの排ガス中の有害物を除去する処理方法としては、燃焼法、吸着法があるが、燃料の使用による二酸化炭素排出がなく、かつ比較的低濃度の物質にも適用可能である方法として、活性炭やゼオライト等の吸着剤による吸着法が好ましい。この吸着法では、吸着剤を用いてVOCや悪臭物質を排ガスから吸着除去し、その後吸着剤が吸着質を吸着して寿命に達すると、新しい吸着剤に交換してその除去性能を維持するものである。
図8は吸着法における吸着剤の変化の様子を説明する説明図であり、図8(a)は吸着剤使用直後の状態を示し、図8(b)は図8(a)の状態からガスをさらに流した状態で、吸着剤の寿命がまだ残っている状態を示し、図8(c)はさらにガスを流し続け、吸着剤が寿命に達する直前の状態を示している。
以下、図8に基づいて吸着剤の変化の様子を説明する。
(1)ガス中の吸着質(吸着剤に吸着される物質)濃度CがCOのガスを吸着剤に流すと、吸着剤に吸着質が吸着されている吸着帯(吸着が進行している部分)が形成され、吸着帯の出口側の吸着質濃度が所望の濃度(例えば除去率95%とすると0.05CO)まで低減される。(図8(a)参照)
なお、吸着帯は「吸着質を所望の濃度にまで低減させるために必要な吸着剤の厚み部分」と言い換えることができる。
(2)図8(a)の状態からさらにガスを送気し続けると、吸着平衡に達してそれ以上吸着質を吸着できない飽和状態に達した部分(平衡吸着帯)が吸着剤層の上流側に形成され、ガス送気時間の経過とともにその厚みは徐々に増加していく。平衡吸着帯の増加とともに、吸着帯は上流側から下流側へ移動する。送気条件等使用条件が一定であれば、吸着帯長さも一定に保たれたまま移動する。
吸着帯が移動している状態においては、吸着剤層には上流側から下流側に向かって、平衡吸着帯、吸着帯、未吸着帯が形成されている。(図8(b)参照)
(3)図8(b)の状態からさらにガスを送気し続けると、吸着帯の下流端が吸着剤層出口に達する(未吸着帯がなくなる)と、出口から排出されるガス中に吸着剤に吸着しきれなかった吸着質がでてくる。この状態を破過といい、この時点を破過点といい、吸着剤は寿命を迎えることとなる。
上記のような変化をする吸着剤を備えた吸着塔によるガス処理方法では、時間経過に伴い、吸着塔出口ガス中の吸着質濃度が上昇し始め、所定値(例えば入口ガス中の吸着質濃度の5%程度)に達した時点を破過点として、吸着剤の寿命に達したものとして、吸着剤を新品に交換することが行われる。このような吸着剤の交換をしながら運転を行うことにより吸着塔による吸着質の除去性能は常時維持されるが、吸着剤の交換費用が掛かるため、吸着剤の使用量を必要最小限とすることが求められる。
このような課題に対して、例えば吸着塔を直列に2段設置し、破過点に達した時点で吸着剤の交換を行い、この際に下流段の吸着塔を上流段に移設し、新しい吸着剤に交換した吸着塔を下流段に設置することによって吸着剤の使用量を節減する脱臭管理方法が開示されている(特許文献1参照)。
図9は特許文献1に開示された脱臭管理方法を説明する説明図であり、図9(a)が図8と同様に吸着剤の変化の様子を示しており、図9(b)が吸着帯を示す部分に描かれている曲線の説明図である。図9(a)の(A)は吸着開始からある時間経過後の状態を示し、図9(a)の(B)は破過時の状態を示し、図9(a)の(C)は移設交換直後の状態を示し、図9(a)の(D)は再び破過時に達した状態を示している。
また、図9(b)の横軸は吸着質濃度を示し、縦軸はガス流れ上流からの吸着剤層厚を示している。図9(b)から分かるように、吸着帯においては、被処理ガスが吸着帯を通過するに従って吸着質濃度が徐々に低下して吸着帯の下流端では被処理ガスの吸着質濃度が所望の濃度にまで低減される。
以下、図9に基づいて特許文献1に開示された脱臭管理方法について説明する。
吸着装置入口でのガス中の吸着質濃度C0のガスを流すと、吸着帯(ここでは吸着質の除去率95%に相当する吸着質濃度が0.05C0にまで低減される吸着剤層厚)が形成され、吸着剤層には、上流側から順に平衡吸着帯、吸着帯、未吸着帯が形成される。このとき、吸着装置出口濃度は0.05C0である。通ガス時間の経過に伴い吸着帯が下流側に移動し、吸着帯上流の平衡吸着帯が増加していく(図9(a)の(A)参照)。
更に時間が経過すると、吸着帯の下流端が吸着剤層出口にまで達する(図9(a)の(B)参照)。この時点を破過時とし、吸着剤を交換する。もし、この時点で吸着剤の交換をせずに通ガスを継続すると、排出されるガス中に吸着されなかった吸着質が出てくる。破過時において、吸着剤層は平衡吸着帯と吸着帯で構成され、平衡吸着帯の吸着剤は吸着容量のほぼ100%を使い切っているが、吸着帯の形成されている吸着剤には40〜60%程度吸着容量に余裕がある状態である。このように、吸着帯の形成されている吸着剤には吸着質を吸着できる吸着容量に余裕があるものの、吸着装置出口でのガス中吸着質濃度を所定値以下に維持するためにはこのままの状態で使用継続することはできない。もっとも、吸着帯の形成されている吸着剤は、全吸着剤容量の100%を使いきっているわけではなく、吸着容量に余裕を残した状態であり、これを新品に交換するのでは吸着剤が無駄になる。
そこで、特許文献1に記載の脱臭管理方法では、破過時に吸着剤を交換する際に、下流段の吸着塔をそのまま上流段に移設し、下流段の吸着塔は新品の吸着剤に交換するようにしている(図9(a)の(C)参照)。このようにすることで、吸着帯が存在し吸着容量に余裕を残していた移設前の下流段の吸着塔を使用することができる。
移設交換後、通ガスを再開すると時間の経過と共に吸着帯が下流側に移動し、吸着帯の下流端が吸着剤層出口にまで達すると破過となり、図9(a)の(B)に示した破過時と同様に吸着塔を移設交換する(図9(a)の(D)参照)。それ以降は図9(a)の(C)、図9(a)の(D)のサイクルを繰り返す。
以上のような脱臭管理方法を行うことで、吸着剤の吸着容量をほぼ100%使うことができ、吸着剤の使用量を削減できる。
特開2007-44679号公報
確かに、特許文献1に記載の脱臭管理方法によれば、吸着剤の吸着容量をほぼ100%使うことができ、吸着剤の使用量を削減できる。
しかし、下流段の吸着塔が破過に達した時点で、下流段の吸着塔の吸着剤層内には平衡吸着帯が存在しているため、下流段の吸着塔を上流段の吸着塔に移設して通ガスを再開した時点で、上流段の吸着塔に平衡吸着帯が存在することになる。そのため、上流段と下流段の両方の吸着塔の吸着剤を新品に交換する場合にくらべて破過に達するまでの時間が短くなる。その結果、吸着剤の交換頻度が増加し、交換作業費用の増加と、交換作業時間中の吸着装置の停止時間が増加するという問題点がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、ガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法において、吸着剤の吸着容量をほぼ100%使いきることができるとともに、吸着剤の交換頻度の増加を最低限に抑えることができるガス処理方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るガス処理方法は、被処理ガスの流れ方向に対して吸着剤層が直列に2段以上配設された吸着装置によりガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法であって、
ガス性状と吸着操作条件に基づきガス中の吸着質濃度を所定値にまで低減することができる吸着帯長さを求め、
前記吸着剤層の厚さを前記吸着帯長さに設定し、
最下流段の吸着剤層から排出されるガス中の吸着質濃度が所定値以上になった時に最下流段の吸着剤層を最上流段に移設すると共に、移設後の最上流段の吸着剤層以外の吸着剤層を新規の吸着剤層に交換することを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、吸着装置は、吸着剤層を有する吸着塔を直列に2段以上配設してなることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、吸着装置は、直列に2段以上配設された吸着剤層を有する吸着塔からなることを特徴とするものである。
(4)また、本発明に係るガス処理方法は、被処理ガスの流れ方向に対して吸着剤カートリッジが直列に2段以上でかつ着脱可能に配設された吸着装置によりガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法であって、
該吸着剤カートリッジは、カートリッジ内において、複数の平板状の吸着剤層からなる吸着剤層が平行に配置されてなり、吸着剤層の一方の側面側に供給された被処理ガスが吸着剤層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流れが形成されており、吸着剤カートリッジに送られたガスは複数の吸着剤層に分配され吸着除去処理されるように構成されており、
ガス性状と吸着操作条件に基づきガス中の吸着質濃度を所定値にまで低減することができる吸着帯長さを求め、
前記吸着剤層の厚さを前記吸着帯長さに設定し、
最下流段の吸着剤カートリッジから排出されるガス中の吸着質濃度が所定値以上になった時に最下流段の吸着剤カートリッジを最上流段に移設すると共に、移設後の最上流段の吸着剤カートリッジ以外の吸着剤カートリッジの吸着剤を新規の吸着剤に交換することを特徴とするものである。
本発明においては、吸着剤層の厚さを吸着帯長さに設定し、最下流段の吸着剤層から排出されるガス中の吸着質濃度が所定値以上になった時に最下流段の吸着剤層を最上流段に移設すると共に、移設後の最上流段の吸着剤層以外の吸着剤層を新規の吸着剤層に交換するようにしたので、吸着剤の吸着容量をほぼ100%使いきることができるとともに、吸着剤の交換頻度の増加を最低限に抑えることができる。
本発明の一実施の形態に係るガス処理方法の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るガス処理装置の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るガス処理装置の他の態様の説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るガス処理装置の説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るガス処理装置の説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るガス処理装置の他の態様の説明図である。 図6の矢視A−A線に沿う断面図である。 吸着法における吸着剤の変化の様子を説明する説明図である。 特許文献1に開示された脱臭管理方法の説明図である。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係るガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法を説明する説明図、図2はガス処理方法に使用するガス処理装置の説明図である。
まず、図2に基づいて本実施の形態のガス処理方法に使用するガス処理装置について説明する。
本実施の形態に係るガス処理装置1は、吸着塔3内に吸着剤層5が被処理ガスの流れ方向に対して直列に上流段、中流段、下流段と3段配設されてなるものである。そして、各吸着剤層5の厚さは吸着帯長さに設定されている。
吸着帯長さとは、前述したように、吸着質を所望の濃度にまで低減させるために必要な吸着剤の厚みであり、吸着帯長さは以下に説明するようにして決定する。
<吸着帯長さの決定方法>
吸着帯長さは、処理前の吸着質濃度がC0の被処理ガスに対して、その濃度を、吸着質の所定の除去率例えば95%に相当する吸着質濃度である0.05C0にまで低減できる吸着剤層厚さである。
まず、被処理ガスのガス性状の調査を行い、ガス温度や水分濃度、ダスト濃度、吸着質の濃度、吸着質の吸着性能を阻害する物質の有無、その濃度等のガス性状を把握する。さらに、吸着装置内のガス流速や空間速度等の吸着操作条件を定める。そして、ガス性状と吸着操作条件に基づきガス中の吸着質濃度を所定値にまで低減することができる吸着帯長さを求める。すなわち、把握したガス性状と定めた吸着操作条件で実験を行い、その結果に基づき吸着帯長さを決定する。また、過去の運転実績データから類推してもよい。
吸着帯長さが決定されると、決定した吸着帯長さと同じ層厚となるように各段の吸着剤層5を設定する。
なお、吸着剤としては活性炭やゼオライト、シリカゲル等の通常用いられる吸着剤を用いることができ、吸着質の種類やガス条件に応じて適宜選択して用いる。
次に、上記のように構成された本実施の形態のガス処理装置1を用いて行うガス処理方法を図1に基づいて説明する。図1は図9と同様に、通ガスしたときの吸着剤の変化の様子を示しており、図1の(A)は吸着開始からある時間経過後の状態を示し、図1の(B)は破過時の状態を示し、図1の(C)は移設交換直後の状態を示し、図1の(D)は再び破過時に達した状態を示している。なお、図1における吸着帯に描いた曲線の意味は図9のものと同様である。
吸着装置入口でのガス中の吸着質濃度C0のガスを流すと、吸着帯が形成され、吸着剤層5には、上流側から順に平衡吸着帯、吸着帯、未吸着帯が形成される。このとき、吸着装置出口濃度は0.05C0である。通ガス時間の経過に伴い吸着帯が下流側に移動し、吸着帯上流の平衡吸着帯が増加していく。(図1の(A)参照)
更に時間が経過すると、吸着帯の下流端が下流段の吸着剤層出口にまで達し、下流段の吸着剤層5から排出されるガス中の吸着質濃度が所定値以上になり、破過となる(図1の(B)参照)。破過時において、上流段と中流段の吸着剤層5は平衡吸着帯となっており、吸着容量は100%使われている。下流段の吸着剤層5は吸着帯となっていて、吸着帯の吸着剤には40〜60%程度吸着容量に余裕がある状態である。
破過に達すると、下流段の吸着剤層5を上流段に移設し、上流段と中流段の平衡吸着帯となった吸着剤層5を廃棄し新規の吸着剤層5に交換して、中流段と下流段として設置する。
移設交換直後には、上流段の吸着剤層5は吸着帯となっており、中流段と下流段は未吸着帯である(図1の(C)参照)。
移設交換後、通ガスを再開すると時間の経過と共に吸着帯が下流側に移動し、吸着帯よりも上流の平衡吸着帯が増加していく。
吸着帯の下流端が下流段の吸着剤層出口にまで達すると破過となり(図1の(D)参照)、図1の(B)の時点で行ったのと同様に吸着剤層5を移設交換する(図1の(C)参照)。これ以降は、図1の(D)の時点に到達すると図1の(C)に示す状態になるように吸着剤層5の移設交換を行うというサイクルを繰り返す。
以上のように、本実施の形態によれば、移設交換時に廃棄する吸着剤層5は平衡吸着帯となっており、吸着剤の吸着容量をほぼ100%使いきることができる。また、各段の吸着剤層厚が吸着帯長さと等しくなるように設定されているため、破過時に達して吸着剤層5を移設交換する時、破過時の下流段の吸着剤層5、すなわち交換後の上流段に移設された吸着剤層5には平衡吸着部が存在しない。このため、全ての段の吸着剤層5を新品に交換する場合と比べた時の寿命の大幅な低下を抑えることができる。それ故、吸着剤の交換頻度の増加を最低限に抑えることができるため、交換作業費用の増加や、交換作業時間中の吸着装置の停止時間が増加するということを防止することができる。
また、本実施の形態においては、一つの吸着塔3内に吸着剤層5を3段設置しているので、吸着剤交換時の作業性に優れると共に省スペース化が図られ好ましい。
なお、上記の説明においては特に言及していないが、ガスを効率的に吸着剤層を通過させるために送風のためのブロワーを別途設けるようにするのが望ましい。
また、上記の実施の形態1では一つの吸着塔3内に吸着剤層5を3段設置した例を示したが、
吸着剤層5の段数は3段に限定されるものではなく、2段でも、あるいは4段以上でもよい。
さらに、上記の実施の形態1では一つの吸着塔3内に吸着剤層5を複数段設ける例であるが、一つの塔に一つの吸着剤層5を設け、このような吸着塔3をガス流れに対して直交するように複数段設けるようにしてもよい。図3はこのようなものの一例であり、一つの吸着塔3に一つの吸着剤層5を設け、このような吸着塔3を直列に2個連結したものである。
[実施の形態2]
また、本発明で用いる吸着装置としては吸着塔3に吸着剤をそのまま充填する形態も可能であるが、図4に示すような着脱可能な吸着剤カートリッジ7に吸着剤を充填してなる吸着剤層5を形成し、図5に示すように複数段の吸着剤カートリッジ7を吸着塔3に設置するような形態であってもよい。
図4に示すように、吸着剤カートリッジ7の上流端面にはガス入口9と蓋部11が交互に設けられている。また、吸着剤カートリッジ7の下流端面においては、前記上流端面のガス入口9に対応する部位には蓋部11が設けられ、前記上流端面の蓋部11に対応する部位にはガス出口13が設けられている。
また、吸着剤カートリッジ7内においては、複数の平板状の吸着剤層5が平行に配置されており、ガス入口9を通じて吸着剤層5の一方の側面側に供給されたガスが、吸着剤層5を通過して他方の側面側に抜け、ガス出口13を通じて排出されるようなガス流れが形成されており、吸着剤カートリッジ7に送られたガスは複数の吸着剤層5に分配され吸着除去処理される。
図4に示す吸着剤層厚は吸着帯長さに設定されており、それ故、図5に示す下流段の吸着剤カートリッジ7が破過に達したら、これを上流段に移設し、この上流段以外の段の吸着剤カートリッジ7を新品に交換することにより、実施形態1と同様に吸着剤の吸着容量をほぼ100%使いきることができると共に全ての段の吸着剤層5を新品に交換する場合と比べた時の寿命の大幅な低下を抑えることができ、吸着剤の交換頻度の増加を最低限に抑えることができる。
吸着剤カートリッジ7を用いることにより、吸着剤層厚を吸着帯長さに応じて容易に設定でき、かつ吸着塔3をよりコンパクトにすることが可能であり、本発明のガス処理方法に用いる吸着装置の構造として非常に適している。
また、吸着質を含有するガスと吸着剤層5が側流式で接触する構造であるため、ガスが接触する吸着剤層5の面積を大きくとることができ、吸着塔3の設置面積が小さく経済的である。また、吸着剤層5は吸着帯長さと同じ層厚に設定され、通常は数センチメートル程度と非常に薄いため圧力損失を小さくでき、ブロワーが小型化され経済的である。
さらに、吸着剤層5は互いに平行でかつ面対称な配置となっており、かつ吸着剤が蓋部11との間に隙間が生じないように圧密充填されているため、高い吸着性能を発揮するためには必須であるガス流れの均一化が可能となり、ガスのショートパス(吹き抜け)が防止され、吸着剤層5とガスとの接触効率が高く、吸着時において高い性能が発揮される。
またさらに、カートリッジ構造を有しているため、吸着塔3からのカートリッジの着脱が容易であり、吸着剤の交換や装置内の点検等のメンテナンスを容易に行なうことができる。
なお、吸着剤カートリッジ1機あたりの寸法が大きくなると、メンテナンス時の吸着塔3からの着脱作業性が悪くなることから、例えば数万〜数十万m3/hという多量のガスを処理するような場合には、複数の吸着剤カートリッジを吸着塔3内に並列に並べ、かつ直列に複数段設置して用いることが好ましい。図6及び図6の矢視A−A断面図である図7に示す例では、並列に4個の吸着剤カートリッジを並べ、これを直列に4段設置した例を示している。このように、吸着剤カートリッジを用いることにより、使用条件に応じて、吸着剤カートリッジの配置を並列、直列に組合せ、最適な配置で使用することができる。
以下、本発明のガス処理方法の効果を確認するための実験を行ったので、これについて説明する。
行った実験は、ベンゼンを5ppm含有したガスを、活性炭を用いて吸着処理するというものである。なお、ガス流量は20Nm3/h、ガス温度は70℃であった。
事前に予備試験を行い、吸着帯長さを求めた結果、吸着帯長さは5cmとなった。そこで、活性炭10kgを、1層あたり5cmで直列4段となるように(1層あたり2.5kg)吸着塔内に充填して通ガスを開始し、出口ベンゼン濃度を継続的に測定した。通ガス開始後52日経過した時点で出口ベンゼン濃度が対象ガスの濃度5ppmの5%に相当する0.25ppmとなり、破過に達した。この破過時点で通ガスを停止し、最下流段の活性炭層を最上流段に移設し、この最上流段以外の段には新品の活性炭を計7.5kg充填した。通ガスを再開し、出口ベンゼン濃度を継続的に測定したところ、通ガス開始後45日経過した時点で出口ベンゼン濃度が0.25ppmとなり破過に達した。すなわち活性炭の交換間隔は45日である。
1回目の交換時に抜き出した3段分の活性炭を良く混合し、活性炭中のベンゼン量を測定した結果、新品活性炭1gあたりに換算したベンゼン吸着量は0.050g/gであった。別途求めた本条件下におけるベンゼンの平衡吸着量は0.051g/gであるので、活性炭の吸着容量の利用率は0.050/0.051×100=98.0%となり、吸着剤容量をほぼ100%使うことができた。
[比較例]
比較実験として、上記の実施例と同じベンゼンを5ppm含有したガスを、活性炭を用いて吸着処理する以下に示す実験を行った。なお、ガス流量は20Nm3/h、ガス温度は70℃であり、これらの条件は上記実施例と同じである。
活性炭10kgを5kgずつ吸着塔2塔に充填し、吸着塔が直列2段となるように設置した。通ガスを開始し、2段目の吸着塔出口ベンゼン濃度を継続的に測定した。通ガス開始後52日経過した時点で出口ベンゼン濃度が0.25ppmとなり、破過に達した。この破過時点で通ガスを停止し、下流段の吸着塔をそのまま上流段に移設し、上流段の吸着塔は使用済の活性炭を抜き出して新品の活性炭5kgを充填し、下流段に設置した。通ガスを再開し、再度出口ベンゼン濃度を継続的に測定したところ、通ガス開始後30日経過した時点で出口ベンゼン濃度が0.25ppmとなり破過に達した。すなわち活性炭の交換間隔は30日である。
1回目の交換時に抜き出した活性炭を良く混合し、活性炭中のベンゼン量を測定した結果、新品活性炭1gあたりに換算したベンゼン吸着量は0.050g/gであった。別途求めた本条件下におけるベンゼンの平衡吸着量は0.051g/gであるので、活性炭の吸着容量の利用率は0.050/0.051×100=98.0%となり、吸着剤容量をほぼ100%使うことができた。
比較例では活性炭の交換間隔は30日であったことに対して、実施例における交換間隔は45日であり、本発明によれば、吸着剤容量をほぼ100%使うことができると共に、活性炭の交換間隔を大幅に延ばすことができ、吸着剤の交換頻度を大幅に低減できることが確認された。
本発明は、ガス中の有害物を除去する産業分野で利用可能である。
1 ガス処理装置
3 吸着塔
5 吸着剤層
7 吸着剤カートリッジ
9 ガス入口
11 蓋部
13 ガス出口

Claims (4)

  1. 被処理ガスの流れ方向に対して吸着剤層が直列に2段以上配設された吸着装置によりガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法であって、
    ガス性状と吸着操作条件に基づきガス中の吸着質濃度を所定値にまで低減することができる吸着帯長さを求め、
    前記吸着剤層の厚さを前記吸着帯長さに設定し、
    最下流段の吸着剤層から排出されるガス中の吸着質濃度が所定値以上になった時に最下流段の吸着剤層を最上流段に移設すると共に、移設後の最上流段の吸着剤層以外の吸着剤層を新規の吸着剤層に交換することを特徴とするガス処理方法。
  2. 吸着装置は、吸着剤層を有する吸着塔を直列に2段以上配設してなることを特徴とする請求項1に記載のガス処理方法。
  3. 吸着装置は、直列に2段以上配設された吸着剤層を有する吸着塔からなることを特徴とする請求項1に記載のガス処理方法。
  4. 被処理ガスの流れ方向に対して吸着剤カートリッジが直列に2段以上でかつ着脱可能に配設された吸着装置によりガス中の吸着質を吸着除去するガス処理方法であって、
    該吸着剤カートリッジは、カートリッジ内において、複数の平板状の吸着剤層からなる吸着剤層が平行に配置されてなり、吸着剤層の一方の側面側に供給された被処理ガスが吸着剤層を通過して他方の側面側に抜けるようなガス流れが形成されており、吸着剤カートリッジに送られたガスは複数の吸着剤層に分配され吸着除去処理されるように構成されており、
    ガス性状と吸着操作条件に基づきガス中の吸着質濃度を所定値にまで低減することができる吸着帯長さを求め、
    前記吸着剤層の厚さを前記吸着帯長さに設定し、
    最下流段の吸着剤カートリッジから排出されるガス中の吸着質濃度が所定値以上になった時に最下流段の吸着剤カートリッジを最上流段に移設すると共に、移設後の最上流段の吸着剤カートリッジ以外の吸着剤カートリッジの吸着剤を新規の吸着剤に交換することを特徴とするガス処理方法。
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